エア・ウォーター(4088)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】当「エア・ウォーター」グループは、エア・ウォーター、連結子会社206社、持分法適用会社53社の合計260社で構成され、デジタル&インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ、並びにその他の事業に関する製品・商品の製造・販売を行っております。 当グループが営んでいる主な事業内容とエア・ウォーター及び関係会社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。以下の事業区分はセグメント情報における事業区分と同一であります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.事業セグメント」をご参照ください セグメント名称主な事業内容主要な会社デジタル&インダストリー酸素・窒素・アルゴン等の産業ガスの製造・販売、電子材料、機能材料等の製造・販売、北米・インドをはじめとした海外における産業ガス事業及び高出力UPS(無停電電源装置)事業等エア・ウォーター、エア・ウォーター東日本㈱、エア・ウォーター西日本㈱、エア・ウォーター・メカトロニクス㈱エア・ウォーター・マッハ㈱、エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱、エア・ウォーター・ガスプロダクツ㈱、日本電熱㈱、エア・ウォーター産業・医療ガス㈱AIR WATER INDIA PVT. LTD.、AIR WATER AMERICA INC.、エア・ウォーター・エンジニアリング㈱エネルギーソリューションLPガス・灯油の販売及び、LNG関連機器の製造・販売、炭酸ガス・水素ガスの製造・販売、等エア・ウォーター、エア・ウォーター東日本㈱、エア・ウォーター西日本㈱、エア・ウォーター・ライフソリューション㈱、エア・ウォーター・グリーンデザイン㈱K&Oエナジーグループ㈱ヘルス&セーフティー酸素等の医療用ガス、歯科材料、衛生材料、注射針、エアゾール製品等の製造・販売並びに、病院設備工事、病院サービス、在宅医療等エア・ウォーター、エア・ウォーター東日本㈱、エア・ウォーター西日本㈱、エア・ウォーター防災㈱、川本産業㈱、エア・ウォーター・リアライズ㈱、㈱歯愛メディカルアグリ&フーズ青果物の加工・流通及び冷凍食品・食肉加工等の製造・販売並びに清涼飲料水の製造受託等エア・ウォーター、ゴールドパック㈱、㈱九州屋、エア・ウォーターアグリ&フーズ㈱、㈱プラスその他の事業一般貨物・食品・医療・環境等の物流サービスを展開する物流事業、業務用塩やマグネシア等を製造・販売する海水事業、木質バイオマスによる電力事業、エレクトロニクス関連専門商社事業等エア・ウォーター、㈱日本海水、エア・ウォーター物流㈱、エア・ウォーター・マテリアル㈱、タテホ化学工業㈱ 事業の系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、エア・ウォーターグループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針エア・ウォーターグループの経営理念は、次のとおりであります。「創業者精神を持って、空気、水、そして地球にかかわる事業の創造と発展に、英知を結集する」エア・ウォーターグループの事業の原点は、社名に冠した「空気」と「水」であり、このかけがえのない地球の資源を活かして事業を創出し、社会や人々の暮らしに貢献していくことがエア・ウォーターグループの使命であります。エア・ウォーターグループは、この経営理念の下、目まぐるしく変化を続ける経営環境の中でグループの総合力を発揮し、社会の発展に役立つ多種多様な製品・サービスを提供する企業であり続けることを目指しております。 (2) 対処すべき課題エア・ウォーターグループにおける不適切な会計処理により、株主、投資家、お客様、従業員をはじめとするあらゆるステークホルダーの方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます。エア・ウォーターは、2025年7月に、連結子会社において在庫を巡る不適切な会計処理を自主点検により発見いたしました。その後、社内調査を進める中で、同年9月に複数の連結子会社およびエア・ウォーターの事業部門でも在庫や貯蔵品等で不適切な会計処理を発見し、会計監査人による監査の実施過程でもこれらの会計処理に対し指摘を受けました。これを受け、2025年10月に、独立した外部専門家(弁護士および公認会計士)からなる特別調査委員会を設置してエア・ウォーターグループ全体を対象にした調査を開始するとともに、同年11月に取締役会の諮問機関として経営改革委員会を設置し、同委員会からの答申を受け、社外取締役からの取締役会議長選任および経理・財務統括責任者の設置等の経営体制の一部見直しを実施いたしました。その後、2026年4月3日付で公表した「特別調査委員会による調査報告書の公表に関するお知らせ」のとおり、特別調査委員会による調査の結果、2019年度から2025年度上半期までの期間において、エア・ウォーターグループにおいて不適切な会計処理が行われていた事実に加え、その一部に経営トップやマネジメント層の関与が認められました。また、特別調査委員会からは、一部調査未了であった事項につき、2026年6月19日付で追加調査報告書を受領しております。さらに、不適切会計事案に係る責任の明確化を図るため、2026年6月19日開催の取締役会および監査役会において責任調査委員会の設置を決定いたしました。同委員会において、エア・ウォーターの現旧の取締役および監査役の法的責任の有無について調査・検討を行っており、その報告・提言を踏まえ、必要な対応を検討してまいります。また、本件を受け、エア・ウォーターは2026年5月1日付で東京証券取引所より特別注意銘柄に指定されております。エア・ウォーターは、特別注意銘柄の指定解除に向け、特別調査委員会の調査報告書において指摘された原因分析および再発防止策の提言を踏まえ、企業風土、ガバナンスおよび内部管理体制等の改善を目的とした改善計画を策定することとし、その策定および「改善計画・状況報告書」の提出に向けた基本方針を2026年5月29日付で「改善計画の策定方針に関するお知らせ」として公表いたしました。この策定方針に基づき、エア・ウォーターは企業風土改革、経営体制・ガバナンスの適正性、役員体制(取締役・監査役)および選任プロセス、グループ全体の内部管理体制(内部監査・子会社管理を含む)の整備・運用等について、外部専門家の支援も受けながら再発防止策ならびに改善計画を策定し、改善計画・状況報告書を2026年7月31日付で公表いたしました。エア・ウォーターは調査報告書に示された原因分析および提言を真摯に受け止め、経営の最優先課題として再発防止策を不退転の決意をもって実行し、社会的信頼の回復に向け、エア・ウォーターグループを挙げて取り組んでまいります。 ①特別調査委員会による調査概要特別調査委員会は、不適切な会計処理に関する事実関係の解明、類似事象の有無およびグループ全体への波及状況の確認、財務影響額の算定、原因分析ならびに再発防止策に関する提言等を目的として調査を実施しました。調査は、関係者へのヒアリング、資料の精査、デジタル・フォレンジック等の手法により行われ、エア・ウォーターは、同委員会から2026年2月12日に調査報告書(2026年2月9日時点)、2026年3月31日に調査報告書、2026年6月19日に追加調査報告書を受領しました。 ②調査により判明した主な内容調査の結果、売上又は利益目標の達成に対するエア・ウォーター経営トップによる過度なプレッシャーを背景に、エア・ウォーター並びに相当数の子会社及び関連会社において、在庫の過大計上、資産評価損の先送り、売上の過大計上及び先行計上、不要な取引先を介在させた売上の嵩上げ、引当金の計上回避、資産性のない支出の資産計上等、売上や利益を嵩上げする目的で、様々な手法による不適切な会計処理が広範に行われていることが発見されました。特に、エア・ウォーター防災株式会社においては、仕掛品の過大計上、売上の期間帰属の操作、原価付替による利益操作等の不適切な会計処理のほか、これらの不適切な会計処理を隠蔽するための証憑の偽造が行われていました。また、株式会社日本海水においては、工場設備の定期修繕費及び労務費の恣意的な固定資産計上、本来純額で表示すべき代理人取引における売上の総額表示、事業部間における原価付替等による不適切な会計処理が行われていました。 ③原因分析業績目標の達成を最優先する企業文化とトップダウンによる組織マネジメント、経理・管理機能の未整備と内部統制システムの実効性不足、会計リテラシーの低さと上場企業グループに必要な倫理感の欠如といった複数の要因※が重なり、結果として、長期間にわたり不適切な会計処理が看過されやすい環境が形成されていました。 ※不適切な会計処理が発生した複数の要因(1)業績目標の達成を最優先する企業風土の下、現場に過度な業績プレッシャーが生じ、意見や問題意識を率直に表明しにくい状況があったこと(2)成長戦略やM&Aの進展に対し、管理体制やルールの整備が十分に追いついていなかったこと(3)経営トップおよびマネジメント層による会計処理への関与のあり方や、内部統制の実効性に課題があったこと(4)不適切な処理が業務フロー上、是正されにくい構造となっていたこと(5)会計やコンプライアンスに関する知識・意識(会計リテラシー)や、上場企業グループとして求められる自覚・理解が十分に共有されていなかったこと(6)管理部門・内部監査部門によるモニタリング機能や、取締役会による監視・牽制機能、監査役会による監督機能が十分に機能していなかったこと(7)財務報告責任の認識・体制上の問題があったこと ④再発防止策上記の原因分析を踏まえ、「企業風土改革」「ガバナンス改革」「経営管理基盤、内部統制の再構築」「全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)」の4項目を柱とする再発防止策を策定し取り組みを進めております。(1)企業風土改革エア・ウォーターは、コンプライアンスを最重視し、「健全で風通しがよく、正しい行動を促す」企業風土に向けた抜本的改革が必要であると考え、経営トップ(代表取締役)が企業風土改革に向けた覚悟を表明するとともに、経営理念やパーパスを再認識し、従業員との直接対話によるグループ全体への浸透を図っております。また、組織の役割、管掌とその責任を明確化し、報告プロセスを再構築しております。コンプライアンス最重視の経営体制の構築の観点からは、経営トップ・マネジメント層の意識の向上・強化を図り、グループ全社に向けた経営トップ・マネジメント層による継続的発信、グループ会社従業員との直接対話による意思の共有と従業員の意識向上に努めております。さらに、心理的安全性が確保された組織作りと、誰もが互いを尊重し合い、自由闊達に意見を言える風土の醸成に向けて、コミュニケーションの改善に取り組んでおります。その他、適切な業績目標の設定と過度な業績プレッシャーの排除、教育・研修(倫理・会計リテラシー)の抜本強化、内部通報制度の強化に取り組んでおります。(2)ガバナンス改革エア・ウォーターは、取締役会においてグループ全体の内部統制上の問題点を抽出・把握し、改善に向けたガバナンス体制を再構築するなど、取締役会の監督機能を強化するための取り組みを進めております。また、経営トップの重要意思決定に対する監督・牽制機能を強化するために、取締役会議長を独立社外取締役から選任するとともに、これを支える事務局体制を整備いたしました。さらに、監督機能強化を意図した取締役構成へ見直すべく、管理・監督機能強化を推進する取締役を選任するとともに、独立社外取締役の増員および独立社外取締役の比率を高めることとし、2026年6月29日開催の第26期定時株主総会において取締役選任議案が原案とおり承認されたことにより、取締役8名中5名が独立社外取締役となりました。監査役会の監査機能を強化するために、リスクベースに基づく監査計画の見直しや、監査補助者の配置、また必要に応じて外部の不正・会計専門家を活用していくなど、監査役会の体制・機能強化に取り組んでおります。さらに、常勤監査役の増員や財務・会計の専門家である公認会計士および危機管理・コンプライアンスに関する高度な見識と豊富な経験を有する人材の新たな招聘による監査役体制の強化を図ることを目的に監査役候補者を選任し、第26期定時株主総会において監査役選任議案が原案とおり承認されたことにより、監査役6名中3名が独立社外監査役、常勤監査役は3名となりました。指名・報酬委員会は、独立社外役員のみのメンバー構成に変更するとともに、その役割を強化し、取締役選任プロセスの明確化やCEOサクセッションプランの全体像の構築などに取り組んでおります。また、取締役の質の向上のため、外部機関が提供する研修プログラムに、社内外の現任取締役および新任取締役が継続的な受講を目的とした、研修・教育計画を策定し、実施しております。(3)経営管理基盤、内部統制の再構築エア・ウォーターは、事業部門に対する管理・牽制機能を強化するため経理・財務統括責任者を設置いたしました。また、会計および開示実務に関する十分な知識・経験を有する人材の配置・増員や、分掌・承認・牽制が整備された業務プロセスの再構築、経理部員に対する継続的な教育・研修の実施など、経理部を中心とした管理部門の機能強化に取り組んでおります。内部統制の強化に向けては、子会社における業務フローの整備や、上場企業の子会社として適切な会計業務を行うための十分な知識・経験を有する人材の配置・増員、在庫および売上管理等の不適切な会計処理がされうる領域の定期的な妥当性検証とモニタリングの実施など、グループ全体を俯瞰した内部統制の再構築を行っております。また、内部監査室に内部監査業務を適切に遂行できる十分な知識・経験を有する人材を配置・増員し、内部監査室メンバーに対して継続的な研修を実施するなど、内部監査機能の強化に取り組んでおります。(4)全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)エア・ウォーターは産業ガスを祖業とし、関連する産業分野の裾野の広さを活かして多角化を進め、全天候型経営による安定を追求してまいりました。一方で、多角化の広がり・グループ会社数の増加に伴って、自社グループのコアコンピタンスが不明瞭になったことも事実であり、全社戦略を見直すうえで、今一度グループの強みを再定義する必要があると認識しております。エア・ウォーターのコアコンピタンスを見直す場として、全社事業戦略会議を開催し、経営トップ、事業責任者だけでなく、社外を含む取締役も参加し、エア・ウォーターのコア/ノンコアを再定義するとともに、全社事業戦略を定量的、定性的に議論し、決定いたします。また、コアコンピタンスを活かした「既存事業の深化」と「新規事業の進化」を念頭に、事業ポートフォリオ改革を推進してまいります。2026年2月よりポートフォリオ管理委員会を発足し、エア・ウォーターポートフォリオの評価軸を定めるとともに、事業性・コアコンピタンス・ガバナンスなどの観点から各事業の取組み方針(成長/改善/統合等)および今後の全社戦略における各事業の位置づけについて協議しております。戦略的な投資配分について、事業領域毎の投資可能枠の設定や、ガバナンス強化、IT・技術開発投資など、エア・ウォーターの成長に欠かせない領域の投資枠についても、同管理委員会での議論を開始しております。さらに、事業性のみならずグループ全体のガバナンスの観点からもグループ会社の適正化・再構築を行います。グループ会社全社に対して上場企業基準のグループガバナンスの徹底を最重要視し、その方策の一つとして事業特性が同じ会社の統合を進めます。一方でエア・ウォーターのコアコンピタンスに合致せず、事業撤退の判断となった会社はベストオーナーに対し適切なプロセスを経て事業譲渡を推進し、2028年度中の完了を目標といたします。 エア・ウォーターは、上記の4項目を柱とする再発防止策の実行を、グループ一体となって推進し、経営の透明性と健全性を高め、社会的信頼の回復に全力を尽くしてまいります。 なお、各セグメントの取り組みは、次のとおりであります。 (デジタル&インダストリー)産業ガス分野では、鉄鋼・化学などの素材分野向けを中心に国内の産業ガス需要が減少基調にある中で、地域供給ニーズへの高い対応力・競争力を活かして、各種ガスの安定供給及び新規需要の獲得に努めております。また、中東情勢の影響による原油価格高騰に伴い、電力費や物流費の上昇が見込まれる中で、これらのコストアップ影響を反映した価格マネジメントに取り組んでおります。半導体・エレクトロニクス分野では、生成AI向けを中心とする先端半導体工場の増強・拡大に対応した大型プラント投資や新規取引先の開拓により、ガス需要の取り込みを進めております。あわせて、特殊ケミカル及び同供給装置、ガス精製装置、関連工事など、半導体製造プロセスを支えるグループ商材・サービスをトータルソリューションで提供できる強みを活かし、最先端ニーズから周辺分野まで幅広い需要に対応することで、事業拡大を図ってまいります。グローバル分野では、エア・ウォーターが国内で培ってきた強みや知見を活かし、新市場における成長拡大と高い収益性の実現を目指しております。一方で、各国の政策動向等に起因する地政学リスクを背景とした事業環境の変化や、国内とは異なる商慣習・市場特性・ボラティリティに適切に対応していく必要があります。インドの産業ガス分野は、政府による積極的なインフラ投資政策を背景に、鉄鋼をはじめとしたガス需要の拡大が見込まれることから、オンサイト供給案件の新規獲得や自社液化ガス工場の稼働によるローリー・シリンダー事業の拡充を進めてまいります。北米の産業ガス分野は、現地ディストリビューターとの連携やM&Aを通じて事業展開エリアを拡大するとともに、自社プラントの設置によりメーカーとしての事業基盤の確立を進めております。これにより、産業ガスの製造から販売まで一貫した事業インフラの構築を推進してまいります。高出力UPS(無停電電源装置)分野では、データセンターや半導体工場のBCPに不可欠なバックアップ電源ソリューションを提供しており、需要拡大を背景とした新規受注の獲得により成長を目指してまいります。 (エネルギーソリューション)産業ガス分野では、液化炭酸ガス・ドライアイスの原料となる排ガスCO2の調達先(製鉄所や化学プラント等)の統廃合が進み、業界全体において生産数量が減少傾向にある中で、国内外からのバックアップを含めた安定供給体制の構築・維持に努めております。また、こうした原料調達の難化により製造原価や横持ち物流費の上昇が進む中で、こうしたコストアップ影響を反映した適正な価格マネジメントを徹底するとともに、生産工場プロセスの省人化をはじめとする生産性向上にも引き続き取り組んでおります。低炭素・脱炭素分野では、社会のカーボンニュートラル実現に向けて、北海道において家畜ふん尿由来のクリーンエネルギーである液化バイオメタンの製造・販売を行っております。また、低濃度排ガスCO2から液化炭酸ガス・ドライアイスを製造する小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」や、垂直ソーラー発電システム「VERPA」など、脱炭素ソリューションの社会実装化に注力しております。エネルギー分野では、北海道を中心としたLPガス・灯油供給において、人口減少を背景に需要・消費が減少傾向にあるほか、地方販売店の人手不足や後継者不在による廃業も顕在化しつつあります。こうした中で、販売店の商権取得等による直販体制の強化と全体数量の維持・拡大に努めるとともに、IoT技術を活用した配送の効率化など、収益力の強化に取り組んでおります。 (ヘルス&セーフティー)医療分野では、病院をはじめとする医療機関において、物価・人件費・エネルギーコストの上昇を背景に消耗材の使用抑制等の動きが見られる中で、ガス・機器・材料の供給ならびに病院設備工事を含めたトータルソリューションの提供に努めております。医療機関向け製品供給においては、医療用ガスの供給基盤を活かして医療現場のニーズを把握し、最適な医療機器・医療材料まで総合的に提案・提供しております。中長期の成長に向けては、健康寿命の延伸や在宅医療体制の構築といった社会的ニーズを踏まえ、人々の健康増進、リハビリによる予後の改善、在宅患者のQOL(生活の質)向上につながる医療機器や介護用製品の開発体制の強化を進めてまいります。SPD(病院物品物流管理)や病院向け滅菌受託といった医療現場のサポートにおいては、低収益取引の見直しや効率化を進めてまいります。手術室の改修など病院設備工事においては、直接受注による収益力の強化に取り組んでまいります。防災分野では、データセンターや電力施設向けのガス消火設備工事の需要が高まる中で、新規案件の獲得による事業拡大を推進するとともに、旺盛な需要に即応できる工事人員体制の強化を図ってまいります。コンシューマーヘルス分野では、グループリソースの最大活用やサプライチェーンの拡充等により事業体制の強化を進めるとともに、衛生材料・注射針の販売拡大、化粧品・エアゾール受託増を通じて事業拡大及び収益力の強化に取り組んでまいります。 (アグリ&フーズ)農産分野では、天候影響等に伴う豊作・不作や市場価格変動が主要なリスク要因となる中、作物ごとの圃場(契約農場)の拡大を通じて全体調達量の安定確保を図ることで、ボラティリティの低減に取り組んでおります。また、エア・ウォーターのロジスティクス分野が有する全国ネットワークを活かし、原料野菜の調達や青果流通・加工・販売におけるサプライチェーンネットワークの構築を強化し、安定供給の維持と事業拡大を図ってまいります。食品分野では、食肉加工品の原料輸入において、為替変動リスクをヘッジするとともに、原材料費・労務費・物流費・エネルギーコスト等の上昇に対しては、適時適正な価格改定によりコストアップ影響の吸収に取り組んでおります。飲料分野では、消費者向け製品価格の上昇が消費マインドの低下につながることで、飲料の受託生産数量の減少に直結するリスクを内包しております。また、各種コストの上昇が進む中、適正な収益水準の確保に向け、契約価格の見直しに随時取り組んでおります。あわせて、飲料製造における充填ラインの増強による生産性向上等を通じ、収益力の強化を進めてまいります。 (その他の事業)ロジスティクス分野では、中東情勢の影響による原油価格高騰に伴い、軽油価格(トラック燃料費)の上昇が大きなリスク要因となる中、最適な軽油調達方法の判断や、荷主への価格転嫁の申し入れを含め、適切なタイミングを見極めながら対応を進めております。電力分野では、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)により売電価格が一定程度保証されている一方で、発電燃料となるPKS(パームヤシ殻)や木質ペレットは海外から輸入しており、PKS市況や海上輸送運賃の変動に伴う調達価格の変動が大きなリスク要因となっています。こうした中で、計画外停止の最小化による安定操業の維持や、荷揚港湾施設の運用改善、為替変動リスクのヘッジ、燃料調達先の多角化や燃料ミックスの見直し等を複合的に推進することにより、稼働率の向上、原価低減及びコスト変動リスクの低減を図ってまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】エア・ウォーターグループの事業展開上、事業の状況、経理の状況等に変動を与え、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、エア・ウォーターグループが判断したものであります。 (1) エア・ウォーターのリスクマネジメント体制エア・ウォーターグループの事業活動において、事業を取り巻く様々なリスクを適切に把握・評価し、未然防止および影響の最小化を図るため、「リスクマネジメント・コンプライアンス部」がその統括部門として、エア・ウォーター及び子会社を横断的に管理する体制としております。情報セキュリティ、知的財産、海外事業展開および契約などに関わる個別リスクについては、それぞれの担当部門において、社内規程の制定、マニュアルの作成ならびに教育研修の実施などを行うとともに、事前審査や決裁制度を通じて当該リスクを管理する体制としております。また、リスクマネジメント・コンプライアンス部を事務局とするリスクマネジメント委員会を定期的に開催し、当グループにおける主要なリスクの把握とその対策状況についての検討などを行い、グループ全体におけるリスク管理体制の強化を推進しております。海外子会社については、当該会社を管理する事業ユニットと連携し、リスクマネジメント体制を構築しております。各海外子会社を対象に、年一回、リスクの特定、影響度合いと発生確率に応じたリスクの分析・評価、リスク対応策の検討という一連のプロセスでリスクアセスメントを実施し、その結果を踏まえてBCP(事業継続計画)を策定しております。リスクマネジメント・コンプライアンス部では、これらのリスクアセスメントおよびBCPに対して指導・助言を行うことにより、全社的なグローバルリスクを管理しております。また、事業活動への影響が大きいと想定されるリスクが発生した場合には、「危機管理規程」に基づき、直ちに危機管理委員会を社内に設置し、発生したリスクに対し迅速かつ適切に対処する体制を整えております。 (2) 事業等のリスク項目リスク内容エア・ウォーターグループの対策海外事業リスクエア・ウォーターグループは、成長戦略の一環としてM&Aによる海外事業展開を行い、米国やアジア圏を中心に海外進出を強化しております。しかしながら、事業を進めるうえで言語、法制、税制等の日本との相違や政治的、社会的および経済安全保障上のリスクにより事業が停滞することで、エア・ウォーターグループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。進出国ならびに域内の政治・経済・社会的状況、及び顧客・取引先その他のステークホルダーに関する情報を調査収集し、グループ内で共有を図っております。また、グローバルリスクマネジメント活動として、安全保障に関連する規程や基準を整備し、グループ内で輸出管理等の指導・助言を行っております。さらに、海外の取引先やエンドユーザーに関するチェック体制を強化する仕組みを導入し、安全保障貿易上のリスクや反社会的勢力との取引リスクの未然防止に努めております。加えて、グローバル事業展開で得たノウハウや知見を活かしながら、グループ横断的な、リスク管理体制を構築しております。制度変更リスク急速に少子高齢化が進む日本では、政府が健康寿命の延伸を目的とした「全世代型社会保障の構築」の方針を掲げ、高騰する医療費の抑制・適正化を図るための医療制度改革が継続して進められております。そのため、メディカルプロダクツ事業においては、将来、大規模な診療報酬や薬価の改定が行われた場合、エア・ウォーターグループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。メディカルプロダクツ事業においては、今後も医療費の適正化政策が継続することが予測される環境下で、医療機関や医療従事者における業務効率化・働き方改革への支援を目的とした製品・サービスの開発・拡充を推進し、変化する市場ニーズへの対応を図っております。自然災害リスク発生の予測が困難であり頻発化している自然災害(地震、津波、台風、豪雨、豪雪、強風、噴火など)の発生及び、それに伴う停電・断水などのライフラインの途絶や配送ルートの寸断が発生した場合には、生産能力の低下や停止、供給・配送の遅れや停止に伴う売上減少、対処費用や復旧費用、将来への予防対策費用など、エア・ウォーターグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。アグリ&フーズ事業では、自然災害により主要原料である野菜の収量が大きく変動し、加工工場の操業に支障が発生する可能性があります。エア・ウォーターグループでは、自然災害への対応として、インダストリアルガス事業では、高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」と貯蔵・物流拠点の分散配置によって国内における産業・医療用ガスの安定供給インフラネットワークを整備しております。大規模自然災害を想定した防災訓練の定期的な実施や災害備蓄品の充実化を図り、リスクの最小化を図っております。エネルギー事業の主要事業エリアである北海道では、LPガス仕様の移動電源車を配備し、LPガス受入基地、LPガス充填工場、灯油基地において、停電時にも非常用電源が確保できる体制を整えております。アグリ&フーズ事業では、栽培・調達する野菜の産地分散化に取り組んでおります。品質リスクエア・ウォーターグループは、高圧ガス及び関連する機器類の製造・販売などの事業のほか、多岐にわたる業種において製品やサービスを提供しており、これらの製品に万が一欠陥や品質不良、故障が生じた場合には、お客様からの信頼の低下や損害賠償の負担などによりエア・ウォーターグループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。エア・ウォーターグループでは、法令やお客様の要求事項を満たすために品質管理を実施し、品質を保証しております。加えて、エア・ウォーターグループでは国際的な品質マネジメントシステムに準拠し、多岐にわたる業種に適用可能な管理体制の構築を進めております。 項目リスク内容エア・ウォーターグループの対策調達リスクインダストリアルガス事業の主力製品である酸素・窒素・アルゴンの製造には、大量の電力を使用しております。電力コストが大幅に上昇し、販売価格に転嫁できない場合は、エア・ウォーターグループの業績に影響を与える可能性があります。また、希少な天然資源であるヘリウムガスなどは地政学的要因により、水素ガス、炭酸ガス及びドライアイスは石油精製会社等で副生・供給される原料ガスの稼働状況影響での減量により、エア・ウォーターグループの業績に影響を与える可能性があります。エネルギー事業の主力商品であるLPガス、灯油の仕入価格は、概ね原油価格に連動しております。原油価格が想定より大幅に下落した場合、高単価在庫を保有するリスクがありグループの業績に影響を与える可能性があります。アグリ&フーズ事業では、野菜や豚肉を主原料とした加工食品を製造・販売しており、これら原材料の価格は天候不順や市場における需給の変化、為替の変動により影響を受ける可能性があります。その他の事業では、日本のFIT制度において、海外バイオマス発電燃料のサプライヤーに対する安定供給や事業の持続可能性の確認が厳格化される動きがあり、基準を満たす燃料の需給が逼迫し、燃料価格が高騰するリスクがあります。また、バイオマス発電の燃料の大半は海外に依存しており、為替の影響や地政学的リスクにより、価格が上昇するリスクがあります。エア・ウォーターグループでは、顧客の理解を得ながら、適時適切に販売価格の改定を図り、収益確保に努めております。また、安定した原料調達及び製品供給のため、国内での貯蔵量増加、代替ソースの確保、代替燃料の投入準備、新規調達ルート開拓などの検討を進めております。事故リスク物流事業では、トラックやローリーといった大型車両を用い、一般貨物及び高圧ガスを始めとする危険物の輸送業務を行っております。そのため重大な事故が発生した場合には、損害賠償や車両の使用停止や事業所の営業停止などの行政処分を受け、エア・ウォーターグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。エア・ウォーターグループの物流事業では、運輸事業者として安全最優先の方針のもと、適切な安全管理体制の構築を図るために、安全管理規程、および交通安全管理規程を厳格に定め、運行管理の徹底、安全教育の実施など、日々安全対策活動に取り組んでおります。為替リスクエア・ウォーターグループは、海外事業を成長の柱として位置づけており、M&Aや会社設立を通して日本国外に多くの子会社を有しております。また、ヘリウムガスや半導体向け特殊ガスは、海外からの調達品であります。特に、外貨建てでの輸出入を行う国内子会社及びグローバル・エンジニアリング事業における高出力UPS事業を行う在外子会社では、原材料の仕入れや製品販売、ヘリウムなど海外調達品において、急激な為替レートの変動が起きた場合、エア・ウォーターグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。エア・ウォーターグループでは、為替予約、仕入ルートの多様化複数化、在外子会社での取引通貨の一本化などにより為替リスクの最小化を図っております。 項目リスク内容エア・ウォーターグループの対策環境リスクエア・ウォーターグループは国内外の事業活動において、環境関連法規の規制を受けておりますが、環境関連法規の制定や改正によって規制強化が図られた場合、それに伴う事業活動の制限や対応にかかるコスト増加等がエア・ウォーターグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、製造工程で大量に電力を使用しているインダストリアルガス事業では、炭素税の賦課や排出権取引制度などの温室効果ガス排出規制が強化された場合、業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。エア・ウォーターグループでは、中期経営計画や環境基本方針において、気候変動への対応を重要な経営課題として位置付け、重要評価指標(KPI)として温室効果ガス総排出量の削減目標を定めております。具体的な対応策は、『サステナビリティに関する考え方及び取組』の『(3)戦略・指標及び目標 1.気候変動に関する取り組み』に記載しております。情報セキュリティリスクエア・ウォーターグループは事業活動を行う中で、顧客の個人情報や他社等の機密情報を入手することがあります。また、エア・ウォーターグループ内で開発した技術情報を含む営業秘密を保持しております。これらの情報はサイバー攻撃などにより外部流出する可能性があります。また、生産設備、管理システムなどへ不正アクセスを受けた場合、情報の破壊や改竄、漏洩につながる可能性があります。これらの事象が発生した場合、顧客からの信用失墜や被害を受けた方への損害賠償、事業停止等が発生し、エア・ウォーターグループの業績に影響がでる可能性があります。エア・ウォーターグループでは「仕組みによる対策」と「体制・教育による対策」の両面から対策を講じております。「仕組みによる対策」では、情報端末、サーバー、ネットワーク等に対し、情報セキュリティシステムの強化を行い、外部からのアクセス制限・攻撃検知、マルウェアの侵入検知などの対策を行っております。「体制・教育による対策」では、世間動向を踏まえつつ、グループ規程の整備、eラーニングや標的型メール訓練などの教育研修による一人ひとりのセキュリティリテラシーの底上げ、グループ各社へのセキュリティ担当の設置による迅速なセキュリティ課題への対応などの対策を行っております。非金融資産の減損リスクエア・ウォーターグループは、有形固定資産、のれん及び無形資産など、多くの非金融資産を保有しております。非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産等を除く)については、当該資産又は資金生成単位(以下、「当該資産」という。)の減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候がある場合には、当該資産の回収可能価額を見積り、減損テストを実施しております。なお、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず、毎期減損テストを実施しております。減損損失が発生した場合には、エア・ウォーターグループの事業展開、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。エア・ウォーターグループでは、定期的に実施するのれんや無形資産の減損テスト、減損の兆候がある場合に実施する有形固定資産の減損テストを通じて評価額を把握し、適切に処理しております。 項目リスク内容エア・ウォーターグループの対策 ガバナンスの機能不全に関するリスク(当該年度において顕在化した重要事項)2025年7月、エア・ウォーターの連結子会社において、在庫を巡る不適切な会計処理が確認されたことを契機に、同年10月、外部専門家からなる特別調査委員会を設置し、エア・ウォーターグループにおける不適切な会計処理の有無や実態について、独立した立場からの調査を行いました。その後、調査の進展に伴い、対象は当初想定を超えて拡大し、エア・ウォーターおよび相当数のグループ会社において、複数年度にわたる不適切な会計処理が行われていたことが明らかになりました(2026年3月31日及び2026年6月19日付で調査報告書を受領)。※株式会社東京証券取引所による措置に関するリスクは欄外に記載(再発防止に向けた取組み)エア・ウォーターは今回の事態を厳粛に受け止め、調査報告書において認定された事実関係ならびに外部の専門家による審議・提言も踏まえたうえで関係者の責任に応じた処分を行うとともに、調査報告書および提言を真摯に受け止め、検討・ 審議を重ねたうえで、「企業風土改革」「ガバナンス改革」「経営管理基盤、内部統制の再構築」「全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)」の4項目を定めた再発防止策を策定し、経営の最優先課題として推進し、経営の透明性と健全性を高め、社会的信頼の回復に全力を尽くしております。 資金調達リスクエア・ウォーターグループの金融機関からの借入には、財務制限条項を含む借入人又は保証人の確約に係る条項が付されているものがあります。これらに抵触した場合、期限の利益を喪失するなど、エア・ウォーターグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点までに受領した特別調査委員会による調査報告書において、エア・ウォーターグループで不適切な会計処理が行われていたことが判明したことにより、エア・ウォーターグループが主要取引金融機関と締結しているシンジケートローン契約等の一部の借入について借入人の確約に係る条項に抵触するおそれがあり、今後の金融機関との協議結果や金融機関による判断によっては、期限の利益を喪失するおそれがあります。また、借入人㈱日本海水TTS苅田パワー、保証人㈱日本海水のコミットメント付タームローンによる借入については、㈱日本海水TTS苅田パワー及び㈱日本海水において財務制限条項に抵触しており、貸付人の請求により期限の利益を喪失するおそれがあります。 エア・ウォーターグループでは、エージェントを含む主要取引金融機関と緊密な関係を維持し、建設的な協議を継続しております。借入人㈱日本海水TTS苅田パワー、保証人㈱日本海水のコミットメント付タームローンによる借入については、借入人である㈱日本海水TTS苅田パワー及び保証人である㈱日本海水に付された財務制限条項に抵触しておりますが、現時点では期限の利益喪失条項を適用する旨の通知は受けておりません。今後も主要取引金融機関に適切に情報開示を行い、十分なコミュニケーションを行っていくことで、継続的な支援が得られるものと考えております。 ※特別注意銘柄指定による上場廃止リスクへの対応2026年4月30日、株式会社東京証券取引所より、エア・ウォーター株式を2026年5月1日付で特別注意銘柄への指定、上場契約違約金の徴求を行う旨についての通知を受けました。特別注意銘柄指定期間は、2026年5月1日から原則1年間とし、1年後にエア・ウォーターから内部管理体制確認書を提出、株式会社東京証券取引所が内部管理体制等の審査を行い、内部管理体制に問題があると認められない場合には指定が解除になります。一方で、内部管理体制に問題があると認められる場合には、原則として上場廃止となります。ただし、指定から1年経過後の審査において、内部管理体制等が適切に整備されていると認められるものの、適切に運用されていると認められない場合(適切に運用される見込みがある場合に限ります。)には、特別注意銘柄の指定を継続し、当該指定の継続を決定した日の属する事業年度(当該指定の継続を決定した日から当該事業年度の末日までの期間が3か月に満たない場合は当該事業年度の翌事業年度)の末日以降の審査までに、内部管理体制等の運用状況の改善を求められ、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認める場合にはその指定が解除されます。一方で、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認められない場合には上場廃止となります。なお、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認めるものの、経過観察の対象銘柄に該当する場合には、最長3事業年度、指定が継続され、その間同審査が行われます。 エア・ウォーターとしては、2026年4月3日付公表の通り、特別調査委員会の調査報告書で指摘された発生原因および提言を踏まえ、「企業風土改革」「ガバナンス改革」「経営管理基盤、内部統制の再構築」「全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)」の4項目を柱とした再発防止策に取り組んでおります。このたび、特別注意銘柄に指定されたことから、上記再発防止策の各事項が十分であるかを再検討するとともに、企業風土改革、経営体制・ガバナンスの適正性、役員体制(取締役・監査役)及び選任プロセス、内部管理体制(内部監査・子会社管理を含む)の整備・運用等について、再発防止策で検討がなされていない項目も含めて、外部専門家の支援も受けながら改善計画を策定し、改善計画・状況報告書を提出予定です。エア・ウォーターは企業風土、ガバナンスおよび内部統制の抜本的な見直しと強化を経営の最優先課題として進めるとともに、今後も再発防止策の着実な実行と、その進捗状況の適切な開示を通じて、信頼回復に全力を尽くしてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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