日本触媒(4114)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


日本触媒(4114)の株価チャート 日本触媒(4114)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】

(1)日本触媒グループ(日本触媒および日本触媒の関係会社)は、日本触媒、子会社26社ならびに関連会社および共同支配企業17社で構成され、化学品の製造販売を主な内容としております。

 日本触媒グループの事業にかかわる主な会社の位置付けは、次のとおりであり、事業の区分については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメント情報の区分と同様であります。

事業区分

主要製品

当該事業にかかわる主な会社の位置付け

マテリアルズ事業

アクリル酸

アクリル酸エステル

酸化エチレン

エチレングリコール

エタノールアミン

特殊エステル

高吸水性樹脂

無水マレイン酸

プロセス触媒

 日本触媒は、アクリル酸、アクリル酸エステル、高吸水性樹脂等を製造販売しております。

 ㈱日本触媒トレーディングは、日本触媒から製品を仕入れ、販売しております。また、同社は、商品・原材料を仕入れ、日本触媒に供給しております。

 ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズInc.は、米国において高吸水性樹脂を製造販売しております。同社は、高吸水性樹脂の原料であるアクリル酸をアメリカン・アクリル L.P.から仕入れております。

 PT.ニッポンショクバイ・インドネシアは、インドネシアにおいてアクリル酸、アクリル酸エステルおよび高吸水性樹脂を製造販売しております。

 シンガポール・アクリリック PTE LTDおよびニッポンショクバイ(アジア)PTE.LTD.は、シンガポールにおいてアクリル酸を製造販売しております。

 ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.は、ベルギーにおいて高吸水性樹脂を製造販売しております。

 日触化工(張家港)有限公司は、中国において高吸水性樹脂を製造販売しております。

 エルエックス・エムエムエイ Corp.は、韓国においてMMAモノマーおよびMMAポリマーを製造販売しております。

ソリューションズ事業

コンクリート混和剤用ポリマー

グリコールエーテル

セカンダリー

 アルコールエトキシレート

洗剤原料等の水溶性ポリマー

医薬中間原料

電子情報材料

ヨウ素化合物

粘接着剤・塗料用樹脂

エチレンイミン誘導品

粘着加工品

自動車触媒

脱硝触媒

ダイオキシン類分解触媒

排ガス処理装置

湿式酸化触媒

電池材料

 日本触媒は、コンクリート混和剤用ポリマー、セカンダリーアルコールエトキシレート等を製造販売しております。

 日宝化学㈱は、ヨウ素、天然ガス、医薬・農薬原料等を製造販売しております。

 東京ファインケミカル㈱は、安定剤、防腐剤および不凍液等を製造販売しております。同社は、不凍液の原料であるエチレングリコール等を日本触媒から仕入れております。

 中国化工㈱は、日本触媒から粘接着剤用樹脂等を仕入れ、粘着加工品等を製造販売しております。

 日触テクノファインケミカル㈱は、金属塩等を製造販売しており、製品の一部を日本触媒が販売しております。また、同社は、日本触媒からアクリル酸等を仕入れております。

 日本乳化剤㈱は、グリコールエーテル等、界面活性剤・化成品を製造販売しております。また、同社は、日本触媒から界面活性剤の原料である酸化エチレン等を仕入れております。

 日本ポリマー工業㈱は、日本触媒からアクリル酸エステル等を仕入れ、粘接着剤・塗料用樹脂を製造し、日本触媒が製品の一部を販売しております。

 ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズInc.は、米国においてコンクリート混和剤用ポリマー等を製造販売しております。

 中日合成化學股份有限公司は、台湾において界面活性剤等各種工業製品を製造販売しております。

 ユミコア日本触媒㈱は、日本触媒から自動車触媒を仕入れ、販売しております。

 湖南福邦新材料有限公司は、中国においてリチウム電池材料を製造販売しております。

(注) 日触物流㈱は、主として日本触媒の製商品の運送を行っており、全ての事業区分に携わっております。

 

(2)日本触媒グループの主な会社の事業系統図は次のとおりであります。

 

 

 

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、日本触媒グループが判断したものであります。

 

 日本触媒グループは企業理念を「TechnoAmenity 〜私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」と定め、人々が安心して暮らせる、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

 2030年に向けた長期ビジョンにおいて、「事業の変革」「環境対応への変革」「組織の変革」という3つの変革を掲げ、これからの社会に必要とされる素材やソリューションの提供を通して、さまざまな社会課題解決への貢献と日本触媒グループの持続的な成長を実現してまいります。

 

 

 

 

〔「2030年の目指す姿」に向けた3つの変革〕

 中期経営計画「TechnoAmenity for the future-Ⅰ」では、長期ビジョンで定めた「2030年の目指す姿」の実現に向けて、3つの変革を着実に実行するとともに、各変革をさらに加速させるためDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進し、経営目標の達成を目指しております。詳細につきましては、日本触媒ウェブサイト(https://www.shokubai.co.jp/ja/ir/vision/plan/)をご参照ください。

 

 

 

 

〔経営目標〕

 3つの変革および資本政策に関する目標は次のとおりです。

 環境対応への変革や組織の変革に向けた取り組みはおおむね順調に進んでおります一方事業の変革においてはソリューションズ事業の戦略製品群の販売不振やアクリル酸・SAP(高吸水性樹脂)の市況が想定以上に悪化したこと等により営業利益等の財務目標は未達となる見込みですこのような状況の中2025年度からの次期中期経営計画を待たず経営戦略と財務戦略を見直し2030年長期ビジョン達成に向けて取り組んでまいります

 

 

2023年度実績

2024年度

(中期経営計画目標)

2030年の目指す姿

財務目標

営業利益

166億円

330億円

600億円規模

ソリューションズ事業営業利益

27億円

170億円

400億円規模

ROE

3.0%

7.5%

9%以上

ROA

2.9%

6.9%

9%以上

総還元性向

99.7%

50%

新規製品売上収益

(単体・SAP除く・5年以内上市)

136億円

280億円

投資額

成長投資および競争力維持投資

503億円

(22-23年度累計)

1,200億円

(22-24年度累計)

4,000億円

(22-30年度累計)

カーボン

ニュートラル目標

CO2排出量削減

(2014年度比・国内・Scope 1&2)

13%削減*1

30%削減

環境貢献製品売上収益

450億円*2

550億円

1,350億円

D&I目標

(単体)

事務系・化学系女性採用比率

28.6%

30%

女性管理職(基幹職)比率

5.4%

6%

男性の育児休職取得率*3

90.0%

100%

<前提条件>2024年度:ナフサ50,000円/kL、ドル110円、ユーロ130円

*1:速報値(カーボンクレジット 7.3%を含む)。排出量の確定値は2024年7月に日本触媒ウェブサイトにて開示予定です。

*2:速報値。環境貢献製品売上収益の確定値は2024年9月発行のTechnoAmenity Report 2024にて開示予定です。

*3:2022年度より、育児休職取得率算定のための休職取得日数の基準を1日以上から15日以上に、2024年度目標値を30%から100%にそれぞれ見直しております。

 

〔3つの変革における具体的な取り組み〕

① 事業の変革

 ポートフォリオ変革に向けソリューションズ事業の拡大を目指しておりますこの度、経営戦略の見直しを行い今後、エネルギー事業・エレクトロニクス事業・ライフサイエンス事業といった成長事業へリソースを積極的に投入することにいたしました

項目

主な取り組み内容

ソリューションズ
事業拡大

施策

・戦略製品群の拡販、注目市場での開発品上市

・ソリューション提案力強化に向けたプラットフォーム整備

当期の実績

・リソースを積極投入する注力領域の選定

・リチウムイオン電池用電解質「イオネル®」について中国での増産体制を構築中、また北米と日本における生産拠点検討に着手

・オリゴ核酸、ペプチド原薬の受託製造(CDMO)事業では少量合成の開発案件獲得件数が前年度比で約7倍に増加

・正浸透(FO)システムによる海水淡水化用の浸透圧発生剤をTrevi Systems社と共同開発し、米国における試験にて大幅な省エネルギー・高効率な海水淡水化を実証

・新規材料のプロセス構築やサンプルの供給を迅速に行うための中間実験設備を吹田地区研究所に新設

マテリアルズ
事業強靭化

施策

・SAPサバイバルプロジェクト、川崎レジリエンスプロジェクトの推進による収益性改善

・原材料バイオマス化を中心としたサステナビリティ推進による付加価値向上

当期の実績

・SAPサバイバルプロジェクト、川崎レジリエンスプロジェクトの推進により収益性を改善

・バイオマス原料を活用したアクリル酸の数十kgスケールでの製法にめど、各種用途での性能評価開始

 

 

② 環境対応への変革

 2050年カーボンニュートラル実現に向け、ライフサイクル全体の環境負荷低減に貢献するため、生産プロセスのCO2排出量削減と環境貢献製品の開発・販売拡大を推進していきます。

項目

主な取り組み内容

生産プロセスのCO2排出量削減

施策

・製造プロセス/技術の革新、原料およびエネルギーの転換

・GHG(温室効果ガス)排出量に対する第三者検証の実施、インターナルカーボンプライシング制度導入(2023年2月導入)

当期の実績

・インドネシア子会社が購入する電力量100%に対して、再生可能エネルギー電力証書を購入する契約を締結

・各事業所において、生産性向上やリサイクル原料活用について検討継続

環境貢献製品の
開発・販売拡大

施策

・水素利用の拡大、環境規制の強化などの環境トレンドを捉えた関連製品の上市

・国際持続可能性カーボン認証(ISCC PLUS)の取得および製造・販売体制の構築(アクリル酸、SAP、EO(酸化エチレン)など多種製品で取得、製造・販売体制構築済み)

当期の実績

・燃料アンモニアのサプライチェーン構築に向け、株式会社JERA、千代田化工建設株式会社と共同でアンモニア分解技術を開発中

・天然由来で非可食のアルコールを使用した2-オクチルアクリレート(2OA)を事業化

・環境関連分野におけるマーケティング強化のため、ベルギー子会社に開発拠点を準備

 

③ 組織の変革

 成長し続ける組織、多様な人財がいきいきと働く会社への変革を目指し、以下の取り組みを進めております。

項目

主な取り組み内容

人財育成・

活躍推進

施策

・自律型人財の育成

・多様な人財の活躍推進

・エンゲージメントサーベイの導入(2022年度導入)

当期の実績

・公募型学習支援プログラムにおいて、のべ約500名の社員が受講

・定年退職後の再雇用制度において、職務をベースとした新制度の運用を開始

・個々人にあったキャリア形成を上司と共に考える女性社員ネットワーク研修の継続開催

組織の成長

施策

・生産性向上に向けた具体的施策の実行(各部門で実施中)

・決裁権限見直しによる権限の委譲(各部門での判断迅速化、2022年度導入)

・経営と従業員の対話強化

当期の実績

・経営陣と従業員が相互理解を深めるタウンホールミーティングや対話会を実施

コーポレート・

ガバナンスの強化

施策

・取締役会の実効性の強化

・取締役会の知識・経験・能力、多様性の確保

・役員に対する中長期のインセンティブの強化(2022年度業績連動型株式報酬制度導入)

当期の実績

・取締役会実効性強化に向けた施策の議論を継続

 

〔DX推進〕

 全従業員がデジタル技術・データを使いこなし、3つの変革に取り組めるよう、DX推進に取り組んでおります。

 

項目

主な取り組み内容

DX推進

 

(2022年5月、経済産業省が定めるDX事業者に認定)

施策

・R&D  :MI(マテリアルズ・インフォマティクス)活用

・生産部門:情報統合基盤を活用した高度化、効率化

・営業部門:デジタルを使った新規顧客開拓

・間接部門:DXを活用した業務改善

・人財育成:R&Dや生産現場でのデジタル人財の育成

当期の実績

・R&D  :触媒研究分野における、データ生成の自動化と高速化を実現するハイスループット装置を導入

・生産部門:情報統合基盤のデータ活用を開始

・営業部門:顧客情報管理システムを導入し、全事業部門(営業部門)での運用開始

・間接部門:RPAの導入による自動化や、事務部門の業務フロー電子化を実施

・人財育成:デジタル人財育成のためのDX教育を全社的に実施

 

〔資本政策〕

 中期経営計画「TechnoAmenity for the future-Ⅰ」策定当初は、成長投資、競争力維持投資、株主還元の最適なバランスに配分することを基本方針として、3年間で生み出す累計1,500億円の資金を中長期の成長に向けた投資(戦略投資含む)に750億円コア事業の競争力維持・強化に向けた投資に450億円株主還元に300億円を配分することとしておりました。

 このたび、さらなる企業価値向上に向けて資本効率性を高めるべく、当面、資金を成長投資、競争力維持投資と配当に優先的に振り向け、余剰資金を自己株式の取得に充当するよう、キャッシュ・アロケーション方針を変更することといたしました。

 また、資本効率性の向上および株主還元の一層の拡大と安定化を図るため、2024年度から2027年度の4期間においては、配当性向100%またはDOE(株主資本配当率)2.0%のいずれか大きい金額を目安に配当を実施いたします。また、同期間累計で約200億円の自己株式取得を実施する予定にしております。

 

<キャッシュ・アロケーション方針>

 


事業等のリスク

3 【事業等のリスク】

 日本触媒グループ(日本触媒、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、日本触媒グループは、当該リスクの発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応には最大限努力してまいります。

 なお、文中にある将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1)国内外の政治・経済・景気動向に関するリスク

 日本触媒グループは、化学品の製造販売事業をグローバルに展開しており、海外売上収益は売上収益の約56%を占めております。さらに製品は主に中間原料として様々な国・地域において多様な用途製品に使用されていることから、特定の国・地域や用途製品市場に大きく依存せず、それらの動向が経営成績及び財政状態に与える影響を抑えられる反面、各国・地域の政治・経済・景気の悪化及びそれに伴う製品需要の減少によって様々な製品の販売に影響が波及する可能性があります。また、日本触媒グループは、日本・アジア・欧州・北米にアクリル酸、アクリル酸エステル及び高吸水性樹脂(SAP)などの生産拠点を有しているため、当該地域では販売に加えて設備稼働にも影響を及ぼす可能性があり、結果として経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)原油・ナフサの市場変動に関するリスク

 日本触媒グループが調達している主原料は原油・ナフサ価格との連動性が高いため、中東地域やウクライナ情勢などの地政学リスク、米国シェールオイルの生産状況及び為替の変動等により原油・ナフサ価格が急激に変動した場合、原料価格の上昇分全てを製品価格に転嫁できない、又は遅れる可能性があります。一部の製品や取引先との間では、国産ナフサ価格の変動を製品価格に反映させるフォーミュラ方式による製品価格を設定すること等により当該リスクを7~8割程度軽減しておりますが、全ての製品及び取引先に設定していないため、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)財務に関するリスク

① 在外連結子会社等の業績

 日本触媒グループでは、在外連結子会社等の資産及び負債は期末日レート、収益及び費用は期中平均為替レートにより円換算しているため、為替レートの変動により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 外貨建債権・債務

 日本触媒グループでは、グローバルに事業を展開しているため、米ドルやユーロ等の外貨建の債権・債務があり、短期的な為替レート変動に対して為替予約によるリスクヘッジを行っておりますが、為替レートの変動により円換算額が影響を受けることで、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 外貨ベースの円貨建債権・債務

 日本触媒グループでは、一部の主原料調達において、米ドル建の原油・ナフサ価格の円換算値を指標として主原料価格(円貨建)を決定しているため、為替レートの変動により当該調達原料価格が変動し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 詳細は、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 29.金融商品」をご参照ください。

 

(4)海外展開に関するリスク

 日本触媒グループは、最適地での生産・販売を目的とした海外展開により、アジア・欧州・北米に生産・販売拠点を有しており、アクリル酸、高吸水性樹脂(SAP)の海外拠点生産能力はグループ全体の約5割を占めております。海外事業においては、通常では予期し得ない法律や規則の変更、自然災害、産業基盤の脆弱性及び人材の採用・確保難、並びにテロ、戦争その他の社会的又は政治的混乱といったリスクが存在しております。これらのリスクに対して、専門家や政府関係機関等から情報を収集した上で適宜対策を講じておりますが、これらのリスクが顕在化することによって、海外の事業活動に支障が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)事業ポートフォリオ変革に関するリスク

 日本触媒グループは、酸化エチレン、アクリル酸及び高吸水性樹脂(SAP)などの製品を中心に事業を拡大してまいりましたが、近年はこれらマテリアルズ事業の競争激化により市況変動の影響を受けやすくなってきたため、より安定した収益と成長が見込めるソリューションズ事業へのポートフォリオの変革を掲げ、中長期的な成長を目指しております。しかしながら、事業ポートフォリオ変革の遅れや市場ニーズの急変などによりソリューションズ事業で十分な収益が得られないなどのリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

※各事業の内容については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。

 

(6)研究開発に関するリスク

 日本触媒グループは、シーズを創出する基礎研究から顧客の真のニーズに迅速かつ的確に応える応用研究まで多層的な研究開発を行っております。また、国内外の大学を含めた第三者パートナーとの研究開発や事業提携等のオープンイノベーションも積極活用して研究開発を促進しております。しかしながら、研究開発の失敗、あるいは予測の範囲を超えた市場ニーズの急変といった予期し得ない事象が発生する恐れが常にあり、投資に見合う収益を得られない場合や収益性の高い製品を創出することができない場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)知的財産権に関するリスク

 日本触媒グループは、他社が日本触媒グループの特許を侵害している場合には、警告・訴訟提起等の対策を講じておりますが、他社が日本触媒グループの特許や製品を調査解析して類似の技術や製品を開発することを完全には防止できない可能性があります。一方、日本触媒グループの新たな事業展開を目指した新規製品分野においては、他社の知的財産権を十分に調査解析した上で独自の技術や新製品を開発しておりますが、将来的に他社の知的財産権について紛争が生じた際に日本触媒グループに不利な判断がなされる可能性があります。上記のようなリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報セキュリティに関するリスク

 日本触媒グループは、これまでの研究開発活動で培った独自の技術・ノウハウ、販売製品・顧客等の営業情報、製造活動で蓄積した生産データ及び会計データ等の機密情報を電子データなどとして保有しております。これらの機密情報は日本触媒グループの事業活動の基礎であると共に競争力の源泉でもあることから、情報セキュリティポリシーを定めた上で、情報システムおよびインフラ・サイバーセキュリティの高度化、データセンターの複数化、アクセス権の設定、機密情報の表示、運用マニュアルの整備等の対策に加えて、従業員のモラルやセキュリティに対する意識を高める教育も実施しながら情報管理の徹底に努めております。しかしながら、外部への情報漏洩や情報の喪失等が生じた場合には、競合他社に対する事業の優位性低下や類似品の出現等日本触媒グループの事業活動に大きな支障が生じる可能性があり、リスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)DXに関するリスク

 日本触媒グループは、基幹システムの刷新、研究開発・製造におけるデータ及びデジタル技術活用や新規顧客開拓へのデジタルツールの活用など、専門部署を中心に組織横断的に取り組んでおります。しかしながら、急速に進歩するITやデジタル技術に適応できず、それらを研究開発、製造、販売等の事業活動に有効に活用できない場合、将来的に競合他社に対する事業の優位性が低下する可能性があり、リスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)自然災害・事故等の発生に関するリスク

 日本触媒グループは、レスポンシブル・ケアの推進を公約し、グループ全社で環境保全、化学品安全、保安防災等の活動を積極的に展開し、顧客や地域社会からの高い信頼を獲得するよう努力しております。また、大災害を想定した事業継続計画(BCP)を立て対策を適宜講じております。しかしながら、自然災害や停電・電力不足、感染症の流行、製造所における事故災害等により、生産活動の継続が困難となる可能性を完全に解消することは不可能であります。

 例えば日本触媒の基幹工場である姫路製造所及び川崎製造所の所在地区において、大規模な地震や津波、事故その他操業を中断せざるを得ない事象が発生した場合には、主要製品の生産能力が著しく低下する可能性があります。また、感染症の拡大により、経済活動の制限、出社制限による事業活動の停滞などが発生し、経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)気候変動に関するリスク

 日本触媒グループは、気候変動を解決すべき重要な社会課題と認識し、事業活動に伴って発生する温室効果ガスを継続的に削減するだけでなく、事業を通してサプライチェーン全体の温室効果ガス削減に貢献する取り組みを推進しております。また、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しており、情報開示にも努めております。しかしながら、気候変動に伴う天災リスクや脱炭素社会への移行などに適切に対応できない場合には事業活動に悪影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境に関するリスク

 日本触媒グループは、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至る全ての過程において、自主的に「環境・安全・健康」を確保することを目的に、レスポンシブル・ケア活動を積極的に展開しております。また、環境に関する法規制を遵守するとともに、化学物質の排出抑制、省エネ活動の推進、廃棄物削減や資源有効利用など、環境負荷低減に向け取り組んでおります。しかしながら、環境規制の強化や新たな法的・社会的責任の発生、法整備以前の行為に起因する環境汚染の発生などが生じた場合は、法令遵守等の対策費用増加や行政の指導などによる製造販売の制限により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)人財に関するリスク

 日本触媒グループは、多様な価値観を持ち、自律した人財を確保・育成するために、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する組織を中心に、リーダー人財の育成、シニア人財及び女性活躍の推進などの施策に取り組んでおります。しかしながら、人財育成計画の遅れや人財の定着が進まなかった場合には、中長期的な成長を達成することができず、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)資産の減損損失に関するリスク

 日本触媒グループは、製造設備等の有形固定資産を多数所有しており、資産合計の約35%を占めております。また、棚卸資産については、資産合計の約16%に相当します。そのため、急激な需給バランスの悪化等により製品市況が著しく下落した場合には、固定資産の減損損失や棚卸資産の評価減により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)企業買収、資本提携等に関するリスク

 日本触媒グループは、事業の拡大や競争力の強化等を目的として、国内外において企業買収や資本提携などを実施することがあります。これらを行う際には、対象企業の調査を十分に行い、リスクを検討することとしておりますが、日本触媒グループや対象企業を取り巻く事業環境の変化等により、当初期待していたシナジー効果や新規事業創出その他のメリットを得られない場合や出資先企業の業績不振により「のれん」や「株式簿価」等の減損損失を計上する場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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