アスマーク(4197)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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アスマーク(4197)の株価チャート アスマーク(4197)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 アスマークグループは、マーケティング・リサーチ事業を基軸として、昨今の労働人口の縮小する日本の大きな課題解決に対して、具体的な答えとノウハウを提供し貢献することを目的として各サービス展開を図っております。セグメントは、マーケティング・リサーチ事業の単一セグメントでありますが、事業の詳細は、次の通りであります。

 

マーケティング・リサーチ事業

 アスマークグループは、「自社独自の価値を創造し続け、独創的で高品質なマーケティング・リサーチサービスを提供する企業として顧客・リサーチ業界の発展に貢献する」を企業ビジョンのひとつとして掲げており、国内外において、マーケティング・リサーチに関するサービスを提供しております。

 マーケティング・リサーチとは、企業や公共機関が、消費者が本当に望んでいるもの、本当に魅力を感じていただけるものを作るための情報を科学的に集め、分析し、商品計画等に反映させる手法です。

 マーケティング・リサーチ市場における調査は、会場調査や訪問調査、座談会等リアルな現場において消費者から意見を聴取する手法(オフライン・リサーチ)と、インターネットを活用して消費者パネルと質問・回答のやりとりを行い定量的なデータを取得する手法(オンライン・リサーチ)に大別されますが、アスマークグループは国内外における顧客ニーズに合わせた双方の手法を網羅したサービスを有しております。

 

[アスマークグループのマーケティング・リサーチサービス]

 一般的に企業が、新商品・新サービスを開発する際には、マーケティング・プロセスと呼ばれる過程を経て、世の中に販売(上市)されます。どの市場(市場機会の発見)、どんな人に(市場の選定)、どんなモノを(コンセプト開発)、何をいくらで、どこでどのように(4P(注)の開発・策定)販売すれば消費者に受け入れられるかを検証することが重要となり、上市した後のプロモーションの効果検証、改善についてもマーケティング・プロセスの一環となります。

 アスマークグループでは、そのマーケティング・プロセスにおいて必要な解決方法をすべて網羅的に有しており、顧客のマーケティング課題に合わせて、課題整理、調査企画・設計、調査実施、集計・分析、レポート作成に至るまで、リサーチの川上から川下まで、マーケティング・プロセスにおけるトータルサポートを可能にしています。

 

 

 

  (注) 4PとはProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の4つの要素を表すマーケティング用語をいいます。

 

[アスマークグループのサービス]

 アスマークグループ事業の内容は、オンライン・リサーチ、オフライン・リサーチ、パネル・リクルーティングの各サービスに大別されます。

 オンライン・リサーチサービスとは、課題整理を始めとしてWEB調査表作成、依頼メール配信、実査(回答データ収集)、集計、調査レポート作成にいたる一連の業務です。

 オフライン・リサーチサービスとは、WEB上での対象者リクルーティング、オフライン・リサーチ実査、集計、調査レポート作成にいたる一連の業務です。

 パネル・リクルーティングサービスとは、クライアント自身がオフライン・リサーチを実施する際に、調査対象者をWEB上でリクルーティングして、パネルを実査会場へ誘導するまでの一連の業務です。

 

 以上の説明を事業系統図によって示すと次のようになります。

 

 

 

 

[オンライン・リサーチサービスの流れ]

① 課題整理

顧客のビジネス課題、調査背景、目的をヒアリングし、当該調査目的を達成する手法を整理します。

② 調査企画・設計

当該調査目的を加味して調査票を設計します。

③ WEB調査票作成

設計した調査票をWEB画面上でアンケート作成します。

④ 依頼メール配信

作成したアンケートを調査対象となるパネルに配信します。

⑤ 実査(回答データ収集)

パネルが回答したアンケートデータをリサーチシステム上で収集します。

⑥ 集計・分析

収集した回答データを基に、集計・分析業務を実行します。

⑦ レポート納品

クライアントに気づきを与える形でレポートにまとめ納品します。

 

[オフライン・リサーチサービスの流れ]

① 課題整理

顧客のビジネス課題、調査背景、目的をヒアリングし、当該調査目的を達成する手法を整理します。

② 調査企画・設計

当該調査目的を加味して、リサーチ手法ごとに定量調査(注1)であれば調査票の設計、定性調査(注2)であればインタビューフローの設計をします。

③ WEB上での対象者リクルーティング

当該リサーチ実査を実施するにあたって、対象者条件に合致するパネルを選出して、実査参加者を確定します。

④ オフライン・リサーチ実査

定量調査・定性調査それぞれの分野に精通したリサーチ人材が、手法ごとに実地での定量調査、定性調査を実施します。

⑤ 集計・分析

収集した回答データを基に、集計・分析業務を実行します。

⑥ レポート納品

クライアントに気づきを与える形でレポートにまとめ納品します。

 (注)1.定量調査とは収集されたデータを数値化することを想定した上で設計された調査で、調査結果は統計学的に分析する調査方法です。アンケート調査がその代表的な手法です。

2.定性調査とは対象者から発せられる生の言葉や行動、あるいは観察者が見たままの状態や印象等、ことばや文章あるいは写真といった数値化できないデータの収集を目的とした調査方法です。直に顔をあわせ、質問を繰り返すことで消費者の生の声や深層心理を読み解くことができます。

 

[パネル・リクルーティングサービスの流れ]

① 課題整理

顧客のビジネス課題、調査背景、目的をヒアリングし、当該調査目的を達成する手法を整理します。

② WEB上での対象者リクルーティング

当該リサーチ実査を実施するにあたって、対象者条件に合致するパネルを選出して、参加者を確定します。

③ 実査会場までの誘導

実査当日、対象者が会場に、時間に遅れることなく到着できるよう誘導します。

 

[アスマークグループの有するリサーチ手法]

 アスマークグループは、顧客のマーケティング課題に対して、商品・サービス開発段階のフェーズごとに網羅的なリサーチサービスを有している一方で、それを有効的に活用するために、場面に合わせて調査手法を使い分けています。

調査種類

調査手法

内容

定量調査

オンライン・リサーチ

調査対象者に対して、WEB上でアンケートを実施するサービスです。

会場調査

会場に調査対象者を集めて、アンケートを実施するサービスです。

ホーム・ユース・テスト

調査対象者の自宅にテスト品を送付し、試用しながらアンケートを実施するサービスです。

電話調査

調査対象者に対して、電話でアンケートを実施するサービスです。

郵送調査

調査対象者に対して、アンケートを郵送して回答を収集するサービスです。

定性調査

グループ・インタビュー

6~8名程度の調査対象者を集めて、グループディスカッションをしながらインタビューを実施するサービスです。

デプス・インタビュー

調査対象者に1対1でインタビューを実施するサービスです。

オンライン・インタビュー

自社開発のオンラインインタビューツール「i-PORT voice」を活用しインタビューを実施するサービスです。

訪問調査

調査対象者の自宅に訪問してインタビューを実施するサービスです。

その他

リクルーティング

顧客の調査ニーズに応じた調査対象者を集めるサービスです。(調査は顧客自身で実施)

海外調査

海外顧客における国内調査、国内顧客における海外調査を実施するサービスです。

 

[アスマーク特有のオンラインインタビューツールについて]

 アスマークは、2020年9月に仮想バックルームを実装したオンラインインタビューツール「i-PORT voice」をリリースしております。本ツールは、オンラインでも高品質で快適な定性調査を実現できる、アスマークのオリジナルシステムとなります。アスマークでは、以前より定性調査をオンラインで実現することに取り組んでまいりました。「i-PORT voice」とは、新型コロナ禍以降でも、数多く実績のオンライン定性調査を誇るアスマークが、実務経験を活かし開発した、調査会社としては初めてのオンラインインタビューシステムとなり、調査モニターとの対面インタビューや分析を得意とし、バックルーム環境の充実や、モデレーター目線など、リアルな使い心地を追求して設計されております。

 

[アスマークの品質管理について]

 アスマークは、マーケット・リサーチ(注1)サービスに関する国際規格である「ISO 20252」(注2)を取得(注3)しており、アスマーク内における本規格が要求する業務プロセスを実行することによりクライアントに信頼性の高いサービスを提供しております。一方、クライアントは、アスマークに発注することにより、国際規格に準拠した業務プロセスによって提供される、確かな品質のマーケティング・リサーチサービスを受けることが可能となります。本規格は、「高品質」を謳ってきたアスマークのサービスに対する、第三者が行う評価に基づいた客観的な裏付けとなっており、アスマークサービスに対する信頼性が高まっております。

 

 

 (注)1.マーケット・リサーチは市場調査(マーケティング・リサーチ)、世論調査、社会調査における調査種別の総称をいいます。

2.「ISO 20252」はマーケティング・リサーチサービスに特化したISO規格であり、2006年にISO(国際標準化機構)で制定された国際規格です。

3.当該取得における認証範囲(認証区分)は下記となります。

・認証区分P:定量調査データ収集・・・オンライン・リサーチ業務(付帯するHUTの運営を含む)

・認証区分Q:定性調査データ収集・・・パネル・リクルーティング業務(付帯するFGI及びCLTの運営を除く)

 

[アスマークのクライアントについて]

 アスマークのリサーチを利用する顧客は、調査会社、広告代理店、一般消費財メーカー、マスコミ関連企業等があります。なお、2025年11月末現在、クライアント社数は、1,119社となります。

 

クライアント数の推移(注)

第19期

第20期

第21期

第22期

第23期

第24期

決算年月

2020年11月

2021年11月

2022年11月

2023年11月

2024年11月

2025年11月

クライアント社数(社)

837

994

1,061

1,101

1,135

1,119

 

 

 (注)数値は各決算期ごとに集計された累積値です。

 

 

[アスマークのリサーチ・パネル]

 アスマークの事業において、パネルの質と量は非常に重要な要素であります。2025年11月末現在、有効パネル数(注1)は、100万人超となっており、国内でも大規模な自社パネル基盤を有しております。パネルの属性につきましては、年齢別で30代~40代が全体の約5割を占めており、また男女比につきましては、男性が46%、女性が54%となっております。パネルは様々なジャンルの多数のサイトから集め、パネル獲得に要する費用の低コスト化に努めております。

 またアスマークでは、パネルポイント制度(注2)を導入し、パネルのモチベーション維持に努めるとともに、定期的なパネルとのコミュニケーション、グレーパネル(注3)を排除する等の対策を講じることにより、パネルの質の向上にも努めております。

 アスマークのリサーチ専用パネル(D style webパネル)は、アンケート依頼が電子メールで届くと、個々のMyページからアンケート画面にアクセスし、協力する調査ごとにアンケート回答します。オンライン調査の場合は、回答すると、アンケートの分量に応じて定められたポイントが付与され、一定ポイント以上貯まると、現金、電子マネー、Amazonギフト券などと交換することができます。オフライン調査の場合は、アンケートに回答した日程で実施される調査に参加すると、その場で現金謝礼を受け取ることができます。

 なお、アスマークが募集したパネルは、アスマークが依頼するアンケートの回答のみを行っており、企業の広告や販売促進の対象としてダイレクトメールを受け取る等、アンケート以外の目的のために利用されることはありません。

 

 

 

 (注)1.有効パネル数とはアンケートの依頼メールが正しく届かない不正な電子メールアドレス登録者やグレーパネルを除外したパネル数をいいます。

2.パネルポイント制度とはアンケートへの協力に応じてくれたパネルに対してポイントを付与し、一定のポイントが貯まった時点で現金、電子マネー等に交換できる制度です。このパネルポイントは、アスマークにとってはコストに相当するものでありますが、一定額に達した段階ですべてのパネルがポイント交換を要求するわけではなく、交換せずにそのままポイントを貯めるパネルもおります。そのためアスマークでは、「ポイント引当金」を計上し、将来交換される見込額を引き当てております。

3.グレーパネルとはアスマークが依頼するアンケートに対し、著しく矛盾した回答をするパネルや意図的に回収データの精度を歪める回答をするパネルをいいます。

[パネルの募集方法]

 アスマークは、全国300以上の様々なジャンルのWEBサイトから、アフィリエイトプログラムを通じて随時D style webパネルの募集を行っています。インターネット利用者を代表するパネルを目指し、属性に偏りが発生しないよう注意してパネル構築を行っています。

 

 

[顧客からの信頼について]

 アスマークは、業界内では類を見ない柔軟なオペレーションと、網羅性のあるサービスを特徴としており、揺るぎない顧客基盤を形成しております。多種多様な業界との取引実績として年間取引社数は2025年11月期実績で1,119社となり、強固な信頼関係に裏付けられたリピート率(注)は92.7%となります。

 

① 国内有数のパネル基盤

 アスマークの事業における重要な土台要素として、国内100万人超のパネルと国内1,800万人のパネルネットワークを対象にリサーチが可能となります。

 

② 網羅的かつ広範囲なリサーチ・ソリューション(プロダクト)

 定量調査、定性調査問わず、マーケティング・プロセスの全てに関わる調査ソリューションを保有しています。(市場機会の発見、コンセプト開発、4P開発、上市後の広告効果測定など)

 

③ 豊富なリサーチ人材

 アスマークには定量・定性それぞれの分野に精通したリサーチャーを始めとして、モデレーターネットワーク及び業界トップクラスの機縁ネットワークを有しています。また顧客要件に合わせて、柔軟な実査カスタマイズを可能とするオペレーションを提供しています。

 

 

 (注) リピート率は(前年度にアスマークのサービスが提供され且つ請求書が交わされ、当該年度においてもアスマークのサービスが提供され且つ請求書が交わされた年間売上高が500万円以上のアスマークの大口顧客数)÷(前年度の年間売上高が500万円以上のアスマークの大口顧客数)で算出しております。2021年11月期から2025年11月期の5年間の平均値を集計しております。

 

[HRテック事業]

 昨今、少子高齢化が及ぼす労働人口の減少が、人材不足や採用難を引き起こし、日本企業において人材難が最重要課題のひとつだと捉えられています。従業員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」(エンゲージメント)を高め、人材の維持と社員の退職を引き留めるための施策を打ち続けることで、人材の流出を防ぐことが見込めると考えている中、アスマークではこういった課題を解決するために、労働集約的な会社が往々にして抱えている従業員満足度に対する課題に向き合い、自社内でもその課題に悩み、実践してきた経験と、今まで培ってきたマーケティング・ノウハウを融合したサービス「Humap(ヒューマップ)」を2020年6月にリリースしております。これは人事戦略のひとつとして、従業員のエンゲージメント/モチベーションの把握と、組織がどうあるべきなのかを知るために、社内コミュニケーションから業務効率までを解決するツールとなっており、求められる「働き方改革」と、近い将来、必ず直面する「労働人口不足」を解決するために、HRテックを活用した組織の働き方改革を応援するサービスです。

 

[Humapのサービス]

マネジメントサーベイ

Pulsign(モチベーション管理)

従業員の状態を素早くキャッチ&フォローし、低コストで手軽に活用できるツール。従業員満足度を測る際に用いられる調査手法「パルスサーベイ」を、アスマークがより「カンタン」「スピーディー」に実施する事を実現。

CHeck(コンプライアンス対策)

手軽にコンプライアンスリスクを把握できるハラスメント防止サービス。アンケートで現状を俯瞰し、問題・課題を抽出後、結果に対する対策とその導入までを支援。

ASQ(従業員満足度調査)

アスマークが提供するオリジナルのES調査(注1)サービス。1万人のベンチマークデータを元に、組織と社員個人をスコア化。問題点を明確にし、組織のあるべき姿への打ち手をご提案。オフィス・社員を4つのタイプに分類できる新しいES調査。

タレントマネジメント

Smileボーナス

(エンゲージメント向上)

普段日の当たりにくい社員の『貢献』や『感謝』を可視化。社員同士で感謝をボーナスとして送りあえる、社員による社員のためのコミュニケーションツール。

せきなび(座席管理ツール)

テレワーク、座席管理、フリーアドレス等にてすぐに使えるツール。多様化している「せき」(座席、所在等)の管理機能でスマートな職場環境を実現。社員の顔写真やプロフィールを公開し、社内コミュニケーションの活性化にも貢献する。

業務効率化

RPA-work's HR(注2)

アスマーク社内で実際に活用している人事RPAを、全ての企業へ活用可能にしたサービス。雇用契約、給与計算、36協定チェックなど、煩雑になりがちな業務の自動化をサポート。

 (注)1.ES調査とは、Employee Satisfaction(従業員満足度)に対する調査のことです。

2.RPAとは、Robotic Process Automationの略称で、事業プロセス自動化技術の一種です。

 


有価証券報告書(2023年11月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

アスマークの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてアスマークが判断したものであります。

 

(1)会社の経営方針

 アスマークは、常に「自社独自の価値を創造し続け、独創的で高品質なサービスを顧客に提供する」を経営理念として掲げ、下記をミッションとして、マーケティング・リサーチ事業におけるサービスメニューの開発・提供や、その他の事業創造を行ってまいります。

 

 ミッション

「私たちは、同業他社には真似できない自社独自の価値を創造し続け、独創的で高品質なサービスを提供する唯一無二のマーケティング・リサーチ企業として成長し続けます。そして、クライアントが市場で成功を収めるための支援を提供することで、持続可能な社会づくりと課題解決を目指します」

 

(2)中長期的な経営戦略

 中長期的な企業価値の向上や競争力の強化に向け積極的にシステム及び人材、新規事業開発に投資を行い、マーケティング・リサーチ事業の強化による更なる事業展開を行う予定であり、事業の成長スピードの向上に努めてまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 顧客ニーズに応え続けるサービスを安定的に提供、開発していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、アスマークは現在成長フェーズでもあることから、売上高成長率、経常利益成長率を意識した経営に取り組んでおります。

 

(4)経営環境

 世界経済は、米国の保護主義政策に端を発した関係諸国(特に中国)との貿易摩擦の激化や、政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響等に懸念があるものの、穏やかな景気の回復傾向が続いていると認識しております。一方で日本経済は、一部に弱さもみられるものの、企業収益や雇用環境の改善等を背景に、消費者マインドの持ち直しが見られ、今後も緩やかな景気回復が期待される状況にあると考えております。

 このような環境の中、日本のマーケティング・リサーチ市場は2,593億円、そのうちオンライン・マーケティング・リサーチ市場は787億円に達する(注)規模だと認識しております。国内、海外共に市場は緩やかな拡大を続けており、今後も市場全体の継続的な成長を見込んでおります。

 (注) 2024年6月に一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)が発表した「第49回 経営業務実態調査」による。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 アスマークが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下の項目と認識しております。

① マーケティング・リサーチ事業基盤の強化

 アスマークのさらなる成長において最も重要なのは、マーケティング・リサーチ事業基盤を一層強固にすることです。そのため、既存顧客に対しては、これまで以上にきめ細かなサービスと、付加価値の高い提案を行い、信頼関係を深める施策を展開します。一方で、新たな市場や顧客層に対しては、国内、海外を含めて、アスマークの強みである市場分析力や顧客ニーズへの深い理解を活用し、積極的にアプローチしていきます。また社内のITプロジェクトを推進することで、業務プロセス全体の効率化を推進し、収益性をさらに高めると同時に、変化する市場環境に対する柔軟な対応力を備えた事業の運営体制を構築します。こうした取り組みにより、アスマークは強固で持続可能な収益基盤の確立を目指します。

 

② ITを駆使した新しいデジタルサービスの開発

 アスマークは、急速に進化するデジタル技術を活用し、企業価値をさらに向上させるための新しいサービスの開発に注力してまいります。特に、AIやデータ分析技術を活用したソリューションを通じて、顧客の課題を深く理解し、より効果的な提案を行うことを目指します。具体的には、既存サービスのデジタル化や新たな付加価値を提供するサービスの開発に取り組みます。昨年度より資本提携を行ったAIソリューション企業であるスキルブリッジ社との連携を強化し、これまで対応が難しかった課題に対する革新的なサービスの提供を実現します。こうした取り組みを通じて、お客様の満足度を高めるだけでなく、アスマークの競争力を一層強化し、中長期的な収益の拡大と企業価値の向上を目指します。

 

③ 企業価値の最大化

 株主の皆様への還元を最大化するためには、企業価値を継続的に高めることが不可欠です。その一環として、資本効率の向上を図るとともに、経営資源を戦略的に配分し、より多くの収益を実現する体制を構築しつつ、新たな事業機会を模索し国内外での市場拡大を進めます。また、財務体質の改善を継続し、安定した配当政策と成長投資のバランスを図ることで、中長期的な株主価値を向上させる取り組みを着実に進めていきます。

 

④ 組織力の強化

 事業の成長には、社員一人ひとりの成長と、それを支える強固な組織力が必要不可欠です。アスマークでは、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用するとともに、社員全体のスキルアップを目的とした研修プログラムを一層充実させます。また、働きがいのある職場環境づくりを推進し、社員のエンゲージメントを高めるための施策を講じます。これにより、社員が主体的に行動し、互いに協力しながら最大限の成果を生み出せる組織風土を築いていきます。このような取り組みを通じて、個々の成長と企業全体の成長を両立させることを目指します。

 

⑤ M&A及びアライアンスの検討

 アスマークは、持続可能な成長を実現するため、M&Aや戦略的アライアンスを通じた非連続な成長を積極的に追求してまいります。既存事業を補完する分野における企業や、新市場での事業展開を可能にする相手企業を選定し、統合後のシナジー効果を最大化することを目指します。また、戦略的なパートナーシップを通じて、アスマークが保有する強みと外部リソースを組み合わせることで、新たな価値創造を図ります。これにより、既存事業の強化にとどまらず、新たな成長機会の獲得を目指します。

 

⑥ 内部管理体制の強化

 アスマークは、持続的な成長を支える基盤として、内部管理体制のさらなる強化を進めます。リスク管理やコンプライアンス体制を整備するとともに、デジタル技術を活用した業務効率化を推進し、透明性と迅速性を兼ね備えた経営体制を構築します。また、社員教育を通じて内部統制意識の向上を図り、全社的なガバナンスの強化を目指します。

 

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 以下において、アスマークの事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。

 アスマークは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、アスマーク株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてアスマークが判断したものであり、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1)経営環境の変化について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:大)

 アスマークは、マーケティング・リサーチ事業及び、RPA導入・運用支援事業を行っております。それぞれの顧客企業のマーケティング投資、広告投資、IT投資、新規事業投資への投資マインドの上昇を背景として事業を拡大していく方針でございますが、今後国内外の経済情勢や景気動向等がアスマークの想定を超える変動により、顧客企業の投資マインドが減退するような場合、もしくはアスマークを取り巻くマーケティング・リサーチ市場において企業の業績悪化に伴うマーケティング・リサーチニーズの減退が起こる場合には、アスマークの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合について(発生可能性:小、時期:中期、影響度:中)

 アスマークは、マーケティング・リサーチ分野における有力プレイヤーとして、サービスバリュエーションの拡充、迅速かつ高品質なリサーチ結果の提供等、付加価値の向上に努めることで業界内での一定の評価を顧客から得ておりますが、成長途上段階において業界競争が激化し大手企業の価格ダンピング等が生じた場合は、アスマークの経営成績に影響を与える可能性があります。

 またRPA導入・運用支援事業が属するRPA業界は、今後の国内マーケットの拡大により、参入企業が増加し、競争の激化やその対策のためのコスト負担等により、アスマークの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 現時点において当該リスクの発生可能性は小さいと考える一方で、アスマークとしては、クライアントからの高い評価に満足することなく、定型業務の継続的な自動化推進及び従業員教育等を通じて、常に調査の品質を意識した運用 を心がけ、丁寧な顧客対応を継続することで当該リスクを軽減させていく方針です。

 

(3)他業種・新興企業の参入について(発生可能性:小、時期:中期、影響度:小)

 スマートフォンの普及やソーシャルメディアの発達によりインターネットの普及が急速に拡大した結果、システム開発会社等によるネット履歴データの分析等、これまで他業種とされていた分野や新興企業からの本業界への参入が進んでいるものと認識しております。アスマークとしては、これまで培ってきた経験や顧客企業との関係から適切なリサーチを行い、保有する良質なパネルを駆使した高品質の回答結果をレポートすることによって、こうした他業種・新興企業とは一線を画したサービス提供を行っている所存ですが、新規参入企業によるサービスの質が急激に向上するような場合には、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)マーケティング・リサーチ事業について

① 自社パネル・提携パネルの維持・拡大(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 アスマークでは迅速かつ適切なリサーチを行うためには、パネル数を維持・拡大することが重要であると認識しております。現時点では自社・外部提携先を含め回答者に対して適切なポイント付与を行うことで国内において100万人超(2024年11月末現在)の自社パネル及び1,800万人超(2024年11月末現在)の外部提携パネルを確保しており、十分な数を確保できていると認識しております。しかしながら、今後競合他社におけるパネルへの付与ポイントが急騰したり、アスマークと外部提携先との関係が悪化したりする場合は、十分なパネル数が確保できなくなることによりリサーチ結果の品質が低下し、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 アスマークは、自社パネルと複数の外部提携パネルを合わせると国内1,900万人(2024年11月末現在)に調査実施が可能な状態を維持しておりますが、当該リスクに備えて、自社パネルの関心を集め続ける案件の獲得及び外部パネル提携先への営業活動等を通じて、自社パネルの活性化及びパネル提携先の増加を継続的に検討しております。

 

② サービスの品質管理(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 アスマークではサービスの品質を向上させるため、マーケット・リサーチサービスに関する国際規格である「ISO 20252」を取得しており、アスマーク内における本規格が要求する業務プロセスを実行することにより品質を担保しているとともに、パネルの回答品質を向上させるため、調査票作成のユーザーインターフェース強化や、不正回答のパネルを過去の回答データをもとにフィルタリングする機能等システムを用いた対応を行うことで、回答品質の持続的改善に努めております。しかしながら、業務の性質上、人の手が介在する部分もあることから、案件内容によっては回答品質を確保することができず追加調査費用が発生し、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに備えて、アスマークはサービスの品質担保のために、すべての案件について納品前にデータチェックリストを用いたダブルチェック体制を敷いております。

 

③ アドホック調査の継続性(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 マーケティング・リサーチ業界は、顧客企業のブランドや商品等特定の事象に対して個別に一度調査するいわゆる「アドホック調査」が業務の中心となります。そのため顧客企業は調査を依頼する際、複数のリサーチ業者から自由に選択することが可能となっております。

 一方で得られる結果の連続性や品質の確保、リサーチ方法における信頼性等を考慮し、商品群等によっては特定業者に継続して依頼することが一般化していると言えます。しかしながら、上述のとおり基本的には顧客企業は調査会社を自由に選択できるため、今後アスマークにおいて何らかの不祥事が発生することによって信用が失墜したり、回答の品質が低下したりした場合は、こうした継続的な受注先からの調査依頼が減少し、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 アスマークにおける顧客リピート率は、極めて高い水準ではあるものの、それに満足することなく常に調査品質が担保された運用を遵守し、丁寧な顧客対応を継続するとともに、社員教育として定期的なコンプライアンス研修実施を始めとした意識づけを徹底することで当該リスクを軽減させていく方針です。

 

④ 個人情報流出の可能性及び影響(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:大)

 アスマークでは、パネル会員に個人情報の登録を求めており、登録された情報は、アスマークの管理下にあるデータベースにて保管しております。個人情報保護に対する社会的関心は引き続き高い中、アスマークでは一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマークを取得しており、個人情報取扱いに関わる社内規程の整備、定期的な従業員教育、システムのセキュリティ強化、個人情報取扱状況の内部監査等を実施し、個人情報管理の強化に努めております。しかしながら、万が一、外部からの不正アクセスや社内管理体制の瑕疵等による情報の外部流出が発生した場合、アスマークへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 情報セキュリティについて(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:大)

 アスマークの業務の性質上、アスマークの従業員、及び外部委託先が、顧客の保有する営業情報、顧客情報、技術情報、及び知的財産権等を直接的又は間接的に取り扱う場合があります。アスマークはこれら重要機密情報に対し、ネットワークデータベースへのアクセス権限者の登録を限定し、アクセス履歴を記録しております。さらに、セキュリティシステムの導入等のインフラによる防衛策を講じるとともに、従業員のモラル教育を徹底し、アスマーク従業員による情報漏えいへの関与を未然に防ぐ措置、及び外部委託先における品質、セキュリティの管理体制、個人情報の保護水準、委託業務の管理状態について定期的な検証をしております。しかしながら、このような対策にもかかわらずアスマーク、及び外部委託先が情報漏えいに関与した場合、又は外部からの不正アクセス等の対象となった場合には、不測の損害賠償責任を負う可能性、及びさらなる管理体制の強化のための投資負担等により、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)技術革新への対応について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 アスマークのHumapサービスが属するHRテック業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、変化の激しい業界となっております。そのため常に新しい技術要素をITエンジニアに習得させてまいりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、アスマークが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また予定していない技術要素への投資が必要になった場合、アスマークの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)新規サービスについて(発生可能性:中、時期:中期、影響度:小)

 アスマークは、永続的な事業成長のため、マーケティング・リサーチ事業で培ったノウハウを基軸にした新たなサービス基盤を創出すべく、新しい領域におけるサービス開発・展開を進めています。しかしながら、インターネット業界は急速な進化・拡大を続けており、競合他社がアスマークに先駆けて完成度の高いサービスの提供を開始した場合等には、当該事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)アスマークが提供する情報の正確性(発生可能性:小、時期:中期、影響度:中)

 アスマークのサービスにおいて、顧客に対して提供する情報又は分析の真実性、合理性及び正確性は非常に重要です。

 従って、アスマークが分析のために収集した情報に誤りが含まれていたこと等に起因して顧客に対して不正確な情報を提供する場合や、不正確な情報を提供していると誤認される場合には、アスマークの受注案件数の減少、ブランドイメージや社会的信用の低下、アスマークに対する損害賠償請求、アスマークのサービスに対する対価の減額等により、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに備えて、アスマークはサービスの品質担保のために、すべての案件について納品前にデータチェックリストを用いたダブルチェック体制を敷いております。

 

(8)顧客志向の変化について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:大)

 昨今、国内外を問わず、アスマークもクライアントのニーズに対応するようにサービス内容の進化を求められております。その背景には、マーケティング・リサーチを行うクライアント企業を取り巻く環境の変容があります。消費者嗜好の多様化により、より正確かつ効果的なマーケティング・リサーチが不可欠になる中、アスマークの営むマーケティング・リサーチ事業では、顧客志向に立ったサービスを持続的に提供する能力を確保することが、高い収益性を維持するための成功要因の一つとなっております。

 アスマークにおいてもこうした時代の流れに乗り遅れることが無いよう、必要なサービス開発や外部提携の実施等積極的な対応を行っておりますが、今後十分な対応が取れない場合は、顧客離れが生じることでアスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)サービスの陳腐化について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:大)

 アスマークの主たる事業であるマーケティング・リサーチ事業及びその他の事業において、その販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、様々なリスクが含まれます。アスマークが市場ニーズの変化を十分に予想できず、アスマークのサービスが陳腐化するような技術革新等が生じた場合には、アスマークの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 近年では、新型コロナウイルス感染症の拡大時における、オンラインインタビューシステムの開発など、アスマークでは外部環境、顧客ニーズに合わせた柔軟で臨機応変に動ける体制があります。今後も環境変化に合わせた対応をしていくことで当該リスクを軽減させていく方針です。

 

(10)システム開発について(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:中)

 アスマークは、システムに関する投資を積極的に行っております。このため、システム開発の遅延やトラブル発生による開発コストの増大や営業機会の逸失、既存システムの陳腐化による減損損失等が発生した場合、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)システム障害について(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:中)

 アスマークの事業は、インターネットを利用しているため、自然災害、事故、外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入等により、通信ネットワークの切断、サーバ等ネットワーク機器の作動不能等のシステム障害が生じる可能性があります。このようなリスクを回避するため、システムの24時間監視体制の実施、電源及びシステムの二重化、ファイアウォールの設置、社内規程の整備及び運用等の然るべき対策を講じております。しかしながら、システムやハードの不具合、悪質なコンピュータウイルスの侵入やハッカーからの攻撃、予想した規模を大きく上回る地震、火災、洪水、停電等の重大な事象の発生により、システム障害が発生した場合、一時的にサービス提供を停止する等の事態も発生しうるものと認識しております。そうした場合、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12)人材の確保及び育成について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:小)

 アスマークは、今後とも顧客にとって付加価値、満足度の高いサービスを提供し続けることで、事業の拡大を図ってまいりますが、そのためには継続的に優秀な人材を確保し、育成していくことが重要と考えております。また、アスマークでは、綿密な人員計画の作成、人事制度の定期的な見直し等を図ることで、適切な採用コストの管理、魅力的な職場環境の実現に取組むとともに、次世代に通用する人材を育成するため、教育や研修等にも力を入れております。しかしながら、今後人材採用競争の激化等の要因により、期待する技能を有した人材や優秀な人材を確保できない場合や、採用コストが増加する場合は、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)労務管理体制について(発生可能性:小、時期:中期、影響度:中)

 アスマークでは昨今の社会的な意識の高まりを背景に、適切な労働環境を構築することが重要な経営課題であると認識しております。しかしながら、顧客企業の勤務形態が多様化していることもあり、従業員の一部に一時的に長時間労働が生じる可能性があります。十分な人員確保や、適切な人材育成による業務の効率化によって、残業時間の削減に努めていく方針としておりますが、これにより人件費が増加し、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、アスマークの従業員に何らかの健康悪化等が生じ、アスマークに対する損害賠償請求が生じることで、アスマークの経営成績のみならず社会的信用が悪化する可能性があります。

 

(14)内部統制システムの構築に関するリスクについて(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 アスマークはかねてから、コンプライアンス、リスク管理等の充実に努めており、財務報告に係る内部統制を含め、内部統制システムの充実・強化を図っていますが、アスマークが構築した内部統制システムが有効に機能せず、コンプライアンス違反、巨額な損失リスクの顕在化、ディスクロージャーの信頼性の毀損等の事態が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を一挙に失うことにもなりかねず、アスマークの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)代表者への依存について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 アスマーク代表取締役である町田正一は、アスマークの事業展開において事業戦略の策定や、業界における人脈の活用等、重要な役割を果たしております。アスマークは、経営管理体制の強化、経営幹部の育成等を図ることにより、同氏への過度な依存からの脱却に努めておりますが、現時点においては、未だ同氏に対する依存度は高いと認識しております。今後、何らかの理由により同氏のアスマークにおける業務遂行の継続が困難になるような場合には、アスマークの事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)知的財産権について(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:小)

 アスマークはこれまで、著作権を含めた知的財産権に関して他社の知的財産権を侵害したとして、損害賠償や使用差止の請求を受けたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しております。しかしながら、アスマークの事業分野における知的財産権の現況を完全に把握することは困難であり、アスマークが把握できていないところで他社が特許権等を保有しているリスクは否定できません。また、今後アスマークの事業分野における第三者の特許権等が新たに成立し、損害賠償や使用差止等の請求を受けた場合は、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 現時点において当該リスクの発生可能性は小さいと考える一方で、既存サービスに係る商標権を含む、抜け漏れのない申請を徹底することと、新たなサービスを生み出す際における特許、商標権などの他社からの申請状況などを、網羅的に調査する体制を敷いて運用することで当該リスクを軽減させていく方針です。

 

(17)訴訟について(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:小)

 アスマークは、会社設立以来、多額の補償金問題等大きなクレーム又は訴訟等を提起されたことはございません。しかし、国内海外を問わず事業を遂行していくうえでは、訴訟提起されるリスクは常に内包しております。万一アスマークが提訴された場合、また、その結果によっては、アスマークの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)季節変動について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 アスマークの事業は、各顧客の新商品販売のタイミング及び広告宣伝予算の消化が、各社の決算期である3月及び12月に偏重しており、これに伴いアスマークの売上高も、第1四半期及び第2四半期に偏重する傾向があります。2024年11月期における売上高は、第1四半期1,192百万円、第2四半期1,209百万円、第3四半期951百万円、第4四半期1,010百万円であり、業界特性上平準化は困難なものであると認識しております。このため、各ピーク時に期待する売上高が確保できない場合は、アスマークの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

一方、アスマークとしては、期初予算策定時に当該事象を織り込んだうえで、その季節性に応じた費用計画を策定し、年間を通した安定的な利益創出に繋げることで当該リスクを軽減させていく方針です。

また、季節変動の影響を受けないサービスとして、HRテックサービスを始めとした新規事業の展開を通して顧客基盤及び収益機会の拡大に努めてまいります。

 

(19)M&A及び資本業務提携について(発生可能性:中、時期:特定時期無し、影響度:中)

 アスマークは、競合他社等に対するM&Aや資本業務提携を実施することによりアスマークの事業を補完・強化することが可能であると考えており、事業規模拡大のための有効な手段の一つであると位置づけております。今後もM&Aや資本業務提携等を通じて、事業拡大又は人員確保を継続していく方針であります。M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスク低減に努める方針でありますが、これらの調査で確認・想定されなかった事象がM&A等の実行後に判明あるいは発生した場合、アスマークの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)配当政策について(発生可能性:小、時期:長期、影響度:小)

 アスマークは、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、事業成長と戦略的投資のバランスを見極めながら、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としております。

 しかしながら、アスマークの業績が計画どおりに進展しない場合には、配当を実施できない可能性があります。

 

(21)大株主について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 アスマークの代表取締役である町田正一は、アスマークの大株主であり、当事業年度末日現在で発行済株式総数の40.95%を保有しております。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。

 アスマークと致しましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、アスマーク株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(22) アスマーク株式の流動性について (発生可能性:小/発生時期:特定時期無し/影響度:中)

アスマークは、2023年12月4日に東京証券取引所スタンダード市場へ上場しており、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は、当事業年度末日現在44.40%となります。今後は、アスマークの事業計画に沿った 成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加など、これらを組み合わせて、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、アスマーク株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりアスマーク株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(23)新株予約権行使による希薄化について(発生可能性:大、時期:短期、影響度:小)

 アスマークでは、役員及び社員の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を獲得する目的で、新株予約権を付与しております。2024年11月30日現在、新株予約権による潜在株式総数は81,400株であり、これらの新株予約権がすべて行使された場合、発行済株式総数1,123,000株の7.25%にあたる株式が増加することとなります。

 今後も将来にわたってアスマークの成長に大きな貢献が期待できる社員には、新株予約権の付与を行っていく方針でありますが、付与された新株予約権の行使により発行された新株は、将来的にアスマーク株式公開後のアスマーク株式価値の希薄化や株式売買の需給への影響をもたらし、アスマークの株価形成へ影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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