積水化学工業及び積水化学工業の関係会社(国内子会社89社、海外子会社66社、関連会社13社(2025年3月31日現在)により構成)においては、住宅事業、環境・ライフライン事業、高機能プラスチックス事業、メディカル事業、その他事業の5セグメントに関係する事業を主として行っている。各事業における積水化学工業及び積水化学工業の関係会社の位置づけ等は次のとおりである。
(住宅事業)
当事業部門においては、鉄骨系・木質系ユニット住宅の製造、施工、販売ならびに分譲用土地の販売、リフォーム、不動産仲介、賃貸管理、インテリア、エクステリアの販売・施工、高齢者向け介護サービス、まちづくり事業等を行っている。
[主な関係会社]
(原材料の購買)
セキスイ・グローバル・トレーディング㈱
(建築部材の購買)
セキスイハイムサプライ㈱
(製品の製造)
北海道セキスイハイム工業㈱ 東北セキスイハイム工業㈱ セキスイハイム工業㈱
中四国セキスイハイム工業㈱ 九州セキスイハイム工業㈱ セキスイボード㈱
Sekisui-SCG Industry Co., Ltd.
(製品の販売・施工)
北海道セキスイハイム㈱ セキスイハイム東北㈱ 栃木セキスイハイム㈱ 群馬セキスイハイム㈱
セキスイハイム信越㈱ 東京セキスイハイム㈱ セキスイハイム中部㈱ セキスイハイム近畿㈱
セキスイハイム中四国㈱ セキスイハイム九州㈱ 茨城セキスイハイム㈱ セキスイハイム東海㈱
セキスイハイム山陽㈱ セキスイハイム東四国㈱
(製品の施工・サービス等)
北海道セキスイファミエス㈱ セキスイファミエス東北㈱ セキスイファミエス信越㈱
東京セキスイファミエス㈱ セキスイファミエス中部㈱ セキスイファミエス近畿㈱
セキスイファミエス中四国㈱ セキスイファミエス九州㈱ セキスイデザインワークス㈱
東北セキスイハイム不動産㈱ セキスイハイム不動産㈱ 中四国セキスイハイム不動産㈱
九州セキスイハイム不動産㈱ セキスイユニディア㈱ セキスイオアシス㈱ ㈱ヘルシーサービス
東京セキスイハイム施工㈱ 近畿セキスイハイム施工㈱ セキスイハイム不動産少額短期保険㈱
(製品の販売・サービス等)
セキスイ合人社タウンマネジメント㈱
(環境・ライフライン事業)
当事業部門においては、塩化ビニル管・継手、ポリエチレン管・継手、プラスチックバルブ、強化プラスチック複合管、塩素化塩ビ樹脂コンパウンド、雨水貯留材、建材(雨とい、エクステリア材)、介護機器、浴室ユニット、合成木材、防音制振材料、不燃性ポリウレタン、耐火材料、管きょ更生材料及び工法、パネルタンク等の製造、販売、施工を行っている。
[主な関係会社]
(原材料の製造)
※(徳山積水工業㈱)
(製品の製造)
東日本積水工業㈱ 山梨積水㈱ 甲府積水産業㈱ 千葉積水工業㈱ 西日本積水工業㈱ 四国積水工業㈱
四積化工㈱ 九州積水工業㈱ 奈良積水㈱ 積水(無錫)塑料科技有限公司
(製品の販売)
㈱ヴァンテック 東日本セキスイ商事㈱ 中部セキスイ商事㈱ 西日本セキスイ商事㈱
九州セキスイ商事インフラテック㈱
Sekisui SPR Americas, LLC. Sekisui Chemical G.m.b.H. Sekisui Singapore Pte. Ltd.
Sekisui Vietnam Co., Ltd.
(製品の製造・販売等)
積水アクアシステム㈱ 積水ホームテクノ㈱ 積水化学北海道㈱ 積水ソフランウイズ㈱ 東都積水㈱
東積加工㈱ ㈱日本インシーク
SEKISUI ESLON B.V. Sekisui Rib Loc Group Pty. Ltd. Sekisui Rib Loc Australia Pty. Ltd.
積水塑膠管材股份有限公司
Sekisui Specialty Chemicals(Thailand)Co., Ltd. S and L Specialty Polymers Co., Ltd.
なお、上記関係会社のうち ※( )書きの会社は、高機能プラスチックス事業についても、原材料及び製品の製造を行っている。
(高機能プラスチックス事業)
当事業部門においては、液晶用微粒子、感光性材料、半導体材料、光学フィルム、工業用テープ、合わせガラス用中間膜、発泡ポリオレフィン、車輌用樹脂・ラバー成型品、放熱材料(グリス・シート)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等複合材成型品、加飾シート、ポリビニルアルコール樹脂、ブロー容器、建設用資材、接着剤、包装用テープ、プラスチックコンテナ、樹脂畳「MIGUSA」、衛生材料等の製造、販売を行っている。
[主な関係会社]
(原材料及び製品の製造)
徳山積水工業㈱
(製品の製造)
積水武蔵化工㈱ 積水水口化工㈱ 積水多賀化工㈱ 奈積精密加工㈱
(製品の販売)
積水マテリアルソリューションズ㈱ Sekisui Alveo A.G. Sekisui Alveo G.m.b.H.
Sekisui Alveo(Benelux)B.V. Sekisui Alveo S.A. Sekisui Alveo S.r.L. Sekisui Alveo(GB)Ltd.
Sekisui Specialty Chemicals Mexico, S.de R.L.de C.V.
※(Sekisui Chemical G.m.b.H. Sekisui Singapore Pte. Ltd. Sekisui Vietnam Co., Ltd.
Sekisui Korea Co., Ltd. Sekisui Products, LLC. 積水(上海)国際貿易有限公司
Sekisui(Hong Kong)Ltd. 台湾積水化学股份有限公司)
(製品の製造・販売)
積水ナノコートテクノロジー㈱ 積水テクノ成型㈱ 積水フーラー㈱ 積水ポリマテック㈱
住化積水フィルム㈱ 積水成型工業㈱ 積水成型茨城㈱ 積水成型千葉㈱ 積水成型兵庫㈱ 積水成型出雲㈱
Sekisui Voltek, LLC. Sekisui Alveo B.V. Sekisui Alveo BS G.m.b.H. 映甫化学㈱
積水映甫高新材料(無錫)有限公司 Thai Sekisui Foam Co., Ltd.
Sekisui Pilon Pty. Ltd. Sekisui S-Lec America, LLC. Sekisui S-Lec B.V. 積水中間膜(蘇州)有限公司Sekisui S-Lec (Thailand) Co., Ltd. Sekisui S-Lec Mexico S.A. de C.V.
Sekisui Specialty Chemicals America, LLC. Sekisui Specialty Chemicals Europe, S.L.
Sekisui DLJM Molding Private Limited 積水保力馬科技(上海)有限公司
Sekisui Polymatech(Thailand)Co., Ltd. PT. Sekisui Polymatech Indonesia
Sekisui Polymatech America, LLC. Sekisui Polymatech Europe B.V. Sekisui Aerospace Corporation
AIM Group USA Inc. AIM Aerospace Renton, Inc. AIM Aerospace Auburn, Inc.
AIM Aerospace Sumner, Inc. AIM Aerospace Atlanta, Inc. Quatro Composites, LLC.
SEKISUI KYDEX, LLC.
(サービス等)
PT Asia HD Limited
なお、上記関係会社のうち ※( )書きの会社は、環境・ライフライン事業についても、各々販売を行っている。
(メディカル事業)
当事業部門においては、臨床検査薬、自動分析装置、採血管、医薬品原薬・中間体、創薬支援、酵素原料等の製造・販売を行っている。
[主な関係会社]
(製品の製造)
積水医療科技(蘇州)有限公司
(製品の販売)
Sekisui Diagnostics G.m.b.H.
(製品の製造・販売)
積水メディカル㈱ Sekisui Diagnostics, LLC. Sekisui Diagnostics P.E.I. Inc.
Sekisui Diagnostics (UK) Limited 積水医療科技(中国)有限公司 Veredus Laboratories Pte. Ltd.
(その他事業)
当事業部門においては、フィルム型リチウムイオン電池及び上記4事業部門に含まれない製品の製造、販売及びサービスを行っている。
[主な関係会社]
(製品の製造)
積水LBテック㈱
(製品の製造・販売)
㈱プラスチック工学研究所 積水バイオリファイナリー㈱ 積水ソーラーフィルム㈱
(サービス等)
セキスイ保険サービス㈱ ㈱セキスイアカウンティングセンター
Sekisui Europe B.V. Sekisui America Corporation 積水化学(中国)有限公司
Sekisui Southeast Asia Co., Ltd.
その他主要な関連会社に、積水化成品工業㈱がある。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりである。
積水化学工業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において積水化学工業グループが判断したものである。
(1) 経営理念および行動準則
積水化学グループは、経営に対する理念を体系化している。企業活動の根底にある考え方や方針を示す「社是」、社是をうけて中長期で積水化学工業グループが目指す姿を示した「グループビジョン」、グループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略」により構成されている。
①社是「3S精神」
積水化学工業の社章は、創業当時の社名「積水産業」の頭文字の「S」3つを化学記号ベンゼン環の中に配置して、
「水」という文字をかたどったものである。1959年11月、積水化学工業は、このマークに「3S精神」という明確な定義づけを行い、社是として制定した。
「企業活動を通じて社会的価値を創造する(Service)」「積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する(Speed)」「際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する(Superiority)」の3S精神は、積水化学グループの理念体系の根幹をなすものであり、約2万7千名の全社員の間で、しっかりと共有されている。
<社是「3S精神」>
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・Service :企業活動を通じて社会的価値を創造する ・Speed :積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する ・Superiority:際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する |
②グループビジョン
積水化学グループは、ステークホルダーの期待に応え、社会的価値を創造し、事業を通して社会に貢献することを目指している。
地球規模での人口増加や気候変動、先進国を中心とする高齢化、都市基盤の老朽化などに加え、これらすべてに関連する資源エネルギー問題がこれまで以上に喫緊な社会的課題になりつつある中、グループがこれまで蓄積してきた「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の分野に関する経験・知見を活用して、これらの社会課題の解決に資する価値を創造し続けることを目指している。
<グループビジョン>
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積水化学グループは、際立つ技術と品質により、「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。 |
③積水化学グループ企業行動指針
積水化学グループは、グループの役員・従業員が従うべき行動指針である「積水化学グループ企業行動指針」を定め、日々の事業活動を通じて社会的信頼を高め、より一層魅力ある会社を目指している。
<企業行動指針>
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1 社会の発展に役立つ事業活動を行う。 2 個人の能力を最大限に発揮し、活力ある組織をつくる。 3 お客様・取引先・株主・地域など広く社会から信頼される企業をめざす。 4 あらゆる企業活動において法およびその精神を遵守し、誠実に行動する。 5 よき企業市民として、サステナブルな視点で地球環境問題と社会貢献に取り組む。 |
(2) グループビジョンを実現するための経営戦略
積水化学グループは、社是「3S精神」の下、グループビジョンに掲げる「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」を両輪として成長していくため、長期ビジョン「Vision 2030」、ならびに2023年度から2025年度までの3か年を対象期間とした中期経営計画「Drive 2.0」を策定し、以下の取り組みを推進している。
①長期ビジョン「Vision 2030」
長期ビジョン「Vision 2030」では、積水化学グループがイノベーションを起こし続けることにより、「サステナブルな社会の実現に向けてLIFEの基盤を支え『未来につづく安心』を創造していく」という強い意志を込めたビジョンステートメント「Innovation for the Earth」を掲げている。レジデンシャル(住まい)、アドバンストライフライン(社会インフラ)、イノベーティブモビリティ(エレキ/移動体)、ライフサイエンス(健康・医療)の4つの事業領域を設定し、「ESG経営を中心においた革新と創造」を戦略の軸にして現有事業の拡大と新領域への挑戦に取り組み、2030年の業容倍増を狙う。
<ESG経営>
積水化学グループの「ESG経営」では、「サステナブルな社会の実現」と「積水化学工業グループの持続的な成長」の両立の実現を目指し、その鍵となる以下の3つのステップをステークホルダーとともに取り組んでいる。
イ)環境・CS品質・人材の「3つの際立ち」と「ガバナンス」の磨き上げ
ロ)3つのアプローチ(量を増やす・質を高める・持続的に提供する)で社会課題解決を加速
ハ)4つの事業領域で「未来につづく安心」という価値の創出・拡大
このESG経営を加速するため、積水化学工業グループ主要施策について中長期目標を定めるとともに、今中期経営計画ではESG強化費550億円(設備投資+費用)を設定し、重大インシデントにつながるリスク軽減に向けた取り組みやDX(デジタル変革)・人材・環境など経営基盤の強化を推進する。
②中期経営計画「Drive 2.0」
<中期経営計画「Drive 2.0」の全体像>
長期ビジョンの第2フェーズとなる中期経営計画「Drive 2.0」では、積水化学グループの業容倍増に向け、“持続的成長”と“仕込み充実”により、長期ビジョンの実現を目指すことを基本方針とし、①戦略的創造、②現有事業強化、③ESG経営基盤強化の3つの基本戦略に取り組み、企業価値の向上を推進する。
<中期経営計画の数値目標>
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2025年度目標 |
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中期経営計画 |
中期増分 |
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売上高 |
14,100億円 |
+1,674億円 |
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営業利益(率) |
1,150億円(8.2%) |
+233億円(+0.8%) |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
820億円 |
+127億円 |
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ROIC(投下資本利益率) |
8.5% |
+0.9% |
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ROE(自己資本利益率) |
11.0% |
+1.0% |
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海外売上高(比率) |
4,800億円(34%) |
+1,049億円(+4%) |
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EBITDA |
1,750億円 |
+329億円 |
<基本戦略>
中期経営計画「Drive 2.0」の基本戦略は、ESG経営を実践し持続的に企業価値を向上させていくために、長期ビジョンの第2フェーズとして①戦略的創造、②現有事業強化、③ESG経営基盤強化の3つに取り組むこと、それらを牽引するドライバーとしてサステナビリティ貢献製品の創出と拡大を加速させることにある。
イ)戦略的創造(Strategic Innovation)
新事業領域の創出を目指した仕込みの具体化
ロ)現有事業強化(Organic Growth)
現有事業の着実な成長とポートフォリオの磨き上げ
ハ)ESG経営基盤強化(Strengthen Sustainability)
持続的成長と仕込み充実に資するESGマネジメント強化
<投資・財務戦略>
中期経営計画「Drive 2.0」の3年間に獲得するキャッシュに加え、適切かつ機動的な資金調達を行うため、投資枠6,000億円を設定する。設備投資枠(戦略投資+通常投資)、M&A投資枠としてそれぞれ3,000億円を設定し、市場開拓に伴う増産投資や、M&Aによる技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用する。また、環境負荷低減、人的資本投資、デジタル変革など長期的に資本コストを抑制し、企業価値向上に寄与する取り組みを実行するために、ESG強化費550億円(設備投資+費用)を設定している。
<株主還元>
中期経営計画「Drive 2.0」では、株主の皆様への「剰余金の配当等に関する基本方針」の内容を見直し、株主還元のコミットを強化・明確化した。連結配当性向40%以上、総還元性向50%以上(D/Eレシオ(負債資本倍率)が0.5以下の場合)としつつ、DOE(自己資本配当率)3%以上を確保し、業績に応じ、かつ安定的な配当政策を実施する。
③気候変動課題への取り組み
積水化学工業グループは、気候変動は大きな社会課題であると同時に、積水化学工業グループにとって大きなリスクであると認識し、その解決に積極的に取り組んできた。2018年、化学業界初となるSBT認証(注)を取得し、2030年にGHG
(Greenhouse Gas:二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス)排出量削減率をScope1+2を2019年度比で50%減、Scope3を2019年度比30%減とする目標を掲げ、これまでは老朽設備更新の促進などの「エネルギー消費革新」、購入電力の再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)転換や自家消費型太陽光発電設備の導入などの「エネルギー調達革新」を進めてきた。
今後は、燃料使用設備の電化や低炭素燃料への転換の促進、さらには「生産プロセス革新」による燃料由来GHG排出量の削減という技術的難易度の高い取り組みも進め、中長期のGHG排出量削減目標の達成を目指す。なお、積水化学工業の目標値はSBT認証を取得している。
(注)SBT(Science Based Targets)認証:企業が定めた温室効果ガス削減目標が、長期的な気候変動対策への貢献と科学的に整合していると、国連グローバル コンパクトをはじめとする共同イニシアチブにより認証されたもの。
(注)1.Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
(燃料の燃焼、工業プロセス)
2.Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
3.Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出
(事業者の活動に関連する他社の排出)
2023年度から開始した中期計画において、最終年度である2025年度は以下の目標を目指して取り組みを進めている。
脱炭素化 GHG排出量削減率(Scope1+2) ▲33%(基準年2019年度)
購入電力の再エネ比率 70%
2023年度はGHG排出量の削減率については、生産量減少と電力の再エネ転換が進んだ結果、購入電力を100%再エネに切り替えた事業所は国内外31拠点、自家消費型太陽光発電設備の導入事業所は同19拠点となった。グループ全体における購入電力の再エネ比率は計画通りに進捗している。
④資源循環の実現に向けた対応
積水化学工業グループは2050年にサーキュラーエコノミーを実現し、持続可能な社会を目指す。この長期ゴール実現のために2020年度に下記の資源循環方針を定めた。
イ)資源循環に関するイノベーションを推進する
ロ)事業活動で使用する非化石由来および再生材料の使用を拡大する
ハ)ライフサイクルにおいて排出される廃棄物においてはマテリアルへの再資源化を最大化する
2023年度から開始した中期計画において、最終年度である2025年度は以下の目標を目指して取り組みを進めている。
再資源化の促進
廃プラスチックのマテリアルリサイクル率(国内)65%
2023年度の廃プラスチックのマテリアルリサイクル率(国内)は、事業所毎に廃棄物の性状を再調査するとともに、再生技術を有するリサイクラーの適用範囲の再確認を行うことでマッチングを行い、リサイクラーの見直しを進め計画通りに進捗している。
⑤サステナビリティ貢献製品による「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献
気候変動などの社会課題が深刻化し、企業に対しては持続可能な社会の実現への貢献を求める声が高まっている。積水化学グループにおいても、さまざまな製品や事業を通じて、2030年までに世界が成し遂げるべき「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた企業活動を推進している。
なかでも、自動車向け遮音・遮熱中間膜や太陽光発電システム搭載住宅、管路更生SPR工法といった、自然環境および社会環境における課題解決への貢献度が高い製品をサステナビリティ貢献製品と認定し、連結売上高に占めるサステナビリティ貢献製品比率を高めている。
グループビジョンに「世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献する」ことを掲げる企業として、サステナビリティ貢献製品の創出と市場における拡大を通じ、SDGsをはじめとする社会課題解決への貢献と企業としてのさらなる成長を目指す。
⑥人的資本経営の取り組み
積水化学グループは、人材理念に「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」と定め、人的資本を企業価値向上の源泉と位置づけている。長期ビジョンを実現し、全員が挑戦したくなる活力あふれる会社の実現に向け、今中期は「挑戦する風土の醸成」「適所適材の実現」「ダイバーシティの実現」を人事戦略に掲げ、各種施策を展開している。また従業員のキャリア拡大への投資、ならびにグループ各社の人員確保(労働条件の改善、人員の補強、働く環境の整備)として、3年で120億円を人的資本に投資することとしている。
イ)挑戦する風土の醸成
“挑戦の場づくり”としては、グループ人材公募などによるキャリア機会の実現とともに、社内起業制度の導入など新たなチャレンジ機会の提供を推進している。“挑戦の後押し”としては、上司層の意識改革を図るための長期ビジョン展開活動の継続とともに、キャリアに関する上司部下間の面談を強化している。挑戦風土の醸成状況は、年に1回“挑戦行動発現度”として測定し改善に努めている。
ロ)適所適材の実現
持続可能な組織とするためには、人材のバトンを次に繋げることが必要である。“ビジネスリーダーの育成”としては、役割型人事制度に基づき、年功によらず最適な人材をライン長に任命するとともに、全社をあげて後継者候補の認定およびその育成に取り組んでいる。“プロ人材の確保”としては、競争力の源泉となる高度専門人材の確保に努めるとともに、事業ニーズに即したリスキルを強化すべく2023年度からDXやグローバル領域における育成プログラムを開始した。
ハ)ダイバーシティの実現
“多様な人材の活躍推進”としては、多様な人材(女性、障がい者、キャリア採用等)を受けいれる環境整備と雇用の実現、両立支援(育児、介護、病気)と定着支援を推進している。“個と職場の活力を高める環境の実現”としては、働き方改革を通じた働きやすい環境の整備とともに、健康経営の推進(からだ・こころ・そしき)を通じた安心して働き続けられる環境確保に努めている。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
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2024年度目標 |
連結売上高 13,267億円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 780億円 |
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連結営業利益 1,020億円 |
ROE(自己資本利益率) 10.0% |
2024年度は、中期経営計画「Drive 2.0」の2年目として、引き続き事業ポートフォリオ改革に取り組み、「成長」へのシフトを加速していく。
市況については徐々に回復していくと見込んでいる。引き続き社会課題解決に資する高付加価値事業・製品販売の拡大を図るとともに、スプレッドの維持、新築住宅事業の収益体質強化策の着実な推進などにより、全てのセグメントで増収・増益、全社での売上高の過去最高更新、営業利益および親会社株主に帰属する当期純利益の最高益更新の見通しである。
<住宅カンパニー>
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2024年度は、リフォーム、不動産、まちづくり各事業の売上拡大や、新築住宅事業におけるコスト削減により、増収・増益の見通しである。 新築住宅事業では、2023年度の受注棟数減少の影響があるものの、売上高は2023年度並みの見通しである。引き続きリフォーム事業などの成長領域への人員シフトなどによる収益性強化に取り組むとともに、各エリアのニーズに応じた商品開発や販売戦略を推進し、受注棟数増大や棟単価向上を図る。 リフォーム事業では、営業人員の拡充や、断熱リフォームを軸とした改装の拡販に加え、セキスイハイムオーナー以外の一般リフォーム市場における需要獲得に向けた取り組みに注力する。 不動産事業では、管理戸数増大による賃貸事業の拡大や、仲介や買取再販など流通事業の拡大に注力する。 まちづくり事業では、新規プロジェクトの発売により、売上増大を図る。
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<環境・ライフラインカンパニー>
2024年度は、国内の住宅・非住宅建築市況は、上期は引き続き停滞するものの下期から緩やかに回復すると
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想定する。社会課題解決に資する重点拡大製品と海外売上の拡大に注力し、増収・増益の見通しである。また諸原料高、物流費の上昇に加え、賃上げなど事業に関わる総コストの増加に対応した売値改善を進める。 パイプ・システムズ分野では、引き続き人手不足やインフラ老朽化などの社会課題解決に資する重点拡大製品の拡販を図るとともに、下期より回復が見込まれる半導体向けプラント設備投資需要の取り込みと、CPVC樹脂の販売エリア拡大に注力する。 住・インフラ複合材分野では、不燃性ウレタン製品を中心に耐火材料事業の拡大、大型高排水システムや介護用製品の拡販を推進する。またFFUについては、欧州工場の安定稼働を早期に実現し、海外での鉄道まくらぎ用途の採用を加速させる。 インフラ・リニューアル分野では、管路更生の海外での受注拡大、高機能パネルタンクの販売強化などにより売上拡大を図る。
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<高機能プラスチックスカンパニー>
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2024年度は、労務費の増加や原材料高騰の影響を受けるものの、為替の効果に加え、モビリティ分野や半導体を中心としたエレクトロニクス関連需要の回復を見込み、販売数量を大幅に拡大することにより、増収・増益の見通しである。 エレクトロニクス分野では、スマートフォン市況については当期並みと想定する一方、半導体関連の需要については緩やかな回復を見込んでおり、基板・半導体関連をはじめとする非液晶分野での拡販を加速させ、増収を図る。 モビリティ分野では、引き続き自動車関連需要は堅調に推移すると見込んでおり、ヘッドアップディスプレイ用を中心とした高機能中間膜の拡販を推進するとともに、航空機需要についても一定の回復を見込み、増収を図る。 インダストリアル分野では、欧米や国内の建築・消費財需要の低迷が続くも、下期の市況回復を見込み、成長領域に定めている断熱材、長尺クラフトテープなどの施工省力化製品や環境対応製品の拡販を推進するとともに、売値改善の継続により増収を図る。 |
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<メディカル事業>
2024年度は、国内外での検査需要の確実な取り込みと、医療事業での新規受注獲得に注力する。国内および中国での血液凝固機器・試薬の拡販に加え、米国において、新製品となるインフルエンザ・新型コロナウイルス感染症検査コンボキットの拡販に注力し、大幅な増収増益、過去最高益の更新を目指す。
(4) 株主との建設的な対話に関する基本方針
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との対話を行うことは極めて重要である。積水化学工業は、社長および経営戦略部担当取締役を中心に、株主総会はもとより四半期毎の決算説明会や国内外の投資家面談などを積極的に行い、株主との建設的な対話に努めている。
積水化学工業は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との建設的な対話に関して、以下の基本方針を定めている。
①中長期的経営戦略の立案およびIRを統括する経営戦略部担当取締役を責任者と定め、投資家との間で建設的な対話を実現するための体制整備・取り組みを行う。
②経営戦略部担当取締役は、各カンパニー、経営管理部、法務部、コーポレートコミュニケーション部、その他関係部署を中心に、インサイダー情報の漏洩に留意しつつ、対話を補助する部門間での情報共有を確実に行うなど有機的な連携を確保する。
③株主との建設的な対話を促進するため、株主構造の把握に努め、また対話の手段として、以下の取り組みを実施し、対話の充実に努める。
イ)社長や経営戦略部担当取締役などによる四半期毎の決算説明会の実施
ロ)国内外投資家との個別面談の実施
ハ)株主・投資家向け事業説明会などの適宜実施
ニ)積水化学工業ウェブサイトにおける国内外投資家へ向けた情報開示の充実(統合報告書、決算説明会資料、音声など開催模様含む)
ホ)積水化学工業ウェブサイトにおける意見投稿機会の確保
④経営戦略部担当取締役は「企業情報開示規則」に則り、対話によって得られた投資家の意見などを取りまとめ、適時適切に取締役会などで共有し、経営に活かす。
⑤「企業情報開示規則」および「インサイダー取引規制規則」に則り、情報管理を強化していく。株主との対話においても細心の注意を払う。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、積水化学工業は、積水化学工業グループにおける各種リスク発生の可能性を把握し、発生の回避及び発生時に迅速・的確な対応ができるようにするための体制の確立に努めている。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において積水化学工業グループが判断したものである。
(1) 経営環境に関するリスク
積水化学工業では、下記①~⑤に記載する、経済、市況、金融、災害、政治・社会をはじめとした各環境変化に対して迅速な対応をはかるべく、毎月の取締役会、および四半期ごとの予算編成会議において、各事業部門からの報告に基づいて対応策の議論と意思決定を行い、また、経営計画における指標や財務状況の適時・適切な見直しと開示に努めている。
①経済動向および製品市況の動向
積水化学工業グループ製品の事業展開エリアである日本、北米、欧州、アジアなどでの経済環境の動向や、モビリティ、エレクトロニクス、住宅、建築、インフラなどの市場の動向は、積水化学工業グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
具体的には、世界的に収束に向かっているとみられるCOVID-19の感染状況や、ロシアのウクライナ侵攻を契機とした原燃料価格の高騰、そこから波及した世界的な物価高は、消費マインドを減退させているが、今後の状況によって、積水化学工業グループの業績にも影響を及ぼす。
事業別に見ると、高機能プラスチックスカンパニーの事業のうち、モビリティ分野の事業が対象とする市場は、グローバルな自動車産業や航空機産業の景況・需要動向の影響を受けやすく、エレクトロニクス分野の事業が対象とする市場は技術的な進歩が速く、また需要の変動も大きく、短期間に需要が縮小する場合もある。それらのリスクへの対応として、サプライチェーンのコスト革新に継続的に取り組み、またR&Dセンター強化検討や新技術・M&A候補の探索を進めている。また、住宅カンパニーの事業では、国内の住宅取得に関する政策や税制、金利動向および個人消費や各エリアの経済動向の影響を受けるが、エリア別の商品戦略を取ることでリスクを低減している。また、建設業就業者数が減少傾向であることから必要な労働者を確保できず工期の遅れや労務費の上昇に繋がるリスクがある。その対応として、ユニット住宅の生産工場内の物流効率化等の生産革新計画を進めており、また現地での施工工数削減についてもテーマ化し研究を進めている。環境・ライフラインカンパニーの事業は、官公庁との取引を含むため、政府および地方自治体の政策によって決定される公共投資の動向による影響を受ける可能性がある。更に住宅、非住宅の着工戸数の動向にも影響を受ける可能性があるが、それらの対応としてエリア(国内/海外)や顧客(公共/民間)等のポートフォリオを組み、管理していくことでリスク分散している。ライフサイエンス分野の事業では社会環境変化等を背景とした医療制度改革に影響を受ける可能性があるが、その対応として事業領域の拡大や新製品開発に注力することでリスクヘッジしていく。
また、積水化学工業グループ全体としても、事業の多角化や展開地域のグローバル化等によりリスクをヘッジしているが、製品需要が大きく変動した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。
②原材料の市況変動及び調達
積水化学工業グループの生産活動に使用される鉄鋼、木材、塩化ビニル・オレフィン等石油関連の原材料の価格は、世界各国の経済環境や需給バランスの変動による供給の逼迫や遅延、供給国の通商政策の影響を受ける。また、一部の希少な原材料については、安定調達に関わるリスクがある。
急激な原材料価格の高騰は、生産コスト上昇につながり、また、希少原材料の需要動向やサプライヤでのトラブルは積水化学工業グループの製品供給に支障をきたす可能性がある。
積水化学工業グループでは、原材料調達ソースの多様化等により、安定的な調達に努めるとともに、原材料価格の上昇に対しては、継続的な原価低減施策を行うと同時に、製品の付加価値を高め、必要に応じて販売価格の改定を行い、それらのリスクをヘッジしているが、価格変動が大きな場合等は、業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。
③為替・金利・保有資産価格の変動
積水化学工業グループは、グローバルに事業展開しており、2024年3月期の海外売上高比率は30.8%となっている。そのため、外貨に対する円の価値変動は、外国通貨建ての取引や、在外連結子会社等の財務諸表項目の円換算額に影響を及ぼす可能性がある。外国通貨建ての取引では社内為替レートを使用しているが実勢の乖離を回避すべく、四半期ごとに米ドルおよびユーロの社内為替レート見直しを行っている。また、現在の事業展開と規模において、乖離が出た際の営業利益への影響額は1円/米ドルにつき約5億円、1円/ユーロにつき約1億円と認識して開示している。
また、金利の変動は、積水化学工業グループにおける受取利息・支払利息の増減や、住宅事業の需要に影響を与える可能性がある。
積水化学工業グループが保有する土地などの不動産、その他棚卸資産や有形固定資産、のれんなどの無形固定資産、投資有価証券等の投資その他の資産についても、市場環境や経営環境の変化により減損処理が必要となるリスクがある。
これらによって、積水化学工業グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。
④大地震、自然災害等
積水化学工業グループの事業拠点における大地震・津波等の自然災害および感染症の蔓延等の発生に伴い、積水化学工業グループの事業活動の中断などのリスクが存在する。
それに伴い生ずる社会的信用の失墜、補償等を含む産業事故災害への対応費用、生産活動の停止による機会損失および顧客に対する補償等により、積水化学工業グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。
⑤政治・社会
積水化学工業グループは成長戦略の1つとしてグローバル展開を進めており、現在は22ヵ国に拠点を構え、生産および販売活動を行っている。
海外における事業活動では、世界経済全体の動向に加え、テロ・戦争などの政治的混乱、関税報復措置、予期しない政策・法律・規制の変更、税制改正、産業基盤の脆弱性、自然災害、感染症、人種差別、不買運動その他の要因による社会的または政治的混乱のリスクが存在する。
これらのリスクが顕在化した場合、積水化学工業グループの海外での事業活動に支障が生じ、積水化学工業グループの業績および将来計画に影響を与える可能性がある。
積水化学工業グループは米国・欧州・中国・ASEANの4か所に地域統括会社を設置し、積水化学工業グループが拠点を構える各国の経済・社会・政治的状況や、各国法規制の動向について情報を収集している。
また対応が必要な事象が生じた際には、当該グループ会社、地域統括会社および日本本社の専門部門が連携して適宜対応している。
(2) 業務リスク
積水化学グループでは、積水化学工業の持続的な成長および企業価値を毀損する可能性のあるリスク項目のうち、特に重大なものを全社重大リスクとして位置づけ、領域別の各分科会、サステナビリティ委員会、取締役会を経て、対応方針と施策を決定し、各部署の実行計画に落とし込んでいる。また、積水化学工業のサプライヤに対しても「持続可能な調達」調査の実施などにより、責任あるサプライチェーンを構築し、持続可能な調達の実現・維持に向けて取り組んでいる。
①安全・衛生、産業事故
積水化学工業グループの工場および研究所における周辺地域に影響する大きな産業事故(火災や爆発、有害物質漏洩等)、それに伴い生ずる社会的信用の失墜、補償等を含む産業事故災害への対応費用が発生するリスクが存在する。
積水化学工業グループでは、火災や爆発、有害物質漏洩等の産業事故の未然防止に向けて、自然災害も想定した各生産拠点でのリスクマネジメント活動によるリスク抽出と対応を行うとともに、本社の専門部門による実地監査と是正指導(設備本質安全化等)をグローバルで定期的に実施している。
あわせて海外においては、海外危機管理事務局が中心となって地域統括会社とともに自然災害を含む危機管理情報の共有やタイムリーな注意喚起等を行っている。
②製品、品質
積水化学工業グループでは品質に万全を期すための品質保証・向上の取り組みを継続している。
しかしながら、それらにも関わらず、重大な製品事故が発生した場合、製品に対する安全性・環境問題・各国法規制対応等に疑義が持たれた場合、知的財産に係る紛争が生じ積水化学工業グループに不利な判断がなされた場合等において、商品の回収や製造中止およびこれらに伴う補償や顧客からの信頼を失うリスクがある。
これらのリスクが顕在化した場合には、積水化学工業グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。
積水化学工業グループは、お客様に継続的に選択していただける価値を常にお届けする「CS 品質経営」に取り組んでいる。「重要品質問題ゼロ」を積水化学工業グループの重要指標の1つとして設定し、商品化後に起こりうる品質リスクの開発段階での事前予測による品質問題の発生の未然防止、製造部門が実行すべき日常の管理の基本的指針の徹底など、バリューチェーン全体で一貫した品質管理を行い、そのレベルの向上を図っている。
また、積水化学工業グループでは、技術の「際立ち」を最大限に活かすために知的財産戦略を重視し、強い特許の獲得による事業競争力確保を目指しているが、あわせて他者の知的財産を侵害しないよう調査を行うとともに、知的財産侵害に対する回避・予防策などの適切な措置をとっている。
③コンプライアンス
積水化学工業グループは事業の遂行にあたり、様々な法規制の適用を受けている。
これらの法規制の改正や予期しない法規制の導入等に起因した違反事案や、業績目標達成のプレッシャー等に起因した不正等の重大なコンプライアンス違反事案が発生した場合、その対応に要するコストに加え、顧客からの信頼を失い、積水化学工業グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。
積水化学工業グループでは、2003年に「コンプライアンス宣言」を制定し、「社会への貢献」「信頼される企業」「法やその精神の遵守」などの考え方を基本として、積水化学工業グループの理念体系や企業行動憲章に掲げられた精神に則り、コンプライアンスを通じて社会から高い信頼を獲得する姿勢を明確にしてきた。2020年10月には、積水化学工業社長加藤のもと、積水化学工業グループにとって成長の基盤となるものがコンプライアンスであり、役員・従業員(一人ひとり)が社会常識に反する行為をせず、高い倫理観と責任感を持った行動をとることを宣言している。
また、取締役会において、「コンプライアンスに関する基本方針等」の審議を行うとともに、積水化学工業および積水化学工業グループ会社におけるコンプライアンス体制の構築および実践を図ることを目的として、社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会の専門分科会として「コンプライアンス分科会」を設置し、コンプライアンスに関する重要事項の企画、検討及び決定を行っている。さらに、本社の専門部門による監査と是正指導をグローバルで定期的に実施している。
積水化学工業グループが広く社会から信頼されるよう、コンプライアンス意識の向上に今後も取り組んでいく。
④情報管理
積水化学工業グループは、生産、販売、研究開発、調達、会計などのビジネスプロセスにおいて、ITを効率的に活用する一方で、ITシステムへの依存度は高くなっている。また、これらビジネスプロセスの機密情報に加え、住宅事業ではその特性上、多くのお客様の個人情報を取り扱っている。
そのため、サイバー攻撃や停電、自然災害、機器やソフトウェアの障害・欠陥等に伴う事業の中断や損害賠償の発生、個人情報や高度な技術情報を含む機密情報の漏洩等のリスクが存在する。これらのリスクが顕在化した場合、積水化学工業グループの事業活動に支障が生じ、積水化学工業グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。
積水化学工業グループでは、指針となる「情報セキュリティ方針」を制定の上、対応強化のためにCSIRT(シーサート、Computer Security Incident Response Team)を設置し、システム上でインシデント発生の有無を常時監視するとともに、万一の発生時には適切な対応と再発防止を図る体制を整備し、従業員教育による人的な情報漏洩の未然防止も図っている。
また、大地震などの自然災害等による基幹システム停止リスクに対しては、データセンターの複数か所への分散設置、重要業務システムの完全二重化等の対策を講じている。
更に、より機密性の高い特定の事業においては、関係省庁のサポートを受けながら情報管理を推進している。
⑤気候変動・環境問題
気候変動や、資源枯渇、水リスク、海洋プラスチックごみ等は社会の共通課題であるとの認識が世界で共有される中、環境保護を後押しする政策や規制への対応の遅れは、炭素税等によるエネルギー調達コストの上昇、製品の低炭素化に必要な材料の調達難、社会からの信頼の喪失・レピュテーションや競争力の低下につながり、財務状況に影響を与える可能性がある。
積水化学工業グループは、環境や社会の課題解決に寄与することで地球および社会のサステナビリティを向上するサステナビリティ貢献製品の創出・認定とその市場拡大、温暖化対策としての2030年までの購入電力の100%再生可能エネルギー化、燃料使用設備の電化や低炭素燃料への転換、非化石由来および再生材料の使用拡大、廃棄物の再資源化などにサプライヤとも連携してサーキュラーエコノミーの実現に取り組んでいる。また、海洋プラスチック問題を解決するための企業イニシアティブの「CLOMA※1」や「JaIME※2」にも参加するなど、産官学での連携を通じ、同問題の解決を促進する活動も行っている。
※1 経済産業省と農林水産省が主体となる海洋プラスチックに対処する企業イニシアティブ
※2 日本化学工業協会が主体となる海洋プラスチックに対処する企業イニシアティブ
⑥人的資本
積水化学工業グループは長期ビジョンにおいて、2030年の貢献量倍増を目指し、戦略的創造による成長の加速と現有事業の強化を推進している。一方で、採用競争力の低下や離職の増加、挑戦機会やマネジメント経験の不足、労務構成の偏りや事業ニーズにスキルが適合しない場合等、人的資本の不足によって事業計画の未達や想定する成長スピードが実現できない可能性がある。
これを解消すべく、「挑戦する風土の醸成」「適所適材の実現」「ダイバーシティの実現」を推進している。人材公募制度などの挑戦機会の提供やキャリア自律に向けた風土づくり、ビジネスリーダー候補者の早期育成と抜擢や高度専門人材の確保と事業ニーズに即したリスキル、多様な人材の活躍推進と健康で安心して働ける環境整備、これらに取り組むことで、長期ビジョンを実現するサステナブルな組織を目指している。
(3) 戦略リスク
第三者との提携や合併・買収、およびR&D活動を通して新規事業への参入を模索する可能性があるが、その取り組みが成功しないことや想定以上に期間がかかるといったリスクが存在する。また、新規事業への参入が成功した際にも、当該市場における新たな経営環境リスクが発現することが考えられる。
(4) リスクの特定、管理体制
積水化学グループでは、専門領域別および海外地域別にリスク情報を網羅的に収集し、「起こりやすさ」と「インパクト」「バリューチェーン上における波及効果」の3軸で評価を行っている。その結果を踏まえ、各専門領域の管掌役員による全社リスク検討部会において一元的評価を行い、全社重大リスクを特定している。これらリスクの発現を未然に防止する活動(全社リスク管理:ERM)と、リスクが顕在化した時に対応する活動(危機管理)を一元的に管理するリスクマネジメント体制を推進しており、この一元化により、組織の状況に応じて、常に変化するリスク危機に適応できる体制を構築している。
また、万一の災害、事故等の発生時においてグローバルでの早急に把握する緊急連絡網の体制を構築するとともに、適切な初動対応のための従業員教育を強化している。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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