アイカ工業グループは、アイカ工業(アイカ工業株式会社)、子会社53社及び関連会社3社により構成されており、化成品、建装建材の製造及び販売を国内外のグループ各社が相互協力のもとに密接に連携し、化成品、建装建材の開発、生産及び販売活動を行っております。
事業の内容とアイカ工業、子会社及び関連会社の当該事業における位置づけ、ならびにセグメントとの関連は次のとおりであります。
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事業区分 |
主要製品 |
主要な会社 |
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化成品 |
外装・内装仕上塗材、塗り床材、 各種接着剤、有機微粒子、他 |
アイカ工業、西東京ケミックス㈱、 アイカインドネシア社、昆山愛克樹脂有限公司、 瀋陽愛克浩博化工有限公司、 アイカ・アジア・パシフィック・ホールディング社、 アイカドンナイ社、アイカハチャイ社、 アイカシンガポール社、アイカ広東社、 アイカインドリア社、アイカニュージーランド社、 アイカ南京社、アイカアドテック社、 アイカタイケミカル社、ADBシーラント社 エバモア・ケミカル・インダストリー社 |
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建装建材 |
メラミン化粧板、化粧合板、 室内用ドア、インテリア建材、 カウンター、収納扉、不燃化粧材、 押出成形セメント板、他 |
アイカ工業、アイカインテリア工業㈱、アイカハリマ工業㈱、 アイカテック建材㈱、 アイカインドネシア社、テクノウッド社、 マイカラミネート社、 アイカ・ラミネーツ・インディア社、 アイカ・ラミネーツ・ベトナム社、 アイカ・アジア・ラミネーツ・ホールディング社、 アイカウィルソナート・タイ社、アイカウィルソナート上海社 |
上記の事業区分・主要製品と、別記セグメント情報における事業区分・主要製品とは同一であります。
以上述べた事項を、事業系統図によって示すと次のとおりであります。
本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在においてアイカ工業グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
アイカ工業グループは、「挑戦と創造」を社是とし、「共生の理念のもと、たえざる革新により新しい価値を創造し、社会に貢献していく」ことを経営理念に掲げ、その下に「経営方針」「サステナビリティ方針」「行動規範」「アイカ10年ビジョン」「中期経営計画」「単年度会社方針」を定めています。
「経営方針」は、以下の7項目で構成されており、様々な戦略の策定における基盤、指針となっています。
1. 化学とデザイン
化学とデザインの力で独創性のある商品をつくり、豊かな社会の実現に貢献します。
2. グループシナジー
技術・素材連携やチャネル活用を追求し、グループシナジーを創出します。
3. No.1
事業分野や地域におけるNo.1商品を拡充します。
4. グローバル
海外における生産・販売拠点と人材の充実を図り、グローバル市場で持続的な成長を目指します。
5. 人材と組織
人材を最も重要な経営資源と捉え、相互理解と成長を通じ、活力あふれる人材・組織を形成します。
6. コンプライアンス経営
法令や社会秩序を守り、公正で透明性の高いコンプライアンス経営を実践します。
7. 安心・安全への約束
ステークホルダーとのコミュニケーションを重視し、「信頼される品質の確保」や「環境に配慮した事業活動」を推進します。
(2)経営環境
当連結会計年度のアイカ工業グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが5類感染症に移行し、経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
国内建設市場においては、住宅着工戸数は、持家やマンションなどが減少し、前年を下回りました。非住宅関連においては、店舗、工場、倉庫などの着工面積が減少し、前年を下回りました。
アジア・オセアニア地域の経済につきましては、中国では景気の回復に減速感が見られましたが、その他の地域では好調に推移しました。しかしながら、原材料価格の高止まりに加え、円安の進行や世界的な金融引き締めによる景気への影響など、国内外ともに先行きは不透明な状況で推移しました。
翌連結会計年度のアイカ工業グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、賃金の上昇率が高水準となり消費者マインドが向上することにより、緩やかな回復が続くことが期待されます。一方、不安定な国際情勢、原材料価格やエネルギーコストの高騰、金利・為替の変動による経済への影響等、引き続き、不透明な状況が続くと予想されます。
国内建設市場につきましては、住宅着工は前年と同水準で推移し、非住宅建設市場は堅調に推移する見通しですが、住宅取得マインドの低下や国内外の金利政策の変化による影響が懸念されます。
アジア・オセアニア地域の経済につきましては、各国政府の政策の下支えにより前年を上回る成長率が期待できますが、欧米の景気失速による影響、中国の不動産市場の回復動向などに留意してまいります。なお、利益面においては、原材料価格が上昇した場合や過度な為替変動が生じた場合には、収益を圧迫する懸念があります。
このような環境の中、アイカ工業グループでは引き続き中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」の方針に基づき、収益性の改善、成長事業の創出・育成、および気候変動対応や人的資本をはじめとした健全な経営基盤の構築に取組み、アイカ工業グループの持続的な成長とより一層の企業価値向上に努めてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①収益性・成長性の実績と将来像
化成品国内・化成品海外・建装建材国内・建装建材海外の4つのマーケットにおけるそれぞれの課題を認識した上で、メリハリの効いた投資配分を行うとともに、適時適切に事業ポートフォリオを見直し、中期経営計画およびアイカ10年ビジョンの財務目標の達成に向けてさらに収益性を高めつつ、成長スピードを加速させます。
化成品国内は、市場が成熟している上、近年の原材料価格の高騰により、収益性・成長性ともに低く、課題があることを確認しております。化成品海外は、償却が完了していない投資が多いため収益性・成長性ともに停滞感が見られますが、これまで行ってきた投資の効果がますます高まることによる改善を見込んでいます。建装建材国内は、高い収益性を保持しており、アイカ工業の収益性の柱となっています。建装建材海外は、M&Aの効果もあり高い成長性を維持しているものの、利益率は向上の余地があります。
②収益性の改善
アイカ工業グループの今中期経営計画期間の最大の課題は、収益性の改善です。持続的に成長するためには、環境変化に強い筋肉質な体制を構築する必要があると考えています。持続的な利益創出力を重視する企業風土の醸成にさらに注力していくと同時に、商品ミックスの改善、コストダウンの推進、適正な売価設定、生産の最適化・効率化などを実行することで競争力を高めます。
化成品国内は、汎用品の比率が高く競合企業が多いため、収益面で課題を抱えています。改善に向けて樹脂ごとの採算管理を強化して選択と集中による構造改革を進めるとともに、付加価値の高いAS商品※1の開発・拡販に経営資源を集中します。収益の柱である建装建材国内については、顧客のニーズを捉えたことで確立した高収益なビジネスモデルを維持しつつ、そのノウハウ・技術を周辺領域に展開し新たな商品分野を開拓することで差別化を図ります。また、利益率が高く、トップシェア商品であるメラミン化粧板やセラールのシェアをさらに拡大し、商品ミックスを改善します。海外については化成品・建装建材ともに今後も伸長が期待できる市場であり、製造能力を増強してシェア拡大を図ります。特に化成品海外においては、アイカの強みが発揮できるフェノール樹脂やホットメルトなどの高付加価値商品を拡大させるとともに、原材料調達のグループシナジーを向上させることで収益性を引き上げます。建装建材海外は、日本からの技術移植や日本・中国・タイ・インドネシア・ベトナム・インドにおける生産拠点の最適化を推進し、グループシナジーを最大化します。また、成長が見込まれるハイエンド市場での差別化戦略を遂行し、各国における化粧板のシェア拡大を図ります。
③成長事業の創出・育成
企業の持続的な成長のためには、常に成長事業を創出し、ポートフォリオを組み替えていく必要があります。社会課題の解決や未開拓市場への進出・育成に注力し、化成品・建装建材、国内・海外ともに、バランスよく成長事業を創出し、持続的な成長基盤を構築します。
化成品セグメントにおいては、国内木工・家具市場の縮小、国内建設市場への依存などの課題を克服するため、成長市場である非建設分野と海外事業に引き続き注力します。創業以来、木工・家具、建設・施工市場で培った接着・接合技術を応用し、成長が見込める自動車、電子材料市場などの非建設分野のさらなる開拓を推し進めます。また、海外においては、投資効果やグループシナジーの最大化を図るとともに、現地のニーズを捉えた新商品を投入することで、経済成長が期待できるアジアの需要を取り込み、飛躍的な成長を目指します。
建装建材セグメントにおいては、国内・海外双方においてそれぞれの課題に応じた成長戦略を遂行します。メラミン化粧板国内トップシェアメーカーであるからこそ保有している技術資本・製造資本を最大限活用して市場の変化に柔軟に対応し、ニーズに即してポートフォリオを組み替えながら成長していきます。
国内では、建設市場の縮小を見据えて、壁・床・天井など現場施工型商品の開発・拡販をさらに加速させます。木工・家具用のメラミン化粧板の技術を壁用のセラールに展開して市場の獲得に成功した経験を活かし、既存商品の用途をさらに広げることで、近年進出した床・天井市場でブランドを確立し、高収益ビジネスの拡大を図ります。海外では、経済発展に伴い高意匠化・高品質化が進むアジア市場に対して、日本のメラミン化粧板・セラール・加工品等の技術を展開することで、スピード感を持って事業拡大を図ります。積極的な投資を行い、生産拠点を最適な形へ整備することでアジア市場の需要を着実に取り込み、国内事業を上回る高い成長率で海外事業を拡大していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、アイカ工業グループが判断したものであり、事業等のリスクについてはこれらに限られるものではありません。
(1)世界経済の変動によるリスク
アイカ工業グループは、グローバルに事業を展開しており、連結ベースでの海外売上高比率は約5割に達しております。また、生産・調達のグローバル化も進んでおります。そのため、事業活動を行っている、または原材料を調達している各国、各地域において、景気、物価等の経済状況の変動や、予期しない法令・税制・規制の変更、天変地異や労務問題、戦争、政変、テロ、経済摩擦等の地政学リスクに伴う需要の減少や事業活動の停止等が生じ、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、外部の第三者機関等を通じて経済状況、各国の政治状況等をモニタリングするとともに、本社と各海外統括会社が連携支援し、各国、各地域のリスク関連情報や各国法規制動向の把握及び分析を行い、各国、各地域における個々のリスクが顕在化する兆候を早期に把握するよう努めております。また、海外統括会社を通じた現地ガバナンスの強化、ローカル経営人材やローカルパートナーの活用をしております。
(2)市場ニーズ・顧客ニーズの変化に関するリスク
アイカ工業グループが事業展開を行う、化成品、建装建材の各セグメントや各国、各地域においては、多数の競合会社が存在しております。また、市場ニーズ及び顧客ニーズが多様化しており、求められる製品は常に変化し続けています。この競争の激化やニーズの変化への対応の遅れにより、販売シェアの低下や販売価格の低下、滞留在庫の増加等が生じ、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、オリジナル性の高い技術開発を進め、安全・安心・健康・省エネルギー・環境等に配慮し、市場ニーズや顧客ニーズにマッチした競争力のある新製品の開発を推進しております。また、依存市場の分散化を図るべく、コア技術の応用やM&A等を活用して、他用途への展開、他地域への進出等に注力しております。更に、次世代要素技術の蓄積・創出のために産官学連携を活性化するとともに、M&A・提携による技術の共有化と活用、ステークホルダーとの関係強化による技術・営業人材の育成、組織としての技術開発力の強化を通じて、大型新製品開発を推進しております。
(3)特定の部門における建設需要への依存度に関するリスク
アイカ工業製品は、最終製品ではなく部材に特化しているとともに、幅広い分野に浸透しているため、アイカ工業グループの業績は、特定の市場環境による大きな影響を受けにくくなっております。ただし、アイカ工業製品の中で売上構成比の高い建装建材部門の製品は、主に日本国内の住宅、店舗、公共施設等の建設及び改修において使用されております。また、化成品部門における外装・内装仕上塗材、塗り床材についても国内の建設資材として使用されております。このため、日本国内の住宅、店舗、公共施設等の建設需要及び改修需要が減少した場合、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、建装建材部門では既存製品の競争力を維持しつつ、主力である木工・家具にとどまらず、壁・床・天井など空間をトータル提案できる製品を育成することで新しい市場、新しい用途を開拓し、持続的な成長を目指しています。また、非建築分野向け事業である機能材料事業への経営資源の投入に注力し、建設需要及びリフォーム・改修需要に左右されない体質へと転換していきます。機能材料事業では、好調な伸びが見込まれる自動車・エレクトロニクス・日用品の市場をターゲットに、ホットメルト・UV樹脂・ウレタン樹脂・高機能フィルムといった育成製品を投入して飛躍的成長を目指しております。
(4)企業買収等の資本提携に関するリスク
アイカ工業グループは、事業の拡大や収益性向上の有効な手段の一つとして企業買収等の資本提携を積極的に実施しております。企業買収等の資本提携の実施後にアイカ工業グループが認識していない問題が明らかになった場合や、買収先企業や提携先企業を取り巻く事業環境が著しく変化し期待された利益やシナジー効果が得られなかった場合には、発生したのれんについて減損損失が計上される可能性があります。その結果、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、買収対象企業や提携先企業に対する入念な調査や価値評価、取締役会での十分な審議、契約の締結等を実施しております。また、外部の専門家を適宜起用するとともに、案件執行能力を備えた社内の人材育成にも努めております。投資後は、各企業の業績等を分析し、情報の共有化を図り、シナジーの最大化や問題点の早期対処に努めております。
(5)主要原材料の価格変動、供給不足に関するリスク
アイカ工業グループは、コストダウンと調達の安定性のバランスを念頭において事業を行っておりますが、原油・ナフサ価格等の高騰、世界情勢の変化による原材料の需給バランスの不均衡等により主要原材料価格や燃料価格の高騰が進んだ場合、及び供給メーカーの方針転換やプラントトラブル、被災等により特定原材料の調達が困難となり生産活動に支障をきたした場合には、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、複数購買の実施、取引先とのコミュニケーション、グループ間の連携等を図り、安定的な供給体制の構築に努めております。
(6)製品・サービスの品質、製造物責任に関するリスク
アイカ工業グループは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001に従って各種製品を製造・出荷しておりますが、全ての製品について欠陥が無く将来クレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、万一、製造物責任賠償保険で充分に填補できない製品の欠陥による損失が発生した場合には、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、開発・設計段階における社内試験を充実することに加え、必要に応じて外部の第三者機関による試験を行い、製品の品質を維持し、欠陥の発生を最小限にするとともに、不具合のある製品の流出防止策を講じております。
(7)設備の改廃、用地の制限に関するリスク
アイカ工業グループの事業運営においては、多種多様な工場用地・機械・設備・ユーティリティを使用しております。突然の設備故障により生産停止等が発生した場合、また、借地使用の延長契約が進まない事態になった場合、生産量の減少や修繕コスト・移転コストの増加等で、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、日頃から設備メンテナンスに注力し、不意の故障を予防し、借地に関する交渉窓口との円滑なコミュニケーションを図り、また、必要な投資を行い、生産活動に支障をきたすことのないよう取り組んでおります。
(8)知的財産の流出、他社権利の侵害に関するリスク
アイカ工業グループが保有する知的財産が外部へ流出した場合や不正に利用された場合、または見解の相違等により意図せず他社の知的財産を侵害したと判断された場合、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、知的財産の情報管理を徹底するとともに、アイカ工業技術の適切な特許登録を実施し、流出や不正利用防止を図っています。また、製品開発においては事前の調査を徹底し、他社の特許を侵害しないよう対策を講じております。
(9)物流網の能力不足、物流費の高騰に関するリスク
日本国内においては、ドライバーの労働環境の改善や労働人口の減少に伴う人手不足の深刻化により物流需給がひっ迫しています。また、国内・海外ともに、燃料価格の高騰、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした人々のライフスタイルの変容による物流量の増加、コンテナ不足、運輸・物流業界におけるストライキ、予期しない法令・税制・規制の変更、天変地異、事故、経済摩擦等により物流網が混乱するケースが頻発しています。このような背景から、アイカ工業グループの原材料や製品の輸送手段が不足する、あるいは物流コストが大幅に上昇するなどし、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、国内においては、協力企業の拡充、ITシステムの活用、物流拠点の拡充等を行い、輸送業務の最適化を図っております。また、代理店システムが構築されており、市中在庫が各代理店に分散して存在し、リスク分散機能を担っています。海外においては、グループ各社での情報共有、原材料の確保協力等を行っております。効率的な輸送方法と在庫の最適化を追求し物流コストを抑制するとともに、多様な輸送手段を確保し製品供給責任を果たしてまいります。
(10)納期管理に関するリスク
アイカ工業グループは、販売先からの受注に対して定められた契約に基づいて納品するように対応しております。しかしながら、競業企業の生産能力の変化等の影響を受け、供給能力を超えた受注を抱え、納期遅延等が発生した場合には、対応に多額の費用負担が生じる、あるいは社会的信用が低下することにより、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、販売部門、生産部門、物流部門において適切な生産管理と情報の共有化を図り、納期遅延等が発生しないよう努めております。
(11)取引先の信用に関するリスク
アイカ工業グループは、国内外の様々な企業と取引をしております。取引先の財政状態の悪化や経営破綻、後継者問題による廃業等が発生した場合、予期せぬ貸倒損失の発生、販売機会の損失等が生じ、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、信用リスクに応じた取引限度額の設定、担保や保証の取り付け、引当金 の設定等の対策を実施しております。また、取引条件は定期的な信用調査を基にリスクを勘案して設定するよう努めております。更に、アイカ工業グループの売上は国内外多数の顧客に分散しておりますが、更なる分散化 を図るべく、コア技術の応用やM&A等を活用して、他用途への展開、他地域への進出等に注力しております。
(12)財務・税務に関するリスク
アイカ工業グループは、事業展開を行っている各国の税法に準拠し適正な納税を行っておりますが、税務申告における税務当局との見解の相違等により、追加での税負担が生じる可能性があります。また、グループ会社間の取引価格に関しては、各国の移転価格税制や関税法の観点から適切な取引価格となるように注意を払っておりますが、税務当局または税関当局との見解の相違等により、取引価格が不適切であるとの指摘を受け追加の税負担が生じる可能性があります。これらの税務上の指摘が発生した場合、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、外部専門家の助言による移転価格文書の整備を行い、各拠点と情報交換し各国の税制改正の情報を事前に把握し影響を見極め、問題の発生を回避することに努めております。
(13)為替相場の変動に関するリスク
アイカ工業グループが行っている製品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。こうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。また、アイカ工業は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、先物為替予約を締結しリスクを軽減し、単一の通貨による変動影響を可能な限り減らすため、ポートフォリオの最適化に努めております。
(14)大規模災害や事故の発生に関するリスク
想定外の大規模災害や事故、感染症の流行等が発生した場合、事業所の機能停止、原材料調達の遅延、製造設備の損壊等の被害が、事業活動の継続に影響を及ぼし、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、危機管理規程に基づき、大規模災害や事故、感染症の流行等により重要な事業を中断させないこと、また万一、事業活動が中断した場合においても残存する能力で目標復旧時間までに重要な事業を再開させることを目的に、事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)を策定し、緊急時の対応を即座に行えるよう準備・訓練するとともに、複数購買や生産拠点の複数化、大規模地震に備えた耐震工事、水害に備えた浸水対策工事等を行いできるだけ影響が少なくなるように努めております。
(15)環境保全に関するリスク
化成品、建装建材各セグメントの製品を製造する過程で使用される原材料の中には、人の健康や生態系に影響を与える物質も含まれております。また、処理委託した産業廃棄物が適正に処理されないことも想定されます。万一、アイカ工業グループの事業活動に起因する環境汚染が発生した場合には、対応に多額の費用負担が生じる、あるいは社会的信用が低下することにより、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、環境保全に係る法規制を遵守し、ISO14001を基に環境マネジメントシステムを構築し、環境負荷の低減に取り組むとともに、土壌汚染、水質汚染等の環境汚染防止に取り組んでおります。
(16)気候変動に関するリスク
気候変動にともない、(1)予想を超えるような台風や洪水、猛暑等の気象災害が発生した場合には、事業所の機能停止、製造設備の損壊等の被害により事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。また、平均気温の上昇、降雨量の変化による水資源への影響等が徐々に進行した場合、アイカ工業グループがおかれる事業環境が変化し、運用コストの増加につながる可能性があります。一方で、(2)低炭素社会への移行の状況により、ステークホルダーから温室効果ガス削減製品の要請が増大し、新規技術導入での設備投資額の増加、原材料価格の上昇が引き起こされる可能性も想定されます。気候変動の緩和に向けた規制が強化され、それに適切に対処できなかった場合、操業規制を受け、新たな税負担や、再生可能エネルギーへのシフトに伴う費用、生産設備の高効率化に伴う設備投資額の増加等につながる可能性もあります。それらは、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、上記(1)の気候変動に伴い物理的に発生するリスクに対しては、「BCP分科会」により、分析・モニタリング・予防対策の推進・取締役会への報告を行っております。また、上記(2)の低炭素社会移行に伴うリスクに対しては、サステナビリティ推進委員会の内部組織として設置した「気候変動問題対応分科会」で温室効果ガス排出量の削減策について検討・実行し、その進捗を取締役が参加する「サステナビリティ推進会議」で半期に一度報告することに加え、社長が参加する「開発テーマ会議」において気候変動に関するテーマを取り扱い、商品の低炭素化を図ることで、中長期的視点で本リスクへの対策を講じております。
(17)人的資本に関するリスク
<人材確保・育成に係るリスク>
アイカ工業グループが持続的に事業を発展させるためには、製造、販売、開発、経営、IT等、それぞれの分野で専門知識に精通した人材やマネジメント能力に優れた多様な人材を確保し、継続的に育成していくことが必要となります。また、海外事業を更に展開していくうえでは、優秀な現地人材を確保し、日本と海外とを結ぶグローバル人材を確保・育成する必要があります。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まないことによりアイカ工業グループの事業活動が制限される場合があります。また、経済発展が著しい海外においては、人材獲得市場における競争が高まっています。それら人材確保・育成に係る状況は、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、日本においては新卒採用や経験者の中途採用を積極的に進めるとともに、人事・教育制度を充実させ、多様な社員が活躍できる環境づくりに努めています。海外においては、ローカル人材を積極的に登用するとともに、各国の労働慣行を尊重し、権限と義務を明確にすることで高いモチベーションが維持できる環境づくりに努めています。
<人体に影響を及ぼすリスク>
アイカ工業グループで、設備やオペレーションに起因した労働災害が発生したり、労務環境が悪化し健康被害が発生した場合には、社員の心身の健康に影響を及ぼし、労働生産性の低下や人材流出につながり、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、従業員の安全と健康を最優先に考え、労働安全衛生活動や健康経営に継続的に取り組んでいます。
(18)情報セキュリティ・ITインフラに関するリスク
アイカ工業グループは、事業遂行に関連し、多くの個人情報や機密情報を有しているほか、様々なシステムやネットワークを利用しています。悪意のある第三者によるサイバー攻撃、ウイルスによる処理機器の事故が発生した場合、情報の流出・漏洩・改ざん、ランサムウェアのような悪意のあるプログラムの侵入が発生する可能性があります。また、天災等によるシステムインフラの停止等が発生した場合、重要な業務の停止や遅延が発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、対応に多額の費用負担が生じ、あるいは社会的信用が低下することにより、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、「アイカグループ情報セキュリティ基本原則」の遵守、情報管理規程による社内ルールの徹底、システムの冗長化等により、情報漏洩対策及び重要な業務の停止リスクの低減に努めております。
(19)コンプライアンスに関するリスク
アイカ工業グループは、事業展開をするうえで各国の法律、許認可等さまざまな法的規制の適用を受けています。これら法令等の改正や規制の強化により、アイカ工業グループの事業活動が制限される、あるいは遵守するためのコストが増加する場合があります。また、法令等に違反した場合や社会規範に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、またはこれらに加え社会的信用が低下することで、アイカ工業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、アイカ工業グループは 「アイカグループ行動規範」において、各国・各地域の法令等を遵守し、人権尊重、環境への配慮、腐敗防止など、高い倫理観にもとづく行動を徹底することを定め、予期せぬ損失や信用の低下を防止すべく、役員・従業員に対する研修や規定の策定・周知を通じコンプライアンス意識の向上を図り、法令や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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