カーリットグループ(カーリットおよびカーリットの関係会社)は、カーリット(㈱カーリット)と、連結子会社11社、持分法適用関連会社1社および持分法非適用会社1社により構成され、化学品、ボトリング、金属加工、エンジニアリングサービスに関連する事業を主として行っています。主な事業内容と主要な関係会社の当該事業における位置づけは、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
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報告セグメント |
主な事業内容 |
主要な関係会社 |
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化学品 |
<化薬分野> 産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、信号焔管、煙火用材料の製造・販売 <受託評価分野> 危険性評価試験、電池試験 <化成品分野> 塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、亜塩素酸ナトリウム、農薬、電極、過塩素酸の製造・販売 <電子材料分野> 有機導電材料、光機能材料、イオン導電材料の製造・販売 <セラミック材料分野> 研削材の製造・販売 <シリコンウェーハ分野> 半導体用シリコンウェーハ |
株式会社カーリット、株式会社ジャペックス、佳里多(上海)貿易有限公司
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ボトリング |
清涼飲料水のボトリング加工・販売 |
ジェーシーボトリング株式会社 |
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金属加工 |
各種耐熱炉内用金物、スプリングの製造・販売 |
並田機工株式会社、東洋発條工業株式会社 |
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エンジニアリングサービス |
工業用塗料販売・塗装工事、上下水道・排水処理施設の設計・監理 |
カーリット産業株式会社、南澤建設株式会社、富士商事株式会社、株式会社総合設計 |
<事業系統図>
以上を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
なお、カーリットは持分法非適用会社である東日本日東エースとの間で防蟻薬剤の取引を行っております。
カーリットグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてカーリットグループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
《経営理念》信頼と限りなき挑戦
2018年に創業100周年を迎え、創業者である浅野総一郎の理念を踏まえ、カーリットの、現代の存在意義と将来に向けた
夢のある発展を追い求めるため、2013年の持株会社体制への移行を機に経営理念を掲げました。
カーリットグループは、社会と人々に貢献することが使命と考えます。そのためには「継続ある事業基盤の確立」と
「不朽なる技術の進展」は不可欠であります。ステークホルダーからの信頼確保を第一に、研究開発体制の整備、M&Aや海外進出を含む新規事業への積極的な展開を図りながら、新製品の開発と新規事業の開拓を行ってまいります。
社員一同、世界に信頼される「カーリットグループ」となるよう、飽くなき挑戦を日々積み重ねてまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
カーリットは、2022年度を初年度とした中期経営計画「Challenge2024」を策定いたしました。経営方針として「事業ポートフォリオの最適化により企業価値の向上を目指す」を掲げ、「成長事業の加速化」「研究開発の拡充」「既存事業の収益性改善」「ESG経営の高度化」「事業インフラの再構築」という5つの戦略を推進しています。
「成長事業の加速化」および「研究開発の拡充」では、今後も活況が続くと予想できる半導体・電子機器・5G関連材料の需要と、EV化を起点に市場の拡大が見込める自動車関連需要の2つに焦点を当て、生産設備の新設や増強、国内外マーケットに向けた販売促進、カーリットコア技術の発展・応用の模索を進めてまいります。
「既存事業の収益性改善」では、省エネ・省人化設備への更新や、事業ポートフォリオに基づいたリソースの適切な配分を進め、カーリットの利益を生み出す構造に改善してまいります。
「ESG経営の高度化」および「事業インフラの再構築」では、気候変動対策、カーボンニュートラルへの挑戦、ステークホルダーとのコミュニケーション、財務戦略の明確化、DX推進といった具体的な施策を進めてまいります。
これら5つの戦略を実行し、カーリットグループの社会貢献およびコーポレート・ガバナンスのさらなる充実を進めることで、「利益ある成長」と「ESG」を具現化し、社会に信頼される企業グループを目指してまいります。
これらに加えて、経営環境の変化に柔軟に対応することで中期経営計画「Challenge2024」の達成をより確実とすることを目的に、ローリング方式にて中期経営計画の見直しを行い2023年5月に「ローリングプラン2023」を、2024年
3月に「グローアッププラン2024」を策定いたしました。資本コストや株価を意識した経営を推進し、PBRを指標とした企業価値の向上を目指してまいります。
2024年の世界経済は、中国の景気減速と欧米の高金利の影響により年央にかけて減速感を強めるものの、半導体
サイクルの持ち直しにより新興工業国各国を主体に回復へ向かう見通しです。また、2025年に向け欧米景気は継続的な利下げを背景に次第に持ち直すほか、アジア地域も先進国向け外需に支えられて回復する見通しであり、世界経済は緩やかに回復すると想定しています。
2024年の国内経済は、高水準の企業収益が賃金・設備投資に回ることで経済活動は回復基調を維持するも、実質
雇用者報酬の伸び悩みやサービス消費・インバウンド需要回復の一服等で回復ペースは緩やかになると想定しています。2025年に向けては、個人消費が力強さを欠くもとで、成長率は鈍化する見通しです。
これらの社会背景、経済環境を踏まえ2025年3月期の連結業績予想を以下のとおりとし、2024年5月15日付の「2024年3月期決算短信」にて開示いたしました。
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(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率) |
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売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
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百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
円 銭 |
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第2四半期(累計) |
18,500 |
4.7 |
1,600 |
15.6 |
1,700 |
8.7 |
1,200 |
2.3 |
50.75 |
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通期 |
38,000 |
3.9 |
3,800 |
13.4 |
4,000 |
11.1 |
2,800 |
7.7 |
118.42 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在においてカーリットグループが判断したものであり、事業のリスクはこれらに限られるものではありません。
1.技術革新のリスク
カーリットグループの一部事業分野においては、技術革新のスピードと市場のニーズの変化が非常に速いことから、新しい技術やイノベーションの発生によって、既存の製品やサービスが陳腐化、競争力を失い、カーリットグループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対応するべく、市場調査や競合分析、技術トレンドなどの情報収集を継続的に実施することに加え、製造・営業・開発が定期的に情報共有する体制を構築し、リスクを適切に管理しています。
2.市場動向変動のリスク
カーリットグループでは製品の需要や供給の変動、競合他社や取引先の戦略変更などにより、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。外部環境を常にモニタリングし、いち早く需要や競合状況を把握、市場動向の変化を
捉え、適切な対策を講じることに加えて、カーリットは4つの事業セグメントを有することで事業領域を多角化し、リスクを分散することで管理しています。
3.原材料調達・価格変動のリスク
原材料の調達中断、価格の上昇、品質の低下などにより、カーリットグループの製品の供給安定性や品質が低下し、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。近年では運送業の労務環境改善に伴う物流キャパシティ減少、
世界情勢の悪化に伴うエネルギー供給の不確実性など大きなリスクが生じており、重大なリスク要因として認識しています。原材料調達については、複数社購買を基本戦略とし、購入ルートを適切に確保、安定調達を図ることで
リスクを分散し管理しています。
4.為替相場の変動リスク
カーリットグループは国内販売を中心に営業活動を展開しておりますが、製品の価格競争力を強めるため、原価低減の
一環として原材料の一部を輸入品により調達していることから、為替相場の変動による原価高騰によって影響を受ける可能性があります。また、海外での事業や輸出に関連した取引においての為替レートの急激な変動により影響を受ける可能性があります。これらに対し、複数購買による調達リスクの分散、為替予約により仕入れ価格をあらかじめ確定させるなど、変動の影響を極力軽減する方策を採っておりますが、近年は急激な円安局面にあることから、重要モニタリング項目として留意してまいります。
5.事故・災害のリスク
カーリットグループでは、化学品事業において、火薬類、塩素酸塩類などの危険物を数多く扱っており、重大事故等の
発生可能性は極めて低いものの、万が一火災、爆発、化学的な漏洩などの重大な事故が発生した場合は、人命の危険や物的損害、環境破壊、それに伴い事業活動が中断する可能性があります。生産拠点ごとに妥当な安全基準を定め、適切な設備や保護装置の設置、工場の定期巡視実施による未然防止、消火訓練等の適切な教育の規程化などに取り組むことで、リスクを最小限に抑えています。
6.品質に関するリスク
カーリットグループの事業は多岐にわたっており、各社の事業に合致した品質管理体制が要求されます。グループ各社において、原材料調達から製造・出荷まで、一貫した品質管理体制の構築・運用を行っていますが、予期せぬ事態により製品の品質問題が発生した場合には、該社のみならずカーリットグループの信用や顧客満足度が低下し市場シェアに影響を及ぼすこと、また製品の回収、手直し、代替製品の納入および製造に関わる費用の発生などにより、カーリットグループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。カーリットグループにおいては、大きな品質問題として顕在化する前の兆候の段階から品質担当者間で情報を共有する会議体を設置し、異なる業種からの視点も参考にしつつ対応を検討して実施するとともに、グループ各社への水平展開により品質管理体制の向上を図っています。
7.法的規制のリスク
カーリットグループの製品等に関する法的な制約や規制の変更、コンプライアンスの不備により、製造・販売や信頼・
評判に影響が生じた場合には、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。外部専門家などの助言を受けつつ、環境問題、化学物質、輸出等の業務に係る法規制改正動向を常に注視することに加え、コンプライアンスを
徹底し、適正な業務運営を行っています。
8.訴訟のリスク
カーリットグループが関わる契約違反、知的財産権侵害、労働問題、製品の欠陥などについて、訴訟、係争、その他法律的手続きの対象となる可能性があり、訴訟が提訴されることなどにより、カーリットグループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。各所管部門が規程にもとづき、契約書の適正な作成と管理、知的財産権の保護、労働法の遵守、製品の品質管理などを実施することでリスクの低減を図っています。
9.資産評価の変動リスク
カーリットグループは、時価のある株式や不動産、債権などを保有しているため、株式相場が大幅に下落した場合、また、固定資産について回収可能額を測定した結果が帳簿価額を下回る場合、これらの資産評価により、カーリットグループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。保有資産の必要性を定期的に確認するなど、資産の評価と維持を適切に行うとともに、中長期的な計画の中で資本戦略を検討することで、リスクを適切に管理しています。
10.自然災害等によるリスク
カーリットグループの事業拠点は国内を中心に分布しています。大地震や津波・台風・大雨等の自然災害の際には、カーリットグループの生産設備や人的資源への影響・損害や、顧客の需要動向に大きな変化が起こる可能性があります。気象
情報などの兆候に注視するとともに、BCPの策定や従業員安否確認システムの導入、生産設備の災害保険加入など、災害に対するレジリエンス向上に取り組むことで、リスクを適切に管理しています。
11.情報セキュリティに関するリスク
カーリットグループは、顧客および取引先の機密情報、開発・生産・販売などの情報ならびに会計、企業戦略等様々な
情報を有しており、これらの情報は外部流出や破壊、改ざん等が無いようにグループ全体で管理体制の構築ならびに従業員教育、ITセキュリティ等の強化策を継続的に実施しています。しかしながら、不正アクセスやサイバー攻撃、内部の不正行為等により、情報資産の漏洩や破壊、改ざん、情報システムの停止が発生し、信頼や評判の損失に加え、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。組織的対策としてはサイバーセキュリティ管理体制の構築、技術的対策としてはセキュリティポリシーに則った技術導入の推進をそれぞれ取り組むことで、リスクを適切に管理しています。
12.金利変動のリスク
カーリットグループは、事業運営に必要な資金調達を行っておりますが、金利の上昇もしくは下降による資本調達コストの変更によりカーリットグループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。適切な資金調達戦略や借入条件の見直しに加え、金利スワップなどを実施し、リスクを分散することで管理しています。
13.海外拠点のガバナンス不全のリスク
カーリットグループは、上海に販売拠点を保有しています。その際、現地の法律や規制、社会文化の違い等に対応するためのガバナンスが行き届かなかった場合、法令違反や腐敗・不正、誤った経営判断等が発生し、信頼や評判の損失に加え、カーリットグループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。適正な組織構造の確立と明確化、コンプライアンスプログラムの実施に加え、文化や法律の違いに対応するために外部専門家などの助言を受けることで、地域に適応した透明性の高い経営を行い、リスクを管理しています。
14.人員不足
カーリットグループでは、生産や営業などの事業活動を少人数で行うことによる事業キャパシティの低下や、後継者不在による重要な技術およびノウハウの継承が断絶することで、製品の供給安定性、競争力および業績に影響を及ぼす
可能性があります。従業員エンゲージメント向上や採用活動の強化などの人事活動を適切に行うとともに、中長期的な経営戦略の中で人的資本投資を検討することで、リスクを適切に管理しています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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