テクセンドフォトマスク(429a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】テクセンドフォトマスクは、半導体用フォトマスクの製造・販売会社として、TOPPANグループから吸収分割により事業を継承する会社として設立され、2022年4月より営業を開始しました。テクセンドフォトマスクグループはテクセンドフォトマスク、連結子会社13社及び持分法適用会社2社の計16社で構成されており、世界各地に広がるサービスネットワークと主要な半導体需要地域に所在する8つの製造拠点を活用し、EUVマスク生産などを手掛ける等、業界最先端の技術開発力で、外販フォトマスク市場のリーディングカンパニーとして事業活動を行っております。また、微細加工技術を応用し、ナノインプリントモールド等の新事業領域の開拓を進めております。テクセンドフォトマスクグループの事業は、前身であるTOPPANグループにおいて印刷テクノロジーの一つである微細加工技術を応用し、1968年にトランジスタ用のマスクの量産を開始したことに端を発しております。以来、半世紀以上に及ぶ歴史の中で、台湾に中華凸版電子股份有限公司(現 中華科盛德光罩股份有限公司)を設立し、また、DuPont Photomasks, Inc.を買収することで、今日では世界各国に製造拠点を有する外販フォトマスクメーカーとして、2024年において半導体向け外販フォトマスク市場におけるシェア37.8%というトップの位置におります。(出典 SEMI「2024 PHOTOMASK CHARACTERIZATION STUDY」)テクセンドフォトマスクグループの報告セグメントはフォトマスク事業の単一セグメントでありますが、事業の内容の記載にあたりましては、以下「フォトマスク事業領域」と「新事業領域」に区分して記載いたします。 (フォトマスク事業領域)フォトマスクとは、フォトリソグラフィ技術※において、対象物に任意の図形(パターン)を転写するための原版となるガラス基板であり、一般に写真のネガに例えられます。今日では半導体製造工程の一つである露光(リソグラフィ)プロセスにおいて広く使用されており、フォトマスク上の半導体回路パターンをシリコンウェハ上に縮小露光することにより微細な回路パターンを形成することが可能となります。テクセンドフォトマスクグループでは半導体メーカーや研究機関等の顧客から量産及び試作・研究開発用途で、様々な高精細フォトマスクの製造を受託しております。半導体用フォトマスクは、半導体製造プロセスにおける「金型」として極めて重要な役割を果たすものであり、微細かつ高精度な製品を短納期で納入することが求められます。フォトマスクは、顧客より支給された半導体回路のパターンデータをもとに、電子ビーム等でマスクブランクス(ガラス基板上に遮光膜を成膜し、その上に感光材であるフォトレジストをコーティングしたもの)上に回路パターンを描画し、現像・エッチングを経て製造されます。顧客に納入するに際しては、この後、各種寸法の測定や外観形状の検査を経て、顧客が要求する精度・仕様に合致していることの品質保証が必要となります。 半導体用フォトマスクの使用イメージ (光マスク)半導体用フォトマスクの製造工程 (1) 半導体用フォトマスクについて① 業界構造及びテクセンドフォトマスクグループの事業領域について半導体市場におけるビジネスモデルは、時代とともに大きく変化しており、かつては設計から製造まで一貫して行う垂直統合型が主流でしたが、1980年代後半以降、微細化競争の激化に伴い、水平分業型が台頭しました。今日の市場は、半導体の設計から製造、販売までを一貫して行う垂直統合型デバイスメーカー「IDM(Integrated Device Manufacturer)」が存続している一方、水平分業型モデルにおける自社で製造工程を持たない「ファブレス」と呼ばれるモデルとして、半導体設計のみを手掛ける「デザインハウス」と、実際にその半導体製造を請け負う「ファウンドリ」と呼ばれるプレイヤーによって構成されております。IDMがフォトマスクを自社で内製する方針を継続してきた一方、水平分業化の潮流の中で、ファウンドリにおいてはフォトマスクの生産を100%外部委託するモデルも確立されました。これにより、半導体用フォトマスクは内製と外販という2つの大きな市場を形成しております。テクセンドフォトマスクグループは外販フォトマスクメーカーとして、内製機能を持たないファウンドリからの需要に加え、内製において生産キャパシティを超過した際のフォトマスク需要についても製造を委託されております。半導体デバイス製造工程におけるフォトマスクの位置づけを図に示すと以下のとおりとなります。 ② 需要構造について半導体デバイスは、主にロジック半導体とメモリ半導体に大別されます。ロジック半導体は、電子機器の頭脳とも呼べるもので、情報を処理し、論理演算や制御を行うものであり、CPU(中央処理装置)やGPU(画像処理装置)等がこれに該当します。汎用的なものから特定のアプリケーションに特化したものまで幅広い製品が存在しますが、基本的にはアプリケーションごとに開発設計がなされます。近年は微細化技術の進展に伴う設備投資負担の高まりから、フォトマスクの外販化が進んできております。メモリ半導体は、データを記憶するための半導体であり、短期記憶向けのDRAMや長期記憶向けのNAND型フラッシュメモリ等が該当します。メモリ半導体は主に同一製品を大ロットで量産・在庫販売するものであるため、メモリ半導体メーカーは規模の経済を追求する必要があります。そのため、ロジック半導体と比較して、メモリ半導体用フォトマスクはIDMによる内製の割合が高い市場となります。テクセンドフォトマスクグループにおいては、ロジック半導体用フォトマスクが主軸製品となりますが、HBM(High Bandwidth Memory:高帯域幅メモリ)など開発競争の高まりに加え、メモリ需要の拡大・供給能力の逼迫などの影響を受け、メモリ半導体用フォトマスクの外販化需要も増加しております。 テクセンドフォトマスクグループにおける半導体用フォトマスクの生産量は、フォトマスクが回路原版として使われるため、単に半導体市場全体の製造ボリュームに比例するものではなく、回路パターンの複雑さや半導体デバイスの設計件数に影響を受けます。そのため、同一製品を大量生産するメモリ半導体市場よりもロジック半導体市場の動向に左右されやすい傾向にあるといえます。また、半導体市場においては微細化の度合いを、回路線幅等に基づくプロセスノード※によって分類し、「〇〇ナノメートル」と表現しております。基準値はその時代々々によって流動的であるものの、プレイヤーの限られる先端技術を用いて作られるものを「先端ノード」、技術的に普及が進んだものを「レガシーノード」と大別されております。かつては微細化が進むことで既存のレガシーノード需要が先端ノードに置き換えられてしまうという、プロセスマイグレーションの考え方が一般的でしたが、現代ではIoT※や車載向けなど、必ずしも最先端の技術を必要としない半導体デバイスの量的需要が増加したことで、先端ノードはもちろんのこと、レガシーノードにおいても市場規模の拡大が続いております。 半導体用フォトマスクの需要は、半導体デバイスメーカーにおける新たな技術ノードへの対応や、新たな生産プロセス構築のための「研究開発・試作生産フェーズ」と既に確立した生産プロセスを用いる「量産フェーズ」のそれぞれにおいて発生します。そのため、半導体デバイスそのものの量的需要とは別に、半導体デバイスメーカーの技術開発・製品開発が続く限り、一定の需要が継続安定的に発生いたします。また、研究開発段階において半導体用フォトマスクを提供するパートナーに選ばれることにより、テクセンドフォトマスクグループのフォトマスクが顧客の生産プロセスにおける基準として採用されるため、以後の量産段階における半導体用フォトマスク需要において、テクセンドフォトマスクに最適化された製造仕様が適用されることで、セカンドベンダーとして他社が参入を図る際の技術的な参入障壁となります。そのため、テクセンドフォトマスクグループでは自社における研究開発や顧客等との共同開発等に対して積極的な人的投資・設備投資を実行し、顧客の上流段階からの技術要求に精確かつ柔軟に対応できる技術・開発体制、並びに生産体制を構築しております。 半導体用フォトマスクの構造半導体デバイスは、同一のシリコンウェハ上にフォトリソグラフィ工程を複数回繰り返し、回路パターンを多層(レイヤー)構造で成形することで生産されます。したがって、一つの半導体デバイスに対しフォトリソグラフィの回数分だけ複数枚のフォトマスクが必要となり、これらは一つのセットとして使用されます。フォトマスクに要求される微細化の精度は各レイヤーにおいて異なり、一般に、微細化が進むと高精度なレイヤー(クリティカルレイヤー)において要求される加工精度がより微細なものとなるとともに、回路パターンの積層にあたっては低精度(ラフレイヤー)~中精度のレイヤー(ミドルレイヤー)も必要となるため、セットあたりのフォトマスク枚数も増加し、マスクセット単価が上昇する構造となっております。また、ウェハ工程の歩留まり向上など、デバイスメーカーにおいてフォトマスクをセットで効率的に運用するには、フォトマスクの仕上がりの傾向やレイヤー間の重ね合わせ精度が重要となります。このことから、通常フォトマスクを外注する場合は同一のフォトマスクベンダーにセット単位で発注されます。 (2) テクセンドフォトマスクグループ製品テクセンドフォトマスクグループは顧客より支給される仕様に基づく完全受注生産のため、テクセンドフォトマスクグループの独自の製品ラインナップと呼べるものは存在しません。他方、フォトマスクはその構造に基づき、以下のように大別することができ、テクセンドフォトマスクグループでは顧客の要求仕様に合わせて各種フォトマスクの生産を受託しております。 ① バイナリマスクバイナリマスクとは単純な遮光膜のパターンのみで形成されるマスクであります。単純に光を透過する/遮断するという機能のみのマスクで、主として露光波長以上の太さのパターン形成に用いられます。 テクセンドフォトマスクグループではブランクスベンダーとの共同開発により、加工性の高い新型バイナリマスク(OMOG※材)を開発、寸法精度及び解像度の高いバイナリマスクの製造を可能にしました。② 位相シフトマスク 位相シフトマスク(Phase-Shifting Mask:PSM)とは、光の位相や透過率を制御する事で、ウェハへの露光時の解像度や焦点深度(DOF:Depth of Focus)を改善し、転写特性を向上させたフォトマスクであります。露光波長以下のリソグラフィでは標準的に使用されている技術であり、代表的なものに「ハーフトーン型(Attenuated PSM)」※や「レベンソン型(Alternative PSM)」※等があります。 テクセンドフォトマスクグループではブランクスベンダーとの共同開発により、高い転写特性と長寿命を両立させた新型位相シフトブランクスを実現しました。 ③ EUVマスクEUVマスクは既存のDUV光※(ArF※:193nm)よりもさらに短い波長のEUV光(13.56nm)を用いるので、より微細なパターンの露光が可能となります。従来のDUV光を用いた技術とは異なり、EUVはガラスに吸収されてしまい透過することができず、ガラスレンズによる光の屈折現象で集光が出来ないため、半導体製造プロセスにおけるウェハ露光機及びフォトマスクはいずれも透過型ではなく反射型の光学系となります。テクセンドフォトマスクグループでは2000年初頭から業界に先駆けてEUVマスクの研究・開発に取り組んできました。現在は製造技術の構築と先端設備の導入を推進し、量産体制を確立しております。 (3) テクセンドフォトマスクグループの生産体制についてテクセンドフォトマスクグループではアジア5工場、米国1工場、欧州2工場の計8工場でフォトマスクの製造を行っております(現在、シンガポールのみフォトマスク製造工程において前工程にあたるデータ処理工程のみを行っているが、2026年度中に新工場が稼働予定)。外販フォトマスクの生産においては納期が非常に重要であり、顧客デバイスメーカーより回路パターンのデータを受領後、通常、最先端品でも2週間程度、レガシー品では2~3日程度と、極めて短い納期で納入することが要求されます。そのため、基本的に地産地消によって顧客の近くに工場を構え生産することが最良とされております。他方で、半導体需要はその時々、地域や顧客の事情により変動が大きいため、ある工場において単一の顧客又は工場が立地する地域顧客のみをもって工場の稼働率を常に高く維持することは困難であり、現地の最大需要に合わせて設備投資をすることは事業上のリスクを高めると考えられます。同様に、安易に設備投資、キャパシティ拡張を行うことが難しいため、繁忙期には需要が現地の生産キャパシティを超過する事態も発生し得ます。テクセンドフォトマスクグループではアジア・北米・欧州すべての地域で現地供給できる体制を整えており、現地顧客に対し短納期で製品を提供することはもちろん、繁忙期において現地工場のみでは対応しきれない顧客需要について、グループ内部の生産委託によって他地域の工場から供給する柔軟な製造体制を構築しております。これにより複数工場間で生産需要・キャパシティを平準化し、グローバル全体での工場稼働率を高く維持することを可能としております。 テクセンドフォトマスクグループの生産体制 (4) テクセンドフォトマスクグループの優位性① 技術開発の優位性についてテクセンドフォトマスクグループでは材料ベンダーと共同で先端マスクブランクスの開発を行っております。これにより材料の組成に関与し深い知見を得ることで、先端マスクの生産において、自社の加工プロセスを最適化することが可能となっております。フォトマスクブランクスの特性はウェハの生産プロセスにも影響を与えるため、顧客プロセスへの最適化も企図したブランクスを開発し、同材料の採用を顧客に提案することで、先端マスク需要をいち早く取り込むことにも寄与しております。過去の開発成果の一つとして、バイナリマスクでありながら高い精度を実現するOMOG材は、テクセンドフォトマスクでの採用にとどまらず、共同開発者であるブランクスベンダーを通して販売され、広く業界内に普及しております。現在は次世代EUV技術であるHigh-NA※向けEUVマスクブランクスの開発にも取り組んでおり、EUV領域においてもテクセンドフォトマスクの開発した技術が業界標準となることを目指しております。 材料開発は、同時に知的財産権によるテクセンドフォトマスクグループの優位性構築にも寄与しており、導入初期において販売制限によって他社の参入を排除することはもちろんのこと、普及期においてはロイヤリティ収入を得る形でテクセンドフォトマスクの業績に寄与することになります。生産技術においても、過去の技術開発ノウハウとそのデータ蓄積に加え、AIの活用により、精度・効率の高いプロセス条件を早期に確立し生産性や良品率の向上を図っております。テクセンドフォトマスクグループのノウハウはテクセンドフォトマスクグループの生産プロセス改善のみならず、顧客プロセスの生産性向上のため、特に、HAZE※と呼ばれる顧客の生産プロセスにおいて同じフォトマスクを繰り返し使用することで発生するフォトマスクの品質低下に対し、それを抑制する取り組みを強化しております。HAZEが発生した際は当該フォトマスクのHAZEを除去するメンテナンス作業が必要となるところ、HAZEの抑制は顧客生産ラインの稼働率の維持・向上に直結するため、そのような課題を抱える顧客からは高い評価を得ているものと認識しております。 ② 高度な生産キャパシティ管理についてテクセンドフォトマスクグループではクリティカルレイヤーで必要となる先端生産設備のみならず、成熟レイヤー・ミドルレイヤーで必要となるレガシー生産設備も多数保有しております。これにより先端半導体デバイスにおけるフォトマスクの需要に対し、クリティカル~ラフレイヤーまで、セット単位で対応することができることに加え、量的需要が旺盛なレガシー半導体向けにも対応することが可能であり、広範囲なテクノロジーノードの需要に対応することが可能となっております。過去に普及したレガシーノード向け生産設備は、既に市場から同じ機種を調達することが困難となっており、新たに調達する場合はオーバースペックとなる先端ノード向けの生産設備を購入せざるを得ません。テクセンドフォトマスクグループではレガシーノード向けフォトマスク生産設備の延命・維持管理にも力を入れており、セルフメンテナンスのノウハウ構築や、EOL※を迎えたパーツの代替品開発まで幅広く取り組んでおります。これによってレガシー設備の更新投資を最小化し、競合他社、とりわけ参入障壁の低いレガシーノード領域において新興フォトマスクメーカーに対し大きなコストアドバンテージを得ることにつなげております。 ③ グローバル生産体制によるタイムリーかつ柔軟な製品供給についてテクセンドフォトマスクグループでは複数の製造拠点が連携して生産を行っており、製造拠点間のバックアップによって短納期での製品供給とBCP(事業継続計画)を実現しております。通常、フォトマスクの生産に用いる描画機や検査機といった主要設備は、フォトマスク生産の受注前に顧客の使用許諾(認定)が必要であり、仮に同型機種であっても、その性能において個々に異なる傾向を示すことがあるため、工場が異なれば別個に認定を要求されることも少なくありません。テクセンドフォトマスクグループでは各生産設備のパラメータに補正をかけプロセス条件を最適化することで、異なる工場の生産設備を使用しても同じ特性の仕上がりとなるよう、サイト間・設備間のデータマッチング技術の高度化に注力しており、その成果として、短期間で複数の生産工場について認定を取得することを可能としております。 複数拠点での生産認定に加え、AIを用いた生産管理システムを構築することで、過去の生産データから各設備の工程能力や出荷までの工数を試算し、納期及び設備稼働の最適化を実現すべく、同生産管理システムの開発と改善に取り組んでおります。フォトマスクは顧客の半導体デバイスの設計に合わせた一点一様の製品であり、製品の仕様とその時々の各生産設備の稼働状況に合わせて、多岐に渡る使用すべき装置の組み合わせから、最適な工程順を検討する必要があります。特に、検査工程で欠陥が見つかった場合は修正工程と検査工程を複数回繰り返す可能性があるため、出荷納期のコントロールは容易ではありません。本生産管理システムを用いることで、納期予測の精度向上と、迅速かつ正確な顧客への納期回答を可能とし、得意先からの信頼向上や出荷枚数の増加を目指しております。 ④ 最先端領域での取り組みについてテクセンドフォトマスクグループでは最先端領域において様々なパートナーとの共同開発プロジェクトに取り組んでおります。フォトマスクの材料ベンダー、生産設備ベンダーのみならず、Interuniversity Microelectronics Centre(imec)などの研究開発機関を介してウェハ工程も含めた様々な先端技術開発プレイヤーとの協働を展開しており、特に直近ではInternational Business Machines Corporation(IBM)社と2nm半導体向けEUVマスクのプロセス共同開発契約を締結しております。 また、テクセンドフォトマスク内部の取り組みとしてもマルチビーム描画装置※を用いたEUVマスク生産の技術深耕に加え、半導体製造工程のウェハプロセスにおける光の性質を考慮して、フォトマスク上の回路パターンの最適化を図るCurvilinear※技術の開発にも注力しており、EUVのみならず従来型の光リソグラフィにおけるさらなる技術進展にも対応すべく、技術開発・研究開発の取り組みを進めております。 (新事業領域)テクセンドフォトマスクグループは半導体用フォトマスク事業を通じて培ったリソグラフィ技術を応用し、高精度なナノインプリント用モールド及びシリコンステンシルマスクを開発、製造しております。 (1) ナノインプリント用モールドナノインプリントとは、樹脂をモールドと呼ばれる型と基板で挟み込み硬化させることで、数十ナノメートル単位のパターンを転写する微細加工技術であります。工程がシンプルなため、微細構造体を安価に再現性良く大量に製造する技術として期待されております。テクセンドフォトマスクグループは半導体用フォトマスク事業を通じて培ったリソグラフィ技術を応用し、高精度なナノインプリント用モールドを開発、製造しております。 (2) シリコンステンシルマスクシリコンステンシルマスクは、パターンを形成するためにナノスケールの貫通開口を加工した電子ビームリソグラフィ(EBリソグラフィ:Electron Beam Lithography)用のマスクであります。EBリソグラフィは、先端マスクを作製するための技術として、半導体業界で研究が進められております。テクセンドフォトマスクグループは微細加工技術をコア技術としてステンシルマスクの開発を進め、供給体制を構築しております。 (※用語)フォトリソグラフィ紫外線(UV)、深紫外線(DUV)、極端紫外線(EUV)などの光源を用いて回路パターンを転写する工程。プロセスノードプロセスノードとは、半導体製造における微細加工技術の世代や規模を示す指標であり、一般的には、トランジスタのサイズ(ゲート長)や回路の線幅などの最小寸法をナノメートル(nm)単位で表す。「プロセス」を略して単に「ノード」と呼ぶこともある。IoT"Internet of Things(モノのインターネット)"の略で、さまざまな「モノ」がインターネットに接続され、情報をやり取りする仕組みのこと。従来は人がパソコンやスマートフォンを使ってインターネットにアクセスしていましたが、IoTでは身の回りの「モノ」自体がネットに接続される。新型バイナリブランクス(OMOG:Opaque MoSi on Glass)遮光膜にCr(クロム)に従来型のバイナリブランクスに代わり、テクセンドフォトマスクが材料メーカーと共同開発した、MoSi(モリブデン・シリサイド)を使用したバイナリブランクスのこと。ハーフトーン型(Attenuated PSM)180度の位相差を付けた半透明遮光膜を用いたフォトマスクのこと。光は物質を透過する時に伝播速度が遅れ、その分だけ位相が変わることから、その性質を利用して、半透明な遮光膜をフォトマスク上に付けるとパターンの部分で局所的に位相を変えることが可能となる。レベンソン型(Alternative PSM)フォトマスクに光の位相差を発生させる透明膜を付けたり、フォトマスクのガラスをエッチングして位相差を発生させるタイプの位相シフトマスクのこと。DUV光Deep Ultravioletの略で、フォトリソグラフィにおいて使用される深紫外線。ArFArgon Fluoride(フッ化アルゴン)エキシマレーザーのこと。半導体製造で用いられる特殊な光源。波長が193nmと非常に短いため、微細なパターンを形成するのに適している。High-NAEUVプロセスにおけるレンズ開口数NAを従来の0.33から0.55に高める技術。HAZE露光を繰り返すことで、露光エネルギーがフォトマスク表面のガス状異物に作用し、フォトマスク表面に曇りや成長性の異物を発生させる現象。EOL「End Of Life」の略称であり、ここではフォトマスク製造装置メーカーが旧世代機種に対する保守サービスや保守パーツの提供を終了すること。マルチビーム描画装置複数の電子ビームを同時に使用して回路パターンを描画する描画装置のこと。Curvilinearより複雑な設計のウェハを製造するために、フォトマスク上のパターンに曲線形状を利用する技術。 (事業系統図)
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】テクセンドフォトマスクグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてテクセンドフォトマスクグループが判断したものであります。 (1) 経営方針テクセンドフォトマスクグループは、2025年4月1日、グループ全体が目指す方向性と価値創造の基本的な考え方を明確化した「Mission・Vision・Values(MVV)」を制定し、この「MVV」のもと、事業環境の変化に的確に対応しながら、中長期的な企業価値の向上を図ることを経営方針として掲げております。制定した「MVV」では、Mission(使命)として、「先端微細加工技術で革新的な未来を描く」を掲げ、半導体産業の発展を支えるフォトマスク分野において、最先端技術と高品質な製品・サービスを提供することにより、社会及び産業の持続的な成長に貢献してまいります。Vision(ありたい姿)としましては、「常に選ばれる存在へ」を掲げ、世界を変える「テクノロジー」、ステークホルダーと築く「共通価値」、多様な人財が活躍する「人と組織」という視点を基盤に据え、様々な期待を超え続け、常に選ばれる企業の実現を目指し、EUVマスクをはじめとする先端領域を中心とした継続的な研究開発並びに設備投資を行い、技術力と供給力のさらなる高度化を図ってまいります。また、Values(価値観)として、「誠実さ」「顧客志向」「多様性が生む革新」「世界を見据え、地域とともに」「不断の改善」という思いを共有し、誠実さを貫き社会的責任を果たすとともに、お客さまの成功の先にテクセンドフォトマスクの成長があるとの考えのもと、文化や価値観の交わりから新たなソリューションを創出し、グローバルな視点を持ちながら地域とともに持続的な成長を実現してまいります。これらのMVVに基づき、テクセンドフォトマスクグループは、世界各地に展開する生産・サービス拠点を活用した安定供給体制の強化、品質・安全・環境に配慮した事業運営の徹底、人財育成及びガバナンス体制の高度化に取り組んでまいります。加えて、積極果敢な挑戦と不断の改善を通じて、既存事業の競争力向上にとどまらず、微細加工技術を応用した新たな事業領域の創出にも取り組むことで、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境 フォトマスク市場に大きな影響を与える半導体市場は、最終製品分野別の需要動向には引き続き濃淡が見られるものの、生成AIの普及拡大やクラウドサービス需要の増加を背景としたデータセンター向け投資が引き続き高水準で推移しました。高性能演算を担うロジック製品や、データ処理量の増加に対応するメモリ製品を中心に需要の回復及び成長が進み市場を大きくけん引するなど、半導体市場全体としては回復・拡大基調が継続する事業環境となりました。 このような半導体市場の拡大を背景に、フォトマスク市場においては、先端ノードから成熟ノードまで、すべてのプロセスにおいて需要が堅調に推移しました。先端領域では、半導体の微細化及び高集積化の進展に伴い、高精度かつ高付加価値なフォトマスクに対する需要が引き続き堅調であり、安定した受注環境が継続しました。また、成熟プロセス向けにおいても、幅広い用途での需要が維持され、底堅く推移しました。 外販フォトマスク市場においては、フォトマスクを内製しないファウンドリからの外注需要の拡大に加え、フォトマスクを内製する半導体メーカーにおいても、内部リソース不足を背景として外注需要が高まりました。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① フォトマスク事業の拡大(ⅰ)フォトマスク事業成長領域の戦略的連携強化と成長テクセンドフォトマスクグループが持続的な成長を実現していくためには、市場成長が予想される地域に対し適切に設備投資を行い、生産能力を拡大するとともに、新たな技術領域に対して技術力・研究開発力を強化し差別化していくことが不可欠であります。地域戦略では、各国・地域における業界動向や産業政策、輸出規制等を注視しながら投資機会を見極めてまいります。特に、量的需要の拡大が見込まれる米国及び中国を除くアジア各国の需要を重視し、生産能力拡大に向けた設備投資を進めてまいります。一方、これまで市場成長をけん引してきた中国市場については、米中間のデカップリングの進展及び同国政府による国産化政策を背景として現地競合企業との競争が激化していることから、収益性を重視した選択的な事業展開と設備投資を行ってまいります。また、いずれの地域においても、現地当局との関係構築や有力顧客との長期供給契約の締結を通じて、安定的な取引関係を構築し、強固な事業基盤を確立することにより、テクセンドフォトマスクグループの市場におけるポジションをより盤石なものとしていくことが重要であると考えております。先端技術領域においては、テクセンドフォトマスクグループは既に、フォトマスクの技術開発及び生産に不可欠なマルチビーム描画装置を朝霞工場及びドレスデン工場に導入しEUVマスクの開発・生産を開始するとともに、Curvilinear等の最新技術を用いた光マスクの生産への適用を進めております。特に、EUVマスクについては、ブランクスメーカーとの協業によるHigh-NAリソグラフィ向け新規ブランクス開発や、IBM社とのプロセス共同開発等を推進し、次世代EUVマスク分野において競合他社に先行することを目指しております。 (ⅱ)レガシー領域の戦略的強化半導体市場では、28nm以細の先端ノードのみならず、いわゆるレガシー領域においても今後の成長が見込まれております。これは、AIやデータセンター向けに比較的高性能な半導体需要が増加していることに加え、レガシー領域においてはIoTや自動運転等多様なアプリケーションの開発と普及により、必ずしも高度な性能を必要としない半導体の量的需要が増加していることに起因しております。テクセンドフォトマスクグループでは、こうした需要に対してタイムリーにフォトマスクを供給する体制を維持するため、各工場におけるレガシー装置について、グループ全体最適の目線で更新投資計画を策定し、効率的かつ計画的な更新を進めております。加えて、装置延命や自社内保守技術の高度化により、稼働率の維持・向上及び原価低減を図るとともに、装置ベンダーとは異なる後発ベンダーとの連携による代替パーツの共同開発等も進めることで、競争力のある生産設備ラインナップの確保に努めてまいります。 (ⅲ)グローバル製造拠点のバーチャル「1」工場化テクセンドフォトマスクグループは、得意先と同一国内に所在する製造拠点での生産を原則としつつ、顧客要求仕様や各製造拠点における設備の稼働状況及び生産能力等を勘案し、拠点間で互いに生産委託を行うことにより、グループ全体で需給最適化及び生産量の最大化に取り組んでおります。本施策をさらに高度化するため、8つの製造拠点が連携し、あたかも1つの工場として機能する「バーチャル『1』工場」化を推進しております。具体的には、拠点間の生産委託プロセスの自動化や、生産日程計画におけるAIエンジンの開発・適用を進めることで、ワークフロー改革を通じた生産効率の向上及び供給力の強化に取り組んでまいります。 ② 新事業開拓テクセンドフォトマスクグループでは、フォトマスク事業で培った微細加工技術を応用し、ナノインプリント技術において金型として用いられるモールドを製品化しております。ナノインプリント技術は多様な用途で応用が期待されておりますが、テクセンドフォトマスクでは特に今後大きな市場形成が期待されるARグラスに用いられるWaveguide※用モールドを事業化すべく、現在普及しているバイナリー構造に加え、各種3D構造マスターモールド※による競争力のある製品の開発と顧客開拓を進めております。現在、日本及び欧州において3D構造マスターモールドの生産体制を構築しており、3Dモールド市場におけるテクセンドフォトマスクグループのプレゼンスを強化し、顧客ニーズに迅速に応えられる体制の確立を推進しております。さらに、中期的な戦略として、ナノインプリント技術を活用した受託加工サービスを日本で展開すべく、その中核となる試作ラインを朝霞工場に構築しました。ARグラスやメタレンズなどのフォトニクス市場が求める高品質な光学部品の開発能力を強化し、量産に向けた体制の構築を進めております。 ③ サステナビリティに関する取り組みテクセンドフォトマスクグループは、持続的な成長と環境・社会への貢献を実現するために重点的に取り組む課題として、環境・社会・ガバナンスそれぞれの領域におけるマテリアリティを特定し、課題解決に向けた取り組みを進めております。特定したマテリアリティについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般への対応 ④ 戦略」に記載しております。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等テクセンドフォトマスクグループは、持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、「売上収益成長率」「営業利益率」を経営上の重要な経営指標として位置付けております。なお、各指標の算定方法は以下の通りであります。 売上収益成長率=(当連結会計年度の売上収益-前連結会計年度の売上収益)÷前連結会計年度の売上収益 営業利益率=営業利益÷売上収益 (※用語)Waveguide光を特定の方向に導くための光学デバイスのことで、AR/VRヘッドセットなどのデバイスで使用される。マスターモールドナノインプリント技術において使用される金型のこと。テクセンドフォトマスクでは3D構造のマスターモールドをフォトマスク事業で培ったリソグラフィ技術により作成している。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がテクセンドフォトマスクグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスク、リスクの顕在化の可能性、顕在化の時期、連結業績等への影響度及びリスクへの対応は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてテクセンドフォトマスクグループが判断したものであります。 (1) 経営に関するリスク① 半導体業界の需要変動に関わるリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)テクセンドフォトマスクグループの主力事業を取り巻く半導体業界は、需要変動が大きく、経済環境や地政学リスク等の影響を受けやすい事業環境にあります。世界経済の動向次第では、景気後退等を背景として半導体を使用する電子機器の需要が減少し、半導体市場全体の需要が縮小する可能性があります。また、IDMやファウンドリの事業戦略の変化により外販フォトマスクの需要が変動する可能性があるほか、特定地域における政治・経済的な不安定化や貿易摩擦等が半導体サプライチェーンに影響を及ぼした場合、フォトマスク需要に変動が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループはEUVマスクやCurvilinear技術等の次世代技術の開発及び設備投資を継続的に実施し、半導体市場の技術革新に対応しております。フォトマスク需要のうち、研究開発フェーズにおける需要は量産フェーズに比べて経済動向の影響を受けにくい特性があることから、顧客や装置ベンダー等との共同開発を通じて、研究開発段階から技術パートナーとして参画できる体制を構築することにより、量産前の段階から一定の需要を確保し、半導体市場の需要変動が業績に与える影響の低減に努めております。 ② 競合に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)フォトマスク市場は、半導体メーカーが自社で製造する「内製」と、外部ベンダーが供給する「外販」に大別され、外販市場はテクセンドフォトマスクグループを含む比較的少数のフォトマスクベンダーにより構成されております。このため、主要な販売先であるIDMやファウンドリが内製による調達方針を強化した場合や、外販フォトマスクベンダー間における価格競争等が激化した場合には、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、近年、中国において新興のフォトマスクベンダーが多数台頭しており、価格競争や技術競争の激化が懸念されております。加えて、将来的に半導体メーカーの内製部門が外販事業を展開する可能性も否定できず、これら競合環境の変化がテクセンドフォトマスクグループの事業環境に不確実性をもたらすリスクがあります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、最先端ノードからレガシー領域まで幅広く対応可能な技術開発や設備投資を推進するとともに、生産効率の向上やコスト競争力の強化に取り組んでおります。また、研究開発段階から顧客と連携し、フォトマスク製造専業としての独立性と信頼性を活かすことで、継続的な取引関係の構築に努めております。さらに特定顧客への依存度を抑制するため、幅広い販売先との取引関係の構築を進めております。 ③ サプライチェーンに関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:―、影響度:大)テクセンドフォトマスクグループは、事業に必要となる原材料、製造設備・部品及びエネルギー等を、外部のサプライヤーや協力企業から調達しております。半導体製造においては、特定の原材料や製造設備において限られたサプライヤーが大きなシェアを有する場合があり、これらの供給に支障が生じた場合、半導体サプライチェーン全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、フォトマスクの製造受託においては、使用する材料や製造設備が顧客の認定(使用許諾)により指定されるケースが多く、テクセンドフォトマスクグループの判断のみで代替材料や設備へ切り替えることが困難な場合があります。加えて、認定範囲の拡大には、顧客による評価が必要となり、許諾取得までに一定の期間を要することがあります。このため、認定済みサプライヤーや協力企業が地政学的な事象や災害により被災、倒産、廃業した場合、又は品質問題が発生した場合には、原材料等の安定的な調達が困難となり、テクセンドフォトマスクグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料やエネルギー価格の高騰についても、テクセンドフォトマスクグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、顧客から提示されるフォーキャスト情報に基づき、サプライヤーや協力企業との間で密な情報共有を行い、安定的な調達体制の構築に努めております。また、BCPの観点から、需要の多い材料や使用設備について、代替となる認定対象や認定範囲の拡大を顧客に適宜提案する取り組みを進めております。加えて、不測の事態に備え、各拠点において適切な在庫水準を確保するとともに、拠点間で在庫を融通可能な体制を構築することで、供給リスクの低減を図っております。 ④ 国際取引に伴う外部環境の変動によるリスク(顕在化の可能性:中~高、顕在化の時期:短期~中期、影響度:大)テクセンドフォトマスクグループは、国内外において生産及び販売活動を展開しており、海外市場向けに製品・サービスを提供しております。このため、外貨建て取引に伴う為替相場の変動は、短期的にテクセンドフォトマスクグループの業績に影響を及ぼす可能性とともに、海外子会社の現地通貨建て財務諸表の円換算においても、為替相場の変動が影響する可能性があります。また、米国政府による関税措置の強化や輸出入規制の変更をはじめとする、各国・地域の安全保障政策や産業政策の変化によって、テクセンドフォトマスクグループの競争力が相対的に低下し、売上高及び利益に悪影響を及ぼす可能性があり、輸出規制等に抵触した場合には、輸出禁止、罰金等の行政処分や刑事罰を受けるリスクがあります。これらの国際取引に伴う外部環境の変動や為替相場の変動が顕在化した場合には、テクセンドフォトマスクグループの事業活動、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、各国・地域における通商政策や安全保障政策の動向を継続的にモニタリングし、テクセンドフォトマスクグループ事業への影響を分析するとともに、事前に対応策についての検討を行うことでリスク低減に努めております。為替変動については、グループ全体で受注・製造・出荷・売上等の財務情報や金利動向に係わる情報共有のもと、金融機関による市場分析を踏まえつつ、必要に応じて適時為替予約等のリスクヘッジ手段を活用しております。また、関税に関しては、各国・地域における需要に応じた製造拠点の見直しを通じた関税コストの最小化を図るとともに、必要なコストについては顧客との協議により販売価格への適正な反映を図っております。加えて、輸出規制や関連法令への対応については、政策当局や業界団体、並びに各国・地域の関係当局とのコミュニケーションを通して早期に情報収集を行い、輸出規制、技術開発に関する規制等をテーマとした教育を定期的に行うなど、グループ役職員の輸出規制等に対する知識習得と規制遵守への取り組みを強化しております。 ⑤ 中期事業目標の未達に関わるリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)テクセンドフォトマスクグループが策定した中期事業目標は、顧客の需要見通しを踏まえた適切なタイミングでの設備投資や生産プロセスの立ち上げ、顧客の生産認定取得を通じた市場シェアの維持・拡大、並びに、業務効率の向上を通じた収益の拡大と収益性の向上を前提としております。しかしながら、外販フォトマスク市場における競争の激化等、市場環境が目標策定時の想定を超え変化した場合の他、関連法令・規制・税制の不利益な変更、エンジニア等の人財を確保・育成できない場合や、技術動向の変化への対応が十分に行えない場合、又は、こうしたリスクへの対応に想定を超える費用が発生した場合には、中期事業目標を達成できない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、テクセンドフォトマスクグループの事業活動、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、多様な顧客基盤とグローバルな生産体制を構築することにより、特定の顧客需要や特定拠点に過度に依存しない事業構造の構築を図っております。また、営業部門による顧客動向の継続的な把握に加え、工場及びスタッフ部門において各国・地域の政策、規制及び技術動向を注視し、定期的な情報共有を通じた戦略の見直し、実効施策の修正を適時適切に遂行可能とする、環境変化に柔軟に対応した政策立案・施策執行の仕組み、運用体制を整えております。 ⑥ 労務管理に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)テクセンドフォトマスクグループは、各拠点が所在する国・地域において適用される労務関連法令及び規則に基づき、適正な労務管理を行っております。しかしながら、長時間労働、ハラスメント、差別や人権侵害等のコンプライアンス違反や、従業員の健康状態・メンタルヘルスの悪化等が発生した場合には、法令等に基づく処罰や制裁を受ける可能性があるほか、社会的信用や企業イメージの低下、補償等に係る費用の発生により、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、労務関連法令及び規則を遵守した適正な労働時間管理並びに安全衛生管理の徹底に取り組んでおります。また、労務管理に関する研修・教育の実施に加え、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本に関する戦略、指標及び目標」に記載のとおり、従業員のエンゲージメント向上や健康・安全の維持及び向上を目的とした各種制度や施策を継続的に展開しております。 ⑦ 税務に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)テクセンドフォトマスクグループは、各拠点が所在する国・地域の税制に準拠した税務処理及び適正な納税に努めております。しかしながら、各国・地域における租税制度の改正、税務行政の運用変更、又は税務申告に関する税務当局との見解の相違等により、想定を超える税負担が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、税務が経営及び業績に与える影響を理解した上で、税務リスクを継続的かつ包括的に把握・評価する体制の整備に努めております。また、税務専門人財の育成及び知見の蓄積を進めるとともに、必要に応じて外部の税務専門家を活用することで、適切な税務対応の強化に取り組んでおります。 ⑧ 環境規制に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:小)テクセンドフォトマスクグループは、各拠点が所在する国・地域において、水質汚染、大気・土壌汚染、化学物質の管理、騒音・振動等に関する環境関連法令及び規制の遵守が求められております。テクセンドフォトマスクグループでは法令・規制の遵守に向けた対処策を講じておりますが、これら法令・規制に違反した場合や、法令・規制の強化又は環境負荷低減の追加的な対応が求められ、環境保全に係る費用が増加した場合、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、環境保全に係る規程・社内ルール等を整備するとともに、環境関連設備・機器について定期的な点検・修繕を実施するなど、各種環境保全活動に取り組んでおります。併せて、サステナビリティ委員会及び危機管理委員会において、マテリアリティの目標達成に向けた進捗管理を定期的に行うとともに、環境に係る問題発生時における事業への影響を最小化すべく迅速な対応が取れる体制整備を進めております。 ⑨ 有形固定資産の減損損失リスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)テクセンドフォトマスクグループは、生産能力の維持及び拡大を目的として継続的に設備投資を行っており、多くの有形固定資産を保有しております。設備投資にあたっては、客観的な数値に基づき各種の承認プロセスでの慎重な検討を行った上で投資判断をしておりますが、想定を超える経営環境の変化や事業状況の悪化等により、有形固定資産の収益性(資産価値)が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合には、当該資産に対する減損損失を計上することにより、テクセンドフォトマスクグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、設備投資に関する投資基準の精度向上に取り組むとともに、適切な投資タイミングや収益性の検証を行っております。また、必要に応じて外部調査機関等の情報も活用し、市場環境の変化を継続的に把握することで、減損損失リスクの低減に努めております。 ⑩ 知的財産に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:小)テクセンドフォトマスクグループは、事業競争力の維持・強化の観点から、保有技術や製品に関する知的財産権の保護及び権利化に取り組んでおります。しかしながら、第三者によるテクセンドフォトマスクグループの知的財産権の侵害、又はテクセンドフォトマスクグループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、研究開発部門、技術部門、事業戦略部門及び法務部門が連携し、必要に応じて外部専門家の支援を得ながら、知的財産戦略の策定及び運用を行っております。また、役職員に対する知的財産に関する教育を定期的に実施し、リスク低減に努めております。 ⑪ 製品の品質等に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)テクセンドフォトマスクグループが製造する半導体用フォトマスクに対しては、顧客である半導体メーカーから高度な品質管理が要求されております。テクセンドフォトマスクグループでは、製品品質の維持・向上に向けた教育制度を整備するとともに、内部監査の実施により潜在的な品質に係る問題を顕在化させ是正する品質管理体制の強化に努めております。また、品質に係る設備トラブル等が発生した場合を想定し、各製造拠点における情報伝達・対応フローを明確に定めております。しかしながら、製品品質に起因する不具合や設備トラブル等を起因として、万が一、顧客に損失が発生した場合には、損害賠償費用の発生等により、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、各製造拠点における作業の標準化や製造レシピの整理を進めるとともに、MES(製造実行システム)を活用した生産・品質管理を行っております。また、製造拠点間の製造連携においては、高精度なデータマッチング技術を活用し、拠点間で均質な品質を確保する体制を構築しております。加えて、品質問題発生時には、他拠点の知見も活用することで、早期是正及び再発防止に取り組んでおります。 ⑫ 情報セキュリティ等に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大)テクセンドフォトマスクグループにおいて、不正アクセスやサイバー攻撃、その他不測の事態により、情報システムの障害や重要なデータの破壊、改ざん又は漏洩等が発生した場合には、社会的信用の低下、ノウハウの流出、対応・復旧に係る多額の費用の発生、さらには事業活動の一時的な停止を余儀なくされる可能性があります。これらの事象が発生した場合、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、「情報セキュリティ基本方針」に基づき、情報セキュリティに関する規程類の整備及び運用を行っております。また、各国・地域に所在する拠点におけるセキュリティ対策状況を定期的に評価・改善するとともに、サイバー攻撃への技術的対策や、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証の取得、全役職員を対象とした教育を通じて、情報セキュリティへの意識向上とリスク低減に取り組んでおります。 ⑬ コンプライアンスに関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期~長期、影響度:中~大)テクセンドフォトマスクグループは、国内外において事業を展開するにあたり、各国・地域の法令・規制、業界ルール及び社会的規範の遵守徹底を図るため、危機管理委員会、コンプライアンス委員会等の会議体において業務執行状況の検証を行う等の対策を講じております。しかしながら、これら法令・規範等に反する事象が生じた場合、法令等に基づく処分や事業活動に対する制約等が課せられるほか、レピュテーションの低下等により、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、コンプライアンス委員会を中心として、社内規程の整備、教育・研修の実施、内部通報制度の運用を図るほか、経営監査室による監査体制の強化に取り組んでおります。また、法令・規範等に反する事象が生じた場合には、事実関係の早期把握並びに再発防止策の策定を適切に行う体制を整備し、コンプライアンスリスクの低減に努めております。 ⑭ 訴訟等に関わるリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期~長期、影響度:小~中)テクセンドフォトマスクグループは、法令及び契約の遵守に努めておりますが、事業活動を遂行する過程において、取引先等から訴訟を提起される可能性や、訴訟に至らないものの紛争や請求等を受ける可能性があります。これらには、労働問題、製品の品質に関する保証又は責任、知的財産権の侵害、機密情報の漏洩等に関連するものが含まれます。これらの訴訟や紛争については、テクセンドフォトマスクグループが必ずしも有利な結果を得られる保証はなく、その内容や結果によっては、テクセンドフォトマスクグループの事業活動、社会的評価、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、法務部門を中心として関係部門が連携し、必要に応じて外部専門家の助言を得ながら、訴訟や紛争の未然防止及び発生時の適切な対応に取り組んでおります。 ⑮ 朝霞工場等、事業用資産及びユーティリティ供給設備に関わるリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)テクセンドフォトマスクグループは、テクセンドフォトマスク朝霞工場の他、事業活動に必要な土地・建物の一部について、TOPPANホールディングス株式会社等の第三者から賃借しており、事業活動に必要な電力、ガス、水等のユーティリティ供給設備の一部について、その運営を外部事業者に委託しております。事業用資産の賃借、並びにユーティリティ設備の運営委託に際しては、契約に基づき長期安定的に使用を可能とする法的な権利を確保しておりますが、契約更新時の条件変更や賃料の改定、又は契約更新がなされない場合には、事業活動の継続に影響が生じる可能性があります。また、契約相手先との関係の変化、法令の改正、周辺環境の変化等により、事業用資産、並びにユーティリティ設備の継続利用が困難となった場合や、原状回復義務や代替地確保に係る追加的な費用が発生した場合には、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、事業用資産に係る契約締結に際しては事業運営の安定性を担保する契約条項を確保する他、更新時期を踏まえ事前に対処策について十分な検討を行うとともに、賃貸借契約の相手先との継続的なコミュニケーションを通じて安定した関係の維持に努めております。また、ユーティリティ供給設備については、委託先の運営状況を定期的に確認するとともに、事業継続上の影響を最小化する観点から、必要に応じて、テクセンドフォトマスクグループ自らが保守運営管理可能な体制整備に努め、併せて、代替策の検討やリスク分散にも取り組んでおります。 (2) 災害等のリスク 自然災害・伝染病リスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)テクセンドフォトマスクグループは、グローバルに事業を展開しており、各製造拠点の所在する各国・地域において、地震や台風等の自然災害が発生した場合、又は重篤な伝染病の蔓延等により、テクセンドフォトマスクグループの生産設備やクリーンルーム等の主要施設に被害が生じ、あるいは生産・営業活動の停滞を余儀なくされる可能性があります。また、これらの事象が外部のサプライヤーや協力会社、顧客を含むサプライチェーン全体に混乱をもたらした場合には、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)テクセンドフォトマスクグループは、BCPの観点から、各国・地域に所在する複数の製造拠点において顧客認定を取得し、特定の拠点に過度に依存しない生産体制の構築を進めております。また、需要の多い原材料や設備については、各拠点で適切な在庫水準を確保するとともに、拠点間で在庫を適時融通可能な体制を整備しております。併せて、重大な災害の発生に備え、各種マニュアルや行動手順、緊急連絡体制の整備を行うなど、事業の継続及び早期復旧に向けた対策に取り組んでおります。 (3) 主要株主との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小) 当連結会計年度末現在、TOPPANホールディングス株式会社はテクセンドフォトマスク議決権の46.55%を保有しており、取締役1名をテクセンドフォトマスクへ派遣しております。テクセンドフォトマスクでは、経営方針及び事業運営に関する重要な事項のほか取締役会等の会社機関における意思決定に際しては十分な審議を行い、テクセンドフォトマスク独自の判断に基づき決議事項を決定しておりますが、TOPPANホールディングス株式会社は株主総会における議決権行使や取締役会での意見表明を通じて、テクセンドフォトマスクの経営方針や重要な意思決定に一定の影響を及ぼす可能性があります。また、同社との関係性の変化や利害の不一致が生じた場合には、テクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) テクセンドフォトマスクは、様々な専門知識と見識を有し、豊富な経験と経営手腕を発揮された独立社外役員を選任し、テクセンドフォトマスクを含めたグローバル全体の企業運営・管理、業務執行の管理監督機能の維持・向上を図り、企業経営の健全性、並びに少数株主利益に十分に配慮した事業運営を担保するガバナンス体制を構築しております。また、TOPPANグループとの取引にあたっては、社外取締役を中心にした特別委員会において取引条件の妥当性、経済的な合理性等を検証し、検証の結果、これらの要件が担保されている場合に限り取引を実施する手続き、体制を整備しております。併せて、検証された取引が、検証された条件により実行されていることを内部監査により確認する仕組みを設け、テクセンドフォトマスクグループの経営の健全性、事業運営の独立性を確保しております。 (4) 上海徐匯科盛徳半導体有限公司が工場として使用する賃借物件について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中) テクセンドフォトマスクのグループ会社である上海徐匯科盛徳半導体有限公司において、同社が工場として使用する賃借物件に関して、下記のとおり現地の法令、行政手続きに関する問題が生じております。 なお、テクセンドフォトマスクは本件に付き法律顧問である現地弁護士事務所より意見書を取得しており、賃借人である上海徐匯科盛徳半導体有限公司に直接責任があると考えられる事項は、下記4項目のうち「4.建屋増設時の行政手続きの不備」に限られ、その他の事項に対する責任は基本的には賃貸人にあると認識しております。本件に起因して現地当局が上海徐匯科盛徳半導体有限公司の生産活動に何らかの制約を課すことになった場合、操業停止や工場移転が必要となることでテクセンドフォトマスクグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 1.割当土地上の建築物の賃貸に関して必要となる要件(行政手続きを含む)の不備2.土地使用用途の相違3.建屋建設時の行政手続きの未完4.建屋増設時の行政手続きの不備 (リスクへの対応) テクセンドフォトマスク及び上海徐匯科盛徳半導体有限公司では、問題事項の解決に向け、現地法律事務所の知見を得ながら、賃貸人との協議を重ねてまいりました。しかしながら、同敷地内に賃貸人が所有する別の違法建築物が複数存在するなどの理由から、上海徐匯科盛徳半導体有限公司が借用する物件のみに正規手続きを追完することは困難であるとの結論に至りました。一方で、行政手続きを未完のまま放置しておくことは、行政当局から立ち退きや工場の取り壊しを要求されるリスクも考えられることから、当該リスクの低減を図るため、行政当局との協議を行ってまいりました。 その結果、2024年2月に、本件土地が所在する地区の産業政策を所管する徐匯区商務委員会より、上海徐匯科盛徳半導体有限公司に対して「貴社が賃貸借契約期間内において、引き続き、既存の範囲内で、賃借した経営場所を使用し、既存の生産経営用途を維持し、合法的に経営活動を展開することを支持する」という見解が書面で示されたことから、テクセンドフォトマスクグループといたしましては、上海徐匯科盛徳半導体有限公司の立ち退きや取り壊しを求められるリスクは低減されたものと判断し、現工場での生産を継続する方針としております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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