カオナビ(4435)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


カオナビ(4435)の株価チャート カオナビ(4435)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

(1)パーパス

少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、労働生産性の低迷、多様な働き方への対応、テクノロジーの飛躍的進化など、日本の社会は大きく変容しています。カオナビグループは、こうした変化を適切に捉えながら、人や社会に必要とされる存在であり続けることを目指しており、職歴・学歴や年収など目に見える事項だけでひとを判断するのではなく、さまざまな情報を集めて人物像に奥行きをもたせることで、ひとの可能性を正しく理解できる世界をつくりたいと考えております。このような考えに基づき、カオナビグループが長期的に目指す姿や持続的に社会へ提供していく価値を明らかにするため、社会的な存在意義を明文化したパーパスを策定しております。

 

パーパス:“はたらく”にテクノロジーを実装し、個の力から社会の仕様を変える

 

このパーパスのもと、テクノロジーによって一人ひとりの個性や才能を理解することで、個人のキャリア形成や働き方が多様化される社会の実現を目指してまいります。

 

(2)サービス概要

カオナビグループは、HRテクノロジー領域におけるSaaS(注1)サービスを開発・提供しております。具体的には、カオナビは、企業の人材情報をクラウド(注2)上で一元管理し、データ活用のプラットフォームとなるタレントマネジメントシステム(TMS)『カオナビ』を提供しております。『カオナビ』は、社員の顔や名前、経験、評価、スキル、才能などの人材情報を一元管理して可視化することができ、最適な人材配置や育成といった企業の人材戦略をサポートするシステムです。タレントマネジメントに役立つさまざまな機能を提供することで、次のような戦略的人事の実現に貢献します。

① 人材情報の一元化・見える化

② 人事業務の効率化

③ 経営の意思決定支援

④ 評価運用の効率化

⑤ 採用のミスマッチ・ハイパフォーマー(注3)分析

⑥ 人材配置・要員シミュレーション

⑦ スキル管理・人材育成

⑧ モチベーション分析・離職分析

⑨ 従業員満足度調査・エンゲージメント(注4)向上

⑩ リスキリング・学習管理

また、さらなるサービスの拡充に向けて、2024年1月には労務管理をスマートフォンでも完結できるクラウドサービス『人事CREW』を提供するTECH CREW株式会社(旧ワークスタイルテック株式会社)を子会社化し、2024年7月に労務管理システム『ロウムメイト』を提供開始しました。また、新規事業として2024年4月に予実管理システム『ヨジツティクス』を提供開始しました。

 

なお、カオナビグループの報告セグメントは、HRテック事業のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(3)『カオナビ』が選ばれる理由

正解のないタレントマネジメントへの取り組みに対して、「システム」と「サポート」の両輪を顧客に提供できることがカオナビの強みとなって、『カオナビ』を活用する企業が増えております。

① システム:柔軟性とユーザビリティを徹底的に追求したシステム設計

『カオナビ』のシンプルなユーザー・インターフェースは、社員の誰もがマニュアル不要で直感的に操作することが可能であり、また、人材データベースを自由にカスタマイズすることができます。人材情報のなかで必要とされる項目は企業や業界によって大きく異なります。そのため、データベースに入力・保存できる項目が固定化されている場合、一部の情報がシステム化されず、紙やエクセルなどで別に管理する必要が生じてしまいます。『カオナビ』の技術的特徴として、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作でデータベースの設定やレイアウトをカスタマイズできるため、工数と費用をかけずに顧客自身で自由自在にデータベースを構築し、人材情報の一元管理を実現します。

また、機微性の高い人材情報を一元管理すると同時に、全社員での活用ができるよう、セキュアなアクセス管理が可能となっております。

② サポート:タレントマネジメントの成功確率を高めるサポート体制

カオナビに蓄積されたタレントマネジメントの活用ノウハウを、顧客に対して存分に提供しております。経験豊富な専任スタッフによるサポートは勿論のこと、カスタマーサクセスの取り組みとして、他社と交流し活きた事例を学び合えるコミュニティ「カオナビキャンパス」を設立し、自社の課題に合わせた学習プログラムや豊富な活用事例を検索できるライブラリなどを体系的に提供しております。また、顧客と人事分野の専門家をつなぐオンラインプラットフォーム「カオナビキャンパスLab」にて、人事コンサルタントや社会保険労務士などの専門知識や知見を活用する機会を提供することで、タレントマネジメントの支援体制を強化しております。

 

(4)ビジネスモデル

カオナビグループは、企業を主な顧客としてクラウドサービス型でのサービス提供を行っております。クラウドサービスとは、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してソフトウエアをサービスとして提供する形態のことで、SaaSと呼ばれております。

カオナビグループは、自社のマーケティング活動と紹介パートナーからの紹介による新規顧客の獲得に加えて、販売パートナー及びOEM(注5)経由での販売も行っております。

 

カオナビグループの主要サービスである『カオナビ』の収益構造は、クラウド上で提供するサービスの利用料金を使用期間に応じて受領するサブスクリプション(月額課金)モデルとなっており、これをストック収益として計上しております。『カオナビ』の利用料金は従業員の登録人数に応じた料金体系となっており、さらに利用プランに応じて料金が異なります。各プランの概要は以下のとおりです。

*1:オプションサービスとしては、「パルスサーベイ」や「ワークフロー」、「ラーニングライブラリ」などがあります。

 

2012年4月に事業を開始して以来、『カオナビ』は継続的に成長し、2025年3月期におけるストック収益は8,542百万円、売上高ストック比率(注6)は89.8%となっております。

 

 

2021年

3月期

2022年

3月期

2023年

3月期

2024年

3月期

(連結)

2025年

3月期

(連結)

ストック収益

(百万円)

2,991

3,930

5,156

6,723

8,542

売上高ストック比率(%)

87.9

87.4

86.1

88.2

89.8

※カオナビは2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しております。また、2024年3月期より連結財務諸表を作成しております。

サービスの継続利用が前提となるビジネスモデルのため、カオナビグループでは顧客のサービス活用推進を図るためのカスタマーサクセスやプロダクト開発・機能強化に注力しております。

 

(注)1.SaaS

Software as a serviceの略語で、顧客側のコンピューターにソフトウエアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウエアを利用する形態のサービスをいいます。

2.クラウド

クラウドコンピューティングの略語で、インターネット経由で必要な時に必要なだけITシステムを利用する仕組みの総称をいいます。サーバーやソフトウエアなどのITシステムの設備を自社で保有することに比べ、ITシステムに関する開発や保守・運用の負担が軽減され、コスト削減に寄与します。

3.ハイパフォーマー

スキルや経験、ノウハウを生かして高い成果を生み出せる優れたパフォーマンスを持つ人材のことをいいます。ハイパフォーマーの特徴や行動パターンを分析することで、人材育成のためのデータや、採用時に用いる採用基準への活用も期待できます。

4.エンゲージメント

企業と従業員が相互に影響し合い、共に必要な存在として絆を深めながら成長できるような関係を築いていくことをいいます。

5.OEM

Original Equipment Manufacturingの略語で、生産委託を受けてソフトウエアを開発し、他社のブランドとして当該他社が販売することをいいます。

6.売上高ストック比率

売上高全体に占めるストック収益の比率をいいます。

 

[事業系統図]

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 カオナビグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてカオナビグループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

カオナビグループは、「“はたらく”にテクノロジーを実装し、個の力から社会の仕様を変える」というパーパスのもと、テクノロジーによって一人ひとりの個性や才能を理解することで、個人のキャリア形成や働き方が多様化される社会の実現を目指しております。また、「人材情報を一元化したデータプラットフォームを築く」というビジョンに基づき、人材データベースを軸にさまざまなサービスと連携することで、より高い顧客体験価値を提供する人材データプラットフォームの構築を目指しております。

人事・人材関連サービスの領域には、「人事評価」「労務管理」「採用管理」「人材教育」など、いくつかの分野が存在しており、それぞれに特化したサービスが数多くありますが、業務の効率化や生産性向上に対して一定の効果は見られるものの、分野ごとの課題を解決するサービスに留まっております。一方、人材データプラットフォームを築くことで、人材データベースを軸に多数のサービスが連携して運用され、これまで以上に効率化が進み、生産性が高まり、人材データが有効活用されると考えております。人材データプラットフォームを構築し、ひとの可能性を正しく理解できる世界をつくり、個人のエンパワーメントを通じて個人のキャリアや働き方の多様化を支援してまいりたいと考えております。

 

(2)経営戦略及び経営指標

カオナビグループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、中期経営方針を策定しております。

 

① 継続的なARRの成長

カオナビグループは、売上高の成長を重視しておりますが、サブスクリプション型のビジネスモデルであるため、ARR(注1)を重要なKPI(Key Performance Indicators)の一つとして設定しております。中期財務目標として、継続的にARRを20~30%成長させることを掲げており、その継続的な成長を目指して以下の施策を推進してまいります。

 

<利用企業数の拡大に向けた施策>

・組織体制の強化

・認知度の向上

・パートナーの活用

 

<ARPU(注2)の向上に向けた施策>

・エンタープライズ企業の増加

・アップセルの促進

・人材データプラットフォームの拡大

 

② 収益性の向上

カオナビグループは、適切な投資配分の実施により持続的成長を実現し、中長期的な利益拡大を図ってまいります。その中で、経営指標として売上総利益率と調整後営業利益率(注3)を特に重視しており、中期財務目標として、2028年3月期までに調整後営業利益率で20%以上を目指してまいります。

なお、カオナビグループは、企業価値の最大化に向けて機動的な成長投資を実施するため、内部留保の充実を優先する方針です。短期的な配当実施は未定ですが、将来的には経営環境や内部留保の状況を勘案し、株主の皆さまへの利益還元を検討してまいります。

 

③ 非財務的活動の推進

カオナビグループは、「ステークホルダーの期待」と「パーパスとの関連度」の観点から、カオナビグループが対応すべき社会課題を抽出し、カオナビグループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定しました。さらに、これらの重要課題を「個を尊重する社会の実現」「脱炭素社会の実現」「安全で使いやすいデータプラットフォーム」「透明・公正なビジネス」の4つの分野に分類しました。カオナビグループは今後、持続可能な社会の実現に向けて、各分野でさまざまな取り組みを行ってまいります。

「個を尊重する社会の実現」の一環として、人的資本経営に取り組みます。経営目標を達成するために必要となる人材の要件を定義し、人材の採用・育成・配置を戦略的に進めることで企業価値の向上を目指してまいります。また、具体的な人事施策として、多様性の確保、自律的なキャリア形成の支援、Well-being(ウェルビーイング)(注4)の向上を進めることで、従業員一人ひとりが個性や才能を発揮できる環境づくりや育成に取り組んでまいります。

「脱炭素社会の実現」の一環として、カーボンニュートラルへの取り組みを推進します。オフィスや設備機器の省エネ化や再生可能エネルギーの活用などを通じて、2035年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指してまいります。

 

(3)経営環境

公益財団法人日本生産性本部が2021年12月に発表した調査によると、我が国の就業者1人当たりの労働生産性は、OECD加盟諸国の中で28位と上位諸国とはかけ離れた実態が明らかになっております。また、就業者1人当たりの労働生産性が低い中、内閣府が公表した令和5年版高齢社会白書によると、2040年までに生産年齢人口は7,000万人を割り込み、その先の2070年までに5,000万人を下回ると推計されております。このような状況を踏まえ、今後の日本社会では、労働人口は減少するという前提のもと、いかに労働生産性を高めていくかが重要な命題になると考えております。

近年の技術進歩により、テクノロジーの活用が労働生産性の向上に繋がると期待されております。さらに、これまで企業の中でも裏方的な存在であった人事・総務といった“人材に関わる業務”は、企業の売上や利益に直結する業務ではないこともあり、テクノロジーの導入や効率化が遅れている分野でもありましたが、HRテクノロジーの普及に伴い、この分野にITを積極的に導入する企業が増えております。

一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会が発表した「企業IT動向調査報告書 2023」(2022年度調査)によると、雇用の流動化を背景に適材適所の人材配置・活用が求められており、2021年度調査と比較してタレントマネジメントを導入・検討する動きがさらに広がっております。また、カオナビがターゲットとする従業員100人以上の企業は日本に約63,000社(注5)存在しており、カオナビの利用企業数を鑑みれば市場の開拓余地は広大です。

このように、タレントマネジメントに対するニーズの高まりと市場の開拓余地を踏まえると、さらなる市場成長が見込めると考えております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記の経営戦略等を推進する上で、カオナビグループとして捉えている対処すべき主要な課題は以下のとおりです。

 

① サービスの普及拡大

先述のとおり、タレントマネジメントシステムの導入ニーズは高まっており、その市場は今後さらなる拡大が見込まれております。

カオナビグループは、今後も新規顧客の獲得に向けて、費用対効果を検討した上での積極的な広告宣伝などを通じたサービスの認知度向上を図るとともに、営業人員の拡充や顧客獲得プロセスの継続的な改善、紹介パートナー及びOEMを含む販売パートナーの拡大など営業機能の強化に努めてまいります。

 

② 顧客エンゲージメントの強化

カオナビのサービスを普及させていくには、既存顧客との関係性を強化し、継続的に『カオナビ』を利用していただくことも重要な課題であると認識しております。カオナビは、これまでも『カオナビ』の導入や定着の支援、カオナビキャンパスを通じたセミナーやコミュニティなど顧客エンゲージメント強化のための取り組みに注力してまいりました。「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)『カオナビ』が選ばれる理由」にも記載のとおり、カスタマーサクセスの取り組みとしてさまざまな施策を実施しております。

今後、これらの活動をより一層強化・推進して、顧客に『カオナビ』の導入効果を最大限享受していただくことに努めてまいります。

 

③ サービスの改善と機能拡充

インターネット業界においては常に技術革新が起こっており、競争優位性を維持していくことは容易ではありません。

カオナビグループは、新規顧客の獲得及び既存顧客の継続的なサービス利用のため、このような技術トレンドを捉えた製品開発を継続してまいります。当連結会計年度におきまして、カオナビグループは開発ロードマップを開示し、既存機能のアップデートや新機能のリリースを複数実行いたしました。今後も、細やかな改善を積み重ねることでユーザビリティを徹底的に追求するとともに、多様化する顧客ニーズや潜在的な要望を的確に捉えた機能開発を行い、顧客体験価値の向上を目指した継続的なサービスの改善、機能の拡充に努めてまいります。

 

④ 情報管理体制の継続的な強化

カオナビグループは、顧客の従業員に関する個人情報を預かっており、その情報管理を強化していくことが重要な課題であると認識しております。カオナビはプライバシーマークを取得し、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後も継続して社内教育・研修の実施やシステムの整備などを行ってまいります。

また、2024年3月29日付で公表しました子会社であるワークスタイルテック株式会社の個人情報漏えいに関して、再発防止策を講じるとともに、グループ企業においても情報管理体制の継続的な強化を図ってまいります。

 

⑤ セキュリティの継続的な向上

カオナビグループサービスの継続利用の前提として、セキュリティの確保は必要不可欠であると考えております。カオナビでは、ISO27001(ISMS認証)、ISO27017(ISMSクラウドセキュリティ認証)を取得して継続的なセキュリティマネジメント体制を構築しており、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」のクラウドサービスリストにも登録されております。また、外部業者による脆弱性診断を継続的に実施し必要な対策を取るとともに、全社員に対しても年次のセキュリティ研修を実施することで、セキュリティの向上に努めております。当該対策に終わりはないと認識しており、グループ全体でセキュリティ向上に向けた対策を行ってまいります。

 

⑥ 組織体制の強化

カオナビグループの持続的な事業成長には、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を採用・育成し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。カオナビは、働く場所や時間に縛られず自分に合った働き方を選択できるMy Work Style制度を導入し、従業員の働きがいや生産性の向上を図る取り組みを行っております。今後も、カオナビグループのパーパスに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくため、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築、教育・研修体制の充実化に努めてまいります。

 

⑦ サステナビリティへの取組

気候変動問題への対応を含めた持続可能な社会の実現は、カオナビグループの持続的な成長の前提であり、これに貢献していくことが重要であると考えております。カオナビグループは、「ステークホルダーの期待」と「パーパスとの関連度」の観点から、カオナビグループが対応すべき社会課題を抽出し、カオナビグループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として特定、開示しております。これらの重要課題に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献し、パーパスの実現を目指してまいります。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

(注)1.ARR

Annual Recurring Revenueの略で、四半期末のMRR(Monthly Recurring Revenueの略で月額利用料の合計)を12倍して算出しています。なお、MRRは管理会計上の数値です。

2.ARPU

Average Revenue Per Userの略語で、利用企業1社当たりの月額利用料金の平均値を示しています。四半期末のMRRを利用企業数で除して計算しています。

3.調整後営業利益

営業利益+株式報酬費用+M&Aによるのれん償却費+その他一時費用

4.Well-being(ウェルビーイング)

身体的・精神的・社会的、3つの側面において良好な状態にあることをいいます。

5.日本の従業員100人以上の企業数は、総務省・経済産業省が公表している「平成28年経済センサス-活動調査」に基づきカオナビが算出しております。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

カオナビグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であるとカオナビグループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は主要なリスクであり、カオナビ株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。カオナビグループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合にカオナビグループの経営成績及び財政状態に及ぼす影響につきましては、合理的に予見することが困難なため記載しておりません。また、カオナビ株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてカオナビグループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 競合について

カオナビグループのタレントマネジメントシステム事業の分野において、競合企業が存在しております。また、当該事業分野が成長市場であること及び参入障壁が必ずしも高いとは言えないことから、今後、さらなる他社の新規参入により競争が激化する可能性があります。

競合企業の営業方針、価格設定及び提供する製品・サービス等は、カオナビグループが属する市場に影響を与える可能性があり、これらの競合企業に対して効果的な差別化を行うことができず、カオナビグループが想定している事業展開が図れない場合、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、引き続き顧客のニーズを汲んだ製品・サービスの提供を進める方針であります。

 

② インターネット利用の普及について

カオナビグループは、インターネットを介してサービスを提供しております。そのため、スマートフォンやタブレット型端末等の新しいデバイスの普及により、インターネットの利用環境が引き続き整備されていくと共に、同関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。

インターネットの普及に伴う弊害の発生、利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因によってインターネット利用の順調な発展が阻害された場合には、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、インターネットの普及に伴う情報セキュリティ等の社会動向、利用に関する新たな規制導入の動向を把握するべく努めております。

 

③ 技術革新について

カオナビグループが事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連事業の運営者はその変化に柔軟に対応する必要があります。

カオナビグループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。

 

(2)事業内容及びカオナビグループサービスに関するリスク

① 特定の製品への依存について

カオナビグループのタレントマネジメントシステム事業は、特定のサービス『カオナビ』に依存した事業となっております。上記(1)①に記載のとおり、競合企業や新規参入企業との競争激化等が、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、今後も新機能の追加により競合企業のサービスとの差別化を図るとともに、新規事業や新サービスの展開により、リスク低減を進めてまいります。

 

② システムトラブルについて

カオナビグループのサービスは、インターネットを介して提供しておりますが、大規模なプログラム不良や自然災害、事故、不正アクセス、その他何らかの要因によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、社会的信用失墜等により、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、安定的なサービスの運営を行うために、サーバー設備の増強、セキュリティの強化、システム管理体制の構築等により、システム障害に対する万全の備えをしております。

 

③ 解約について

カオナビグループの提供するサービスを継続利用することで生じるストック収益は、持続的に増加傾向にありますが、カオナビグループサービスの市場競争力の低下等によって解約が増加し、ストック収益が減少した場合は、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、顧客ニーズを的確に捉え、その要望を入念に吟味しながら、サービス機能の追加・改善、外部サービスとのAPI連携、サポート体制の充実など、顧客価値の向上を目指した継続的な機能・サービスの拡充に努めてまいります。

 

(3)法的規制及び知的財産権等に関するリスク

① 個人情報保護について

カオナビグループは、提供するサービスに関連して個人情報を取り扱っているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。

カオナビグループが保有する個人情報等につき漏えい、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従いまして、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、カオナビグループへの損害賠償請求又は信用の低下等によって、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、2024年3月29日付で公表しました子会社であるワークスタイルテック株式会社の個人情報漏えいに関して、今後関係各所から同社が損害賠償請求を受ける恐れがあります。

当該リスクに対しては、個人情報の外部漏えいの防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、アクセスできる社員を限定すると共に、個人情報保護規程等を制定し、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びにカオナビグループに適用される関連ガイドラインを遵守してまいります。また、カオナビは2012年7月に取得したプライバシーマークを更新し、個人情報の保護と厳重なる社内管理、漏えい防止に積極的に取り組んでおります。さらに、内部監査室によるセキュリティ対策の有効性、実行についての継続的な監査の実施などのセキュリティ推進に必要な体制を構築しております。

 

② 知的財産権について

カオナビグループの提供するサービスが第三者の特許権、著作権等の知的財産権を侵害する可能性については、カオナビグループの提供するサービスに関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であることから、カオナビグループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。また、将来カオナビグループが提供するサービスに関連して、カオナビグループが知的財産権を取得するよりも前に他の事業者等が特許権その他の知的財産権を取得する可能性があります。これらの場合、カオナビグループに対する訴訟等が発生し、カオナビグループが提供するサービスに影響が出る可能性があるほか、当該訴訟等への対応のために必要となるコストの発生によりカオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、知的財産保護方針及び知的財産保護規程を制定し、カオナビグループの知的財産の保護及び他者の知的財産の侵害の防止を図るとともに、弁理士等の外部専門家を通じて調査を行っております。

 

③ その他訴訟等について

カオナビグループは、その事業活動の遂行過程において、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しています。これらの手続は結果の予測が困難であるため、多額の費用が必要となり、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの手続においてカオナビグループの責任を問うような判断がなされた場合には、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、カオナビグループでは、事業活動の遂行に際し、法規制の適用を受ける業務の特定、リスクに応じた措置の実行、従業員に対する教育を実施しコンプライアンスの強化に努めております。

 

(4)組織体制に係るリスク

① 経営管理体制について

カオナビグループは、事業の拡大に応じて内部管理体制の整備を進めており、今後も一層の充実を図る予定ですが、適切な対応がなされなかった場合には、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、今後、事業拡大に応じた人的・組織的対策を継続し、内部管理体制の充実を図る方針であります。

 

② 人材の確保や育成について

カオナビグループは、継続的な事業拡大のためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最も重要であると認識しておりますが、カオナビグループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び事業拡大等に支障が生じることや、採用費が計画から乖離すること等により、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築、教育・研修体制の充実化に努めてまいります。

 

(5)その他

① 広告宣伝活動等の投資について

カオナビグループのタレントマネジメントシステム事業において、新規顧客獲得数は非常に重要な要素であり、『カオナビ』の認知度と関心の向上のため、これまでもWEB広告やTVCM等の広告宣伝活動やイベント出展等の販売促進活動を積極的に実施して、新規顧客の獲得に努めてまいりました。

広告宣伝活動等への投資については、今後も積極的に実施していく方針ですが、蓄積した知見に基づき期待される費用対効果や新規顧客獲得数が得られない等、カオナビグループの想定したとおりに営業収益が推移しない場合はカオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、継続的な市場動向への注視と広告宣伝の費用対効果の測定を行うことで最善のブランディングとなる広告宣伝活動への投資を選択する等により、リスクの低減に努めてまいります。

 

② 新機能や新サービスの開発投資について

カオナビグループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、新機能や新サービスの開発活動を積極的に進めていく方針ですが、新機能や新サービスのリリースまでには一定期間の研究開発投資を要するため、カオナビグループの利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新機能や新サービスの提供によるARRの成長がカオナビグループの想定したとおりに推移せず、投資に対して想定していた成果の獲得に繋がらなかった場合、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、市場動向を充分に観察・分析するとともに、事業計画や全社利益の状況に応じて、拡充する新機能や新たなサービスの研究開発投資の実行を判断する方針であります。

 

③ 子会社化により発生したのれんについて

カオナビは、人材データプラットフォームの拡大による持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、ワークスタイルテック株式会社の株式を取得して連結子会社としたことでカオナビグループの連結財務諸表にのれんが発生しております。

当該株式取得にあたり、企業の事業計画や財務内容、契約関係等の事前調査を十分に行った上で株式の取得価額を決定しておりますが、想定していた事業のシナジー効果等が得られない、デュー・デリジェンスの限界等から、同社の業績が事業計画の通りに推移せずに当初期待していた投資のリターンが得られず、発生したのれんの減損損失が発生する場合には、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 企業への投資について

カオナビグループのタレントマネジメントシステム事業の強化、経営効率向上のため、カオナビグループの事業とのシナジーが期待される事業を展開している企業に対して資金支援を実施する『カオナビ NEXT FUND』を展開しております。

しかしながら、市場環境の変化や競争力の低下などにより、投資先企業が当初想定したとおりの事業展開ができない場合、当該会社の業績・財政状態の悪化により、投資有価証券評価損を計上する可能性があります。また、これらの投資においては、予め対象会社の法務・財務リスクなどを調査・評価しておりますが、投資時点では顕在化していない内部統制上の問題や、法令に抵触する可能性もあります。

これらの問題が発生した場合、カオナビグループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、年間出資上限額の設定や投資委員会による多方面からの慎重な検討を行いつつ、出資後も定期的なモニタリングを実施すること等により、リスクの低減を行っております。

 

⑤ 配当政策について

カオナビグループは、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。

将来的には、各事業年度における経営成績を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく所存でありますが、現時点において、配当実施の可能性及び実施時期は未定であります。

 

⑥ 株式会社リクルートホールディングスとの関係について

株式会社リクルートホールディングスは、合同会社RSIファンド1号及び株式会社リクルートを通じて当連結会計年度末現在、カオナビの発行済株式総数の21.2%を保有するその他の関係会社に該当しておりますが、同社より役員等の派遣を受け入れていないこと、経営の意思決定において同社への事前承認等を要しないこと等、カオナビグループの事業運営の独立性は保たれていると認識しております。なお、同社グループとの取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等を確保する方針です。

カオナビグループは、2017年3月に同社からの資本参加を受けて以来、HRテクノロジー市場での事業拡大に向けて、同社グループとさまざまな協業を推進してまいりました。しかしながら、同社の経営方針やグループ戦略が変更された場合等、何らかの理由によりカオナビグループとの関係が将来において変化した場合、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化

カオナビでは、カオナビの役職員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、当連結会計年度末現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は3.2%となっております。

これらの新株予約権が行使された場合には、カオナビの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

⑧ 繰延税金資産の回収可能性について

繰延税金資産の計算は、将来の一定期間における事業計画に基づく課税所得に関する見積りを含めたさまざまな予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。

また、カオナビグループの事業は今後の市場の成長性が見込まれている一方で、競合他社の存在等により新規顧客獲得数には一定の不確実性を伴い、実際の課税所得の発生時期及び金額が見積りと異なった場合にも、カオナビグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー