BASE(4477)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


BASE(4477)の株価チャート BASE(4477)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

BASEグループは「Payment to the People, Power to the People.」をミッションとして掲げ、ネットショップ作成サービス「BASE」及び購入者向けショッピングサービス「Pay ID」を提供するBASE事業、オンライン決済サービス「PAY.JP」を提供するPAY.JP事業、資金調達サービス「YELL BANK」等を提供するYELL BANK事業、越境ECサービス
「want.jp」を提供するwant.jp事業及び伴走型ネットショップ構築システム「Eストアーショップサーブ」を提供するEストアーショップサーブ事業を展開しており、これらのサービスを通して、個人及びスモールチームをエンパワーメントすること、スタートアップ企業を支援することに注力しております。

 

(1) BASE事業

「BASE」は、誰でも簡単にネットショップが作成できるWebサービスで、ものづくりを行う個人にとどまらず、ビジネスを展開する法人、地方自治体をはじめとする行政機関にもご利用いただいています。
 「BASE」では、専門的なWebサイト構築やWebデザインの技術を使わずに、BASEが提供するデザインテンプレートを選択するだけで、誰でも簡単にデザイン性の高いネットショップを作成することができます。また、ネットショップ運営の課題となっていた決済機能の導入に係る時間を短縮する仕組みとして、BASE独自の決済システム「BASEかんたん決済」を提供し、ネットショップの開設から決済機能の導入までをワンストップで提供することで、これまでネットショップの作成時間、運営費用、Web技術等様々な理由で、ネットショップを始めることが困難だった方でも、手軽にネットショップの開設・運営を始めることができる仕組みを構築しております。
 ショッピングサービス「Pay ID」はBASEで作られたショップでのお買いものを、楽しむためのショッピングサービスです。ショッピングアプリとクイックでスムーズな決済機能を提供しています。
 

なお、「BASE」及び「Pay ID」の主な特徴は、以下のとおりであると考えております。

 

A) 全てのショップに最適な料金体系

ネットショップの初期導入費用及び月額運営費用が無料の月額無料プランでは、ネットショップの作成から運営まで無料でできるため、誰でもかんたんにネットショップの開設・運営を始めることができます。さらに、成長意欲が高く、売上規模が大きなショップは、サービス利用料を固定金額で支払う月額有料プランを利用することでランニングコストを抑制することが可能です。

なお、月額無料プランは「スタンダードプラン」、月額有料プランは「グロースプラン」として提供しております。

また、2025年7月にショッピングアプリ「Pay ID」を介しての販売に一律の手数料を新設しております。

 

 

 

月額無料プラン

月額有料プラン

Web

サービス

利用料

決済金額に対して3.0%

月額 19,980円

決済手数料(注1)

決済金額に対して3.6%~

+

1回あたり40円

決済金額に対して2.9%~

ショッピングアプリ「Pay ID」

サービス

利用料

決済金額に対して5.9%

決済手数料

決済金額に対して3.6%

+

1回あたり40円

 

(注1)Amazon Pay決済及びPayPal決済を利用された場合は、追加でシステム手数料相当額1%を受領しています。

(注2)ショップの売上代金を引き出す際に、別途引出申請手数料を受領しています。

 

B) 「BASEかんたん決済」

BASE独自の決済システム「BASEかんたん決済」は、あと払い(Pay ID)、クレジットカード決済、コンビニ決済・Pay-easy決済、キャリア決済、銀行振込決済、PayPay決済、Amazon Pay決済、PayPal決済の8つの決済方法を、最短翌営業日からという短い時間で、「BASE」により開設したネットショップに導入することができます。一般的に、ネットショップを始める際には、ネットショップの開設の他に決済機能の導入も併せて行う必要があり、ショップオーナーは、決済会社との間で、別途個別契約の締結や銀行口座の用意が必要など、ネットショップの運営開始までの間に煩雑な手続きを行わなければなりません。「BASE」を用いてネットショップ開設をしたショップオーナーは、これらの煩雑な手続きを行うことなく、「BASEかんたん決済」の利用申請を行うだけで、決済機能を導入することができます。なお、「BASEかんたん決済」は、エスクロー決済(注)であり、「BASE」を利用しているショップとそのショップで買い物をされる購入者とが安心して取引できるよう、BASEが仲介することで取引の安全性を確保しております。

(注) エスクロー決済とは、取引の安全性を確保するための仲介サービスです。

 

C) 誰でもかんたんに使える機能

「BASE」では、はじめての方でもかんたんに使えるシンプルな標準機能に加え、多様なニーズに合わせてショップをかんたんに拡充できる拡張機能「BASE Apps」等を提供しております。ネットショップ運営に必要な基本機能は、標準機能としてすべてのショップに対して提供しており、はじめてネットショップを作成される方でもかんたんに操作することができます。また、「BASE Apps」は「BASE」をより便利にご利用頂くための拡張機能であり、目的や必要に応じてネットショップの機能をかんたんに拡充できるシステムです。「BASE Apps」をご利用頂くことによって、ショップの成長に伴うニーズの多様化に対応することが可能になります。

 

D) ショッピングサービス「Pay ID」

ショッピングサービス「Pay ID」はBASEで作られたショップでのお買いものを、楽しむためのショッピングサービスです。ショッピングアプリとクイックでスムーズな決済機能を提供しています。

購入者は、ショッピングアプリ「Pay ID」を利用して、お気に入りのショップから新作入荷の通知やクーポン配布の通知の受け取りやお買いものの記録の一元管理などの、ショッピング体験のサポートを受けられます。また、「Pay ID」の決済機能では、登録した情報でクイックにワンクリック決済ができ、さらに、お買いものを翌月まとめてお支払い「Pay ID あと払い」が利用可能です。

ショップは、ショッピングサービス「Pay ID」を通じて、新規顧客の獲得が期待できます。また、商品の入荷などをお知らせすることで、自動でお客様に情報が届き、リピーターの強化を図ることが可能です。加えて、「Pay ID」の負担によるキャンペーンの実施及び「Pay ID」ポイントの提供を通じて売上の向上が期待できます。

 

 

「BASE」を利用しているショップオーナーの特徴は以下のとおりであります。なお、本特徴は、BASEが2025年10月に実施したアンケート調査に基づいております(有効回答数1,083ショップ)。

 

A) 少人数でのショップ運営
  ネットショップの運営人数は、「1名」が77.4%、「2名~4名」は21.9%であり、全体の9割以上が4名以下の少人数でネットショップを運営しております。
 

B) 個人でのショップ運営
  個人と法人の利用割合では、個人でネットショップを運営しているショップオーナーが71.5%、法人が28.5%であります。この結果について、BASEでは、法人はもちろんのこと、初期費用や月額費用が無料であり、商品が売れない時期からコストが先行するリスクなくネットショップ運営に挑戦できる環境が、個人やスモールチームの利用しやすさに繋がっていると考えております。

 

C)  オリジナル商品の販売が多い
 「BASE」で販売されている商品のうち、オリジナル商品を展開しているショップは79.8%であり、大半のショップがショップ独自の商品を販売しております。
 

<BASE事業のビジネスの流れ>

① ネットショップを作成しようとする個人・事業者は、「BASE」を使用してネットショップを作成します。

② 購入者(「BASE」を使用するショップで商品を購入する者)は、顧客(ショップ)が出品する商品の購入決済を行います。決済が行われると、業務提携先の決済代行会社を経由して決済情報が「BASE」に送信されます。ショップは「BASE」を通じて「購入情報」を受領します。

③ 決済代行会社は、購入者から代金を回収し、決済手数料控除後、回収した代金をBASEへ支払います。

④ BASEは、決済手数料及びサービス利用料控除後の代金をショップへ支払います。(注)

(注)月額有料プランの場合は決済手数料のみを控除し、サービス利用料月額19,980円は別途顧客(ショップ)に請求いたします。

 

<事業系統図(BASE事業)>


 

 

(2)  PAY.JP事業

 「PAY.JP」は、開発者がスムーズに決済を組み込むことができる決済APIです。シンプルなAPIと豊富なライブラリで、Webサービスやモバイルアプリにかんたんに決済を導入することができ、オンライン決済を展開するスタートアップをはじめとする加盟店に提供しております。

なお、「PAY.JP」の主な特徴は、以下のとおりであります。

A) 業界最低水準の手数料

決済手段別の料金体系は、以下のとおりであります。

 

決済手段

プラン / 商材

決済手数料

月額費用

クレジットカード決済 / Apple Pay

スタンダードプラン(注)1

3.3%

0円

ビジネスプラン(注)2

2.78%

20,000円

エンタープライズプラン(注)3

2.59%又は2.7%

50,000円

PayPay決済(注)4

物販・サービス

3.5%

0円

デジタルコンテンツ

9.0%

0円

 

(注) 1.「スタンダードプラン」とは、月間流通総額400万円未満の加盟店向けのプランです。

2.「ビジネスプラン」とは、月間流通総額が400万円以上2,000万円未満の加盟店向けのプランです。

3.「エンタープライズプラン」とは、月間流通総額が2,000万円以上の加盟店向けのプランです。

4.PayPayの決済手数料にプランはございません。手数料は別途消費税がかかります

5. 決済手数料はクレジットカード会社により異なります。

 

B) サポート満足度

2024年1月から2025年3月に「PAY.JP」を導入した加盟店に対する自社アンケート調査に基づく調査結果により、サポート満足度94.7%を獲得しております。

 

C) 安心なセキュリティ

 「PAY.JP」は、国際基準のPCI-DSS Version4.0の準拠及びEMV 3Dセキュアに対応しており、加盟店はカード番号に一切触れることなく、国際基準に準拠したセキュリティで保護されたクレジットカード決済を導入することができます。

 

<「PAY.JP」サービスのビジネスの流れ>

① 顧客(加盟店)がオンライン決済システムとして「PAY.JP」を導入します。
② 「PAY.JP」が導入されているECサイトで商品を購入する者が、クレジットカードを使用して決済を行います。決済が行われると、業務提携先の決済代行会社を経由して決済情報が「PAY.JP」に送信されます。加盟店は「PAY.JP」を通じて「購入情報」を受領します。
③ 決済代行会社は、購入者から代金を回収し、決済手数料控除後、回収した代金をPAY株式会社へ支払います。
④ PAY株式会社は、決済手数料控除後の代金を加盟店へ支払います。

 

<事業系統図(「PAY.JP」)>

 


 

 

(3) YELL BANK事業

「BASE」を利用するショップオーナーから将来発生する債権を買い取ることにより事業資金を提供する、資金調達サービス「YELL BANK」等のサービスを展開しております。

「YELL BANK」は、「BASE」のショップデータを活用することで、「BASE」のショップの将来の売上を予測し、当該予測に基づき将来債権を買い取ることによりショップオーナーに事業資金を提供する資金調達サービスであり、「BASE」のショップのさらなる成長をサポートいたします。

また、「YELL BANK」を「PAY.JP」の加盟店向けに横展開した「PAY.JP YELLBANK」も提供しております。これにより、より幅広いマーチャントの資金調達のサポートが可能になっております。

「YELL BANK」の主な特徴は以下の通りであります。

 

A) 必要な金額がすぐに調達できる

「YELL BANK」が「BASE」のショップの将来債権を割り引いて購入することで、マーチャントは必要な事業資金をすぐに調達することができます。手数料率(サービス利用料)は1%から20%となります。

 

B) 支払いは商品が売れた時だけ

「YELL BANK」への支払いは、資金調達後、商品が売れた時だけ、支払率(将来債権のうちBASEに譲渡した債権の割合)に応じて行われます。「YELL BANK」が買い取った将来債権が万一発生しない場合や、債権が発生したにもかかわらず回収できない場合、そのリスクを「YELL BANK」が負担するため、マーチャントは当該リスク無く「YELL BANK」を利用できます。
 

C) ショップ運営データによる将来債権の予測

「YELL BANK」は、「BASE」のショップの過去の運営データを活用して将来債権額を予測し、利用可能な条件を満たしたマーチャントに対し本サービスを提供いたします。このため、既存の金融機関を利用できずにチャレンジに足踏みをしていたマーチャントも、資金調達のチャンスを得ることが可能になります。

 

なお、マーチャントとは、「BASE」を利用するショップと「PAY.JP」を利用する加盟店の総称です。

 


(注)上図はBASEショップに提供する「YELL BANK」の概要です

 

(4) want.jp事業

日本のEC運営者による世界中のローカルな販売網へのアクセスを容易にする越境ECサービスを提供しております。データに基づくグローバルサプライチェーンを構築し、独自のプライシング機能やロジスティクス機能を提供することで、海外向け販売を強化したい日本のEC運営者をサポートしています。また、BASEが提供する越境EC機能「かんたん海外販売」の配送や決済を担うことで、「BASE」の利用ショップが簡単に商品を海外に販売できる環境を提供しています。

 

(5) Eストアーショップサーブ事業

「Eストアーショップサーブ」は、EC専業25年超のノウハウに基づく高機能なECサイト構築システムに加え、専任担当者が開店から日々の運営、販促までをサポートする「伴走型」のサービスを提供しています。システム提供にとどまらず、集客やCRM(顧客関係管理)などのマーケティング支援も行うことで、EC事業の更なる成長やブランド確立を目指す事業者のニーズに応え、売上の拡大と事業の持続的な成長を強力に支援しております。

なお、グループGMVの拡大を目的として、2025年7月に「Eストアーショップサーブ」を運営する株式会社Eストアーを子会社化しております。

 


有価証券報告書(2023年12月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてBASEグループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 会社の経営方針

 BASEグループは引き続き「Payment to the People, Power to the People.」のミッションのもと、個人及びスモールチーム、スタートアップ企業をエンパワーメントすることは変わらず、すべての人が活躍できる社会基盤を提供してまいります。

 

(2) 経営戦略等

 BASEグループは、対象顧客の拡大及びグループ独自の付加価値を向上させることにより、グループの価値創造の最大化を図ってまいります。

 この価値創造を推進していくにあたり、中長期の経営方針として、既存プロダクトの成長戦略と、二つのグループ横断の拡大戦略を策定いたしました。

 既存プロダクトの成長戦略といたしましては、既存プロダクトの付加価値向上とそれに伴うプライシングの適正化に加え、マーケティング施策の改善等を通じ、既存プロダクト強化によるGMV成長と収益性向上を両立してまいります。

 グループ横断の拡大戦略の一つ目といたしましては、「BASE」のショップを対象に提供していた既存プロダクトの「PAY.JP」の加盟店への横展開等により、既存プロダクト間でのシナジーを創出し、成長を加速させていきます。二つ目といたしましては、対象顧客の拡大及び既存プロダクトの付加価値向上等を目的としたM&A及び提携等により、グループ全体の非連続な成長を目指してまいります。


 

 

<既存プロダクトの成長戦略>

① BASE事業が提供する「BASE」

 これまで通り、個人やスモールチームのエンパワーメントに注力する方針に変更はありません。

 その上で、既存プロダクトの成長戦略にのっとり、プロダクトの付加価値向上とそれに伴う料金体系の適正化に加え、マーケティング施策の改善に継続的に取組むことにより、引き続きGMV成長とテイクレート向上の両立に注力します。

 

A) プロダクトの付加価値向上

販路拡大やマーケティング支援等、ショップの売上成長をより直接的にサポートする拡張機能を提供してまいります。具体的には、越境ECや、リスクなく広告出稿が可能な機能に加え、商品を「作る」ことが得意なショップと「売る」ことが得意なショップをマッチングさせる機能等を予定しています。

 

B) 料金体系の適正化

2024年1月には月額有料プラン(グロースプラン)の月額費用を値上げすることに加え、一部の拡張機能を有料にてご提供することや、国内のストアフロント事業者として唯一保有している購入者アセット「Pay ID」の収益化等にも取り組み、料金体系を適正化してまいります。

 

C) マーケティング施策の改善

成長性と収益性を考慮した規律ある投資方針を維持し、幅広い売上規模のショップに対象を拡大することを目的としたリブランディング及びマーケティング施策を、引き続き実施してまいります。

 

② PAY.JP事業が提供する「PAY.JP」

 これまで通り、開発者が使いやすい競争力のあるプロダクトを追求し、プロダクトの付加価値向上を図ると同時に、料金体系の適正化や原価率の改善に加え、セールス&マーケティング等の強化により、引き続き力強いGMV成長と売上総利益率向上の両立に注力いたします。

 

A) プロダクトの付加価値向上

開発者が使いやすいプロダクトの追求の一環として、管理画面等の改善に取り組むほか、営業代理店制度である「PAY.JPパートナー」やマーケットプレイスを運営する事業者向けの「PAY.JP Platform」の拡充等、既存の決済領域の課題解決に取り組んでまいります。

 

B) 料金体系及び原価率の改善

プロダクト強化による付加価値の向上に伴い料金体系の最適化を図ると同時に、GMV成長に伴うプラットフォームの拡大を踏まえ、原価率の改善にも取り組んでまいります。

 

C) セールス&マーケティング等の強化

これまでは自然流入及び「PAY.JP パートナー」の営業代理店制度による新規加盟店獲得により大きな成長を実現してきましたが、今後はその他の新規加盟店獲得経路の強化も目指します。また、現在も高い継続率を維持していますが、引き続き既存加盟店の継続利用を促すことを目的に、大型加盟店を中心に関係構築に努めます。

 

③ BASE事業が提供する「Pay ID」

「Pay ID」は、ID決済の提供により、購入者のショッピング体験をサポートするショッピングサービスで、登録者数は2023年12月現在、1,300万人を突破しております。今後は、BASEグループのショップ及び加盟店と、購入者双方に対するサービス及び機能の拡充により、「Pay ID」の収益化を目指してまいります。

 

A) ID決済機能の強化

ID決済機能には、2023年4月から提供を開始したBNPL「あと払い(Pay ID)」に加え、「BASE」で開設された全てのショップで利用可能なID決済機能等がございます。「あと払い(Pay ID)」でのお支払いをより柔軟にすることに加え、独自の自社決済ネットワークの構築に向け、将来的な収益性改善を見据えたスキームの検討を進めてまいります。

 

B) ショッピングアプリ機能の強化

ショッピングアプリ機能には、お気に入りのショップの新商品や入荷情報をプッシュ通知で受け取ることができるフォロー機能に加え、ショップの検索やレコメンド機能等がございます。購入者に対するレコメンド機能等を改善することで、新たなショップとの出会いを創出することに加え、「BASE」のショップがアプリを活用してマーケティングやCRM等を強化できるよう拡充し、アプリ経由のGMV成長及びアプリの収益化を目指してまいります。

 

④ その他事業が提供する「YELL BANK」

資金調達サービス「YELL BANK」は、BASEがショップの売上実績をもとに将来の売上を予測し、将来の売上債権を買い取ることで資金提供するサービスです。ショップは、商品が売れたときに支払い率に応じた売上金額を自動的にBASEに支払います。

このように、「BASE」のショップのキャッシュフローを早期化することにより、成長を支援してきた「YELL BANK」等の金融領域は、「YELL BANK」での資金調達金額や手数料の支払い方法等をより柔軟にすることで、更なる付加価値向上を図ってまいります。

 

<グループ横断の拡大戦略>

① 既存プロダクト間のシナジー創出による成長加速

従来「BASE」のショップを対象に提供してきた既存プロダクトを、「PAY.JP」の加盟店に横展開すること等により、既存プロダクト間でのシナジー創出による成長加速を目指します。なお、「BASE」と「PAY.JP」では、売上規模や運営体制等の加盟店属性が大きく異なっているため、慎重な検証を経て本リリースをする予定です。

 

② M&A及び提携等によるグループ全体の非連続な成長

個人やスモールチームのエンパワーメントに寄与する取組みであることを前提に、対象顧客の拡大及び新旧顧客双方を対象とした提供価値の拡大を目的としたM&A及び提携等により、グループ全体の非連続な成長を目指してまいります。

2023年12月期には、CEO直下の経営戦略室とCFOを中心に、機動的な実行体制を構築いたしました。

 

 

 

(3) 目標とする経営指標

BASEグループでは、売上総利益(売上高から流通総額に応じて決済会社へ支払う決済手数料を控除した金額)の成長を重視した経営を行っております。

BASEグループの主な収益は、BASE事業においては、BASEショップの流通総額に対して発生する決済手数料及びサービス利用料であり、PAY.JP事業においては、PAY.JP加盟店の流通総額に対して発生する決済手数料であります。そのため収益の源泉である流通総額の最大化と、さらに提供するサービスの高付加価値化及び売上原価の低減により実現される売上総利益の最大化を目指しております。

 

(4) 経営環境

国内の電子商取引(BtoC-EC)市場は、ネット上での販売商品の多様化、市場参加者の増加、物流事業者による配達時間の大幅な短縮化、スマートフォンの普及、SNSによる情報流通量の増加等を背景に引き続き順調な市場拡大が見込まれております。経済産業省発表の「令和4年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、BtoC-ECの市場規模は2022年時点で約22.5兆円(物販系約13.9兆円、サービス系約6.1兆円、デジタル系約2.5兆円)となっております。BASE設立の2012年の市場規模は約9.5兆円であり、2012年からの10年間で市場規模は2倍を超え大きく成長しております。

また、昨今のSNSの普及により、購入者はネットショップで何らかの商品・サービスを購入する際に、その商品・サービスの販売者と直接交流をして商品・サービスの情報を取得したうえで、商品・サービスの「ユニークさ」や、ショップの世界観や販売者のパーソナリティに価値を見出して、購入するようになってきており、今後もSNSを活用した個人やスモールチームによる情報発信と個人同士のダイレクトな交流による商品販売の流れがさらに強まるものと考えております。

BASEの「BASE」におきましても、オリジナル商品を販売するネットショップやブランド独自の世界観を有するネットショップに多数ご利用していただいており、今後想定されうる購入者の志向の変化にもタイムリーに対応可能であると考えております。

また、現在、電子決済普及拡大への取り組みは官民で非常に活発化しており、電子決済やキャッシュレス市場にとっては追い風が吹いている状況とも考えております。

2022年12月期においては、リオープニングに伴うオフライン消費の回復により、国内のオンライン消費がBASEの想定以上に減速し、短期的には「BASE」にとって逆風の事業環境となっておりましたが、2023年12月期からは回復基調にあります。BASEグループでは、こうした事業環境の変化にも機動的に対応し、現在の入手可能な情報に基づき最善の経営戦略を立案することで、企業価値の最大化に努めております。

 

(5) 対処すべき課題

上記の経営環境の下、BASEグループが対処すべき主な課題として考える事項は以下のとおりであります。

① サステナブルな社会の実現

BASEグループは「Payment to the People, Power to the People.」をミッションとして掲げ、インターネットテクノロジーによって、多くの方が必要としながらもまだ享受できずにいる決済や金融領域へのアクセシビリティを高め、これにより個人やスモールチームをエンパワーメントすることで、すべての人が活躍できる社会の実現を目指して企業活動を行っております。BASEグループは、1日も早いミッションの実現を目指して、社会に開かれた決済・金融を提供するプラットフォーマーとしての責任と役割に向き合い、サステナブルな社会を実現するためにグループ全体を通じてESGに関する取組みを推進することが重要な課題であると考えております。

そのために、サステナビリティ委員会を設置し、当該委員会においてサステナビリティに関する事項の審議、推進施策の遂行状況のモニタリングを行い、定期的に取締役会に報告することで、ESGに関する取組みを推進する体制を確保しており、当連結会計年度はPRIDE指標2023におけるゴールド認定取得やTCFD提言に基づく情報開示等、D&Iや気候変動関連の取組みを実施いたしました。
 今後も、2022年に特定した重点課題であるマテリアリティに関する取組みを中心に、ESGに関する取組みを推進してまいります。なお、特定したマテリアリティは以下の通りです。

 


② 開発力・技術力の強化

BASEグループの事業はインターネット業界と深くかかわっており、競争力のあるプロダクトをEC市場へ提供していくためには、その情報技術やサービスをタイムリーに採用し、常に新しいプロダクトを創造し続けていくことが重要な課題であると考えております。
 そのために、EC環境の変化やBASEグループのサービス利用者の要望を効率よく吸収し、質の高いプロダクトを提供してまいります。

 

③ 人材の育成

BASEグループは、持続的な成長や事業価値の向上を実現していく上で、人材は最も重要な経営資源であると考えております。

従業員が自身の仕事やキャリアに主体性を持ち、挑戦し続けることを支援することが従業員の育成のために重要であると考え、教育体制や人事制度の整備を行っております。具体的には、社内公募制度の設置、各種研修の実施、D&I推進による多様性と公平性のある環境の整備等、人材育成や自律的なキャリア構築支援のための取組みを実施しております。

 

④ 内部管理体制の強化

BASEグループは今後もより一層の事業拡大を目指しており、社会的責任を果たし、持続的な成長と企業価値の向上を図るために、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。

そのため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、リスクマネジメント及びコンプライアンス委員会を設置の上、業務運営上のリスクの把握及び管理の実施、役職員に対する定期的な研修等による啓蒙活動の実施、定期的な内部監査の実施等によるコンプライアンス体制の強化、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を図っております。

 

⑤ サービスの安全性・健全性の確保

BASEグループは、取引の場や決済サービスを提供する事業者として、あらゆるステークホルダーが安心して取引を行うことができるよう、サービスの安全性・健全性を確保することが重要な課題であると考えております。
 そのため、BASE事業においては、365日対応の専門部署を設置することはもちろん、BASEが保有する取引データの機械学習の活用等による分析やクレジットカード会社の不正配送先データベースの活用、3Dセキュアの導入等による不正決済や不適切な商品の販売を検知・防止、ネットショップ運営者に対するログイン認証方法の強化等を実施しており、また、PAY.JP事業においては、クレジット業界におけるグローバルセキュリティ基準であるPCI DSSに完全準拠した運用でクレジットカード情報を管理することで、サービスの安全性・健全性の確保を図っております。

 

⑥ 2025年12月期通期黒字化に向けた財務体質の改善

当連結会計年度においては、サステナブルな事業運営を可能にするため、収益性の改善に注力した経営を行ってまいりました。
 今後につきましても、規律ある投資方針のもと売上総利益を更に増加させ、2025年12月期通期黒字化を達成し、グループ全体の価値創造の最大化を目指してまいります。

 

⑦ 情報管理体制の強化

BASEグループが提供するサービスにおいては、サービス利用者の個人情報をはじめとした様々な情報を預かっており、これらの情報を適切に管理するための体制強化が重要な課題であると考えております。
 そのため、情報セキュリティ基本規程等の社内規程を制定し、これらに基づいて情報の適切な管理を徹底しております。
 また、情報セキュリティ専門部署の設置や、全社員向けの情報セキュリティ研修実施による情報セキュリティ対策の強化を図ることはもちろん、情報セキュリティ委員会を定期開催して情報セキュリティ上のリスクの洗い出し及び議論を実施しております。
 今後も、グループ全体の教育・研修の実施やシステムの強化・整備を推進し、情報管理体制を強化してまいります。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

BASEグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については積極的に開示することとしております。BASEグループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、BASE株式に関する投資判断は、本項及び本書中の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてBASEグループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境について

① 電子商取引(BtoC-EC)市場及びオンライン決済サービス市場について

経済産業省発表の「令和4年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、BtoC-ECの市場規模は2022年時点で約22.5兆円(物販系約13.9兆円、サービス系約6.1兆円、デジタル系約2.5兆円)となっております。BASE設立の2012年の市場規模は約9.5兆円であり、2012年からの10年間で市場規模は2倍を超え大きく成長しております。

また、株式会社野村総合研究所発表の「2026年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望」によると、電子マネーや各種カードにより支払いをキャッシュレスで行うスマートペイメント(企業と個人間での商取引における電子的な決済手段)の市場の取扱高は2026年において147.8兆円に達する見通しです。

しかしながら、契約当事者の顔が見えず相手方の特定や責任追及が困難なこと等から悪質商法が行われやすい環境であり、電子商取引やオンライン決済サービスをめぐる新たな法的規制や個人消費の減退等により電子商取引やオンライン決済サービス自体が消費者に受け入れられない場合、電子商取引やオンライン決済サービスの普及の低迷や電子商取引やオンライン決済サービス市場の停滞が懸念されます。この場合、電子商取引やオンライン決済サービス市場規模と密接な関係にあるBASEグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、リオープニングに伴うオフライン消費の回復が、国内のオンライン消費にマイナスの影響を与える状況が、政府の政策等によりBASEグループの想定を超えて継続する可能性や、想定よりも大きな影響を与える可能性があります。

 

② 競合について

BASEグループの事業が属する電子商取引市場においては、ネットショップ作成サービスやショッピングアプリの開発・提供、及び決済代行サービス等のいずれの分野でも現在複数の競合会社が存在しており、相互に競争関係にあり、機能競争、価格競争が活発化しております。BASEグループは引き続き、創業以来培ってきたノウハウを活かし、サービスの機能強化等に取り組んでいくほか、大手企業にはないサービスの開発に注力することで、差別化を図ってまいります。

しかしながら、BASEグループと同様のサービスを提供する事業者の参入増加や、資本力、ブランド力、技術力を持つ大手企業の参入、競合他社の価格競争力、サービス開発力、又は全く新しいビジネスモデルや技術によるサービスを提供する事業者の参入等により、BASEグループのサービス内容や価格等に優位性がなくなった場合、BASEグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

同様に、オンライン決済サービス市場においても、複数の競合他社が存在しております。BASEグループでは引き続き一歩先を行くスピーディーな事業展開と、プロダクト開発体制の強化を進めていくことで、他者との差別化を図ってまいります。

しかしながら、今後競合他社がBASEグループのサービスを模倣・追随し、これまでのBASEグループの特徴が標準的なものとなり差別化が難しくなること、これまでにない全く新しい技術を活用した画期的なサービス展開をする競合他社が出現することなどの事態が生じた場合には、BASEグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 技術革新への対応について

インターネット・情報セキュリティの技術革新は著しく、EC市場においても決済手段の多様化やスマートフォン利用の拡大等常に進化しております。BASEグループでは、安心で便利なEC環境を創造するため、より堅牢なセキュリティの整ったサービスの追求・新たなサービスの開発を行い、競争力を維持するため技術革新への対応を進めております。

しかしながら、今後BASEグループが新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合、BASEグループのショップオーナーや購入者に対するサービスが陳腐化し、その結果競合他社に対する競争力が低下する恐れがあり、そのような場合にはBASEグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 法的規制について

BASEグループが運営する「BASE」、「Pay ID」、「PAY.JP」及び「YELL BANK」では、加盟店及び購入者の決済を円滑化するサービス、加盟店のキャッシュ・フロー改善に資する早期入金サービス、将来債権の買い取りによる資金調達サービス等を提供しており、これらのサービスは「個人情報の保護に関する法律」、「割賦販売法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「資金決済に関する法律」等の適用を受けております。

BASEグループでは、社内の管理体制の構築等によりこれらの法令を遵守する体制を整備するとともに、BASEグループのサービスを利用するショップに対しても、これらの法令遵守を促すよう利用規約に明記しております。また、規制当局の動向及び既存の法規制の改正動向等を踏まえ、適切に対応しておりますが、かかる動向を全て正確に把握することは困難な場合もあり、BASEグループがこれに適時適切に対応できない場合や、BASEグループが事業を展開するEC業界やオンライン決済サービス業界に関する規制等の新たな制定又は改定が行われた場合には、BASEグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 自然災害等について

地震・雷・台風・津波・悪天候その他の自然災害、長時間の停電、火災、疫病・感染症の蔓延、放射能汚染、その他の予期せぬ自然災害が発生した場合、BASEグループの事業の運営又は継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、感染症が拡大した場合、BASEグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、政変、戦争、テロリズム、クーデター、外国軍隊からの一方的な攻撃又は占領、政府等によるBASEグループ設備の接収、第三者によるBASEグループ設備の不法占拠その他の事故によっても、BASEグループの事業の運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。BASEグループでは、あらゆる事態を想定して事業継続のための計画策定等を進めておりますが、これらのリスクの発現による人的、物的損害が甚大な場合はBASEグループの事業の継続自体が不可能となる可能性があります。

BASEグループでは、あらゆる事態を想定して事業継続計画(BCP)の策定を行い、危機対策事務局にて、平時から非常事態の発生を想定した安否確認訓練や自衛消防隊訓練を定期的に実施して非常時における各部署の役割と連絡体制が正しくスムーズに機能しているかを確認しており、必要に応じて随時見直しをしておりますが、これらのリスクの発現による人的、物的損害が甚大な場合はBASEグループの事業の継続自体が不可能となる可能性があります。

 

⑥ 物価高騰

ウクライナ情勢の長期化、円安等に起因して物価が上昇しており、家計に与える影響が危惧される状況となっております。物価高騰により急激に消費行動が変化した場合、BASEグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業活動について

① サービスの健全性維持について

BASEグループの運営するサービスにおいては、ショップオーナーや購入者等のサービス利用者による法令により禁止されている物品の取引、詐欺等の違法行為、他人の所有権、知的財産権、プライバシー権等の権利侵害行為、法令や公序良俗に反するコンテンツの設置その他不適切な行為が行われる危険性が存在しております。かかる事態が生じることを防止すべく、BASEグループのカスタマーサポートが随時、利用状況の監視や、利用規約に基づく警告・違法情報の削除等を行っております。

しかしながら、万が一、かかる事態が生じることを事前に防止することができなかった場合には、BASEグループの運営するサービスの信用及びブランドイメージが低下し、ユーザー離脱等が発生する可能性があります。また、問題となる行為を行った当事者だけでなく、BASEグループにおいても取引の場を提供する者として責任追及がなされるおそれがあり、BASEグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 不正利用に関するリスクについて

BASEグループは、加盟店に対して簡単にクレジットカード決済を導入できる決済手段を提供しております。BASEグループでは、ショップオーナーの債務不履行、購入者が第三者のクレジットカードを不正に利用する不正決済を防止するために、365日対応の社内の担当部署により取引状況の監視を行うとともに、システムによる不正決済の検知を行っております。

また、BASEグループでは、クレジットカード情報や住所等の購入者情報等を登録することで、都度クレジットカード番号や住所を登録することなく、IDとパスワードでログインするだけでスムーズに決済を行うことができる購入者向けショッピングサービス「Pay ID」を提供しております。「Pay ID」にログインする際に二段階認証を要求する等の対応を行うことにより、第三者による不正ログインや、それに伴う不正決済が行われることを防止しております。

しかしながら、万が一、これらの事態を事前に防止できなかった場合、クレジットカード売上の取消しによる決済代行会社への売上金の返金、被害者からBASEグループへの損害賠償請求、BASEグループの信用の下落等による損害が発生し、業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

③ 情報セキュリティについて

BASEグループは、第三者によるBASEグループのサーバー等への侵入に対して、ファイヤーウォール等の情報システム対策を施すほか、専門のチームを設置することにより組織的な情報セキュリティ強化を推進しております。

しかしながら、悪意をもった第三者の攻撃等により顧客情報及び顧客の有する重要な情報を不正に入手されるといった機密性が脅かされる可能性、顧客サイトの改ざん等のデータの完全性が脅かされる可能性、及びいわゆるサービス不能攻撃によってサービス自体が提供できなくなる等のシステム障害の可能性があります。このような事態が生じた場合、BASEグループに対する法的責任の追及、企業イメージの悪化等により、BASEグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 情報システムのトラブルについて

BASEグループの事業は、24時間365日安定したサービスを提供する必要があります。そして、BASEグループのサービスを構成しているプログラム及び情報システムは、通信ネットワークに依存しております。そのため、BASEグループでは、サービスの情報システムの監視体制やバックアップ等の対応策をとっております。

しかしながら、災害や事故等の発生により通信ネットワークが切断された場合、急激なアクセス数の増大によりサービス提供のためのサーバーが一時的に作動不能になった場合、又はサーバーハードウェアに不具合が発生した場合には、安定したサービス提供ができなくなる可能性があります。この場合、BASEグループの顧客への代金支払等に直接的な障害が生じる可能性があることから、信用低下や企業イメージの悪化等により、BASEグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 個人情報やクレジットカード情報の管理に係るリスクについて

BASEグループは、事業を通じて取得した個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の規定に則って作成したプライバシーポリシーに沿って個人情報を管理し、その遵守に努めております。また、BASEではショップが購入者から取得した個人情報について委託を受けて管理しており、ショップによる個人情報流出を防止するため、管理画面へのログインについて2段階認証を導入しています。PAY株式会社はクレジットカード情報を保有しているため、JCB・American Express・Discover・MasterCard・VISAの国際クレジットカードブランド5社が共同で策定した、クレジット業界におけるグローバルセキュリティ基準であるPCI DSS Version4.0に完全準拠した運用でクレジットカード情報を管理しております。なお、BASEではクレジットカード情報を保有していないものの、必要に応じてPCI DSS Version4.0に準拠しております。

しかしながら、不測の事態により個人情報が漏洩した場合や個人情報の収集過程で問題が生じた場合、クレジットカード情報が漏洩した場合には、BASEグループへの損害賠償請求やBASEグループの信用の下落等による損害が発生し、業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 知的財産権について

BASEグループは、BASEグループのサービスに関する知的財産権の取得に努め、BASEグループが使用する商標、技術等についての知的財産権による保護を図っております。また、インターネットビジネス業界における技術革新、知的財産権ビジネスの拡大等に伴い、知的財産権の社内管理体制を強化しております。

しかしながら、契約条件の解釈の齟齬、BASEグループが認識し得ない知的財産権の成立等により、BASEグループが第三者から知的財産権侵害の訴訟、使用差止請求等を受けた場合、解決まで多額の費用と時間がかかることにより、BASEグループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 新規サービスや新規事業について

BASEグループでは、今後の更なる事業拡大と収益源の多様化を図るため、引き続き、積極的に新サービスや新規事業に取り組んでいく考えであります。これにより人材、情報システム投資や広告宣伝費等の追加投資が発生し、損益が悪化する可能性があります。また、新サービスや新規事業を開始した際には、その新たなサービス固有のリスクが加わり、当初想定とは異なる状況が発生することにより当初の計画通りに進まない場合、BASEグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 特定の業務提携先への依存について

BASEグループが提供しております、クレジットカード決済を主とする決済代行サービスやオンライン決済サービスは、特定の業務提携先との契約によるものであります。これら業務提携先からの、手数料引き上げ要求、契約打ち切り、取引内容変更等が発生した場合、BASEグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、業務提携先が受領したネットショップ売上金のBASEグループへの入金が、何らかの理由で不能又は遅延した場合、BASEグループのキャッシュ・フロー及び業績に支障をきたす可能性があります。

 

⑨ 継続的な投資及び赤字計上について

BASEグループが提供するサービスは、ものづくりを行う個人やビジネスを展開する法人等のためのネットショップの開設・運営の支援やオンライン決済サービス等の提供による決済プラットフォームの構築支援であります。BASEグループのビジネスモデルは、これらサービスの認知度向上や顧客拡大のための投資を積極的に行い、当該プラットフォーム上での流通量の拡大に伴う収益の増加により、投資回収を図る形態のため、BASEグループのサービスを拡大していくための開発人員の採用や広告宣伝活動等の先行投資が発生いたします。また、継続的な事業成長のためには、機能性や信頼性の面でより優れた決済プラットフォーム基盤の構築や更なる認知度の向上及び顧客拡大に取り組んでいかなければならないと考えております。

 

BASEでは設立以来、これらの取り組みを積極的に進め、開発人員を中心とした優秀な人材の採用、TVCMやインターネット広告等による認知度向上や顧客獲得のためのマーケティング活動等の継続的な投資を行ってきたこともあり、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が顕著であった第8期を除き、経営成績は営業赤字を継続しております。また、BASEの営業活動によるキャッシュ・フローは、顧客店舗等からの営業未払金及び営業預り金の増減による影響が大きく、当該営業未払金及び営業預り金を除くと営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスが継続している状況であります。

BASEグループの各サービスは成長途上にあり、更なる企業価値の向上に向けて、販売費及び一般管理費の抑制に努め、筋肉質な財務体質への転換を図る方針であります

(注) プロモーション費は、広告宣伝費と販売促進費を合計したものであります。

 

 

(第10期連結会計年度)

                                          (単位:百万円)

 

第1四半期

連結会計期間

(自 2022年1月1日

至 2022年3月31日)

第2四半期

連結会計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年6月30日)

第3四半期

連結会計期間

(自 2022年7月1日

至 2022年9月30日)

第4四半期

連結会計期間

(自 2022年10月1日

至 2022年12月31日)

連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

売上高

2,512

2,294

2,292

2,639

9,739

うちBASE事業

2,052

1,784

1,693

1,963

7,494

うちPAY,JP事業

439

482

563

618

2,103

うちその他事業

20

28

35

57

141

売上総利益

1,382

1,124

1,030

1,200

4,737

うちBASE事業

1,323

1,054

943

1,083

4,405

うちPAY.JP事業

44

49

58

66

219

うちその他事業

14

20

27

50

112

販売費及び

一般管理費

1,654

1,721

1,327

1,541

6,245

うちプロモー

ション費

581

565

236

288

1,671

うち人件費

456

511

540

553

2,062

営業損益(△は

損失)

△272

△597

△297

△340

△1,508

 

 

(第11期連結会計年度)

                                          (単位:百万円)

 

第1四半期

連結会計期間

(自 2023年1月1日

至 2023年3月31日)

第2四半期

連結会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年6月30日)

第3四半期

連結会計期間

(自 2023年7月1日

至 2023年9月30日)

第4四半期

連結会計期間

(自 2023年10月1日

至 2023年12月31日)

連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

売上高

2,518

2,841

2,976

3,343

11,680

うちBASE事業

1,757

1,930

1,897

2,179

7,765

うちPAY.JP事業

701

848

996

1,061

3,606

うちその他事業

59

63

82

103

308

売上総利益

1,065

1,248

1,256

1,462

5,033

うちBASE事業

950

1,114

1,101

1,267

4,434

うちPAY.JP事業

63

79

80

100

324

うちその他事業

51

54

74

94

274

販売費及び

一般管理費

1,335

1,265

1,390

1,466

5,458

うちプロモー

ション費

153

122

225

196

697

うち人件費

561

581

591

593

2,327

営業損益(△は

損失)

△271

△15

△133

△4

△425

 

 

 

今後も、「Payment to the People,Power to the People.」というミッションを実現させるため、これまで以上に優秀な人材の採用・育成を行うとともに、知名度と信頼度の向上のための広報・PR活動、顧客獲得のためのマーケティング活動等を効率的に行っていくことで、収益力の更なる強化を図ることと併せて、営業黒字化への早期達成に向けた取り組みを行っていく方針であります。

しかしながら、想定通りに事業展開が進まず、先行投資を上回る収益が十分に創出できない場合や、環境の変化や競合他社の状況を踏まえて当初の想定以上に多額のマーケティング費用や開発費用の投入が必要となった場合は、BASEグループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業運営体制に関するリスクについて

① 特定人物への依存について

BASE代表取締役CEOである鶴岡裕太は、創業者であり、創業以来代表を務めております。同氏は、EC及びオンライン決済サービスに関する豊富な知識と経験を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。

BASEグループは、取締役会における役員の情報共有や経営組織の強化を図り、また、執行役員制度を導入することにより、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏がBASEグループの業務を継続することが困難となった場合は、BASEグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 人材に関するリスクについて

BASEグループは、今後の成長戦略上必要なプロダクト開発計画の達成のため、従業員の育成、人材の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合は、BASEグループの事業展開に影響を与える可能性があります。

 

③ 内部管理体制について

BASEは、2012年12月に設立し、未だ成長途上にあるため、今後更なる事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。

しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、今後の事業運営又は事業拡大に支障をきたし、BASEグループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(4) その他

① 税務上の繰越欠損金について

第11期連結会計年度末時点において、税務上の繰越欠損金が存在しております。BASEグループの業績が事業計画に比して順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、BASEグループの業績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

② 配当政策について

BASEグループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。

しかしながら、現在は成長途上にあると認識しており、内部留保の充実を図り、収益力強化や事業基盤整備のための投資に充当することにより、なお一層の事業拡大を目指すことが、将来において安定的かつ継続的な利益還元に繋がるとの考えから、創業以来配当を行っておりません。

将来的には各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案したうえで株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。

 

 

③ 新株予約権の行使及び株式の追加発行等による株式価値の希薄化について

BASEグループでは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、BASEグループの役員及び従業員等に対して新株予約権(インセンティブを目的とした新株予約権(ストック・オプション)を含む)及び譲渡制限付株式を付与しております。また、今後においてもBASEグループ役員及び従業員の士気向上や優秀な人材の確保を図るため、ストック・オプションの発行や譲渡制限付株式の発行を実施する可能性があります

2023年12月末日現在において、これらの新株予約権による潜在株式数は2,126,000株であり、発行済株式総数(自己株式を除く)115,177,929株の1.8%に相当します。

今後、これら新株予約権が行使された場合や、譲渡制限付株式を発行した場合には、将来的に既存株主が保有する株式価値の希薄化や需給関係に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 気候変動について

気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、BASEグループの気候変動への対応や開示が不十分と評価された場合には、信用及びブランドイメージの低下により事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合には、コストの増加により、BASEグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを踏まえ、BASEグループでは2023年3月にTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による提言への賛同を表明、同年10月にはTCFD提言にある「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の開示推奨項目を特定済みであり、弊社ホームページ上にTCFD提言に基づく情報開示を実施しております。

引き続き、気候変動が事業にもたらすリスクや機会についての分析と対応を強化し、情報開示を進めてまいります。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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