コマースOneホールディングスグループ(コマースOneホールディングス及びコマースOneホールディングスの関係会社)は、コマースOneホールディングスが持株会社として連結事業子会社である株式会社フューチャーショップ、株式会社ソフテル、株式会社TradeSafe、株式会社空色、株式会社既読の5社を統括しております。各連結事業子会社は、ECサイト運営を支援するサービスを主にSaaS(注1)型で提供するECプラットフォーム事業を国内中堅・中小規模のECサイト運営企業向けに展開しております。なお、コマースOneホールディングスの連結子会社でありましたSAMURAI TECHNOLOGY株式会社は2025年1月1日をもって株式会社ソフテルが吸収合併いたしました。
なお、コマースOneホールディングスは特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
コマースOneホールディングスの連結事業子会社の各事業概要は、以下のとおりであります。なお、コマースOneホールディングスグループの事業は上述のとおりECプラットフォーム事業の単一セグメントとなっております。
コマースOneホールディングスグループにおけるECプラットフォーム事業の定義及び各連結事業子会社の事業内容は以下のとおりです。
コマースOneホールディングスグループの変遷と「ECプラットフォーム事業」について
コマースOneホールディングスは、2006年8月にECサイトの信頼性を一定のガイドラインに則って審査・確認・認証する「トラストマーク」の付与を行う会社として設立されました。その後、EC事業運営者にとってワンストップであらゆるサービス提供が可能なインフラ提供会社となるべく、2010年3月にカートASP・ECサイト構築支援ソフト提供会社である株式会社フューチャーショップを子会社として設立し、2011年9月にはECサイト運営事業者の複数店舗管理や受注処理、在庫管理システムを開発・提供する株式会社ソフテルを子会社化しました。これにより、ECサイトのフロント機能であるサイトインターフェースの構築、バックヤードである受注処理・在庫管理システムと複数店舗管理、及び運営サイトの信頼性第三者認証のそれぞれをワンストップでの提供が可能となりました。なお、2017年9月に株式会社Tradesafeを新設分割で子会社化し、コマースOneホールディングスは各連結事業子会社の管理を行う純粋持株会社に移行しております。2022年度にはSAMURAI TECHNOLOGY株式会社(2025年1月に株式会社ソフテルと合併)及び株式会社空色を子会社化しており、当連結会計年度には株式会社既読を子会社化し、株式会社ソフテルがSAMURAI TECHNOLOGY株式会社を吸収合併しました。
各連結事業子会社の運営する事業は、ECサイト運営支援という観点で密接に繋がっており、また、一部各社で類似したサービスも提供しているという背景から、コマースOneホールディングスグループの運営する事業はECサイト運営事業者に必要なサービスをワンストップで提供する「ECプラットフォーム事業」の単一セグメントとしております。
①株式会社フューチャーショップ
株式会社フューチャーショップでは、中小・中堅企業を中心としたECサイト運営事業者向けにSaaS型でECサイト構築プラットフォーム「futureshop」の提供を行っており、2025年3月末現在、2,790以上の店舗での利用実績があります。当サービスは、多様化する消費者嗜好をとらえたECサイト構築を可能とした最低月額24,000円(2024年6月価格改定)から固定料金で利用できるSaaS型プラットフォームであります。ノンカスタマイズ型のサービスでありながらECサイトの要素一つ一つを「パーツ」単位に分割し各パーツを組み合わせた表現を可能にし、デザインの独自性、更新性を高めました。加えて導入後に、コンバージョン率(注3)やリピート率を高めるためカスタマーサポートを通じたサイト改善提案を実施することで、ECサイトの流通額拡大に寄与しております。なお、カスタマーサポートについては、自社運営のEC店舗をサポートしてきたノウハウが長年蓄積されており、経験豊富なECアドバイザーがEC運営事業者の抱えるデザインリニューアル、プロモーション、サイト運営などの悩み、問題の解決に向けてサポートしております。加えて、サポートからのフィードバックをもとにした年複数回のバージョンアップやサービス導入後の契約店舗向けの無料の勉強会、セミナーを実施し、導入店舗様の売上拡大に寄与しております。
2018年9月にリリースした新CMS機能である「commerce creator」はECサイトを構成する要素をより細かい「パーツ」に分割し、パーツをドラッグ&ドロップすることでサイト構築に繋がる等のレイアウト機能により自由に配置変更を行うことができます。そのため一般的なSaaS型のECサイトとは異なり、定型的なサイト構築ではなく、導入企業の独自デザインでのサイトカスタマイズが可能な面で他社サービスとの差別化を図っており、より自由度の高いサイト構築の実現に寄与しております。なお、同社は「futureshop」及び「commerce creator」に加えて、導入企業の持つリアル店舗での在庫表示機能及び店舗間ポイント連携機能を持つ「futureshop omni-channel」などの豊富なオプション機能をそれぞれ提供しております。
②株式会社ソフテル
EC用の多店舗の受注在庫などを一元管理できるパッケージソフトウェア「通販する蔵」を中心に、「出店する蔵」「レジする蔵」「ロジする蔵」といったECサイト・POS・物流管理の各システム連携を備えたカスタマイズを、サーバー内に契約顧客専用のアクセス先を設定するプライベートクラウド型での提供を行っております。通常のバックヤードシステムでは事業運営者の既存システムとの連携が必要となるため、オープンクラウド(注4)型のSaaS型では必要に応じて自社システムの入替や改修を要することがあります。一方で顧客の自社サーバー内にシステムを組み入れるオンプレミス(注5)型での開発の場合は、ソフトウェアから開発するため一般的に相当なコストが必要となります。その点、当サービスではプライベートクラウド型での提供とすることで、既存システムとの連動性の観点から初期的なカスタマイズは必要であるものの、SaaS型での提供であるためシステム利用時の負荷低減を実現しております。そのため同社の主な収益計上は、初期導入に係るカスタマイズ料と導入後の保守・運用並びに改修に伴う収入となります。なお、コマースOneホールディングスの連結子会社でありましたSAMURAI TECHNOLOGY株式会社は2025年1月1日をもって株式会社ソフテルに吸収合併されており、これによりエンジニアリソースの拡充され、多様化し大型化する開発案件に必要な開発人員の確保と品質の担保が可能となり、お客様の課題を解決し、効率性向上をサポート、更なる良質なサービスを提供することが可能となります。
③株式会社TradeSafe
トラストマークの認証業務の他、ECサイト構築における助言を行っております。なお株式会社TradeSafeは国際提携であるWorld Trustmark Allianceに加盟し、1999年のOECDのガイドラインに沿った「トラストマーク運営事業者のためのガイドライン」をもとに加盟企業共通審査を行っております。ECサイトの法令順守状況、運営事業者の実在性、サイト運営のクオリティ等を総合的に検証の上認証を付与しております。
また、2013年12月より自社開発のEC受注状況分析ツール「ECnote」をリリースして販売を開始いたしました。コマースOneホールディングスグループの株式会社ソフテルをはじめ複数のECバックヤード管理システム供給業者により取り扱われております。
④株式会社空色
2023年3月に既存株主からの取得及び新株引受により子会社となりました。株式会社空色はWEB接客ソリューションの開発・運営を通じて、AI技術と人の持つ感性を掛け合わせることでコミュニケーションの可能性を最大化し、今までにない新しい購買体験の実現を支援しております。コマースOneホールディングスグループにおいてAIによるWEB接客ソリューションの運営で培った自然言語処理技術を活かし、変化する消費者の購買行動を捉えたEC事業者様へのマーケティングコミュニケーション支援をより進化・加速いたします。
⑤株式会社既読
2024年11月に新株引受により子会社となりました。株式会社既読は「人の感情」を起点に「マーケティング×クリエイティビティ」で事業やサービスの価値を最大化する事業を行っております。AI技術と人の持つ感情を掛け合わせることでクリエイティブの可能性を最大化し、今までにない、新しい画像や動画の製作を支援しています。コマースOneホールディングスグループにおいてAIによる画像作成ソリューションの運営で培った技術を活かし、変化する消費者の購買行動を捉えてEC事業者様へのクリエイティブやマーケティング支援をより進化・加速いたします。
主なサービスの料金体系について
(株式会社フューチャーショップ)
2025年3月31日現在
futureshopの料金体系は、導入時の初期費用と利用期間に継続して支払われる基本料金(月契約)から構成されており、登録可能商品数に応じて初期費用及び基本料金が異なっております。登録可能商品数とは、futureshopのサイト内で登録できる商品数であります。なお、2024年6月1日より、各プランの基本料金体系を価格改定しております。
(株式会社ソフテル)
2025年3月31日現在
パッケージソフトウェア(主に通販する蔵)の料金体系は、初期導入に係るカスタマイズ料と導入後の保守・運用並びに改修に伴う収入から構成されており、平均受注数、出店モール・カートに応じて初期費用及び月額保守金額が異なっております。
(株式会社TradeSafe)
(ⅰ)トラストマーク
トラストマークの料金体系は、登録料と月額使用料から構成されており、本店サイトについては、月間店舗売り上げに応じて月額利用料が異なっております。
なお、本店サイトにおいての月間店舗売り上げと月額利用料の関係は以下の通りとなっております。
(ⅱ)ECnote
ECnoteの料金体系は、初期費用と月額利用料から構成されており、月額利用料については、店舗数に応じて月額利用料が異なっております。
なお、店舗数と月額利用料の関係は以下の通りとなっております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
(注) 1.SaaSとは、Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)の略称であり、利用者がソフトウェアを自身の利用端末等に直接インストールして利用するのではなく、提供元にて稼働されているソフトウェアをインターネット経由で利用するものをいいます。
2.インターフェースとは、界面や接触面、中間面などといった意味を持ち、転じてコンピューターと周辺機器を接続するための規格や仕様、またはユーザーがコンピューターなどを利用するための操作方法や概念のことをいいます。
3.コンバージョン率とは、ECサイトや企業ウェブサイトなどで、総閲覧者数に対する、商品購入・会員登録・資料請求などの収益に結びついた人数の割合をいいます。ウェブ広告やサイト運営の費用対効果を見積る上での指標となるものです。
4.オープンクラウドとは、オープンソースのクラウド基盤ソフトウェアを活用することにより、当該サービスの提供元といった特定のベンダーに限らず、協業でクラウドサービスを提供・利用する形態のことをいいます。
5.オンプレミスとは、ハードウェアやソフトウェアなどの情報システムを、利用者自身が用意して利用・運用する形態のことをいいます。
1)経営方針
コマースOneホールディングスグループはテクノロジーを活用する人の力を最大化させるコマースプラットフォームであることをミッションに掲げ、「成長志向の国内中堅・中小ECサイト運営企業様の成長を支援すること」と「信頼に基づく安心の環境づくり」を事業内容とし、社会の持続的発展を支えるECインフラの創出を実現させることを経営目標としてまいります。
今後もより幅広い顧客ニーズにこたえられるように、提供サービスの機能向上に努めてまいります。
2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
コマースOneホールディングスグループにおいては、主要な事業子会社である株式会社フューチャーショップ及び株式会社ソフテルの2社について、株式会社フューチャーショップにおいては提供サービスにおける流通取引総額(GMV:Gross Merchandise Value)及び1契約店舗あたりGMV、一方、株式会社ソフテルにおいては開発売上総額及び1社あたり開発売上高を経営上の重要な指標として考えております。足許の推移は以下の通りであります。
(注) 1.1契約店舗あたりGMVは、月次のGMVを契約店舗数で割ったものの年間合計になります。
2.開発売上総額とは「通販する蔵」の初期導入売上高及びカスタマイズ売上高の年間合計となります。1社あたり開発売上高は、開発売上総額を期間内で初期導入・カスタマイズを実施した顧客単位で割ったものになります。
3)経営環境
国内の電子商取引(BtoC-EC)市場は、新型コロナ感染症のまん延による外出制限等による消費行動の変化によるEC利用の増大やネット上での販売商品の多様化、市場参加者の増加、物流事業者による配達時間の大幅な短縮化、スマートフォンの普及、SNSによる情報流通量の増加等を背景に引き続き順調な市場拡大が見込まれております。経済産業省発表の「令和4年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、BtoC-ECの市場規模は2022年時点で約22.7兆円(物販系約13.9兆円、サービス系約6.1兆円、デジタル系約2.5兆円)となっております。今後も消費者の消費活動の変化や企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化への対応により企業のEC化へのニーズは継続的な拡大が期待できるものと考えております。
4)対処すべき課題
① 導入企業数の拡大
コマースOneホールディングスグループの目指すEC業界のビジネスインフラとしての地位確立のためには、業種・業態を問わず幅広いEC事業運営者にコマースOneホールディングスグループのサービスを導入してもらうことが必要であると考えております。そのためにも、中小事業者向けにシンプルかつ汎用性の高いサービス提供を行うことを基軸とし、顧客ニーズに応じた付加機能や新サービスを継続的に開発することで、新規導入数の増加及び継続率の向上に努めてまいる所存です。
② 顧客単価の向上
コマースOneホールディングスグループでは、幅広い企業でのサービス導入を図るべく、SaaS型とした上で中小事業者でも継続利用しやすい料金設計を心がけております。上述の通り契約店舗数、開発売上顧客数の拡大により収益の拡大を図ってまいる所存ですが、コマースOneホールディングスグループとしては既存顧客からの収益拡大を図ることも、継続的な事業成長を達成する上で必要な施策であると考えております。そのために、今後は「commerce creator」に代表される新商品の開発・改良のみならず、各ソリューション間でのクロスセルの実現や、開発自由度の高い自社開発オプションの提供並びにAPI(注)連携による有効な他社サービスの紹介による紹介料の獲得等により顧客単価の向上に努めてまいる所存です。
(注) APIとは、Application Programming Interfaceの略称であり、自己のソフトウェアやアプリケーションの一部を公開し、外部のソフトウェア、アプリケーションが連携できるようにするための規格や仕様のことをいいます。
③ 人材確保
コマースOneホールディングスグループの提供するサービスの差別化及び顧客数の増加のためには、エンジニアや営業人員等の優秀な人材の確保が必要であると考えております。しかしながら、足許では景気の向上や事業構造の変化に伴うインターネットセクターにおける開発人材へのニーズやマーケティング人材への需要の高まりもあり、優秀な人材の採用は激しい競争が生じております。コマースOneホールディングスグループは今後の収益拡大等による知名度及び財務基盤の向上を図ることで、新規採用における候補者への安心材料を提供し、人材採用の強化に努めたいと考えております。また、グループ内での研修も強化することで、必要な人材の育成も図ってまいる所存です。
④ グループ内のガバナンス・経営管理体制の強化
コマースOneホールディングスグループは、コマースOneホールディングス(現株式会社TradeSafeの分割前のコマースOneホールディングス)が株式会社フューチャーショップ及び株式会社ソフテルを子会社化し、現株式会社TradeSafeを新設分割により子会社化、加えて前連結会計年度にSAMURAI TECHNOLOGY株式会社及び株式会社空色を子会社化し現在の企業集団となっております。また、各社の本店所在地も東京、大阪、岐阜と離れております。こうした状況からコマースOneホールディングスグループといたしましては、各事業会社の事業運営における独立性は維持しつつも、経営管理を統括するコマースOneホールディングスを主体として、グループ内のガバナンス強化や各事業会社への経営監視を十分に行うことで、株主価値向上を目的としたグループ一丸となった経営戦略の遂行に努める方針です。
⑤ グループ間シナジーの追求
コマースOneホールディングスグループは前述の経緯より、各事業子会社が独立した事業運営を行っておりましたので、顧客ターゲットは中小企業のEC事業運営者と同一であるものの、グループ内での顧客紹介等コマースOneホールディングスグループの収益向上に向けたグループとしての取組が不十分であったと認識しております。足許では、グループ戦略の共有化を図るため定期的な経営会議の開催やグループ内での開発リソースの提供、各社顧客へのグループとしてのソリューション提案の実施を開始しており、今後もグループ商材のクロスセルを中心としたシナジーの追求に努めてまいる所存です。
⑥ コンプライアンス体制の強化
コマースOneホールディングスグループでは、コマースOneホールディングスを中心としてコマースOneホールディングスグループにおけるコンプライアンス上の課題や懸念事項の洗い出しを実施し、対策を検討するコンプライアンス委員会を随時開催しております。当該委員会には、各事業子会社の代表取締役も出席し、必要に応じて外部専門家や各社の事業担当者も参加することで、実効性のある会議体とすることを心がけております。今後も当該委員会の開催を継続し、コマースOneホールディングスグループとしてのコンプライアンス事案について十分な検討を行うことで、コマースOneホールディングス株主価値向上へ貢献したいと考えております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてコマースOneホールディングスグループが判断したものであります。
①国内EC市場の動向について
コマースOneホールディングスグループの事業は、国内のECサイト事業運営のための各種ソリューションの提供となっております。国内EC市場は前述のとおり拡大が見込まれておりますが、国内経済環境、特に消費者の消費動向というマクロ経済環境によって業況が左右される市場であると認識しております。従いまして、今後国内経済環境の悪化等に伴い国内EC市場の成長率が鈍化した場合、又は成長が停滞した場合には、コマースOneホールディングスグループの顧客であるEC事業運営者の業況悪化を通じてコマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②EC市場特有のマーケットリスクについて
EC市場はインターネット環境の進化、スマートフォンやタブレット端末等のデジタルデバイスの発達により今後も更なる拡大が期待されるマーケットであると想定しております。しかしながら、今後新たな法規制の導入によるEC事業運営者の撤退又は拡大スピードの鈍化や、通信・ロジスティクスコストの増大によるEC事業運営者やEC利用者にとってのコスト増加等が発生する場合は、コマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③インターネットインフラへの依存
コマースOneホールディングスグループの各事業はSaaS形式での提供となっているため、インターネットを経由したシステムの利用が前提となっております。サービスの継続稼働のためセキュリティ対策、バックアップ対策、自然災害等を想定したデータセンターでのシステム運用を行っておりますが、不正手段によるコマースOneホールディングスシステムへの侵入、想定を上回るサービスへのアクセスに伴うシステム障害、自然災害及び火災、事故、停電等の予期せぬ事象の発生に起因するサーバーダウンによるサービス停止の場合にはコマースOneホールディングスの社会的信用やブランドイメージの低下、損害賠償金の支払等によりコマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④競合について
コマースOneホールディングスグループの提供するECサイト運営のための各種ソリューションについては、機能や価格に差はあるものの、同種のサービスが複数のシステムインテグレーターやSaaS運営会社により提供されております。他社の提供サービスの中には、よりシンプルなサービス提供とする一方で導入費用や定額利用料のかからないサービスも存在しており、サービス間での競争は高まっているといえます。コマースOneホールディングスとしては利用企業及びユーザーである一般消費者双方にとっての使いやすさを追求した機能向上を図ると共に、グループ各社提供サービスのクロスセルも活かすことで競合他社との差別化を図ってまいる所存です。
しかしながら、今後競合他社がコマースOneホールディングスグループのサービスを模倣・追随し、これまでのコマースOneホールディングスグループの特徴が標準的なものとなり差別化が難しくなるような場合には、コマースOneホールディングスグループの競争優位性が低下すると共に、コマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤技術革新について
コマースOneホールディングスグループの事業の前提となるインターネット及びECについては、利用媒体の変容や取扱いデータ量の拡大等日々技術革新が進んでいる業界であると考えております。足許では、ChatGTPを代表とした生成AIの技術革新が進み、EC分野においても業務効率化目的での利用が期待されております。コマースOneホールディングスグループといたしましては、こうした顧客ニーズを踏まえてこうした技術革新に対応するため様々なバージョンアップや新サービスの開発を進めてまいる所存ですが、今後新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合は、コマースOneホールディングスグループの提供するサービスの陳腐化により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥コンプライアンスについて
コマースOneホールディングスグループの各事業においては、コマースOneホールディングスグループが直接的に規制を受けるものは無いと認識しておりますが、利用顧客側で「個人情報の保護に関する法律」「不当景品類及び不当表示防止法」「特定商取引に関する法律」等による法的規制を受けております。加えて、当業界は比較的新しい産業分野ともいえるため、今後の法規制の強化によりコマースOneホールディングスグループ自体が何らかの規制対象となる可能性も否定できません。また、コマースOneホールディングスグループの提供サービスについては顧客ニーズの変化やインターネット業界の技術革新により日々内容が進歩しており、適宜適切な機能拡張・改修が必要となっており、当該変更に伴って他社の知的財産を侵害する恐れや反対に他社がコマースOneホールディングスの知的財産を侵害する可能性も否定できません。
コマースOneホールディングスグループでは、グループ全体としてコンプライアンスに厳格に対処すべく、必要に応じて社外専門家も交えてグループ横断でのコンプライアンス委員会の開催を行い各社の留意事項の洗い出しや対応策の検討等を行っております。しかしながら、今後の法規制等の動向全てを正確に把握できず適時適切に対応できない場合や、契約条件の解釈の齟齬、コマースOneホールディングスグループが認識し得ない知的財産権の成立等により、コマースOneホールディングスグループが第三者から知的財産権侵害の訴訟、使用差止請求等を受ける等、解決まで多額の費用と時間がかかることとなった場合には、コマースOneホールディングスグループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑦サービスの健全性維持について
コマースOneホールディングスグループの提供サービスはあくまでEC事業運営者のECサイト構築・運営をサポートするツールの提供となっております。従いまして、EC事業運営者独自の判断によって、違法性のある商品の取引や詐欺等の違法行為が発生する危険性を有しております。
コマースOneホールディングスグループといたしましては、契約締結時点及び毎期の取引先調査による確認を実施すると共に、各種サービス利用規約にて違法性のある商材・取引の禁止を明記し、違法性が発覚した場合はサービス利用を停止する等の措置を取ることで、サービスの健全性の維持に努めております。しかしながらこうした対応が適時適切に取られない場合や、コマースOneホールディングスグループによるEC事業運営者の調査が十分機能しない場合には、EC事業運営者の違法性が露見し、コマースOneホールディングスグループ提供サービスへのレピュテーションが悪化すると共に、コマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧自然災害等について
地震、台風、津波、長時間の停電、火災、疫病の蔓延、その他の予期せぬ災害又はテロ、戦争等の紛争が発生した場合、コマースOneホールディングスグループの事業の運営又は継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。コマースOneホールディングスグループでは、複数サーバーやバックアップ体制等、事業継続のために必要な対策を取っておりますが、リスクの発現による人的、物的損害が甚大な場合はコマースOneホールディングスグループの事業継続そのものが困難となる可能性があります。このような場合には、コマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルスに代表される感染症・伝染病の流行等によって、拡散脅威や外出禁止令による経済活動の停滞や、国内消費量が減退する可能性があります。そのような環境の中でも、コマースOneホールディングスグループが属するEC業界では、在宅での消費活動や在宅勤務によるいわゆる「巣ごもり消費」が活況となることで継続的な需要が期待できるものと考えております。コマースOneホールディングスグループといたしましては、特に営業活動についてはオンラインでの顧客面談やセミナー開催等により、新規顧客獲得に向けた取り組みを進めてまいる所存です。しかしながら、感染症の流行が長期化することで、コマースOneホールディングスグループの顧客であるEC事業運営者が保有する実店舗での業績悪化が拡大することで解約やEC事業運営者の流通額の減少が進んだり、直接顧客訪問ができないことで新規営業活動が想定通りに進まなくなったりするリスクがあると考えております。これらのリスクが顕在化することで既存取引先の減少や新規取引先の獲得ができない場合は、コマースOneホールディングスグループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑨ソフトウェアの資産計上について
コマースOneホールディングスグループでは、以下の2つの観点からソフトウェア開発等に係る金額を資産計上しております。それぞれにかかるリスク認識は以下のとおりです。
(ⅰ)株式会社フューチャーショップにおけるソフトウェア資産の計上について
コマースOneホールディングス子会社である株式会社フューチャーショップは2018年9月に新商品である「commerce creator」をリリースいたしました。それ以前の開発では、開発に要した費用の金額的重要性並びに開発ソフトウェアでの収益性が見込めない等の理由から、資産計上は行っておりませんでしたが、本開発及びその後の新機能の改良・強化につきましては、ソフトウェア資産を計上しております。今後につきましても、新たな機能の改良・強化が生じた場合にはソフトウェア資産を計上する可能性があります。ソフトウェア資産を計上した場合、毎期定額償却されますが、技術の陳腐化やサービスの販売鈍化が生じた場合は資産計上額について減損を認識する可能性があります。現時点ではそのような兆候は確認しておりませんが、今後減損が生じる場合は、コマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅱ)株式会社ソフテルにおける棚卸資産の計上について
コマースOneホールディングス子会社である株式会社ソフテルの主力サービスである「通販する蔵」及び周辺サービスは、パッケージ化されたアプリケーションを、顧客の既存システムやニーズに合わせてカスタマイズすることで導入時にカスタマイズフィーを得ております。そのためカスタマイズにかかる経費については個別原価計算を実施し、一部、仕掛品として棚卸資産に計上しております。当該金額については個別管理の中で採算性を適時確認すると共に、原則として前受金受領後の作業開始とすることで資金回収の確実性を高めております。しかしながら最近では顧客ニーズの多様化により受注後に工数が増加するケースもあり、受注後に当初要件定義以上の工数が発生し、尚且つ当該コストを販売価格に転嫁できないような場合には、個別案件についての赤字化が発生し、コマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩コマースOneホールディングスグループにおける売上高の計上方法について
コマースOneホールディングスグループの提供サービスに対する直接的な売上高は、個別契約あたりに取扱商材数等のプランに応じた定額収入を得るビジネスモデルとなっております。しかしながら、株式会社フューチャーショップにおいて提携パートナーから一部取引高に応じた手数料(紹介料)を売上高として計上しております(2024年3月期において503,694千円)。当該売上高の一部はコマースOneホールディングスが仲介する提携パートナーの料率によって変動するため、今後利用する提携パートナーが増加又は変更する場合や、当該提携パートナーでの料率変更が生じることにより、コマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、株式会社ソフテルの「通販する蔵」関連売上の主たるものについては、サービス導入時及び導入後の機能拡張に伴うカスタマイズフィーと、導入後の保守料で構成されており、2024年3月期の「通販する蔵」関連売上実績で前者46.6%(318,270千円)、後者53.4%(365,349千円)の比率となっております。カスタマイズフィーについては導入後にも発生するものもありますが、新規導入時のものもあり、今後新規顧客が継続的に獲得できない場合は、コマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
加えて株式会社ソフテルは、ソフトウェアのカスタマイズ(期間が短いものを除く)について、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法を適用しており、見積総開発時間に対する、当連結会計年度末までに発生した実際発生時間の割合により算出した進捗度を用いて、収益を認識しております。総開発時間の見積りは、プロジェクトが長期にわたることがあり、当初予見できなかった事象の発生等による作業工程の遅れなどにより、変動が生じる場合があり、進捗度が変動することにより、翌連結会計年度のコマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪訴訟等について
コマースOneホールディングスグループの事業運営において、システム障害、インターネットにおけるトラブル、個人情報を含む何らかの情報漏洩、知的財産権の侵害等を理由に他者からの訴訟や請求を受ける可能性は否定できないと考えております。
⑫代表取締役 岡本の役員兼務について
コマースOneホールディングス代表取締役である岡本は、コマースOneホールディングス株主である株式会社オプト(現株式会社デジタルホールディングス)に所属していたこともあり、2008年以降同社代表取締役鉢嶺氏より依頼を受けて、同氏の資産管理会社であるHMBC株式会社及びHIBC株式会社の代表取締役及び取締役に就任しており、また、岡本自身の資産管理会社の代表取締役の兼務がありますが、これらの役員兼務については、資産管理を目的とした会社における兼務であり、コマースOneホールディングスグループにおける岡本の職務執行に影響を及ぼすことはないと考えております。その他、過年度において、岡本の知人からの依頼により、ジャパンサイクル株式会社(以下、同社)の再建手続きに関与しております。岡本は、自身が出資及び代表者を務めるエコシステムホールディングス株式会社を通じた出資を行うとともに、2010年8月より更生管財人として、更生計画の策定及び更生計画の遂行に携わり、更生計画遂行後も、経営を安定させ事業を継続させるために、同社及び同社関係会社(以下、同社グループ)の代表取締役を含む取締役として経営を行ってまいりました。現在、同社グループの経営は安定しており、後任となる経営者も育ってきたことから、岡本の関与は、資金収支の確認、経営方針への助言等に限定されており、2019年12月には、エコシステムホールディングス株式会社を除く各社の代表取締役を退任し、非常勤の取締役となっております。岡本は、今後もコマースOneホールディングス代表取締役としての職務執行に支障のない範囲において同社グループにおける役員兼務を当分の間継続する予定でありますが、同社グループの経営に重大な問題が生じた場合には、岡本の意向に関わらず同社グループの対応に追われ、コマースOneホールディングスグループの業務執行に一時的に影響を及ぼす可能性があります。なお、更生計画を進めるに当たり、同社グループはコマースOneホールディングス株主であるAsian Asset Acquisition Pte. Ltd.及びHIBC株式会社からの投融資を受けております。
⑬人材の確保・育成について
コマースOneホールディングスグループは、今後も事業拡大を進めていくにあたり、営業も含めた優秀な人材を確保するとともに人材の育成が重要な課題であると認識しております。このため、コマースOneホールディングスグループは採用活動及び研修体制の充実等により人材流出の防止に努めております。しかしながら、必要とする人材の安定的な確保ができなかった場合は、コマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭保有株式の時価の変動について
コマースOneホールディングスグループでは事業運営上のシナジーを考慮し、Wistron Information Technology & Services Corp(以下、Wistron社)、株式会社エレクトラム及び株式会社ジグザグの株式をそれぞれ2024年3月末現在の帳簿価額で715,993千円(取得原価は169,429千円)、0千円(取得原価は10,000千円)、9,996千円(取得原価は9,996千円)保有しております。特にWistron社については台湾証券取引所に上場しており、当該株価の変動に伴い資産計上額及び純資産額が増減します。また、2024年3月末現在ではWistron社株式を1,045,353株保有し、23,068千円の受取配当金がありましたが、今後当該企業の収益悪化等により無配当となった場合、コマースOneホールディングスの収益に影響を及ぼす可能性があります。台湾証券取引所の株式市況や投資先の業績動向又は地政学的リスク等により株価又は実質価額が著しく下落する場合はコマースOneホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮コマースOneホールディングスの大株主について
コマースOneホールディングス株主のうち、第二位の大株主Asian Asset Acquisition Pte. Ltd.(以下、「同社」という)については、シンガポール所在の資産管理会社であり、コマースOneホールディングスへの投資目的は純投資となっております。コマースOneホールディングスは同社の承認を必要とする取引や業務は存在せず、事業における制約もなく、コマースOneホールディングスの経営方針及び事業戦略等の重要事項の意思決定において、コマースOneホールディングスは同社からの独立性・自立性は保たれているものと考えております。
しかしながら同社は投資会社ですので、将来においてコマースOneホールディングス株式の売却可能性は否定できず、保有比率の高さから、当該売却が生ずる場合は、コマースOneホールディングス株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
⑯中小事業者向けサービスであること
コマースOneホールディングスグループの販売チャネルは、潜在顧客も含めて自社でECサイトシステムを構築できる大手企業ではなく、カートASPで手軽にECサイトを開設したいというニーズ又は自社の実店舗のPOSシステムと連動する様にECアプリケーションをカスタマイズしたいというニーズを持った中小事業者が主体となります。コマースOneホールディングスグループの顧客基盤はすそ野が広く、中には規模が小さく信用力の乏しい顧客も存在いたします。コマースOneホールディングスグループのビジネスモデルは利用サービスが基本であり実体のある製品の受渡が行われません。しかしながら、基本利用料や保守メンテナンス料金は1社当たりは少額であるため、1社に大きな与信枠を付与することはほとんどありません。また、カスタマイズ等に関しても代金の一部を前受しており与信の担保としております。ただし、新たな法規制や経済環境の激変等によって大量の企業が破綻した場合にはコマースOneホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑰情報セキュリティについて
コマースOneホールディングスグループは、第三者によるコマースOneホールディングスグループのサーバー等への侵入に対して、ネットワーク監視システムなどファイヤーウォール等の情報システム対策を施すほか、なりすましによる不正アクセスなどを防止するため情報セキュリティ強化を推進しております。しかしながら、悪意をもった第三者の攻撃等により顧客及び購入者等の個人情報、その他の重要な情報を不正に入手される可能性は否定できません。このような事態が生じた場合には、コマースOneホールディングスグループへの法的責任の追及や企業イメージの悪化等により、コマースOneホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑱M&Aに関するリスク
コマースOneホールディングスグループでは、M&A(企業買収等)を重要な成長戦略のひとつとして位置づけ、積極的に推進しております。M&Aに関する基本方針を定め、それに基づき収益性や成長性に加え資本コストの観点も考慮した上で対象企業を審査しております。加えて、特に広告領域における垂直統合戦略に合致する等、既存事業とのシナジーが期待できる案件についてはM&Aを積極的に検討し、コマースOneホールディングスグループと対象企業の事業運営ノウハウ等を融合することによって、より大きなシナジーを生み出すことに取り組んでおります。しかしながら、当初見込んだ効果が発揮されない場合には、コマースOneホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、M&Aの対象企業の財務内容、契約関係等について詳細な事前審査を行い十分にリスクの検討をした上で決定しておりますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、事業の展開等が計画どおりに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じた場合等には、コマースOneホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
さらに、M&Aにより、コマースOneホールディングスグループが行っていなかった新たな事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わることとなります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー