武田薬品工業(4502)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


武田薬品工業(4502)の株価チャート 武田薬品工業(4502)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

 

武田薬品工業グループは連結財務諸表提出会社(「武田薬品工業」)と連結子会社(パートナーシップを含む)158社、持分法適用関連会社等15社を合わせた174社により構成されています。武田薬品工業グループは、幅広い医薬品のポートフォリオを有し、研究、開発、製造およびグローバルでの販売を行なっています。主要ビジネスエリアは、消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ワクチン、およびニューロサイエンス(神経精神疾患)の6つに分けられています。研究開発においては、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、およびオンコロジーの3つの重点疾患領域に取り組むとともに、血漿分画製剤にも注力しています。武田薬品工業グループは、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品工業グループは、患者さんやコミュニティに高品質の医薬品をできる限り早くお届けするために、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても、未だ有効な治療法が確立されていない疾患に対する高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)に集中して取り組んでいます。また、武田薬品工業グループは事業運営をより効果的かつ効率的に行うため、データ、デジタルおよびテクノロジーの活用を促進し、イノベーションの創出の増進およびステークホルダーへの価値提供に取り組んでいます。

当年度末における、武田薬品工業グループを構成している主要な会社の当該事業に係る位置付けの概要は次のとおりです。なお、武田薬品工業グループは、「医薬品事業」の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。

 

日本においては、武田薬品工業が研究開発、製造および販売を行っています。

日本を除くその他の地域においては、各国に展開している子会社・関連会社等が研究開発、製造および販売機能を担っています。これらのうち米国における主要な子会社は武田ファーマシューティカルズ U.S.A., Inc.、バクスアルタUS Inc.、米州武田開発センター Inc.等であり、欧州およびカナダにおいては、武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル AG、武田 GmbH等です。またその他の地域における主要な子会社は武田(中国)国際貿易有限公司、武田 Distribuidora Ltda.等であります。

 

 (注)関連会社等には、ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)を含んでおります。

 

以上で述べた事項の概要図は次のとおりであります。

 



有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

タケダの企業理念と「私たちの約束」

武田薬品工業の企業理念は、武田薬品工業が誰であるか、何を行うか、どのように行うか、なぜそれが重要なのかというタケダの豊かなストーリーを伝えています。武田薬品工業は、240年以上前の創業から現在に至るまで、社会にも役立つ誠実さで患者さんに貢献しています。

データ、デジタルおよびテクノロジー(DD&T)の力を活用し、「Patient」(すべての患者さんのために)、「People」(ともに働く仲間のために)、「Planet」(いのちを育む地球のために)に取り組む「私たちの約束」は、「私たちの価値観」(バリュー)に基づき、「私たちが目指す未来」(ビジョン)と「私たちの存在意義」(パーパス)を実現するために果たすべきことを示しています。

私たちの存在意義(パーパス)

「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」

私たちが目指す未来(ビジョン)

武田薬品工業のビジョンは、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために。私たちはこの約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続けること」です。

私たちの価値観(バリュー):タケダイズム

タケダイズムとは、まず誠実であること。それは公正・正直・不屈の精神で支えられた、武田薬品工業が大切にしている価値観です。武田薬品工業は、これを道しるべとしながら「1.患者さんに寄り添い(Patient)、2.人々と信頼関係を築き(Trust)、3.社会的評価を向上させ(Reputation)、4.事業を発展させる(Business)」を日々の行動指針とします。

私たちの約束(インペラティブ)

武田薬品工業には、患者さん、ともに働く仲間、そして地域社会に対して果たすべき責任があります。この「私たちの約束」は「私たちの存在意義」と「私たちが目指す未来」を実現するために欠かせない要素です。

すべての患者さんのために

・私たちは、倫理観をもってサイエンスの革新性を追求します。そして、人々の暮らしを豊かにする医薬品の創出に取り組みます。また、私たちの医薬品を、より多くの人々に迅速にお届けします。

ともに働く仲間のために

・私たちは、理想的な働き方を実現します。

いのちを育む地球のために

・私たちは、自然環境の保全に寄与します。

データとデジタルの力で、イノベーションを起こします

・データを活用して導き出された成果をもとに、もっとも信頼されるバイオ医薬品企業として、これからも変革し続けます。

武田薬品工業は、サイエンスに基づき、最も信頼されるデジタルバイオ医薬品企業として、変革し続けることを目指しています。武田薬品工業は、中核とする事業を通じて、患者さん、株主、社会に対して長期的な価値を提供するとともに、ともに働く仲間や地域コミュニティ、さらには地球に対して良い影響を与えることができるように努めています。

 

事業環境

武田薬品工業は、武田薬品工業のビジョンを実現するため、地政学的な不確実性、高騰するヘルスケアに対する支出、急速な技術革新といった課題を克服しなければならないと考えています。

 

世界経済の先行きは、ウクライナや中東における紛争や、中国と米国やヨーロッパ、その他諸外国との間の地政学的な緊張が続いており不透明さが残る中、リスクは一段と高まっていると考えています。武田薬品工業は、グローバル企業として、常に変化する経済環境とそれに伴うリスクに注意を払い、事業戦略を適応させる必要があります。

 

武田薬品工業を取り巻く事業環境は、各国政府のヘルスケア政策にも影響を受けます。近年においては医療イノベーションによる成果が現れてきているものの、高齢化や生活スタイルの変化、複合疾患に対するより高度で先進的な治療法の利用等によってヘルスケアに対する支出額は数十年間、先進国の国内総生産や国内総所得を上回る速度で増加してきました。このため、保険者は保険償還対象となる医薬品をより厳格に選定するようになりました。各国政府は後発品やバイオシミラーの使用を促進し、薬価引き下げの圧力を強めています。米国のインフレ抑制法の導入は、医療費の予測可能性の向上等、メディケア受給者に利点をもたらした一方、政府によるかつてない薬価設定制度の設立は、製薬企業による米国内における研究開発投資を減速させる可能性があります。さらに、医療アクセスの格差が拡大していることから、医療の公平性に対処するための医療アクセスの改善や政策の必要性が高まっています。武田薬品工業は、現在主流の「出来高払いの診療報酬モデル」から、成果に基づく支払と品質の確保を目指す「価値に基づく保険医療モデル」への移行により、保険給付対象の拡大と公平性を改善しながらも、医療費の増加ペースを抑えることができると考えています。

 

武田薬品工業はまた、急速な技術革新も事業計画に戦略的に取り入れる必要があると考えています。世界の製薬産業におけるイノベーションのスピードは、がん免疫療法、細胞療法、遺伝子治療等の医療技術によって加速し続けており、最近の人工知能(AI)の急速な普及によってさらに促進されています。疾患や治療の管理を行うためのAIを活用したイノベーションの開発は非常に大きな可能性を有しており、製薬産業に革新をもたらすと考えています。

 

このような課題やその他さまざまな要因が事業環境に影響を与える状況において、武田薬品工業の患者さんへのコミットメントと、患者さんをサポートするための取り組みは、これまで以上に重要になっています。

 

Patient(すべての患者さんのために)

武田薬品工業は、人生を変え得る科学の力を追求し、希少疾患とより有病率が高い疾患の両方における最も高いアンメット・メディカル・ニーズに対して集中的に取り組んでいます。武田薬品工業の研究開発プログラムは、ヒトにおけるバリデーションがなされたターゲットに基づき、多様なモダリティ(創薬手法)を網羅するものです。武田薬品工業は、パイプラインの開発加速から、製造工程における品質と効率性の向上、医療従事者や患者さんの対応に至るまで、DD&Tを幅広く活用しています。

 

武田薬品工業は、患者さんをサポートするため、事業活動にAIを活用する取り組みを増やしています。例としては、マサチューセッツ工科大学との共同プロジェクトにおいて、ファブリー病などの希少疾患の診断を加速するためにAIを活用する取り組みがあります。また、AIプラットフォームを使用した医師との関わり方の個別化、臨床試験を多様化しデータ収集を改善することなどもあります。武田薬品工業は、AIに係る将来の規制環境を予測しながら、倫理的な方法で使用することにも意識を向けています。武田薬品工業は、患者さんが疾患や治療を管理するためのAIを活用したイノベーションには非常に大きな可能性があると考えています。

 

2023年度には、転移性大腸がん治療剤のFRUZAQLA、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)治療剤のアジンマ、および好酸球性食道炎治療剤のEOHILIAの3つの新規化合物を含め、9つの承認を米国食品医薬品局(FDA)から取得しました。主要な研究開発活動の内容および進捗の詳細については、「6 研究開発活動」をご参照ください。

 

タケダの成長製品・新製品は引き続き好調に推移しています。武田薬品工業の売上トップ製品であるENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病の維持療法に使用する皮下注射製剤を米国において上市し、患者さんに治療の柔軟性や選択肢を提供することができるようになりました。

 

また、デング熱ワクチンQDENGAのグローバル展開にも注力しています。QDENGAは1年以上前に最初に上市されてから、本ワクチンの需要が最も高い多くの流行国を含め、世界20カ国以上で接種できるようになりました。2023年には、デング熱の症例が世界的に急増し、これまで影響を受けていなかった地域にも広がりました。武田薬品工業は現在、生産拡大とともに、デング熱感染率の上昇に対抗するためQDENGAを必要とする世界中のコミュニティと連携することに取り組んでいます。

 

武田薬品工業は、2030年までに年間1億回接種分のQDENGAの供給目標を達成するため、インドのBiological E社と提携契約を締結しました。同社は、年間最大5,000万回接種分を製造する予定です。本契約は、ドイツのジンゲンにある武田薬品工業の工場とIDT Biologika GmbH社との長期提携による既存のワクチン製造能力に加えての提携になります。

 

People(ともに働く仲間のために)

武田薬品工業は、科学技術がどれほど進歩しても、意義のある変革をもたらすことができるのは「人」の力であることを認識しています。武田薬品工業は、多様性、公平性、包括性(DE&I)に係る取り組みを通じてインクルーシブな職場環境を整備し、生涯学習と人材育成やキャリアアップを推進し価値に基づく企業文化を醸成し、従業員の心身の健康維持(ウェルビーイング)を優先することで、患者さんやコミュニティに人生を変え得る医薬品やワクチンをお届けすることを目指しています。

 

武田薬品工業には、80を超える国と地域でさまざまな経歴や経験を持つ人々が集まっています。武田薬品工業では、多様性を受け入れるとともに、患者さんや従業員に公平な機会を提供できるよう努めています。武田薬品工業は、DE&Iへの投資を拡大しており、グローバルDE&Iカウンシルにおいては、戦略的な方向性の策定、関係構築、グローバル規模での健康格差や不平等に対処するための取り組み支援に重点を置いています。

 

生涯学習やキャリアアップは従業員のやる気や専門性を高め、新しい発想につながり、結果的に患者さんへの価値創造につながります。武田薬品工業は、従業員のスキルアップやケイパビリティを開発し、持続的な成長に向けて、機動的で柔軟な組織を構築しています。武田薬品工業のAIを活用した新たなプラットフォームであるCareer Navigatorは、従業員が個人の能力の最高に到達できるよう、個人の経験や能力にあった社内ポジションを提案し、メンター制度や学習の機会を提供しています。さらに武田薬品工業では、現在の製薬業界に影響をもたらしている急速な技術発展を活用するとともに、ヘルスケアの未来に貢献できる従業員のデジタルスキルの強化に努めています。

 

武田薬品工業は、職場環境を改善する取り組みの一環として、武田薬品工業オフィスを従業員のウェルビーイングと学びを中心とした「タケダ・コミュニティスペース」に変革しました。これらの空間は対面での交流を最大化するために設計されており、持続可能な環境において人々が集中し、協力し、より密接につながることができるものとなっています。また、武田薬品工業は行動保健プラットフォームであるThriveと提携し、従業員の全体的なウェルビーイングの改善、精神的回復力の構築、生産性の向上を支援しています。これらは、ウェルビーイングを促進し業績を向上させ、柔軟性を受け入れて定期的な対面での交流の価値を重視することにつながるなど、従業員の理想的な働き方の実現を支援する取り組みです。

 

Planet(いのちを育む地球のために)

気候変動が及ぼす現実的な課題は、今やすべてのビジネスの意思決定プロセスにおいて考慮しなければならない事項になっています。公衆衛生は気候変動が及ぼす影響と密接に関連しており、気温の上昇に伴い広がる感染症や影響を受ける地域の患者さんの医療アクセスに関連する課題が生じます。

 

武田薬品工業は、気候変動や環境汚染が人々の健康に影響を及ぼすことを認識しており、環境課題に対する高い意識を持って積極的に取り組んでいます。「私たちの存在意義」(パーパス)を実現するためには、人々の健康には健全な地球環境が必要であり、人々の健康に貢献するだけでは充分ではないと考えています。武田薬品工業では、環境負荷を低減するためにクリーンエネルギーを優先的に使用するだけでなく、ネットゼロの達成およびバリューチェーン全体で温室効果ガス排出を無くすべく取り組んでいます。武田薬品工業は、2022年度まで、カーボンニュートラルを維持してきましたが、2024年度からは気候変動対策の指標としてのカーボンニュートラルからの転換を行い、ネットゼロのロードマップを進めるための取り組みにリソースを集中させるとともに、バリューチェーンを超えた自然の力を活かしたカーボン除去プロジェクトへの投資を継続していきます。具体的には、Science Based Targets initiative(SBTi)企業ネットゼロ基準に従ったネットゼロの達成(2035年までに武田薬品工業の事業活動における温室効果ガス排出量を、2040年までにバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量をネットゼロ)、天然資源の保全、サステナビリティ原則を念頭に置いた製品の設計に注力していきます。

 

武田薬品工業における温室効果ガス排出量の削減目標に向けた進捗は顕著であり、幾つかの製品に関しては環境サステナビリティ改善計画を策定しました。例えば、日本においてCMYKインク(シアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロー(黄)、キー・プレート(黒))印刷を先駆けて採用し、本取り組みをグローバルに展開していく予定です。特色インク印刷からの切り替えにより、サプライヤーにおける未使用インクの廃棄量を削減し、印刷機の洗浄に必要な溶剤の使用量や異なる包装間の切り替え時に発生する廃棄物の量も削減されることが期待されています。さらに、製品の二次包装の53%は、森林管理協議会(FSC)認証またはリサイクルコンテンツ認証された紙または板紙で作られています。

 

2023年10月、武田薬品工業は、オーストリアのリンツに温室効果ガス排出量ゼロの施設として運営される初めての血漿収集センターを開設したことを公表しました。また、オーストリアの最大の製造拠点であるウィーンにおいては、画期的なヒートポンプシステムを導入し、本システムが設置された製造エリアにおける温室効果ガス排出量は最大90%削減されることになります。

 

DD&Tは、武田薬品工業の環境への取り組みを支える重要な要素でもあります。大阪工場では、水使用の各箇所にセンサーやモニターを設置、データを解析して水の使用量を最適化する方法を検討、成功事例を標準化することで、年間約46万リットルの蒸留水の使用量を削減し、年間200万リットル以上の水道水の使用量を削減しました。同様のプロジェクトとして、電力消費量の削減や太陽光やその他のグリーンエネルギーの利用拡大にも取り組んでいます。

 

財務実績

武田薬品工業は、将来予測に基づき、財務プロファイルを計画・管理しており、インフレ耐性を高め、金利上昇に対するエクスポージャーを最小限に抑えた強固な財務基盤を有しています。

 

このような財務基盤のもと、武田薬品工業は、現在、臨床段階にある約30の開発プログラムについて、社内の研究開発エンジンおよび200社以上との提携を通じて多様なパイプラインの強化に向けた取り組みを進めています。さらに、長期的な成長力を獲得するため、財務規律により創出されるフリー・キャッシュ・フローを通じて、社内外の投資機会に戦略的に投資を行っています。

 

研究開発においては、FRUZAQLA、アジンマ、EOHILIAの承認、および潜在的に大きな事業機会が見込め優先度の最も高いプログラムであるzasocitinib(TAK-279)とTAK-861における進展にみられるように、中期から後期のパイプラインが順調に進捗しています。

 

zasocitinibは、乾癬や炎症性腸疾患、乾癬性関節炎を含む複数の免疫介在性疾患において、ベスト・イン・クラスになり得る高度に選択的な経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬であり、継続して開発を推進するため、乾癬を対象として2つの臨床第3相試験を開始しました。武田薬品工業は、2026年度から2027年度にかけて、乾癬を適応症として当局に承認申請を行っていくことを目指しています。

 

TAK-861はオレキシン2受容体作動薬のリード化合物であり、ナルコレプシーの病態生理の根本に作用する可能性を有しています。武田薬品工業は2024年2月にナルコレプシータイプ1を対象とするTAK-861の臨床第3相試験の開始を決定しており、さらに、今後10年の成長に向けた取り組みを強化していきます。

 

短期的には、主に米国の注意欠陥/多動性障害治療剤VYVANSEの米国における独占販売期間が満了したことにより大きな減収圧力に見舞われていますが、中長期的には、タケダの成長製品・新製品*が売上収益の成長を牽引していくことを見込んでいます。2022年には、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)について、グローバル売上の持続的な成長見通しとバイオシミラー参入時期の想定の見直しに基づき、将来売上予測のレンジを75億米ドルから90億米ドルに引き上げました。今後の新製品の上市も売上収益の伸長をさらに加速させるものと見込んでいます。

 

中長期的には、武田薬品工業はCore営業利益率を30%前半から半ばまでに回復させることを目指し、潤沢なキャッシュ・フローを維持してまいります。武田薬品工業は、パイプライン拡充のための社内外における投資機会、新製品の上市、血漿分画製剤事業に対して、また、株主還元のコミットメントに向けて引き続き資金を配分してまいります。

 

* タケダの成長製品・新製品(2024年度)

消化器系疾患:ENTYVIO、EOHILIA

希少疾患:タクザイロ、LIVTENCITY、アジンマ

血漿分画製剤:GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、HYQVIA、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤、

              HUMAN ALBUMIN、FLEXBUMINを含むアルブミン製剤

オンコロジー:アルンブリグ、FRUZAQLA

ワクチン:QDENGA

 

[主要製品一覧]

消化器系疾患領域における主要製品は以下の通りです。

ENTYVIO(ベドリズマブ):ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎・クローン病に対する治療剤です。ENTYVIOは、2014年に米国および欧州において発売以来、売上が伸長しており、2024年3月期の武田薬品工業グループの売上トップ製品でした。現在、ENTIVIOは世界70カ国以上で承認され、皮下注射製剤は米国、欧州および日本において承認されました。武田薬品工業は本剤の可能性を最大化するため、その他の国においても本剤の承認取得を進め、さらなる適応症の開発を行ってまいります。2024年3月期におけるENTIVIOの売上収益は8,009億円となりました。

・アロフィセル(ダルバドストロセル):アロフィセルは、非活動期/軽度活動期の成人の管腔型クローン病患者さんにおける、少なくとも一回以上の既存治療または生物学的製剤による治療が効果不十分であった複雑痔瘻に対する治療薬です。アロフィセルは、2018年に欧州の中央審査により販売承認(MA)された、欧州初の同種異系幹細胞療法であり、日本でも2021年に承認されました。2024年3月期におけるアロフィセルの売上収益は35億円となりました。

・EOHILIA(ブデソニド経口懸濁液):EOHILIAは好酸球性食道炎(EoE)の治療薬で、コルチコステロイド薬です。米国食品医薬品局(FDA)による承認を受けた初めてかつ唯一の11歳以上のEoE患者さんへの12週間の投与を適応とする 経口治療薬です。2024年2月に米国FDAによる承認取得後上市しました。2024年3月期におけるEOHILIAの売上収益は2億円となりました。

・タケキャブ/VOCINTI(ボノプラザンフマル酸塩):酸関連疾患の治療剤タケキャブは、2015年に日本で発売され、逆流性食道炎や低用量アスピリン投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制などの効能により飛躍的な成長を遂げました。タケキャブ(中国の製品名:VOCINTI)は、2019年に胃食道逆流症の治療剤として中国で承認されました。2024年3月期におけるタケキャブ/VOCINTIの売上収益は1,185億円となりました。

・GATTEX/レベスティブ(テデュグルチド[DNA組換え型]):非経口(静脈栄養)サポートを必要とする短腸症候群(SBS)の治療薬です。成人用および小児用の効能を有するGATTEX/レベスティブが米国、欧州、日本において承認されました。2024年3月期におけるGATTEX/レベスティブの売上収益は1,193億円となりました。

希少疾患領域における主要製品は以下の通りです。

・タクザイロ(ラナデルマブ):タクザイロは、遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作予防に用いられます。タクザイロは、HAEの患者さんにおいて慢性的に制御不能な酵素である血漿カリクレインに選択的に結合し、減少させる完全ヒト型モノクローナル抗体です。タクザイロは(12歳以上の患者さんへの適応として)2018年に米国と欧州にて、2020年に中国にて、2022年に日本にて承認され、さらなる地理的拡大を目指しています。2023年に、2歳以上の小児患者さんに対する治療薬として、FDAおよび欧州委員会の承認を取得しました。2024年3月期におけるタクザイロの売上収益は1,787億円となりました。

・LIVTENCITY (maribavir):LIVTENCITYは、成人患者さんと小児患者さん(12歳以上で体重35 kg以上)に対する、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、またはシドフォビルに対して遺伝子型抵抗性(無しも含みます)を示す難治性の移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症治療薬であり、2021年12月に米国において発売され、2022年11月に欧州、2023年12月に中国において承認されました。LIVTENCITYは、高いアンメット・メディカル・ニーズによる順調な市場浸透、急速なエリア拡大、迅速なマーケットアクセスにより、上市後も好調な業績となりました。2024年3月期におけるLIVTENCITYの売上収益は191億円となりました。

・アジンマ(遺伝子組換え ADAMTS13-krhn):アジンマは先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)の成人および小児患者さんの予防的治療薬ならびに酵素補充療法であり、欠乏したADAMTS13酵素を補充することによりcTTP患者のアンメット・メディカル・ニーズに対応するFDAに承認された初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)です。 また、日本において、アジンマ(一般名: アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)が、12歳以上の患者さんを対象としたcTTP治療薬として承認されました。 2024年3月期におけるアジンマの売上収益は4億円となりました。

・エラプレース(イデュルスルファーゼ):エラプレースは、ハンター症候群(ムコ多糖症II型またはMPS II)に対する酵素補充治療薬です。2024年3月期におけるエラプレースの売上収益は916億円となりました。

・リプレガル(アガルシダーゼ アルファ):リプレガルは、ファブリー病に対して米国以外の市場で販売され、2020年に中国でも承認された酵素補充療法治療薬です。武田薬品工業は、2022年2月に大日本住友製薬株式会社から「リプレガル」の日本における製造販売承認を承継し、同剤の販売の移管を受けました。ファブリー病は、脂肪の分解に関与するリソソーム酵素α-ガラクトシダーゼAの活性の欠如に起因する遺伝子性の希少疾患です。2024年3月期におけるリプレガルの売上収益は736億円となりました。

・アドベイト(抗血友病因子(遺伝子組換え型)):アドベイトは、血友病A(血液凝固第Ⅷ因子欠乏)の治療薬であり、出血の制御と予防、周術期管理および出血の頻度を予防または軽減するために行う定期補充療法に使用されます。2024年3月期におけるアドベイトの売上収益は1,229億円となりました。

・アディノベイト/ADYNOVI(抗血友病因子(遺伝子組換え型) [PEG化]):アディノベイト/ADYNOVIは、血友病A治療薬であり、遺伝子組換え型半減期延長第Ⅷ因子製剤です。アディノベイト/ADYNOVIは遺伝子組換え型半減期延長第Ⅷ因子製剤アドベイトと同じ製造工程で作られ、武田薬品工業がネクター社より独占的にライセンス取得しているPEG化(体内での循環時間を延長し、投与頻度を減らすための化学修飾処理)技術を追加したものです。2024年3月期におけるアディノベイト/ADYNOVIの売上収益は663億円となりました。

・ビプリブ(ベラグルセラーゼアルファ点滴静注用):ビプリブはI型ゴーシェ病に対する長期酵素補充療法治療剤です。2024年3月期におけるビプリブの売上収益は513億円となりました。

血漿分画製剤(免疫疾患)領域における主要製品は以下の通りです。

・GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG(静注用人免疫グロブリン10%製剤):GAMMAGARD LIQUIDは、抗体補充療法用免疫グロブリン(以下、「IG」)の液体製剤です。GAMMAGARD LIQUIDは、原発性免疫不全症(PID)の成人および2歳以上の小児患者さんに対して使用され、静注または皮下注のいずれかの方法で投与します。また、GAMMAGARD LIQUIDは、成人の多巣性運動ニューロパチー(MMN)患者さんに対しても静注投与にて使用されます。2024年1月に、米国において、GAMMAGARD LIQUIDが、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者さんの治療薬として承認されました。GAMMAGARD LIQUIDは、米国以外の多くの国で製品名KIOVIGとして販売されています。KIOVIGは、欧州において、CIDPを含む、複数の適応症への使用が承認されています。

HYQVIA(ヒト免疫グロブリン注射製剤10%):HYQVIAは、ヒト免疫グロブリン(IG)および遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ(Halozyme社よりライセンス取得)からなる製剤です。HYQVIAは、PID患者さんに対して最長で1ヶ月に1回の投与で、1回あたりの注射部位一ヶ所でIGの全治療用量の投与が可能な唯一のIG皮下注用治療薬です。HYQVIAは、米国では成人PID患者さんへの使用、また欧州においてPID症候群および骨髄腫患者さんまたは重度の続発性低ガンマグロブリン血症および回帰感染を伴う慢性リンパ性白血病患者さんへの使用が承認されております。2024年1月に、HYQVIAは、米国において、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者さんの再発予防の維持療法として、また、欧州においては、すべての年齢のCIDPの患者さんの維持療法として承認されました。

 キュービトル(ヒト免疫グロブリン皮下注用20%製剤):キュービトルは、原発性体液性免疫不全症の成人および2歳以上の小児患者さんに対する補充療法に用いられます。キュービトルは、欧州では特定の続発性免疫不全の治療薬としても承認されています。キュービトルは、プロリン不含で、投与部位1ヶ所あたりの耐用量内で最大60 mL(12g)および1時間あたり60 mLまで投与可能な唯一の20%皮下IG治療薬であり、従来の皮下IG治療薬と比較してより少ない投与部位および短い投与時間での使用が可能です。

2024年3月期におけるGAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、HYQVIA、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤の売上収益は6,446億円となりました。

・FLEXBUMIN(ヒトアルブミンバッグ製剤)およびヒトアルブミン(ガラス瓶製剤):FLEXBUMINおよびヒトアルブミンは、濃度5%および25%の液体製剤として販売されています。両製品とも、血液量減少症、一般的な原因および火傷による低アルブミン血症、ならびに心肺バイパス手術時のポンプのプライミングに使用されます。また、FLEXBUMIN 25%製剤は、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)およびネフローゼに関連する低アルブミン血症、ならびに新生児溶血性疾患(HDN)にも適応されます。2024年3月期におけるFLEXBUMINおよびヒトアルブミン(ガラス瓶製剤入り)を含むアルブミン製剤の売上収益は1,340億円となりました。

オンコロジー領域における主要製品は以下の通りです。

・アルンブリグ(ブリグチニブ):アルンブリグは、非小細胞肺がん(NSCLC)治療に使用される経口投与の低分子未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤であり、クリゾチニブ投与中に進行した、またはクリゾチニブに不耐性を示す患者さんに対する治療薬として、2017年に米国で迅速承認され、2018年にEUにおいて、クリゾチニブの治療歴を有する患者さん向けの販売承認を取得しました。2020年に米国とEUの両方において、新たにALK陽性転移性NSCLCと診断された患者さんに対する効能が追加されました。2021年1月に、日本において、ファーストラインおよびセカンドラインの治療薬として承認されました。また2022年3月に、アルンブリグは中国において承認されました。2024年3月期におけるアルンブリグの売上収益は285億円となりました。

・EXKIVITY(mobocertinib):EXKIVITYは、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬であり、2021年9月に米国において迅速承認制度のもとで承認され、2023年1月に中国の国家食品薬品監督管理局(NMPA)により承認されました。2023年10月に、武田薬品工業は、EXKIVITYの販売や開発活動を全世界で自主的に中止する決定を公表しました。この決定は、臨床第3相EXCLAIM‑2検証試験の結果に基づいており、この試験で主要評価項目が達成されなかったため、FDAから付与された迅速承認および他の国々における条件付き承認の検証データの要件を満たさなかったことによるものです。2024年3月期におけるEXKIVITYの売上収益は35億円となりました。

・FRUZAQLA(フルキンチニブ):フルオロピリミジン、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法、および抗EGFR療法(RAS野生型で医学的に適切な場合)の治療歴があるmCRC成人患者に対する治療薬です。FRUZAQLAは、バイオマーカーのステータスにかかわらず、治療歴を有するmCRC患者さんの治療薬として、米国で承認された、最初で唯一の3種類のVEGF受容体キナーゼすべてに対して選択性を有する阻害薬です。武田薬品工業は中国本土、香港、マカオ外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンスを有しています。フルキンチニブは中国ではHUTCHMED社により開発および販売されています。2024年3月期におけるFRUZAQLAの売上収益は101億円となりました。

・リュープリン/ENANTONE(リュープロレリン):リュープリン/ENANTONEは、前立腺がんや乳がん、小児の中枢性思春期早発症、子宮内膜症、不妊の治療や、子宮筋腫による貧血の症状改善に用いられる治療薬です。リュープロレリンの特許期間は満了していますが、製造の観点から後発品の市場参入は限定的です。2024年3月期におけるリュープリン/ENANTONEの売上収益は1,074億円となりました。

・ニンラーロ(イキサゾミブ):ニンラーロは、多発性骨髄腫(MM)治療に対する初めての経口プロテアソーム阻害剤です。ニンラーロは、再発又は難治性の多発性骨髄腫の効能で、2015年に米国で承認されて以来、2016年に欧州、2017年に日本、2018年に中国で承認されております。日本においては、多発性骨髄腫の維持療法の治療薬としても承認を受けております。2024年3月期におけるニンラーロの売上収益は874億円となりました。

・アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン):アドセトリスは、ホジキンリンパ腫(HL)および全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)の治療に使用される抗癌剤で、2020年5月には中国で承認され世界70カ国以上で販売承認を受けております。武田薬品工業は、現在ファイザー社の完全子会社であるSeagen社とアドセトリスを共同開発し、米国およびカナダ以外の国での販売権を保有しています。2024年3月期におけるアドセトリスの売上収益は1,094億円となりました。

・アイクルシグ(ポナチニブ塩酸塩):BCR-ABLに作用するチロシンキナーゼ阻害薬であり、慢性骨髄性白血病(CML)とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)の治療に適応となります。2016年に米国において全面的な承認を取得した後、2020年と2024年に米国において適用拡大の承認を取得しました。武田薬品工業は米国とオーストラリアにおいて販売権を取得しております。米国とオーストラリア以外の地域では、認可を受けたパートナー5社により60を超える市場において販売されており、武田薬品工業はこれらのパートナーから、供給、ロイヤリティおよびマイルストンの支払を受領しており、その水準はパートナーによって異なります。2024年3月期におけるアイクルシグの売上収益は547億円となりました。

ニューロサイエンス領域における主要製品は以下の通りです。

・VYVANSE/ELVANSE(リスデキサンフェタミンメシル酸塩):VYVANSE/ELVANSE(国内製品名:ビバンセ)は、6歳以上の注意欠陥・多動性障害(ADHD)患者さんおよび成人の中程度から重度の過食性障害患者さんの治療に用いられる中枢神経刺激剤です。2023年に米国において後発品が市場に参入したことにより、売上は減少しました。2024年3月期におけるVYVANSE/ELVANSEの売上収益は4,232億円となりました。

・トリンテリックス(ボルチオキセチン臭化水素酸塩):トリンテリックスは、成人大うつ病性障害の治療に適応される抗うつ薬です。トリンテリックスはH. Lundbeck A/S社と共同開発し、武田薬品工業は米国および日本での販売権を保有しており、米国では2014年、また日本では2019年より販売しています。2024年3月期におけるトリンテリックスの売上収益は1,048億円となりました。

その他領域における主要製品は以下の通りです。

・QDENGA(4価デング熱ワクチン):QDENGAは4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の“バックボーン”として弱毒化された生の2型デングウイルスをベースに構築されています。QDENGAはテング熱流行国4カ国および欧州17カ国において販売されています。2024年3月期における QDENGAの売上収益は96億円となりました。

売上収益の地域別内訳は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 事業セグメントおよび売上収益」をご参照下さい。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

 

武田薬品工業の業績は、現在および将来において様々なリスクにさらされており、リスクの顕在化により予期せぬ業績の変動を被る可能性があります。以下では、武田薬品工業が事業を展開していくうえで直面しうる主なリスクを記載いたします。なお、以下に記載したリスクは武田薬品工業の全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外の潜在的かつ不確実なリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

武田薬品工業のグローバルリスク管理ポリシーについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 3.業務執行に係る事項 <内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況> ③ 損失の危険の管理に関する規程その他の体制」をご参照ください。

なお、本項目に含まれる将来に関する事項およびリスクは、当年度末現在において判断したものです

 

(1)研究開発に関するリスク

武田薬品工業は、持続的成長を実現するために、最先端の科学で革新的な医薬品を創出することを目指しています。武田薬品工業は、研究開発機能の向上および社外パートナーとの提携等により研究開発パイプラインを強化すると共に、世界各国の市場への一日も早い新製品の上市を目指し、質の高い革新的な研究開発パイプラインを構築することで研究開発の成功確率を高める等により効率的な研究開発活動に努めております。しかしながら、医薬品は、自社創製候補物質、導入候補物質にかかわらず、所轄官庁の定めた有効性と安全性に関する厳格な審査により承認されてはじめて上市可能となります。

研究開発の途上において、当該候補物質の有効性・安全性が、承認に必要とされる水準を充たさないことが判明した場合またはその懸念があると審査当局が判断した場合、その時点で当該候補物質の研究開発を途中で断念、または追加の臨床試験・非臨床試験を実施せざるを得ず、それまでにかかったコストを回収できないリスクや製品の上市が遅延するリスク、および研究開発戦略の軌道修正を余儀なくされる可能性があります。

 

(2)知的財産権に関するリスク

武田薬品工業の製品は、物質・製法・製剤・用途特許等の複数の特許によって、一定期間保護されております。

武田薬品工業では特許権を含む知的財産権を厳しく管理し、武田薬品工業が事業を行う市場における知的財産権や第三者からの侵害状況を継続的にモニタリング、評価および分析し、知的財産権に関するリスクの回避と、受けうる影響の低減を図っていますが、武田薬品工業の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が大幅に失われる可能性があります。また、武田薬品工業の自社製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合には製造販売の差止めおよび損害賠償等を請求される可能性があります。

 

(3)特許権満了等による売上低下リスク

武田薬品工業は、効能追加や剤型変更等により製品のライフサイクルを延長する努力をしておりますが、多くの製品について、特許または規制上の独占権の喪失・満了による後発品の市場参入は避けられず、米国や欧州では後発品が参入すれば通常、短期間で先発品から後発品へ切り替わり、先発品の収益が大きく減少します。国内では、当局が後発品の使用促進を積極的に進め、また、長期収載品のさらなる価格引下げが行われています。これに加え、競合品の特許権満了によるその後発品、および競合品のスイッチOTC薬の出現などによって、国内外の競争環境は格段に厳しいものになってきており、その影響如何で武田薬品工業製品の大幅な売上低下を招く可能性があります。

なお、特許権満了時期等の詳細については「第2 事業の状況 6 研究開発活動 知的財産」をご参照ください

 

(4)副作用に関するリスク

医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て発売されます。武田薬品工業は発売後の医薬品について安全性情報を収集し有効性とリスクのバランスを評価することを含め、安全性監視活動とリスク最小化活動を実施し、ファーマコビジランス活動を推進し、副作用に関するリスクの回避と受けうる影響の低減に努力しておりますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、発売時には予期していなかった副作用が確認されることがあります。新たな副作用が確認された場合には、添付文書の「使用上の注意」への記載を行う、使用する対象患者を制限する、使用方法を制限するなどの処置が必要となるほか、重篤なケースが認められた場合には、販売中止・回収等を余儀なくされることもあり得ます。また、このような場合において、武田薬品工業は製造物責任を負うとともに、金銭的、法的および社会的信頼に関する損害を負う可能性があります

 

(5)薬剤費抑制策による価格引き下げのリスク

医薬品市場では、多くの国々において医療予算の削減が推進され、医療技術評価および国際価格を参照する政策により医薬品価格が低下しています。最大市場である米国では、医薬品価格を下げるための医療計画や仲介機関による取り組みに加え、継続的な法令および規制の制定により先発品への価格引き下げ圧力が一層高まっています。2022年には、米国議会において、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act:IRA)が可決され、薬価上昇率がインフレ率を上回った製薬会社に対するペナルティの賦課、メディケア受給者の自己負担額の上限設定、2026年よりメディケアの対象となる特定の医薬品に関する連邦政府への価格設定権限の付与等、メディケア・プログラムに基づく医薬品の補償条件が大幅に変更されました。日本においては、政府による一層の後発品の使用促進に加え、医療保険制度における多くの製品の公定薬価が、毎年引き下げられております。欧州においても、薬剤費を抑制し、価格透明性を高め、国際価格を参照する政策により、医薬品価格が低下しておりますが、さらに欧州委員会が、知的財産権に関するインセンティブ、規制当局によるデータ保護、希少疾患用医薬品の市場独占期間の短縮または修正を含むEUの薬事法制の改正案を提案していることから、今後価格引き下げ圧力が高まることが予想されます。また、武田薬品工業は、中国を含む新興国等のその他の国・地域においても同様の価格圧力を受けています。武田薬品工業がこれらの国・地域に事業を拡大するに伴い、今後も引き続き価格圧力を受けると予想されます。

武田薬品工業は、各国の薬剤費抑制策の詳細な分析やモニタリングを行い、医薬品の価格状況を管理する組織体制を構築することでリスクの回避と影響低減の努力を行うと共に、各国政府や医療サービス供給者・保険者等と協力して、革新的な医薬品に対する適切な報酬制度を確立するために、価値に基づく新しい価格設定モデル(バリューベースド・プライシング)等の解決策を追求しておりますが、これら各国の薬剤費抑制策による価格引き下げにより、武田薬品工業製品の価格が影響を受け、武田薬品工業の業績および財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(6)企業買収に関するリスク

武田薬品工業は、持続的な成長を加速させるため、必要に応じて企業買収を実施しております。世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商慣習の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した買収効果や利益が実現されない可能性があります。取得した資産の価値が下落し、評価損等が発生した場合や、買収した事業の統合から得ることが期待されている利益が実現されない場合には、のれんおよび無形資産等の減損損失の計上等により、武田薬品工業の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、過去の企業買収に関連する金融機関からの多額の借入れを含め、武田薬品工業は多額の債務を負っております。武田薬品工業は、利益の創出および選択的な非中核資産の売却等を通じてレバレッジの速やかな低下を進めておりますが、将来の武田薬品工業の財務状況が悪化した場合には、信用格付けが引き下げられ、その結果、既存の債務の借り換えや新規借入れ、その他資金調達の条件にも影響を及ぼす可能性があります。さらに、武田薬品工業の債務には制限条項が付されているものがあり、かかる制限条項に抵触した場合には、債務の早期返済等により武田薬品工業の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)安定供給に関するリスク

武田薬品工業は、販売網のグローバル化に確実に対応するとともに、武田薬品工業製品への需要に対し適切な供給量を確保していくため、供給ネットワークと品質保証体制を強化しており、具体的には、製造設備への適切な投資、必要に応じて複数のサプライヤーと適切な在庫水準を確保するための製造供給戦略の策定、代替サプライヤーの選定、武田薬品工業内の製造ネットワークに係る危機管理規則の制定、事業継続管理システムの導入および定期的な内部監査等を行っています。しかしながら、武田薬品工業または委託先の製造施設・物流施設等において、技術上もしくは法規制上の問題、原材料の不足、想定を超える需要、または自然災害の発生や新興感染症の流行、進出国における紛争あるいは各国・地域間における地政学的緊張の高まり等により、製商品の安定的供給に支障が発生する可能性があります。その動向によっては、武田薬品工業の業績、財務状況および社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)IT セキュリティ、情報管理およびデジタル技術に関するリスク

武田薬品工業は、顧客ニーズに合致したデジタルビジネスモデルへ移行するためデジタル変革を加速しております。また、事業の特性上、センシティブな個人情報を含む大量の機密情報を取り扱っており、データ保護の重要性がいっそう高まっております。大規模かつ複雑なIS/IT システム(アウトソーシング企業のシステムを含む)の利用は、従業員またはアウトソーシング企業の不注意または故意の行為、あるいは悪意をもった第三者による攻撃(サイバーアタック)により、システムの停止やセキュリティ上の問題が発生する可能性があります。武田薬品工業は、これらのリスクを低減するため、包括的なポリシーや手続きを整備するとともに、リスク評価を通じた事業リスク分析および監査や第三者によるリスク低減テストを通じて、セキュリティ戦略の形成とクラウド活用を前提とした事業変革の推進を含む効果的なテクノロジーへの投資を行うことによりセキュリティの継続的な強化に努めております。また、人工知能(AI:Artificial Intelligence)など新たなデジタル技術の普及により技術およびデータに対する倫理規範の形成の重要性が高まっていることから、包括的なリスク評価を実施するとともに、組織体制の強化、組織的な意識向上を図るなど戦略的な取組みを進めております。しかしながら、システムの停止やセキュリティ上の問題が発生した場合、あるいはデジタル技術が適切に利用されない場合、武田薬品工業の事業活動への悪影響、個人情報や知的財産等の重大な機密情報の流出や喪失、業績および財務状況の悪化、ならびに信用の失墜を招く可能性があります。また、ソーシャルメディアおよび他のデジタルメディアにおいては、武田薬品工業、武田薬品工業従業員あるいは武田薬品工業製品にかかる誤情報が増幅・拡散されるリスクにも晒されているため、継続的なモニタリングを実施していますが、こうした誤情報が拡散した場合、武田薬品工業の社会的評価が低下し、信用の失墜を招く可能性があります。

 

(9)コンプライアンスに関するリスク

武田薬品工業は事業の遂行にあたって、薬事規制や製造物責任、独占禁止法、個人情報保護法等の様々な法的規制やGMP (Good Manufacturing Practice)、GQP(Good Quality Practice)、GCP (Good Clinical Practice)、GLP (Good Laboratory Practice)等のガイドラインの適用を受けています。また、武田薬品工業は多数のエージェント、サプライヤーや卸売業者等の第三者と協力関係にありますが、顧客に対するエンゲージメント戦略の進化に伴うデジタル・オムニチャンネルの利用拡大、希少疾患およびワクチン領域への製品ポートフォリオの拡大およびデータ・デジタル技術の進化に伴う外部ステークホルダーとのパートナーシップの増加など、武田薬品工業の事業活動の進化に伴い、これらの第三者による業務遂行の影響は増加しています。さらに、武田薬品工業はソーシャルメディア・プラットフォームを含むデジタルプラットフォームの使用が増加しておりますが、これらが法令および社内規定に遵守しない方法により使用される可能性があります。武田薬品工業は、グローバルエシックス&コンプライアンス部門を設置し、グローバルでコンプライアンスを推進する体制を整備し、武田薬品工業および武田薬品工業が関係する第三者の事業活動が法令および社内規定を遵守して実施されていることをモニタリングしています。また、第三者との取引あるいは対話にかかる社内ポリシーを新たに制定あるいは更新し、リスクの低減にも努めております。第三者リスク管理(サードパーティリスク管理)の一環として、デューデリジェンスを強化するとともに、潜在的なリスクを特定できるよう取引業者および取引内容の継続的なスクリーニングについても更なる強化を図っております。しかしながら、武田薬品工業の従業員や、武田薬品工業が関係する第三者がこれらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動をとった場合、法令による処罰や制裁、規制当局による処分、訴訟の提起を受ける可能性があり、社会的な信頼を失うとともに金銭的損害を負う可能性があります。

 

(10)進出国および地域におけるカントリーリスク

武田薬品工業は、グローバルな事業展開に伴い、進出国や地域における政治不安、経済情勢の悪化、新興感染症の拡大、社会混乱、進出国における紛争、各国・地域間における地政学的緊張の高まり等に伴う投資や輸出入の規制、データの越境規制など様々なリスクにさらされています。武田薬品工業は、各部門の連携のもと、これらのリスクが武田薬品工業の事業に与える影響の分析や各地域における社会情勢のモニタリング等を通じてリスクに対応する体制を構築しており、患者さんの医薬品へのアクセスを保護することを優先事項として、リスクの抑止策や発生時の対処法を検討する等のリスク管理に努めております。しかしながら、武田薬品工業または武田薬品工業と協力関係にある第三者が事業を行っている地域において、不測の事態が生じた場合には、武田薬品工業の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)為替変動、金利変動およびインフレーションに関するリスク

武田薬品工業の当年度における海外売上収益は3兆8,124億円であり、連結売上収益全体の89.4%を占めており、そのうち米国での売上収益は2兆1,957億円にのぼり、連結売上収益全体の51.5%を占めております。従って、売上収益については円安は増加要因である一方、研究開発費をはじめとする海外費用が円安により増加するため、利益に対する影響は双方向にあります。また、機能通貨以外で実行される事業上の取引、金融取引および投資に関して為替変動リスクにさらされています。さらに、金利変動による資金調達コストの上昇や、世界的なインフレーションの進行が武田薬品工業の利益を圧迫する可能性があります。武田薬品工業は為替および金利リスクを集約的に管理し、これらの財務リスクをヘッジするためにデリバティブ取引を行うとともに、取引先との契約条件の見直し等により潜在的な影響の緩和を図っておりますが、経済環境や金融市況が武田薬品工業の想定を超えて変動した場合には、武田薬品工業の業績および財務状況に影響が生じる可能性があります。

 

(12)訴訟等に関するリスク

武田薬品工業の事業活動に関連して、現在関与している訴訟のほか、将来、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、武田薬品工業の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、係属中の重要な訴訟の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 32 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。

 

(13)環境に関するリスク

環境はウェルビーイング(心身の健康)の基礎であり、私たちは事業活動に欠かせない自然資源を環境から得ています。環境保全に対する責務の遂行は、武田薬品工業の事業の発展に不可欠であり、武田薬品工業の価値観(バリュー)に沿うものです。これは、単に正しい行いをするというだけではなく、人生を変えうるような医薬品やワクチンを責任をもってお届けできるようにするものです。そのために、武田薬品工業は、ステークホルダーからの期待に沿いつつ法規制への準拠を実現する厳格な環境マネジメントシステムおよび社内プログラムを整備するとともに、これらが有効に運用され、期待する結果を達成していることを確認するための内部監査手続を定めております。しかしながら、万が一、有害物質による予期せぬ汚染や法規制への不適合、不十分な環境保全活動が顕在化した場合には、社会的信頼を損なうとともに、行政措置の対象となり、保険の適用範囲外または補償金額を超える支払義務を伴う改善措置の実施や法的責任を負うことにより、武田薬品工業の事業活動に悪影響が生じる可能性があります。また、環境法規制の改正や社会の期待の変化により、より厳しい要請への対応が課せられ、武田薬品工業の研究、開発、製造その他の事業活動に影響がおよぶ可能性もあります。かかる要件の遵守や課題への対応が行われない場合には、法規制上の責任を負い、武田薬品工業の社会的信頼に影響を及ぼすとともに、武田薬品工業の業務遂行能力に悪影響が生じ、ステークホルダーに対する魅力が低下する可能性があります。

武田薬品工業は、気候変動を、人々の健康に大きな影響を及ぼす深刻なグローバル課題であるとともに、武田薬品工業の事業に財務的なリスクをもたらす可能性のある課題であると認識しています。2021年に、武田薬品工業は気候変動に係るリスクと機会の評価を完了しました。当該評価は武田薬品工業の一定の直接的な事業活動のみを対象としており、武田薬品工業は、2030年度までの時間軸と2050年度までの時間軸について、気候変動に対する全世界における対応状況によって異なる3つの気候変動シナリオ(すなわち、「気候変動追加対策なし (No Action)」「対応中(Middle of the Road)」「積極的緩和策(Aggressive Mitigation)」)を設定しました。この評価プロセスにより、武田薬品工業に潜在的に該当する気候変動リスク・カテゴリーを特定することができました。これには、従業員への影響や、武田薬品工業の血漿分画製剤事業におけるドナー提供の潜在的な減少に繋がる疾病の増加や感染症蔓延等の地理的な拡大、コスト増加に繋がるエネルギー/カーボンの価格付けと政策、気候変動に関する目標を達成できないことによる社会的信頼への悪影響、異常気象や類似の事象に武田薬品工業の施設等がさらされていることによる直接的な物理的リスク、武田薬品工業の重要なサプライヤーを通じた間接的な気候変動リスクが含まれます。武田薬品工業では、潜在的な気候変動関連リスクへの理解を深め、当該リスク軽減のための更なる施策を特定していくため、継続的に前提条件を見直して評価を更新していくとともに、気候変動関連リスクの評価範囲を拡大する予定です。 また、武田薬品工業では、気候変動関連リスクを全社的リスク管理体制に組み込んでおり、今後新たに顕在化しうるリスクの傾向を適切にモニタリングできる体制を取っております。武田薬品工業では、潜在的な影響を緩和するため、低炭素型事業への移行を進めています。武田薬品工業は、2022年度まで、カーボンニュートラルを維持してきましたが、2024年度からは気候変動対策の目標としてのカーボンニュートラルからの転換を行い、ネットゼロのロードマップを進めるための取り組みにリソースを集中させる一方で、バリューチェーンを超えた自然を活用したカーボン除去プロジェクトへの投資を継続していきます。

武田薬品工業の重要なステークホルダーは武田薬品工業に対して優れた環境保全活動を遂行することを期待していると認識しており、武田薬品工業は自社の製品および事業活動から生じる環境への影響を緩和するための方策を継続的に模索しています。環境に関するサステナビリティでは、武田薬品工業の事業活動およびバリューチェーン全体での温室効果ガスの削減、自然環境および生物多様性の保全、持続可能性に配慮した製品開発および製造に注力していますが、これら取り組みを補完するものとして、水自然の保全、責任ある廃棄物処理を含む天然資源保全の領域にも引き続き注力します。これらの取り組みにより成果が得られた場合には、地球の生態系と人々の健康を守りながら、武田薬品工業に対する社会的評価の向上と武田薬品工業事業の強化に繋がることとなり、患者さんに貢献するという武田薬品工業の揺るぎない使命を果たし続けられることになります。一方で、武田薬品工業が掲げている持続可能性の高い目標に基づいた行動を実施できない場合や、ステークホルダーの期待に沿う結果が得られない場合には、武田薬品工業に対する社会的信頼が損なわれ、その結果、従業員の採用・維持や顧客や投資家との関係の構築において問題が生じ、武田薬品工業の業績および財務状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

(14)人材の採用および定着に関するリスク

武田薬品工業の長期的に持続可能な成長には、人材の獲得競争の激しい市場や地域において、事業を支える適切な人材の採用と定着が重要であると認識しております。武田薬品工業は、組織の有効性、文化、価値観を維持しながら、働き方の柔軟性をより高め、職場環境をより良くし、多様性、公平性、包括性(DE&I)を促進する施策を実施するとともに、継続的なキャリア開発機会の提供やエンゲージメントの推進を図り、従業員に対して魅力的な価値を提案することで、人材採用における競争力の強化と人材の定着を促進しております。しかしながら、計画通りに採用や定着が進まない場合は、人材の喪失や不足を通じて、武田薬品工業の競争力が低下し、その結果、武田薬品工業の業績および財務状況に影響が及ぶ可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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