H.U.グループホールディングスグループは、持株会社であるH.U.グループホールディングス株式会社(以下「H.U.グループホールディングス」という。)、H.U.フロンティア株式会社、株式会社エスアールエル、富士レビオ・ホールディングス株式会社、日本ステリ株式会社およびそれぞれの子会社・関連会社より構成されており、臨床検査の受託、臨床検査薬の製造・販売と滅菌・手術関連事業等を行っております。
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報告セグメント |
事業 |
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検査・関連サービス事業 (LTS:Lab Testing and its related Services) |
・検査事業 ・健康診断代行事業等 ・食品・環境・化粧品検査事業 |
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臨床検査薬事業 (IVD:In Vitro Diagnostics) |
・ルミパルス事業 ・CDMO(※)・原材料供給事業 ・その他製品 |
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ヘルスケア関連サービス事業 (HS:Healthcare-related Services) |
・滅菌・手術関連事業 ・在宅サービス・福祉用具事業 |
※ Contract Development and Manufacturing Organization
なお、H.U.グループホールディングスは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
H.U.グループホールディングスグループの事業内容および各会社の当該事業に係わる位置付けは、次のとおりであります。
(LTS事業)
①検査事業
株式会社エスアールエルは、主に大規模病院を中心とした医療機関から特殊検査を受託しており、また、地域の中小規模の病院および診療所から一般検査と特殊検査を受託しております。株式会社日本医学臨床検査研究所、株式会社北信臨床および株式会社エスアールエル北関東検査センターは、地域の中小規模の病院および診療所から一般検査と特殊検査を受託しております。株式会社東京セントラルパソロジーラボラトリーは、地域の検査センターや病院および診療所から病理学的検査を受託しております。周辺事業としては、検査施設の庶務等の業務、検査機器システムの保守・管理および開発業務等のサービスを行っております。
海外では、Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLCを通じて米国を中心に遺伝学的検査サービスを提供しております。H.U. America, Inc.は、Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLCの全持分を保有する持分法適用会社であるBaylor Genetics Holdings, Inc.の株式の一部を保有する持株会社であります。
②健康診断代行事業等
H.U.ウェルネス株式会社は、健診事業の運営代行サービス等含む企業や企業健康保険組合の課題解決を図るソリューションビジネスを行っております。
③食品・環境・化粧品検査事業
株式会社日本食品エコロジー研究所は、微生物検査等の食品に関する検査、水質検査、化粧品検査等の各種検査を
行っております。
(IVD事業)
富士レビオ・ホールディングス株式会社は、国内外の臨床検査薬事業を統括する持株会社であり、国内において中核となる富士レビオ株式会社は、臨床検査薬の製造・販売を行っており、国内外の代理店およびH.U.グループホールディングスの子会社を通じて、医療機関および受託臨床検査会社等へ販売しております。富士レビオ・ダイアグノスティクス・ジャパン株式会社は、CDMO事業における臨床検査薬の開発受託をしております。株式会社先端生命科学研究所は、臨床検査薬の原材料の供給とライセンス許諾を行っております。
海外では、Fujirebio Diagnostics, Inc.は、臨床検査薬の原材料およびCDMO製品等を世界各国の臨床検査薬会社等に販売しております。Fujirebio Europe N.V. は、臨床検査薬を開発・製造するほか、富士レビオ株式会社から製品の供給を受け、これらを欧州を中心とした販売子会社を通じて世界各国において販売しております。ADx NeuroSciences N.V.は、アルツハイマー病を始めとする神経疾患関連領域にかかる検査試薬の原料を製薬企業および診断薬企業に販売しております。Fluxus, Inc.は、全自動化学発光酵素免疫測定システム「ルミパルス®」の機能を補完・進化させる超・高感度検出技術の開発を行っております。
(HS事業)
①滅菌・手術関連事業
日本ステリ株式会社は、主に大規模病院の病院内で治療処置時に使用した医療器具の滅菌業務ならびにこれらに関連する業務(手術業務支援サービス、医療材料を中心とした物流管理・搬送サービス等)の受託を行っております。また、全国に8箇所ある滅菌センターにおいて高い品質管理のもと院外滅菌サービスを提供しております。
このほか、医療機器、医療材料の販売・リース、医療用衣服のレンタル・クリーニング等を実施しております。
②在宅サービス・福祉用具事業
ケアレックス株式会社は、指定福祉用具貸与事業所を通じ、車いすや介護用ベッド等の福祉用具のレンタル事業を行っております。StarQガイア株式会社は、子会社のStarQケア株式会社および株式会社ガイアメディケアを通じて訪問看護事業を主とした在宅サービス事業を行っております。
以上のようにH.U.グループホールディングスグループは、臨床検査という事業領域を中核としながら、各社がそれぞれ有機的かつ補完的な関係性にあり、事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業系統図
H.U.グループホールディングスグループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてH.U.グループホールディングスグループが判断したものであります。
Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題
Ⅰ.H.U.グループホールディングスグループのMission, Vision
H.U.グループホールディングスおよびH.U.グループホールディングスグループは、「ヘルスケアにおける新しい価値の創造を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する」というMissionのもと、「人々の健康に寄り添い、信頼とイノベーションを通じて、ヘルスケアの発展に貢献するグループを目指す」というVisionを掲げ、事業環境が急激に変化する中、将来の飛躍的な成長のために、医療領域に留まることなく広くヘルスケア領域へと事業を展開しております。
Ⅱ.中期計画「H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~」の概要
H.U.グループホールディングスは、将来の飛躍的かつ持続的な成長に向けて、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画『H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~』(以下、「本中期計画」)を2020年9月に策定いたしました。
本中期計画策定時点における想定を大幅に上回る新型コロナウイルス感染症の拡大と長期化により、グループ一丸となってPCR検査や空港検疫所における高感度抗原定量検査等の対応に尽力してまいりました。一方で、後ろ倒しとなっていましたH.U. Bioness Complexは2023年5月に全面稼働となり、一部遅れはあるものの本中期計画は着実に進捗しております。H.U.グループホールディングスとしましては、引き続き本中期計画の達成に向けて尽力するとともに、事業環境の変化に対応した中長期的な成長戦略について継続的に協議してまいります。
①H.U.グループホールディングスグループを取り巻く事業環境と本中期計画の重要テーマ
H.U.グループホールディングスグループを取り巻く事業環境は、高齢化や先端的医療の導入等による医療費の伸長が見込まれる中、医療機関の経営状況の悪化や医療費の削減要請に伴う検体検査実施料の抑制により、国内臨床検査市場は今後も厳しい状況が継続するものと見込まれます。一方、医療費の抑制策が進む中、病院および病床再編に伴う在宅医療や予防医療のニーズの拡大、先進医療技術の向上やIT技術の進展など新たな成長の機会があり、事業環境の様相は刻々と変化しております。
また、新型コロナウイルス感染症流行以降、生活者の行動変容や患者様の受診抑制傾向からの回復鈍化等、足元の流動的な環境変化にも適切な対応が求められております。
海外臨床検査市場においては、新興国を中心に成長しているものの先進国では社会保障費抑制による低成長が継続しております。また、各国の制度変更等による薬事関連コストが増加する等、厳しい事業環境が継続しております。
このような事業環境の中、H.U.グループホールディングスは、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画『Transform! 2020』(以下、「前中期計画」)において推進してきた成長基盤の整備、組織と業務の変革を土台として、下記3点を本中期計画における重要テーマとして掲げグループ一丸となって推進してまいります。
・H.U. Bioness Complexの稼働
・CDMO事業の強化
・ヘルスケア×ICT
②企業価値向上へのストーリー
H.U.グループホールディングスグループは、LTS事業およびIVD事業を有する世界的にみても稀有なグループ企業であり、これらの事業に加えて滅菌関連事業や在宅・福祉用具事業をはじめとする様々なヘルスケアに関連する事業の拡大・強化に取り組んでおり、幅広い事業展開を行っております。これらの事業活動により高付加価値または新しい価値を創出していくことが、H.U.グループホールディングスグループの企業価値を向上させるものと考えております。
・H.U.グループホールディングスグループの価値創造ストーリー
H.U.グループホールディングスグループの有する無形資産を基にグループシナジーを最大限活用し、顧客提供価値の最大化を図ってまいります。
LTS事業およびIVD事業においては、検査の早期開発、開発評価、承認取得を、グループR&D機能も活用し一体となって進めることにより、新規臨床検査の早期実用化を実現してまいります。このLTS事業とIVD事業での価値創造モデルは、今般のSARS-CoV-2抗原検査の早期実用化と収益への貢献により、あらためて実証されたと考えております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、検査の重要性およびH.U.グループホールディングスグループが行うLTS事業が医療を支える社会インフラであるということも社会的に広く認識されたと自負しております。
今後は、中央材料室および手術室における滅菌サービスを提供する滅菌関連事業と合わせて、グループとしての総合提案を行っていくことで、顧客提供価値を最大化し、グループの企業価値を向上してまいります。
※1HSセグメントにおける滅菌関連事業
※2多様な顧客との関係性、それらのカスタマーリレーション
※3KOL:Key Opinion Leader
・グループの事業展開
病院を中心とした医療機関へのグループ総合提案等により着実な成長を果たすとともに、先端領域の検査拡充、次世代プラットフォームの開発等、更なる成長のための施策に取り組んでまいります。
また、検査情報のデジタル化を推進するとともに、PHR(Personal Health Record)を含むICT(Information and Communication Technology)サービスツールを導入・推進することにより、事業を通じて得られる様々なデータの利活用と医療/健康情報プラットフォームの確立を目指し、ヘルスケア×ICT領域へと事業展開を進めてまいります。
※ HSセグメントにおける滅菌関連事業
・ヘルスケア×ICTサービスの展開
地域医療や予防医療の一層の充実が求められる中、H.U.グループホールディングスは、在宅事業やセルフメディケーション・健保事業等を新規育成事業として強化しており、これらのサービスとICTを融合させた新たなサービスを展開してまいります。
また、開業医向け業務支援SaaS(Software as a Service)と、生活者向けのPHRをH.U.グループホールディングスグループで一体的に提供することで、医療の場における検査結果のさらなる活用をサポートし、LTS事業における開業医向けサービスの付加価値向上に取り組んでまいります。
③本中期計画における重要施策
本中期計画は、新型コロナウイルス感染症への対応およびH.U. Bioness Complex稼働に向けた構造改革を実行していくフェーズと、H.U. Bioness Complexの稼働後の投資の回収および収益拡大を果たす2つのフェーズに分かれます。
これを前提として、「H.U. Bioness Complexの安定稼働と自動化による原価低減」、「LTS事業における収益性の改善」、「グループ一体化戦略の推進」、「IVD事業におけるCDMO事業の拡大」を本中期計画における重要施策と定め、グループ一丸となって実行してまいります。
1.H.U. Bioness Complexの安定稼働と自動化による原価低減
H.U.グループホールディングスが、本中期計画における最重要施策と位置付けておりましたH.U. Bioness Complexが2022年1月に稼働を開始し、2023年5月に全面稼働いたしました。
H.U. Bioness Complexは、将来の事業環境においても高品質な検査サービスを継続して提供するためのものであり、一般検査においては全自動化による業務効率化と24時間稼働による大量処理が可能となり、また特殊検査においては最先端の検査項目に対応する設備・環境を整備し、AI技術やロボティクス等を導入することで、徹底した業務効率化とさらなる品質向上を追求いたします。
検査の自動化等により、2025年3月期には、2020年3月期と比較して、H.U. Bioness Complex単体で1検査当たりの原価の低減を見込んでおります。
2.LTS事業における収益性の改善
H.U. Bioness Complexを中心とした検査体制の構築により収益性の改善に努めてまいります。
また、外部とのアライアンス推進によるシェアリング・ロジスティクスの構築やグループ内の集荷機能および拠点の統合を進めることにより、集荷・物流に係るコストの最適化を図ってまいります。
これらの施策を通じて、高品質な検査を提供することに加え、コスト競争力の向上等によりお客様に選ばれる検査会社となり、更なるシェア向上を果たしてまいります。
3.グループ一体化戦略の推進
3-1グループ営業統合
H.U.グループホールディングスは、2020年9月に、株式会社エスアールエル、富士レビオ株式会社および日本ステリ株式会社の国内営業部門およびマーケティング部門を統合したH.U.フロンティア株式会社(以下、「H.U.フロンティア」)を設立し、2020年10月1日より営業を開始いたしました。また、2021年10月1日より、H.U.グループホールディングスの連結子会社である株式会社日本医学臨床検査研究所、株式会社北信臨床および株式会社エスアールエル北関東検査センターの営業部門およびマーケティング部門をH.U.フロンティアに統合しております。
H.U.フロンティアは、H.U.グループホールディングスグループがかねてより進めてきたグループシナジーの強化をより加速するために設立されたものであり、医療を取り巻く環境が急速に変化する中、H.U.グループホールディングスグループがもつ臨床検査サービス、臨床検査薬の製造販売、医療器材の滅菌サービスなど幅広い事業をもって、顧客ニーズに応じて様々なサービスや総合的なソリューションを提供してまいります。
また、各社の顧客基盤を一元化することで、セグメント間のクロスセル拡大や既存顧客への拡販を強化するほか、各社がもつ高い技術力を活用し、最適な新サービスや製品の開発も行うことで、グループ一体での顧客提供価値の最大化を目指してまいります。
3-2グループ内販拡大
引き続き検査ラボや院内顧客に対するルミパルス製品の内販拡大を推進するとともに、原価率の高い検査試薬や使用量の多い試薬の開発を進めグループ内での内製化を推進し、LTS事業のコスト削減およびグループ全体でのキャッシュ・フロー改善に取り組んでまいります。
3-3R&Dの強化
グループ内のR&D機能を統合し知の共有を図るとともに、グループ全体最適のR&D戦略を推進し、機動的な技術の導入・開発の加速を推進してまいります。
4.IVD事業におけるCDMO事業の拡大
IVD事業における海外戦略は、ルミパルス製品の拡販を中心に取り組んでまいりましたが、後発のプレーヤーとしてグローバル大手企業と競争し収益を拡大していくことは非常に難しく、また、各国における規制等の変更により薬事関連のコストが増大しております。このような事業環境の中、海外ルミパルスに関しては、展開地域および項目に関する選択と集中を進めてまいります。一方、IVD事業の強みである免疫分野の良質な原材料・試薬開発技術および、LTS事業におけるルミパルス製品の採用実績をもとにした信頼性と評価を活用することで、CDMO事業の強化・拡大に取り組んでまいります。
④2025年3月期の経営数値目標(連結)
本中期計画において、売上高の着実な成長と利益率の追求のみならず、資本効率の向上と安定的なキャッシュ・フローの創出を果たすべく、下記のとおり経営数値目標を掲げております。
・2021年3月期・2022年3月期・2023年3月期および2024年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標
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2021年3月期(実績) |
2022年3月期(実績) |
2023年3月期(実績) |
2024年3月期 (実績) |
2025年3月期(目標) |
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売上高CAGR (2021年3月期実績は対前年成長率) |
18.2% |
20.3% |
11.4% |
5.9% |
6%以上(※) |
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EBITDAマージン |
17.0% |
23.9% |
16.5% |
7.1% |
18%以上 |
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営業利益率 |
11.4% |
18.5% |
9.0% |
△1.7% |
10%以上 |
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ROE |
16.0% |
23.2% |
10.8% |
△5.2% |
12%以上 |
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ROIC |
8.7% |
15.4% |
7.0% |
△1.2% |
8%以上 |
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
・2021年3月期・2022年3月期・2023年3月期および2024年3月期の実績と本中期計画における累計数値目標
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2021年3月期(実績) |
2021年3月期~ 2022年3月期 (累計実績) |
2021年3月期~ 2023年3月期 (累積実績) |
2021年3月期~ 2024年3月期 (累積実績) |
2021年3月期~ 2025年3月期 (累計目標) |
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営業キャッシュ・フロー |
356億円 |
908億円 |
1,234億円 |
1,399億円 |
1,500億円以上 |
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フリー・キャッシュ・フロー(※) |
73億円 |
317億円 |
346億円 |
351億円 |
500億円以上 |
(※)リース債務を除く
⑤セグメント別計画
1.LTS事業
LTS事業においては、収益性の改善を最重要課題として認識しており、「③本中期計画における重要施策」に記載のとおり、H.U. Bioness Complexの安定稼働と自動化による原価低減、全国ラボ再編、集荷物流機能の合理化、営業統合によるグループ総合提案等の施策を通じて、収益構造を抜本的に改善してまいります。
さらに、先進医療技術の向上、地域包括ケアシステムの進展や医療におけるICTツールの重要性が高まる等、LTS事業を取り巻く環境は刻々と変化しており、LTS事業が環境変化に対応し飛躍的な成長を果たすべく、「商品力の強化」および「医療機関および生活者へのICTツールの導入」に関しても重要施策として掲げております。
(商品力の強化)
特殊検査に強みを持つ臨床検査会社として、がんゲノム、血液疾患、感染症や希少疾患等、最先端かつ医療需要の大きい疾患分野の新規項目の導入を推進してまいります。また、将来的に需要が拡大することが予測される再生医療・細胞医療領域への進出を図ってまいります。
一方、収益性の面では、ルミパルス試薬の採用項目拡大および不採算項目の整理等を通じて、コスト競争力を向上してまいります。
(医療機関および生活者へのICTツールの導入)
開業医、生活者の双方のニーズに合致したICTツールを提供してまいります。開業医には、これまで提供してきた検査結果システムに加え、業務支援システムを提供し、生活者には、個人のヘルスケア情報を一元管理できるPHRを提供してまいります。
H.U.グループホールディングスグループが提供するICTツール間を連携させることで、開業医と生活者との間に新しい接点を創出する等、診療効率と患者様サービスの向上に資する新たな価値を創出してまいります。
(LTS事業における2021年3月期・2022年3月期・2023年3月期および2024年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)
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2021年3月期(実績) |
2022年3月期(実績) |
2023年3月期(実績) |
2024年3月期(実績) |
2025年3月期(目標) |
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売上高CAGR (2021年3月期実績は対前年成長率) |
17.2% |
22.3% |
10.7% |
5.1% |
6%以上(※) |
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EBITDAマージン |
14.0% |
18.0% |
7.5% |
△0.1% |
17%以上 |
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営業利益率 |
9.0% |
13.1% |
0.2% |
△8.5% |
9%以上 |
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
2.IVD事業
「③本中期計画における重要施策 4.IVD事業におけるCDMO事業の拡大」に記載のとおり、IVD事業の強みを活かすとともに、生産体制の拡充と社内リソースの再配置等により、CDMO事業の強化・拡大に取り組んでまいります。
新・グローバル戦略として、まず、継続的な研究開発活動を通じ、他社が保有しないコンテンツの開発・製品化を進めてまいります。次に、日本国内で販売拡大を進め、欧米では臨床データの取得を通じ、新規製品の臨床的価値の実証を進めてまいります。自社プラットフォームで価値が実証された項目・製品はCDMO事業モデルを通じ、世界に広げてまいります。
国内事業については、H.U.フロンティアによるグループ総合提案および営業力強化、内外販におけるルミパルス試薬の項目拡販、LTS事業向けの項目内製化・導入推進および、マニュアル製品の選択と集中による固定費の最適化により、国内事業の成長と収益性の改善を図ってまいります。
海外ルミパルス事業については、地域と項目の選択を行うとともに、独自性のあるアルツハイマー関連項目に注力してまいります。なお、アルツハイマー病を始めとする神経疾患関連領域に特化し、バイオマーカーの開発を実施してきたADx NeuroSciences N.V.の買収により、同社が有する幅広い原料のポートフォリオおよび最新の技術等を活用することで、アルツハイマー関連項目のラインアップ拡大を目指してまいります。
また、ルミパルスの機能を補完・進化すべく、Fluxus, Inc.と開発中の超・高感度検出技術を取り込んだ形で、次期プラットフォーム開発を加速させてまいります。
さらに、新型コロナウイルス感染症により需要を再認識したエスプライン製品をはじめとするPOCT(Point Of Care Testing)を強化してまいります。具体的には、検体種別(唾液、鼻前庭、無痛採血等)の拡大や感染症項目のラインアップ強化等により商品力を強化していくほか、H.U.フロンティアによるLTS事業の顧客への販売を進めるとともに、生産キャパシティを拡充してまいります。
(IVD事業における2021年3月期・2022年3月期・2023年3月期および2024年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)
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2021年3月期(実績) |
2022年3月期(実績) |
2023年3月期(実績) |
2024年3月期(実績) |
2025年3月期(目標) |
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売上高CAGR (2021年3月期実績は対前年成長率) |
24.8% |
26.7% |
20.5% |
11.5% |
4.5%以上(※) |
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EBITDAマージン |
31.8% |
46.6% |
44.0% |
29.5% |
25%以上 |
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営業利益率 |
25.6% |
41.6% |
37.9% |
20.9% |
20%以上 |
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
3.HS事業
滅菌関連事業においては、病院の経営環境が厳しさを増す中、医療現場のニーズに応えるとともに、医療現場の効率化やコスト削減に資するサービスを積極的に提案してまいります。
重点施策としては、営業統合によるグループ総合提案、手術室を含めた全面受託化の深化および、継続的なオペレーションの改善による収益拡大および利益改善を図ってまいります。また、労働集約型ビジネスであることに鑑み、人件費の最適化を図ってまいります。
(HS事業における2021年3月期・2022年3月期・2023年3月期および2024年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)
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2021年3月期(実績) |
2022年3月期(実績) |
2023年3月期 (実績) |
2024年3月期(実績) |
2025年3月期 (目標) |
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売上高CAGR (2021年3月期実績は対前年成長率) |
13.0% |
0.5% |
△0.8% |
△0.1% |
9%以上(※) |
|
EBITDAマージン |
11.6% |
11.5% |
10.0% |
10.7% |
12%以上 |
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営業利益率 |
7.3% |
6.3% |
3.8% |
4.7% |
9%以上 |
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
4.持分法適用関連会社
(Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLC)
2024年3月期につきましては、既存のパートナーシップからの売上拡大および新たなパートナーシップの獲得等により、がんや先天性疾患に関わる遺伝学的検査の受託数が増加し、増収となりました。2025年3月期につきましては、引き続き売上成長を図るとともに、株式公開に向けて事業を推進してまいります。
(中国平安JV(深圳平安好医医学検験実験室))
引続き、三位一体モデル(健診クリニック、画像センター、検査ラボ)を推進しながら、中国平安グループの顧客基盤やネットワークの活用等による院内ラボ事業の拡大、特殊検査項目の導入等により、持分法投資損益の黒字化を目指してまいります。
(株式会社札幌ミライラボラトリーおよび株式会社札幌メディ・キャリー)
2021年6月10日付で、札幌臨床検査センター株式会社との間で、北海道札幌地域において共同で検体検査ラボ事業を行うための合弁会社および同地域において共同で臨床検査関連の集荷・物流事業を行うための合弁会社を設立し、2022年3月期より事業を開始しております。
(株式会社メディスケット)
2022年4月1日付で、株式会社メディパルホールディングスとの間で、医療・ヘルスケア領域における物流プラットフォームの構築に取り組むための物流合弁会社を設立し、自社の集荷・物流効率の向上のみならず、他社への集荷サービス提供の拡張を目指しています。具体的には、集荷コスト、両社のルート共通化により温室効果ガス、保有車両等の削減を目標としております。
(株式会社ガイアメディケア)
H.U.グループホールディングスの子会社であるケアレックス株式会社が、在宅事業を営む株式会社ガイアメディケアとの間で業務提携契約を締結したうえで、発行済株式総数の33.4%を取得し、H.U.グループホールディングスの持分法適用会社としております。採用や教育・研修における連携や人事交流を推進し、人材やサービス提供エリアを両社で補完し合うことで首都圏を面でカバーする体制を構築していきます。
⑥財務戦略と財務規律
本中期計画においては、安定的なキャッシュ・フローの創出と健全な財務規律の維持を重要なテーマとして掲げ、下記のとおり財務戦略を実行してまいります。
1)キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善等による営業キャッシュ・フローの改善
2)ファイナンスリースおよび不動産ファイナンスの活用
3)不動産売却の推進
(財務規律)
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2021年3月期 (実績) |
2022年3月期 (実績) |
2023年3月期 (実績) |
2024年3月期 (実績) |
2025年3月期 (目標) |
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(リース債務を除く) 純有利子負債 |
0.6倍 |
0.17倍 |
0.45倍 |
1.79倍 |
1.3倍以下(※) (本中計期間中2.5倍以下を維持する) |
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自己資本比率(%) |
45.6% |
48.9% |
50.3% |
49.0% |
40%以上 |
(※)2025年3月期
Ⅲ.2025年3月期の計画
①2025年3月期の見通しについて
2025年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症関連検査の減少を見込むものの、ベース事業の成長およびLTS事業における収益性の改善等により、下記のとおりとなる見込みです。
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単位:億円(四捨五入) |
2024年3月期実績 |
2025年3月期予想 |
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売上高 |
2,370 |
2,410 |
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EBITDA※1 |
168 |
310 |
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営業利益 |
△40 |
100 |
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ROE |
△5.2% |
4.9% |
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ROIC※2 |
△1.2% |
2.9% |
※1 EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
※2 ROIC=NOPAT(営業利益-みなし法人税)/ 投下資本 [(純資産+有利子負債(リース債務含む)
+ その他の固定負債)の期首・期末残高の平均]
②2025年3月期計画の骨子
本中期計画の最終年度にあたる2025年3月期について、「Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題 Ⅱ.中期計画「H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~」の概要」に記載のとおり、重要テーマに取り組んでまいります。
・LTS事業における収益性の改善
H.U. Bioness Complexを中心とした検査オペレーションの抜本的な効率化等による原価改善効果を発現させてまいります。また、株式会社メディパルホールディングスとの合弁会社である株式会社メディスケットによるシェアリング・ロジスティクスの推進により、集荷・物流に係るコスト最適化効果の発現を加速させてまいります。
・CDMO事業の強化
CDMO事業における中長期な需要拡大を見据え、パートナーとの開発を推進してまいります。
Ⅳ.株主還元と成長への投資
各事業から生み出される利益および資金につきましては、主たる配当のKPIとして連結自己資本配当率(DOE)6%レベルを目指し、その上でキャッシュ・フロー、中長期的に健全な財務基盤の維持などを総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を実施してまいります。
また、内部留保にかかる資金は、中長期的な成長に向けた投資を最優先として充当してまいります。
リスクマネジメントの基本的な考え方と管理体制
H.U.グループは、H.U.グループホールディングスおよびグループ各社におけるリスクマネジメント体制を「リスク管理規程」に定め、グループとして統一した方針のもと、リスク管理を推進しています。
H.U.グループホールディングスは、H.U.グループホールディングスおよびグループ全体のリスク管理を統合的に推進し、グループをリスクから防衛することを目的にリスク管理委員会を設置しています。CFOを委員長、代表執行役を除く執行役を委員として構成し、年1回以上の頻度で開催してその結果を取締役会に報告しています。具体的な活動は以下のとおりです。
(1)グループ各社のリスク管理状況の統括管理
(2)グループ全体に関するリスクおよび経営者による不正リスクの識別とコントロールの実行管理
(3)開示すべきリスクの識別とコントロールの実行管理
(4)H.U.グループホールディングスのリスク管理に関する事項
また、H.U.グループホールディングスおよびグループ各社は、リスク管理委員会または経営会議等においてリスク管理を行っています。そのプロセスについては、リスクの識別、全社的か業務プロセス単位かといったリスクの分類、顕在化する可能性および影響の大きさに基づくリスクの分析・評価、リスク対応のステップに分けており、具体的にはRCM(リスクコントロールマトリックス)を用いて管理し、H.U.グループホールディングスのリスク管理委員会に年1回以上報告しています。
H.U.グループホールディングスのリスク管理委員会において、グループ各社のリスク管理状況を勘案した上で、グループ全体に関する「特に重要なリスク」と「重要なリスク」を特定しております。
グループリスク管理の枠組み
個別のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてH.U.グループホールディングスグループが判断したものであります。
特に重要なリスク
(1) 情報の取扱および情報システムに関するリスク
H.U.グループホールディングスグループは大量の患者個人情報やその検査データを保有しているため、そのセキュリティの確保と個人情報保護法の遵守体制構築は経営の重要課題の一つであります。その一環として、株式会社エスアールエルでは、プライバシーマーク認証を2005年2月に取得しております。また、情報システムのセキュリティ対策として臨床検査事業システムに関する運用業務においてISMSおよびISO/IEC27001の認証を取得しております。また、H.U.グループホールディングスグループは、事業遂行に関連して複数の情報システムを利用しており、これら情報システムについて安定的な運用に努め、老朽化システムの改修・更新対応も含め、情報漏洩防止に資する情報システムの構築と運用ルールの周知徹底を推進しております。
しかしながら、ソフトウェア・ハードウェアの不具合、人為的ミス、災害、犯罪行為、サイバー攻撃、コンピューターウィルス侵入、テロ等により情報システムが正常に作動せず、その結果、個人情報の流出、サービスの大規模な停止、誤請求、検査報告の遅延やデータの消失等が生じた場合、H.U.グループホールディングスグループおよび、その製品・サービスに対する信頼性が失墜し、H.U.グループホールディングスグループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
H.U.グループホールディングスグループは業務遂行に関連して情報システムの開発を行っております。システム開発に当たっては必要に応じて第三者による外部評価を行う等、プロジェクトマネジメントの強化に注力しております。ただし、人材の確保が予定通り進まなかった場合、開発計画の進捗が滞った場合、開発コストが増大した場合、あるいは計画された機能を実現できない等の場合には、H.U.グループホールディングスグループの業務遂行に支障をきたす可能性や、開発にかかったコストを回収できない可能性があります。
(2) 精度管理および品質保証に関するリスク
検査・関連サービス事業における精度管理は、検査結果の正確性を維持するために最も重要な事項であります。H.U.グループホールディングスグループの主要な検査・関連サービス事業会社は、日本医師会、日本臨床検査技師会、日本衛生検査所協会等の各種公的機関等の外部精度管理に参加し、精度管理の徹底に努めております。また、一般財団法人医療関連サービス振興会主催のサービスマーク、米国臨床病理医協会(CAP)、米国臨床検査室改善法(CLIA)およびISO15189の認定を取得するなど社内体制の構築にも注力しております。検査・関連サービス事業における過誤に関しては、発生事案を早期に把握し原因究明および対応策を検討出来る体制を整備するとともに、手順の改善や自動化、社員教育の徹底等、再発防止に努めております。
臨床検査薬事業に関しても、社内の品質保証体制を整備し、製品の品質向上に努めております。H.U.グループホールディングスグループの主要な臨床検査薬事業会社は、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得しております。
ヘルスケア関連サービス事業における滅菌関連事業においても、提供するサービスの品質向上に努めており、主要な滅菌センターにおいて、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001の認証を取得しております。
しかしながら、人為的ミスや不測の事態により製品/サービスの品質が担保できない場合には、H.U.グループホールディングスグループの信頼性が損なわれることにより、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 人為災害および感染症等に起因する事業活動の停止、制約等による影響
H.U.グループホールディングスグループの各事業所において、火災、労働争議、設備事故等、人為的な災害が発生した場合には、H.U.グループホールディングスグループの業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、感染力が強くかつ深刻な健康被害をもたらす感染症の蔓延(パンデミック)等により、操業に支障が発生した場合には、H.U.グループホールディングスグループの業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(4) 自然災害および気候変動等に起因する事業活動の停止、制約等による影響
H.U.グループホールディングスグループの各事業所あるいは顧客である医療機関等が大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合に備え、事業継続計画(BCP)を整備し、非常用設備や備品の配置等を行っております。
また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、気候変動がH.U.グループホールディングスグループに与える事業リスクと事業機会について評価、分析を進め、事業戦略への反映と情報開示を推進していくとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献する取り組みを進めております。
しかしながら、気候変動に伴う自然災害等の物理的被害が甚大化した場合、あるいは温室効果ガスの排出規制等が想定以上に強化された場合には、H.U.グループホールディングスグループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 研究開発および技術革新に関するリスク
H.U.グループホールディングスグループは効率的かつ迅速な新製品および新技術の開発のため研究開発投資を継続的に行っております。このため、H.U.グループ中央研究所を設立し、基礎研究活動の効率化とスピードアップおよび情報の一元化を進めるとともに、国内外への学会参加の他、必要に応じ第三者の意見を取り入れること等により、市場動向や技術動向の情報収集を積極的に行っております。また、社内での研究開発の進捗について定期的にレビューを行うなど管理体制の強化を行っております。
しかしながら、人材確保ができなかった等の理由により、研究開発において想定した成果が十分かつ迅速にもたらされない、あるいは競合他社に技術開発を先行されてしまう可能性があります。また研究開発の途上において有効性・安全性等の薬事承認に必要とされる基準に満たない等の事由によって研究開発を断念せざるを得ない場合があり、それまでにかかったコストを回収できない可能性や、研究開発方針の見直しを余儀なくされる可能性があります。さらに、技術革新が急速に進展し、その対応が遅れた場合、H.U.グループホールディングスグループの製品/サービスまたはビジネスモデルの競争力が著しく低下することにより、H.U.グループホールディングスグループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品/サービスの供給に関するリスク
H.U.グループホールディングスグループは、製品/サービスの安定した供給体制の維持に努めております。また、H.U.グループホールディングスグループの事業活動に必要となる原材料や資材等の調達についても、仕入先の分散化等、安定的な調達体制の構築を進めております。
しかしながら、製品/サービスの供給における業務プロセスに遅延や不具合が生じることや、急激な需要の増加や不測の事態等によりH.U.グループホールディングスグループや仕入先の供給体制が停止あるいは供給能力が不足することにより、H.U.グループホールディングスグループが安定的な製品/サービスの提供を継続することが出来なくなった場合、あるいは、急激な人件費や原材料等の高騰の影響を価格転嫁できなかった場合には、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損会計適用に関するリスク
H.U.グループホールディングスグループは、のれんをはじめとする有形・無形の固定資産および投資有価証券等を所有しております。これらのうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は、エスアールエル社の臨床検査資産グループにおける有形および無形固定資産57,958百万円(連結総資産の19.9%)ならびにBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLCに対する投資有価証券4,994百万円(連結総資産の1.7%)および貸付金4,920百万円(連結総資産の1.7%)であります。
これらの資産の評価においては、会計上の見積りを必要としており、その価値が下落した場合や期待通りの将来キャッシュ・フローが見込めない状況となった場合、減損処理が必要となり、H.U.グループホールディングスグループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
重要なリスク
(8) 企業買収等(M&A)に関するリスク
H.U.グループホールディングスグループは、成長戦略のひとつとして、既存事業の関連分野におけるM&Aを国内外において検討・実施しており、これにより企業価値の向上を目指しております。
M&Aの実施に当たっては、事前に収益性や投資回収可能性に関する調査および検討を各事業会社および、H.U.グループホールディングス専門部署にて行っており、必要に応じて弁護士、会計士等の社外の専門家の助言を受けております。
しかしながら、買収後における事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、買収事業が所期の目標どおりに推移せず、H.U.グループホールディングスグループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産権に関するリスク
H.U.グループホールディングスグループの製品は、物質・製法など複数の特許によって、一定期間保護されています。H.U.グループホールディングスグループでは、特許権を含む知的財産権を適正に管理し、他者からの侵害に対しても常に注意を払っており、グループ内の知的財産管理機能をH.U.グループホールディングスに集約し専門性を高める等、管理体制の強化を図っております。
しかしながら、保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、H.U.グループホールディングスグループの製品が他者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償を請求される可能性があります。
(10) 法的規制等に関するリスク
H.U.グループホールディングスグループの事業活動は、国内では医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律ならびに関連する法律等の、また、海外ではFDA等による法的規制に服しています。H.U.グループホールディングスグループはこれらの法規制等の改正動向につき、常時積極的な情報収集に努めるとともに、適時対応策の検討を行っておりますが、将来において、法律の改正や規制強化等が行われる場合には、H.U.グループホールディングスグループの事業活動への制限や事業運営に係るコスト増加につながる可能性があります。
(11) 市場環境の変化による影響
医療制度の大きな改革が継続的に進められるなか、H.U.グループホールディングスグループの事業環境は、市場における他社との競合なども加わり、一段と厳しさを増しております。H.U.グループホールディングスグループでは市場および競合動向の情報収集および分析評価を継続的に行い、既存ビジネスの競争力強化のための施策や、新規ビジネス展開等に活用しておりますが、市場環境の変化、各国の医療費抑制の政策や、開発、製造および流通に関わる諸規制の厳格化等は市場価格に影響を及ぼしており、今後もその傾向は続くものと予想され、それによりH.U.グループホールディングスグループの業績および財政状態に悪影響を受ける可能性があります。
(12) 海外事業展開に関するリスク
H.U.グループホールディングスグループは、日本国内のほか、北米・欧州・アジアおよびその他の地域における事業活動を積極的に展開しており、海外事業の戦略的重要度が高まっております。かかる海外地域における市場の変化、景気の後退、政情の変化、経済制裁の発動、労務問題、文化や商慣習の相違、その他の政治的および社会的要因、産業基盤の脆弱性、公衆衛生上の問題、法規制等の変更、税制の変更、テロ・紛争等の発生、感染性疾病の流行や災害の発生等について、現地事業拠点とH.U.グループホールディングス担当部署が連携し常時情報収集を行い、即時の対応が出来るよう努めておりますが、これらの事案が発生した場合には、H.U.グループホールディングスの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) 繰延税金資産の回収可能性に係るリスク
繰延税金資産の評価に用いる将来の一時差異等加減算前課税所得の見積りは、H.U.グループホールディングスの包括的な承認を得た翌連結会計年度予算および中期経営計画の数値を、過去の達成状況を踏まえて修正し、当連結会計年度の臨時的な原因により生じたものを除いた課税所得・税務上の欠損金の発生状況を考慮して算定しております。
繰延税金資産の評価には、翌連結会計年度予算および中期経営計画の達成状況が影響します。翌連結会計年度の業績が予算を大きく下回る場合には、繰延税金資産を減額する可能性があり、H.U.グループホールディングスグループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14) 経営戦略の実行に伴うリスク
中期計画における各年度の目標数値は、H.U.グループホールディングスの経営目標を表す将来予想であり、これらの取組みを実施し、目標を達成する能力は、上記(1)ないし(13)に記載のリスクおよび不確実性、特に、想定を上回る競争の激化やそれに伴う市場価格の下落、研究開発投資の不奏功、顧客ニーズの変化、アライアンスの不調、国内外の医療制度の想定を上回る変更、海外事業展開および為替変動に関するリスクの顕在化の影響を受ける可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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