生化学工業(4548)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】生化学工業グループは、生化学工業及び子会社7社により構成され、医薬品及びLALの研究開発、製造・仕入及び販売に関する事業活動を展開しています。生化学工業グループにおける事業内容及び当該事業における位置付けは、次のとおりです。 医薬品: 生化学工業は、医薬品、医療機器及び医薬品原体等の研究開発、製造・仕入及び販売を行っています。ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インクは医薬品受託製造等を行っています。セイカガク ノース アメリカ コーポレーションは北米における医薬品・医療機器開発活動の一部及び生産企画を担っています。LAL: 生化学工業は、研究開発、仕入及び販売を行っています。アソシエーツ オブ ケープ コッド インクは、研究開発、製造・仕入及び販売を行っています。また、アソシエーツ オブ ケープ コッド インターナショナル インクは、販売を行っています。 事業セグメント別の主要製品は次のとおりです。事業セグメント主要製品等医薬品・関節機能改善剤、眼科手術補助剤、腰椎椎間板ヘルニア治療剤、内視鏡用粘膜下注入材・医薬品原体(各種医薬品用の原薬)・医薬品受託製造LAL・エンドトキシン測定用試薬、グルカン測定体外診断用医薬品 事業系統図は次のとおりです。(注)1.※1は連結子会社、※2は非連結子会社です。2.アソシエーツ オブ ケープ コッド ヨーロッパ ゲーエムベーハーは、現在清算手続中のため、上記事業系統図には含めておりません。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 生化学工業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において生化学工業グループが判断したものです。(1)経営の基本方針生化学工業は、「独創 公正 夢と情熱」を経営綱領のモットーとして掲げ、糖質科学の知見を活かした、独創的な医薬品等を継続して創製し、患者の方々に提供することを通じて、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献することを基本方針としています。これにより、医療を含む社会の持続的な発展に寄与するとともに、生化学工業の持続的成長及び中長期的な企業価値向上を目指してまいります。また、製薬企業としての社会的使命及び責任を深く自覚し、高い倫理観のもと法令等の遵守を徹底するほか、コーポレート・ガバナンスの充実を図り、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の強化に努めてまいります。(2)目標とする経営指標生化学工業グループでは、2023年3月期から2026年3月期までの中期経営計画において、経営指標として売上高および営業利益に係る目標値を設定していました。当該中期経営計画においては、重点施策のひとつとして、米国における腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の承認取得及び上市を掲げておりましたが、これを達成するに至りませんでした。今後の経営方針については、本剤の審査結果の影響を受けることから、当該結果の取得後に改めて検討を進める方針としています。なお、短期的な指標として、2027年3月期の業績予想は以下のとおりとしています。 2027年3月期業績予想売上高41,850百万円営業利益2,050百万円経常利益4,200百万円親会社株主に帰属する当期純利益2,250百万円 (3)経営環境及び中長期的な経営戦略と対処すべき課題≪経営環境≫医薬品産業を取り巻く経営環境は、国内薬価制度の抜本改革をはじめとした医療費抑制策の進展や、治療選択肢の多様化等に伴う企業間競争の激化に加え、新薬開発の難易度が高まるなか研究開発コストが増大するなど、極めて厳しい状況が継続しています。生化学工業が持続的に成長軌道を描くためには、このように環境変化が激しい時代への柔軟な対応が必要となります。また、社会の持続的発展と企業価値向上に向け、サステナビリティ推進をはじめとした社会的責任を果たすことの重要性が高まり、それらへの対応が急務となっています。≪直近の市場環境≫生化学工業の主力製品である関節機能改善剤の国内市場は、高齢者人口が増加傾向にあるものの、注射剤以外の外用薬や内服薬の処方拡大により数量ベースでは横ばいで推移しており、金額ベースでは薬価引き下げの影響を受けて縮小傾向にあります。そのような状況の中、国内市場において生化学工業製品は高いシェアを獲得しており、需要が高い状況を維持しています。海外の主力市場の一つである米国市場については、高齢者人口の増加を背景に緩やかな拡大傾向にあります。しかしながら、政府の政策による医薬品業界への影響は依然として不透明な状況となっており、販売提携先とも連携を取りながら動向を注視しています。中国市場については、米国と同じく高齢者人口の増加により緩やかな拡大傾向にあるものの、政府や省による集中購買が拡大し、価格競争が激化しています。≪中期経営計画(2023年3月期~2026年3月期)の概要≫Ⅰ. 目指すべき姿 生化学工業は、本中期経営計画期間である2023年3月期からの4ヵ年を「成長を実現する期間」として定めています。前中期経営計画期間に強化した基盤をもとに、各重点施策を推し進めることで、持続的に成長軌道を描くための実力を養い、最終年度には過去最高の業績達成を目指します。 Ⅱ. 重点施策生化学工業が持続的に成長軌道を描くための実力を養うべく、次の5つの重点施策に取り組みます。① 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の製品価値最大化 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における承認取得及び上市を実現するために、カナダに設立したセイカガク ノース アメリカ コーポレーションを最大限に活用し迅速かつ確実な承認申請、審査対応を行います。また、販売提携先との密な連携のもと販売準備を進め、医療現場への早期浸透による製品価値の最大化を図ります。② 独自の創薬技術を活かした研究開発の加速 生化学工業が保有するGAG*に関する基盤技術を応用展開することで、既存領域における新規開発テーマや新規疾患領域を含む革新的な研究テーマの創出に注力し、アンメットメディカルニーズを中心とした患者の方々が真に必要とする新薬の創製を目指します。また、これらの成功確度を高め、早期進捗を図るために各種アライアンスを推進します。同時に既存パイプラインを着実に進展させ、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における承認取得及び上市、ドライアイ治療剤SI-614の米国第Ⅲ相臨床試験の終了、癒着防止材SI-449の国内承認取得及び米国での臨床試験開始を目指します。*GAG:グリコサミノグリカン。複合糖質の構成成分のひとつ(ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸等)。③ 関節機能改善剤の事業価値維持・向上 主力である国内関節機能改善剤市場において生化学工業製品のプレゼンスを強化し、経営を支える基盤製品としての事業性の維持・向上に努めます。国内医薬品は薬価引き下げの影響を大きく受けることから、原価構造の改善が不可欠であり、安定供給継続のためにも製品資材の仕様変更や製造工程の効率化等をさらに進めてまいります。また、関節機能改善剤ジョイクルの安全性情報等の収集及び提供を継続するとともに、臨床研究の結果をもとに適切な処方への貢献を目指してまいります。④ グローバル生産体制の構築 海外子会社ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インク(カナダ、トロント)と生化学工業高萩工場(日本、茨城県)の2拠点化を図ることで、適切かつ効率的な製造体制のもと安定供給のさらなる強化を図ります。⑤ 遺伝子組換え技術によるLAL事業の拡大 海外子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクとの連携のもと、遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬パイロスマート ネクストジェンを活用し信頼できる科学的データの蓄積や遺伝子組換え技術を活かした新たな診断薬の開発促進に取り組むとともに、関連企業との協働による測定機器やソフトウエアの開発・改良などを行うことで、新たな価値の創造を目指します。 また、上記の5つの重点施策を実行するうえで、社員エンゲージメントの向上や組織強化・人材育成は経営の基盤となる重要な要素となります。事業の中核である人材の育成や、成長を促進する環境を醸成するための投資を積極化させ、持続的な成長を実現するための基盤強化・改善を図っていきます。Ⅲ.サステナビリティ 生化学工業は、社会の持続的発展と企業価値向上に向けて、優先的に取り組むべき重要課題として6つのマテリアリティを特定しています。中期経営計画の重点施策のベースとなるこれらのマテリアリティに注力し、医療関連事業の発展に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを強化するとともに、サプライチェーンやステークホルダーの皆さまとの十分なコミュニケーションによる、社会的課題の解決を目指します。 ≪中期経営計画の総括(2023年3月期~2026年3月期)≫本中期経営計画を「成長を実現する期間」と定め、持続的に成長軌道を描くための実力を養い、過去最高の業績達成を目指しました。結果として、数値目標(売上高400億円、営業利益70億円)は、期間中に腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における承認取得及び上市を達成できなかったことが大きく影響し、未達となりました。しかしながら、研究開発や既存製品の安定供給維持に向けた体制構築、グローバル生産体制の構築、及びLAL事業の拡大について着実に進展させることができました。今後も世界中の患者の方々の健康で心豊かな生活の質の向上に貢献するとともに、企業価値の更なる向上にむけて取り組みを加速してまいります。本中期経営計画での重点施策に関する結果と実施内容は以下のとおりです。① 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の製品価値最大化 2024年3月に米国食品医薬品局(FDA)へ承認申請を行ったものの、2025年3月に審査完了報告通知を受領し、承認の取得には至りませんでした。その後、FDAからの追加の指摘事項への対応を完了し、2026年3月に再度FDAへ申請を行いました。<主な実施内容>・米国第Ⅲ相追加臨床試験の主要評価項目において、統計学的に有意な改善結果を示すトップライン結果を取得(2023年5月)・FDAへの生物製剤承認申請が受理される(2024年5月)・FDAによる審査行程のひとつである公聴会で本剤のリスク&ベネフィットについて議論され、承認への支持を多数得る(2025年1月)・FDAより審査完了報告通知を受領。有効性及び安全性を含む臨床試験結果等に関連した懸念は表明されなかったものの、製造施設及び原薬・製剤の管理について追加の指摘事項が示される(2025年3月)・指摘事項への対応を完了し、FDAへ生物製剤承認の再申請を実施(2026年3月)② 独自の創薬技術を活かした研究開発の加速 大きな目標としていた腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603や癒着防止材SI-449の承認取得や上市までには至らなかったものの、承認申請まで着実に達成しました。その他、革新的な研究テーマの創出に着実に取り組むとともに、新たなパイプラインを追加しました。<主な実施内容>1)癒着防止材SI-449・国内ピボタル試験の主要評価項目及び副次評価項目において、統計学的に有意な改善効果を示す結果を取得(2023年7月)・日本において医療機器製造販売承認の申請を実施(2025年8月)2)内視鏡用粘膜下注入材MucoUpⓇ・中国において承認を取得(2024年9月)3)変形性関節症治療剤Gel-One・日本において第Ⅲ相臨床試験(膝・股関節)を開始し、新たにパイプラインに追加(2025年2月)4)ドライアイ治療剤SI-614・米国における第Ⅲ相臨床試験は完了したものの、主要評価項目において統計学的に有意な改善効果が認められなかったことから、開発を中止③ 関節機能改善剤の事業価値維持・向上 国内で高いシェアを持つアルツの安定供給維持や既存製品の製品資材の仕様変更、製造工程の効率化に向けて取り組みました。未達事項はあるものの、一定の成果を上げることができました。<主な実施内容>・人員増強や設備メンテナンスによりアルツの増産体制を構築・原価構造改善を目的とした製品資材の変更を実施・関節機能改善剤ジョイクルの安全性情報等の収集及び提供の体制維持④ グローバル生産体制の構築製造拠点の2拠点化に向けた体制構築について、想定より時間を要したものの、着実な進展が見られました。<主な実施内容>・海外子会社ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インク(DCL社)への設備投資の実施・日本からDCL社への製造技術移転の推進 ⑤ 遺伝子組換え技術によるLAL事業の拡大 海外子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクと連携し、エンドトキシン測定用試薬やグルカン測定体外診断用医薬品の展開の加速により、LAL事業の拡大を達成しました。<主な実施内容>・遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬パイロスマート ネクストジェン(PSNG)に関する科学データの論文化や学会発表などによるプレゼンス向上・営業活動によるPSNGの市場への浸透・グルカン測定体外診断用医薬品の販売国拡大及び病院市場の新規開拓 これらの重点施策に加え、人材戦略に関わる課題への対応や人的資本経営を推進するため、持続的な成長を支える経営基盤の強化にも取り組みました。具体的には、組織力の一層の向上を図るべく、事業環境の変化に対応した組織編制の見直しを行うとともに、将来を見据えた人材育成を推進しました。また、生化学工業の行動指針である「心と情報の通い合う、個性を活かす明るい社風の確立を推進する」取組みの一環として、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境づくりを目的とした、タウンホールミーティングを開催しました。併せて、これらの施策の浸透度や課題を把握するための一手段として、社員エンゲージメントの状況を確認する目的でエンゲージメントサーベイ等を実施しました。 また、サステナビリティ活動についても重要なテーマとして取り組み、2021年に策定したサステナビリティ基本方針及び6つのマテリアリティを基軸とした実効的な施策の立案・実施や、子会社への適用範囲拡大等を行ってまいりました。これらの取り組みに関しては、外部評価機関より以下の評価を受け、生化学工業ウェブサイトに公表しております。・EcoVadis評価:コミットメント・バッジ獲得・CDP(気候変動分野):Bスコア・改正省エネ法に基づく事業者クラス分け評価:Sクラス ≪今後の方針について≫ 前述の中期経営計画における重点施策への取り組みでは一定の成果が得られたものの、米国における腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の承認取得及び上市を含め、未達成となった項目もあることから、これらについて継続して取り組む方針です。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。これらの想定されるリスク発生の可能性を認識したうえで、リスク発生の回避や軽減及び発生した場合の対応に努める方針ですが、生化学工業株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えています。また、以下の記載は生化学工業株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において生化学工業グループが判断したものです。(1)法的規制、制度・行政について生化学工業グループの製品の多くは人々の生命と健康に関わるものであることから、日本及び海外各国の規制当局による医薬品等の品質、有効性及び安全性を確保するため等の法的規制を受けています。これらの関連法規の改正や、薬価基準の改定を含む医療制度及び行政施策の動向等によっては、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。法的規制の改正等に起因するリスクについては、その動向を常にモニターすることにより改正内容を早期に把握し、的確に対応していく方針です。しかしながら、その改正の内容や時期等は生化学工業グループが決定できるものではなく、その影響度を事前に見積もることは困難であると認識しています。(2)新製品開発について生化学工業の事業の中核をなす医療用医薬品の開発には、基礎研究から製造承認に至るまで、有効性及び安全性確認のための各種試験が必要であり、長期間にわたり多額の研究開発費を負担しても発売に至らないリスクがあります。このような場合、過去に計上された研究開発費に見合う収益が回収できない可能性があります。生化学工業としては、複数の開発パイプラインを推進することにより、リスクの分散に努めています。しかしながら、これにより全てのリスクが回避されるわけではなく、このような新製品開発の不確実性が業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。(3)特定販売先への依存について主力製品である医療用医薬品・医療機器は販売提携先と独占販売契約を締結し、販売先を限定しています。状況の変化によりこれらの販売提携先との取引内容に変更があった場合、その内容によっては、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当該リスクが顕在化した場合の影響度を見積もることは困難であると認識しています。(4)副作用に関するリスクについて医療用医薬品・医療機器は、臨床試験段階から市販後に至るまで、予期せぬ副作用が発現するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、開発品においては臨床試験の遅れや開発中止等に至る可能性があります。また、既承認品においても、予期せぬ副作用等で発売中止、製品回収等の事態に発展し、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに備え、日頃より安全監視活動を継続して有害事象の収集と分析を進め、予期せぬ副作用が発現した場合は、迅速に回収等の措置を講じる方針です。しかしながら、顕在化した副作用の程度等に応じた影響を受ける可能性があり、その影響度を定量的に見積もることは困難であると認識しています。なお、関節機能改善剤ジョイクルについては、投与後にショック、アナフィラキシーの発現が複数報告されたことから、医療関係者向けに安全性速報を発出し、有害事象の収集と分析を進め、安全監視活動を強化しています。今後、予期せぬ副作用や副作用の重篤化が確認された場合には、更なる対策強化等の措置を講じることがあります。その場合、ジョイクルの販売収益が低下する可能性があります。(5)特定仕入先への依存について医療用医薬品・医療機器の製造には様々な規制があり、原材料の中には規制当局の承認が必要とされるものもあるため、原材料の仕入先を限定し、往訪監査を行い、品質の確保と安定供給体制の確立に努めています。原材料の一部は単一の供給源に依存しているため、調達が困難になるような状況変化が生じたときは、製品の製造に支障をきたすリスクがあります。原材料及び製品在庫を適切に保有することにより、業績への影響を最小限に留める対策を講じていますが、当該リスクが顕在化した場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。顕在化した場合の影響度は、該当製品や代替品調達の可否、調達に要する時間等により大きく異なることから、その影響度を事前に見積もることは困難であると認識しています。(6)動物由来成分の原料について生化学工業グループの製品の多くは、ニワトリ、サメ、カブトガニといった動物に由来する成分を原料としています。そのため、原料とする動物由来成分の使用が制限された場合や調達が困難になった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。生化学工業グループでは、可能な限り調達先を分散させることに加え、当該原料及び製品在庫を適切に保有することで業績への影響を最小限に留める対策を講じています。また、発酵原料を用いた製品や、遺伝子組換え体を用いた製品の上市や開発も進め、リスクの最小化に努めています。しかしながら、これらにより全てのリスクが回避されるわけではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を受けることは不可避であると認識しています。また、2022年11月に開催されたワシントン条約国際会議にて、生化学工業が原料としているサメの一種が規制対象となり、輸出時に許可証が必要となることが決定しました。日本政府は当規制対象種について「留保」の姿勢を表明しており、国内における取引では当規制は適用されません。一方、海外輸出においては同許可証が必要となりましたが、サプライヤーと協働で対応を進めており、現時点では既存顧客との取引に影響はありません。ただし、今後当条約の対象生物が拡大した場合は影響を受ける可能性があります。(7)為替相場の変動について当連結会計年度における海外売上高比率は61.7%(ロイヤリティー除く)であり、その取引通貨の多くは米ドル等の外貨で行われているため、急激な為替相場の変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、生化学工業では海外で実施する臨床試験等の研究開発費の支払いに売上の外貨を充当することや為替予約を行うことにより、為替相場の変動リスクの軽減を図っていますが、これらにより全てのリスクを回避することは困難であると認識しています。また、連結財務諸表作成時に海外連結子会社の現地通貨建財務諸表を円換算していることから、為替相場の動向によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)保有有価証券等の価格変動について将来の研究開発や設備投資に充当するために、手元資金を有価証券で運用しています。投資対象の分散などリスクの軽減を図っていますが、有価証券等の価格変動等によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。金融市場や金融政策の動向等に起因する外部リスクに関しては、生化学工業独自のリスク軽減対策により軽減・排除することが難しいことから、顕在化した場合にはその時期、規模に応じて影響を受けるものと考えており、顕在化の影響を定量的に見積もることは困難であると認識しています。(9)知的財産権について製品や事業の優位性を確保するために特許権、その他知的財産権の取得に向けた様々な出願をしていますが、特許権等が取得できなかった場合や、特許権等が取得できたとしてもその有効性や排他性が否定された場合、特許権等の期間が満了した場合等には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、第三者の知的財産権の侵害を未然に防止するために調査をし、その可能性を最小化していますが、知的財産権の侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、現段階において、将来的な顕在化の影響を定量的に見積もることは困難であると認識しています。(10)情報セキュリティについて生化学工業グループは、社内外の個人情報を含む多くの機密情報を保有しています。情報システム強化のための適切な投資を実施するほか、情報セキュリティ意識を高めるための社内教育やメール訓練等を実施していますが、システム障害や外部からのサイバー攻撃、従業員や第三者の過失等の様々な要因により、システムの停止、情報の改ざん、漏洩等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。(11)大規模災害等の発生について地震、台風等の自然災害や火災等の事故、感染症のまん延などにより、生化学工業グループの事業所等が大規模な被害を受け、事業活動が停滞し、または製品供給に支障が生じた場合や、災害により損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生した場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。生化学工業グループとしては、各種災害リスクに対応するためのマニュアルの整備等を含め事前の対策を講じていますが、当該リスクは生化学工業グループのみのリスク管理施策では回避できるものではなく、顕在化した場合の規模や期間等に応じた影響を受ける可能性があり、その影響度を定量的に見積もることは困難であると認識しています。(12)気候変動について気候変動に伴う気象災害が頻発・激甚化した場合には、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、平均気温の上昇による将来的な炭素税等の導入により、原材料コストが増加し、業績に影響を及ぼす可能性があります。生化学工業としては、気候変動リスクの特定とその対応策に加え、その影響度について、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:TCFD)に基づき評価し、その情報を開示しています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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