ペプチドリームグループは、ペプチドリーム独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPSを活用した創薬開発事業、及びペプチドリームの100%子会社であるPDRファーマ株式会社による放射性医薬品事業を実施しており、医薬品等の研究・開発・製造・販売等に従事しています。
なお、ペプチドリームグループの報告セグメント及び事業内容は、以下の通りです。
<報告セグメントの内容>
事業の系統図は、以下の通りです。
<事業系統図> ※ペプチドリーム見解に基づく/ペプチドリーム作成
PDRファーマを通じてペプチドリームグループが日本国内で販売している放射性治療薬・診断薬は以下の通りです。(2026年1月末時点)
· ヨウ化ナトリウムカプセル:甲状腺機能亢進症の治療、甲状腺がん及び転移巣の治療、シンチグラムによる甲状腺がん転移巣の発見。37MBqから1.85GBqまで5種類の製品規格を展開。ヨウ化ナトリウム(131I)カプセル。
· ライアットMIBG-I131静注:MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ。3-ヨードベンジルグアニジン(131I)。2025年9月に神経芽腫に対する効能・効果適応追加に関する一部変更承認を取得。
· ゼヴァリン®インジウム(111In)静注用セット:イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の集積部位の確認。111In標識抗CD20抗体。製造販売元はムンディファーマ株式会社。
· ゼヴァリン®イットリウム(90Y)静注用セット:CD20陽性の再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫の治療。90Y標識抗CD20抗体。製造販売元はムンディファーマ株式会社。
· オクトレオスキャン®静注用セット:神経内分泌腫瘍の診断におけるソマトスタチン受容体シンチグラフィ。ソマトスタチン受容体を標的とするペンテトレオチドの111In標識注射液。Curium Pharma社からの導入品。
· テクネ®DTPAキット:腎シンチグラフィによる腎疾患の診断。ジエチレントリアミン五酢酸99mTc注射液 調整用。
· テクネ®MAA®キット:肺シンチグラムによる肺血流分布異常部位の診断。テクネチウム大凝集人血清アルブミン99mTc注射液 調整用。
· テクネ®MAG3注射液/テクネ®MAG3キット:シンチグラフィ及びレノグラフィによる腎及び尿路疾患の診断。メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン99mTc注射液。
· テクネ®MDP注射液/テクネ®MDPキット:骨シンチグラフィによる骨疾患の診断、脳シンチグラフィによる脳腫瘍及び脳血管障害の診断。メチレンジホスホン酸99mTc注射液。
· テクネ®ピロリン酸静注:骨シンチグラムによる骨疾患の診断。ピロリン酸99mTc注射液。
· テクネ®ピロリン酸キット:心シンチグラムによる心疾患の診断、骨シンチグラムによる骨疾患の診断。ピロリン酸99mTc注射液 調整用。2024年8月に剤型追加の承認取得。
· テクネ®フチン酸キット:肝脾シンチグラムによる肝脾疾患の診断、乳がん、悪性黒色腫、子宮頸がん、子宮体がん、外陰がん、頭頚部がん(甲状腺がんを除く)におけるセンチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ。フィチン酸99mTc注射液 調整用。子宮頸癌、子宮体癌、外陰癌及び頭頸部癌(甲状腺癌を除く)におけるセンチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィについては2023年3月に適応拡大の承認取得。
· ニューロライト®注射液第一/ニューロライト®第一:局所脳血流シンチグラフィ。[N,N’-エチレンジ-L-システイネート(3-)]オキソ99mTc、ジエチルエステル注射液。Lantheus Holdings社からの導入品。
· カーディオライト®注射液第一/カーディオライト®第一:心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断、初回循環時法による心機能の診断、副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断。ヘキサキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル) 99mTc注射液。Lantheus Holdings社からの導入品。
· ミオMIBG®-I123注射液:心シンチグラフィによる心臓疾患の診断、パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ、腫瘍シンチグラフィによる神経芽腫、褐色細胞腫の診断。3-ヨードベンジルグアニジン123I注射液。パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィについては2023年12月に適応拡大の承認取得。
· 塩化タリウム-Tl201注射液:心筋シンチグラフィによる心臓疾患の診断、腫瘍シンチグラフィによる脳腫瘍、甲状腺腫瘍、肺腫瘍、骨・軟部腫瘍及び縦隔腫瘍の診断、副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺疾患の診断。塩化タリウム(201Tl)注射液。
· ウルトラテクネカウ®:脳腫瘍及び脳血管障害の診断、甲状腺疾患の診断、唾液腺疾患の診断、異所性胃粘膜疾患の診断、医療機器「テクネガス発生装置」との組合せ使用による局所肺換気機能の検査。過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ。
· フルデオキシグルコース(18F)静注「FRI」:悪性腫瘍の診断、虚血性心疾患(左室機能が低下している虚血性心疾患による心不全患者で、心筋組織のバイアビリティ診断が必要とされ、かつ、通常の心筋血流シンチグラフィで判定困難な場合)の診断、難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる場合の脳グルコース代謝異常領域の診断、大型血管炎の診断における炎症部位の可視化。フルデオキシグルコース(18F)注射液。
· イオフェタミン(123I)注射液「第一」:局所脳血流シンチグラフィ。塩酸N-イソプロピル-4-ヨードアンフェタミン(123I)注射液。
· アミヴィッド®静注:アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化。抗アミロイドベータ抗体薬投与後の脳内アミロイドベータプラークの可視化。フロルベタピル(18F)注射液。2024年5月、薬価基準に収載。抗アミロイドベータ抗体薬投与後の脳内アミロイドベータプラークの可視化については、2024年9月に効能又は効果の一部変更承認を取得。2024年11月に保険適用の範囲を拡大。Eli Lilly社(Lilly社)からの導入品
· タウヴィッド®静注:アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症患者におけるドナネマブ(遺伝子組換え)の適切な投与の補助。フロルタウシピル(18F)注射液。2022年11月にLilly社との共同開発契約を締結し、2024年12月に国内における製造販売承認を取得。
(1) 経営方針
ペプチドリームグループでは、「医療のあり方や患者さんの人生に変革をもたらす次世代医薬品の創出」をグループ全体のミッションとして掲げております。ペプチドリームの独自技術である世界最先端の創薬プラットフォームシステムPDPSを基盤に、革新的医薬品の研究開発を先導するとともに、放射性医薬品領域におけるPDRファーマの有する専門性を融合することで人々の健康と医療の発展に貢献し、全世界の病気で苦しんでいる方に「ありがとう」と言ってもらえる仕事に取り組んでまいります。
(2) 経営戦略等
ペプチドリームグループは、2つの戦略領域である放射性医薬品(RI)領域とNon-RI領域で医薬品等の研究・開発・製造・販売等に従事しています。RI領域では日本国内で放射性医薬品事業を推進する上で必要となる創薬研究・開発から製造、販売に至るまですべての機能を一気通貫で有し、自社プログラムまたは提携プログラムとして革新的な放射性治療薬・診断薬の創製・開発を実施しています。腫瘍の縮小効果をもつ放射性核種をがん細胞に選択的に送達するためのキャリアとして環状ペプチドの有用性が次々と示される中、ペプチドリームとPDRファーマのシナジーを最大限発揮することにより、革新的で高付加価値の放射性医薬品を開発・販売するとともに、海外の製薬企業から有望な放射性医薬品を導入することにより放射性医薬品領域での成長を目指しています。Non-RI領域においてはPDPSを中核とし(1) ペプチド医薬品、(2) 環状ペプチドをキャリアとして他の有効成分と結合させたペプチド-薬物複合体(PDC)、(3) 異なる機能を有する環状ペプチドを結合させて複数の機能を有する多機能ペプチド複合体(MPC)の創薬におけるリーディング・カンパニーとして①グローバルの大手製薬企業や戦略的提携先との共同研究開発、②自社創薬及び戦略的提携先との共同研究開発、③PDPSの非独占的技術ライセンス等を実施しており、ペプチドを用いた次世代の革新的医薬品の創製・開発を目指しています。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
ペプチドリームグループは、収益性の向上を目指しており、経営指標として売上収益、Core営業利益及びCore営業利益率を重視しております。2024年12月期は売上収益35,000百万円、Core営業利益10,900百万円、売上収益Core営業利益率31.1%を目標としております。
(4) 会社の対処すべき課題
(A) 放射性医薬品(RI)領域
ペプチドリームグループの放射性医薬品事業においては、①既存製品の価値最大化、②今後成長が期待される中枢神経領域での事業拡大、③がん領域を中心に中長期的な成長を牽引する新たな放射性治療薬の開発、の3つを戦略フォーカスとしています。
ペプチドリームグループでは、短期的には放射性診断薬を中心とした既存薬の適応拡大・剤形追加、これらの製品に対するデジタル・ソリューションの拡張等を通じて売上収益の拡大を図ってまいります。2023年にはテクネフチン酸キット、ミオMIBG-I123注射液、アミヴィッド静注の適応拡大を進めてまいりました。また、株式会社RYUKYU ISGから医療デジタル・ソリューション関連製品の譲受を行いました。
さらにペプチドリームグループは、アルツハイマー病領域のPET診断薬であるアミヴィッド静注と18F-フロルタウシピルの成長にも注力しています。アミヴィッド静注は脳内アミロイドβプラーク、18F-フロルタウシピルは脳内の異常蓄積タウタンパク質による神経原線維変化(NFTs)を可視化するPET診断薬です。日本国内で新たな認知症治療薬が承認され、また今後は18F-フロルタウシピル承認の可能性もある中、ペプチドリームグループはアルツハイマー病領域のPET診断における2大分野の両製品を提供できるようになる立ち位置を活かし、アルツハイマー型認知症の可能性がある患者さんへの治療方針を決定する上で有用な情報を医療関係者の皆さまに提供することが可能になるものと期待しています。
中長期的には、がん領域を中心とする新たな放射性治療薬の開発が成長を牽引していくものと考えています。ペプチドリームグループは、日本国内で放射性医薬品を開発・製造・販売するためのインフラや専門性、新規の放射性治療薬を創製・開発する技術や専門性、さらにこれまでに構築してきた強力なグローバルネットワークを活用し、継続的に開発パイプラインや製品ポートフォリオを拡大していくビジネスモデルを構築しています。これまで、放射性医薬品市場では診断薬が市場の多くを占めていましたが、新たな標的型放射性治療薬の時代に入り、革新的な放射性治療薬・診断薬の創製・開発を通じて、ペプチドリームグループは将来的な成長を加速するとともに、当該分野における医療の進歩に大きく貢献できるものと考えています。2023年には、CA9プログラム・RayzeBio社プログラム・Novartis社プログラムの3つのプログラムにおいて開発候補化合物を特定することができました。これらのプログラムでは早期の臨床入りを期待しています。また、リンクメッドとの提携により新たな臨床プログラムとしてATSMプログラムを追加いたしました。2024年にはさらなる臨床プログラムの追加を期待しています。
ペプチドリームのNon-RI領域は、PDPSを基盤技術として用い、(1) ペプチド医薬品、(2) PDC、(3) MPCの創薬開発において提携先との提携・ライセンス契約に加え、自社プログラムとしての開発も進めており、これらのプログラムを前臨床~臨床~上市へと順次ステージアップさせていくことを目指しています。
上図の通り、ペプチドリームは多くの提携プログラムを実施し、早期の研究/前臨床段階から臨床段階、商業化へとプログラムを推進することに注力しています。これらのプログラムは、ペプチドリームグループの将来の収益拡大に向けて重要な成長ドライバーになるものと考えています。2023年には、Amolyt社のGhRアンタゴニストプログラムやMSD社との提携プログラムの臨床試験開始など、大きな成果を得ることができました。さらに小野薬品との新たな提携や、アステラス製薬との新たな標的タンパク質分解誘導剤に関する提携を開始し、また複数の提携プログラムでマイルストーンの達成を発表いたしました。今後も継続的に、ペプチドリームが取り組むプログラムの価値最大化に向けて、創薬・早期開発段階から臨床段階へとプログラムを推進していきます。
上図の通り、2022年にPDRファーマ社がグループに加わったことにより、ペプチドリームは、早期の創薬活動に注力する成長ステージ(「プラットフォーム」)から、それに加えて上市製品や臨床段階のパイプラインを保有する成長ステージ(「プラットフォーム+ポートフォリオ」)へと成長モデルをシフトしてきました。ペプチドリームグループは、放射性医薬品事業の日本国内におけるユニークな立ち位置および数多くの創薬パイプラインを活用し、臨床段階のプログラムを拡充することを計画しています。こうしたハイブリッド・モデルにより、収益の安定性向上とともに成長機会の最大化を実現し、持続的で力強い成長を積み重ねていきます。
ペプチドリームグループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、ペプチドリームグループとして必ずしも重要なリスクと考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で又はペプチドリームグループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。ペプチドリームグループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はございません。また、以下の記載内容はペプチドリームグループのリスクすべてを網羅するものではございませんのでご留意ください。
なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在においてペプチドリームグループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性もございます。
ペプチドリームのリスク管理体制は以下のとおりです。
詳細については、 「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 b リスク管理体制」をご参照ください。
経営者が経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している主要な事業等のリスクは以下のとおりです。各リスクについて発生可能性、影響度の観点から評価した結果を一元的に管理するために、同一のリスクマップに掲載しております。
<主要な事業等のリスク一覧> ※ペプチドリームグループ見解に基づく/ペプチドリームグループ作成
<主要な事業等のリスクマップ> ※ペプチドリームグループ見解に基づく/ペプチドリームグループ作成
上記に加えて、ペプチドリームグループは医薬品の臨床開発、製造、販売を行っております。PDRファーマはRI領域における製造販売業者として半世紀近い歴史・経験を有し、臨床開発、薬事機能など医薬品上市に必要な機能を有しております。
一方で、一般に医薬品の開発には多額の研究開発投資と10年以上の年月を要します。また、研究開発の初期段階において有望とされた化合物であっても、前臨床試験や臨床試験の結果によっては研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断を余儀なくされる可能性がございます。さらには、臨床試験を完了しても、当局の定めた有効性と安全性に関する審査によっては、医薬品の上市が承認されない可能性もございます。
これらのことからペプチドリームグループの研究開発活動は一定の不確実性を伴っており、この不確実性がペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
ペプチドリームグループは、医薬品の臨床開発、製造、販売を行っておりますが、医薬品には予期せぬ副作用が発現するリスクがあります。ペプチドリームグループでは、発売後の医薬品について製造販売業としての医薬品安全性監視を行うことで患者様の健康被害リスクを最小化する活動を実施する等、医薬品使用に関連するリスクの回避と軽減に努めております。また、医薬品の開発、製造販売を行う製品が、必要な品質及び安全性の基準を満たさない場合、これを原因とした製造物責任を負うリスクがあります。ペプチドリームグループでは、製品の安全、品質への取り組みをマテリアリティの一つに掲げており、従業員への教育、製造・品質保証体制の整備に努めております。これらの取り組みにも関わらず、副作用等が発現し、製造販売の中止、製品の回収、薬害訴訟の提起等が惹起される場合には、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
ペプチドリームグループは、放射性医薬品の製造販売を行っており、その社会的責任から安定供給をマテリアリティの一つに掲げております。一方で、放射性医薬品の文字通り核となる放射性核種は、原子炉や加速器といった特殊な設備で、希少な放射性原料から製造されることが多く、海外サプライヤーを中心とする特定の供給元に依存しております。また放射性医薬品の製造・輸送も、多くの規制を受けるため、許認可を受けた工場・業者以外では実施することができません。そのため地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等の発生により、ペプチドリームグループの取引先や、ペプチドリームグループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊又は事業活動の停滞等の損害が発生した場合、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
ペプチドリームグループは、医薬品の製造販売を行っております。国内における医療用医薬品の販売価格は、厚生労働大臣が定める薬価基準によって定められますが、医療費高騰等による薬剤費引き下げ政策がすすめられており、2年に一度行われる薬価改定に加え、直近では2021年度に導入された中間年改定が2023年度も実施されております。薬価引き下げ政策が拡大し、ペプチドリームグループの放射性医薬品の薬価が大きく引き下げられる場合、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(ⅱ)事業内容に関するリスク
一方で、AIや計算化学といったin silico技術も含め、ペプチドリームグループの特許技術に抵触しない優れた創薬技術が開発される可能性は否定できません。その場合、ペプチドリームグループの競争優位性が低下することにつながり、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(6) 知的財産権に関するリスク
ペプチドリームグループのPDPSを始めとする様々な技術や、医薬品候補化合物・製品は、物質・製法・製剤・用途特許等の複数の特許によって一定期間保護されております。
ペプチドリームグループでは特許権を含む知的財産権を管理し、ペプチドリームグループが事業を展開する市場における第三者の知的財産権や、第三者からの侵害状況を継続的にモニタリングし、知的財産権に関するリスクの回避・軽減に努めております。しかしながら、ペプチドリームの保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合や、無効審判を受ける等して取得した特許を適切に保護できない場合、あるいはペプチドリームグループの製品・技術が第三者の知的財産権を侵害した場合には、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
ペプチドリームグループの創薬開発事業においては、パートナーとの共同研究開発契約から計上される収益が主であり、事業収益の相当程度が共同研究開発先(パートナー)の研究開発の進展に伴って計上されます。
当該収益は原則的には、(A)契約一時金、(B)研究開発支援金、(C)研究マイルストーンフィー、(D)開発マイルストーンフィー、(E)売上ロイヤルティー、(F)販売マイルストーンフィーで構成されております。
上記の中で(A)(B)(C)はペプチドリームグループの事業活動に依拠する部分が大きいものの、(D)(E)(F)はパートナーの研究開発・事業活動に依拠する部分が大きく、ペプチドリームグループでその進捗を管理・制御することは困難です。加えて、研究開発方針を両社で協議しながらプロジェクトを推進するため、必ずしもペプチドリームの意向通りに個々のプロジェクトへのリソース配分や、研究開発方針を決定できない可能性がございます。
また、自社パイプラインについては導出または共同開発契約等を実施し、パートナーが臨床開発・商業化を行うことを想定しております。その際も、パートナーの研究開発・事業活動の進捗と結果にペプチドリームグループの収益は大きく依拠致します。
そのため、パートナーにおける研究開発の進捗が遅れた場合やパートナーの研究開発方針に変更等があった場合、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(8) 収益認識に関するリスク
ペプチドリームグループの事業収益の相当程度は、数多くのパートナーとの共同研究、共同開発に関する契約から計上されます。それらは国際会計基準(IFRS)における収益認識基準に従い、必要に応じて個別に監査法人とも確認を取りながら計上しております。
ペプチドリームグループではIFRSの収益認識基準の原則や背景にある考え方の理解に努め、適切な収益認識を行ってきておりますが、監査法人との協議の結果等から、ペプチドリームの想定と異なる収益認識が必要となった場合、例えば一時金として想定していた収益を長期間にわたって分割計上する必要が生じる等して、年間に計上する売上額が大きく変動する可能性がございます。そのため、一定以上の事業収益に対する収益認識の変更や修正を余儀なくされる場合、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(ⅲ)その他のリスク
(9) 保有投資有価証券に関するリスク
ペプチドリームグループでは、共同研究開発を加速させる目的での戦略的提携先への出資等を通じ、投資有価証券を保有しております。投資有価証券の評価は、株式発行会社の財政状態・経営成績等の状況によって判断されるため、実質価額の低下により減損損失を余儀なくされる場合には、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
ペプチドリームグループは、企業買収等を通じて獲得したのれん及び無形資産を計上しております。これらの資産については計画と実績の乖離等により価値が下落した場合には減損損失の計上等、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
ペプチドリームグループは、一部の投資先に対して、債務保証を行っております。ペプチドリームグループは投資先の経営状況をモニタリングするとともに、必要な施策を実施し、リスク低減に努めておりますが、将来的にこれら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
ペプチドリームグループの事業資金の一部は金融機関からの借入により調達しています。今後、長期金利や短期金利が上昇した場合、借入コストの増加によりペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
また、ペプチドリームグループの借入金には財務制限条項が付されています。業績の悪化等により当該借入金の期限前弁済義務が生じた場合には、ペプチドリームグループの財政状態に影響を与える可能性があります。
ペプチドリームグループのパートナーには海外の製薬企業が含まれていることから、事業収益の一部が外国通貨建て(主に米ドル建て)となっており、為替変動の影響を受けます。ペプチドリームグループでは短期的な為替変動に対応するため、適宜為替予約を用いて影響の最小化に努めておりますが、為替相場が一定以上変動した場合には、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼすことになります。
ペプチドリームグループは、役員及び従業員に対し新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、ペプチドリームグループ株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性がございます。
(15) 人的資本に関するリスク
ペプチドリームグループは、多くの国内外パートナーとの共同研究開発を行っております。そのため、事業を展開し発展させていくために、様々な分野で高い専門性や能力を有しグローバルで活躍できる人材の、採用・育成・確保が必要です。一方で、そのような優秀人材の数は有限であり、社会全般に優秀人材の流動性は高まっている傾向にあります。また、ペプチドリームグループは海外拠点を保有していないためにグローバル人材の採用に一定の制限があることから、人的資本が充分に確保できないリスクがございます。
ペプチドリームグループでは、優秀人材の獲得のため、賃金水準の上昇や働き方の多様化といった社会変化への対応に常に先行して取り組み、また従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みを開始する等、採用競争力の強化や人材確保に努めております。さらに「高い専門性、情熱、誠実」という3つのバリューと、その体現の為の10の行動指針を「Values & behaviors」として定め、コーポレートカルチャーとして定着させることを目指し、人材育成と社内環境整備を進めております。
こうした取り組みが機能せず、人材活用が充分に実施できない場合や、人材流出、採用の不調、役員や中核ポジションにおける後継者育成・獲得の停滞を招く場合、ペプチドリームグループの人的リソース・機能が棄損し、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
ペプチドリームグループは、被検者・患者さん等の社外ステークホルダーの個人情報や、パートナーの技術・知的財産情報を含む、多様かつ重要な秘密情報を取り扱っております。近年、サイバー攻撃は年々高度化・巧妙化しており、それにより秘密情報が漏洩した場合、ステークホルダーが重大な損害を被るリスクや、ペプチドリームグループの社会的信用が大きく損なわれるリスクや、競争力が低下するリスク等がございます。
ペプチドリームグループでは、サイバーセキュリティに関するポリシーを制定し、技術・社会環境の変化に合わせた適切な技術・サービスの導入、ネットワーク及び設備の監視を始めとする各種サイバー攻撃対策の実施や、社員を対象としたトレーニング等継続的な対策強化を行っております。
これらの対策にもかかわらず、サイバー攻撃等によるシステム障害や事故等の原因により情報の改ざん、漏えい等が発生した場合には、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 環境(気候変動)に関するガバナンス、戦略及び指標と目標」に記載の通りです。
(18) コンプライアンスに関するリスク
ペプチドリームグループの事業の推進にあたっては、薬事規制や製造物責任、独占禁止法、個人情報保護法、放射性同位元素等の規制に関する法令等の様々な法的規制や、GMP、GQP、GCP、GLP等のガイドラインの遵守が必要です。また、ペプチドリームグループの事業活動は、協力関係にある多数のサプライヤー等の第三者による業務遂行によって、大きく影響を受けます。ペプチドリームグループは、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会を設置してコンプライアンス推進体制を整備し、ペプチドリームグループおよび関係する第三者の事業活動が法令および社内規定を遵守して実施されるよう努めております。
しかしながら、ペプチドリームグループの従業員や、関係する第三者がこれらの法令等に違反した場合や、社会的要請に反した行動をとった場合、法令による処罰や制裁、規制当局による処分、訴訟の敵を受ける可能性があり、社会的な信頼を失うとともに金銭的損害を負う可能性があり、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
ペプチドリームグループの事業展開上重要な契約が、相手方の経営方針の変更等何らかの理由で、解除・終了する場合、ペプチドリームグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。なお、原則として、パートナーとの共同研究開発契約に係る受領済みの収益は、ペプチドリームグループが契約を中途終了する場合でも、ペプチドリームグループは返還義務を負っておりません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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