当企業グループはartience、連結子会社56社及び持分法適用関連会社5社により構成されております。
当企業グループが営んでいる事業内容は、次のとおりであります。
また、当企業グループとその他の関係会社の子会社であるTOPPAN株式会社との間で製商品等の取引が行われております。
artienceは特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。
事業の系統図は次のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業グループが判断したものであります。
当企業グループは、これまで「人間尊重の経営」を経営哲学に掲げ、「世界にひろがる生活文化創造企業を目指す」ことを経営理念とし、「CS(顧客満足)、ES(社員満足)、SS(社会満足)、SHS(株主満足)を向上させる」ことを行動指針として、全ての企業活動を進めてきました。しかしながら、その過程における社会環境の変化は著しく大きく、新たな時代に貢献し更なる成長を遂げるため、これから必要とされる提供価値や、当企業グループの向かうべき方向を明確に示し、「一人ひとりが主役となり、世界の人々に先端の技術で先駆の価値を届ける会社」へと変革するという覚悟と強い想いを込めて、2023年3月の株主総会の承認を経て2024年1月1日より新たな商号・理念体系に変更いたしました。
新商号artience(読み方:アーティエンス、英文表記:artience Co., Ltd.))は、「art」と「science」を融合した言葉です。artは色彩をはじめとした五感や心への刺激に加えリベラルアーツの観点、scienceは技術や素材、合理性を表現しています。
新たな理念体系は、経営の基本的な考え方となるCorporate Philosophy(経営哲学)「人間尊重の経営」、ステークホルダーへの約束となるBrand Promise & Slogan(ブランドプロミス&スローガン)「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む」「Empowering Feeling」、社員の活動の拠り所となるOur Principles(行動指針)から構成されています。この中で、持続的に輝き続ける未来のために人々が心豊かに暮らすことのできる社会を実現したいという「存在理由」、さまざまな技術や発想をつなぎ社会が抱える課題を解決に導くために、自社だけではなくパートナーと協業しその力を組合わせることで人々の心を充たす美しさ・快さ・安心を届けるという「私たちの役割」を明確にし、更に我々が今後世界に提供していくべき価値を「感性に響く価値」と再定義いたしました。
当企業グループは新たな理念体系のもと、強みであるartとscienceを融合し磨き上げ、目で見えること、触れて感じること、あるいは製品の品質を通じて感じることなど人々の感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来の実現に貢献してまいります。
前中期経営計画においては、コロナ禍や急速な原材料高騰、ウクライナ紛争の長期化など大きな環境変化のなか、LiB用CNT分散体の事業の立上げなど今後の成長に向けた取り組みが進捗した一方で、既存事業の収益力やキャッシュフローなど業績・経営基盤には課題が残る結果となりました。
この様な状況下、社会から求められる価値の変化に対応し、「感性に響く価値」を提供し、心豊かで持続可能な社会に貢献する会社となるべく、artience株式会社と商号を変更するとともに、その目指す姿の実現に向けて新しい中期経営計画を策定しました。
当企業グループが成長の軌道に乗り、市場での存在感を発揮していくために、“GROWTH”を柱に、強い覚悟を持って変革を進めてまいります。
当企業グループは2029年12月期にROE10.0%以上を目標として掲げ、その過程として2026年12月期にROE7.0%以上を目標とします。2026年12月期の売上高は4,000億円、営業利益は250億円を計数目標としています。
マテリアリティとしては、事業ポートフォリオの変革、資本効率とキャッシュフローの最大化、そして企業基盤構築とサステナビリティ経営実践を掲げています。
当企業グループでは長期構想を掲げ「100年レンジでの持続的成長が可能な企業体質に変革し、すべての生活者・生命・地球環境がいきいきと共生する世界に貢献する企業グループ」を目指し、2018年度から中期経営計画を進めて参りました。2021年度からは「SIC(Scientific Innovation Chain)-Ⅱ」(2021年度~2023年度)を推進し、「新たな時代に貢献する生活文化創造企業」を目指す姿として掲げ、3つの基本方針「事業の収益力の強化」「重点開発領域の創出と拡大」「持続的成長に向けた経営資源の価値向上」のもと、その実現の取組みを進めてきました。
2024年度、artienceとして新たにスタートを切るにあたり、変革を着実に実行すべく2030年をゴールとした経営計画artience2027/2030“GROWTH”を新たに設定いたしました。本期間を通じて、「事業ポートフォリオの変革」「資本効率とキャッシュフローの最大化」「企業基盤構築とサステナビリティ経営」に取り組んでまいります。
2024年度~2026年度までのartience2027においては、3つの基本方針「高収益既存事業群への変革」、「戦略的重点事業群の創出」、「経営基盤の変革」に基づき取組みを進めて参ります。
「高収益既存事業群への変革」では、当企業グループの既存事業を成長事業、収益基盤事業、構造改革・戦略再構築事業に分類し、それぞれの戦略に応じた変革を進めます。変革にあたっては収益力向上にむけ成長領域へ資源を集中させるほか、販売戦略・事業戦略を抜本的に見直した大胆な施策による構造改革を実行してまいります。
「戦略的重点事業群の創出」では、車載用リチウムイオン電池材料、ラミネート接着剤をはじめとするモビリティ・バッテリー分野と、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料や光学粘着剤、半導体向け材料などのディスプレイ・先端エレクトロニクス分野の2つの成長市場に関する事業に加え、環境・バイオ・エネルギーなど2030年以降を見据えた次世代事業を戦略的重点事業群と位置づけ、戦略的に資源を配分し事業の拡張・成長を加速します。
「経営基盤の変革」では、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点に基づいた経営資源の強化に取り組みます。人/風土に対しては、社員エンゲージメント向上に繋がる新人事制度やグローバル、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)といった多様性の促進や挑戦する風土醸成に取り組みます。財務面では、ROEの目標に基づいたCCCやROICを導入したキャッシュフローマネジメントを徹底し資本効率性向上を目指します。そのほか、artienceサステナビリティビジョン、asv2050/2030を通じた環境負荷低減活動、DXを活用したモノづくり革新や知財/技術基盤強化など、目指す姿の実現を支える経営基盤の変革を進めてまいります。
新中期経営計画「artience2027」の初年度となる次期連結会計年度では、各事業を以下の通り推進してまいります。
色材・機能材関連事業では、中国現地パートナーを活用した液晶ディスプレイカラーフィルター用材料の現地生産の具体化を進め、ディスプレイ市場の中国シフトを好機としたシェアと収益の最大化を図るとともに、センサー等次世代技術への用途拡大による高付加価値化も推進します。また、車載用リチウムイオン電池材料は、中国での生産・供給を開始するなど欧•米•中・日での生産体制の拡充と、今後の環境を見据えた性能・コスト面での競争力強化に注力し、並行して全固体電池等次世代技術の開発も推進してまいります。
ポリマー・塗加工関連事業においては、インド、中国、北米で各市場のニーズに合った粘接着剤製品の展開による事業拡大を図るため、パートナーとのアライアンスも視野に入れた生産能力増強や市場ニーズを捉えた製品開発などを進めてまいります。また、国内に設置したパイロットプラントを活用し、次世代半導体の後工程市場向けの製品開発を推進いたします。
パッケージ関連事業では、インドや東南アジアなどで市場成長を確実に取り込みつつ、水性インキやバイオマスインキ等の環境調和型製品の先行した市場展開によるシェア拡大に注力してまいります。また、中国では営業・技術体制強化による拡販、トルコでは新工場の稼働開始など、増強される供給能力を活かしてグローバルな事業拡大を図ってまいります。
印刷・情報関連事業においては、国内の情報系印刷市場が縮小するなかで、生産や物流面でのアライアンスなどサプライチェーンの効率化をこれまで以上に強力に推し進めるほか、金属インキの海外展開や脱プラに貢献する機能性コーティング剤の拡販など、海外市場での拡大と紙パッケージ市場への転換を戦略的に進めてまいります。
これら事業活動に加え、経営基盤の構築とサステナビリティ経営の実践として、エンゲージメント向上を図る新人事制度や育成制度の導入と、DE&Iの推進など人的資本の強化を図るとともに、資本効率を改善する管理指標を導入し、浸透させます。また、artienceサステナビリティビジョン、asv2050/2030に基づいた環境負荷低減の活動を継続するほか、生産プロセスの革新や新たな素材開発など、DXの活用も多面的に進めてまいります。また、2024年度からの新たなCIと経営理念の具現化を念頭に、社内外への浸透活動を推進し、artienceとしての新たなブランド構築に邁進してまいります。
artienceは、リスクマネジメント担当役員(サステナビリティ委員会リスクマネジメント部会長)のもと、リスクマネジメント部会がグループ全体のリスクを網羅的・総括的に管理しております。また、当企業グループの各社・各部門では、日常業務に潜むリスクを洗い出して評価・検討し、対策を実施しております。
リスクマネジメント部会では、各リスクを発生頻度と重大性に基づき評価し、リスクマップを全社で共有しております。重要リスクについては取締役会に報告するとともに、リスク低減のための活動の進捗と達成度を部会で確認しております。新たに重要リスクとなりうる問題が発生した場合は、緊急対策本部を設置し対応を図ってまいります。
参考:リスクマネジメント体制(2023年度)
参考:重要リスクの評価基準
参考:重要リスクマップ
上記リスクマネジメント活動を通じて経営者が当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてartienceが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
当企業グループにとって、有機顔料の合成技術は原点の一つです。また、インキや塗料の製造で培われた分散技術は、着色するという用途を大きく越え、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料やカーボンナノチューブを応用した新たな分散体の開発などにも展開しております。
顔料事業においては、国内印刷市場の構造的不況のなか、印刷インキ用顔料の需要が大きく縮小するリスクがあり、売上高及び利益の低下を招く可能性があります。そのため、需要が安定した食品包装用途や高収益分野への展開を図ること、及び生産面の整備により事業リスクへの耐性を高めてまいります。
着色事業においては、廃プラスチック問題など環境意識の高まりに伴う需要減少のリスクがありますが、このような変化をチャンスと捉え、リサイクル対応製品、生分解性製品など環境調和型製品の開発によって持続可能な社会に貢献するとともに、事業リスク低減に取り組んでまいります。
モビリティ・バッテリー事業において、当企業グループは車載用リチウムイオン電池材料であるCNT(カーボンナノチューブ)分散体を生産、供給しております。リチウムイオン電池の市場は比較的新しい成長市場であることから、今後の技術動向や需要動向が変化したり、あるいは関連する規制や政策等が変更されることがありえますが、このような場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当企業グループとしては市況変化を迅速に捉えつつ、製品開発をタイムリーかつ網羅的に行うこと、設備投資を段階的に行うことで市場の要求に的確に応じる体制を整えることでリスク低減を図ります。
表示材料事業においては、ディスプレイや半導体関連の市況変動の影響を大きく受けるほか、一部原材料の調達・価格高騰リスクを抱えるなか、一極化が顕著な中国市場での競争力向上を重点課題に、差別化製品の開発と拡販戦略の強化、及びコストダウン施策等の推進により、業績向上と事業リスク低減を目指してまいります。
当企業グループでは、ポリマー・塗加工の技術を活かし、パッケージ、自動車、エレクトロニクス、エネルギー、メディカル・ヘルスケアなどの分野に展開しております。
当事業の原材料の多くは石油由来であり、環境保全を目的とした各国の規制や社会要請などにより使用の制約を受け、売上高等が変動する可能性があります。社会生活に必要な最終製品の材料供給者としての責任を果たすべく、現行品の機能を確保する環境調和型製品の開発と代替を進めてまいります。
エレクトロニクス市場向け材料については、スマートフォンのように、毎年、最終製品の仕様が変わるなか、その採用可否により売上高や利益が変動する可能性があります。品質・コスト面などの優位性を高めることでの採用確度の向上や、使用先の拡大などにより、リスク低減に努めます。
メディカル・ヘルスケア市場向け材料については、研究開発に相応の時間と費用を必要とし、製品上市の計画が遅延、変更、中止となる可能性があります。また、医薬行政の動向を受けた関連法規の改変や公定価格の変動が、売上高や利益に影響を及ぼす可能性があります。開発のパイプラインを増やすとともに、ヘルスケア粘着剤や体外診断の周辺材料など事業の裾野を拡げてリスク分散に取り組んでまいります。
当企業グループでは、パッケージの製造工程において多様な高機能製品を提供しております。特に安心・安全が求められる食品包装の分野では、インキの水性化などを進めております。また、持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向け、バイオマス製品の販売拡大を行っております。
パッケージ関連事業においては、廃プラスチック問題など環境意識の高まりによって、フィルム用インキの消費需要が落ち込み、売上高及び利益の低下を招く可能性があります。市場や環境の変化をチャンスと捉え、紙化や減層化に寄与する製品開発を強化し、リスク分散に取り組んでまいります。
当企業グループでは、原材料の顔料や樹脂から最終製品までを一貫生産できる強みを活かし、環境調和型製品や高機能のUVインキなど多様な製品を開発するとともに、お客様の印刷工程でのソリューション提供にも取り組んでおります。印刷・情報関連事業においては、デジタル化に伴う情報系印刷市場の縮小により、想定以上に売上高及び利益の低下の進展が早まり、また、印刷市場を取り巻く変化に伴う顧客や取引先の経営状況によっては、売上債権の回収に影響を及ぼすリスクがあります。そのため、経済情勢の変化や信用不安の兆候を早期に把握できるよう情報収集と与信管理を徹底してまいります。経営資源を成長分野に弾力的にシフトするとともに、事業効率を徹底的に高め、市場環境への適合を進めてまいります。
(代表的なリスク)
・法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更
・社会的共通資本が未整備なことによる企業活動への悪影響
・不利な政治的要因の発生
・テロ、戦争などによる社会的混乱
・予期しえない労働環境の急激な変化
これらの事象の発生可能性や影響等を合理的に予測することは困難でありますが、当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リスクに対する対応策)
当企業グループにおいては、各国の経済動向やその他リスクの影響を受けづらい収益構造とするために、世界各国における事業展開の促進や事業分野のバランスの向上、リスクに対して柔軟に対応できるSCM(サプライチェーンマネジメント)の構築、固定費や原材料費等の変動費の削減を行い、そのリスクを最小化するための対策に努めております。
(代表的なリスク)
当企業グループでは、事業を展開する上で、国内外の拠点をはじめ取引先等のシステムとネットワークで接続しており、当企業グループ及び取引先の機密情報や個人情報などの秘密情報を保持しております。システム障害による業務停止のほか、インターネットを通じたコンピュータウイルスやセキュリティ侵害による情報漏洩、滅失または毀損のリスクは増大する傾向にあります。
このような事案が発生した場合は、ノウハウの流出または逸失による競争力の低下やブランド毀損、企業価値の低下、信用の失墜等のリスクへ拡大する可能性があります。
(リスクに対する対応策)
当企業グループとしては、システムの安定稼働に努めるとともに、重要なシステムについては、冗長化やバックアップを確保する対策を講じるほか、CSIRT体制を設置し、コンピュータウイルスやセキュリティ侵害に対する情報管理強化と社員教育を通じた人的リスク低減に努めております。また、サーバー機器の不具合やセキュリティ強化として技術的な対応・対策を行うほか、様々なリスクを想定したシステムBCP対策の再構築と、被害を最小限にとどめるためのコンティンジェンシープランの策定に努めております。
(代表的なリスク)
・製品の品質に起因する事故、またはクレームの発生
当企業グループでは、品質保証体制の強化を図っておりますが、製品の品質に起因する事故、あるいはクレームが発生した場合、当企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、artienceが支払う損害賠償金が製造物責任賠償保険で全額補償される保証はありません。
・物流の2024年問題
自動車運送事業における時間外労働規制の見直しにより、ドライバー不足、輸送力供給不足となり、長距離輸送の依頼が難しくなる、輸送スケジュールの見直しが必要となる、物流コストが増大するといったリスクが高まっています。
(リスクに対する対応策)
当企業グループでは、引き続き、品質や安全に関する法的規制の遵守に努めるとともに、製品の性能向上やお客様の安心・安全に貢献する製品開発を継続して進めることでさらなる満足度向上と信頼を得ることにより、リスク低減に取り組んでまいります。
物流面では、かねてよりホワイト物流に参画し、24年問題への対応として、物流網・物流拠点最適化を進めております。引き続き、配送や荷受けの最適化、納品リードタイムの緩和や、納品先での待機時間の短縮、附帯業務の軽減など、お客様のご理解とご協力をいただきながら、サプライチェーン一体となって物流事業者の負担軽減を図り、重要な社会インフラである物流の維持・改善に取り組んでまいります。
(代表的なリスク)
・大規模地震や大雨等の自然災害や国内外における感染症の大流行(パンデミック)等による、原材料の調達困難化、生産活動への支障、世界的な消費活動の停滞、サプライチェーンの物流機能の停滞などに伴う供給不能
(リスクに対する対応策)
近年、大規模地震や大雨等の自然災害や国内外における感染症の大流行(パンデミック)等に関するリスクは高まりつつあり、予想を上回る被害の拡大や長期化が進みますと、建物や生産設備等をはじめとする資産の毀損、従業員の出勤不能、電力・水道の使用制限、原材料の調達困難、物流機能の停滞などにより供給能力が低下し当企業グループの経営成績及び財政状態等に甚大な悪影響を及ぼす可能性があります。これらの不可避的な事業中断リスクを想定し、リスクに応じた緊急行動マニュアルの策定や定期的な実地訓練等による事業継続体制の整備に努めております。
(代表的なリスク)
・市況変動、天災、事故、政策などによる原材料の仕入価格高騰や供給不足
・調達先からの原材料供給の遅延/停止によるartience製品の生産遅延もしくは停止、及びそれに伴う取引先への供給不履行と損害賠償などの発生
当企業グループ製品の主原料は石油化学製品であるため、仕入価格及び調達状況は、原油・ナフサなどの市況変動、天災、事故、政策などに影響を受けます。特に当連結会計年度においては、ロシア/ウクライナ紛争の長期化、イスラエルのパレスチナ侵攻などによる安定供給への懸念が続き、また、LNG、石油、石炭、電力等のエネルギーコスト急上昇、さらには、水不足によるパナマ運河通航量低下、商業船攻撃対応によるスエズ運河回避などにより、多くの原料で入手困難、価格高騰、及び、納期遅延等のリスクが顕在化しました。仕入価格の上昇につきましては、当企業グループの製品が使用される消費財は、市況価格及び供給責任の面からも、販売価格への転嫁には時間を要するため、当企業グループの売上高及び利益に影響が生じました。また、原料が入手困難となるリスクにつきましては、顧客への製品供給不履行による損害賠償が発生し、その賠償金額によっては経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リスクに対する対応策)
上記のようなリスクを回避すべく、メーカー特性に応じた購買戦略策定のもと、市場環境、需要予測、想定市況価格といった多面的な視点を原料調達に反映させ、最適価格での購入を進めるとともに、在庫確保などによる製品の安定供給のための原料調達を進めております。また、新規購入先の開拓ならびに購入先との関係強化に日々努めながら、当企業グループにとって影響のある情報をいち早く入手し、様々なリスクに速やかに対応することで、当企業グループの業績に与える影響を低減・抑制することに努めております。
(代表的なリスク)
・急激な為替変動
当企業グループは世界各国で事業を展開しており、海外連結子会社の財務諸表項目は連結財務諸表作成のために円換算されますが、急激な為替変動によって当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、輸出入等の外貨建て取引においても、同様の可能性があります。
(リスクに対する対応策)
当企業グループは、為替予約や外貨建て債権債務のバランス化等によって、為替相場変動リスクの抑制に努めております。
(代表的なリスク)
・国内外の法規制の変更や、それに伴う市場の変化
・環境問題や製造物責任、特許侵害をはじめとする当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟紛争
(リスクに対する対応策)
当企業グループは、事業活動に関わる一般的な法的規制の適用を、事業展開する内外各国において受けております。これらの遵守のためサステナビリティ委員会の傘下に専門部会であるESG推進部会、コンプライアンス部会、リスクマネジメント部会を設置・運用し、事業活動に関わる法的規制を調査、抽出するとともに、適法・適正な事業活動を確保するため、製造・販売・研究開発の各活動領域における業務プロセスの検証や見直し、社内規程の整備、関係者への教育などの必要な施策を展開しております。また、財務報告の適正性確保のための内部統制システムの整備と運用の確保に努めております。
(代表的なリスク)
・国内外の環境法規制の変更や、それに伴う市場の変化
・環境負荷低減の対応の遅れによる費用の増加
・社会的な環境対応要請(脱プラスチック、カーボンニュートラルなど)に対する追加投資、事業形態の変更
(リスクに対する対応策)
上記リスクに対して、適切に対処し、積極的な開示を行うことで長期的には社会的信頼が高まり優位性を得る可能性もあります。当企業グループとしては、長期の経営計画の中で製造工程の見直しによる使用エネルギーやCO2の排出削減、化学物質の管理強化やシステム化、製品の脱VOC(揮発性有機化合物)化、ケミカルリサイクルを含んだリサイクル・リユースによる廃棄物削減など様々な施策に取り組んでおります。
(代表的なリスク)
・国内外の気候変動に関する規制の変更や、それに伴う市場の変化
・CO2排出量削減など社会的な要請に対する対応の遅れによる費用の増加
(リスクに対する対応策)
当企業グループは、上記のような気候変動の可能性に対して適切な対応を図り、経営計画や事業計画に反映させていくため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に準拠した全社的な対応活動を推進し、サステナビリティ委員会及びESG推進部会を実務中心とした気候変動対応ガバナンス体制の構築と運用、気候変動によって生じうるリスクと機会の特定・分析、施策の立案と経営・事業主体に向けた提案、グループ社員に向けた啓発と情報共有、そして、投資家をはじめとする社外ステークホルダーに向けた適切な情報開示などに取り組んでおります。
(代表的なリスク)
・顧客の経営状況の悪化による売上債権などの回収困難
(リスクに対する対応策)
当企業グループは、与信情報等を参考に、営業現場からの定性的情報も加味することで、顧客の与信リスクを定期的に見直し、それに応じた債権保全策を実施するなど与信管理の強化に努めてまいります。
(代表的なリスク)
・経済条件の変化や事業の見直しなどによる固定資産の減損
(リスクに対する対応策)
当企業グループでは、製造設備をはじめとした多額の固定資産を保有しており、重要な設備投資に対しては、事業戦略、市場動向、技術、生産性、投資金額及び投資計画の妥当性について事前に投融資マネジメント会議で審査を行ったうえ、グループ経営会議や取締役会で審議しております。また、各事業で減損の兆候がみられる場合には、速やかに対策を講じ、収益を改善させることに努め、リスクの低減を図っております。
(代表的なリスク)
・社会環境変化による人材不足(人材確保の困難性)
(リスクに対する対応策)
当企業グループでは、社員の定着・業務効率化・人材の獲得により、人材不足への対応を図っております。定着においては、DE&Iの推進、待遇の改善、人材育成の強化等に取り組み、全社員が働きやすく、働きがいのある職場づくりを進めております。業務効率化においては、生産・営業・技術・管理のあらゆる部門にてDXの導入をはじめとする業務変革を進めております。人材獲得の面では、新卒、キャリア(経験者)採用強化のほか、アルムナイ採用やリファラル採用を導入する等、多様な採用手法を取り入れ、人材確保を進めております。
(注)1 アルムナイ採用とは、何らかの理由で自社を退職した人を再雇用する採用手法のことであります。
(注)2 リファラル採用とは、自社の社員をはじめ社内外の信頼できる人脈(友人・知人)を介した採用活動・採用手法のことであります。
(代表的なリスク)
・当企業グループや当企業グループのサプライチェーン上での人権問題による社会的信頼の低下や取引停止
・当企業グループや当企業グループのサプライチェーン上での人権問題に起因する訴訟紛争
(リスクに対する対応策)
当企業グループは、「人間尊重の経営」をCorporate Philosophy(経営哲学)に掲げており、当企業グループの事業活動においてその影響を受けうるすべての人びとの人権を尊重すべく、「人権の尊重に関する基本方針」を定め、国内外の拠点に周知しております。また、サプライチェーンもartienceの社会的責任の範囲ととらえ、人権尊重のための取り組みをサプライチェーンと共同して推進しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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