artience(4634)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】当企業グループはartience、連結子会社56社及び持分法適用関連会社5社により構成されております。当企業グループが営んでいる事業内容は、次のとおりであります。 区分主要な事業の内容主要な会社色材・機能材関連事業有機顔料、加工顔料、プラスチック用着色剤、カラーフィルター用材料、インクジェット材料、リチウムイオン電池材料 等国内トーヨーカラー、東洋ビジュアルソリューションズ 海外Toyo Ink Compounds Vietnam、珠海東洋色材、台湾東洋先端科技、Toyo Ink Europe Specialty Chemicals、LioChem、LioChem e-Materials、韓一東洋 他ポリマー・塗加工関連事業缶用塗料、樹脂、接着剤、粘着剤、塗工材料、天然材料、メディカル製品 等国内トーヨーケム、東洋モートン 他海外Toyo Ink (Thailand)、上海東洋油墨制造、三永インキペイント製造、東洋インキ韓国 他パッケージ関連事業グラビアインキ、フレキソインキ、グラビアシリンダー製版 等国内東洋インキ 他海外Toyochem Specialty Chemical、Toyo Ink Indonesia、Toyo Ink Vietnam、江門東洋油墨、Toyo Printing Inks 他印刷・情報関連事業オフセットインキ、金属インキ、印刷機械、印刷機器、プリプレスシステム、印刷材料 等国内東洋インキ、マツイカガク海外Toyo Ink India、天津東洋油墨、Toyo Ink Europe、Toyo Ink America、Toyo Ink Brasil 他その他の事業原料販売、役務提供、不動産の賃貸管理、子会社の持株会社 等国内artience、東洋ビーネット 他海外TIPPS、東洋油墨極東、Toyo Ink International 他販売業各種当企業グループ取扱製品の販売海外東洋油墨亞洲、深圳東洋油墨 他 また、当企業グループとその他の関係会社の子会社であるTOPPAN株式会社との間で製商品等の取引が行われております。artienceは特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 事業の系統図は次のとおりであります。(事業系統図)
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当企業グループは、2024年より、商号・理念体系を新たにしました。新商号artience(読み方:アーティエンス、英語表記artience Co., Ltd.)は、「art」と「science」を融合した言葉です。artは色彩をはじめとした五感や心への刺激に加え、リベラルアーツの観点、scienceは技術や素材、合理性を表現しています。新たな理念体系は、経営の基本的な考え方となるCorporate Philosophy(経営哲学)「人間尊重の経営」、ステークホルダーへの約束となるBrand Promise & Slogan(ブランドプロミス&スローガン)「感性に響く価値を創り出し、心豊かな未来に挑む」「Empowering Feeling」、社員の活動の拠り所となるOur Principles(行動指針)から構成されています。この理念体系の中で、持続的に輝き続ける未来のために人々が心豊かに暮らすことのできる社会を実現したいという「存在理由」、さまざまな技術や発想をつなぎ社会が抱える課題を解決に導くために、自社だけではなくパートナーと協業しその力を組み合わせることで人々の心を充たす美しさ・快さ・安心を届けるという「私たちの役割」を明確にし、我々が今後世界に提供していくべき価値を「感性に響く価値」と定義いたしました。当企業グループは新たな理念体系のもと、強みとすべくartとscienceを融合し磨き上げ、目で見えること、触れて感じること、あるいは製品の品質を通じて感じることなど、人々の感性に響く価値を創り出し、心豊かな未来の実現に貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標前中期経営計画においては、コロナ禍や急速な原材料高騰、ウクライナ紛争の長期化など大きな環境変化のなか、LiB用CNT分散体の事業の立上げなど今後の成長に向けた取り組みが進捗した一方で、既存事業の収益力やキャッシュフローなど業績・経営基盤には課題が残る結果となりました。この様な状況下、社会から求められる価値の変化に対応し、「感性に響く価値」を提供し、心豊かで持続可能な社会に貢献する会社となるべく、artience株式会社と商号を変更するとともに、その目指す姿の実現に向けて新しい中期経営計画を策定しております。当企業グループが成長の軌道に乗り、市場での存在感を発揮していくために、“GROWTH”を柱に、強い覚悟を持って変革を進めてまいります。当企業グループは2029年12月期にROE10.0%以上を目標として掲げ、その過程として2026年12月期にROE8.0%以上を目標とします。2026年12月期の売上高は3,600億円、営業利益は230億円を計数目標としております。マテリアリティとしては、事業ポートフォリオの変革、資本効率とキャッシュフローの最大化、そして企業基盤構築とサステナビリティ経営実践を掲げております。 (3) 中長期的な経営戦略artienceとしての新たな理念体系のもと、変革を実践していく計画として、2030年をゴールとした経営計画artience2027/2030“GROWTH”を策定しております。本期間を通じて、「事業ポートフォリオの変革」「資本効率とキャッシュフローの最大化」「企業基盤構築とサステナビリティ経営」に取り組んでおります。2024年からの3年間をartience2027(2024年~2026年)とし、3つの基本方針「高収益既存事業群への変革」、「戦略的重点事業群の創出」、「経営基盤の変革」に基づき、変革へ向けた取組みを進めております。「高収益既存事業群への変革」では、当企業グループの既存事業を、成長事業、収益基盤事業、構造改革・戦略再構築事業に分類し、それぞれの位置付けに応じた戦略を推進することで事業ポートフォリオの変革を進めてまいります。成長事業の拡大へ集中する一方、収益基盤事業の効率性・生産性の向上を通じた収益力の強化を図ります。また、構造改革・戦略再構築事業については、大胆な施策による構造改革の断行や、成長軌道を描くことが可能な事業については、新たな戦略を策定し、変革を実行してまいります。「戦略的重点事業群の創出」では、リチウムイオン電池用材料、ラミネート接着剤をはじめとするモビリティ・バッテリー分野と、液晶ディスプレイ用カラーレジストや光学用粘着剤、イメージセンサー用材料を含む半導体関連材料などのディスプレイ・先端エレクトロニクス分野の2つの領域にグループの資源を集中し、新たな収益の柱となる事業群を創出してまいります。また、2030年以降を見据え、環境・バイオ・エネルギーを次世代事業と位置付け、事業の領域拡大や創出へ向けた取り組みを進めてまいります。「経営基盤の変革」では、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を基本とした経営資源の強化に取り組みます。その中でも、変革の起点と考える人的資本の強化や風土の醸成、資本コストを意識した経営のための基盤強化へ特に注力してまいります。また、DXの推進においては、AIの実践展開とともに情報セキュリティの強化を進めてまいります。さらに、環境課題を始めとした社会的責任への対応を進め、目指す姿の実現を支える経営基盤の変革を進めてまいります。 (4) 対処すべき課題新中期経営計画「artience2027」の3年目となる次期連結会計年度では、各事業を以下の通り推進してまいります。色材・機能材関連事業では、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、中国現地企業との合弁会社により確立した生産体制を起点に、市場ニーズへの対応力を高め、シェア向上へ取り組んでまいります。光半導体材料は、堅調な拡大基調を継続するとともに、当該事業において蓄積した知見を基に、次世代技術の開発やartienceグループ内の関連材料との連携による用途展開を進めてまいります。車載用リチウムイオン電池材料は、事業環境を見据えて柔軟な対応を図ることで適切な生産体制を維持しつつ、中国大手向けの本格生産、ハンガリーでの新規顧客への供給など、着実に実績を積み上げてまいります。また、負極用やLFMP用の導電助剤への展開に加え、車載以外にもESS用への検討など、製品構成拡大により収益機会の多様化を進めます。並行して、全固体電池など次世代技術の開発も推進してまいります。ポリマー・塗加工関連事業では、粘接着剤において、顧客ニーズをとらえた新製品の開発や生産革新を進め、収益力の向上に取り組んでまいります。特に、ディスプレイ用光学粘着剤は、生産能力の増強やサプライチェーンの最適化により、さらなる事業の拡大を図ってまいります。缶用塗料は、グローバルの拠点間ネットワークを強化してシナジー創出を加速してまいります。先端エレクトロニクス関連材料は、実績化が進む半導体関連製品を着実に拡大させるとともに、市場の要求をとらえた機能製品群の拡張を図ってまいります。パッケージ関連事業では、海外市場の成長取り込みと、国内市場での収益基盤の強化を進めてまいります。トルコで稼働させた新工場を地域の中核拠点とし、リキッドインキに加え、ラミネート接着剤についても事業の拡大を進めます。インドでは、市場成長を着実に取り込むとともに、生産能力増強へ向けた投資を進めてまいります。中国では、複数拠点の生産・販売・技術の新体制のもと事業の成長を加速させてまいります。国内市場では、省人化、自動化による効率化投資により収益基盤の強化を図ってまいります。また、環境対応製品群の開発や拡充を進め、顧客ニーズを先取りしたマーケティング活動を進めてまいります。印刷・情報関連事業では、海外での機能性インキ(UVインキ、金属インキ、スクリーンインキ)の拡販を進めてまいります。特にUVインキについては、artience独自素材による差別化製品のグローバル展開や、省エネニーズをとらえたUV及びLEDインキの拡販に取り組みます。加えて、高級紙器向けの機能性コーティング剤のさらなる拡大を進めてまいります。また、国内の情報系印刷市場の縮小は今後も継続する前提のもと、共同物流の拡大なども含めた更なる効率化を進めてまいります。このような事業活動に加え、持続可能な経営の実践につながる経営基盤の強化を進めてまいります。特に、根幹となる人的資本については、グローバルでの事業戦略に連動した人材の確保・育成や生産性向上につながる諸施策を進め、更なる強化を図ってまいります。DE&Iの推進やビジネスアイデアコンテストの実施など、エンゲージメント向上や挑戦する風土の醸成を図ってまいります。一方、ROIC等の指標に基づいた成長事業への資源配分や既存事業の改善活動に取り組む等、資本効率性の改善に向けた取り組みを進めてまいります。さらに、サステナビリティビジョンasv2050/2030や新たに設定したマテリアリティに基づき、環境課題を始めとした社会的要請に応える取り組みを継続してまいります。事業活動や経営基盤のあらゆる領域へのAI活用を加速させ、製品開発やオペレーションの変革を推進するとともに、生産性の向上や生産の持続性の確保に向けて、DXを活用したスマートファクトリー化をすすめ、情報セキュリティに関わる取り組みも強化してまいります。新CIと理念体系に基づく新たなブランドの浸透を一段と進めてまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】1.重要リスクの選定プロセスartienceは、リスクマネジメント担当役員のもと、リスクマネジメント部会がグループ全体のリスクを網羅的・総括的に管理しております。また、当企業グループの各社・各部門では、日常業務に潜むリスクを洗い出して評価・検討し、対策を実施しております。 2.当企業グループのリスクマネジメント体制及び運用状況リスクマネジメント部会では、各リスクを発生の頻度(発生可能性)と損害の重大性に基づき評価したうえで、重要リスクを選定し、リスクマップを作成して全社で共有しております。重要リスクについては取締役会に報告するとともに、リスク低減のための活動の進捗と達成度を部会で確認しております。重要リスクが発生し、当企業グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼすおそれが生じた場合は、緊急対策本部を設置し対応を図ってまいります。参考:リスクマネジメント体制(2025年度) 参考:重要リスクの評価基準参考:グループ共通の重要リスクに係るリスクマップ(注)本リスクマップは、当企業グループで想定される代表的なリスクが発生する可能性とそれによって生じる損害の重大性を示しております。 3.事業等のリスク上記リスクマネジメント活動を通じて経営者が当企業グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてartienceが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。 (1) 事業セグメント固有のリスク①色材・機能材関連事業当企業グループにとって、有機顔料の合成技術は原点の一つです。また、インキや塗料の製造で培われた分散技術は、着色するという用途を大きく越え、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料やカーボンナノチューブを応用した新たな分散体の開発などにも展開しております。顔料事業においては、国内印刷市場の構造的不況のなか、印刷インキ用顔料の需要が縮小するリスクがあり、売上高及び利益の低下を招く可能性があります。そのため、需要が安定した食品包装用途や高収益分野への展開を図ること、及び生産面の整備により事業リスクへの耐性を高めてまいります。着色事業においては、廃プラスチック問題など環境意識の高まりに伴う需要減少のリスクがありますが、このような変化をチャンスと捉え、リサイクル対応製品、生分解性製品など環境調和型製品の開発に加え、高機能製品の拡販によって持続可能な社会に貢献するとともに、事業リスク低減に取り組んでまいります。モビリティ・バッテリー事業において、当企業グループは車載用リチウムイオン電池材料であるCNT(カーボンナノチューブ)分散体を生産、供給しております。電気自動車(EV)市場は成長が鈍化しており、今後の需要拡大が遅延するケースや、関連する規制や政策等が変更されることがありえますが、このような場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当企業グループとしては市況変化を迅速に捉えつつ、製品開発をタイムリーかつ網羅的に行うこと、また設備投資を段階的に行うことで市場の要求に的確に応じる体制を整えます。これによりリスク低減を図ってまいります。表示材料事業においては、ディスプレイや半導体関連の市況変動の影響を大きく受けるほか、一部原材料の調達・価格高騰リスクを抱えるなか、一極化が顕著な中国市場での競争力向上を重点課題に、差別化製品の開発と拡販戦略の強化、及びコストダウン施策等の推進により、業績向上と事業リスク低減を目指してまいります。 ②ポリマー・塗加工関連事業当企業グループでは、ポリマー・塗加工の技術を活かし、パッケージ、自動車、エレクトロニクス、エネルギー、メディカル・ヘルスケアなどの幅広い分野に製品を展開しております。当事業の原材料の多くは石油由来であり、環境保全を目的とした各国の規制や社会要請などにより使用の制約を受け、売上高等が変動する可能性があります。社会生活に必要な最終製品の材料供給者としての責任を果たすべく、現行品の機能を確保する環境調和型製品の開発と代替を進めてまいります。エレクトロニクス市場向け材料については、スマートフォンのように、毎年、最終製品の仕様が変わるなか、その採用可否により売上高や利益が変動する可能性があります。品質・コスト面などの優位性を高めることでの採用確度の向上や、使用先の拡大などにより、リスク低減に努めております。メディカル・ヘルスケア市場向け材料については、研究開発に相応の時間と費用を必要とし、製品上市の計画が遅延、変更、中止となる可能性があります。また、医薬行政の動向を受けた関連法規の改変や公定価格の変動が、売上高や利益に影響を及ぼす可能性があります。開発のパイプラインを増やすとともに、ヘルスケア粘着剤や周辺材料など事業の裾野を拡げてリスク分散に取り組んでまいります。 ③パッケージ関連事業当企業グループでは、パッケージ分野の様々なニーズに応える多様な製品を提供しております。特に安心・安全が求められる食品包装の分野では、環境対応製品であるバイオマス製品の販売拡大を行っております。また更なる環境負荷低減に貢献できる様にインキの水性化にも力を入れて取り組んでおります。パッケージ関連事業においては、廃プラスチック問題など環境意識の高まりによって、パッケージの構成変更に伴うフィルム用インキの消費需要が落ち込み、売上高及び利益の低下を招く可能性があります。市場や環境の変化をチャンスと捉え、紙化や減層化に寄与する機能性バリアコート剤などの製品開発を強化、またパッケージのインキ消費量を保ったままリサイクル性を向上させる為、使用後のパッケージを剥離し、インキを取り除く脱墨技術開発、仕組みづくりなどを進め、リスク分散に取り組んでまいります。 ④印刷・情報関連事業当企業グループでは、原材料の顔料や樹脂から最終製品までを一貫生産できる強みを活かし、環境調和型製品や高機能のUVインキなど多様な製品の開発に注力しております。印刷・情報関連事業においては、デジタル化に伴う情報系印刷市場の縮小により、売上高及び利益の低下の進展が早まり、また、印刷市場を取り巻く環境の変化に伴う顧客や取引先の経営状況によっては、売上債権の回収に影響を及ぼすリスクがあります。そのため、経済情勢の変化や信用不安の兆候を早期に把握できるよう情報収集と与信管理を徹底してまいります。経営資源を成長分野に弾力的にシフトするとともに、事業効率を徹底的に高め、市場環境への適合を進めてまいります。 (2) グループ共通の重要リスク ①海外活動に潜在するリスク(発生可能性:4 損害の重大性:3)(代表的なリスク)・法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更・社会的共通資本が未整備なことによる企業活動への悪影響・急激なインフレ・不利な政治的要因の発生・テロ、戦争などによる社会的混乱・予期しえない労働環境の急激な変化これらの事象の発生可能性や影響等を合理的に予測することは困難でありますが、当企業グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクに対する対応策)当企業グループにおいては、各国の経済動向やその他リスクの影響を受けづらい収益構造とするために、世界各国における事業展開の促進や事業分野のバランスの向上、リスクに対して柔軟に対応できるSCM(サプライチェーンマネジメント)の構築、固定費や原材料費等の変動費の削減を行い、そのリスクを最小化するための対策に努めております。 ②システム障害、サイバー攻撃による情報セキュリティ侵害に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:3)(代表的なリスク)・システム障害による業務停止・サイバーセキュリティインシデント当企業グループでは、事業を展開する上で、国内外の拠点をはじめ取引先やクラウドサービス事業者等のシステムとネットワークで接続しており、当企業グループ及び取引先の機密情報や個人情報などの秘密情報を保持しております。このため、システム障害による業務停止のほか、ランサムウェアをはじめとするマルウェア攻撃、生成AIを悪用した高度なサイバー攻撃、及びクラウド環境の判定不備等による情報漏洩、滅失または毀損のリスク増大が懸念されます。このような事案が発生した場合は、ノウハウの流出または逸失による競争力の低下やブランド毀損、企業価値の低下、信用の失墜に加え、当企業グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクに対する対応策)当企業グループでは、システムの安全かつ安定的な稼働を維持するとともに情報の保全に努めるため、重要なシステムについては冗長化や定期的なバックアップを実施しています。またセキュリティインシデントに迅速に対応するためのチーム(artience-CSIRT※)を設置して経営関与でのセキュリティ対応体制を整備しており、ランサムウェアやセキュリティ侵害に対する情報管理強化と社員教育を通じた人的リスク低減に努めております。加えて、サーバ機器の不具合やセキュリティ強化として技術的な対応・対策を行うほか、様々なリスクを想定したシステムBCP対策の再構築と、被害を最小限に抑制するためのコンティンジェンシープランの策定に努めております。※CSIRT:Cyber Security Incident Response Teamの略称 ③製品の品質・物流に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:3)(代表的なリスク)・製品の品質に起因する事故、またはクレームの発生当企業グループでは、品質保証体制の強化を図っておりますが、製品の品質に起因する事故、あるいはクレームが発生した場合、当企業グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当企業グループが支払う損害賠償金が製造物責任賠償保険で全額補償される保証はありません。・物流事業者の経営環境変化への対応自動車運送事業における時間外労働規制やドライバー不足により輸送力の低下や、荷役・荷待ち時間の短縮と積載効率増大を目標とする物流効率化法の実施により、長距離輸送の依頼が難しくなる、輸送スケジュールの見直しが必要となる、物流コストが増大するといったリスクが高まっています。(リスクに対する対応策)当企業グループでは、引き続き、品質や安全に関する法的規制の遵守に努めるとともに、製品の性能向上やお客様の安心・安全に貢献する製品開発を継続して進めることでさらなる満足度向上と信頼を得ることにより、リスク低減に取り組んでまいります。物流面では、かねてよりホワイト物流に参画し、物流網・物流拠点最適化を進めております。引き続き、配送や荷受けの最適化、納品リードタイムの緩和や、納品先での待機時間の短縮、附帯業務の軽減など、お客様のご理解とご協力をいただきながら、サプライチェーン一体となって物流事業者の負担軽減を図り、重要な社会インフラである物流の維持・改善に取り組んでまいります。 ④自然災害・感染症等に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:3)(代表的なリスク)・大規模地震や大雨等の自然災害や国内外における感染症の大流行(パンデミック)等による、原材料の調達困難化、生産活動への支障、世界的な消費活動の停滞、サプライチェーンの物流機能の停滞などに伴う供給不能(リスクに対する対応策)大規模地震や大雨等の自然災害、並びに国内外における感染症の大流行(パンデミック)は、いったん発生すると当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があり、建物や生産設備等をはじめとする資産の毀損、従業員の出勤不能、電力・水道の使用制限、原材料の調達困難、物流機能の停滞などにより供給能力が低下し当企業グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対応するため、以下の措置を講じております。・各拠点における防災訓練の実施・事業継続計画(BCP)の策定(緊急事態発生時の対応フロー、代替生産体制等を規定)・リスク評価と対応体制の整備(主要拠点の代替施設検討、サプライチェーン多重化等) ⑤原料調達に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:3)(代表的なリスク)・市況変動、天災、事故、政策などによる原材料の仕入価格高騰や供給不足・調達先からの原材料供給の遅延/停止によるartience製品の生産遅延もしくは停止、及びそれに伴う取引先への供給不履行と損害賠償などの発生当企業グループ製品の主原料は石油化学製品であるため、仕入価格及び調達状況は、原油・ナフサなどの市況変動、天災、事故、政策などに影響を受けます。特に当連結会計年度においては、ロシア/ウクライナ紛争の長期化、イスラエルのパレスチナ侵攻などによる安定供給への懸念が続き、また、電力等のエネルギーコスト急上昇、さらには、水不足によるパナマ運河通航量低下、商業船攻撃対応によるスエズ運河回避などにより、多くの原料で入手困難、価格高騰、及び、納期遅延等のリスクが顕在化しました。仕入価格の上昇につきましては、当企業グループの製品が使用される消費財は、市況価格及び供給責任の面からも、販売価格への転嫁には時間を要するため、当企業グループの売上高及び利益に影響が生じました。また、原料が入手困難となるリスクにつきましては、顧客への製品供給不履行による損害賠償に発展するおそれがあり、その賠償金額によっては財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクに対する対応策)上記のようなリスクを回避すべく、メーカー特性に応じた購買戦略策定のもと、市場環境、需要予測、想定市況価格といった多面的な視点を原料調達に反映させ、最適価格での購入を進めるとともに、在庫確保などによる製品の安定供給のための原料調達を進めております。また、新規購入先の開拓ならびに購入先との関係強化に日々努めながら、当企業グループにとって影響のある情報をいち早く入手し、様々なリスクに速やかに対応することで、当企業グループの業績に与える影響を低減・抑制することに努めております。 ⑥為替の変動に関するリスク(発生可能性:4 損害の重大性:3)(代表的なリスク)・急激な為替変動当企業グループは世界各国で事業を展開しており、海外連結子会社の財務諸表項目は連結財務諸表作成のために円換算されますが、急激な為替変動によって当企業グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、輸出入等の外貨建て取引においても、同様の可能性があります。(リスクに対する対応策)当企業グループは、為替予約、外貨建て債権の回収期間の短縮化、外貨建て債権債務のバランス化等によって、為替相場変動リスクの抑制に努めております。 ⑦一般的な法的規制、法令違反に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4)(代表的なリスク)・独占禁止法をはじめとした各種競争法違反・PRTR、外為法改正への対応不備・品質不正・国内外の法規制の変更や、それに伴う市場の変化・環境問題や製造物責任をはじめとする当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟紛争(リスクに対する対応策)当企業グループは、事業活動に関わる一般的な法的規制の適用を、事業展開する内外各国において受けております。これらの遵守のためサステナビリティ委員会の傘下に専門部会であるESG推進部会、コンプライアンス部会、リスクマネジメント部会を設置・運用し、事業活動に関わる法的規制を調査、抽出するとともに、適法・適正な事業活動を確保するため、製造・販売・研究開発の各活動領域における業務プロセスの検証や見直し、社内規程の整備、関係者への教育などの必要な施策を展開しております。また、財務報告の適正性確保のための内部統制システムの整備と運用の確保に努めております。 ⑧環境負荷発生のリスク(発生可能性:4 損害の重大性:3)(代表的なリスク)・国内外の環境法規制の変更や厳格化、それに伴う市場の変化・環境負荷の低減や公害防止管理の対応遅れによる費用の増加・社会的な環境対応要請(脱プラスチック、リサイクル推進、カーボンニュートラルなど)に対する追加投資、事業形態の変更(リスクに対する対応策)上記リスクに対して、適切に対処し、積極的な開示を行うことで長期的には社会的信頼が高まり優位性を得る可能性もあります。当企業グループとしては、長期の経営計画の中で製造工程の見直しによる使用エネルギーやCO2の排出削減、化学物質の管理強化やシステム化、製品の脱VOC(揮発性有機化合物)化、マテリアル・ケミカルリサイクルを含んだリサイクル・リユースによる廃棄物削減など様々な施策に取り組んでおります。 ⑨気候変動に関するリスク(発生可能性:4 損害の重大性:3)(代表的なリスク)・国内外の気候変動に関する規制の厳格化や、それに伴う市場の変化及び機会の損失・CO2排出量削減など社会的な要請に対する対応の遅れによる評価・信用の毀損、対応のための費用増加(リスクに対する対応策)当企業グループは、上記のような気候変動の可能性に対して適切な対応を図り、経営計画や事業計画に反映させていくため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に準拠した全社的な対応活動を推進し、サステナビリティ委員会及びESG推進部会を実務中心とした気候変動対応ガバナンス体制の構築と運用、気候変動によって生じうるリスクと機会の特定・分析、施策の立案と経営・事業主体に向けた提案、グループ社員に向けた啓発と情報共有、そして、投資家をはじめとする社外ステークホルダーに向けた適切な情報開示などに取り組んでおります。 ⑩一般的な債権回収に関するリスク(発生可能性:4 損害の重大性:2)(代表的なリスク)・顧客の経営状況の悪化による売上債権などの回収困難(リスクに対する対応策)当企業グループは、与信情報等を参考に、営業現場からの定性的情報も加味することで、顧客の与信リスクを定期的に見直し、それに応じた債権保全策を実施するなど与信管理の強化に努めてまいります。 ⑪固定資産の減損に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:4)(代表的なリスク)・経済条件の変化や事業の見直しなどによる固定資産の減損(リスクに対する対応策)当企業グループでは、製造設備をはじめとした多額の固定資産を保有しており、重要な設備投資に対しては、事業戦略、市場動向、技術、生産性、投資金額及び投資計画の妥当性について事前に投融資マネジメント会議で審査を行ったうえ、グループ経営会議や取締役会で審議しております。また、各事業で減損の兆候がみられる場合には、速やかに対策を講じ、収益を改善させることに努め、リスクの低減を図っております。 ⑫人材不足に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:2)(代表的なリスク)・社会環境変化による人材不足(人材確保の困難性)(リスクに対する対応策)当企業グループでは、社員の定着・業務効率化・人材の獲得により、人材不足への対応を図っております。定着においては、DE&Iの推進、待遇の改善、人材育成の強化等に取り組み、全社員が働きやすく、働きがいのある職場づくりを進めております。業務効率化においては、生産・営業・技術・管理のあらゆる部門にてDXの導入をはじめとする業務変革を進めております。人材獲得の面では、新卒、キャリア(経験者)採用強化のほか、アルムナイ採用やリファラル採用を導入する等、多様な採用手法を取り入れ、人材確保を進めております。(注)1 アルムナイ採用とは、何らかの理由で自社を退職した人を再雇用する採用手法のことであります。(注)2 リファラル採用とは、自社の社員をはじめ社内外の信頼できる人脈(友人・知人)を介した採用活動・採用手法のことであります。 ⑬人権に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4)(代表的なリスク)・当企業グループや当企業グループのサプライチェーン上での人権問題による社会的信頼の低下や取引停止・当企業グループや当企業グループのサプライチェーン上での人権問題に起因する訴訟紛争(リスクに対する対応策)当企業グループは、「人間尊重の経営」をCorporate Philosophy(経営哲学)に掲げており、当企業グループの事業活動においてその影響を受けうるすべての人びとの人権を尊重すべく、「人権の尊重に関する基本方針」を定め、国内外の拠点に周知しております。また、サプライチェーンもartienceの社会的責任の範囲ととらえ、人権尊重のための取り組みをサプライチェーンと共同して推進しております。 ⑭腐敗行為に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4)(代表的なリスク)・当企業グループの役職員による贈収賄、背任、利益相反等の腐敗行為・腐敗行為に起因する不適切な会計処理・腐敗行為に伴う法的制裁、罰金、刑事責任・腐敗行為に伴う社会的信頼の低下、ブランド毀損当企業グループは、世界各国で事業を展開しており、各国の腐敗防止規制の適用を受けております。腐敗行為への関与が明るみになった場合、多大な罰金、刑事責任、事業許認可の取消し等を招くほか、社会的信頼の著しい低下により、財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクに対する対応策)当企業グループは、「腐敗防止に関する方針」の策定と「倫理行動規範」への明記により社内周知を図るとともに、コンプライアンス強化月間での研修実施と秘密保護・報復禁止を徹底したコンプライアンスオフィス(内部通報制度)の運用により、役職員による腐敗行為の防止に努めております。また、調達基本方針とサステナブルサプライチェーンガイドラインで贈収賄や不正利益供与等を禁止することで、サプライチェーン全体における腐敗防止体制を整備しております。 ⑮サプライヤーのコンプライアンス違反(人権以外)に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4)(代表的なリスク)・サプライヤーによる法令違反、腐敗行為、環境規制違反等・サプライヤーのコンプライアンス違反に伴う当企業グループの社会的信頼の低下や取引停止当企業グループは、サプライチェーン全体における適法・適正な事業活動を確保することが重要と認識しております。サプライヤーが法令違反、不正行為、環境基準違反等に該当する場合、当企業グループの信用毀損、取引先からの信頼喪失、さらには財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクに対する対応策)当企業グループは、調達基準と行動規範の明文化・周知、及び主要サプライヤーに対する定期的なコンプライアンス監査と評価を実施することで、サプライヤーの適法・適正な事業活動を確保しております。さらに、問題認識時の対話と改善支援、新規サプライヤーの事前審査を通じて、サプライチェーン全体のリスク低減に取り組んでおります。 ⑯労働安全衛生に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4)(代表的なリスク)・職場における重大な労働災害の発生・労働安全衛生法違反に伴う行政処分、刑事責任・労災事故に伴う損害賠償請求、企業評価の低下当企業グループは、化学品の製造、加工等を行う事業特性から、労働災害のリスクを抱えております。重大な労働災害が発生した場合、従業員の生命・健康が脅かされるとともに、労働安全衛生法違反に伴う罰金・刑事責任、損害賠償請求、さらには社会的信頼の低下により、財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクに対する対応策)当企業グループは、「労働安全衛生に関する基本方針」の中で「職場における労働安全衛生を持続的に向上させるために、法令遵守と国際規範尊重を前提とした、安全操業・保安防災・衛生管理に努める」としており、事故防止のために必要な最善を尽くし、建築物や設備等の安全対策を図っております。また、安全の根幹である「労働安全衛生に関する基本方針」を高いレベルで確保するため、各事業拠点にそれぞれの事業活動内容に即した労働安全衛生マネジメントシステムを構築し、リスク管理に基づく安全衛生活動を積極的に行っております。 ⑰知的財産に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:3)(代表的なリスク)・当企業グループによる他社の知的財産権侵害に起因する、差止請求、損害賠償請求等の訴訟・当企業グループの知的財産(特許、商標、著作物、営業秘密等)の盗用、無断利用・模倣品の流通による売上減少及びブランド価値毀損・従業員による知的財産の不正な持ち出し、競合他社への流出・知的財産管理の不備による権利喪失当企業グループは、化学品の製造、加工等を行う事業特性から、知的財産権侵害のリスクを抱えております。他社の知的財産権を当企業グループが侵害した場合は、差止請求、損害賠償請求等の訴訟を提起され、製品の供給責任を果たせなくなるリスクに直面し、当企業グループに対する信頼性が低下します。一方、当企業グループの知的財産権が他社により侵害された場合は、事業における競争優位性が失われ、さらには財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクに対する対応策)「倫理行動規範」の「公正・健全な事業活動」の中で会社の資産を適切に管理・利用することとし、知的財産権、情報、ブランドなどの資産について適切な管理・活用に努めております。自社の知的財産を保護するとともに、他社の知的財産権を尊重し、事業戦略、開発戦略と連動した知的財産活動を推進します。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー