田谷は、「美容師法」に基づき美容室(美容師法では「美容所」という)の経営をしており、その美容室において国家資格を有する美容師が美容施術(カット、パーマ、カラー等の施術)の提供を行っており、また、お客様に合ったヘアケア商品の販売を行っております。
美容室として「TAYA」「Shampoo」「MICHEL DERVYN」「ano」のブランドで全国展開を行い、お客様のニーズにお応えしております。
[事業系統図]
(注) 田谷は売上の取扱区分として、下表のとおり区別しております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において田谷が判断したものであります。
田谷は、「すべての人に夢と希望を与え社会に貢献する」という企業理念のもと、美容という手段を用いて人々を美しくすることを最大のテーマとし、美容師の技術力、創造力、感性及びサービスを高め、徹底した現場第一主義を貫いております。
また、「顧客満足」「株主満足」「社員満足」「社会満足」の4つの満足の追求が、企業の社会的使命と捉え、経営活動を進めております。
田谷は、2023年3月期~2025年3月期にわたる3ヵ年の中期経営計画を策定し、達成に向けた重点施策を実行しております。
しかしながら、急激な経営環境の変化、初年度の業績を踏まえ、2023年4月27日及び2024年4月30日に中期経営計画の見直しを行っております。これは、中期経営計画『T-ip60』の基本方針、取組項目はそのまま継承しつつ、計画の完遂に向けた増強施策として、『リブランディングプラン』を内包させ、より抜本的な経営改革を推進するプロジェクトとするべく『TAYA BX (Beauty Transformation) PROJECT』と名称を変更し、遂行してまいります。
当計画における具体的な施策は、以下の通りです。
Ⅰ.『T-ip60』 ~ TAYA innovation & power 60th ~ (当初施策)
(1)成長戦略( innovation )
①インフラ構築
・全店にPOSレジを導入し、顧客情報・予約管理・会計管理を一体化させ、業務負担を軽減
・顧客情報の一元管理により、顧客ステータスや個人に合わせた、きめ細かなアクションを実施
・通常料金の見直しや電子ポイントシステムを導入することで、お客様へ新しい価値の提供と再来店の動機づけをし、来店の好循環を生み出す
②販促活動
・販促チームを発足し、効果的なSNSの活用や世代に合わせた販促を推進
・自社のWEBサイトを集客ページとIRページに分離し、よりターゲットを明確にしたWEBサイトの運用
・話題性のあるタレントを起用し、パブリックイメージの浸透を図る
③商品販売の拡大
・市場ニーズの高い商品の導入や、OEM商品の開発および積極販売
・TAYAアプリとECサイトを連動させることによる、EC販売のシェア拡大
・顧客以外の購買者へのEC販売の認知向上と拡販を図る
(2)人材・技術教育戦略( power )
①組織
・抜本的な組織改革により、適材適所に人材を配置
・店舗と本部のオペレーションを再構築し、効率的な連携を図る
・本部をスリム化し、意思決定のスピードと戦略の実効性を高める
②人材
・美容師の所得増加を実現するシステムを構築
・美容学校との連携、WEBを活用した採用で全国から人材を確保
・キャリアパスを充実させ、人材の定着化を図る
③技術教育
・若年層や大人世代、それぞれの髪質やお悩みに合わせた施術メニューの開発・展開
・店長教育、社員教育を通じて、個人能力向上と店舗能力向上の相互作用を実現
・早期育成プログラム「TAYAアカデミー」から「スーパージュニア」を選抜し、特別レッスンにより戦力供給スピードを高める
(3)コーポレート戦略
①収益施策
・材料の適正使用、OEM商品の積極販売による商品原価低減、印刷物のデジタル化など
・経費の徹底管理で合理的なコスト削減
・本部のスリム化による一般管理費の圧縮
・本部収益拡大のための新たな収益源を創出
②店舗施策
・新規出店(期間中:前回公表値 23店舗 ⇒ 見直し後 12店舗)
・店舗改装(期間中:前回公表値 7店舗 ⇒ 見直し後 12店舗)
・店舗閉鎖(期間中:前回公表値 19店舗 ⇒ 見直し後 22店舗)
※新規出店は、規模ではなく収益性を最重要視、立地・集客面を勘案しコンパクトサロンを目指す
※直営店経営のみならず、あらゆる出店形態を展開
③ESGの推進
田谷は「すべての人に夢と希望を与え社会に貢献する」という企業理念のもと、これまでにも環境への配慮や、地域社会への貢献、透明性のある経営体制の構築に取り組んでまいりました。また、田谷のSDGsアンバサダーとして、トランスジェンダーで建築家の「サリー楓さん」を起用し、田谷の姿勢とポリシーを全面的に訴求してまいりました。すべての人に平等で差別のない技術やサービスを提供することは、まさに美容室だからこそできる社会課題です。今後最優先となる持続可能な社会の実現と持続的成長を目指し、更なるESG推進を図ってまいります。
Ⅱ.リブランディングプラン(追加施策)
(1)エクスターナルブランディング(対外向けブランディング活動)
①事業提携による新サービスの導入、新たな美容商品・サービスの提供
スヴェンソン社との業務提携を皮切りに、多様な美しさを提供できるよう新たなサービスメニューの導入や販路開拓
・お客様の美に対する多様性に応える幅広い商品・サービスの提供
・脱マスク需要に向けたスキンケア商品の拡充
②直営ブランド「TAYA」のリブランド
時代に合わせた、新たなターゲット層の取り込みだけでなく、これまでのお客様により良い体験をしていただくため、「人生が潤う美しさを」をコンセプトに段階的リニューアルを推進、新たなTAYAのブランド体験を提供します。
・エリア単位での収益性の追求
・顧客ターゲット層を明確にした店舗運営へシフト
③フリーランスブランド「ano」の新設
直営とは異なる業務委託、フリーランスの活躍の場となる新ブランドを新設。多様な社会、個性を尊重し、一人ひとりが輝き、自らの価値観を表現できる「個性かがやく」をコンセプトにしたブランドとして、2023年5月に「anoたまプラーザ」のオープンを皮切りに、「TAYA」とは異なる新しいブランド体験を提供します。
・居抜き店舗などを活用したリーズナブルな出店計画
・最終年度までに20店舗の出店を目標
・若年層ターゲットの取り込み
(2)インターナルブランディング(対内向けブランディング活動=人的資本経営へ向けた取り組み)
①フリーランスや多様な人材の受け入れ
昨今、美容師における働き方の多様化は加速しております。そのような状況の中、自分に合った働き方を求め、業界の時流であるフリーランス美容室への人材流出が顕著となっており、田谷グループ内においても、多様な働き方を可能とし、「美容師」一人ひとりに即したキャリアプランを設計できる制度や環境を整備し、田谷で働く魅力を向上いたします。
②正規・非正規の働き方改革の実施
直営社員、フリーランスで働く非正規など、田谷と関わるすべての人の働き方を見直し、制度・環境を整備いたします。
③正規社員のキャリアパス・評価制度
DX(Digital Transformation)を踏まえた評価制度の改革により、人材価値を最大限に引き出します。
(3)ブランドコミュニケーション(対外的・対内的)
①ブランドマネジメント
各ブランドがそれぞれの強みを活かし、運用が適切に行われるよう、SNSの強化や接客ツールのDX化を図り、効率的にブランドマネジメントができる環境を構築
②包括的なコミュニケーション戦略の導入
会社・ブランド・店舗・個人、それぞれの発信内容、広報戦略やSNS戦略を再構築し、新しく「美しさを提供する企業」としての魅力を効果的に発信
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「TAYA BX PROJECT」の各施策を推し進め、最終目標年度に収益力の安定性を高め、成長基盤を確立させ、以下の業績目標を達成してまいります。
・2024年度 当期純利益の黒字化、成長基盤の確立
[中期経営計画における実績及び数値目標]
(単位:百万円、%、円 銭、%、店)
※IFRSの強制適用による業績や指標への影響は考慮しておりません。
昨今の新型コロナウイルスの影響に伴う社会基盤の揺らぎや消費者心理の変化、ウクライナ情勢に起因する原材料価格、エネルギーコストの上昇による物価の急騰など産業構造の変革期に直面しております。
美容業界におきましては、「美容室のオーバーストア状態による過当競争」の激化、「人口減少社会による客数の減少」、さらには「美容師の獲得難」の様相を呈しており厳しい状況が続いております。
また、働き方改革の浸透により、美容師自身においても就労意識の変化が生じております。
田谷は、企業理念に従い年齢・性別・国籍を問わずより多くの人々に喜んでいただける環境を創造し続け、ヘアビジネスにおけるリーディングカンパニーとして、多様化する消費者ニーズや変化する消費者のライフスタイルに応え、新技術の開発、社員の教育、情報の発信、店舗の統廃合および合理的なコスト削減を継続的に実施することを重点課題とし、収益性と成長性を同時に追求できる経営を進めてまいります。
また、コンプライアンスを重視し、内部統制システムの一層の充実を図り、経済構造および社会情勢等の経営環境の変化に対し迅速かつ柔軟に対応できるよう、企業体質の改善、強化に努めてまいります。
田谷は、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
「3[事業等のリスク](8)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載している対応策を迅速かつ着実に行い、早期に継続企業の前提の疑義を解消することが最重要課題であると認識しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において田谷が判断したものであります。
田谷の事業展開にあたっては、国家資格を有する美容師の採用が不可欠です。田谷はサービスの質の維持あるいは向上の為にこうした有資格者を原則正社員として採用し、研修施設や各拠点にて新入社員研修、中途採用社員研修等を行った上で業務を担当させておりますが、人材採用や教育研修が計画通りに進まない場合には、田谷の事業展開や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
田谷の売上高は、季節感を強く感じる夏季の7月、冬季の12月、及び学校や会社の入園・入学・卒業・歓迎会等にあたる3月に、他の月に比べて高くなる傾向があります。反面、冷夏、暖冬、長雨、台風等の天候不順や疫病の蔓延は田谷の事業展開や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
田谷の事業展開にあたり、店舗形態としては、自己所有物件よりも賃借物件やインショップ物件が多い傾向にあります。現時点では賃借先・デベロッパーと田谷との関係は良好でありますが、将来的にこれら相手先の事業継続が危ぶまれる事態が生じた場合は、敷金保証金の貸倒発生や田谷店舗の撤退・営業継続不能等も考えられ、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
田谷の事業展開上、上述のように国家資格を有する美容師、かつ、顧客からの支持の高い者の業務従事が重要と考えております。仮に田谷から、これらの者が大量に離職した場合は、田谷の事業展開や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
田谷の行う事業に適用される美容師法は、社会情勢の変化等に応じて今後も適宜、改正ないし解釈の変更等が行われる可能性があります。その場合は田谷の行う事業に影響を与える可能性があります。
顧客データベースへのアクセス環境、セキュリティシステムの改善を常に図り、個人情報保護に万全を期しておりますが、これに加えて情報の取り扱いに対する意識の向上を目的とした社員教育の徹底や、情報へのアクセス者の限定、牽制システムの構築等、内部の管理体制についても強化しております。
今後も個人情報の管理は徹底してまいりますが、個人情報が流出した場合には、田谷の事業展開や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
田谷の保有資産につきまして、実質的価値の低下等による減損処理が必要になった場合、田谷の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
田谷は、過年度より継続して営業損失及び経常損失を計上し、当事業年度においても営業損失及び経常損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。
このような状況の解消を図るべく、田谷は2022年度より中期経営計画『T-ip60』並びに『TAYA BX (Beauty Transformation) PROJECT』を策定し、財務体質の早期改善に努めております。
当事業年度においては、物価上昇による店舗運営コストの増加など厳しい経営環境であったことにより、通期では、営業損失及び経常損失を計上する結果となりましたが、既存店の入客数・客単価の改善が順調に進んだことで、下期では、営業黒字、経常黒字を成し得ております。
そして、中期経営計画の最終年度・創業60周年となる2024年度においては、次の3つの施策を重点に取り組み、安定的に収益を創出できる体質を構築してまいります。
まず、「トータルビューティカンパニーへの変革」として、スヴェンソングループ・TBCグループとの協業を通じた新サービスの導入、市場規模の拡大に向けた共同事業などを積極的に進めてまいります。また、「TAYAブランドのリブランディング」による、田谷美容室のイメージ・コンセプトの刷新を行い、多様な社会、個人の美しさをより尊重した、お客様に愛され続ける美容室を目指してまいります。そして、「人的資本経営の取組を強化」として、フリーランスブランドの出店を加速、多様な人材の受け入れや働き方改革の実施、キャリアパス・評価制度改革により人材価値を最大限に引き出してまいります。
これらの収益力を増強させる施策の遂行と同時に、コストの徹底した管理を行うことにより、更なる利益の追求を図ってまいります。
資金面につきましては、引き続き取引金融機関とは緊密に連携・情報交換を行っており、必要となる資金についてもご支援いただけるよう良好な関係を継続しております。また、金融機関以外からの調達についても適宜検討を進めてまいります。
これらの状況を鑑み、現時点において、継続企業の前提に関する重要な疑義を解消すべく取り組んでいる対応策は実施途上にあり、今後の事業進捗や追加的な資金調達の状況等によっては、田谷の資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。なお、財務諸表は継続企業を前提としており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表は反映しておりません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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