エフアンドエムグループ(エフアンドエム及びエフアンドエムの関係会社)はエフアンドエム(株式会社エフアンドエム)、子会社1社により構成されております。
エフアンドエムグループの事業内容及びエフアンドエムと関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、次の5部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
アカウンティングサービス事業………個人事業主及び小規模企業に対する経理代行を中心とした会計サービス
コンサルティング事業…………………中堅・中小企業の総務経理部門に対する各種情報提供サービス
ISO及びプライバシーマークの認証取得支援
補助金受給申請支援
ビジネスソリューション事業…………認定支援機関である税理士・公認会計士事務所の対応力向上を支援する「経営革新等支援機関推進協議会」の運営
アラカルト型人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」シリーズの販売
不動産賃貸事業…………………………エフアンドエムが所有するオフィスビルの賃貸
システム開発事業………………………連結子会社エフアンドエムネット株式会社のシステム開発事業等
その他……………………………………パソコン教室の本部運営及びFC指導事業等
[事業系統図]
エフアンドエムグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてエフアンドエムグループが判断したものであります。
(1)経営方針
エフアンドエムグループは、あらゆる事業者のバックオフィス業務の改善に貢献することを使命とし、金融機関をはじめとしたさまざまなパートナーと共に支援を行っております。中でも日本の事業者の99%を占めながら、情報を入手しにくいことで不利益を受けることが多い個人事業主と中堅中小企業の支援に注力してまいりました。エフアンドエムグループは「サービスの水道哲学」を企業哲学に掲げております。時流を捉え顧客の多様なニーズに応えうる有益で価値あるサービスを、リーズナブルな価格で、いただいた報酬以上の価値を顧客に提供することを事業のコンセプトとしております。そして全社員が愛される人物となり、「関わる全ての人と企業を物心両面で豊かにする」ことを、事業活動を行う上での目標とし、わが国経済の活性化に貢献できる経営に努めております。
(2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
エフアンドエムグループは当面、収益力の向上を図ることが優先課題であると認識しております。従いまして、経営成績や事業の進捗を把握する上で、売上高営業利益率と売上高原価率の変動要因の把握を重視しております。また、全社的にストック型のビジネスモデルを基本として事業を展開していることから、契約継続率についても重要指標として捉えております。
今後の施策としましては、引き続き各セグメントにおいて、地域金融機関や税理士・社会保険労務士といった既存チャネルの深耕を進めると共に、営業機会の増強に努め、新たな販売チャネルの開拓に取り組むことでトップラインを引き上げてまいります。また、マーケットの拡大や顧客ニーズの多様化に対応するため、属人的なスキルやノウハウに頼らないサービス提供、オペレーションの構築に努めます。同時に、それぞれが持つ暗黙知を形式知にすることで高品質なサービスに昇華させ、蓄積データの活用や顧客とのタッチポイントを戦略的に組み合わせることで、画一的ではなく顧客ごとにカスタマイズされたサービスの提供に努めます。これにより顧客満足度を上げつつ営業及び顧客フォロー効率を高め、ストック部分の売上高を着実に増加させてまいります。
ビジネスソリューション事業における「オフィスステーション」シリーズの拡販においては、マーケットにおける認知度向上を進め、営業機会の増強に努めてまいります。ユーザビリティ向上のための追加機能開発や改善を継続的に行うこと、導入から稼働までの時間を短縮するためのフォロー、すでに何らかのプロダクトを利用中のユーザーについては、エクスパンションの取り組みに注力することで、利用プロダクトの拡大並びに顧客生涯価値(LTV)の向上に努めてまいります。
コストコントロールについては、主にアカウンティングサービス事業においてAI活用を引き続き推進することで処理工程における生産性の向上を図ること、また全社的にさまざまなITツールを活用し業務効率化を追求することなどを通して、ローコストオペレーションに継続して取り組んでまいります。
(3)経営環境
国内景気は、株式相場など金融市場が好材料となったものの、物価高騰にともなう消費者の節約志向の高まりや、製造業の停滞などの要因から悪材料となり、小幅ながら悪化傾向にあります。また、ウクライナへの軍事侵攻の長期化、中東情勢の悪化、および円安等による原油、原材料、物価が高騰する一方で価格転嫁が進まないことにより、厳しい経営環境に置かれています。事業運営においては、自動化、生産性向上のためのデジタル化の促進、人材の採用・育成、従業員の賃上げなど働く環境の整備も喫緊の課題となっております。
特に中小企業においては、ゼロ金利政策の解除により借入金利の上昇に伴う経営状況の悪化が懸念されており、中小企業経営は大きな転換期を迎えております。これらの外部環境の変化に適応し、企業を発展させていくためには、自社の強みを生かしたビジネスモデルの構築、省人化・デジタル化による労働生産性の向上、全社員一丸で取り組む経営体制が不可欠となります。2023年11月に成立した令和5年度補正予算では、継続的な賃上げを促進するための中小企業等の支援として、6,000億円の予算が組まれました。政府としてもポストコロナ時代の経済社会に対応し、危機に強い事業構築のための取り組みを支援することで、中小企業の付加価値向上や賃上げを早期に実現することを目指しております。エフアンドエムグループではこうした政府方針に対し全面的に賛同し、推進の一翼を担うべく、取り組んでまいります。
また、税分野においては「インボイス制度」が導入され、これに対応するためには請求書や領収書のデジタル化、キャッシュレス対応を促進させていく必要があります。さらに、2023年12月に電子帳簿保存法の義務化猶予期間が終了し、2024年1月からは電子取引に関する電子データの保存に対応することが求められております。前者により適格請求書発行事業者の登録や消費税申告者が増加し、後者によって業務及び経理フローの見直しに迫られております。加えて社会保険手続きの電子化については、社会保険の適用範囲の拡大が進み、2024年10月からは51人以上の企業にも適用されることに伴い申請業務が増大してまいります。これらの事象は、企業の管理部門はもとより、税理士・公認会計士業界、社会保険労務士業界においても増加する業務量への対処が求められていることから、事業経営の転換期を迎えているといえます。このことにより、マーケットは拡大すると捉えております。法改正が企業の負担になるのではなく、既存オペレーションを見直し、業務の効率化を促進し、エフアンドエムグループが一層社会に貢献できるよう、取り組んでまいります。
社会全体のデジタル化の促進により、あらゆる企業がデジタル社会に最適化するために、バックオフィス業務の外部委託やITツールの活用促進の動きが強まってきております。この流れはエフアンドエムグループが提供する「オフィスステーション」にとってはマーケットの拡大であり、事業の成長速度を加速させる機会と捉えております。エフアンドエムグループが創業以来一貫してバックオフィスに特化したコンサルティングサービスを提供してきたノウハウを「オフィスステーション」の開発に生かし、中小企業の労働生産性向上に寄与してまいります。
今後も各事業間のシナジーを高め、さらなるワンストップ・サービスの構築を図ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① チャネルの深耕とさらなるシナジーを生む事業体制の強化
エフアンドエムグループはバックオフィスの業務改善により、事業経営の持続的な成長を支援することを使命として事業活動を展開しております。
経営力向上を目的とした事業計画の作成、助成金及び補助金などの公的支援活用、一層厳しさが増している環境下での採用、全社一丸となって経営課題に取り組む体制構築をするための教育、法改正に伴い煩雑化する労務管理など、バックオフィスにかかわる事業課題は多岐にわたっております。これらの経営支援を行う上で金融機関や税理士・公認会計士・社会保険労務士は非常に重要な役割を担っており、継続的な伴走型の支援が必要とされております。エフアンドエムグループは全国の地域金融機関をパートナーとしている点、税理士・公認会計士及び社会保険労務士の会員ネットワークを持つ点は、ほかにはない強みであると認識しております。パートナーとの連携を強化・深耕することで、それぞれのパートナーの強みを最大化し、中小企業の課題解決に貢献してまいります。
② 業務効率化による利益率向上への取り組み
利益率向上のための取り組みとして、業務処理工程の見直し、高度な判断を必要としない比較的単純な情報処理、顧客からの問い合わせ等に対する一次対応、顧客属性に合わせた情報発信などへのITの積極活用を継続してまいります。
また、属人的なサービス提供は品質に均一性を欠くのに加え、量的・質的限界を迎えやすくなります。オペレーション分野での効率化追求だけではなく、営業分野においても効率化や提案内容の統一化を進め、より多くの顧客に効率的にアプローチできる体制を整備してまいります。あわせて、全社的に属人的なスキルやノウハウに頼らないサービスを追求することで、効率化だけではなく高品質サービスの提供につなげてまいります。求められているのは画一的ではなくパーソナライズされたサービスであると認識しており、顧客のエンゲージメントを高めていくため、蓄積データの活用や顧客との接点を戦略的に組み合わせて顧客満足の向上に努めてまいります。
③ 付加価値の高いサービスの開発
「オフィスステーション」シリーズは、コロナ禍により加速したHR領域での従業員情報の管理、時季によって発生する業務のIT化などに対応すべく、機能開発ならびにシリーズ展開を行ってまいりました。
企業の管理部門では、入社・退社に伴う各種申請、社会保険・年金の申告、年末調整などに伴い、従業員個人の身上情報、給与、企業内での資格取得・昇進情報の登録・変更・確認などの業務が行われております。これらの事象にあわせてHR領域では多くのツールが出現してまいりました。しかしながら企業側では、利便性を求めて導入したはずが、複数のソフトウエアを併用することによる情報連携の複雑化、既存ツールとの機能重複などの事象が発生しております。そのような現状を踏まえ、エフアンドエムグループでは導入を検討する企業が自社にとって必要な機能ごとに導入できるよう、アラカルト方式の販売を行っております。それを前提として開発の優先順位を検討すると共に、顧客生涯価値(LTV)の最大化を企図した機能改善の開発をすすめてまいります。さらに、「オフィスステーション」シリーズを導入した企業のIT化による管理部門の課題解決や生産性向上を促すためには、使いこなせる状態にまで導くことが必要とされます。カスタマーサクセスの体制を強化することで、システム導入から実装まで伴走支援に努めてまいります。
④ 優秀な人材の確保と育成
エフアンドエムグループの今後のさらなる成長を実現するためには、優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。エフアンドエムグループの唯一最大の財産は「人」であるため、採用後は「他社で3年で学ぶことを1年でマスターする」の教育方針に基づき、営業力・人間性・知識業務理解の面から3倍速の成長を支援しております。各人が能力を開発することが提供サービスの品質向上を加速させ、経営成績向上の重要な原動力となります。テレワークの推進、育児・介護等と仕事が両立しやすい環境の整備、有給休暇取得の促進、成果を正当に評価する仕組みの構築を進めるなどして、全社員の能力が最大限発揮できる環境づくりを行うことで、組織体制の強化に取り組んでまいります。あわせて、エフアンドエムの経営理念に共感し、高い意欲を持った人材を採用するために積極的な新卒・キャリア採用活動を行い、早期に戦力化するための育成体制を強化することで、持続的な成長を支える重要資本である人材に対する中長期的な投資を継続してまいります。
⑤ セキュリティ体制の強化
エフアンドエムグループは、提供するサービスに関連してユーザー企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。継続的に安心してサービスをご利用いただくためにもセキュリティ監視体制を自社のみで実施するのではなく、外部業者による脆弱性の確認を継続して実施し、必要な対策をとってまいります。また、エフアンドエムグループは情報セキュリティ基本方針を定めており、この方針にしたがって情報資産を管理、保護しております。引き続き、全従業員への教育・研修を実施し、セキュリティ体制の強化に努めてまいります。
⑥ コーポレート・ガバナンスの強化
持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが不可欠であると認識しております。エフアンドエムグループが事業活動を行う上では、顧客の個人情報や過去にエフアンドエムグループと取引のあった企業を含む会員企業の各種機密情報等を扱うことが多くあります。外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入や、従業員等の過誤によりこれらの情報が漏洩した場合、エフアンドエムグループの著しい社会的信用低下を招き、その結果、経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクを回避するため、業務フローの厳格な運用、継続的かつ定期的な情報管理及びインサイダー取引に関する社内教育の実施、保管データへのアクセス制限などのシステム運用整備、データを取り扱う外部委託先に対する秘密保持契約の取り交わしを行っております。エフアンドエムグループにおけるコーポレート・ガバナンスを機能させ、適正かつ効率的に事業運営し、事業基盤の強化を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてエフアンドエムグループが判断したものであります。
(1)主要事業の対象マーケットについて
アカウンティングサービス事業における生命保険会社営業職員のマーケットは、直近の10年間は18万人から20万人の間で増減を繰り返しております。今後の各生命保険会社の施策及び経営環境により、減少する可能性があります。コンサルティング事業では中小企業がマーケットとなりますが、原油・原材料価格の高騰、部材調達難、人手不足といった供給面の制約を受け、引き続き厳しい状況にあることから、政府は引き続き中小企業に対する支援策を継続的かつより多方面から講じており、それらを必要とする事業者は全国に数多く存在しています。この中小企業を取り巻く経営環境が急激な改善を見せることは現実的ではなく、引き続き行政による支援は継続するものと考えておりますが、その規模が大きく縮小すること等があった場合は、提供している一部のサービス内容の見直しを迫られる可能性があります。一方、ビジネスソリューション事業においては、近年、政府が行政のデジタル化を進めてきたことに加え、各社HR領域における業務の生産性向上の一環としてIT化への取り組みが加速したことが、「オフィスステーション」シリーズ拡販においてはマーケットの拡大と捉えることができます。
(2)海外での業務委託について
エフアンドエムグループでは原価低減策のひとつとして、アカウンティングサービス事業の記帳処理作業をはじめとし、各セグメントで発生するデータ入力作業の一部を中華人民共和国のシンセンに位置する企業に業務委託しております。こうした海外への業務委託においては、予期せぬ法律または規制の変更、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しております。このような事象が発生した場合、エフアンドエムグループのサービスが円滑に提供できなくなり、経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(3)個人情報の管理について
エフアンドエムグループが一般個人及び法人向けに提供するサービスにおいて、その従業員等を含む個人情報等をサーバー等で管理する場合があり、採用しているさまざまなネットワークセキュリティにも拘らず、不正アクセス及びその他事由により個人情報の流出等の可能性は存在しております。このような事案が発生した場合、エフアンドエムグループに対する損害賠償の請求、訴訟、行政官庁等による制裁、刑事罰、その他の責任追及がなされる可能性があります。また、これらの責任追及が社会的な問題に発展し、エフアンドエムグループが社会的信用を失う可能性があります。
(4)減損会計について
エフアンドエムグループでは、本社が所在する自社所有物件のほか、全国に営業拠点やパソコン教室直営店舗などが所有する事業用固定資産があり、また毎期積極的に開発費を投じている社内業務システムや販売用システムがあります。将来的に不動産の下落及び経営成績によってそれらの減損処理が必要となった場合は、エフアンドエムグループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(5)許認可を要する事業について
エフアンドエムグループの事業の一部においては、経営革新等支援機関などの関係省庁での許認可を必要とする事業を行っております。今後関連法規の改正などによっては、同事業の提供する一部のサービスを継続できなくなる可能性があります。
(6)業績の季節変動について
エフアンドエムグループのサービスはバックオフィスの支援や改善を目的としたものですが、年末調整や確定申告などサービス導入のきっかけとなる主だった手続きが下半期に集中する傾向があります。このことにより、連結会計年度における各四半期の売上高、営業利益等の間に変動があり、今後も同様の傾向が続くため、上半期に比べて下半期の業績が通期業績に与える影響も大きいものと見込んでおります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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