サイボウズグループ(サイボウズ及びサイボウズの関係会社)は、サイボウズ(サイボウズ株式会社)、子会社9社及び関連会社2社により構成されており、グループウェアの開発とライセンス販売、SaaS・クラウド型グループウェア・ネットサービスの提供、及び高付加価値SIの提供を主たる業務としております。
[サイボウズグループ]
サイボウズグループは「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念のもと、情報共有の基盤となるソフトウェアを提供することを主な事業領域としております。また、あわせて組織やチームの制度や風土を生み出すためのメソッドをセミナーや研修等として提供しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてサイボウズグループが判断したものであります。
クラウドサービスの売上が堅調に増加している中、将来の収益力を一層高めるため、引き続き、クラウドサービス成長のための投資や、パートナーとの連携を含めグローバル体制の強化に努めてまいります。
○新規顧客の獲得及びパートナー連携の強化
クラウドサービスの安定運用を継続して信頼度をさらに高めてまいります。マーケティング活動では、認知獲得を目的とした広告展開をしてまいりましたが、今後は、これまでの活動の成果をもとに、より効果的な広告施策に注力し、認知度向上及び製品理解促進に取り組んでまいります。営業・販売活動では、引き続きオフィシャルパートナープログラム「Cybozu Partner Network」により、クラウド時代に合ったパートナー企業への情報発信や支援内容を強化し、お客様へのサイボウズ製品の提案・構築をさらに促進してまいります。このほか、株式会社リコーとの協業によって販売開始された「RICOH kintone plus」をはじめ、お客様の多種多様なニーズに応えるための施策や、製品のアップデートを実行し、「kintone」の提供拡大に取り組んでまいります。
○グローバル展開
重点的に注力してきた米国市場に加えて、中華圏、東南アジア、オーストラリア、台湾など世界各地にエコシステムを広げるため、グローバルに横展開できるモデルを作りながら、現地パートナー企業の開拓・連携強化や拠点開拓を進めてまいります。また、株式会社リコーとの協業に伴い、2023年2月に「RICOH Kintone plus」を米国にて販売開始しました。同社が強みとするグローバルでの直接販売を中心としたチャネル・サポート網を活かして提供拡大に取り組むと同時に、組織体制の強化や販売マーケティング施策を強化し、顧客リードの獲得にも注力してまいります。
○組織・体制の強化
我々自身も、チームワークあふれ、より長期的に生産性が向上するチームとなることを目指しております。そのために、引き続き積極的な人材採用と育成、多様性を尊重する風土や制度を発展させてまいります。さらに、グローバル規模で事業拡大していくに当たり、国外拠点における事業ノウハウを効率よく吸収し、社内の連携を一層推進してまいります。
また、引き続き新しい組織運営の実現に向けて取り組んでまいります。サイボウズでは、役職員の「誰もが取締役的な役割を担う」と考えております。徹底的に情報をオープンにし、一人ひとりが自立心を持って質問責任を果たし、意思決定者がオープンな場で説明責任を果たす。それにより、株主に選任された取締役のみによるガバナンスを超える組織が実現できると考えております。サイボウズでは、経営に関する意思決定や議論の場として、取締役と各本部の責任者が部門の垣根を越えて共有、議論するための経営会議を開催しております。これら重要な意思決定においては多角的かつ多面的な視点での議論が重要となりますが、サイボウズでは「公明正大」や「議論」を尊重する考えに基づき、監査役を含む全役職員が経営会議にいつでも参加、議論することができることとしております。また、その議事録も共有されているため、議論内容について適宜質問や意見を発信することもできます(インサイダー情報やプライバシー情報を除きます。)。もちろん経営に関する意思決定のみならず、日々の業務においても情報の公開と共有がなされているとともに、「質問責任」や「説明責任」、「議論」を歓迎する等の、企業風土醸成も同時に行い、極めて透明性の高い意思決定プロセスとなるよう改善を続けております。
○クラウドサービス事業者として信頼される内部統制体制の整備
クラウドサービス事業を推進するに当たり、情報セキュリティを含む内部統制体制への信頼性確保の重要性が高まっております。
そのような中で、サイボウズグループは、海外拠点を含め、「公明正大」の考え方のもと、統制の仕組み化(ルール化、見える化、効率化)をより一層強化し、引き続き株主、ユーザー、パートナー企業、その他ステークホルダーの皆様からの信頼を確保すべく、内部統制体制の整備に注力してまいります。
以下、サイボウズグループの事業等において、リスクの要因となる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。サイボウズグループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、サイボウズ株式に対する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の事項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在においてサイボウズグループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1. 事業環境に関するリスク
市場環境の変化について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大 ]
サイボウズグループが製品、サービスの開発において利用しているインターネット、クラウドサービス関連技術は技術革新の進歩が速く、それに応じて業界標準及び利用者のニーズも急速に変化しています。このような変化に対応するため、新製品、サービスも相次いで登場しています。これらの新たな技術革新や利用者ニーズへの対応が遅れた場合、サイボウズグループの提供する製品、サービス及びクラウドサービス環境等が陳腐化し、競合他社に対する競争力の低下を招く可能性があり、サイボウズグループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
2. 事業の拡大・海外展開に関するリスク
① 事業拡大及び投資について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中~大 ]
(a) 人材の採用・育成
今後の業容の拡大を図る中で、各事業において、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であると認識しております。現時点では人材の採用・育成に重大な支障が生じることは無いものと認識しておりますが、今後各事業において人材獲得競争が今以上に激化し、優秀な人材の採用がさらに困難となる場合や在職している人材の社外流出が大きく生じた場合、サイボウズグループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(b) 関係会社等への投資に関わるリスク
サイボウズグループが投資を行っている関係会社等について、経営環境の変化等を要因として回収可能性が低下する可能性があり、また、投資の流動性の低さ等を要因としてサイボウズグループが望む時期や方法で事業再編が行えない可能性があります。そのため、投資の全部又は一部が損失となる、あるいは、追加資金拠出が必要となる等、サイボウズグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外事業展開について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]
サイボウズグループはグローバルな事業展開を進めておりますが、海外市場への事業進出には、各国政府の予期しない法律又は規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化又は治安の悪化、戦争、為替制限や為替変動、輸送・電力・通信等のインフラ障害、各種税制の不利な変更、移転価格税制による課税、保護貿易諸規制の発動、異なる商習慣による取引先の信用リスク、労働環境の変化及び人材の採用と確保の困難度、疾病の発生等、海外事業展開に共通で不可避のリスクがあります。そのほか、投下資本の回収が当初の事業計画どおり進まない可能性や、撤退等の可能性があります。
3. サービスに関するリスク
① システム障害について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大 ]
サイボウズグループはインターネットへの接続環境を有するユーザーを対象に製品・サービス開発を行っており、営業活動・クラウドサービスその他のサービス提供においてもインターネットに依存しています。そのため、自然災害、戦争、テロ、事故、その他通信インフラの破壊や故障、コンピュータウイルスやハッカーの犯罪行為等により、サイボウズグループのシステムあるいはインターネット全般のシステムが正常に稼動しない状態、いわゆるシステム障害が発生した場合に、サイボウズグループのクラウド事業に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。また、サイボウズグループ製品・サービスの提供等においてインターネット環境に依存する部分は大きく、システム障害が発生した場合に、代替的な営業・サービス提供のルートを完全に確保することは困難な場合もあり、サイボウズグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産の保護及び侵害
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:低~中 ]
サイボウズグループは、商標及び特許出願等、営業活動等に必要な範囲において可能な限り知的財産権等の防衛を図る所存でありますが、サイボウズグループ、とりわけビジネスソフトウェア製品のコンセプト、ユーザーインターフェース及び操作性については、第三者による模倣を防止する手段は限定されていると考えられます。当該模倣が発生すると、サイボウズの営業活動等に影響を及ぼす可能性があります。
サイボウズグループは、いずれの製品、サービスも単一の特許又は関連する技術に依存しているとは考えておりませんが、このような知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは広範囲にわたりサイボウズグループの知的財産権が侵害されることによって、サイボウズグループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
また、サイボウズグループが海外展開を進めるにあたり、中国その他のアジア地域を中心として横行している違法コピーや模倣品の流通といった知的財産権侵害や、諸外国でのサイボウズブランド等に関する他社の商標登録が発生した場合、サイボウズグループの販売活動、業績及び財務活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、サイボウズのプログラム製品の一部には、サイボウズ以外の第三者がその著作権等を有するオープンソースソフトウェア(以下、「OSS」という。)を組み込んでおります。サイボウズは、製品・サービスにOSSを組み込む場合、各OSSライセンスに則って組み込んでおりますが、当該ライセンス内容が大幅に変更された場合及びかかるOSSが第三者の権利を侵害するものであることが発見された場合等は、当該プログラム製品の交換・修正・かかる第三者との対応等により、提供・販売・流通等に影響を及ぼす可能性があります。
4. コンプライアンスに関するリスク
① 法的規制等について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]
現在日本国内や海外においては、クラウドサービスに関するセキュリティ、個人情報保護、知的財産保護のあり方等について、法制度の整備がなされています。これらの法制度の中には、サイボウズグループが提供するインターネットを利用する製品及びサービスにも適用される可能性のある法律等が制定されているものの、その解釈についてはまだ確立されているとはいえません。
また、ソフトウェアの知的財産保護や、インターネット上の知的財産権保護の他、ソフトウェアの使用許諾又はクラウドサービス提供における約款の取扱いに関して、引き続き議論がされるとともに、法改正も進んでいるところです。これらの法制度の整備をきっかけに、事業者の責任範囲の拡大や事業規制がなされることによって、事業が制約される可能性があります。
② 情報セキュリティについて
[発生可能性:低~中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中~大 ]
サイボウズグループの営業秘密、顧客情報等の管理につきましては、十分留意していく所存でありますが、当該情報の漏洩等が発生した場合には、サイボウズグループの信用が損なわれることとなり、その後の事業展開、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、個人情報保護法への対応強化及び消費者保護のための情報提供義務への対応が世界的に強く求められていることにより、このような対応に不備が出てしまった場合サイボウズグループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。
特に、クラウドサービスにつきましては、データの安全性確保のためのサイボウズセキュリティレベル向上とその情報開示の他、クラウドサービス業務の委託先に対する必要かつ適切な監督や委託先の内部統制の有効性評価等に努めておりますが、クラウドサービス上のデータの破壊、紛失、漏洩などが不測の事情により発生してしまうことにより、サイボウズグループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟ないし法的権利行使の可能性について
[発生可能性:低~中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]
サイボウズグループの製品、技術又はサービスに対する知的財産権を含む各種権利等の侵害を理由とする販売差し止めや損害賠償の訴訟が提起される可能性があり、サイボウズグループの販売活動や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、システム障害や情報漏洩等が発生した場合、サイボウズグループの製品及びサービスの利用者に一定の損害を与えることがあり、特に、クラウドサービスに関しては、サービス停止、クラウド上の情報漏洩、インシデントの原因追究(契約上の責任追及)とその影響範囲内での損害賠償請求訴訟等が提起される可能性があります。
サイボウズグループが海外展開を進めていく中で、特に米国等においては訴訟が提起される可能性が比較的高く、また、訴訟コストや損害賠償額等が高額となる国において訴訟が提起された場合には、サイボウズグループの財政状態及び業務に多大な影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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