富士フイルムホールディングスは、米国会計基準によって連結財務諸表を作成しており、「関係会社」については米国会計基準の定義に基づいて開示しております。「第2 事業の状況」、「第3 設備の状況」においても同様であります。
富士フイルムホールディングスは、創立90周年を機に、グループパーパス「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」を制定しました。創業以来、先進的かつ独自の技術に基づいた商品やサービスの提供を通じて、人々の「笑顔」に寄り添ってきました。これから迎える100周年、さらにその先においても、富士フイルムホールディングスは全事業を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、世界中の人々に幸せな笑顔が何度も訪れるよう、従業員一人ひとりが「アスピレーション(志)」を持って挑み続けていきます。
各事業区分の主要製品並びに主要会社は次のとおりであります。また、この事業区分はセグメント情報における区分内容と同一であります。
富士フイルムホールディングスは、オフィスから商業印刷・産業印刷まで全領域をカバーできる唯一の「ソリューションパートナー」として事業展開する戦略に基づき、グラフィックコミュニケーションを当連結会計年度よりエレクトロニクス(旧マテリアルズ) セグメントからビジネスイノベーション セグメントへ変更しております。上記と合わせ、マテリアルズ セグメントをエレクトロニクス セグメントに名称変更しております。
なお、富士フイルムホールディングスは特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
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事業区分及び主要製品 |
主要会社 |
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ヘルスケア メディカルシステム機材、バイオ医薬品製造開発受託、細胞・培地・試薬等の創薬支援材料、医薬品、化粧品・サプリメント等 |
富士フイルム㈱、富士フイルム富山化学㈱ 富士フイルムヘルスケアマニュファクチャリング㈱ 富士フイルムメディカル㈱、富士フイルム和光純薬㈱ FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A.,Inc. FUJIFILM SonoSite, Inc. FUJIFILM Irvine Scientific, Inc. FUJIFILM Healthcare Americas Corporation FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS FUJIFILM (China) Investment Co.,Ltd. FUJIFILM Asia Pacific Pte.Ltd. |
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エレクトロニクス 半導体材料、ディスプレイ材料、産業機材、ファインケミカル等 |
富士フイルム㈱、富士フイルム和光純薬㈱ 富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ㈱ FUJIFILM Electronic Materials U.S.A.,Inc. FUJIFILM North America Corporation FUJIFILM Electronic Materials (Europe) NV FUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co., Ltd. FUJIFILM (China) Investment Co.,Ltd. FUJIFILM Electronic Materials Korea Co., Ltd. |
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ビジネスイノベーション ソリューション・サービス、デジタル複合機、グラフィックコミュニケーションシステム機材、インクジェット機材等 |
富士フイルムビジネスイノベーション㈱ 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン㈱ 富士フイルムシステムサービス㈱ 富士フイルムマニュファクチャリング㈱ 富士フイルムグラフィックソリューションズ㈱ FUJIFILM Business Innovation Asia Pacific Pte.Ltd. FUJIFILM Dimatix, Inc. FUJIFILM North America Corporation FUJIFILM BI International Operations Corp. FUJIFILM Manufacturing Hai Phong Co., Ltd. FUJIFILM Business Innovation (Thailand) Co., Ltd. FUJIFILM Business Innovation Australia Pty Ltd FUJIFILM Business Innovation Korea Co., Ltd FUJIFILM Business Innovation Hong Kong Limited FUJIFILM Business Innovation (China) Corp. FUJIFILM Printing Plate (China) Co., Ltd. FUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp. FUJIFILM Business Innovation Taiwan Co., Ltd. |
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事業区分及び主要製品 |
主要会社 |
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イメージング インスタントフォトシステム、カラーフィルム、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、デジタルカメラ、光学デバイス等 |
富士フイルム㈱、富士フイルムオプティクス㈱ 富士フイルムイメージングシステムズ㈱ FUJIFILM North America Corporation FUJIFILM do Brasil Ltda. FUJIFILM Asia Pacific Pte.Ltd. FUJIFILM Recording Media GmbH FUJIFILM Manufacturing Europe B.V. FUJIFILM Imaging Systems (Suzhou) Co.,Ltd. FUJIFILM (China) Investment Co.,Ltd. |
2025年3月31日現在の子会社数は270社、関連会社数は29社であります。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりになります。
富士フイルムホールディングスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営方針、経営環境
富士フイルムホールディングスグループは、先進・独自の技術をもって、最高品質の製品やサービスを提供することにより、「事業を通じた社会課題の解決」に取り組み、持続的な社会に貢献する企業であり続けることを目指しています。
2017年8月に長期CSR計画「サステナブル バリュー プラン(Sustainable Value Plan)2030」(以下、「SVP2030」と記載します。)を策定し、2021年4月15日に発表した中期経営計画「VISION2023」を「SVP2030」の目標を実現するための具体的なアクションプランとして位置づけ、事業活動を通じて「新たな価値」を創出することで、社会課題の解決に取り組んでいます。
「VISION2023」では、「事業ポートフォリオマネジメント」と「キャッシュフローマネジメント」の強化等により、成長投資原資の確保と、重点・新規/将来性事業への経営資源の集中投下の循環の加速・強化を図ることで、事業を通じて「環境」「健康」「生活」「働き方」の課題に取り組み、「ヘルスケア・高機能材料の成長加速と、持続的な成長を可能とする強靭な事業基盤の構築」を進めていきます。
中期経営計画2年目の2022年度は、「売上高」「営業利益」「税金等調整前当期純利益」「富士フイルムホールディングス株主帰属当期純利益」で過去最高を記録し、「VISION2023」で掲げた2023年度売上高2兆7,000億円、営業利益2,600億円を1年前倒しで達成しました。中期経営計画の最終年度である2023年度においては、「売上高」「営業利益」「税金等調整前当期純利益」「富士フイルムホールディングス株主帰属当期純利益」いずれも過去最高の更新を計画し、これを達成することで「VISION2023」を結実させます。
2023年度は、日本での新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」と記載します。)に関する感染症法上の分類見直しや米国での「国家非常事態」の解除等、世界各国で新型コロナ対策に伴う規制の撤廃が進み、「ウィズコロナ」のもとでの正常化の歩みが進んでいくとみています。一方で、世界的な物価高と金融引き締めによる金融不安に加え、ロシア・ウクライナ情勢や米中対立等による地政学的分断とサプライチェーンの混乱による世界経済の減速が懸念されています。この様な状況下で、富士フイルムホールディングスグループは全事業の収益力向上に努め、安定的なキャッシュ創出を進めるとともに、「ヘルスケア・高機能材料の成長加速と、持続的な成長を可能とする強靭な事業基盤の構築」を実現することによって、この難局を乗り越えていきます。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
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(単位:億円) |
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2022年度 |
2023年度 (次期の見通し) |
対前年度 |
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2023年度 (中期経営計画) |
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売上高 |
28,590 |
29,500 |
910 |
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27,000 |
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営業利益 |
2,731 |
2,900 |
169 |
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2,600 |
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富士フイルムホールディングス株主帰属当期純利益 |
2,194 |
2,250 |
56 |
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2,000 |
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ROE |
8.3% |
8.0% |
0.3ポイント減 |
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8.4% |
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ROIC |
6.1% |
5.9% |
0.2ポイント減 |
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6.1% |
(2)対処すべき課題
「ヘルスケア部門の成長戦略」
ヘルスケア部門では、引き続きメディカルシステム事業が売上成長を牽引し、増収・増益を確保します。ライフサイエンス分野では、中長期的に高い成長が見込めるバイオCDMO事業・ライフサイエンス事業の設備投資を継続するとともに、最先端のバイオ治療薬創出を支援する企業としてワンストップで価値を提供し、事業拡大を目指します。
メディカルシステム事業では、富士フイルムヘルスケア㈱とのグループ内再編、クロスセル等の各種シナジー効果の発出を進めていきます。2023年4月には、富士フイルム㈱のカセッテサイズデジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO Flow(カルネオ フロー)」Cシリーズのフラットパネルセンサを採用した、1台で動画と静止画の撮影が可能な透視機能付きX線画像診断システム「CALNEO Beyond(カルネオ ビヨンド)」を富士フイルムヘルスケア㈱より発売しました。また富士フイルムホールディングスは独自の画像処理技術やAI技術を生かした「REiLI(レイリ)」ブランドの下、医療現場のワークフローを支援するAI技術の開発と実用化を進め、AI・ITソリューションビジネスのさらなる事業拡大を図っていきます。2022年12月には、デジタル病理診断用ソフトウェア等の開発・販売を行っているInspirata, Inc.のデジタル病理部門を買収し、米国、欧州市場を中心にグローバルでデジタル病理事業に本格参入しました。世界トップシェアを誇る富士フイルムホールディングスの医用画像診断システム(PACS)と本デジタル病理診断用ソフトウェアを組合わせて院内検査画像の一元化を実現し、病理診断ワークフローの効率化を支援します。2023年6月には、低線量・高画質とAI技術によるワークフロー向上を実現したデジタルマンモグラフィシステム「AMULET SOPHINITY(アミュレット ソフィニティ)」を発売します。女性向け医療ソリューションを「INNOMUSE(イノミューズ)」のブランド名で広く展開し、女性の健康維持増進に貢献していきます。
バイオCDMO事業では、デンマーク拠点で、2023年度後半に原薬製造設備の増設や製剤製造ラインの新設を予定する他、米国・欧州の拠点で、抗体医薬品や遺伝子治療薬、ワクチン等様々なバイオ医薬品の生産プロセス開発から製剤化・包装までを、少量から大量生産まで一貫して受託できる「ワンストップサービス」体制の整備を進め、成長するバイオ医薬品市場を上回る成長率で事業を拡大していきます。
ライフサイエンス事業では、創薬支援材料分野において、細胞・培地・サイトカイン・試薬等のセット販売等により、研究開発から製造プロセスまでワンストップショップで価値提供していきます。バイオ医薬品製造用の需要が旺盛な培地については、米国2拠点目となる製造施設を新設する等、米国・欧州・日本のグローバル生産体制の拡充を進めるとともに、高品質・高機能な培地を開発・提供することで事業拡大を図っていきます。また、iPS細胞技術・ノウハウを生かした細胞治療薬の開発・製造受託ビジネスも拡大していきます。
医薬品事業では、国内では富士フイルムホールディングス初となるバイオCDMO拠点の新設(富士フイルム富山化学㈱の既存工場の敷地内にて2026年稼働予定)を2022年10月に決定した他、ナノ分散技術や解析技術、プロセス技術等の富士フイルムホールディングス独自技術や、既設の脂質ナノ粒子製剤の製造設備等も活用しながら、次世代医薬品の核酸医薬品、mRNAワクチン、抗体医薬品等のプロセス開発・製造受託ビジネスを拡大していきます。
コンシューマーヘルスケア事業では、富士フイルムホールディングス独自のリポソーム技術を化粧品分野に応用した高機能美容液「アスタリフト ザ セラム」シリーズ(2022年8月発売)を始め、独自性の高い化粧品・サプリメントの新製品を逐次投入して、事業を継続的に拡大していきます。
「マテリアルズ部門の成長戦略」
マテリアルズ部門では、「高機能材料戦略本部」の下、高機能材料領域における中長期視点での新規事業開発と、同領域の顧客アプリケーション軸での事業ポートフォリオの構築・戦略マネジメントにより事業拡大を進めていきます。
電子材料事業では、AI、IoT、5Gの普及やDXの加速等により半導体需要は拡大し、半導体の高性能化に必要な微細化・高集積化がさらに進むとみられています。富士フイルムホールディングスはこうした市場ニーズに応えるために、高性能化を支える材料開発や安定供給を目的とする積極的な設備投資をタイムリーかつ継続的に実施していきます。また、半導体製造の多様な工程に対応する富士フイルムホールディングスの広範な製品ラインアップを、新製品開発によりさらに拡充するとともに、CMPスラリーとポストCMPクリーナー等補完し合う材料を有する強みを生かし、単一材料では解決できない複雑な顧客課題を解決していく等、「ワンストップソリューション」を提供することで、事業成長を加速させます。
ディスプレイ材料事業では、液晶パネル向けのタック製品における強いマーケットポジションの維持に加え、薄膜・積層塗布技術を活用した差別化製品の開発と導入を進め、有機EL向け材料の高シェア維持、車載ディスプレイやAR/VRスマートグラス向けの部材等新規用途材料のビジネス拡大を推進していきます。
産業機材事業では、タッチパネル用センサーフィルムの「エクスクリア」や、データセンター等で使用されるデータテープ等、富士フイルムホールディングス独自技術を活用した高機能製品の拡販を継続するとともに、二次電池、光センサー、通信関連材料等、積極的に新規ビジネスの開拓を行い、事業を拡大します。
ファインケミカル事業では、特に成長性の高いライフサイエンス、エレクトロニクス、環境・エネルギーの3分野を重点化し、「フロー合成」や「高純度化」等の富士フイルムホールディングスが有する技術による差別化製品を創出し、事業を拡大していきます。
グラフィックコミュニケーション事業では、2021年7月に発足した「グラフィックコミュニケーション事業部」の下、富士フイルムホールディングスグループ内でシナジー創出を加速し、顧客に対してさらなる価値をグローバルに提供することにより、事業拡大を進めてきました。2023年度は、商業印刷・パッケージ印刷を中心に富士フイルム㈱が有するグローバルな顧客基盤と、富士フイルムビジネスイノベーション㈱の販売力、技術・製品力を組合せ、デジタル印刷機(Print On Demand)の全世界での拡販、ブランドオーナー・印刷業向け各種DXソリューションの提供、及び刷版材料分野でも販売や生産の効率化を進め、さらなる収益性の改善を加速していきます。
「ビジネスイノベーション部門の成長戦略」
ビジネスイノベーション部門では、「FUJIFILM」ブランド新製品の拡充とグローバルでの拡販をさらに進めていきます。加えて、DXソリューション・サービス拡販、BPOビジネスでのDX戦略展開等によって、継続的な成長と事業ポートフォリオの変革を加速します。具体的には、オフィスでの顧客基盤を生かした在宅勤務需要の取り込みと文書管理等に役立つソリューション・サービスの提供、中小企業向けのIT/セキュリティサービス強化を軸とした提供価値の拡大、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン㈱と富士フイルムRIPCORD合同会社による紙文書の電子化・処理を基盤としたデジタル業務プロセスサービスの拡大、及び富士フイルムデジタルソリューションズ㈱と2023年3月に買収したFUJIFILM MicroChannel Services による、「Microsoft Dynamics 365」を主力とした基幹システムの販売・導入支援等を通じて、顧客企業のDXに貢献していきます。
「イメージング部門の成長戦略」
イメージング部門では、魅力的なインスタントフォトシステムやミラーレスデジタルカメラの新製品の発売、富士フイルムビジネスイノベーション製プリンター機の展開拡大、プロジェクター・遠望多目的カメラ等BtoB新規分野への展開等、イメージングビジネスの拡大を進めます。また、インスタントフォトシステムのBtoBビジネス本格立ち上げやINSTAX“チェキ”の新たな楽しみ方を体験できるスマートフォン用アプリ「INSTAX UP!」の投入、画像点検ソリューションビジネス等の新しい商材も展開していきます。
「SVP2030の下での重点分野と取組み」
富士フイルムホールディングスは、「SVP2030」の下、「事業を通じた社会課題の解決」と「事業プロセスにおける環境・社会への配慮」との2つの側面から、4つの重点分野「環境」「健康」「生活」「働き方」と、事業活動の基盤となる「サプライチェーン」「ガバナンス」における各分野で設定した目標達成に向けた取組みを進めています。
「環境」においては、気候変動への対応や水資源を含む資源循環の促進等を環境分野における重点課題として取り組んでいます。脱炭素化については、パリ協定で定められている「1.5℃目標」に整合した目標「自社の製品ライフサイクル全体でのCO2排出を2030年度までに50%削減(2019年度比)」を掲げています。本目標の達成に向け、富士フイルムグループ環境戦略「Green Value Climate Strategy」を策定し、環境負荷の少ない生産活動や、優れた環境性能を持つ製品・サービスの創出・普及を推進していきます。さらにインターナルカーボンプライシング(社内炭素価格)を導入し、国際社会の喫緊の課題である気候変動への対応を強化しています。水資源管理については、「富士フイルムグループによる水投入量の30%削減(2013年度比)」を数値目標として掲げ、効率的な水使用や自社工場内での排水処理等、水資源保全に取り組んでいます。このような活動が評価され、富士フイルムホールディングスは国際的な非営利団体CDPが実施する企業調査において「気候変動」「水セキュリティ」の2分野で最高評価である「Aリスト企業」に認定されました。また、2022年12月23日には、富士フイルム㈱と㈱CO2資源化研究所(以下、「UCDI社」と記載します。)が二酸化炭素を主原料に有機物を産生する水素酸化細菌の量産化技術開発に関する共同研究契約を締結しました。有機物の生産プロセスにおいて二酸化炭素を吸収することで、二酸化炭素の排出量よりも吸収量が多いカーボンネガティブが可能となることから、国際社会の喫緊の課題である脱炭素社会の実現に向けた有用な手段の一つとして期待されており、富士フイルム㈱とUCDI社は、早期に本技術の確立を図り、社会実装を目指します。
「健康」においては、2022年度に約93ヶ国まで拡大した医療AI技術を活用した製品・サービスの導入国を、2030年度には世界196の全ての国と地域に導入することを目標にしています。内視鏡システム、超音波診断装置、デジタルマンモグラフィ、CT、MRIといった診断用の医療機器製品を提供することで、疾病の早期発見に取り組む医師をサポートし、人々の健康維持増進に貢献しています。また、従業員の健康に対する意識向上やがん対策、喫煙対策等が評価され、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に3年連続で選ばれました。また、経済産業省と日本健康会議より、優良な健康経営®*1を実践している法人として「健康経営優良法人ホワイト500」に7年連続で認定されました。今後もヘルスケア事業を通じた社会課題の解決に取り組み、健康長寿社会の実現に貢献していきます。
「働き方」においては、ビジネスに革新をもたらす富士フイルムホールディングスのソリューション・サービスの利用を通じて、働く人の生産性向上と創造性発揮を支援する働き方を2030年度まで累計5,000万人に提供していきます。
「ガバナンス」においては、コーポレート・ガバナンスを経営上の重要な課題と位置づけ、その強化に取り組んでいます。富士フイルムホールディングスは誠実かつ公正な事業活動を通じて、富士フイルムホールディングスグループの持続的な成長と企業価値の向上を図るとともに、社会の持続的発展に貢献することを目指していきます。
*1 「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
「2023年度グループ基本方針」
富士フイルムホールディングスグループの2023年度の経営方針は「“All-Fujifilm”でたゆまぬ挑戦を! 変化の激しい時代を勝ち抜くスピードとアジリティ(機敏性)をさらに磨き、一人ひとりが強い信念を持って、富士フイルムグループの未来を創ろう」です。新規市場創出・拡大に向け、マーケットニーズを的確に捉えることで新たな価値を持つ製品・サービスの開発・提供を推進します。社会課題の解決を事業成長の機会と捉え、持続可能な社会の発展に貢献するために、NEVER STOPの精神の下、富士フイルムホールディングスグループ全ての会社・組織・従業員の力を結集した“All-Fujifilm”で挑戦していきます。
富士フイルムホールディングスグループは、グループ全体のリスクマネジメントの基本方針及びリスクマネジメント体制を定めた「リスクマネジメント規程」に基づき、事業を取り巻く様々なリスクに対し、未然防止のための課題抽出とクライシス事案発生時の適切な対応を実施しており、特に重要項目については富士フイルムホールディングスの社長を委員長とするESG委員会を設置し、審議及び対応方針を決定しております。
ESG委員会の活動は定期的に取締役会に報告され、取締役会により、グループ全体のリスクマネジメント活動の有効性を担保しております。また、監査役会にて内部統制の仕組みが適切に機能しているかを監査しております。
富士フイルムホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経済情勢・為替変動による業績への影響に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループは、世界の様々なマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約65%です。富士フイルムホールディングスの連結財務諸表は世界中の各子会社の現地通貨ベースの業績を円換算して作成していることから、世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼすリスクがあります。
為替レートの変動が連結営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円変動した場合は年間約10億円、ユーロに対して円が1円変動した場合は年間約8億円と試算しております。
富士フイルムホールディングスグループでは、為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行う等で対策を行っておりますが、為替の変動の程度によっては富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、設備投資に関わる建築資材や人件費及びエネルギー関連の費用等、経済情勢によって左右される費用の変動も、程度によっては富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)ヘルスケア領域における環境変化・競合に係るリスク
ヘルスケア領域においては、がんや希少疾患、新たな感染症等に対する治療・予防手段として、バイオ医薬品の需要が拡大しており、生産プロセスの開発や製造を受託するCDMO事業の市場規模は年率15%(富士フイルムホールディングス推定)で成長していく一方で、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更や医療機器における法規制の強化、創薬難易度が高まる中での製薬企業における新薬開発の延期・中止や経営環境の変化、技術革新によるバイオ医薬品のプロセス開発・製造受託市場の競争激化等を主なリスクと考えております。その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
富士フイルムホールディングスグループでは、高度な画像処理技術・AI技術、化合物合成・設計力やナノテクノロジー、一定条件製造技術や品質管理技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付けされた新たな製品・サービスの研究開発と、これをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)マテリアルズ領域における環境変化・競合に係るリスク
マテリアルズ領域においては、5Gや自動運転、生成AIの普及等による半導体市場の拡大や、車載用途等TV・モニター以外での液晶や有機EL向けディスプレイ材料の需要が拡大している一方で、資源価格高騰に伴う原材料費の高騰や、新技術の開発・実用化による代替素材との競争激化等を主なリスクとして考えております。
富士フイルムホールディングスグループでは、機能性分子技術や高度な製膜・塗布技術等の先進・独自の技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付けされた新たな製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)ビジネスイノベーション領域における環境変化・競合に係るリスク
ビジネスイノベーション領域においては、サイバー攻撃の脅威やリモートワークの普及等を背景にした、セキュリティ・ネットワーク等を強化したオフィス・ITインフラ環境の構築・運用支援ニーズが拡大し、オフィス業務のDX・生産性向上を実現するAIやクラウドを活用した業務ソリューション・サービス市場も拡大している一方で、ペーパーレス化の流れやリモートワークの普及によるオフィスでのプリントボリュームの長期的な減少傾向を主なリスクとして考えております。
富士フイルムホールディングスグループでは、日本及びアジア・オセアニア地域における強固な直販体制を強みに構築した優良な顧客基盤、お客様の複雑化・多様化する経営課題の解決を支援できる強力な営業力、課題解決のためのソリューション・サービスのラインアップと、それを支えるドキュメント関連の独自技術、大手市場からSMB(Small to Medium Size Business)市場までの幅広いお客様との強固な信頼関係という競争優位性を活かしてまいりますが、こうした市場動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、売上の減少等により富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)イメージング領域における環境変化・競合に係るリスク
イメージング領域においては、イベントや旅行等の需要が回復し、インスタントフォトシステムを始めとするプリントビジネスやデジタルカメラの需要拡大、IoT化や映像の4K/8K化によるレンズ需要の増加や、監視カメラシステム市場の成長により事業機会が拡大している一方で、ハイエンドミラーレスデジタルカメラ市場の競争環境の激化、スマートフォンのカメラ性能向上によるデジタルカメラ需要の減少や、環境関連の法規制強化、地政学的リスク等によるサプライチェーンの混乱等をリスクとして考えております。
富士フイルムホールディングスグループでは、入力(撮影)から出力(プリント)までのサービスを提供できる総合力や、高度な光学技術・精密加工・組立技術等を保有しているという競争優位性を活かして、ユーザーのニーズをとらえたイノベーティブな新たな製品・サービス等を提供してまいりますが、その成否によっては、製品販売単価の下落、代替製品の出現等による売上の減少、製品ライフサイクルの短縮化による研究開発コストの増加等により、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)生産活動に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループでの生産に必要な原材料・部品等について、急激な価格高騰や、自然災害又は人災、サプライヤーの不測な事態による製造中止等をリスクとして考えております。
富士フイルムホールディングスグループでは、急激な原材料価格高騰時には適切な売価への反映を検討するとともに、製品開発及び量産化検討時において、代替材料の探索や可能な限り複数調達先の検討を行うことでリスク分散化の対策を行っておりますが、想定を上回る市況の変化や不測の事態が発生した場合には、収益性の低下や販売機会の消失等により富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)製品品質・製造物責任に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、重大な製品事故や製品に対する安全性や環境問題において懸念が発生するリスクがあります。
富士フイルムホールディングスグループでは、新製品開発にあたっては、品質の到達度だけでなく、法規制を遵守し、環境・安全に配慮した製品開発を行うとともに、製品安全情報のお客様への周知や製品安全に関する従業員への教育を徹底する等の対策を図り、万一、製品事故等が発生した場合の体制構築等を整えておりますが、実際にこうした事態が発生した場合には、その対応費用が発生するだけでなく、企業ブランドや製品ブランドが毀損され富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)医薬品事業・再生医療事業に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループにおける一部のグループ会社では、医薬品及び再生医療等製品の研究開発及び製造販売を行っております。新規の医薬品及び再生医療等製品の開発・薬効追加等には多額の研究開発投資を行う必要があり、承認・販売までには長期間を要するとともに、研究開発が計画通りに進行せず、開発の遅延や中止等のリスクがあります。また、販売後に予期せぬ重大な副作用その他の安全性に関する問題が発生する可能性もあります。
富士フイルムホールディングスグループでは、開発の不確実性のリスクに対しては、複数のパイプラインを保有することによりリスクの分散化を図っております。また、医薬品は開発段階において必要な安全性の試験を実施し、監督官庁の審査を経て承認されておりますが、万一、販売後に予期せぬ重大な副作用等が見つかった場合には、損害賠償の負担や社会的信頼の失墜等により富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)物流に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループの事業活動において、原油価格の高騰等を原因とする運賃の高騰は、富士フイルムホールディングスグループの物流コストの増加をもたらす可能性があります。また、地震・津波・洪水等の大規模災害の発生、ロシア・ウクライナ情勢緊迫化や国際的な政治・経済の状況等により、人的・物的被害や物流機能の麻痺、インフラ機能断絶等が生じ、富士フイルムホールディングスグループの生産・販売活動に支障が生じるリスクがあります。
富士フイルムホールディングスグループでは、生産拠点を複数の地域に分散化する等の対策を図り、不測の事態により一部の地域で生産・販売活動が停止した場合でも影響を軽減できるような体制をとっておりますが、完全に影響をゼロにすることはできず、こうした事態が生じた場合には、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)特許及びその他の知的財産権に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループは、様々な特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。
富士フイルムホールディングスグループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことのリスクがあります。
富士フイルムホールディングスグループでは、他社の知的財産権の調査を行い、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは困難であります。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)企業買収・業務提携等に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループは、持続的な成長のため、これまでに複数の企業買収を実施しており、今後も実施する可能性があります。また、業務提携、合弁事業、戦略的投資といった様々な形態で、他社との関係を構築しております。これらの活動は、富士フイルムホールディングスグループの成長のための施策として重要なものであります。
富士フイルムホールディングスグループでは、企業買収にあたって慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の富士フイルムホールディングスグループの業績に貢献すると判断した場合のみ企業買収を実行するとともに、重要な投資案件に対しては業績が当初計画から大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて業績改善のための対策を講じておりますが、景気動向の悪化や政情不安、法令や規則の変更、対象会社もしくはパートナーの業績不振、業務統合に想定以上の時間を要する等により、期待していた買収効果や利益を実現することができなくなる可能性があります。また、富士フイルムホールディングスグループは、企業買収に伴う営業権及びその他の無形固定資産を貸借対照表に計上しておりますが、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、投資に対する回収可能性が低下した場合には減損損失を認識することで、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)人材の確保に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループの将来の経営成績は、有能な人材の継続的な会社への貢献に拠るところが大きく、それらの人材を採用・育成し、良好な関係を維持していくことが重要になります。一方、富士フイルムホールディングスグループの事業領域での労働市場における人材獲得競争は、近年ますます激しさを増してきており、研究開発、製造、マーケティング及び販売、ICT、マネジメント分野等に関する高度な専門性を持った人材を確保していく必要がありますが、そのような人材には高い需要があり、必要な人材を確保できない可能性があります。
富士フイルムホールディングスグループでは、人材を企業価値の源泉の一つと位置付け、社会の変化に対応し、自らイノベーションを起こすことのできるグローバル人材や基幹人材の育成に長期的な視点で注力するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境作りに努めておりますが、そうした人材が育成できなかった場合や社外に流出してしまった場合には、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)内部統制に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループは、財務報告の適正性と信頼性並びに業務の有効性と効率性を確保するため、内部統制体制を構築・整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。また、「人権の尊重」を企業が果たすべき概念と認識し、自社及びビジネス・パートナーに対して、人権への悪影響の防止、軽減に努めております。しかしながら、想定外の問題が発生して内部統制が有効に機能しなかった場合、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動等、様々な要因により内部統制システムが適切に機能しない可能性があります。
富士フイルムホールディングスグループでは、富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図るとともに、富士フイルムホールディングスグループ内外にコンプライアンスに関連した相談・連絡・通報を受ける窓口を設置して、違反行為の早期発見に努めております。また、内部監査体制を整え、自ら問題の早期発見を行っておりますが、このような対策が適切に機能しなかった場合、法令違反や富士フイルムホールディングスグループの財務報告に関する投資家の信頼低下による富士フイルムホールディングス株価の下落、富士フイルムホールディングスグループの社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる等、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)情報システムに係るリスク
富士フイルムホールディングスグループは、様々な情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やICT人材の確保、セキュリティ対策等を行っておりますが、サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動や、停電、災害等の要因により、データの改ざん、破壊、個人情報の漏洩、情報システムの障害、事業活動に支障をきたす等の事態が起こる可能性があります。
富士フイルムホールディングスグループでは、ソフトウェアや機器によるセキュリティ対策の実施や、定期的に従業員への教育及び訓練を実施し、本件リスクが顕在化しないよう努めておりますが、万一、こうした事態が発生した場合には、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)公的規制に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入、通商、公正取引、知的財産、消費者保護、租税、為替管理、環境、薬事等の法規制の適用も受けており、万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があります。
富士フイルムホールディングスグループでは、国内外の法的規制に関する情報収集を行うとともに、事業活動に係る法規制の遵守を徹底すべく各種ガイドライン・マニュアル等を制定し、定期的な従業員への教育等を通じてコンプライアンス徹底を図っておりますが、今後規制が強化・大幅な変更等なされた場合、富士フイルムホールディングスグループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する等により富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)環境規制に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループは、気候変動対策、製品リサイクルを含む資源保全、有害物質の使用制限、土壌・地下水・大気汚染防止及び廃棄物処理等に関する様々な環境関連法令の適用を受けており、これらの規制により法的又は社会的責任の観点から、環境に関する費用負担や賠償責任が発生するリスクがあります。
富士フイルムホールディングスグループでは、製品の企画・開発の段階から環境負荷の低減を考慮し、生産、物流、使用、リサイクル又は廃棄に至るライフサイクル全体を対象とし、CO2の排出削減、資源循環の促進、製品・化学物質の安全確保等に取り組んでおります。さらには、各事業場において環境マネジメントシステムを活用し、所在国・地域の法規制遵守、環境汚染の防止、化学物質の適正使用、生物多様性の保持を徹底しております。しかし、将来、環境に関する規制の厳格化や義務の拡大等の変化が生じた場合、あるいは社会的な環境意識の高まりに伴い富士フイルムホールディングスグループが環境問題への取組みをより一層推進する場合には、かかる取組みへの支出の増加や、富士フイルムホールディングスグループの事業活動への制限等を受ける可能性があり、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)気候変動に係るリスク
気候変動に伴う移行リスクとして、今後各国・地域における脱炭素社会に向けた政策の強化、炭素排出に関連する法令等の改定・新規制定が想定外の短期間で実施された場合に、かかる取組みへの支出の増加や、富士フイルムホールディングスグループの事業活動への制限等を受ける可能性があります。
富士フイルムホールディングスグループは、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き等、気候変動への対応に対して世界的に関心が高まるなか、いち早くその重要性を受け止め、1990年代から生産プロセスでエネルギー利用効率を高める活動を開始しました。現在も、「2030年度までに富士フイルムホールディングスが使用するエネルギーによるCO2排出を50%削減(2019年度比)、2040年度までに富士フイルムホールディングスが使用するエネルギーによるCO2排出実質ゼロ」を目標に掲げ、エネルギー利用効率の最大化及び再生可能エネルギーの導入・活用によるCO2排出削減を進めております。なお、2030年度の温室効果ガス(GHG)排出削減目標は、「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」より、パリ協定の「1.5℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた目標として認定されています。
さらに、富士フイルムホールディングスグループは、2018年12月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明し同提言に則った情報開示を進めており、2019年4月には事業活動での100%再生可能なエネルギー利用を目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しております。
また、富士フイルムホールディングスグループでは、気候変動が顕在化した場合の物理リスクへの対応として、調達・生産拠点の分散、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を行っているものの、異常気象による原材料・部品の供給停止・価格高騰や、工場操業停止、サプライチェーンの寸断による製品サービスの中止等が発生した場合、富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18)大規模災害・感染症等に係るリスク
富士フイルムホールディングスグループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、津波、洪水等の大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたすリスクがあります。
富士フイルムホールディングスグループでは、自然災害が発生した際にいち早く従業員の安否を確認できるよう安否確認システムを導入するとともに、定期的に地震・火災に備えた訓練を実施しております。また、実際に災害が発生した際には早急に被災地の被害状況を把握した上で対策を講じられるように事業継続への影響を軽減できる体制を整えておりますが、事業活動の復旧までに長期の時間を要した場合や施設等の改修に多額の費用が発生した場合には富士フイルムホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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