ファンケル(4921)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ファンケル(4921)の株価チャート ファンケル(4921)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

ファンケルグループは、㈱ファンケル(ファンケル)、子会社11社および関連会社1社で構成され、化粧品および栄養補助食品の製造販売を主な事業としております。営業活動は、国内・海外において、通信販売(インターネット通信販売を含む)、直営店舗販売、卸販売の3形態を中心に展開しております。

ファンケルおよびファンケルの関係会社のセグメントとファンケルグループの事業における位置付けの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

セグメントの名称

ファンケルグループの事業における位置付け

化粧品関連事業

無添加化粧品を中心としたファンケル化粧品の製造は㈱ファンケル美健(連結子会社)が行い、販売は㈱ファンケルが行っております。
アテニア化粧品の製造は㈱ファンケル美健が行い、販売は㈱アテニア(連結子会社)が行っております。
boscia(ボウシャ)化粧品はboscia,LLC(連結子会社)がファンケルグループ外に製造委託し、販売を行っております。
ニコスタービューテック㈱(連結子会社)および㈱ファンケルラボ(連結子会社)はOEM化粧品の販売を行っております。

ファンケル化粧品の一部であるBRANCHICの製造は㈱ファンケル美健が行い、販売は㈱ネオエフ(連結子会社)が行っております。

栄養補助食品関連事業

栄養補助食品の製造は㈱ファンケル美健が行い、販売は㈱ファンケルおよび㈱アテニアが行っております。

その他関連事業

肌着類は㈱ファンケルがファンケルグループ外から仕入れ、販売を行っております。
雑貨・装身具類は㈱ファンケルおよび㈱アテニアがファンケルグループ外からそれぞれ仕入れ、販売を行っております。
発芽米の製造は㈱ファンケル美健が行い、販売は㈱ファンケルが行っております。
青汁は㈱グリーンヒル(持分法非適用関連会社)およびファンケルグループ外に製造委託し、販売は㈱ファンケルおよび㈱アテニアが行っております。

 

FANCL ASIA (PTE) LTD(連結子会社)は、FANCL INTERNATIONAL,INC.(連結子会社)を通じて米国を中心とした市場向けにファンケル化粧品を販売しております。また、現地代理店を通じて香港・中国を中心とした市場向けに、主にファンケル化粧品およびファンケル栄養補助食品の卸販売を行っております。

㈱ファンケルスマイル(非連結子会社)は障害者雇用促進法に基づく特例子会社として、ファンケルグループから製品の包装業務などを受託しております。

 

事業系統図は、次のとおりであります。



有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてファンケルグループが判断したものであります。

 

(1)中期方針

ファンケルグループは、創業以来「『不』のつく事柄を解消する仕組みづくり」を経営の基本方針とし、無添加化粧品、栄養補助食品、発芽米および青汁事業などを展開してまいりました。

2022年3月期を初年度とする第3期中期経営計画「前進2023」(2022年3月期~2024年3月期)に基づき「美」と「健康」に関わる価値提供に取り組んでまいりました。

その成果を踏まえ、2024年5月8日に、2025年3月期を初年度、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画第4期中期経営計画「再興2026」を公表しました。具体的な取り組み内容は以下のとおりとなります。

 

(基本方針)

ファンケルグループは、ブランドを磨き、お客様との絆を強め、国内外で持続的な成長を全社一丸となって実現してまいります。

 

(事業戦略)

① 化粧品関連事業

イ ファンケル化粧品

無添加化粧品の「安心・安全」という絶対的な価値のもと、ブランドの強みを活かせる「肌不調の解消」を軸に、新しい価値を創造・提案しグローバルブランドへ進化します。

 

(製品戦略)

・「基礎スキンケアユーザーの拡大」、「クレンジング・洗顔のシェア拡大」、「基礎スキンケアユーザーへのクロスセル」、「新領域へのチャレンジ」の4つの方針を設定します。

・基礎スキンケアやクレンジング領域での積極的な新製品の開発やリニューアルを実施し、さらなるお客様基盤の強化を目指すとともに、男性・キッズなどの新領域へのチャレンジを行い、新規のお客様獲得と売上拡大を図ります。

 

(海外戦略)

「肌不調の解消」を軸に、アジア地域に向けた製品開発や情報開発・発信を推進します。

 

ロ アテニア化粧品

一流品質の製品を適正価格で提供する、唯一無二の「エイジングケアブランド」としてのポジションをさらに強化するため、「ターゲットの年齢層」と「販売チャネル展開」の拡大を図ります。

 

(製品戦略)

・主力製品であるクレンジング、洗顔料、基礎スキンケア、スペシャルケアの個々のアイテムを強化しつつ、製品カテゴリごとの結びつきを強化し、ブランド全体の成長を目指します。

・コアターゲットである40代以外の、30代・50代へのアプローチの強化とアイテムの拡充にて、新規のお客様獲得を目指します。

 

(販売チャネル戦略)

国内は、自社通販、直営店舗のお客様との繋がりを強化することに加え、外部通販やコスメセレクトショップや化粧品専門店への卸販売を拡大し、ブランドとお客様の新たな接点拡大に努めます。

 

(海外戦略)

中国向け越境ECに加え、アジア圏を中心とした国への一般貿易やEC展開を開始し、グローバル展開を強化します。

 

ハ BRANCHIC(ブランシック)

ファンケルブランドとは異なるプレステージブランドとして、国内外で成長を目指します。

中国越境ECの強化や、現地のニーズに合わせた製品の開発を進め、中国でのブランド拡大に取り組みます。

 

② 栄養補助食品関連事業

「ブランドの育成」、「プレシニア・女性向けの強固な製品ポートフォリオ構築」、「中国及びアジア圏への展開拡大」という3つの基本方針のもと、国内外でお客様起点に則った製品戦略を定め、お客様との強固な信頼を形成し、事業の成長につなげます。

 

(製品戦略)

・プレシニアカテゴリでは、既存製品である「えんきん」、「楽ひざ」を強化し、リニューアルやラインナップの拡充によりカテゴリの拡大を図ります。また、年齢に伴い発生する不を解消し、健康を維持したいニーズに対応する「抗老化」製品などを開発することで新たなお客様層の開拓を目指します。

・女性向けカテゴリでは、「美容」のニーズに対応するフラッグシップ製品を開発し、売上拡大を図ります。またホルモンバランスの変化に向き合う女性のニーズに対応する製品の開発を行い、新たなお客様の獲得を目指します。

 

(海外戦略)

・国内と同様にお客様起点に則った戦略・戦術整理を行い、中国におけるブランド育成を実施します。

・海外戦略、開発について専任のチームを設置し、中国以外の展開国の拡大を進めます。

 

(販売チャネル戦略)

IT・データなど多様なリソースの最大限活用や、通信販売及び直営店舗販売が持つ強みを融合し、お客様とのつながりを強化することで、LTVの向上を図ります。

 

① 通信販売

・ママ世代、シニア層などターゲットにあった最適なアプローチを実現し、新規のお客様の獲得とエンゲージメントの強化を図ります。

・オンラインによるイベントやカウンセリング、工場見学などの体験機会を創出し、お客様体験価値の向上を図ります。

・新たなお客様接点・体験の場として引き続き外部通販を強化します。主要なモール内でのマーケティングの強化に加え、製品展開の拡充や同一カテゴリでの併売強化、外部通販専用製品の開発を行い、売上拡大を目指します。

 

② 直営店舗販売

・お客様情報を一元管理した接客スマートフォンを用いて、短時間でもお客様にあわせたコミュニケーション、カウンセリングを強化し、お客様一人ひとりに寄り添った接客を目指します。

・地域、出店先の商業施設、お客様層に合わせたしつらえや機能を持つ足を運びたくなる店舗に改装し、お客様とのつながりを深めます。

 

③ 卸販売

・お客様の日常生活の動線に多くの売場を持つ強みを活かし、新たなお客様接点として売場からブランドの価値提供を発信しお客様のブランドへの理解・共感を促進します。

・主力製品の「マイルドクレンジングシリーズ」や「カロリミットシリーズ」のカテゴリNO.1の維持、シェアの拡大に加え、新しいカテゴリ、アイテムの新規導入を行い、売上拡大を図ります。

 

(経営基盤強化)

① 研究

・素材の探索から基礎・応用研究・製品開発までを一気通貫で行い、社会課題やニーズへ対応する研究・開発を推進します。

・海外の現地のニーズや法規にあわせた製品開発を行い、グローバル化を推進します。

 

② 製造

・未然防止、再発防止活動で意識を変革させ品質管理体制をさらに強化し、安心・安全の製品を永続的に提供します。

・生産設備の稼働率の向上や生産エリア拡大を検討し、売上拡大にあわせた体制作りに着手し、生産能力の拡大を図ります。

・省エネ活動の強化と、創エネルギーの促進、各工場地域の生態系を守る取り組みを実施し、サステナビリティを推進します。

 

③ ITシステム

・お客様の購買情報だけでなく、購買に至るまでの行動情報を収集および分析する「FIT3」システムをさらに進化させた独自のIT基盤システムを構築し、お客様をより深く理解し、最適なアプローチを行います。

・製販一貫のビジネスモデルを構築してきたERPシステムの再構築に着手し、データドリブン経営の実現を目指します。

 

④ 物流

・関西物流センターの運営を業務委託から内製化し一元管理することに加え、新WMS(倉庫管理システム)を活用し、品質向上・生産性向上・コスト削減を実現します。

・CO2排出量の可視化と、製品開発アセスメント(Design for Logistics 物流視点の包装設計)による梱包の軽量化から積載効率向上によりCO2排出量を削減し、環境負荷を軽減します。

 

⑤ 人材

・「経営」、「グローバル」、「デジタル・DX」、「マーケティング」など、 経営戦略を実現するために必要な強化スキルを設定します。スキル別のポートフォリオを策定し、それに応じた人員配置や育成を行います。

・海外事業を成長させるため、語学力に加え、異文化理解やマネジメントの教育機会を拡充し、グローバル業務従事者拡大を目指します。

 

(サステナビリティの推進)

「豊かな地球環境」、「健やかな暮らし」、「誰もが輝く社会」の3つの重点取り組みテーマを設定し、ファンケルグループが目指す未来の実現に向けて推進します。

 

① 豊かな地球環境

・気候変動への対応を最優先に、企業活動のあらゆる面で、自然の恵みに感謝し、豊かな地球環境の保全に貢献していきます。

 

② 健やかな暮らし

・独自性のある製品サービスを通じて、世界中の人々の健康寿命の延伸と、生活の質(QOL)の向上のために貢献していきます。

 

③ 誰もが輝く社会

・違いを認め合い、互いを尊重し合うことで、誰一人欠けることなく、一人ひとりがそれぞれの場所で輝ける社会づくりを目指します。

 

(配当政策)

配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。

 

(数値目標)

事業ごとの収益性・投資効率を意識した経営をさらに推進するため、ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)をKPIとして設定します。第4期中期経営計画「再興2026」の最終年度である2027年3月期には連結売上高133,000百万円、営業利益19,000百万円、ROE13.6%、ROIC13.6%の達成を目指します。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

ファンケルグループを取り巻く事業環境は、異業種からの新規参入などによる市場競争の激化や、高齢化社会の進行に伴う健康意識の変化、IT等の技術革新など、変化の速度が上がっております。また、新型コロナウイルス感染症や機能性表示食品の健康被害の発生に伴い、消費者の需要減退や購買行動の変容など、先行きの不透明感が増しております。こうした状況の中、ファンケルグループは事業環境の変化に迅速に対応し、着実に事業継続のための取り組みを遂行するとともに、持続的な成長を実現するために、以下のように課題に対し適切に対処しております。

 

① 新型コロナウイルス感染症の拡大以降、お客様の購入方法は多様化しております。ファンケルグループの持つマルチチャネルの強みを最大化し、お客様の購入方法の変化に迅速に対応するとともに、外部ECや卸販売などの販売経路を強化することで、新しいお客様との接点を拡大します。

 

② お客様のニーズは、お客様が感じる「不」に応じて変化していきます。「美」と「健康」の領域において、お客様一人ひとりが必要とする新製品およびサービスを提供します。

 

③ 今後のファンケルグループの成長のためには、グローバル化の推進が不可欠となります。既存の中国での越境ECの取り組みをさらに強化するとともに、市場規模・成長性を加味した新たな国への積極的な取り組みも推進していきます。グループ一丸となり推進体制を整え注力し、グローバル市場においてブランド価値を最大化し海外事業を拡大します。

 

④ 将来の地球環境をよりよくするために、SDGsの取り組みを推進することは企業の責務となっています。ファンケルグループでは、独自性のあるサステナビリティ活動を国内外で展開しグローバル市場でも通用するサステナビリティ推進企業となることにより、ファンケルグループが展開する各事業ブランドの信頼性の向上を図ります。

 

⑤ ファンケルグループでは自然災害やパンデミックなどのリスクに対し、事業継続計画に基づき製造・物流・IT拠点・コールセンターなどを分散化しております。今後もオールハザード型BCPの実効性を向上し、様々な状況に応じた事業継続の取り組みを実行します。


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末においてファンケルグループが判断したものであります。

 

リスクマネジメント体制

2022年5月に、内部統制の適正性の確保と全社的なリスク・コンプライアンスマネジメントの向上を図ることを目的に「コンプライアンス委員会」・「内部統制委員会」を統合し、「グループリスク・コンプライアンス委員会」を発足させました。この「グループリスク・コンプライアンス委員会」、「サステナビリティ委員会」および「グループ経営会議」がそれぞれ関係するリスクを管理します。

 

リスク特定プロセス

「VISION2030」および第4期中期経営計画「再興2026」に基づき、期初に、これらの委員会・会議体および関係部門で検討のうえ「事業等のリスク」の抽出を行い、影響度および緊急度を分析して各リスクの重要度を評価しております。抽出・分析されたリスクは取締役会へ報告し、取締役会でファンケルグループの重要なリスクを決定しております。決定した重要なリスクへの対応状況についても適宜取締役会へ報告し、実効性を取締役会が検証し、解決していないリスクについては、さらなるアクションを行うことで、リスクへの対応策をレビューしております。また、決定した重要なリスクについても、適宜見直しを行っております。

 

<重要リスク項目>


※前連結会計年度からの変更点

外部環境の変化および経営方針などに基づき、重要度が増している「3.贈収賄など海外にてリスクの高い法令の遵守」、「10.火災など自社設備(工場・物流拠点)起因の事故」、「22.事業活動において人権に影響を及ぼす可能性」および「242024年問題に伴う各運送業者からの値上げによる物流コスト増」を新たな重要リスク項目として追加しております。

 

<重要リスクのヒートマップ(影響度・緊急度)>

影響度:損失・操業停止・信頼の失墜の3項目を総合的に判断

緊急度:発生頻度を含んだ緊急の対策の必要性について総合的に判断


 

 

<海外展開/地政学に関するリスク>

主なリスク

主な対策

1.地政学的問題による業績への影響

ファンケルグループは、中国をはじめとするアジア市場を海外事業の重要地域として事業展開を行っております。特に米中間の貿易摩擦や日中関係などの地政学的な問題が発生した場合には、海外事業に大きな影響が発生し、ファンケルグループの業績に影響を与える可能性があります。

ファンケルグループは、地政学的な問題が発生した場合にもファンケルグループの製品を選択していただけるブランド価値の確立を目指しております。また、現時点では中国が主な海外市場となっておりますが、今後グローバル化を推進する中で、中国以外のASEAN地域においても展開を強化し、各地域の売上バランスを最適化することで、地政学リスクの低減を図ります。

また、在外子会社のガバナンス体制強化のため各種規程や決裁基準の整備を行っているほか、業績・財務情報の適時的確なレポートラインの体制整備をし、運用しております。

さらに、在外子会社に対してもコンプライアンスの遵守を図るべく、ファンケルグループ・コンプライアンス基準を各国語に翻訳し、ファンケルグループ全体に適用しております。各国特有の法規制などの把握および遵守の確認についても、社内のレポートラインの整備とともに、弁護士などの外部専門家と適時に連携し対応する体制を整えております。個別の海外法令への対応や、求められるコンプライアンスの遵守などについての教育体制の一層の拡充を図るなど、引き続き在外子会社の従業員に対してのガバナンス強化に努めます。

2.在外子会社のガバナンス上の問題

「VISION2030」の実現に向け、グローバル化を本格化させるために在外子会社の重要性が高まる中で、統治が十分に機能せず、各種海外法令への違反が発生したり、ファンケルの事前承認のない決定による損失が発生した場合には、ファンケルグループの業績に影響を与える可能性があります。

3.贈収賄など海外にてリスクの高い法令の遵守

グローバル化を本格化させることに伴い、贈収賄など海外にて特にリスクの高い法規制や、各国特有の法規制などの把握および遵守が不十分で、各種海外法令への違反が発生した場合、当局からの罰則の適用などによりファンケルグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

<法的規制/コンプライアンスに関するリスク>

主なリスク

主な対策

4.広告表示規制への違反

製品のパッケージにかかる表示、および広告の表示について、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、化粧品関連事業における「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」、栄養補助食品関連事業における「食品衛生法」「健康増進法」および通信販売事業における「特定商取引に関する法律」の各種法令などに違反し、行政庁から指導などを受け、または罰則の適用を受けるリスクがあります。

ファンケルグループ内の組織横断的なコンプライアンス体制の構築を目的として、法務を担当する部門・品質保証を担当する部門・その他の部門からなる「グループリスク・コンプライアンス委員会」を設置し、コンプライアンス遵守の状況について監督し、定期的に取締役会へ報告しております。特に事業運営に影響が大きい「景品表示法」「薬機法」については、「グループリスク・コンプライアンス委員会」内に「品質管理部会」を設け、定期的に検討・確認を行い、取締役会へ報告しております。

また、ファンケルグループの従業員がファンケルグループの一員として守るべきルールを明らかにし、従業員が共通認識を持ちながら働くために「ファンケルグループ・コンプライアンス基準」を制定し、従業員に対して、入社以降定期的にコンプライアンス全般に関する教育を実施しております。

さらに、コンプライアンスヘルプラインを設置し、在外子会社も含めて適切に内部通報を受け付けることで、法令違反の恐れを含む問題の早期発見・解決に努めております。

5.その他適用法令への違反・コンプライアンス違反

労務、会計および取引管理など事業活動を行う上で適用される国内外の法令などに違反し、罰則の適用を受け、損害賠償などの支払い責任が発生し、または企業としての信用が棄損するリスクがあります。

 

 

 

<個人情報/情報管理/システム障害に関するリスク>

主なリスク

主な対策

6.サイバー攻撃などによる犯罪被害・機能停止

ファンケルグループがランサムウェアなどの標的型攻撃による身代金要求などの犯罪の被害者になるケースや、暗号化やデータロックによる機能停止などのリスクがあります。

 

 

ファンケルグループでは、「グループリスク・コンプライアンス委員会」内に「情報セキュリティ部会」を設置し、ITセキュリティ対策の強化を図っております。また、ファンケルグループで共通となる「情報セキュリティポリシー」を制定し、それに基づく活動を遂行しております。

具体的には、パソコン全台へのEDRツールの導入によるふるまい検知など、24時間365日の監視体制で検知を強化しております。またウイルス感染予防に向けた全従業員の標的型攻撃メール訓練を定期的に実施するとともに、ホワイトハッカーによるペネトレーションテストを定期的に実施しております。さらに定期的な従業員教育やセキュリティ情報サイトの公開による啓発などの対策を講じております。

また、個人情報管理については、関係法令、公益社団法人日本通信販売協会が定める「通信販売等を中心とした顧客情報に関する個人情報保護指針」および社内規程を遵守するとともに、法務を担当する部門および情報セキュリティを担当する部門の連携のもと、情報管理体制の強化と従業員教育の徹底に取り組んでおります。

7.サイバー攻撃、内部不正などによる情報漏洩

サイバー攻撃、内部不正による情報持ち出しなどによって機密情報・個人情報が漏洩・拡散し、社会およびお客様からの信用失墜による売上の減少やお客様などに対する損害賠償責任による損失が発生するリスクがあります。

 

 

<自然災害・事故に関するリスク>

主なリスク

主な対策

8.罹災による機能停止(国内外の従業員被災含む)

大地震や気候変動に伴う風水害の発生など、自然災害の発生頻度が昨今高まっております。

自然災害が発生し、ファンケルグループの本社、工場、物流センターが罹災することにより業務遂行に困難をきたした場合には、ファンケルグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

ファンケルグループでは、大地震などの自然災害だけでなく、オールハザード型の事業継続計画を策定しております。

さらに、災害に備えた従業員の安否確認システムの運用、非常食や飲料水の備蓄や有事を想定した定期訓練により、その実効性を高めております。

本社機能は、事業継続に必要な中核システムのサーバーの免震化など災害対策を進めるとともに、従業員が在宅勤務できる体制を整備しております。

調達機能は、主要製品の原料・資材について製造・在庫場所を把握し、仕入先の分散や希少原料の在庫保管などによりリスクの低減を図っております。また、天候に左右される米やケールについては、生産地の分散化や原料の備蓄に努めております。

工場機能は、ファンケルグループでは化粧品、栄養補助食品および発芽米の製造を国内6ヶ所の直営工場などで行い、青汁の製造は関連会社などに委託しております。外部委託を含め、複数拠点での生産体制を構築することにより、リスクの低減を図っております。

物流機能は、物流センターを関東・関西に設置し、リスクの分散を図っております。

9.天候による発芽米・青汁の原料不足

発芽米および青汁につきましては、原料である米やケールの収穫量は天候に左右される性格のものであり、天候不順により原料の不足、価格の高騰があった場合には、ファンケルグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

10.火災など自社設備(工場・物流拠点)起因の事故

自社設備の火災などの事故により製品供給に大きな支障をきたした場合、ファンケルグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

製造・品質管理に関するリスク

主なリスク

主な対策

11.製品摂取による肌・体調への悪影響

ファンケルグループの化粧品および健康食品を塗布・摂取することにより、お客様の体質によっては、肌や体調に対し悪影響が発生する可能性があり、ファンケルグループの製品の品質に問題があった場合には、商品やブランドイメージが損なわれ、ファンケルグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

ファンケルグループでは、化粧品、栄養補助食品、発芽米および青汁について、それぞれ一般的な基準よりも厳しい独自の品質基準を設けて評価しております。

製造においては、ISOおよびGMP(Good Manufacturing Practice)の仕組みを取り入れ、(1)人為的なミスの防止、(2)菌汚染、異物混入の防止、(3)一定の品質のものが安定して作られる工程の確立を目的とした厳格な製造管理および品質管理の実施と、適切な製造設備の構築と維持管理により、製品の品質と安全性の確保を図っております。また、製品の品質向上のために、品質保証を担当する部門が品質に関する会議を行って関係部門と品質管理状況の確認を行うとともに、工場への立ち入り検査を実施し、品質の維持に努めております。

健康食品摂取におけるお客様からの健康影響の声については第三者専門スタッフによる評価を行い、迅速・適切な対応を行う仕組みを構築・運用し、リスク低減を行っております。

さらに、お客様の声集約システムによる関係部門間の情報共有、情報の有効活用により、より良い製品・サービスの開発、改善に取り組んでおります。

12.品質問題による商品回収・操業停止など

品質問題が生じた場合には、自主的あるいは薬機法や食品衛生法の法令に基づく商品の回収や工場の操業停止、製造物責任(PL)法に基づく責務の負担によりファンケルグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

風評被害/レピュテーションに関するリスク

主なリスク

主な対策

13.公式SNSを含むファンケルの言動などの炎上

コンプライアンス上の問題および品質問題に加え、SNS上の投稿が活発化する中で、ファンケル公式SNSアカウントのSNS上での投稿、もしくはファンケルの活動・従業員などの言動が、真偽および意図に関わらず社会的に批判され、SNSなどで拡散されることでファンケルおよびブランドのイメージが棄損するリスクがあります。

 

コンプライアンス上の問題、品質問題から生じるリスクへの対策は、<法的規制/コンプライアンスに関するリスク>および<製造・品質管理に関するリスク>にて記載のとおりです。

ファンケルグループでは、公式SNS運用のためのガイドライン、ならびにいわゆる「炎上」およびその恐れがある場合についての危機管理対応マニュアルを策定し、社内に周知するとともに、当該ガイドラインおよびマニュアルを元に公式SNS運営担当者などへの教育を定期的に行っております。

模倣品については、行政機関と連携の上で疑義品の輸入差し止めなどを行うとともに、特に海外のECサイト上での疑義品について定期的な調査を行い、模倣品販売店舗および工場の摘発へ向けた対応を行っております。

14.模倣品の流通によるブランドイメージの低下

模倣品の流通により、ファンケル製品の本来の品質に満たない製品をファンケル製品として消費者が購入することで、ファンケルおよびブランドへのイメージが棄損するリスクがあります。

 

 

 

原材料調達/取引先に関するリスク

主なリスク

主な対策

15.原材料価格の高騰や特定サプライヤーへの依存などによる原材料調達の不安定さ

世界景気、地政学的リスク、需給バランス、異常気象および為替の変動などの影響により、製品に使用する原材料の価格が高騰し、または特定サプライヤーへの依存およびサプライヤーのトラブルなどにより原材料が安定調達できないリスクがあります。

 

ファンケルグループは、原材料価格の上昇に対して、コンペティター価格との検証による値上げ金額抑制、適用時期の後ろ倒しや前倒し購入などの交渉を行い、その影響の低減を図っております。また、安定調達実現のため、マルチサプライヤー(複数購買化)・マルチハブ(複数製造拠点)・物流2拠点への切り替えを積極的に行っています。さらに、栄養補助食品に使用している天然原料については、サプライヤーとの年間契約により、安定調達に関するリスクの低減を図っております。

加えて、毎年、取引先評価および取引先への依存度の確認を実施・評価し、サプライヤーの見直しを実施しております。

一方、持続可能で責任ある調達の実践に向けては、サプライヤーへファンケルの定める基準である「お取引先様ガイドライン」の遵守状況を確認するアンケートおよびヒアリングを実施し、状況を確認したうえで取引をしております。また、<気候変動/環境問題に関するリスク>記載の定量目標の達成に向け、原料については持続可能なパーム油の調達を進め、容器包材については、植物由来・再生由来プラスチックの採用や、環境配慮紙の採用を進めるなど、環境側面に配慮した調達の実現に努めております。

16.環境や人権へ配慮した調達の不達成によるブランドイメージの棄損

昨今社会的に要請される、地球温暖化防止、生物多様性保全などの環境側面などへの配慮およびサプライヤーの労働環境や人権にも配慮した持続可能な調達を実現する責任を果たせず、ファンケルおよびブランドの信用が低下するリスクがあります。

 

 

<競合/消費者行動・生活者の価値観変化に関するリスク>

主なリスク

主な対策

17.市場環境の変化への不対応による競争力の低下

ファンケルグループは、「美」と「健康」を事業領域として展開しております。近年は敏感肌の女性の増加や健康志向の高まりから、敏感肌用化粧品や栄養補助食品の市場への新規参入が増加する傾向にあります。

消費者の「美」と「健康」に関する価値観やニーズ、購買行動の変化などへの対応が不十分で、競合企業の新製品の登場などによりファンケル製品の競争力が相対的に低下するような場合には、ファンケルグループの成長力と収益性が低下する可能性があります。

ファンケルグループは、創業以来、「『不』のつく事柄を解消する仕組みづくり」を経営の基本方針とし、無添加化粧品、栄養補助食品、発芽米および青汁事業などを展開しております。製品開発においても、商品企画開発を担当する部門がこの経営方針に基づき、お客様のニーズや市場調査などを基にして製品の企画開発を進めております。また、さらなる世の中のニーズに対応するための新規事業の創出を目的に新規事業専任の担当役員の配置や専門部門を新設し対応を進めております。

世の中やお客様の『不』が何かを追求する姿勢を堅持し、より発展していくことが、消費者行動の変化に迅速に対応し競争力を維持することにつながっております。

消費者行動の変化に対しても直営の通信販売、店舗販売を始め、ネットモール販売の小売店への卸販売など様々なマルチチャネルを国内外で有しており多角的な対応が可能となっております。

 

 

<気候変動/環境問題に関するリスク>

主なリスク

主な対策

18.温暖化などによる水害や感染症の発生

19.CO2排出量削減・プラスチック削減などの規制強化

20.環境問題に関する消費者ニーズの変化・投資家の評判の変動

気候変動が事業に与える影響は、TCFDの枠組みに沿って、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)気候変動への取組」にリスクを記載しております。

主なリスクとして、温暖化や異常気象による水害や感染症のリスク、農産物由来の原材料の生産量減少や品質低下などの原料調達リスク、CO2排出量削減、プラスチック削減や資源循環の政策や規制強化によるリスク、環境問題に関する消費者ニーズの変化や投資家の評判の変動などを想定しております。

2018年に「ファンケルグループサステナブル宣言~未来を希望に~」を策定し、国際的な目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」と足並みをそろえて、持続可能な社会の実現に貢献していく意思を表明しました。第4期中期経営計画「再興2026」において、社内外の環境変化をふまえたファンケルグループにおける重要課題(マテリアリティ)を再設定し、環境への配慮に関しては、CO2排出量削減、資源循環の促進と廃棄物の削減、持続可能な生物資源の利用などについて、定量目標を定めてファンケルグループ全体で推進していきます。

これらのリスクおよび対策について、取締役執行役員、執行役員で構成される「サステナビリティ委員会」で進捗管理、評価、個別施策の審議を行い、取締役会が監督およびモニタリング機能を果たすことにより、重要課題(マテリアリティ)ごとに設定した目標達成と企業価値向上を目指しております。

 

 

優秀な人材の確保と育成に関するリスク

主なリスク

主な対策

21.人材の不足、育成の不十分さによる事業活動の停滞

日本においては少子高齢化により、今後、労働人口はますます減少することが想定されます。同時にIT技術の進展やグローバル化、働き方改革などにより雇用環境も大きく変わりつつあります。

ファンケルグループは「VISION2030」の実現に向け、各分野で活躍できる多様で優秀な人材の確保が必要となります。採用環境の変化により人材の確保が計画的に進まない場合や、確保した人材の育成が不十分な場合など、人材が不足する場合には事業活動が停滞する可能性があり、ファンケルグループの経営成績に影響を与える可能性があります。

ファンケルグループでは、「みんな違ってあたりまえ」というスローガンをもとに、D&Iや健康経営に積極的に取り組み、多様な従業員が美しく健やかにパフォーマンス発揮ができる、働きやすい環境づくりを進めております。

また、従業員教育を専門的に行う部門を設置し、従業員教育のための人材投資を大幅に増加させることで、体系的な人材育成を行い、将来の事業展開の拡大に応じた人材の確保に努めております。

さらにファンケルグループでは、2017年4月に定年年齢の定めがない「アクティブシニア社員」という新しい雇用区分を新設しております。優秀な人材を雇用し続けることにより労働力の確保につながるほか、企業理念やスキルの継承、後進の育成により、人材力の向上に寄与することを目的としております。

また、世の中の変化に合わせ各種人事制度や処遇の見直しを実施し、優秀な人材の確保および働きがいの向上に努めております。

これらの取り組みに加えて、持続的な成長を支える人的資本経営について、取締役会で議論し、経営戦略を実現するための人材戦略の策定と実行を進めております。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)人的資本への取組」に記載しております。

 

 

人権に関するリスク

主なリスク

主な対策

22事業活動において人権に影響を及ぼす可能性

ファンケルグループは創業理念「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」に基づき、2018年に「ファンケルグループサステナブル宣言~未来を希望に~」を策定し、地球環境、社会問題など「未来への不安」に立ち向かい、ステークホルダーとともに「希望」をつくり、現在と未来に生きる人々の笑顔のために、持続可能な社会を目指すことを宣言しています。

展開する多様な事業活動において、直接的または間接的に人権に関する法令が遵守できなかった場合、罰金や訴訟、または経済的な制裁措置を受ける可能性があります。また、企業ブランドイメージの低下、または事業縮小や撤退を余儀なくされる可能性があります。

ファンケルグループは、「国際人権章典※1」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言※2」に規定された人権を尊重していくとともに、「国連ビジネスと人権に関する指導原則※3」を支持し、実践に向け取り組みます。また、「国連グローバル・コンパクト※4」に署名しています。

2021年8月にはファンケルグループ人権方針を策定し、事業活動における人権尊重への取り組みに関するすべての文書・規範の上位方針として位置付けております。

多様な人権に関する課題を認識するため、従業員向けの人権啓発研修や、サプライチェーン上の人権配慮の重要性について、お取引様と共に考える機会を設け、日々の行動に結びつけられるよう啓発に努めています。

 

※1「国際人権章典」は、「世界人権宣言」、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」の3つの文書の総称です。「国際人権章典」は、現在、国際的に認められた人権保障の基本的な枠組みとされています。

※2「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」には、「結社の自由及び団体交渉権」、「強制労働の禁止」、「児童労働の実効的な廃止」、「雇用及び職業における差別の排除」を、労働において最低限守られるべき基準として定めています。

※3「国連ビジネスと人権に関する指導原則」は、2011年に国連人権理事会によって承認されました。国家および企業に対して、企業活動に関係する人権面での負の影響が発生するリスクの防止および対処を求める権威ある国際規準となっています。

※4「国連グローバル・コンパクト」(UN Global Compact)とは、国連に民間(企業・団体)が参加し、健全なグローバル社会を築くことを目的とした、世界最大のサステナビリティイニシアチブです。

 

 

<為替変動に関するリスク>

主なリスク

主な対策

23.海外取引および連結決算における為替変動の影響

ファンケルグループは、在外子会社を通して海外で事業を展開しており、外国通貨建ての取引において為替変動の影響を受けます。

また、連結決算において在外連結子会社の財務諸表を円換算する際にも為替変動の影響を受けます。

為替変動が想定を上回った場合には、ファンケルグループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

ファンケルグループは、取引に使用している主要通貨の為替変動を監視し、例えば適切な為替予約などを付すことにより、迅速に為替変動に対応できる体制を整備しております。

 

 

 

物流に関するリスク

主なリスク

主な対策

24.2024年問題に伴う各運送業者からの値上げによる物流コスト増

働き方改革関連法によって2024年度からドライバーの時間外労働の上限規制が設けられ、輸送距離の制限や配送リードタイム延長、委託時の制約条件が増加します。

また、燃料費高騰、ドライバー不足などで各運送業者からの値上げによる物流コストが増え、利益に影響を与える可能性があります。

ファンケルグループは、物流2024年問題にしっかりと向き合い、運送業者と積極的に情報交換を行いながら課題解決に取り組んでおります。再配達の抑制として、置き配、ポストイン配送およびコンビニ受取など、一度でお客様へお届けできる配送サービスを取り揃え、ご利用の促進を行っております。今後も商品をお届けする梱包資材や配送サービスを見直しすることで、制約条件の緩和や輸送費の削減を目指してまいります。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー