東洋合成工業(4970)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】東洋合成工業の主な事業内容は、各種化学製品の製造・販売と各種化学品の保管を担う物流基地業務であります。東洋合成工業の事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は次のとおりであります。セグメントの名称事業に係る位置づけ感光性材料事業東洋合成工業が製造・販売活動を行っております。化成品事業東洋合成工業が製造・販売活動・保管業務を行っております。 企業集団について図示しますと次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において東洋合成工業が判断したものであります。(1) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 事業環境東洋合成工業を取り巻く事業環境は、海外経済全体では緩やかな成長が見込まれる一方、不安定な国際情勢、米国の関税措置をはじめとする通商政策の影響、中東情勢の緊迫化に伴う原油・エネルギー価格・物流費の高騰、それに伴う為替相場の動向等により、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。東洋合成工業では、安定供給を第一に、原材料の複数購買および在庫確保等に努め、懸案の原燃料・物流費の上昇については、顧客との協議を通じて、販売価格の見直し等を検討、実施してまいります。一方、半導体市場では、各国における半導体産業の戦略的な重要性の高まりに加え、生成AIの普及拡大に伴う通信・データセンター関連需要の増加等により、半導体製造に用いられる各種先端材料についても中長期的な需要拡大が見込まれております。このような状況下、東洋合成工業は今後の供給拡大に向け、これまでに能力増強を行った設備を活用し、安定供給体制の強化に取り組んでおります。主力製品である感光性材料では、開発分析棟による開発・分析体制の強化に加え、第4感光材工場の増強により先端領域製品の供給能力を高め、需要拡大への対応を進めております。また、もう一つの主力製品群である高純度溶剤では、淡路工場第2屋内充填所を活用し、出荷能力および製品品質の向上に努めております。研究開発においても、次世代製品に必要となる要素技術の開発を進めております。さらに、今後も拡大が継続する半導体関連需要を見据え、経済安全保障の観点からも重要とされる先端半導体材料の安定供給体制のさらなる強化に取り組んでおります。感光性材料では、先端半導体向け材料の供給能力拡大に向け、新規感光材工場の建設準備を行うとともに、将来の事業用地も取得しました。化成品でも、高純度溶剤の安定供給体制を強化するため、タンクヤードおよびローリー充填所の新設にも着手し、さらに将来の供給能力拡大に向けた事業用地も取得しました。東洋合成工業は、引き続き半導体の微細化・高集積化に対応する新規材料および要素技術の研究開発、製造技術開発、品質管理の高度化ならびに生産性の向上に取り組み、高品質な製品の安定供給に努めてまいります。 ② 中期経営計画の概要東洋合成工業は、東洋合成工業の企業価値および株主共同の利益の向上のため、5ヵ年の中期経営計画「Beyond500」を策定し、2023年3月期からスタートさせています。当計画では、「今後、更なる需要拡大が見込まれる電子材料分野において、東洋合成工業の長年培ってきた高純度合成、精製技術にさらに磨きをかけ、顧客品質を満たす安定供給体制を強化し、人・組織・事業の成長を果たし、世界No.1ダントツ企業として持続可能な脱炭素社会の実現に貢献する」コンセプトのもと、「顧客課題、技術課題一つ一つを真摯に捉え、独創的な視点で解決し、世界No.1ダントツの超高品質と生産性向上の両立により、未来を創る」というビジョンを掲げ、最終年度の数値目標である売上高500億円以上、営業利益80億円以上、営業利益率16%以上の実現に向けて取り組んでまいります。なお、上記の将来に関する事項は、当事業年度末現在において東洋合成工業が判断したものであり、将来の業績を保証するものではありません。本中期経営計画の全社戦略、セグメント別戦略は次の通りです。 ■全社戦略人材育成・長期の継続的な事業拡大に向け、充実した仕事環境と人材育成環境への投資と実現・タイムリーかつ自律的に意思決定できる組織機能の整備・グローバルに事業を牽引する次世代リーダーの育成技術戦略の強化・顧客品質と生産性の両立を狙った、研究開発と製造技術の強化と連携・世界随一の高純度製造技術や工程管理のDXによるリアルタイム見える化と、その活用による生産性の向上・次世代技術の探求/要素技術開発/新規事業推進体制の充実経営基盤の強化・高機能性材料のサプライチェーンを支える安全技術力の向上・機動的な設備投資を実現する財務体質の強化・環境配慮型エネルギーマネジメントの実現とCO2原単位の削減・地域貢献と多様性を尊重するマネジメントの実現 ■セグメント戦略感光材セグメントの戦略的な事業拡大・拡大する需要を満たす充分な生産能力増強投資・先端半導体を支える超高純度合成と生産性向上の両立・顧客品質の実現に向け研究開発力を強化し、電子材料の技術革新に貢献する化成品セグメントの事業強化・先端半導体向け超高純度溶剤の品質・開発・安定供給体制の強化・化学専業タンクターミナルの自動化促進と更なる顧客満足度向上事業連携の強化・不安定化するサプライチェーンに対し、タンクターミナル事業・超高純度精製能力・高純度合成力の連携を強化し、機能化学品の安定供給とサプライチェーン高付加価値化を実現 ③ 分野別課題東洋合成工業は、経営理念・行動指針で「常に安全を最優先します」と掲げ、社員、協力会社社員、地域住民の方々などの関係者が安心できる環境づくりに努めています。 ■既存事業の競争力強化長期に亘る継続的な事業拡大と競争力強化のためには人材の成長が欠かせないことから、仕事環境と人材育成環境の充実を図り、組織機能の整備と次世代リーダーの育成を行ってまいります。また、研究開発と製造技術開発の強化および連携を進め、品質管理の高度化、高純度製造技術や工程管理へのDX活用による生産性の向上に取り組んでまいります。 ■感光性材料事業、化成品事業(高純度溶剤)半導体市場は、各国における半導体産業の国家戦略化や、生成AIの普及拡大に伴う通信・データセンター関連需要の増加等を背景に、半導体製造用の各種素材についても中長期的な需要拡大が見込まれております。東洋合成工業は、引き続き半導体の微細化・高集積化に対応する新規材料および要素技術の研究開発、製造技術の開発、品質管理の高度化、ならびに生産性の向上に取り組むとともに、能力増強を行った設備を最大限活用し、高品質な製品の安定供給に努めてまいります。 ■化成品事業(香料材料)香料材料市場においては、引き続きトイレタリー製品用途を中心に緩やかな需要拡大が続くと予測されており、東洋合成工業では積極的な拡販と生産性向上に取り組んでまいります。 ■化成品事業(ロジスティック)国内の化学品物流市場は、石油化学関連企業の統合等による物流基地の統廃合に加え、中東情勢の緊迫化等を背景とした原油・エネルギー価格、為替、海上輸送および物流費の動向により、引き続き不透明な事業環境が続くものと予想されます。一方で、液体化学品を大都市消費地へ輸送する物流形態は今後も必要不可欠であります。東洋合成工業は、お客様のニーズに柔軟な対応が可能な液体化学品総合物流基地として、安全操業と先端化学品の生産活動で蓄積した高度な品質管理技術を最大限に活かし、お客様の信頼を獲得してまいります。 東洋合成工業では、このような施策の実行により、企業価値の持続的な向上を実現してまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において東洋合成工業が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 (1) 市場環境の変動について<感光性材料事業>感光性材料事業の主力製品である感光性材料は、フォトレジストの原料として使用され、半導体、FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造工程で使用されます。当事業製品は、グローバルに供給されており、世界的な経済事情とともに、半導体、FPD需要はエレクトロニクス製品の世界需要によるところが大きく、新たな通信技術、電子制御、および電子データを使用するマーケットの創出により、市場の需要が変化し、業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、ファインケミカルメーカー、半導体・FPD業界の再編等により、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。<化成品事業>電子材料向け溶剤は、電子材料分野の需要動向、お客様の製造工程変更等による品種や仕様の変更があった場合、業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。香料製品向けに使用する原料については天然系原料、石油系原料ともに天候や市況によりその価格に大きな変動を及ぼす可能性があります。タンクターミナル部門は、為替変動の影響は軽微でありますが、景気変動により荷役量が減少した場合、当事業の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(2) 原燃料価格の上昇について東洋合成工業で使用する主要な原材料並びに重油等の燃料は、市況により価格が変動します。これら原材料および燃料の価格が高騰した場合には製造原価の上昇につながり、この上昇をコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格への反映が困難な場合には、東洋合成工業の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(3) 為替レートの変動について当事業年度の海外直接売上高割合は30.4%でありますが、経済のグローバル化が一層進展する中で、感光性材料事業・化成品事業ともに、海外市場での営業展開は、事業の更なる発展にとって必要不可欠な課題と位置づけております。東洋合成工業は、為替レート変動への対処策として、為替予約等によるリスクヘッジや海外から輸入する原材料の外貨建て決済化など、為替変動の直接的な影響の回避を図っておりますが、為替相場の急激な変動により、東洋合成工業の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(4) 製品の在庫水準について東洋合成工業は、事業継続計画(BCP)に基づき一定の水準で製品在庫を保有しており、他業種に比較して、東洋合成工業の在庫水準は高くなる傾向にあります。急激な販売増加により運転資金が増加する可能性や末端市場での急激な需要落ち込み等により余剰在庫が滞留することによる運転資金の増加の可能性があります。(5) 借入金への依存度及び金利変動について東洋合成工業は設備投資資金、および運転資金を銀行からの借入によって賄ってきたため、有利子負債の比率が高い水準となっております。東洋合成工業は借入金比率の低減を図り、財務体質の強化に努める方針でありますが、急激な金利変動が生じた場合には、東洋合成工業の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(6) 環境保全と安全管理について東洋合成工業は、事業活動と自然環境との調和を重要な経営課題と位置づけ、環境保全および安全管理への取り組みを継続的に強化しています。とりわけ、環境情報の透明性と社会的説明責任の重要性が高まる中、東洋合成工業は関連データの適切な開示を通じて、ステークホルダーとの信頼関係の構築に努めております。環境保全に関する国際的な潮流は、従来の規制遵守型から、企業自らがリスクと機会を把握し、社会的責任を果たす“監視・開示型”のアプローチへとシフトしています。米国におけるTRI(Toxic Release Inventory)の制度運用をはじめ、各国において企業の自主的な情報開示が促進されており、東洋合成工業もこれに応じた管理体制を整備しています。一方で、化学物質管理を取り巻く外部環境は日々変化しており、現行では規制対象外であっても、将来的に規制対象物質として指定されるリスクがあることを認識しています。(7) 自然災害・事故災害の影響について東洋合成工業は、自然災害や事故等による事業中断リスクを最小限に抑えるため、製造設備の定期的な点検・保守を実施するとともに、労働災害防止に向けたリスクアセスメントに基づく対策を講じ、監査等による継続的な改善を図っております。また、事業継続計画(BCP)の整備・見直しを定期的に行い、防災訓練や緊急対応演習を通じて、レジリエンス(回復力)の強化に努めております。東洋合成工業は、2012年にBS-25999(事業継続管理規格)の認証を取得し、2013年には国際規格ISO 22301へ移行するなど、ハイレベルなリスクマネジメント体制を構築しています。さらに、近年ではサプライチェーン全体を見据えたリスク評価や、外部環境の急激な変化への柔軟な対応力の向上にも取り組んでいます。しかしながら、大規模地震・台風などの天変地異や予期せぬ事故により、設備・供給網・インフラに重大な影響が生じた場合、東洋合成工業の事業活動および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症のような感染症の世界的拡大により、生産活動、物流、営業展開に支障が生じた場合にも、業績への影響が避けられない可能性があります。今後も、多様化・複雑化するリスクに備えるため、リスク感度を高めた体制の強化と、平時からの備えの実効性向上に取り組んでまいります。(8) 製品の品質・欠陥について東洋合成工業の製品は、納入先との契約に従った品質検査だけではなく、東洋合成工業においてより厳格な品質管理基準を設けるなど、厳格な品質管理を実施しております。また、感光性材料事業の製品、化成品事業の電子材料用途の製品、ならびに香料材料製品につきましては、上記の東洋合成工業における品質検査のほか、お客様における受入品質検査を受けております。しかしながら、東洋合成工業製品を原因とする問題が生じた場合、損害賠償等により、東洋合成工業の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(9) 産業財産権について東洋合成工業が現在展開している製造事業は、長年にわたって東洋合成工業が蓄積してきた他社の製品や製造方法との差別化技術とノウハウとに基づき運営しております。東洋合成工業は、それら技術又は製品若しくは事業の特性に応じて、特許権等産業財産権の取得又はノウハウとして秘匿するかを決定しております。しかしながら、東洋合成工業保有の産業財産権の権利範囲外であっても、東洋合成工業の製品と類似の機能を有するものが第三者から販売される可能性が有り、さらに東洋合成工業の製造方法等の権利侵害の立証の困難な技術に関する産業財産権については、第三者による東洋合成工業産業財産権の侵害を効果的に防止できない可能性もあります。そのような事態が発生した場合、東洋合成工業の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、東洋合成工業が現在、開発・製造販売を展開している製品及び今後、開発・製造する新製品についても、企画開発段階から新製品に係る第三者の産業財産権の系統的な調査を行い、第三者の権利侵害を未然に防ぐよう努めております。しかしながら、東洋合成工業における調査でも把握できなかった第三者の産業財産権を侵害した場合又はその疑いが生じた場合には、その権利保有者から東洋合成工業の権利侵害を主張され、東洋合成工業が損害賠償若しくは侵害被疑製品の製造販売の差し止めを請求され、又はロイヤルティ等の支払いを要求される可能性があります。そのような事態が発生した場合、東洋合成工業の事業戦略や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において経営に重大な影響を与える東洋合成工業が侵害被疑者となっている産業財産権関連の訴訟はありません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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