日本農薬(4997)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】当グループは日本農薬株式会社(日本農薬)及び関係会社26社で構成されており、その内訳は親会社1社、連結子会社15社、非連結子会社4社、関連会社6社(持分法適用関連会社3社)です。事業としては、農薬の製造・販売を主として行っており、この他にも医薬品の製造、関係会社による造園緑化工事、不動産の賃貸、農薬の生産・物流業務等の請負、建物の付帯設備の営繕、作物・環境中の残留農薬の分析等を行っています。日本農薬グループの事業内容と日本農薬及び関係会社の当該事業に係わる位置づけは次のとおりです。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一です。(1) 農薬事業・殺虫剤、殺菌剤、殺虫殺菌剤、除草剤、農薬原体、その他日本農薬が製造し、全国に跨る特約店網、JA、全農及び農薬メーカー等を通じて販売しています。連結子会社のNichino America, Inc.、Nichino India Pvt. Ltd.、Sipcam Nichino Brasil S.A.、Nichino Europe Co., Ltd.、持分法適用関連会社のSipcam Europe S.p.A.、Agricultural Chemicals(Malaysia)Sdn. Bhd.、関連会社の第一農薬㈱は、それぞれ米国、インド、ブラジル、欧州、マレーシア、沖縄で製造、販売しています。連結子会社の日佳農葯股份有限公司、Nichino Vietnam Co., Ltd.、Nichino Mexico S. de R.L. de C.V.、非連結子会社のNihon Nohyaku Andica S.A.S.は、台湾、東南アジア、中米で販売しています。また、関連会社の㈱アグロ信州は、日本農薬品の販売先です。連結子会社の㈱ニチノー緑化は、ゴルフ場向け農薬及び家庭園芸用薬剤を販売しています。連結子会社の㈱ニチノーサービスに農薬の生産業務を委託しています。連結子会社のNichino do Brasil Agroquimicos Ltda.は、ブラジルにおける農薬の開発及び登録業務を委託しています。・親会社の㈱ADEKAより原料を購入しています。(2) 農薬以外の化学品事業・木材薬品連結子会社の㈱アグリマートから特約店等を通じて販売しています。・医薬品等外用抗真菌剤、動物用医薬品、飼料添加物等を主として日本農薬が製造し、医薬品メーカー等を通じて販売しています。 (3) その他① 造園緑化工事・連結子会社の㈱ニチノー緑化は、緑化・造園その他の建設工事の請負、設計、施工、監理を行っています。② 不動産の賃貸・連結子会社の㈱ニチノーサービスは、不動産の賃貸を行っています。③ 農薬物流業務等の請負及び倉庫業・連結子会社の㈱ニチノーサービスは、農薬の受注、保管、配送の請負等を行っています。④ 作物・環境中の農薬残留分析・連結子会社の日本エコテック㈱は、作物、食品、ゴルフ場の排水、河川等に含まれる農薬残留の分析を行っています。 上記の事業の系統図は次のとおりです。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、日本農薬グループが判断したものであります。 日本農薬グループは、基本理念に基づき「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」をビジョンに掲げ、世界中の人々の安全で安定的な食の確保とくらしを守ることを使命とし、新たな価値の創造により持続可能な社会の実現に貢献していきます。高い安全性と環境への配慮を兼ね備えた優れた化学農薬や非化学農薬を創出することで、安全で安定的な食の確保に貢献します。さらに、これまで培ってきた技術や知見を活かし、人々のくらしを豊かにする新たな製品や価値の創出に取り組み、人類と地球が共生できる社会の実現を目指します。 日本農薬グループの中核事業である農薬事業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした食料需要の拡大から、グローバルな農薬市場は拡大傾向にあります。一方で、国内では農業従事者の高齢化や後継者不足の深刻化、物流2024年問題などの社会課題に加え、みどりの食料システム戦略等による化学農薬肥料低減目標により、農薬市場は成熟段階にあるものと考えられます。また、創薬難度の高まりと農薬登録要件の増加、ジェネリック農薬との価格競争に加え、地政学リスクの高まりや原料・エネルギー価格の高騰による生産・調達コストの増加など、事業環境は一層厳しさを増しております。このような事業環境下、ビジョン「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」を掲げ、日本農薬グループは中期経営計画「Growing Global for Sustainability(GGS)」の2年目となる当連結会計年度(2026年3月期)においては、国内でのコルテバ・アグリサイエンス日本株式会社(以下、「コルテバ社」)製品の拡販やBASFジャパン株式会社(以下、「BASF社」)の果樹分野向け製品の日本国内での販売権取得、Nichino America, Inc.およびNichino Europe Co., Ltd.における過去最高売上高の更新、また自社で開発を進めておりました新規有効成分シベンゾキサスルフィルの日本および韓国における登録申請完了などの成果を上げました。これにより、売上高は1,118億円と過去最高を更新しました。一方で、原材料高騰による収益性低下圧力や、Nichino India Pvt. Ltd.の再建、Sipcam Nichino Brasil S.A.の収益構造改革といった課題が浮き彫りとなりました。日本農薬グループは、中期経営計画GGSの最終年度(2027年3月期)において、引き続きサステナビリティ経営の推進を成長戦略とし、以下の施策を着実に推進します。 [ビジョン]「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」・カーボンニュートラルの実現・環境調和型製品・技術の継続的な創出・サステナブルな社会の実現に貢献 [中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)] 呼称 「Growing Global for Sustainability(GGS)」 数値計画 2027年3月期計画(最終年度) 営業利益108億円 売上高1,200億円 ROE8%以上 海外売上高900億円 海外売上高比率75% 設備投資約80億円(3年間) 研究開発投資約200億円(3年間) (注) 本資料に記載されている計画値および業績見通し等の将来に関する記述は、日本農薬が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 基本方針・基本戦略日本農薬は、日本農薬グループの社会における存在意義について改めて検証し、NICHINO グループ理念体系を改定するとともに、基本理念とバリュー、ビジョンについて見直しを行いました。新たにビジョンを「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」と設定し、中期経営計画では、サステナビリティ経営の推進を成長戦略として、社会全体と日本農薬グループの持続可能性の両立を実現することを目標として事業活動と社会活動を推進します。 具体的には、以下に掲げる施策を着実に推進します。・重点品目・新規事業の拡大ベンズピリモキサン、ピリフルキナゾン、ピラフルフェンエチル、フルベンジアミド、トルフェンピラドを主要重点品目と定め、エリア戦略に基づき拡販に努めます。また、生物農薬や作物保護資材の収益拡大、選択と集中、リソースの最大活用を図ります。販売計画の確実な進捗を図るとともに、国内農薬登録における再評価制度への対応を進めます。・原価低減原体製造の内製化を進め原価低減を図るとともに精緻な生産計画による安定供給体制を確立させます。・エリア戦略に基づいた市場拡大市場規模拡大が期待できるアジア太平洋、中南米を中心に拡販します。さらに今後成長が期待できる中東・アフリカ市場については事業基盤の整備を進めます。また、高単価かつ世界中で栽培されるSpecialty Crop(果樹・野菜)を中心に主要重点品目の登録、拡販を進めます。・化学合成パイプライン化合物(医・動物薬含む)の研究開発を加速します。また、研究開発リソースの選択と集中、グローバル開発・マーケティング戦略の強化、精緻化を進めます。・バイオリソース活用欧州の研究体制を強化し、生物農薬や作物保護資材のポートフォリオ拡大に向けた取り組みを加速させます。また、バイオベース原料を用いた有用化合物の製造に取り組みます。・デジタル技術の活用他のスマート農業ソリューションとの連携を活かした展開および海外展開の組織化を進めます。また、スマート工場プロジェクトの確実な立ち上げを実施します。・新たなビジネスモデルの取り込み・創出外部価値の取り込みも含め、新規事業の育成、創出に積極的に取り組みます。 ・資本収益性の向上ROE指標の向上を継続し、資本収益性を高めます。・キャッシュフローの改善主に在庫削減による改善を図ります。グローバル(連結・単体)での在庫適正化指標を設定し、計画管理を徹底します。・固定費適正化(生産性向上)管理経費や人件費など効率的な業務遂行により生産性を高め適正化を図ります。また、研究開発リソースの選択と集中や厳格な投資判断により適正化に努めます。・気候変動対応2050年ネットゼロに向けたロードマップの再構築や、Scope3算定の精緻化およびグループ会社支援を進めます。また、GHG排出削減に向けた設備投資と、環境データ管理を実施します。・生物多様性への配慮継続的なイノベーションにより「環境調和型製品*」のポートフォリオ拡大に努めます。*人畜安全性や環境安全性が相対的に高い日本農薬製品・人的資本経営の推進女性管理職育成に向けた組織・マネジメント基盤の強化、定年・再雇用制度の見直し検討、採用力強化に取り組みます。また、新健康管理システムの導入・展開や、業績考課とサステナビリティ業務目標の紐づけ強化を図ります。・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進日本農薬グループの成長には、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進が必須であるという考えのもと、採用、育成・研修、人財活用、健康経営、職場環境について各指標を定め取り組みます。・コンプライアンス・リスクマネジメントの強化安全基盤強化・安全文化醸成に向けたグループ施策を推進します。また、価値創造プロセスの明確化と重点テーマ選定、DX推進、グローバルITセキュリティポリシーの策定・展開、中小受託取引適正化法への確実な対応と社内研修を実施します。・グループ各社に対する監査の強化グループガバナンス強化に向けた体制の整備と運用、グループ規程の海外展開を進めます。また、監理室と協働した監査体制の強化や立会監査を実施します。 配当方針累進配当を基本とし、配当性向40%を目安に配当を行います。 日本農薬グループは、サステナビリティ経営の推進を成長戦略とし、継続的なイノベーションの創出を通じて事業戦略をさらに深化します。同時に、カーボンニュートラルの実現に向けた環境経営の高度化、人的資本経営の推進による企業価値の向上に取り組み、サステナブルな社会の実現に貢献します。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】日本農薬は、グループ全体のリスク管理の基本方針とその管理体制を「日本農薬およびNICHINO グループリスクマネジメント規程」において定め、部門を統括する常勤取締役及び執行役員から構成されるリスクマネジメント委員会を設置し、リスクの把握、リスクの顕在化予防、顕在化したリスクの影響を最小限に留めるリスク発生対処等を行なっています。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本農薬グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅したものではありません。 1 経済状況等日本農薬グループは国内のみならず海外にも輸出し、また販売拠点を有しており、輸出、販売している殆どが農薬製品、農薬用原体であります。このため国内外の政治・経済情勢および農業情勢、市場動向、天候、病害虫の発生状況、公的規制などによって、直接的、間接的な影響を受けます。 2 原材料の調達について日本農薬グループの事業で用いる農薬原体、原料、副原料等の一部については、コストダウンを推進した結果、特定の地域や購入先に集中する傾向にあり、年間購入総額における中国依存度は高い水準にあります。日本農薬グループでは原材料の調達先の複数化を進めることによりリスクを低減するよう取り組んでいますが、相手国での法規制の強化や購入先の操業事故等により調達に制約を受けた場合は日本農薬グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 3 原材料の価格変動について日本農薬グループの事業で用いる農薬原料、副原料等の購入価格は、国内、国外の市況、為替相場の変動および原油、ナフサ価格動向などの影響を受けます。業績に及ぼす影響は、購入価格の引下げ、販売価格への転嫁、為替リスクヘッジなどにより極力回避していますが、予期せぬ事態の場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。 4 為替の変動について日本農薬グループの事業には、農薬原体を含む原材料の輸入、製品の輸出とインド、ブラジル、米国などにおける生産、販売が含まれており、外貨建てとしては米ドル、インドルピー、ブラジルレアルが主なものであります。これらの外貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されていますが、換算時の為替レートにより元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても円換算後の価格が影響を受ける可能性があります。 5 新製品の開発新製品の開発には、多大な技術的、財務的、人的資源と長い時間を要します。この間の市場環境の変化、技術水準の進捗、規制動向の変化などにより開発の成否、将来の成長と収益性に影響を受ける可能性があります。 6 災害・事故について日本農薬グループでは安全で安定的な食の確保と豊かな緑と環境を守ることを使命として、国際標準に基づく品質、環境管理システムにて操業、運営しています。しかしながら、大規模地震や台風などの自然災害による生産設備への被害、工場における事故などのトラブルにより工場停止、原料などの供給不足、品質異常などの不測の事態が発生する可能性があります。これらのリスク回避として、厳格な原材料の受け入れ検査、製品の品質チェック、定期的な設備点検などを実施していますが、自然災害、事故などによる影響を完全に排除する保証はなく、日本農薬グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 7 法的規制日本農薬グループの事業は、国内外での販売、輸出において農薬取締法、通商関連法、独占禁止法、製造物責任法等様々な法規制、政府規制を受けています。日本農薬グループでは、コンプライアンス委員会活動を通じてコンプライアンス強化に努め、適切に対応すべく取り組んでいますが、今後、法的規制を遵守できなかった場合や、規制の強化によっては日本農薬グループの社会的評価や業績に影響を及ぼす恐れがあります。特に近年、農薬に関する法規制が世界的に強化されており、農薬原体等の新規登録の遅延、中止、既存登録の抹消の処分を受けた場合、日本農薬グループの事業展開に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 8 企業買収・事業投資について日本農薬グループは、戦略的施策の一環として、グローバルベースで企業買収・事業投資を実施しています。実施に際しては、対象企業や事業について詳細なデューデリジェンスを行い、リスク回避に努めていますが、将来の不確実な経済条件及び経営環境の変化により期待する成果が得られないと判断された場合には、関係会社株式の評価損やのれんの減損損失が発生し、日本農薬グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 9 訴訟に関わるリスクについて 日本農薬グループは、国内及び海外事業に関連して、取引先や第三者との間で、訴訟その他法定手続きが発生するリスクがあります。重要な訴訟等が提起された場合、日本農薬グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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