出光興産(5019)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


出光興産(5019)の株価チャート 出光興産(5019)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】出光興産及び出光興産の関係会社(出光興産、子会社187社及び関連会社59社)が営む主要な事業の内容と主要な関係会社の当該事業における位置付けは、次のとおりです。連結の範囲に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表等 注記事項 1.連結の範囲に関する事項 2.持分法の適用に関する事項」に記載のとおりです。 [事業系統図]

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 中期経営計画(2023~2025年度)の振り返り中期経営計画(2023~2025年度)では、エネルギーと素材の安定供給の使命を果たしながら、事業構造改革投資と人的資本投資の両輪により、事業ポートフォリオの転換を推進してきました。事業構造改革投資においては、既存事業の収益力強化で着実な成果を上げ、2025年度での営業利益及び持分法投資損益に加え、ROE(自己資本利益率)でも、計画時に掲げた目標水準を達成しました。一方、原油価格の変動等、一過性の外部要因による押し上げ影響も大きく、安定的な収益基盤の構築と更なる資本効率の向上は今後の課題であると認識しています。また、2050年のCN・循環型社会に向けた事業ポートフォリオの転換においては、「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」「スマートよろずや」の3つの事業領域を定め、社会実装に向けて着実に前進してきました。脱炭素に向けた社会的な動きが変化する中においても、ブルーアンモニアやSAF(持続可能な航空燃料)の事業化検討、リチウム固体電解質のパイロット装置建設に関する意思決定、使用済みプラスチックの油化設備の完工、モビリティサービスに特化した「apolloONE」の展開など、社会や顧客のニーズに応じたソリューション提供に向けた準備を着実に進めています。 (2) 経営環境の認識近年、出光興産グループを取り巻く経営環境は、地政学的リスクの顕在化、エネルギー政策の揺り戻し、新興国の台頭など、大きな構造変化の局面にあります。足元では、中東産油国の情勢悪化により、原油調達のみならず製造・販売を含むサプライチェーン全体において、出光興産グループの事業に大きな影響が生じています。こうした状況に限らず、地政学的リスクが一層高まる中、対応力を強化していくことは、今日の企業経営において不可欠な要素となっています。一方、欧米を中心に進んできた脱炭素政策については、エネルギー安全保障や経済合理性の観点から、化石燃料の役割を再評価する動きも見られます。このように政策動向は一様ではなく、エネルギー転換の進展は、より複線的な時間軸で進むものと認識しています。また、グローバルサウスの台頭により国際秩序にも変化の兆しが見られる中、成長市場においては、エネルギーの安定供給を確保するとともに、現地ニーズに即した事業展開が一層求められています。以上のような不確実性の高い経営環境において、エネルギーの安定供給という社会的使命を果たしつつ、出光興産の持続的成長を実現するためには、環境変化への対応を念頭においた戦略構築・実行プロセスが重要であると認識しています。 (3) 中期経営計画(2026~2030年度)① 中期経営計画の骨子中期経営計画(2026~2030年度)では、2030年ビジョン「責任ある変革者」のもと、事業戦略「GRIT」「GROWTH」「CNX」と、人財戦略である「全ての社員を変革の主役に」「もっと共創&イノベーションを」を両輪とし、これらを支えるビジネスプラットフォームの強靭化を柱に取り組んでいきます。これらの戦略を着実に推進することで、2030年度の財務目標としてROE13%やROIC7%の達成を目指すとともに、これまで以上の企業価値向上に努めていきます。 ② 事業戦略方針事業戦略のリバランスを行い、より実践的な取り組みにより「稼ぐ力」を強化することで、中長期的な成長の実現を目指していきます。事業戦略は『GRIT:既存事業の深化』『GROWTH:成長事業の創出』『CNX:低/脱炭素事業への挑戦』の3テーマで推進し、持続的成長を実現しつつ社会課題解決に貢献します。まずは、燃料油など、社会的な重要性が再認識されている既存事業の基盤を強化・深化し、エネルギーの安定供給に努めるとともに、収益力及び資本効率の向上に粘り強く取り組んでいきます(GRIT)。また、中長期的な成長が見込まれる電化・電動化、ICT、海外事業などの分野において、出光興産の技術力や国内外のネットワークといった強みを活かした事業創出を拡大していきます(GROWTH)。更に、2050年CN実現や中長期的なエネルギー安全保障への貢献を見据え、時間軸を見極めながら、低/脱炭素事業へ挑戦していきます(CNX)。これらの取り組みを5つの事業セグメント横断で推進するとともに、パートナーとの共創を通じて、企業価値の向上と社会課題の解決の両立を図っていきます。 <GRIT “既存事業の深化”>わが国におけるエネルギー安全保障の確保などの観点から、燃料油をはじめとする出光興産の既存事業は、社会的・経済的意義が一層高まっています。原料調達ソースの多角化や製油所・事業所の稼働率向上に向けた施策など、供給安定化/効率化に向けた取り組みを推進するとともに、全国の特約販売店やSSネットワークを活用した販売強化に注力していきます。また、事業の統合/再編や課題事業の構造改革などを通じて、資本効率の向上に向けた取り組みも、引き続き力強く進めていきます。 <GROWTH “成長事業の創出”>中長期的な社会変化やメガトレンドを捉え、新たな事業の創出と拡大を進めます。中でも出光興産が今中計期間中に注力するのは、電化・電動化やICTの進展、海外市場の成長、モビリティ関連サービス、循環型経済の拡大を見据えたサーキュラービジネスです。出光興産が有する技術力や全国のサービスステーション網など、既存の強みを活かしながら成長分野に挑戦することで、将来の収益の柱を育て、持続的な成長につなげていきます。 <CNX “低/脱炭素事業への挑戦”>前中計で推進してきた低/脱炭素事業については、エネルギー・素材の安定供給に資する多様化の観点も加えつつ、社会情勢や時間軸を見極めながら引き続き推進していきます。長期的には、様々なニーズに合わせた低/脱炭素ソリューションの提供を通じて、2050年カーボンニュートラルの実現と持続的な企業価値向上の両立を目指します。 ③ 人財戦略2030年度財務目標の達成及び持続的成長の実現に向けて、「変革」を強力に推進する人財戦略を展開していきます。新たな人財戦略では、「現場力強化」「共創促進」「新価値創出力向上」といった活動の変化を生み出すため、二つのテーマで取り組みを進めます。一つ目のテーマは「全ての社員を変革の主役に」です。出光興産には「攻める」「守る」「支える」といった多様な役割がありますが、そこに優劣は無く、いずれの領域にも変革の機会があります。全社員を、変革を生み出す主役として位置付け、既存の延長上にない未来を切り拓いていくために、「全社員の働きがい・成長実感を極限まで高める」「行動指針の下に全社員が一丸となる」の二点を重点項目として掲げます。二つ目のテーマは「もっと共創&イノベーションを(DE&Iの更なる深化)」です。出光興産のDE&Iは、4年連続のなでしこ銘柄の取得等、独自の取り組みが社外から評価されています。この強みを活かして、女性活躍を引き続き最重要課題に据えつつ、今後は、DE&Iを共創やイノベーションの創出に直結させる取り組みに深化させていきます。重点項目として「多様な変革リーダーを養成する」「多様な人財が活躍できるフィールドを整備する」の二点を掲げ、着実に推進していきます。 ④ ビジネスプラットフォーム<DX/AX戦略>近年のAI技術の急速な進展を機会と捉えて、DX/AX(デジタルトランスフォーメーション/AIトランスフォーメーション)を推進して、経営プロセスの高度化に取り組んでいきます。出光興産グループが有する幅広い事業領域における顧客データや社内の事業・人財データを構造化・一元化して、AIによる高度な分析・予測を事業判断に活用していきます。併せて、AI活用を前提として業務プロセスの再設計を行い、データ・AIを最大限に活用した業務プロセス変革を加速させていきます。先行して取り組んでいるMI(マテリアル・インフォマティクス)による材料開発に加え、出光興産の業務領域全体へAI活用の対象範囲を拡大していきます。 <イノベーション戦略>社会の変化から生まれるニーズを捉え、新たな価値を創出するため、2028年3月完工予定のイノベーションセンターをハブとして、世界のベストパートナーとの共創を推進し、事業化の蓋然性と速度を向上させます。イノベーションセンターの完成により、これまで複数拠点に分散していた生産技術・開発技術等の研究機能を集約し、研究開発から商業生産までを一体で推進できる体制を構築します。また、ハード面の整備に加え、高度MI(マテリアル・インフォマティクス)環境の更なる進化や、研究から社会実装までをリードする人財の育成に取り組むことで、社内外の共創を後押しします。こうした取り組みにより、中長期的な環境変化を捉えた成長領域において、社会課題の解決に貢献するとともに、持続的な企業価値の向上を実現していきます。 ⑤ 投資計画2026~2030年累計投資額は1兆8,000億円を予定しています。うち、GRITに8,300億円を充当し、中でも燃料油セグメントにおいては、前中期経営計画比+30%の操業維持投資を実行し、事業基盤強化に取り組みます。中長期的成長も見据えたGROWTH・CNXには、電化・電動化/ICT2,600億円、グローバル展開3,500億円等、計8,100億円の投資を実行します。DX/AXへの投資やイノベーションセンター新設等、ビジネスプラットフォームの強化にも計1,600億円を投じます。 ⑥ 株主還元2023~2025年度については、2023年11月に年間配当を24円から32円へ増配、更に2024年11月に年間配当を32円から36円へ増配し、併せて下限配当水準に設定しました。加えて、株価水準を意識した機動的な自己株式取得を推進しました。また、資本効率の更なる向上を図るため、株主還元方針に加え1,000億円の自己株式取得を実施しました。2026~2030年度については、5カ年累計の在庫影響を除く当期純利益に対し、総還元性向50%以上を継続します。初年度の2026年度は年間配当単価を36円とし、これを下限に業績に応じた累進配当を導入します。配当への配分を高め、より安定した株主還元を実現するとともに、自己株式取得についても、株価水準を意識し機動的に実施します。 ⑦ 業績見通し(2026年度)2026年度より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用するため、2026年度見通しはIFRSに基づき算出しています。2025年度まではセグメント利益を「営業利益+持分法投資損益」としていましたが、2026年度以降は「金融費用除き税引前損益」に変更します。中東情勢の鎮静化時期に関する予測は困難ではあるものの、業績予想の前提としては、2026年度第1四半期までは原油価格高が継続すると想定しています。2026年度末にはドバイ原油価格は中東情勢悪化前の水準まで下落する前提の結果、大幅なマイナスのタイムラグ影響により減益すると想定しています。引き続き不透明な事業環境が想定されるものの、足元では国内に対する燃料油・石油化学製品等の安定供給を最優先しつつ、更なる収益改善に向けた取り組みを推進していきます。 2026年度連結業績見通し (日本会計基準)2025年度実績(IFRS基準)2026年度見通し営業利益+持分法投資損益※2,441億円-金融費用除き税引前損益※-1,400億円当期純利益※1,923億円900億円*在庫影響除き ※2026年度よりIFRSを任意適用することに伴い会計基準の変更及びセグメント利益の定義を変更するため、前年との単純比較はできません。 主要市況前提 2025年度実績2026年度見通し増減ドバイ原油価格($/バレル)71.881.3+9.5豪州一般炭※($/トン)105.4126.1+20.7為替(円/$)150.7151.3+0.6※1~12月平均

事業等のリスク

3【事業等のリスク】(1) 出光興産グループのリスク管理① リスクに対する考え方出光興産グループを取り巻く事業環境は、地政学リスクの高まりや経済・社会構造の変化により、不確実性の高い状況が続いています。特に、中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡を含む海上輸送を巡る情勢の変化は、原油調達、物流、サプライチェーン及びエネルギー価格等に影響を及ぼす可能性があり、石油産業を主たる事業とする出光興産にとって重要な経営上のリスクとなっています。また、気候変動への対応、規制動向、技術革新の進展等により、事業を取り巻くリスクは多様化・複雑化しています。このような環境のもと、出光興産では統合的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)を導入し、全社的な視点からリスクの把握、評価及び管理に取り組んでいます。 ② ERM体制出光興産は、リスク経営委員会のもと、リスク・コンプライアンス委員会を中心とする統合的リスクマネジメント体制を整備しています。事業部門及びコーポレート部門は、リスクへの対応状況や課題に加え、環境変化に起因する新たなリスクについてリスク・コンプライアンス委員会に報告しています。リスク・コンプライアンス委員会は、これらの情報を踏まえて、全社的なリスクの対応状況の報告及び重要リスクの選定や早急に対応すべき個別課題の提言を、リスク経営委員会に行います。リスク経営委員会は、当該報告を踏まえ、必要な経営判断及び指示を行います。 ③ ERMの運用出光興産は、ERMの枠組みに基づき、全社的な視点から抽出したリスクを、リスクシナリオ等を用いて整理し影響度や発生可能性などの観点から評価しています。そのうえで、経営として優先的に対応及びモニタリングを行う重要リスクを選定しています。選定した重要リスクについては、対応策の実施状況やリスク環境の変化を継続的に確認し、必要に応じて対応方針の見直しを行っています。また、これらの取り組みはPDCAサイクルに基づき運用しており、事業環境の変化等を踏まえ、リスクシナリオの見直しやリスク評価の更新を継続的に実施することで、全社的なリスクマネジメントの高度化に取り組んでいます。 重要リスクの選定イメージ統合的リスクマネジメントの活動サイクル (2) 事業活動における個別リスク出光興産グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。以下の事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において判断した記載です。① 国際情勢や経済環境等の変化によるリスク出光興産グループは日本及び世界各地に事業を展開しており、各々の地域の政治動向、景気動向及び経済情勢による影響を受ける可能性があります。特に足元の中東情勢や長期化するウクライナ情勢のほか、海外諸国の政治的要因又は経済的要因に起因する世界景気の減速や日本国内における人口構成の変化等により、エネルギー資源及び製品需要の変動や価格に大幅な変動が生じた場合には、出光興産の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 事業を取り巻く外部環境の変化によるリスク調達リスク出光興産グループは、原油・ナフサ輸入の大宗を中東地域に依存していますが、安定調達を目的として主要な中東産油国と長期の輸入契約を締結し、同地域内におけるリスクの分散を図っています。しかしながら、これらの地域における政情不安、原油の生産調整、石油関連施設の事故並びにシーレーンにおける海上輸送リスクの上昇等により、長期にわたり原油・ナフサの輸入に制約が生じた場合、出光興産グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。 商品市況リスク(燃料油セグメント)出光興産グループは、石油製品の生産に必要な原油の大部分を輸入していますが、原油価格は足元の中東情勢の影響により激しく変動しているように、産油国の政情不安の影響を大きく受けます。また、米国を始めとした世界各国の金融政策の動向、主要石油消費国における需要・環境規制・税制の動向、投機的な石油取引等により、今後も大きく変動することが懸念されます。出光興産グループは、石油製品価格を国内の市場価格に連動させることでマージンを確保することに努めていますが、原油価格の変動が大きい場合や国内石油市場の激しい競争等により国内の市場価格が低迷した場合、財政状態及び経営成績は重大な影響を及ぼす可能性があります。また、出光興産グループは、棚卸資産を総平均法により評価しています。一般的に総平均法は、原油価格が上昇する局面では、期初の相対的に安価な棚卸資産による売上原価押し下げ影響により損益の改善要因となります。一方、原油価格が下落する局面では、期初の相対的に高価な棚卸資産による売上原価の押し上げ影響により損益の悪化要因となります。なお、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、出光興産の税引前利益は年間80億円増減する可能性があります。 (基礎化学品セグメント)ア 原料コストの変動について出光興産グループは、基礎化学品の原料であるナフサを自社製油所で生産するとともに中東地域をはじめとする海外から調達しています。ナフサ価格は、原油・ガソリンの価格動向に加え、足元の中東情勢等による需給バランスの影響を大きく受けます。市場における激しい競争等の要因により、ナフサ価格変動の製品価格への反映が限定的となる場合には、出光興産グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 イ 製品市況の変動について日本を含むアジアの基礎化学品市場は激しい競争状況にあり、需要の変動や供給の増加の影響を受けます。アジアでは経済成長に伴う需要の増加が見込まれますが、近年は中国を中心に基礎化学品を製造する大型プラントの新増設が急増しており、アジア市場における供給過多や、新興国の経済成長鈍化に伴う需要低迷の可能性があります。このような市場における競争の激化や需要の低迷、政治経済情勢あるいは中東情勢等のその他の要因により、出光興産グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 (高機能材セグメント)出光興産グループは、潤滑油の原料であるベースオイル・添加剤を自社事業所で生産するとともに国内外の市場から調達しています。ベースオイル・添加剤の価格は原油価格のほか、潤滑油の需給バランス等の影響を受けることがあります。また、市場における競争激化等により、原料価格の変動を製品価格に適切に転嫁できない場合、出光興産グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (電力・再生可能エネルギーセグメント)出光興産グループでは、卸電力取引市場を通じた電力取引を行っています。この取引価格は、燃料価格や国内の電力需要及び発電所稼働状況の影響を受けて変動する可能性があります。また、燃料価格については、出光興産グループが保有する発電所の発電コストや、出光興産の電力小売価格における燃料費調整単価に影響を与える可能性があります。これらの影響により、出光興産の電力取引価格や発電コスト、燃料費調整単価が大きく変動した場合、出光興産グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (資源セグメント)石油・天然ガス開発事業においては、原油・天然ガスを生産し販売していますが、政治経済情勢あるいはその他の要因により将来的に原油・天然ガス価格が下落した場合、出光興産グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。石炭事業においては、オーストラリアの自社鉱山で石炭を生産し、主に日本向けに販売していますが、政治経済情勢あるいはその他の要因により石炭価格が下落した場合、出光興産グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 カントリーリスク(基礎化学品・高機能材セグメント)出光興産グループは、主にアジア市場を中心とした基礎化学品の販売及び、潤滑油分野においてはグローバルで事業展開をしていますが、経済の低迷や政治リスク等の要因により市場成長が鈍化する可能性があります。このような経済環境の変動により、出光興産グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 (資源セグメント)出光興産グループは、ベトナムをはじめとする東南アジア及びノルウェーを中心に、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産(油ガス田開発)プロジェクトを推進しており、これらの地域における政治経済情勢、税制、規制方針やその他の不確定要因の影響を受けることがあります。また、出光興産グループは、オーストラリアの自社鉱山で石炭を生産し、主に日本向けに販売しています。石炭鉱山事業につきましても、政治経済情勢、税制、規制方針やその他の不確定要因の影響を受けることがあります。 為替リスク出光興産グループは、多額の外貨建取引を行い、また外貨建の資産及び負債を有しています。このため、為替相場の変動は外貨建取引の収益や財務諸表の円貨換算額に影響を与えます。また、原油輸入を米ドル建てで行っているため、原油の調達コストは円の米ドルに対する為替相場の影響を受けるほか、燃料油セグメントにおける在庫評価も影響を受けます。なお、1米ドル当たり1円変動すると、出光興産の税引前利益は年間40億円増減する可能性があります。 ③ 気候変動に関するリスク上記の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 戦略 ② 気候関連の戦略」に記載のとおりです。 ④ 環境規制に関するリスク出光興産グループは、事業展開する日本やその他の国における広範な環境保全やその他の法的規制の下にあります。例えば、出光興産グループは、製油所や工場からの汚染物質の排出、廃棄物の処理等について規制を受け、基準を超える環境汚染発生に伴う罰則を受ける可能性もあります。また、日本や他の国の当局が新たな規制を行うこと、あるいは現在や将来の環境規制を遵守することにより多額の支出を伴う可能性があります。 ⑤ 事業投資に関するリスク出光興産グループは、事業資産の規模が大きく、既存の製油所・工場や販売設備等の維持更新、油田の権益取得や探鉱開発等の国内外の事業活動に多額の投資を必要とします。今後も石油、石油化学、資源事業など、既存事業の競争力維持には投資を継続する予定です。一方で、より実践的なアプローチで「稼ぐ力」を強化するため、中長期的に成長が見込まれる領域として「電化・電動化/ICT」、「グローバル展開」、「モビリティ/サーキュラー」などの領域での戦略投資、更には水素・アンモニア・SAF・合成燃料といった新たなエネルギー開発など、事業拡大へ向けた戦略投資を行っていく計画です。このような成長分野への投資においては、経営環境の不確実性の高まりにより意思決定時の事業前提から変化が生じた場合は、期待された収益機会を失う可能性があります。更に国内外における経済情勢や政治動向、市場拡大の遅れ、新素材を含む他社との開発競争等によりこれらの投資が計画どおりの収益をあげられない場合は固定資産の減損損失を計上する可能性もあります。なお、投資の意思決定プロセスにおいて、投資金額をはじめとする様々なリスクの多寡に応じた投資審議を設計することで、投資リスク低減と意思決定の迅速化の両立に努めています。また、出光興産グループは、アジア市場における石油及び石油化学事業の海外展開の一環として、クウェート国際石油、ペトロベトナム及び三井化学(株)(以下出光興産を含め、「スポンサー」という。)と共同でニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(以下「NSRP」という。)を設立し、ベトナム社会主義共和国タインホア省ニソン経済区に20万バレル/日の石油精製設備とパラキシレンをはじめとする石油化学品製造設備を有するニソン製油所・石油化学コンプレックスを操業しています。プロジェクトの総事業費は約90億米ドルであり、このうち50億米ドルは国際協力銀行をはじめとする銀行団によるプロジェクト・ファイナンスにより調達し、約40億米ドルはスポンサーによる出資及び貸付で調達しています。プロジェクト・ファイナンスによる調達額について銀行団に対し行っている債務保証及びスポンサーによる出資・貸付のうち、NSRPへの出光興産グループ出資比率相当の35.1%については、ベトナムにおける政治経済情勢、法律や規制及び雇用環境の変化等からプロジェクトが計画どおりに進展しない場合、出光興産グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 ⑥ その他経営全般に係るリスク人権に関するリスク出光興産グループは、人権の尊重は欠くことのできない経営の根幹であり、全ての判断や行動において最優先させるべきことと考え、世界人権宣言やILO宣言で国際的に認められた人権を尊重することを基本方針として定めています。出光興産グループは、グローバルに事業拠点を持ち、取引するサプライヤーも多国にわたることから、「ビジネスと人権」に関する意識を国際基準で高く持ち、人権デューデリジェンスを通じたリスクの軽減を進めるとともに、ビジネスパートナーにも方針の理解と遵守を要請しています。しかしながら、事業活動の領域で人権の侵害等が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を失い、出光興産グループの財政状態及び経営成績は影響を及ぼす可能性があります。 コンプライアンスに関するリスク出光興産グループでは、コンプライアンス規程等に基づき、国内外の法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンス推進体制及び内部統制の強化に努めています。しかしながら、出光興産グループにおいて法令その他諸規則等を遵守できなかった場合、又は内部統制システムが有効に機能せずコンプライアンス上の問題が完全に回避できない事態が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を失い、出光興産グループのレピュテーションを損ね、出光興産グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、出光興産グループは確実性の高い品質マネジメントシステムに基づき製品を製造していますが、予期せぬ事情で大規模なリコールや訴訟が発生した場合に備え保険を手当てしています。しかしながら、それに伴い法的責任が発生する可能性や、直接的な責任を負わずともバリュー・チェーンの一部を担う者としてブランドイメージやレピュテーションの低下を回避できない可能性があり、ひいては出光興産グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性もあります。 知的財産に関するリスク出光興産グループは、事業の遂行のために知的財産権を活用しており、特に石油精製技術や、リチウム電池向け固体電解質、潤滑油、機能化学品、電子材料等の付加価値の高い製品・サービスにおいて特許や営業秘密の位置づけは重要な役割を果たしています。また、出光興産グループは、ブランドを商標登録しています。しかしながら、これらに関して紛争が生じたり、無効にされたりする可能性があります。また、出光興産グループが保有する特許、営業秘密、商標が出光興産の知的財産を保護するうえで十分であるとは限りません。また、出光興産グループの営業秘密が、従業員や取引先、その他の関係者によって不適切に取り扱われる可能性があります。更に、出光興産グループの製品やサービスが第三者から知的財産権を侵害しているという主張がなされ、あるいは出光興産グループが第三者から供与されている技術ライセンスが更新されない可能性があります。出光興産グループが事業遂行に必要な知的財産権を十分に保護又は活用できない場合には、出光興産グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 自然災害・事故等によるリスク出光興産グループの事業は、地震、津波、台風、豪雨豪雪、火山爆発等の自然災害やこれらに起因する製油所・工場における火災、爆発、油の大規模流出等の事故といったリスクを有しています。また出光興産グループが保有する大型タンカーを含む原油や石油製品の輸送は、海賊や悪天候による転覆、衝突、非友好国による拿捕、撃沈等の危険にさらされています。更に出光興産グループは、労働争議やサイバー攻撃等によるシステムダウンや情報漏洩、感染症の大規模蔓延による事業中断のリスクにもさらされています。これらのリスクを会社としていち早く認識し、全社を挙げて被害の拡大防止を図るため、「危機発生時の対応規程」を策定し、予兆を含めたトラブルの早期共有のための連絡系統、対応時の優先順位、危機レベルの設定とそれに応じた対策本部の体制等を定めています。事業継続計画(BCP : Business Continuity Plan)については、2006年度に首都直下地震版、2009年度には新型インフルエンザ版、2010年度には南海トラフ巨大地震版(2021年度に「南海トラフ含む地域的地震津波版」に拡充)を制定しました。更に2015年度に内閣府より「指定公共機関」に指定されたことを受け、「防災業務計画」を作成しています。BCPに基づく総合防災訓練を毎年実施し、各拠点との連携やリモートを含む本部運用等についての課題を抽出し、実効力の強化に努めるとともにBCPの改定に反映しています。製油所・事業所・工場等においては、各々の危機対応規程類に基づき、拠点ごとに又は相互連携の上、防災訓練を定期的に実施しています。出光興産グループは、事故や災害で想定される多額の損失に備え、自家再保険子会社を活用し適正な損害保険や損害保険サービスをグローバルに調達しています。 個人情報管理に関するリスク出光興産グループは、石油製品販売、電力小売り、クレジットカード事業等で顧客の個人情報を多数取り扱っています。出光興産グループは、これらの情報の管理不徹底や外部からの不正な搾取、それによってもたらされる問題への対処のために、多額の費用を負担する可能性があります。また、昨今の日本国や欧州を始めとする個人情報保護関連法令の適用拡大・厳格化に対する必要な対応の不備・不足により、多額の制裁金、賠償金の発生、出光興産グループの信用低下、クレームや訴訟等に繋がった場合、出光興産グループの事業や経営成績が影響を受ける可能性があります。 ⑦ 事業等のリスク管理上記の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) リスク管理」に記載のとおりです。



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