1.企業理念
ギークリーは、クラウド技術の進展、スマートデバイスの普及、DX/AIの加速により社会構造が大きく変容する中で、「IT人材の適材適所によって成長機会にあふれる社会を創る」をパーパスとして定め、日本社会の労働生産性向上という課題を解消すべく、IT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介事業を展開しております。
また、事業運営にあたっては3つのバリューである「専門性にかける(bet on specialty)」「徹底的にやり続ける(keep on completely)」「安定にこだわる(focus on reliability)」を基盤とし、IT・Web・ゲーム業界に特化することによりIT業界に深い知見を有する専門性の高いアドバイザーによるサービス提供と、効率的かつ安定したオペレーションを強みに、IT人材紹介を通じて社会全体の成長機会創出に貢献しながら、事業成長を目指しております。
2.事業の概要
a.人材紹介サービスの概要
ギークリーは、職業安定法に基づく有料職業紹介事業の許可を受け、求人企業と求職者の間に立ち、最適な人材と最適な職場を結び付ける人材紹介サービスを単一セグメントにて展開しております。人材紹介サービスは、企業の採用活動を支援すると同時に、個人のキャリア形成を後押しする社会的役割を担っており、両者にとって満足度の高い雇用関係が成立するよう、マッチングを通じてサポートをしております。
b.求人企業の属性
求人企業は、IT人材を採用するSIer、ITコンサル、インターネット関連企業、ゲーム企業等、IT企業を中心に多岐に渡ります。近年はDX推進やシステム開発部門及び情報システム部門を内製化する動きの広がりに伴い、IT企業以外の企業においてもIT人材の採用ニーズが高まっており、当該企業にも採用の支援をしております。
c.求職者の属性
求職者は、IT・Web・ゲーム業界に従事する専門職であり、具体的にはソフトウェアエンジニア、AIエンジニア、ゲーム開発エンジニア等の各種エンジニア職、ITコンサルタント、Webクリエイター、IT営業等が主な職種になります。加えて、AI・IoT・クラウドといった先端技術分野に携わる人材や、企業のDX推進に関わる人材も対象としております。
d.求職者の集客方法
ギークリーは、求職者の集客について、自社サービスサイトを活用したインバウンド集客と、外部媒体である転職プラットフォームを活用したアウトバウンド集客の双方で行っております。インバウンド集客とは、自社が運営するオウンドメディア及びTVCMや交通広告等の幅広い広告施策によって自社サービスサイトへの登録を促す集客方法となります。一方、アウトバウンド集客とは、求職者が自身の経歴書を他社が運営する転職プラットフォームに登録しており、当該求職者に対してスカウトサービスを通じて直接アプローチを行うダイレクトリクルーティングを活用した集客方法となり、自社サービスサイトだけでは集客できない幅広い層との接点を確保しております。
e.人材紹介サービスの報酬体系
ギークリーが提供する人材紹介サービスは、求人企業に紹介した求職者の採用が決定し、求職者が入社した時点で求人企業から報酬を受領する完全成功報酬型の報酬体系を採用しております。初期費用等は不要となっており、また、入社後の早期離職に備え、返金制度も導入しております。
[事業系統図]
f.マーケティング部門(MA)の役割
ギークリーは、求職者の集客から面談設定までの役割をMAが担当いたします。インバウンドの集客においては、W
ebメディアでの広告宣伝戦略の立案や、SEO対策などの広告運用、ギークリーメディアに登録した求職者との面談
設定を担います。また、アウトバウンドの集客においては、ダイレクトリクルーティングメディアなど求職者が
登録されている媒体を活用してスカウトメールの送信、面談の設定までを担います。設定した面談に関してCA
と情報連携し、求職者にとって伝えた情報が伝わっていないなどのミスを防ぐことでストレスのない面談を実現
しております。
g.キャリアアドバイザー(CA)の役割
集客した求職者については、CAが対応いたします。CAが求職者と面談を行い、スキルや経験を把握した上で、アルゴリズムと連動させた独自の基幹システムから求人を紹介し、求職者の応募意思を確認の上、求人企業へ推薦を行います。ギークリーの基幹システムは、CAとの面談で得られた職務経歴、保有スキル、希望条件、キャリア志向等の情報を構造化して蓄積し、求人企業ごとに登録された採用要件や過去の成約実績データと照合する独自アルゴリズムを搭載しております。これにより、単なるキーワード一致にとどまらず、職種・技術領域・キャリアステージ等を総合的に勘案した高精度なマッチングを実現しております。
h.リクルーティングアドバイザー(RA)の役割
ギークリーは、求人企業と求職者を別の部門が担当する業務オペレーションを採用しており、求人企業についてはRAが対応いたします。RAは求人企業を開拓し、求人企業から採用要件等をまとめた求人票を獲得いたします。また、RAは求人票の内容を確認の上、採用要件や求める人物像をヒアリング等を通じて詳細に把握し、求人企業が求める採用要件をCAと連携します。
i.受注残高の認識方法
求人企業に推薦した求職者が求人企業との面談・選考を経て求人企業に入社することが確定した時点で受注残高を認識することになります。求職者とCAの面談数と、求職者が面談を経て求人企業への入社を決定する率(成約決定率)を乗じて、求職者が求人企業に入社する数(成約数)が算出されます。また、求人企業が求職者に提示した想定年収と、ギークリーが求人企業と事前に取り決めた紹介手数料率を乗じて成約単価が算出されます。ギークリーの受注残高は、成約数と成約単価を乗じることで算出されます。なお、上記の受注残高の認識方法及び収益モデルは、一般的な成功報酬型の人材紹介会社において採用されている方法と相違はありません。
また、本項における「受注残高」とは、求職者の入社が確定したものの売上計上前の案件につき、社内管理目的で集計した数値を指すものであり、法令上の「受注」又は「受注残高」としての継続的・拘束力を伴う受注の残高を意味するものではありません。
j.売上の計上方法
求職者が求人企業に入社した時点において、受注残高が実現し売上が計上されます。なお、求職者が求人企業に入社後、一定期間内の短期において求人企業を退職した場合に、人材紹介会社では求人企業から受領した成約単価の一部を入社から退職までの期間に応じて返金する制度(早期離職に伴う返金制度)の導入が一般的であり、ギークリーにおいても導入しております。売上からは、早期離職に伴う返金制度により求人企業に対して返金する金額が、将来発生すると見込まれる金額も含めて控除されます。
3.主要サービス内容
ギークリーは、IT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介サービスを中心に、求職者及び求人企業双方に対して高付加価値の支援を提供しております。更に、IT業界に深い知見を有するCAによる専門性を活かしたキャリア支援やメディア運営に加え、ギークリー独自のマッチング精度向上の取組を通じて、IT人材の適材適所の実現を目指しております。
a.IT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介サービス
ギークリーは、エンジニア、クリエイター、プロジェクトマネージャーなどのIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介事業を展開しております。IT業界に対する深い知見と独自のマッチング技術を活用することで、企業には優秀な人材の採用機会を、求職者にはIT業界に特化した専門のCAが、求職者のスキルや経験に基づき最適な転職先を提案し、履歴書・職務経歴書の作成支援や面接対策など転職活動全般をサポートしており、求職者が安心してキャリア選択できる機会を提供しております。
b.Geekly Media(ギークリーメディア)
IT業界に特化した転職情報やキャリア形成支援、業界動向、技術トレンド、企業トップへのインタビュー等を掲載する専門メディアを運営しております。求職者のスキルや志向に応じたキャリア選択を支援し、情報面から転職活動を後押ししております。
c.Geekly Review(ギークリーレビュー)
IT業界の企業に関するクチコミ情報や選考体験談を集約したプラットフォームであり、実際の社員や求職者からのレビューを通じて、企業文化や働き方、選考プロセスの傾向を把握できる環境を提供しております。企業の評価・比較機能も備え、求職者に対し有益な情報を提供しております。
4.事業の特徴
ギークリーの事業の特徴は、以下のとおりであります。
a.独自構築した基幹システムOLGを活用したオペレーション
ギークリーは、創業以来一貫して基幹システムであるOLGの改修及び機能拡張に取り組んでおります。例えば、過去の求職者に関するITスキルや前職、転職先での役割などのデータを個人が特定できないように加工し蓄積することや、求人案件情報について業種や職種などの項目を細分化し整理することなどのデータ活用の取組になります。当該データを蓄積した結果として求職者との面談ではスキル、ビジネス分野、ビジネスモデルなどの項目について確認すれば成約可能性や求職者の興味などを加味した推薦求人案件が自動でシステムからCAに提案される仕組みなど、効率的かつ安定したオペレーションの構築を進めております。業界未経験でもギークリーに入社したCAは早期に求職者との面談が可能となり、CAの増加が面談数の増加に繋がった結果として、面談数は2024年5月期の20,065件から2025年5月期は25,648件まで増加しております。
b.CA人材の即戦力化
業務オペレーションについてはOLGの活用によるマッチングの仕組みに加え、動画と文書マニュアルを整備しており未経験者でも早期にCA業務をキャッチアップできる業務環境を構築しております。また、求職者の集客を担うMAが求職者のスカウトや面談設定を行い、求人企業向けの案件獲得は専業のRAが務めるなど、CAとの分業体制を構築することによりCAが習熟しなければならない範囲を限定する体制を敷いております。業務効率化に資するシステム支援と分業体制による習熟範囲の限定によって、未経験でも短期間での戦力化を可能にし、求職者との面談に取り組むCA一人あたりの売上高は、2025年5月期において年間8,800万円を達成しております。ギークリーは創業当時から求職者、求人企業の双方にとって満足度の高いマッチングを心掛けてまいりました。結果として返金が発生する短期離職は全体の2.9%にとどまり、ギークリーのマッチングは97%の求職者、求人企業に満足頂けているものと認識しております。なお、求職者との面談に取り組むCA一人あたりの売上高は、年間売上高を面談CAの人数で除して算出しております。
c.集客チャネルの多様化
求職者の集客において、外部媒体である転職プラットフォームを利用したアウトバウンド集客と並行して、自社サービスサイトを活用したインバウンド集客にも積極的に取り組んでおります。リスティング広告及びアフィリエイト広告等による転職顕在層へのアプローチに加え、YouTubeなどのSNSにも注力し転職潜在層へのアプローチを実施することにより、多様なチャネルから安定的に求職者を獲得できております。その結果、2025年5月期の新規登録者数は93,111人(前年比34.8%増)に達し、自社サービスサイト経由が約半数を占めております。一般に、インバウンド集客は、マスを対象に幅広く認知を獲得するため、転職意欲が顕在化していない求職者も広告の対象となります。一方で、他の人材紹介会社がリーチしていない求職者へのアプローチが可能となることから、成約率はアウトバウンド集客と比較して高くなる傾向にあります。アウトバウンド集客は、転職意欲が顕在化した求職者のみが転職プラットフォームに登録するため、販売促進の対象は限定されますがインバウンド集客とは違う層の集客が可能となります。一方で、転職プラットフォームには他社もアクセスしており競争が激しいことから、成約率はインバウンド集客と比較して低くなる傾向にあります。インバウンド、アウトバウンドの特徴や、過去からの傾向など、集客に関する知見がMAに蓄積されております。MAはインバウンド集客、アウトバウンド集客の集客効率をモニタリングしながら広告宣伝・販売促進の戦略を立案し、外部媒体に頼りすぎない集客と顧客獲得単価の効率化を実現しております。
d.強固かつ多様な顧客基盤
ギークリーの顧客である求人企業にとって満足度の高いマッチングを提供してきたことや、求人企業の多くは、複数名採用を実施していることなどから、求人企業のリピート率((当該期間における成約企業数-当該期間における初成約企業数)÷当該期間における成約企業数×100)は2025年5月期で80.2%に達しており、単発の取引にとどまらず、同一の求人企業との取引が反復・継続的に発生しております。継続的に取引する既存顧客に加えて、人材不足を背景とした新規顧客の獲得も進んでおり、2025年5月期の取引先数は1,417社に拡大しております。また、DX推進を背景にIT企業だけでなくIT企業以外の企業においてもIT人材の確保に乗り出していることなどから、ギークリーは幅広い業種の顧客と取引をしております。結果として2025年5月期の売上上位10社の構成比は合計でも10.0%にとどまっており、安定的かつ継続性の高い収益基盤が形成されると考えております。
5.用語集(五十音順)
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表記 |
概要 |
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アウトバウンド集客 |
他社が運営する転職プラットフォーム等に登録している求職者に対し、ギークリーがスカウトを通じて直接アプローチを行う集客方法 |
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アフィリエイト広告 |
Webサイトやブログ等に広告を掲載し、広告を通じて登録などの成果が発生した場合に、報酬を支払う成果報酬型の広告手法 |
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RPA (アールピーエー) |
正式名称:Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション) |
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インバウンド集客 |
自社運営のWebサイトや広告施策等によってギークリーサービスサイトへの登録を促し、求職者を獲得する集客方法 |
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SEО対策 (エスイーオー対策) |
検索エンジンで自社サイトが上位表示されるよう、サイト構造やコンテンツを最適化し、自然検索からの集客を高める施策 |
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OLG (オルグ) |
ギークリー基幹システム
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完全成功報酬型 |
着手金等の初期費用は発生せず、紹介した求職者の入社が決定した時点で初めて、報酬をお支払いいただく報酬体系 |
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CA (キャリアアドバイザー) |
求職者との面談を通じて、スキルやキャリアプランを把握し、最適な求人の紹介や転職活動全般の支援を行う専門職 |
|
求職者 |
IT・Web・ゲーム業界への転職を希望する個人
|
|
求人企業 |
ギークリーに人材紹介を依頼する企業。IT企業以外にも、DX推進等でIT人材を求める事業会社も含む |
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成約数 |
求職者が求人企業へ入社が決定した数
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中堅層 |
年収400~800万円の求職者
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DX (デジタルトランスフォーメーション) |
企業がデータとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること |
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デバッグ処理 |
システムやプログラムに潜む不具合を発見し、原因を特定して修正する一連の作業 |
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ハイクラス |
年収1,300万円以上の求職者
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ハイレイヤー |
年収800~1,300万円の求職者
|
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返金率 |
求職者が入社後、一定期間内に自己都合で退職した場合に、受領した報酬の一部を企業へ返金する割合 算出式は以下 「1年間における返金件数」÷「1年間における成約件数」×100 |
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MA (マーケティング部門) |
インバウンド・アウトバウンドの集客状況を分析し、効果的な広告宣伝・販売促進戦略を立案することで、安定した自社集客と顧客獲得単価の最適化を推進する部門 |
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面談CA (面談キャリアアドバイザー) |
求職者と直接面談を実施するCA
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有料職業紹介事業 |
職業安定法に基づき、厚生労働大臣の許可を得て行われる事業、ギークリーで行う人材紹介サービスがこれに該当 |
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RA (リクルーティングアドバイザー) |
求人企業を担当し、採用課題や求める人物像をヒアリングした上で、最適な人材の採用を支援する専門職 |
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リスティング広告 |
検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、検索結果ページに連動して表示されるテキスト広告。「検索連動型広告」とも呼ばれ、転職を検討している顕在層へのアプローチに活用 |
ギークリーの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてギークリーが判断したものであります。
(1)経営方針
ギークリーは、「IT人材の適材適所によって、成長機会にあふれる社会を創る」というパーパスのもと、日本社会の課題である労働生産性の向上に貢献することを経営の基本方針としております。
DXやAI等への期待が高まる一方で、IT人材の不足は企業の生産性向上の妨げとなっており、ギークリーはその構造的な課題の解消に向けて、IT人材の成長に資するキャリア支援を推進しております。ギークリーは今後も、社会課題の解決と事業成長を両立させる取組を通じて、企業・個人・社会それぞれにとって持続的な価値を提供してまいります。
(2)経営環境
IT分野における技術革新の加速度は顕著であり、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、サイバーセキュリティといった先端技術が日進月歩で進化しております。これにより、必要とされるスキルセットも頻繁に変動し、また、高度な専門スキルの需要が急増していることから、特にAIエンジニアやデータサイエンティストなどの希少なスキルを持つ人材の確保が極めて困難になっております。
リモートワークの普及により地理的な制約が大幅に緩和され、グローバルな人材プールからの採用が可能となった反面、リモート環境での効率的な業務管理とコミュニケーションの確立が新たな課題となっております。また、人材の流動性が高く、特にIT業界では転職率が高いため、企業は優秀な人材の継続雇用に苦労しております。
更に、国内ではDXやAI対応への需要が旺盛であり、システム開発は設計からプログラミングなど各段階で多くの人材が必要になるため開発を担う人材不足が慢性化しております。経済産業省からは2030年にはIT人材が最大79万人不足すると公表されており、IT人材不足は社会課題になっております。
以上の背景から、2018年より関東圏にてTVCMを放映し認知を獲得した状況下においてIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介サービスを提供するギークリーにとっては好環境下と捉えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ギークリーでは、独自のポジショニングをさらに強固なものとしていくため、売上高及び面談CAの人数を重要な経営指標と位置づけ目標達成に向けて取り組んでおり四半期の推移は以下のとおりであります。
|
|
2025年5月期 |
2026年5月期 |
||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
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売上高 (百万円) |
1,530 |
1,982 |
1,725 |
1,909 |
2,071 |
2,401 |
|
面談CA(人) |
70 |
71 |
72 |
81 |
90 |
90 |
(4)人材紹介業界の経営環境
a.人材紹介業界に求められる役割の変化
人材紹介業界は、景気回復に伴う市場のニーズが活性化しており、特にホワイトカラー職や高度専門職を中心に採用ニーズが急増しております。コロナによる全国的なパンデミックの影響で一時的に縮小した労働市場が再び拡大し、人材紹介事業者は「採用活動の代行機能」から「高度な人材コンサルティングサービス」まで進化を求められております。企業は自社の人材戦略において、今欠けている人材を採用しようとするのではなく中長期的に会社を発展させていくために必要な人材を確保する「タレントアクイジション(TA)」を図っており、人材紹介業界には企業が求めている人材のスキルや適性を精査し、正しい職務に迅速にマッチングさせることが求められております。IT業界やDXを推進する企業の増加により、データサイエンス、クラウド、AI関連の人材需要が急速に高まっている現状を背景に、人材紹介業界は学歴や経験業種・職種を問わず、候補者の業務遂行能力で選考する「スキルベースド・リクルーティング」への対応力を強化する必要があります。
更に、人材紹介業界には、候補者のスキルや適性を高精度に評価し、適切なポジションにマッチングさせるための専門的な知識とマッチング精度を向上させるためテクノロジーの導入が求められております。
また、最新の技術革新に伴い、特にAIエンジニアやクラウドソリューションアーキテクト(企業のIT課題をクラウド技術で解決する専門家)、データアナリストといった高度スキルを有する人材へのニーズが活発化しており、これからの変化に対応しながら人材紹介業界は、人材の仲介という役割ではなく、「データリーダーのタレントマネジメント」及び「採用戦略のパートナー」としての役割を持ち、長期的な優位性を確立するための経営リソースを投入する必要があります。
b.人材紹介事業の付加価値
人材採用手法の多様化により、求人企業のニーズは複雑化しており、採用媒体上には無数の求人情報が溢れております。この状況は「情報の非対称性」と「情報過多」を助長し、求職者が自力で最適な選択を行うことを困難にさせました。こうした状況下で、膨大な情報から真に価値ある選択肢を提示できる人材紹介事業者の付加価値は飛躍的に高まっております。しかし、市場の成熟に伴い、単なる「情報の仲介」だけでは付加価値にならず、今後は求人企業の真の課題解決と、求職者のキャリア観を深く結びつける「マッチングの高度化」が不可欠になります。人材紹介業界は精緻なコンサルティング能力と介在価値の最大化という「量」ではなく、高度な専門性と人間性に基づく「マッチングの質」が問われるフェーズに突入しております。
(5)ギークリーが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ギークリーの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては、既存事業の拡大、収益性の向上、内部管理体制の整備が重要であると認識しております。
a.サービスの認知度向上
ギークリーは、創業以来、主に関東近郊での事業展開を行ってきたことから、関東以外の地域における認知度が不足していると考えております。ギークリーのパーパスである「IT人材の適材適所によって成長機会にあふれる社会を創る」を実現するためには、サービスの認知度向上が必要不可欠であると考えており、今後、費用対効果を慎重に検討した上で、より幅広い広告宣伝活動を検討してまいります。
b.優秀人材の確保
人的資本経営が強く求められる潮流の中、顧客満足度を高めるためには、優秀な人材の確保が欠かせないものとなっております。また、ギークリーの成長に応じた組織体系の強化により、人材紹介事業におけるキャリアアドバイザーのみならず、エンジニアや高いスキルを有したトップタレント等の幅広い分野での人材の確保が課題と考えております。継続的に人材採用をするために企業が従業員に提供する有益性を拡充させつつ、社内外の教育研修を通じた育成により当該課題に対応してまいります。
c.中堅層向けのサービス強化とハイレイヤーへの既存事業領域の拡張
足元でギークリーのボリュームゾーンとなっている求職者は、平均年収600万円前後のITエンジニアです。ボリュームゾーンとなる中堅層は、プログラミングやデバック処理などを手掛ける未経験者のステップアップの職種となっており、年々増加傾向にあります。また、今後はAIの普及によってプログラミングやデバック処理の仕事が縮小する可能性があり、プログラミングやデバック処理に従事していた人材がITエンジニア領域に流入するスピードが加速する可能性があります。ITエンジニア領域への流入速度が変化した場合、ギークリーは未経験者をCAとして採用できるなどの特徴から、フレキシブルにCAを増員できるため、他社に先駆けてトレンド変化に対応できるものと考えております。また、年収800~1,300万円のハイレイヤー層は、中堅層と比較して人材が少ないため、広告宣伝費や販売促進費など面談CPA(広告宣伝費、販売促進費÷面談数)の負担が中堅層よりも重くなる傾向にあります。そのため一定の財務基盤を持った企業のみが参入できる領域となっております。ギークリーは過去からの事業規模拡大に加え、東京証券取引所への新規上場を受けた知名度向上など、ハイレイヤー層へ参入するに十分な財務基盤を確保したものと考え、今後ハイレイヤー層へ事業領域を拡大してまいります。
d.RPAやAI導入によるバックオフィスの業務生産性向上
2026年5月期にCAをサポートする事務部門にてRPAやAIを導入することによる生産性の改善に取り組んでおります。RPAやAIを導入することで、アウトバウンド集客におけるスカウトメールの作成や、求人企業への選考書類提出の作成などの業務における生産性改善が見られ、2024年11月時点ではCA一人あたりに対するその他部門の人員数比率は1:1.3となっていたのに対し、2025年11月時点では同比率が1:1.1となっており改善傾向にあります。今後もMA領域や事務領域へのRPA、AIの導入を進めることで、人員構成比を適正化し、売上高人件費比率の改善に取り組みます。
e.ハイクラス人材領域への事業領域拡大
既存のIT人材紹介領域において、年収1,300万円以上の求職者の領域はヘッドハンティング会社など限られた事業者が手掛ける領域となっております。今後ギークリーはヘッドハンティング会社や一部の人材紹介会社のM&Aを通して、ハイクラス人材領域への参入による事業領域の拡大に取り組みます。また、IT以外の金融、士業などのハイクラス領域における人材紹介を手掛ける企業についてもM&Aを通して事業領域の拡大に取り組みます。
f.内部管理体制の強化
ギークリーはビジネス上、個人情報という機密性の高い情報を有しております。定期的な社内教育の実施や管理体制の強化に取り組んでおりますが、内部統制の整備と実効性ある運用を通じて、組織の健全なる発展に努めてまいります。
g.財務上の課題
現状においては、安定的に利益を計上しており、事業継続に支障をきたすような財務上の課題は認識しておりません。今後、資金需要が生じた場合は自己資金を充当する方針でありますが、自己資金で賄えない部分については金融機関からの借入を優先的に検討いたします。引き続き、手許資金の流動性確保、金融機関との良好な取引関係を維持し、財務基盤の強化に取り組んでまいります。
ギークリーの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてギークリーが判断したものであります。
(1)経営方針
ギークリーは、「IT人材の適材適所によって、成長機会にあふれる社会を創る」というパーパスのもと、日本社会の課題である労働生産性の向上に貢献することを経営の基本方針としております。
DXやAI等への期待が高まる一方で、IT人材の不足は企業の生産性向上の妨げとなっており、ギークリーはその構造的な課題の解消に向けて、IT人材の成長に資するキャリア支援を推進しております。ギークリーは今後も、社会課題の解決と事業成長を両立させる取組を通じて、企業・個人・社会それぞれにとって持続的な価値を提供してまいります。
(2)経営環境
IT分野における技術革新の加速度は顕著であり、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、サイバーセキュリティといった先端技術が日進月歩で進化しております。これにより、必要とされるスキルセットも頻繁に変動し、また、高度な専門スキルの需要が急増していることから、特にAIエンジニアやデータサイエンティストなどの希少なスキルを持つ人材の確保が極めて困難になっております。
リモートワークの普及により地理的な制約が大幅に緩和され、グローバルな人材プールからの採用が可能となった反面、リモート環境での効率的な業務管理とコミュニケーションの確立が新たな課題となっております。また、人材の流動性が高く、特にIT業界では転職率が高いため、企業は優秀な人材の継続雇用に苦労しております。
更に、国内ではDXやAI対応への需要が旺盛であり、システム開発は設計からプログラミングなど各段階で多くの人材が必要になるため開発を担う人材不足が慢性化しております。経済産業省からは2030年にはIT人材が最大79万人不足すると公表されており、IT人材不足は社会課題になっております。
以上の背景から、2018年より関東圏にてTVCMを放映し認知を獲得した状況下においてIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介サービスを提供するギークリーにとっては好環境下と捉えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ギークリーでは、独自のポジショニングをさらに強固なものとしていくため、売上高及び面談CAの人数を重要な経営指標と位置づけ目標達成に向けて取り組んでおり四半期の推移は以下のとおりであります。
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2025年5月期 |
2026年5月期 |
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
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売上高 (百万円) |
1,530 |
1,982 |
1,725 |
1,909 |
2,071 |
2,401 |
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面談CA(人) |
70 |
71 |
72 |
81 |
90 |
90 |
(4)人材紹介業界の経営環境
a.人材紹介業界に求められる役割の変化
人材紹介業界は、景気回復に伴う市場のニーズが活性化しており、特にホワイトカラー職や高度専門職を中心に採用ニーズが急増しております。コロナによる全国的なパンデミックの影響で一時的に縮小した労働市場が再び拡大し、人材紹介事業者は「採用活動の代行機能」から「高度な人材コンサルティングサービス」まで進化を求められております。企業は自社の人材戦略において、今欠けている人材を採用しようとするのではなく中長期的に会社を発展させていくために必要な人材を確保する「タレントアクイジション(TA)」を図っており、人材紹介業界には企業が求めている人材のスキルや適性を精査し、正しい職務に迅速にマッチングさせることが求められております。IT業界やDXを推進する企業の増加により、データサイエンス、クラウド、AI関連の人材需要が急速に高まっている現状を背景に、人材紹介業界は学歴や経験業種・職種を問わず、候補者の業務遂行能力で選考する「スキルベースド・リクルーティング」への対応力を強化する必要があります。
更に、人材紹介業界には、候補者のスキルや適性を高精度に評価し、適切なポジションにマッチングさせるための専門的な知識とマッチング精度を向上させるためテクノロジーの導入が求められております。
また、最新の技術革新に伴い、特にAIエンジニアやクラウドソリューションアーキテクト(企業のIT課題をクラウド技術で解決する専門家)、データアナリストといった高度スキルを有する人材へのニーズが活発化しており、これからの変化に対応しながら人材紹介業界は、人材の仲介という役割ではなく、「データリーダーのタレントマネジメント」及び「採用戦略のパートナー」としての役割を持ち、長期的な優位性を確立するための経営リソースを投入する必要があります。
b.人材紹介事業の付加価値
人材採用手法の多様化により、求人企業のニーズは複雑化しており、採用媒体上には無数の求人情報が溢れております。この状況は「情報の非対称性」と「情報過多」を助長し、求職者が自力で最適な選択を行うことを困難にさせました。こうした状況下で、膨大な情報から真に価値ある選択肢を提示できる人材紹介事業者の付加価値は飛躍的に高まっております。しかし、市場の成熟に伴い、単なる「情報の仲介」だけでは付加価値にならず、今後は求人企業の真の課題解決と、求職者のキャリア観を深く結びつける「マッチングの高度化」が不可欠になります。人材紹介業界は精緻なコンサルティング能力と介在価値の最大化という「量」ではなく、高度な専門性と人間性に基づく「マッチングの質」が問われるフェーズに突入しております。
(5)ギークリーが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ギークリーの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては、既存事業の拡大、収益性の向上、内部管理体制の整備が重要であると認識しております。
a.サービスの認知度向上
ギークリーは、創業以来、主に関東近郊での事業展開を行ってきたことから、関東以外の地域における認知度が不足していると考えております。ギークリーのパーパスである「IT人材の適材適所によって成長機会にあふれる社会を創る」を実現するためには、サービスの認知度向上が必要不可欠であると考えており、今後、費用対効果を慎重に検討した上で、より幅広い広告宣伝活動を検討してまいります。
b.優秀人材の確保
人的資本経営が強く求められる潮流の中、顧客満足度を高めるためには、優秀な人材の確保が欠かせないものとなっております。また、ギークリーの成長に応じた組織体系の強化により、人材紹介事業におけるキャリアアドバイザーのみならず、エンジニアや高いスキルを有したトップタレント等の幅広い分野での人材の確保が課題と考えております。継続的に人材採用をするために企業が従業員に提供する有益性を拡充させつつ、社内外の教育研修を通じた育成により当該課題に対応してまいります。
c.中堅層向けのサービス強化とハイレイヤーへの既存事業領域の拡張
足元でギークリーのボリュームゾーンとなっている求職者は、平均年収600万円前後のITエンジニアです。ボリュームゾーンとなる中堅層は、プログラミングやデバック処理などを手掛ける未経験者のステップアップの職種となっており、年々増加傾向にあります。また、今後はAIの普及によってプログラミングやデバック処理の仕事が縮小する可能性があり、プログラミングやデバック処理に従事していた人材がITエンジニア領域に流入するスピードが加速する可能性があります。ITエンジニア領域への流入速度が変化した場合、ギークリーは未経験者をCAとして採用できるなどの特徴から、フレキシブルにCAを増員できるため、他社に先駆けてトレンド変化に対応できるものと考えております。また、年収800~1,300万円のハイレイヤー層は、中堅層と比較して人材が少ないため、広告宣伝費や販売促進費など面談CPA(広告宣伝費、販売促進費÷面談数)の負担が中堅層よりも重くなる傾向にあります。そのため一定の財務基盤を持った企業のみが参入できる領域となっております。ギークリーは過去からの事業規模拡大に加え、東京証券取引所への新規上場を受けた知名度向上など、ハイレイヤー層へ参入するに十分な財務基盤を確保したものと考え、今後ハイレイヤー層へ事業領域を拡大してまいります。
d.RPAやAI導入によるバックオフィスの業務生産性向上
2026年5月期にCAをサポートする事務部門にてRPAやAIを導入することによる生産性の改善に取り組んでおります。RPAやAIを導入することで、アウトバウンド集客におけるスカウトメールの作成や、求人企業への選考書類提出の作成などの業務における生産性改善が見られ、2024年11月時点ではCA一人あたりに対するその他部門の人員数比率は1:1.3となっていたのに対し、2025年11月時点では同比率が1:1.1となっており改善傾向にあります。今後もMA領域や事務領域へのRPA、AIの導入を進めることで、人員構成比を適正化し、売上高人件費比率の改善に取り組みます。
e.ハイクラス人材領域への事業領域拡大
既存のIT人材紹介領域において、年収1,300万円以上の求職者の領域はヘッドハンティング会社など限られた事業者が手掛ける領域となっております。今後ギークリーはヘッドハンティング会社や一部の人材紹介会社のM&Aを通して、ハイクラス人材領域への参入による事業領域の拡大に取り組みます。また、IT以外の金融、士業などのハイクラス領域における人材紹介を手掛ける企業についてもM&Aを通して事業領域の拡大に取り組みます。
f.内部管理体制の強化
ギークリーはビジネス上、個人情報という機密性の高い情報を有しております。定期的な社内教育の実施や管理体制の強化に取り組んでおりますが、内部統制の整備と実効性ある運用を通じて、組織の健全なる発展に努めてまいります。
g.財務上の課題
現状においては、安定的に利益を計上しており、事業継続に支障をきたすような財務上の課題は認識しておりません。今後、資金需要が生じた場合は自己資金を充当する方針でありますが、自己資金で賄えない部分については金融機関からの借入を優先的に検討いたします。引き続き、手許資金の流動性確保、金融機関との良好な取引関係を維持し、財務基盤の強化に取り組んでまいります。
ギークリーの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてギークリーが判断したものであります。
(1)経営方針
ギークリーは、「IT人材の適材適所によって、成長機会にあふれる社会を創る」というパーパスのもと、日本社会の課題である労働生産性の向上に貢献することを経営の基本方針としております。
DXやAI等への期待が高まる一方で、IT人材の不足は企業の生産性向上の妨げとなっており、ギークリーはその構造的な課題の解消に向けて、IT人材の成長に資するキャリア支援を推進しております。ギークリーは今後も、社会課題の解決と事業成長を両立させる取組を通じて、企業・個人・社会それぞれにとって持続的な価値を提供してまいります。
(2)経営環境
IT分野における技術革新の加速度は顕著であり、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、サイバーセキュリティといった先端技術が日進月歩で進化しております。これにより、必要とされるスキルセットも頻繁に変動し、また、高度な専門スキルの需要が急増していることから、特にAIエンジニアやデータサイエンティストなどの希少なスキルを持つ人材の確保が極めて困難になっております。
リモートワークの普及により地理的な制約が大幅に緩和され、グローバルな人材プールからの採用が可能となった反面、リモート環境での効率的な業務管理とコミュニケーションの確立が新たな課題となっております。また、人材の流動性が高く、特にIT業界では転職率が高いため、企業は優秀な人材の継続雇用に苦労しております。
更に、国内ではDXやAI対応への需要が旺盛であり、システム開発は設計からプログラミングなど各段階で多くの人材が必要になるため開発を担う人材不足が慢性化しております。経済産業省からは2030年にはIT人材が最大79万人不足すると公表されており、IT人材不足は社会課題になっております。
以上の背景から、2018年より関東圏にてTVCMを放映し認知を獲得した状況下においてIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介サービスを提供するギークリーにとっては好環境下と捉えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ギークリーでは、独自のポジショニングをさらに強固なものとしていくため、売上高及び面談CAの人数を重要な経営指標と位置づけ目標達成に向けて取り組んでおり四半期の推移は以下のとおりであります。
|
|
2025年5月期 |
2026年5月期 |
||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
|
|
売上高 (百万円) |
1,530 |
1,982 |
1,725 |
1,909 |
2,071 |
2,401 |
|
面談CA(人) |
70 |
71 |
72 |
81 |
90 |
90 |
(4)人材紹介業界の経営環境
a.人材紹介業界に求められる役割の変化
人材紹介業界は、景気回復に伴う市場のニーズが活性化しており、特にホワイトカラー職や高度専門職を中心に採用ニーズが急増しております。コロナによる全国的なパンデミックの影響で一時的に縮小した労働市場が再び拡大し、人材紹介事業者は「採用活動の代行機能」から「高度な人材コンサルティングサービス」まで進化を求められております。企業は自社の人材戦略において、今欠けている人材を採用しようとするのではなく中長期的に会社を発展させていくために必要な人材を確保する「タレントアクイジション(TA)」を図っており、人材紹介業界には企業が求めている人材のスキルや適性を精査し、正しい職務に迅速にマッチングさせることが求められております。IT業界やDXを推進する企業の増加により、データサイエンス、クラウド、AI関連の人材需要が急速に高まっている現状を背景に、人材紹介業界は学歴や経験業種・職種を問わず、候補者の業務遂行能力で選考する「スキルベースド・リクルーティング」への対応力を強化する必要があります。
更に、人材紹介業界には、候補者のスキルや適性を高精度に評価し、適切なポジションにマッチングさせるための専門的な知識とマッチング精度を向上させるためテクノロジーの導入が求められております。
また、最新の技術革新に伴い、特にAIエンジニアやクラウドソリューションアーキテクト(企業のIT課題をクラウド技術で解決する専門家)、データアナリストといった高度スキルを有する人材へのニーズが活発化しており、これからの変化に対応しながら人材紹介業界は、人材の仲介という役割ではなく、「データリーダーのタレントマネジメント」及び「採用戦略のパートナー」としての役割を持ち、長期的な優位性を確立するための経営リソースを投入する必要があります。
b.人材紹介事業の付加価値
人材採用手法の多様化により、求人企業のニーズは複雑化しており、採用媒体上には無数の求人情報が溢れております。この状況は「情報の非対称性」と「情報過多」を助長し、求職者が自力で最適な選択を行うことを困難にさせました。こうした状況下で、膨大な情報から真に価値ある選択肢を提示できる人材紹介事業者の付加価値は飛躍的に高まっております。しかし、市場の成熟に伴い、単なる「情報の仲介」だけでは付加価値にならず、今後は求人企業の真の課題解決と、求職者のキャリア観を深く結びつける「マッチングの高度化」が不可欠になります。人材紹介業界は精緻なコンサルティング能力と介在価値の最大化という「量」ではなく、高度な専門性と人間性に基づく「マッチングの質」が問われるフェーズに突入しております。
(5)ギークリーが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ギークリーの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては、既存事業の拡大、収益性の向上、内部管理体制の整備が重要であると認識しております。
a.サービスの認知度向上
ギークリーは、創業以来、主に関東近郊での事業展開を行ってきたことから、関東以外の地域における認知度が不足していると考えております。ギークリーのパーパスである「IT人材の適材適所によって成長機会にあふれる社会を創る」を実現するためには、サービスの認知度向上が必要不可欠であると考えており、今後、費用対効果を慎重に検討した上で、より幅広い広告宣伝活動を検討してまいります。
b.優秀人材の確保
人的資本経営が強く求められる潮流の中、顧客満足度を高めるためには、優秀な人材の確保が欠かせないものとなっております。また、ギークリーの成長に応じた組織体系の強化により、人材紹介事業におけるキャリアアドバイザーのみならず、エンジニアや高いスキルを有したトップタレント等の幅広い分野での人材の確保が課題と考えております。継続的に人材採用をするために企業が従業員に提供する有益性を拡充させつつ、社内外の教育研修を通じた育成により当該課題に対応してまいります。
c.中堅層向けのサービス強化とハイレイヤーへの既存事業領域の拡張
足元でギークリーのボリュームゾーンとなっている求職者は、平均年収600万円前後のITエンジニアです。ボリュームゾーンとなる中堅層は、プログラミングやデバック処理などを手掛ける未経験者のステップアップの職種となっており、年々増加傾向にあります。また、今後はAIの普及によってプログラミングやデバック処理の仕事が縮小する可能性があり、プログラミングやデバック処理に従事していた人材がITエンジニア領域に流入するスピードが加速する可能性があります。ITエンジニア領域への流入速度が変化した場合、ギークリーは未経験者をCAとして採用できるなどの特徴から、フレキシブルにCAを増員できるため、他社に先駆けてトレンド変化に対応できるものと考えております。また、年収800~1,300万円のハイレイヤー層は、中堅層と比較して人材が少ないため、広告宣伝費や販売促進費など面談CPA(広告宣伝費、販売促進費÷面談数)の負担が中堅層よりも重くなる傾向にあります。そのため一定の財務基盤を持った企業のみが参入できる領域となっております。ギークリーは過去からの事業規模拡大に加え、東京証券取引所への新規上場を受けた知名度向上など、ハイレイヤー層へ参入するに十分な財務基盤を確保したものと考え、今後ハイレイヤー層へ事業領域を拡大してまいります。
d.RPAやAI導入によるバックオフィスの業務生産性向上
2026年5月期にCAをサポートする事務部門にてRPAやAIを導入することによる生産性の改善に取り組んでおります。RPAやAIを導入することで、アウトバウンド集客におけるスカウトメールの作成や、求人企業への選考書類提出の作成などの業務における生産性改善が見られ、2024年11月時点ではCA一人あたりに対するその他部門の人員数比率は1:1.3となっていたのに対し、2025年11月時点では同比率が1:1.1となっており改善傾向にあります。今後もMA領域や事務領域へのRPA、AIの導入を進めることで、人員構成比を適正化し、売上高人件費比率の改善に取り組みます。
e.ハイクラス人材領域への事業領域拡大
既存のIT人材紹介領域において、年収1,300万円以上の求職者の領域はヘッドハンティング会社など限られた事業者が手掛ける領域となっております。今後ギークリーはヘッドハンティング会社や一部の人材紹介会社のM&Aを通して、ハイクラス人材領域への参入による事業領域の拡大に取り組みます。また、IT以外の金融、士業などのハイクラス領域における人材紹介を手掛ける企業についてもM&Aを通して事業領域の拡大に取り組みます。
f.内部管理体制の強化
ギークリーはビジネス上、個人情報という機密性の高い情報を有しております。定期的な社内教育の実施や管理体制の強化に取り組んでおりますが、内部統制の整備と実効性ある運用を通じて、組織の健全なる発展に努めてまいります。
g.財務上の課題
現状においては、安定的に利益を計上しており、事業継続に支障をきたすような財務上の課題は認識しておりません。今後、資金需要が生じた場合は自己資金を充当する方針でありますが、自己資金で賄えない部分については金融機関からの借入を優先的に検討いたします。引き続き、手許資金の流動性確保、金融機関との良好な取引関係を維持し、財務基盤の強化に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ギークリーのリスク管理体制に関しましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてギークリーが判断したものであります。
(1)事業環境の変化に関するリスク
①経済状況変動・景気変動について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、国内において人材紹介事業を展開していることから、国内経済の変動や市場の動向は、ギークリーの人材紹介サービスに直接的な影響を与える要因となります。景気の後退局面では、企業の採用活動が縮小し、求人件数の減少を招くリスクがあり、業界内の競争が激化する中で差別化が図られなければ市場シェアの喪失につながる可能性があり、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、経済動向の継続的なモニタリングを行うとともに、景気変動リスクを比較的受けにくいIT人材を中心とした領域でサービスを展開するとともに、取引先開拓を進めております。
②同業他社との競合について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーが展開する人材紹介事業に類するサービスを個別で展開している企業は多数存在することから、今後それら企業による新たな付加価値の提供等により競争力が低下した場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、リスクへの対応を強固なものとするために、ギークリーが独自のポジションを築いていると認識するIT人材領域における各サービスの機能強化とサービス間の連携向上に取り組んでまいります。
③IT・Web・ゲーム業界への特化について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーはIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介事業を展開しているため、当該分野の景気動向や規制の変化に影響を受けやすい事業構造となっております。具体的には、景気後退や求人企業の投資抑制により、開発プロジェクトの縮小や採用需要の減少が生じる可能性や、働き方改革関連法や個人情報保護法、生成AIやデータ利用に関する規制などにより、求人企業の採用計画や人材ニーズに影響を与えるおそれがあります。
加えて、当該分野では高度なスキルを有する人材の供給が限られており、求職者のスキルと求人企業の要望が一致しない場合には、成約決定率の低下によりギークリーの競争力や業績に影響を及ぼす可能性があり、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、業界動向や技術・法規制の変化を継続的にモニタリングするとともに、IT・Web・ゲーム業界に特化しつつ他の業界にも顧客基盤を広げることにより特定業界への依存度を軽減しております。また、求職者に対するキャリア形成支援を強化し、マッチング精度の向上と競争力の維持・強化に努めております。
④自然災害、有事及び未知の感染症等について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの本社所在地は東京都渋谷区にあり、当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、テロリズム、戦争等の有事や未知の感染症の蔓延が生じた場合には、外出制限による事業活動の停滞、従業員の全面的な在宅勤務への移行等でギークリーの事業活動に支障をきたす可能性があるとともに、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、緊急事態発生時においても事業活動が継続できる体制として、従業員のリモートシステム環境の整備やクラウドによる定期バックアップ、安否確認や情報連絡体制の構築を含めた取組を行っております。
(2)事業活動に関するリスク
①登録者数・取引先企業数について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーの人材紹介事業においては、その事業の性格上、登録者の確保が非常に重要であることから、国内における少子高齢化による将来の労働人口の減少、又は労働市場の変化等によって、求人企業を満足させる人材が確保できない場合には成約数の減少により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、TVCM・SNS等を活用した広告宣伝により新規登録者を獲得しておりますが、今後より積極的な広告宣伝活動によりギークリーの認知度を向上させ、登録者及び取引先企業の確保に努めてまいります。
②人材の確保及び育成について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、事業拡大のために優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しており、ギークリーが求める人材を適切な時期に確保、育成ができなかった場合、また、退職等の事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、人材の採用強化及び社内研修プログラム等による育成を推進するとともに、多様な働き方を支える人事制度導入に向けて取り組んでおります。
③業績の季節的変動について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期あり、影響度:小)
ギークリーの売上高は、4月入社を前提とした求職者が多いことや、年度替わり・賞与支給後のタイミング等に転職ニーズが高まりやすい日本の採用慣行の影響を受け、第4四半期、特に4月に集中する傾向があります。これにより、年間の業績が特定時期に偏りやすく、四半期ごとの業績は季節的に変動し、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
最近2事業年度及び第16期中間会計期間における四半期ごとの売上高は以下のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
||||
|
|
第1四半期 (6月~8月) |
第2四半期 (9月~11月) |
第3四半期 (12月~2月) |
第4四半期 (3月~5月) |
|
2024年5月期 |
1,313 |
1,481 |
1,349 |
1,696 |
|
2025年5月期 |
1,530 |
1,982 |
1,725 |
1,909 |
|
2026年5月期 |
2,071 |
2,401 |
|
|
上記のとおり、第4四半期の売上は年間売上高に対して一定の割合を占める傾向があります。また、月次ベースでは4月単月の売上高が高水準であるなど、季節性による変動が存在します。
<対応策>
ギークリーは、特定時期への業績偏重を可能な範囲で緩和するため、以下の取り組みを継続しております。
・通年を通じた求職者の集客活動に加え、複数の転職サイトやSNS広告を活用した定常的な登録促進
・法人顧客に対する求人案件の早期獲得や柔軟な入社時期の提案により、成約時期の分散化を図り、期中の売上計上機会の確保
もっとも、4月入社を前提とした採用や年度替わり等に転職ニーズが高まりやすい日本の採用慣行は、人材紹介業界の構造的な要因であり、ギークリーのビジネスモデルもその影響を受けることから、短期的に四半期ごとの業績を完全に平準化することは困難と考えております。
このため、ギークリーは一定の季節的変動が今後も継続することを前提に、通期での業績管理を重視するとともに、コスト配分や人員配置において繁忙期・閑散期を織り込む運営を行い、季節性の影響を踏まえた安定的な経営基盤の維持・強化に努めてまいります。
④転職サイト運営企業の利活用について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、ギークリーWebサイトへ直接会員から登録がある他に、他社が運営する転職サイトを利活用して求職者の転職を支援しております。このため、何らかの理由により他社が運営する転職サイトが停止又は廃止となった場合には、支援できる求職者数の減少により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、より積極的な広告宣伝活動によりギークリーの認知度を向上させ、ギークリーWebサイト経由による会員登録者数増加に努めてまいります。
⑤広告宣伝効果について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、ギークリーサービスの認知度向上及び集客力強化を今後の事業拡大における重要課題の一つとして捉え、TVCM、交通広告、インターネット広告の出稿を始めとした広告宣伝活動を実施しております。出稿媒体や実施時期及びその内容について費用対効果を検討した上で、広告宣伝活動を行っておりますが、広告宣伝効果が十分に得られない場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、効果測定を仕組み化し、広告依存を下げながら多様な集客チャネルを育て、単一広告に偏重しないように対策を実施しております。
⑥ギークリー株式の流動性について
(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、株式会社東京証券取引所スタンダード市場への上場を予定しております。上場に際して、売出しによってギークリー株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、ギークリーの流通株式比率は、株式会社東京証券取引所が定めるスタンダード市場の上場維持基準に近接した水準となる見込みであります。
また、将来、大株主による追加取得、株主構成の変化、ギークリーによる自己株式の取得その他の要因により、流通株式比率が低下して同上場維持基準を下回った場合には、上場を維持できなくなる可能性があり、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、大株主による売出しの活用、新株予約権の行使その他の資本政策を通じて流通株式数の増加及びギークリー株式の流動性向上に努める方針であり、継続的な対応によりギークリー株式の売買環境の改善及び安定的な市場での取引の確保を図ってまいります。
⑦システムトラブル・データ管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、事業運営において社外のクラウドサービスを利用し情報システムを構築しております。このため、当該クラウドサービスでシステム障害が生じた場合や悪意ある第三者による不正アクセスを受けた場合など何らかのトラブルが発生することにより、ギークリーのサービスの運営に障害が生じ、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、業績の拡大とともにシステムに関するリスクが増大していくことが見込まれることから、このリスクへの対応として、定期バックアップの実施や障害発生時の社内体制の構築精度を高めていくとともに、リスクを適切に管理するIT統制の実効性向上と内容の充実を図ってまいります。
⑧機密情報の管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーが展開する人材紹介事業は、取引先情報及び求職者の個人情報など機密性の高い情報を取り扱う事からプライバシーマークを取得しておりますが、機密情報等の流出が生じた場合には、ギークリーに対する社会的信用が損なわれ、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、全従業員に対して入社時及び定期的に機密情報の取扱いに関する指導・教育を行っております。
⑨コンプライアンス遵守について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、関係者の不正行為等が発生しないよう国内の法令、社内規程及び社内ルール等の遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、リスク・コンプライアンス委員会を中心に、コーポレート・ガバナンスの啓もうを行い、全社員に対して定期的にコンプライアンス研修を実施する等、コンプライアンスに対する意識を高めております。
⑩労務管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーの労働時間・労働環境の管理について、労働基準監督署等の調査の結果、ギークリーに違反等が認められ行政指導を受けた場合には、ギークリーの事業運営に大きな支障をきたすとともに、ギークリーの財政状態及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、社会保険労務士法人と顧問契約を締結し、人事労務問題全般について助言・指導を受け法令に則り適正な対応を行っております。また、時間外労働時間の管理や年次有給休暇の取得状況については、関係部門に勤怠等の状況を定期的に配信することで違反の未然防止を図り、法令遵守に努めております。
⑪内部管理体制について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、今後の事業運営及び事業拡大に対応すべく、管理部門を増員していくことで内部管理体制について一層の充実を図る方針であります。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅延が生じた場合、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、事業拡大に応じた内部統制に関する定期的なモニタリングや改善活動を行い、事業規模に適した統制環境を継続的に整備することで、財政状態及び経営成績への影響を最小化いたします。
⑫大株主について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの代表取締役社長である奥山貴広、同氏の資産管理会社である株式会社ブリッジインベストメントが、引き続き大株主となる見込みです。同氏及び資産管理会社は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針であります。
同氏は、ギークリーの代表取締役社長であることから、ギークリーといたしましても安定株主であると認識している一方、将来的に何らかの事情により同氏及び資産管理会社によりギークリー株式が売却された場合には、ギークリーの株式市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、代表取締役社長及び資産管理会社を安定株主として引き続き位置付ける一方で、株式の流動性向上と株主層の安定化を目的に、機関投資家や一般投資家への株式分布の拡大に努めてまいります。また、継続的な業績向上と適切な情報開示により、株主全体の信頼確保と市場における株価安定化を図ることで、ギークリー株式の売却が市場に与える影響を最小限に抑制してまいります。
⑬特定人物への依存について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの代表取締役社長である奥山貴広は、創業者であり、2011年の創業以来代表を務めております。同氏は、人材紹介業界に関する豊富な知識と経験、人脈を有しており、経営方針や事業戦略の決定等において重要な役割を果たしております。ギークリーは、取締役会及びその他の会議体における情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏がギークリーの業務を継続することが困難となった場合は、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、代表取締役社長への依存度を低減するため、取締役会等における意思決定プロセスの明確化と権限委譲を進めております。加えて、後継者育成や幹部層の強化を図るとともに、外部専門人材の登用を通じて経営体制を多角化し、特定人物の不在時においても安定的な事業運営が可能となるよう組織基盤の強化に努めてまいります。
⑭求職者の早期自己都合退職による求人企業への返金について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの人材紹介事業は、求職者が求人企業に入社後一定期間内に自己都合により退職した場合、人材紹介サービス料金の一部を返金する契約を締結しております。何らかの理由により早期自己都合退職者が増加した場合には、返金額の増加により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、紹介先企業への適合度を高めるために、求職者への入念なキャリアカウンセリングや求人企業の採用ニーズの的確な把握を行うとともに、入社後の定着支援を強化しております。これにより、早期退職の発生を抑制し、返金リスクの低減を図ってまいります。
⑮風評被害等について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーは、高品質なサービス提供、コンプライアンスに対する意識の徹底を図り、健全な企業運営に努めております。しかしながら、悪意を持った第三者が、意図的に噂や憶測、ネガティブな評判等を流し、あるいは何らかの事件事故等の発生に伴う悪評が発生することにより、ギークリーに対する誤解、誤認、誇大解釈等が生じ、事業に対して直接又は間接に損失が発生する場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、風評被害等に関するリスクが顕在化するおそれがある場合には、速やかに情報開示を行う体制を整え、風評被害等を最小限に抑えるため適切な対応を行う方針であります。
(3)法的規制・訴訟に関するリスク
①法的規制について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、職業安定法に基づいて事業を営んでおり、有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可を受けて事業を行っております。本書提出日現在における当該許可にかかる有効期限は2029年11月30日までで、継続して有効期限を適宜更新しております。ギークリーは関係法令を遵守して事業を運営しており、現時点において同許可の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、職業安定法第32条の9に定める有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当若しくは法令に違反する事項が発生した場合、事業の停止や有料職業紹介事業者の許可の取り消しをされる可能性があり、その場合にはギークリーの事業運営に大きな支障を来す結果、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、将来これらの法令及びその他の関係法令が、労働市場をとりまく社会情勢の変化などに伴って、改正若しくは解釈の変更などがあり、それがギークリーの営む事業に不利な影響を及ぼすものであった場合、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、職業安定法をはじめとする関係法令の遵守を徹底するため、コンプライアンス体制を整備し、定期的な内部監査や外部専門家による助言を活用しております。また、法改正や行政指導等に迅速に対応できるよう、最新情報の収集と社内規程の適宜改定を行い、許可更新に必要な要件を確実に満たすことで、事業運営への影響を最小限に抑制してまいります。
②個人情報について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、事業運営にあたり多くの求職者に関する個人情報を保有しており、何らかの原因により個人情報が外部に流出した場合は、ギークリーの信用低下を招くとともに損害賠償請求訴訟の提起等により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、「個人情報の保護に関する法律」(平成17年4月施行)の規定に則って作成したプライバシーポリシー等の規程に沿って個人情報の管理及び従業員に対する個人情報の取り扱いに関する定期的な教育を行い、個人情報の適切な取り扱いに努めております。また、プライバシーマークの付与認定取得(2020年5月に取得し以後2年ごとに更新)等、情報セキュリティ対策の強化に取り組んでおります。
③クレーム・訴訟の発生
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、コンプライアンス研修の推進等、役員及び従業員の法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、ギークリーの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、その他第三者との予期せぬトラブル及び訴訟等が発生する可能性があり、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、役員及び従業員に対するコンプライアンス研修や社内規程の徹底により、法令違反やトラブル発生の未然防止に努めております。また、取引先等との契約においては適正な条項の設定によりリスクを軽減するとともに、万一の訴訟発生時には速やかに外部専門家の助言を受け、適切に対応する体制を整えております。これにより、ギークリーの財政状態及び経営成績への影響を最小限に抑制してまいります。
(4)財務活動に関するリスク
新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:小)
ギークリーは、役員及び従業員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。このため、現在付与している新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があり、ギークリーの株式市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、株式価値の希薄化リスクを踏まえ、新株予約権の付与に際しては付与対象者や付与数、権利行使条件を適切に設定することで、既存株主への影響を最小化するよう努めております。また、新株予約権の発行目的や潜在株式数の状況については適時適切に開示を行い、株主・投資家に対して十分な情報提供を行うことで、透明性の確保と理解促進に努めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ギークリーのリスク管理体制に関しましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてギークリーが判断したものであります。
(1)事業環境の変化に関するリスク
①経済状況変動・景気変動について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、国内において人材紹介事業を展開していることから、国内経済の変動や市場の動向は、ギークリーの人材紹介サービスに直接的な影響を与える要因となります。景気の後退局面では、企業の採用活動が縮小し、求人件数の減少を招くリスクがあり、業界内の競争が激化する中で差別化が図られなければ市場シェアの喪失につながる可能性があり、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、経済動向の継続的なモニタリングを行うとともに、景気変動リスクを比較的受けにくいIT人材を中心とした領域でサービスを展開するとともに、取引先開拓を進めております。
②同業他社との競合について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーが展開する人材紹介事業に類するサービスを個別で展開している企業は多数存在することから、今後それら企業による新たな付加価値の提供等により競争力が低下した場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、リスクへの対応を強固なものとするために、ギークリーが独自のポジションを築いていると認識するIT人材領域における各サービスの機能強化とサービス間の連携向上に取り組んでまいります。
③IT・Web・ゲーム業界への特化について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーはIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介事業を展開しているため、当該分野の景気動向や規制の変化に影響を受けやすい事業構造となっております。具体的には、景気後退や求人企業の投資抑制により、開発プロジェクトの縮小や採用需要の減少が生じる可能性や、働き方改革関連法や個人情報保護法、生成AIやデータ利用に関する規制などにより、求人企業の採用計画や人材ニーズに影響を与えるおそれがあります。
加えて、当該分野では高度なスキルを有する人材の供給が限られており、求職者のスキルと求人企業の要望が一致しない場合には、成約決定率の低下によりギークリーの競争力や業績に影響を及ぼす可能性があり、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、業界動向や技術・法規制の変化を継続的にモニタリングするとともに、IT・Web・ゲーム業界に特化しつつ他の業界にも顧客基盤を広げることにより特定業界への依存度を軽減しております。また、求職者に対するキャリア形成支援を強化し、マッチング精度の向上と競争力の維持・強化に努めております。
④自然災害、有事及び未知の感染症等について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの本社所在地は東京都渋谷区にあり、当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、テロリズム、戦争等の有事や未知の感染症の蔓延が生じた場合には、外出制限による事業活動の停滞、従業員の全面的な在宅勤務への移行等でギークリーの事業活動に支障をきたす可能性があるとともに、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、緊急事態発生時においても事業活動が継続できる体制として、従業員のリモートシステム環境の整備やクラウドによる定期バックアップ、安否確認や情報連絡体制の構築を含めた取組を行っております。
(2)事業活動に関するリスク
①登録者数・取引先企業数について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーの人材紹介事業においては、その事業の性格上、登録者の確保が非常に重要であることから、国内における少子高齢化による将来の労働人口の減少、又は労働市場の変化等によって、求人企業を満足させる人材が確保できない場合には成約数の減少により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、TVCM・SNS等を活用した広告宣伝により新規登録者を獲得しておりますが、今後より積極的な広告宣伝活動によりギークリーの認知度を向上させ、登録者及び取引先企業の確保に努めてまいります。
②人材の確保及び育成について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、事業拡大のために優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しており、ギークリーが求める人材を適切な時期に確保、育成ができなかった場合、また、退職等の事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、人材の採用強化及び社内研修プログラム等による育成を推進するとともに、多様な働き方を支える人事制度導入に向けて取り組んでおります。
③業績の季節的変動について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期あり、影響度:小)
ギークリーの売上高は、4月入社を前提とした求職者が多いことや、年度替わり・賞与支給後のタイミング等に転職ニーズが高まりやすい日本の採用慣行の影響を受け、第4四半期、特に4月に集中する傾向があります。これにより、年間の業績が特定時期に偏りやすく、四半期ごとの業績は季節的に変動し、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
最近2事業年度及び第16期中間会計期間における四半期ごとの売上高は以下のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
||||
|
|
第1四半期 (6月~8月) |
第2四半期 (9月~11月) |
第3四半期 (12月~2月) |
第4四半期 (3月~5月) |
|
2024年5月期 |
1,313 |
1,481 |
1,349 |
1,696 |
|
2025年5月期 |
1,530 |
1,982 |
1,725 |
1,909 |
|
2026年5月期 |
2,071 |
2,401 |
|
|
上記のとおり、第4四半期の売上は年間売上高に対して一定の割合を占める傾向があります。また、月次ベースでは4月単月の売上高が高水準であるなど、季節性による変動が存在します。
<対応策>
ギークリーは、特定時期への業績偏重を可能な範囲で緩和するため、以下の取り組みを継続しております。
・通年を通じた求職者の集客活動に加え、複数の転職サイトやSNS広告を活用した定常的な登録促進
・法人顧客に対する求人案件の早期獲得や柔軟な入社時期の提案により、成約時期の分散化を図り、期中の売上計上機会の確保
もっとも、4月入社を前提とした採用や年度替わり等に転職ニーズが高まりやすい日本の採用慣行は、人材紹介業界の構造的な要因であり、ギークリーのビジネスモデルもその影響を受けることから、短期的に四半期ごとの業績を完全に平準化することは困難と考えております。
このため、ギークリーは一定の季節的変動が今後も継続することを前提に、通期での業績管理を重視するとともに、コスト配分や人員配置において繁忙期・閑散期を織り込む運営を行い、季節性の影響を踏まえた安定的な経営基盤の維持・強化に努めてまいります。
④転職サイト運営企業の利活用について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、ギークリーWebサイトへ直接会員から登録がある他に、他社が運営する転職サイトを利活用して求職者の転職を支援しております。このため、何らかの理由により他社が運営する転職サイトが停止又は廃止となった場合には、支援できる求職者数の減少により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、より積極的な広告宣伝活動によりギークリーの認知度を向上させ、ギークリーWebサイト経由による会員登録者数増加に努めてまいります。
⑤広告宣伝効果について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、ギークリーサービスの認知度向上及び集客力強化を今後の事業拡大における重要課題の一つとして捉え、TVCM、交通広告、インターネット広告の出稿を始めとした広告宣伝活動を実施しております。出稿媒体や実施時期及びその内容について費用対効果を検討した上で、広告宣伝活動を行っておりますが、広告宣伝効果が十分に得られない場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、効果測定を仕組み化し、広告依存を下げながら多様な集客チャネルを育て、単一広告に偏重しないように対策を実施しております。
⑥ギークリー株式の流動性について
(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、株式会社東京証券取引所スタンダード市場への上場を予定しております。上場に際して、売出しによってギークリー株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、ギークリーの流通株式比率は、株式会社東京証券取引所が定めるスタンダード市場の上場維持基準に近接した水準となる見込みであります。
また、将来、大株主による追加取得、株主構成の変化、ギークリーによる自己株式の取得その他の要因により、流通株式比率が低下して同上場維持基準を下回った場合には、上場を維持できなくなる可能性があり、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、大株主による売出しの活用、新株予約権の行使その他の資本政策を通じて流通株式数の増加及びギークリー株式の流動性向上に努める方針であり、継続的な対応によりギークリー株式の売買環境の改善及び安定的な市場での取引の確保を図ってまいります。
⑦システムトラブル・データ管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、事業運営において社外のクラウドサービスを利用し情報システムを構築しております。このため、当該クラウドサービスでシステム障害が生じた場合や悪意ある第三者による不正アクセスを受けた場合など何らかのトラブルが発生することにより、ギークリーのサービスの運営に障害が生じ、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、業績の拡大とともにシステムに関するリスクが増大していくことが見込まれることから、このリスクへの対応として、定期バックアップの実施や障害発生時の社内体制の構築精度を高めていくとともに、リスクを適切に管理するIT統制の実効性向上と内容の充実を図ってまいります。
⑧機密情報の管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーが展開する人材紹介事業は、取引先情報及び求職者の個人情報など機密性の高い情報を取り扱う事からプライバシーマークを取得しておりますが、機密情報等の流出が生じた場合には、ギークリーに対する社会的信用が損なわれ、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、全従業員に対して入社時及び定期的に機密情報の取扱いに関する指導・教育を行っております。
⑨コンプライアンス遵守について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、関係者の不正行為等が発生しないよう国内の法令、社内規程及び社内ルール等の遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、リスク・コンプライアンス委員会を中心に、コーポレート・ガバナンスの啓もうを行い、全社員に対して定期的にコンプライアンス研修を実施する等、コンプライアンスに対する意識を高めております。
⑩労務管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーの労働時間・労働環境の管理について、労働基準監督署等の調査の結果、ギークリーに違反等が認められ行政指導を受けた場合には、ギークリーの事業運営に大きな支障をきたすとともに、ギークリーの財政状態及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、社会保険労務士法人と顧問契約を締結し、人事労務問題全般について助言・指導を受け法令に則り適正な対応を行っております。また、時間外労働時間の管理や年次有給休暇の取得状況については、関係部門に勤怠等の状況を定期的に配信することで違反の未然防止を図り、法令遵守に努めております。
⑪内部管理体制について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、今後の事業運営及び事業拡大に対応すべく、管理部門を増員していくことで内部管理体制について一層の充実を図る方針であります。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅延が生じた場合、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、事業拡大に応じた内部統制に関する定期的なモニタリングや改善活動を行い、事業規模に適した統制環境を継続的に整備することで、財政状態及び経営成績への影響を最小化いたします。
⑫大株主について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの代表取締役社長である奥山貴広、同氏の資産管理会社である株式会社ブリッジインベストメントが、引き続き大株主となる見込みです。同氏及び資産管理会社は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針であります。
同氏は、ギークリーの代表取締役社長であることから、ギークリーといたしましても安定株主であると認識している一方、将来的に何らかの事情により同氏及び資産管理会社によりギークリー株式が売却された場合には、ギークリーの株式市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、代表取締役社長及び資産管理会社を安定株主として引き続き位置付ける一方で、株式の流動性向上と株主層の安定化を目的に、機関投資家や一般投資家への株式分布の拡大に努めてまいります。また、継続的な業績向上と適切な情報開示により、株主全体の信頼確保と市場における株価安定化を図ることで、ギークリー株式の売却が市場に与える影響を最小限に抑制してまいります。
⑬特定人物への依存について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの代表取締役社長である奥山貴広は、創業者であり、2011年の創業以来代表を務めております。同氏は、人材紹介業界に関する豊富な知識と経験、人脈を有しており、経営方針や事業戦略の決定等において重要な役割を果たしております。ギークリーは、取締役会及びその他の会議体における情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏がギークリーの業務を継続することが困難となった場合は、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、代表取締役社長への依存度を低減するため、取締役会等における意思決定プロセスの明確化と権限委譲を進めております。加えて、後継者育成や幹部層の強化を図るとともに、外部専門人材の登用を通じて経営体制を多角化し、特定人物の不在時においても安定的な事業運営が可能となるよう組織基盤の強化に努めてまいります。
⑭求職者の早期自己都合退職による求人企業への返金について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの人材紹介事業は、求職者が求人企業に入社後一定期間内に自己都合により退職した場合、人材紹介サービス料金の一部を返金する契約を締結しております。何らかの理由により早期自己都合退職者が増加した場合には、返金額の増加により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、紹介先企業への適合度を高めるために、求職者への入念なキャリアカウンセリングや求人企業の採用ニーズの的確な把握を行うとともに、入社後の定着支援を強化しております。これにより、早期退職の発生を抑制し、返金リスクの低減を図ってまいります。
⑮風評被害等について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーは、高品質なサービス提供、コンプライアンスに対する意識の徹底を図り、健全な企業運営に努めております。しかしながら、悪意を持った第三者が、意図的に噂や憶測、ネガティブな評判等を流し、あるいは何らかの事件事故等の発生に伴う悪評が発生することにより、ギークリーに対する誤解、誤認、誇大解釈等が生じ、事業に対して直接又は間接に損失が発生する場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、風評被害等に関するリスクが顕在化するおそれがある場合には、速やかに情報開示を行う体制を整え、風評被害等を最小限に抑えるため適切な対応を行う方針であります。
(3)法的規制・訴訟に関するリスク
①法的規制について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、職業安定法に基づいて事業を営んでおり、有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可を受けて事業を行っております。本書提出日現在における当該許可にかかる有効期限は2029年11月30日までで、継続して有効期限を適宜更新しております。ギークリーは関係法令を遵守して事業を運営しており、現時点において同許可の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、職業安定法第32条の9に定める有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当若しくは法令に違反する事項が発生した場合、事業の停止や有料職業紹介事業者の許可の取り消しをされる可能性があり、その場合にはギークリーの事業運営に大きな支障を来す結果、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、将来これらの法令及びその他の関係法令が、労働市場をとりまく社会情勢の変化などに伴って、改正若しくは解釈の変更などがあり、それがギークリーの営む事業に不利な影響を及ぼすものであった場合、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、職業安定法をはじめとする関係法令の遵守を徹底するため、コンプライアンス体制を整備し、定期的な内部監査や外部専門家による助言を活用しております。また、法改正や行政指導等に迅速に対応できるよう、最新情報の収集と社内規程の適宜改定を行い、許可更新に必要な要件を確実に満たすことで、事業運営への影響を最小限に抑制してまいります。
②個人情報について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、事業運営にあたり多くの求職者に関する個人情報を保有しており、何らかの原因により個人情報が外部に流出した場合は、ギークリーの信用低下を招くとともに損害賠償請求訴訟の提起等により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、「個人情報の保護に関する法律」(平成17年4月施行)の規定に則って作成したプライバシーポリシー等の規程に沿って個人情報の管理及び従業員に対する個人情報の取り扱いに関する定期的な教育を行い、個人情報の適切な取り扱いに努めております。また、プライバシーマークの付与認定取得(2020年5月に取得し以後2年ごとに更新)等、情報セキュリティ対策の強化に取り組んでおります。
③クレーム・訴訟の発生
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、コンプライアンス研修の推進等、役員及び従業員の法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、ギークリーの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、その他第三者との予期せぬトラブル及び訴訟等が発生する可能性があり、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、役員及び従業員に対するコンプライアンス研修や社内規程の徹底により、法令違反やトラブル発生の未然防止に努めております。また、取引先等との契約においては適正な条項の設定によりリスクを軽減するとともに、万一の訴訟発生時には速やかに外部専門家の助言を受け、適切に対応する体制を整えております。これにより、ギークリーの財政状態及び経営成績への影響を最小限に抑制してまいります。
(4)財務活動に関するリスク
新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:小)
ギークリーは、役員及び従業員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。このため、現在付与している新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があり、ギークリーの株式市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、株式価値の希薄化リスクを踏まえ、新株予約権の付与に際しては付与対象者や付与数、権利行使条件を適切に設定することで、既存株主への影響を最小化するよう努めております。また、新株予約権の発行目的や潜在株式数の状況については適時適切に開示を行い、株主・投資家に対して十分な情報提供を行うことで、透明性の確保と理解促進に努めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ギークリーのリスク管理体制に関しましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてギークリーが判断したものであります。
(1)事業環境の変化に関するリスク
①経済状況変動・景気変動について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、国内において人材紹介事業を展開していることから、国内経済の変動や市場の動向は、ギークリーの人材紹介サービスに直接的な影響を与える要因となります。景気の後退局面では、企業の採用活動が縮小し、求人件数の減少を招くリスクがあり、業界内の競争が激化する中で差別化が図られなければ市場シェアの喪失につながる可能性があり、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、経済動向の継続的なモニタリングを行うとともに、景気変動リスクを比較的受けにくいIT人材を中心とした領域でサービスを展開するとともに、取引先開拓を進めております。
②同業他社との競合について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーが展開する人材紹介事業に類するサービスを個別で展開している企業は多数存在することから、今後それら企業による新たな付加価値の提供等により競争力が低下した場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、リスクへの対応を強固なものとするために、ギークリーが独自のポジションを築いていると認識するIT人材領域における各サービスの機能強化とサービス間の連携向上に取り組んでまいります。
③IT・Web・ゲーム業界への特化について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーはIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介事業を展開しているため、当該分野の景気動向や規制の変化に影響を受けやすい事業構造となっております。具体的には、景気後退や求人企業の投資抑制により、開発プロジェクトの縮小や採用需要の減少が生じる可能性や、働き方改革関連法や個人情報保護法、生成AIやデータ利用に関する規制などにより、求人企業の採用計画や人材ニーズに影響を与えるおそれがあります。
加えて、当該分野では高度なスキルを有する人材の供給が限られており、求職者のスキルと求人企業の要望が一致しない場合には、成約決定率の低下によりギークリーの競争力や業績に影響を及ぼす可能性があり、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、業界動向や技術・法規制の変化を継続的にモニタリングするとともに、IT・Web・ゲーム業界に特化しつつ他の業界にも顧客基盤を広げることにより特定業界への依存度を軽減しております。また、求職者に対するキャリア形成支援を強化し、マッチング精度の向上と競争力の維持・強化に努めております。
④自然災害、有事及び未知の感染症等について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの本社所在地は東京都渋谷区にあり、当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、テロリズム、戦争等の有事や未知の感染症の蔓延が生じた場合には、外出制限による事業活動の停滞、従業員の全面的な在宅勤務への移行等でギークリーの事業活動に支障をきたす可能性があるとともに、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、緊急事態発生時においても事業活動が継続できる体制として、従業員のリモートシステム環境の整備やクラウドによる定期バックアップ、安否確認や情報連絡体制の構築を含めた取組を行っております。
(2)事業活動に関するリスク
①登録者数・取引先企業数について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーの人材紹介事業においては、その事業の性格上、登録者の確保が非常に重要であることから、国内における少子高齢化による将来の労働人口の減少、又は労働市場の変化等によって、求人企業を満足させる人材が確保できない場合には成約数の減少により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、TVCM・SNS等を活用した広告宣伝により新規登録者を獲得しておりますが、今後より積極的な広告宣伝活動によりギークリーの認知度を向上させ、登録者及び取引先企業の確保に努めてまいります。
②人材の確保及び育成について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、事業拡大のために優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しており、ギークリーが求める人材を適切な時期に確保、育成ができなかった場合、また、退職等の事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、人材の採用強化及び社内研修プログラム等による育成を推進するとともに、多様な働き方を支える人事制度導入に向けて取り組んでおります。
③業績の季節的変動について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期あり、影響度:小)
ギークリーの売上高は、4月入社を前提とした求職者が多いことや、年度替わり・賞与支給後のタイミング等に転職ニーズが高まりやすい日本の採用慣行の影響を受け、第4四半期、特に4月に集中する傾向があります。これにより、年間の業績が特定時期に偏りやすく、四半期ごとの業績は季節的に変動し、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
最近2事業年度及び第16期中間会計期間における四半期ごとの売上高は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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第1四半期 (6月~8月) |
第2四半期 (9月~11月) |
第3四半期 (12月~2月) |
第4四半期 (3月~5月) |
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2024年5月期 |
1,313 |
1,481 |
1,349 |
1,696 |
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2025年5月期 |
1,530 |
1,982 |
1,725 |
1,909 |
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2026年5月期 |
2,071 |
2,401 |
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|
上記のとおり、第4四半期の売上は年間売上高に対して一定の割合を占める傾向があります。また、月次ベースでは4月単月の売上高が高水準であるなど、季節性による変動が存在します。
<対応策>
ギークリーは、特定時期への業績偏重を可能な範囲で緩和するため、以下の取り組みを継続しております。
・通年を通じた求職者の集客活動に加え、複数の転職サイトやSNS広告を活用した定常的な登録促進
・法人顧客に対する求人案件の早期獲得や柔軟な入社時期の提案により、成約時期の分散化を図り、期中の売上計上機会の確保
もっとも、4月入社を前提とした採用や年度替わり等に転職ニーズが高まりやすい日本の採用慣行は、人材紹介業界の構造的な要因であり、ギークリーのビジネスモデルもその影響を受けることから、短期的に四半期ごとの業績を完全に平準化することは困難と考えております。
このため、ギークリーは一定の季節的変動が今後も継続することを前提に、通期での業績管理を重視するとともに、コスト配分や人員配置において繁忙期・閑散期を織り込む運営を行い、季節性の影響を踏まえた安定的な経営基盤の維持・強化に努めてまいります。
④転職サイト運営企業の利活用について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、ギークリーWebサイトへ直接会員から登録がある他に、他社が運営する転職サイトを利活用して求職者の転職を支援しております。このため、何らかの理由により他社が運営する転職サイトが停止又は廃止となった場合には、支援できる求職者数の減少により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、より積極的な広告宣伝活動によりギークリーの認知度を向上させ、ギークリーWebサイト経由による会員登録者数増加に努めてまいります。
⑤広告宣伝効果について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、ギークリーサービスの認知度向上及び集客力強化を今後の事業拡大における重要課題の一つとして捉え、TVCM、交通広告、インターネット広告の出稿を始めとした広告宣伝活動を実施しております。出稿媒体や実施時期及びその内容について費用対効果を検討した上で、広告宣伝活動を行っておりますが、広告宣伝効果が十分に得られない場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、効果測定を仕組み化し、広告依存を下げながら多様な集客チャネルを育て、単一広告に偏重しないように対策を実施しております。
⑥ギークリー株式の流動性について
(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、株式会社東京証券取引所スタンダード市場への上場を予定しております。上場に際して、売出しによってギークリー株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、ギークリーの流通株式比率は、株式会社東京証券取引所が定めるスタンダード市場の上場維持基準に近接した水準となる見込みであります。
また、将来、大株主による追加取得、株主構成の変化、ギークリーによる自己株式の取得その他の要因により、流通株式比率が低下して同上場維持基準を下回った場合には、上場を維持できなくなる可能性があり、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、大株主による売出しの活用、新株予約権の行使その他の資本政策を通じて流通株式数の増加及びギークリー株式の流動性向上に努める方針であり、継続的な対応によりギークリー株式の売買環境の改善及び安定的な市場での取引の確保を図ってまいります。
⑦システムトラブル・データ管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、事業運営において社外のクラウドサービスを利用し情報システムを構築しております。このため、当該クラウドサービスでシステム障害が生じた場合や悪意ある第三者による不正アクセスを受けた場合など何らかのトラブルが発生することにより、ギークリーのサービスの運営に障害が生じ、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、業績の拡大とともにシステムに関するリスクが増大していくことが見込まれることから、このリスクへの対応として、定期バックアップの実施や障害発生時の社内体制の構築精度を高めていくとともに、リスクを適切に管理するIT統制の実効性向上と内容の充実を図ってまいります。
⑧機密情報の管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーが展開する人材紹介事業は、取引先情報及び求職者の個人情報など機密性の高い情報を取り扱う事からプライバシーマークを取得しておりますが、機密情報等の流出が生じた場合には、ギークリーに対する社会的信用が損なわれ、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、全従業員に対して入社時及び定期的に機密情報の取扱いに関する指導・教育を行っております。
⑨コンプライアンス遵守について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、関係者の不正行為等が発生しないよう国内の法令、社内規程及び社内ルール等の遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、リスク・コンプライアンス委員会を中心に、コーポレート・ガバナンスの啓もうを行い、全社員に対して定期的にコンプライアンス研修を実施する等、コンプライアンスに対する意識を高めております。
⑩労務管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーの労働時間・労働環境の管理について、労働基準監督署等の調査の結果、ギークリーに違反等が認められ行政指導を受けた場合には、ギークリーの事業運営に大きな支障をきたすとともに、ギークリーの財政状態及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、社会保険労務士法人と顧問契約を締結し、人事労務問題全般について助言・指導を受け法令に則り適正な対応を行っております。また、時間外労働時間の管理や年次有給休暇の取得状況については、関係部門に勤怠等の状況を定期的に配信することで違反の未然防止を図り、法令遵守に努めております。
⑪内部管理体制について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、今後の事業運営及び事業拡大に対応すべく、管理部門を増員していくことで内部管理体制について一層の充実を図る方針であります。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅延が生じた場合、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、事業拡大に応じた内部統制に関する定期的なモニタリングや改善活動を行い、事業規模に適した統制環境を継続的に整備することで、財政状態及び経営成績への影響を最小化いたします。
⑫大株主について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの代表取締役社長である奥山貴広、同氏の資産管理会社である株式会社ブリッジインベストメントが、引き続き大株主となる見込みです。同氏及び資産管理会社は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針であります。
同氏は、ギークリーの代表取締役社長であることから、ギークリーといたしましても安定株主であると認識している一方、将来的に何らかの事情により同氏及び資産管理会社によりギークリー株式が売却された場合には、ギークリーの株式市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、代表取締役社長及び資産管理会社を安定株主として引き続き位置付ける一方で、株式の流動性向上と株主層の安定化を目的に、機関投資家や一般投資家への株式分布の拡大に努めてまいります。また、継続的な業績向上と適切な情報開示により、株主全体の信頼確保と市場における株価安定化を図ることで、ギークリー株式の売却が市場に与える影響を最小限に抑制してまいります。
⑬特定人物への依存について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの代表取締役社長である奥山貴広は、創業者であり、2011年の創業以来代表を務めております。同氏は、人材紹介業界に関する豊富な知識と経験、人脈を有しており、経営方針や事業戦略の決定等において重要な役割を果たしております。ギークリーは、取締役会及びその他の会議体における情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏がギークリーの業務を継続することが困難となった場合は、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、代表取締役社長への依存度を低減するため、取締役会等における意思決定プロセスの明確化と権限委譲を進めております。加えて、後継者育成や幹部層の強化を図るとともに、外部専門人材の登用を通じて経営体制を多角化し、特定人物の不在時においても安定的な事業運営が可能となるよう組織基盤の強化に努めてまいります。
⑭求職者の早期自己都合退職による求人企業への返金について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーの人材紹介事業は、求職者が求人企業に入社後一定期間内に自己都合により退職した場合、人材紹介サービス料金の一部を返金する契約を締結しております。何らかの理由により早期自己都合退職者が増加した場合には、返金額の増加により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、紹介先企業への適合度を高めるために、求職者への入念なキャリアカウンセリングや求人企業の採用ニーズの的確な把握を行うとともに、入社後の定着支援を強化しております。これにより、早期退職の発生を抑制し、返金リスクの低減を図ってまいります。
⑮風評被害等について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
ギークリーは、高品質なサービス提供、コンプライアンスに対する意識の徹底を図り、健全な企業運営に努めております。しかしながら、悪意を持った第三者が、意図的に噂や憶測、ネガティブな評判等を流し、あるいは何らかの事件事故等の発生に伴う悪評が発生することにより、ギークリーに対する誤解、誤認、誇大解釈等が生じ、事業に対して直接又は間接に損失が発生する場合には、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、風評被害等に関するリスクが顕在化するおそれがある場合には、速やかに情報開示を行う体制を整え、風評被害等を最小限に抑えるため適切な対応を行う方針であります。
(3)法的規制・訴訟に関するリスク
①法的規制について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、職業安定法に基づいて事業を営んでおり、有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可を受けて事業を行っております。本書提出日現在における当該許可にかかる有効期限は2029年11月30日までで、継続して有効期限を適宜更新しております。ギークリーは関係法令を遵守して事業を運営しており、現時点において同許可の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、職業安定法第32条の9に定める有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当若しくは法令に違反する事項が発生した場合、事業の停止や有料職業紹介事業者の許可の取り消しをされる可能性があり、その場合にはギークリーの事業運営に大きな支障を来す結果、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、将来これらの法令及びその他の関係法令が、労働市場をとりまく社会情勢の変化などに伴って、改正若しくは解釈の変更などがあり、それがギークリーの営む事業に不利な影響を及ぼすものであった場合、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、職業安定法をはじめとする関係法令の遵守を徹底するため、コンプライアンス体制を整備し、定期的な内部監査や外部専門家による助言を活用しております。また、法改正や行政指導等に迅速に対応できるよう、最新情報の収集と社内規程の適宜改定を行い、許可更新に必要な要件を確実に満たすことで、事業運営への影響を最小限に抑制してまいります。
②個人情報について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
ギークリーは、事業運営にあたり多くの求職者に関する個人情報を保有しており、何らかの原因により個人情報が外部に流出した場合は、ギークリーの信用低下を招くとともに損害賠償請求訴訟の提起等により、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、「個人情報の保護に関する法律」(平成17年4月施行)の規定に則って作成したプライバシーポリシー等の規程に沿って個人情報の管理及び従業員に対する個人情報の取り扱いに関する定期的な教育を行い、個人情報の適切な取り扱いに努めております。また、プライバシーマークの付与認定取得(2020年5月に取得し以後2年ごとに更新)等、情報セキュリティ対策の強化に取り組んでおります。
③クレーム・訴訟の発生
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ギークリーは、コンプライアンス研修の推進等、役員及び従業員の法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、ギークリーの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、その他第三者との予期せぬトラブル及び訴訟等が発生する可能性があり、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、ギークリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、役員及び従業員に対するコンプライアンス研修や社内規程の徹底により、法令違反やトラブル発生の未然防止に努めております。また、取引先等との契約においては適正な条項の設定によりリスクを軽減するとともに、万一の訴訟発生時には速やかに外部専門家の助言を受け、適切に対応する体制を整えております。これにより、ギークリーの財政状態及び経営成績への影響を最小限に抑制してまいります。
(4)財務活動に関するリスク
新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:小)
ギークリーは、役員及び従業員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。このため、現在付与している新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があり、ギークリーの株式市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
<対応策>
ギークリーは、株式価値の希薄化リスクを踏まえ、新株予約権の付与に際しては付与対象者や付与数、権利行使条件を適切に設定することで、既存株主への影響を最小化するよう努めております。また、新株予約権の発行目的や潜在株式数の状況については適時適切に開示を行い、株主・投資家に対して十分な情報提供を行うことで、透明性の確保と理解促進に努めてまいります。
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