住友大阪セメントグループは、連結財務諸表提出会社(以下住友大阪セメントという)と子会社46社及び関連会社13社で構成されております。
セメント事業については、セメントの製造・販売を中心とし、生コンクリートの製造・販売、セメント工場における電力の販売やリサイクル原燃料の受入処理、電設・営繕工事、各種品質試験サービス等の事業を行っております。鉱産品事業については、石灰石や骨材の採掘・販売等を行っております。建材事業については、コンクリート構造物向け補修材料等の製造・販売、その関連工事等を行っております。光電子事業については、光通信部品及び計測機器等の製造・販売を行っております。新材料事業については、各種セラミックス製品・各種ナノ粒子材料等の製造・販売を行っております。その他事業については、遊休地を活用した不動産賃貸や情報処理サービス等を行っております。
住友大阪セメントグループの事業に係る位置づけ、及びセグメントとの関連は、次の通りであります。
なお、当連結会計年度の期首より、住友大阪セメントの子会社である千代田エンジニアリング(株)において、報告セグメントの区分を「その他」から「セメント」に変更しております。
事業の系統図は次の通りであります。
<経営方針>
住友大阪セメントグループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大及びコスト削減等に取り組んでまいります。
<事業環境>
今後のわが国経済は、物価上昇等による影響がわが国の景気を下押しするリスクがなお存在するものの、雇用・所得環境の改善、設備投資の持ち直しや政府の経済対策等の効果もあり、緩やかな回復が続いていくことが期待されます。
セメント業界におきましては、民間設備投資が堅調に推移することが予想されることから、民需は、若干増加することが見込まれ、また、公共事業関係費予算が若干増加するものの、建設コストの上昇等の影響により、官公需は、前年並みと見込まれることから、セメント国内需要は、若干増加するものと思われます。
<中期経営計画の進捗状況および今後の取り組み>
住友大阪セメントグループは、中長期的ビジョンとして2035年のありたい姿「SOC Vision2035」を定めました。本ビジョンにおいては、環境解決をキーワードとして、持続的な成長を通じて、社会から必要とされる存在感のある会社となることを目指しており、その最初のステップとして、「2023-25年度 中期経営計画」を策定しております。
本中期経営計画の当期の進捗状況および今後の取り組みは、以下のとおりであります。
①既存事業収益改善
(イ)セメント事業収益力回復
適正価格の確保に努め、セメント工場における熱エネルギー代替物の増量を目的とした設備投資を行いました。引き続き、適正価格の確保、熱エネルギー代替物の収集拡大、輸送力の確保に努め、安定収益の確保に取り組んでまいります。
(ロ)次世代光通信部品の市場シェア獲得による収益改善
次世代光通信部品の開発に取り組みました。引き続き、次世代光通信部品の開発、量産体制構築に努めてまいります。
②成長基盤構築
(イ)半導体製造装置向け電子材料事業へのリソース集中投入による規模拡大・収益力強化
新製造棟建設に着工し、半導体製造装置向け電子材料の生産能力の増強、次世代半導体製造装置向け電子材料の開発に取り組みました。引き続き、半導体製造装置向け電子材料の量産に向けた準備および次世代半導体製造装置向け電子材料の開発を進め、規模拡大・収益力強化に取り組んでまいります。
(ロ)海外事業拡大(豪州事業)
豪州ターミナル事業の収益安定化を進めるなど豪州事業の拡大に努めました。引き続き、豪州事業の拡大に取り組んでまいります。
(ハ)脱炭素分野の新規事業開発
廃石膏ボードを利用した土壌改質材の開発等に取り組みました。引き続き、新規事業の開発に取り組んでまいります。
これらに加え、鉱産品事業は、秋芳鉱山船積バースの延伸、鉱量確保のための新規鉱画開発を進め、事業の持続的な成長に取り組んでまいります。建材事業は、都市部における建築物の土木工事の受注拡大に努め、建設ICTにより更なる省力化と生産性向上に取り組んでまいります。
③経営基盤強化
(イ)人材戦略
多様な人材の採用による人材確保や人材育成のための研修強化に取り組みました。
(ロ)研究開発戦略
高機能品事業分野、脱炭素分野の新規事業創出のための研究開発強化に努めました。
(ハ)知財戦略
知財スキル人材育成および知財情報解析の経営戦略への活用(IPランドスケープ)の推進に努めました。
(ニ)DX戦略
AIを活用した業務ツールの試行、業務効率化に繋がるデジタル活用に取り組みました。引き続き、経営基盤強化に取り組んでまいります。
これらの取り組みを通じて利益の最大化を実現し、株主還元方針に沿って、安定配当を含めた持続的な株主還元を図るとともに、政策保有株式の売却を含む資産圧縮等による資本最適化を通じて、2025年度の数値目標として、ROE(自己資本当期純利益率)8%以上を目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において住友大阪セメントグループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において住友大阪セメントグループが判断したものであります。
住友大阪セメントグループの基幹事業であるセメントの国内需要は、わが国の公共投資や民間設備投資等の動向に強く影響を受けております。そのため、国内の公共投資や民間設備投資が予測を上回る急激なスピードで減少した場合、住友大阪セメントグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、セメントは社会資本を整備する上で欠かすことのできないものであり、中長期的には一定規模以上の需要は安定的に確保されることが予想されます。また、住友大阪セメントグループは当面の国内需要の減少を見据え、過年度においてセメント工場閉鎖による生産体制の見直しを行うとともにさまざまなコスト削減や販売価格の改善にも取り組んでおります。
住友大阪セメントグループの主力事業であるセメント事業では、石灰石、粘土、石炭等さまざまな原材料を使用しております。そのため、それら原材料の価格高騰はセメント製造コストの増加を招き、住友大阪セメントグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、石灰石は長期にわたって住友大阪セメントグループの自社鉱山より安定して供給することができる体制が整っております。一方、石炭は、今後の情勢次第では価格が高騰する可能性があります。住友大阪セメントグループは石炭の調達価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っております。
住友大阪セメントグループは、主力製品である各種セメントや生コンクリートについては建設業等の大口顧客やそれら建設業等の大口顧客を取引先とする販売店との取引を行っております。それら取引先等の業績が急激に悪化し、住友大阪セメントグループの債権について貸倒れによる損失が発生した場合、住友大阪セメントグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、住友大阪セメントグループは「SS(セメント・サービス・ステーション)渡し」による売掛債権圧縮や取引先に対する流動性担保の確保等を推進し与信管理を強化しております。
セメント産業は装置産業であり、住友大阪セメントグループのセメント工場は大型設備を有しております。そのため、重大故障、火災、事故、自然災害、停電その他の予期せぬ事態により、工場操業に支障を来す事態が発生した場合、復旧するための時間やコストを浪費することになり、住友大阪セメントグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、住友大阪セメントグループは全ての工場において定期的な設備点検や災害防止パトロールを行い、生産計画に基づいた安定操業を図るべく万全の配慮を払っており、想定されるリスクが発生する可能性は低いものと考えております。また、住友大阪セメントグループは全国6拠点(住友大阪セメント4工場、関係会社2工場)にセメント工場を有しており、仮にどこか1つの工場で操業に支障を来す事態が発生した場合でも、セメント工場間の操業振替や業務提携先からの仕入等により取引先に対するセメント供給は安定して行うことが可能であります。
(5)光電子事業、新材料事業の市場変化に対するリスク
光電子事業、新材料事業に関わる市場は、技術の急速な変化やこれに伴う顧客の需要の変化に影響を受けます。業界で頻繁な技術革新があるため、比較的短期間で住友大阪セメントグループの既存製品が陳腐化する可能性があります。
固定資産減損会計の適用に伴い、固定資産が収益性の低下や市場価値の下落により投資額の回収が見込めないと判断された場合、将来の収益計画等に関する予測に基づき、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額する固定資産の減損処理が必要となります。現時点では、固定資産減損会計への対応は完了しておりますが、今後の地価の動向や事業環境の変化により、減損損失が発生した場合、住友大阪セメントグループの財政状態及び経営成績の状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
ウイルス等の感染症の流行により、住友大阪セメントグループの国内外事業所及び製造拠点等での活動に関する規制等を受けた場合、製造の中断、営業・物流・調達機能の停滞等が発生し業績に影響を与える可能性があります。さらに、国内外での経済・生産活動が停滞した場合には、出荷先の状況により生産縮小、停止、在庫調整により出荷の減少が見込まれ、住友大阪セメントグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、住友大阪セメントグループは、感染症の発生時には、従業員をはじめとする住友大阪セメントグループの業務に従事する方々の安全確保を第一に考え、原則在宅勤務への移行等の対応を実施いたします。
(8)環境規制等に伴うリスク
住友大阪セメントグループは、業界最高レベルの資源・エネルギー効率でセメントを生産し、中長期的なCO2排出量削減の観点から長年培った技術の海外への移転・普及にも積極的に取り組んでおりますが、今後、CO2の排出や化石燃料の利用に対する新たな規制等が導入された場合には、セメント事業を中心に住友大阪セメントグループの事業活動が制約を受けたり、費用が増加したりする可能性があります。
引き続き、「2050年カーボンニュートラル」に向けた住友大阪セメントグループの具体的な中期目標及び長期取組方針である「SOCN2050」に基づき、CO2排出削減への取組を進めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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