Arent(アレント)(5254)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


Arent(アレント)(5254)の株価チャート Arent(アレント)(5254)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

Arent(アレント)グループは、Arent(アレント)、連結子会社4社(株式会社構造ソフト、Arent Vietnam, Co., Ltd.、株式会社Arent AI、株式会社PlantStream ※2025年3月まで株式会社PlantStreamは持分法適用関連会社)により構成されており、主に建設業界及びプラントエンジニアリング業界の大手企業に対し、DXによる業務効率化・生産性向上を実現するためのコンサルティング及びシステム開発を行っております。また自社開発やM&Aによって拡充した建設業界に特化したプロダクトの販売も強化しております。

Arent(アレント)グループは、「暗黙知を民主化する(※1)」をミッションに、属人化しブラックボックスと化した高度な暗黙知を見つけ出し、高い数学力、深い業界知識で解き明かし、ビジネス化することで、主に建設業界のニッチな課題を解決することを目指しております。クライアント企業と共にBIM(※2)化、SaaS(※3)化された新たなシステムを開発し、未だに利用されている旧来からの非効率的なシステム(レガシーシステム)を置き換えていくことで、建設業界の大幅な業務効率化・生産性向上を実現してまいります。

Arent(アレント)グループの事業内容及びArent(アレント)と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

Arent(アレント)グループは、クライアント企業とDXにおけるパートナーとしての関係を構築し、継続的な協同関係を通じて、課題発見からプロダクトの共創開発、事業化までを実行し、開発した共創プロダクトについて、クライアント企業とのジョイントベンチャーを通じて販売してきました。また、クライアント企業との協同を通じて得た業界の深いドメイン知識を活かす形で、自社プロダクトの開発・サービス提供を展開しております。Arent(アレント)グループが提供しているプロダクト共創開発、共創プロダクト販売、自社プロダクトの内容は以下のとおりです。

 

1.プロダクト共創開発(Arent(アレント)、株式会社Arent AI)

現在のArent(アレント)グループのメインとなる事業であり、建設業界の大手企業等に対し、DX支援のためのコンサルティング・システム開発(主に準委任契約)を行っております。当セグメントでは、コンサルティングから本開発、さらに事業化後の継続開発まで、長期にわたりクライアント企業と協同します。

コンサルティングでは、エンジニアリングにどう落とすかという視点からヒアリングや情報分析を行い、業界の状況、顧客の課題を深く把握し、3ヶ月程度でPoC(※4)やプロトタイプを作成します。次にパートナー企業からのフィードバックを受け、対話をしながら、24か月程度でMVP(※5)を開発する本開発を行います。これらをアジャイル開発(※6)により行う中で、初期フェーズに見られた、クライアント側に不足するIT知識、Arent(アレント)グループ側に不足する業務知識のギャップが埋まっていき、よりクライアントの実態に合ったシステムプロダクトを構築できます。

プロダクトの初期リリース後は、顧客の要望する追加機能の開発を行う継続開発のフェーズに移行し、プロダクトの利用終了まで、長期間にわたり継続的な収益獲得を期待できます。

主要な顧客である高砂熱学工業株式会社や、Arent(アレント)の関連会社であった株式会社PlantStreamは、このフェーズに移行した事例であり、当セグメントの主要顧客として、安定的な取引を継続します。本開発の終了後は、年間50百万円~数億円規模の継続開発を行い、顧客の業務効率化と共に収益が拡大していくWin-Winの関係性を目指したビジネスモデルを構築しております。

また事例のリリースや展示会出展等で獲得した商談から、増強した営業体制や開発体制によって、次の事例につながる案件を獲得する好循環を実現することで、更なる事業成長に取り組んでまいります。

(参考:プロジェクト件数の推移)

 

また、Arent(アレント)の連結子会社である株式会社Arent AIは、建設DXと親和性の高い「生成AI」に焦点を絞ったプロダクトの開発に取り組み2024年7月30日に法人向け生成AIツール「Bizgenie」をリリースしました。

 

2.共創プロダクト販売(株式会社PlantStream)

1.のプロダクト共創開発による成果の商品化・外販を行っており、Arent(アレント)の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamを通じて、主にプラントエンジニアリング業界に対し、プラント設計における配管作業を自動的に行うソフトウエア「PlantStream®」のライセンス販売を行い、利用期間に応じた継続的な収益を得ております。

プロダクト共創開発を進めていく中で、クライアント企業の社内システムとしてだけではなく、外販できるプロダクトとして事業化を進めることがあります。事業化の手法は様々ですが、Arent(アレント)グループでは、クライアント企業との協力関係をより強固なものとしながら事業化を図る手段として、共同出資によるジョイントベンチャーの設立を選択肢の一つと考えております。

具体的な事例としてArent(アレント)は、千代田化工建設株式会社と「PlantStream®」をプラントエンジニアリング業界に特化したソフトウエアとして世界中のプラントオーナーやEPCコントラクター(※7)など向けに販売を目指すことを目的として、折半出資のジョイントベンチャーである株式会社PlantStreamを設立し、2021年4月には「PlantStream®」を世界に正式リリースしております。「PlantStream®」は、プラント設計における膨大な配管作業を、各配管の間隔等の諸条件をクリアしながら自動的に行うツールであり、1分間に1,000本もの配管を行い、手作業が一般的であった従来の工数を削減するものです。

なお、共創プロダクト販売の売上高及びセグメント利益の金額は、Arent(アレント)の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamの財務情報の金額にArent(アレント)の持分割合を乗じた金額であるため、連結損益計算書において、当セグメントの売上高は計上されず、持分法の会計処理を通じて、持分法による投資損失に反映されております。

また継続的な事業運営の基盤を整え、プラントエンジニアリング業界への更なる寄与を目指していくため千代田化工建設株式会社と協議を重ねた結果、2025年3月には株式会社PlantStreamを完全子会社化しております。なお2025年4月以降の損益は自社プロダクトのセグメントに含めております。

 

3.自社プロダクト(Arent(アレント)、株式会社PlantStream、株式会社構造ソフト)

主に建設業界に対し、自社開発やM&Aによって拡充したソフトウエアのライセンス販売等を行い、利用期間に応じた継続的な収益獲得を目指す事業です。

クライアント企業との協同を通じて得た業界の深い知識を活かす形で、自社プロダクトの開発・サービス提供も展開しております。

具体的な事例としては、米国のAutodesk社が提供するBIMツール「Revit」のアドイン(ソフトウエアへ機能を追加するプログラム)として「LightningBIM 自動配筋」や「Lightning BIM ファミリ管理」といった自社開発したプロダクトの他、株式会社構造ソフトが展開する構造計算および工程管理ソフト、株式会社PlantStreamが展開するプラント設計自動化ソフトのような、M&Aした子会社が保有する建設業界向けのソフトウエアがございます。

今後も業界特化型SaaSをM&Aによってグループ化して多層展開するプロダクト群戦略、業務システム内にAIを実装して既存システムをアップデートするAIブースト戦略、直販×提案型で利益率を向上させるコンサルティング直営業戦略を推進していくため、プロダクトラインナップの拡充に取り組んでまいります。

 

 

※1 暗黙知とは、経験や勘に基づく知識で、言語化することが難しいものを指します。Arent(アレント)グループは、暗黙知をソフトウエアとして形にし、誰もが使えるようにすることを「民主化」と呼んでおります。

 

※2 Building Information Modelingの略であり、コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステムです。BIMの活用により、設計者・施工者・施工主間のリアルタイムな情報共有を行うことで、修正にかかる手間の大幅な削減や、工程間の不整合及び手戻りの防止といった効果が期待されています。

 

※3 Software as a Serviceの略であり、インターネットを経由し、ソフトウエアの機能を提供するサービスを指し、常に最新のソフトウエアを提供できる等の利点があります。インターネットの普及により、いわゆるパッケージ製品の販売という形態から、移行が進んでおります。

 

※4 Proof of Concept(概念実証)の略であり、新技術等の実現可能性を検証するために行う実験的工程を指す用語です。

 

※5 Minimum Viable Product(実用最小限の製品)の略であり、顧客が求める必要最小限の機能を持った製品のことを指す用語です。MVPの提供後、顧客からのフィードバック等を参考に、製品の改善を図ります。

 

※6 開発工程を小さな機能単位に区切り、機能単位毎に要件定義・開発・テスト等を行い、その繰り返しにより集合体としての大きなシステムを構築する手法です。仕様変更や追加開発の要望にも柔軟な対応が可能という利点があります。

 

※7 Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)を一括して請け負う企業です。

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 


有価証券報告書(2024年6月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

Arent(アレント)グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてArent(アレント)グループが判断したものです。

 

(1)経営方針

 Arent(アレント)グループは、以下のミッションを掲げ、「建設業界のニッチ領域の課題を解決するデジタル事業を創造し続ける企業」として、職人が持つ高度な暗黙知をシステムとして具現化することで、クライアント企業の業務効率化から新事業の創出へとつなぐ新たな形のDXを実現します。

 

 

領域:巨大な建設業界

建設業界は、非効率なレガシーシステムによる課題を抱える、数多くのニッチ領域で構成された市場

 

建設市場は国内だけで74兆円(※1)の規模を持つ巨大な市場でありながら、SaaS化されている領域は施工管理等のごく一部に限られており、未だ非効率なレガシーシステムによる課題を抱えた数多くのニッチ領域が存在します。

Arent(アレント)グループは、「3Dを核としたシステム開発の技術力」、「建設業に特化した開発実績により蓄積したナレッジ」、「課題発見~プロダクト開発~事業化までの全工程をハンズオンで実施する事業創出力」の3つの強みを活かし、建設業界における労働生産性の低迷や就業者の高齢化の進行等の深い課題を解決することができる企業として、DX化において大きなポテンシャルを持つ建設業界内でのユニークなポジショニングを構築してまいります。

※1 国土交通省総合政策局 情報政策課建設経済統計調査室「2024年度建設投資見通し」

 

事業:デジタル事業立ち上げ

業界の大手企業と共創プロダクトを開発し、共に販売していく

 

Arent(アレント)グループは、クライアント企業との継続的な協同関係を通じて、DXにかかる課題発見から、課題を解決するプロダクトの共同開発、プロダクト販売の事業化までのプロセスを、一気通貫で支援いたします。開発した共創プロダクトは、クライアント企業を通じて、又はArent(アレント)とクライアント企業とのジョイントベンチャー等の設立を通じて、外部へ販売することにより、単なるソフトウエア開発の受託にとどまらない継続的な収益拡大を目指します。

 

特徴:ニッチ領域をBIM/SaaS化

ニッチ領域のレガシーシステムに置き換わる新たなシステムを開発し、高いマーケットシェアを獲得する

 

Arent(アレント)グループは、建設業界にある数多くのニッチ領域に狙いを定め、自社及び共創でBIM化・SaaS化されたプロダクトを開発し、こうしたニッチ領域の非効率的なシステム(レガシーシステム)を置き換えていくことで、高いマーケットシェアを獲得し、高利益率を実現してまいります。

(2)経営環境

・建設業界の状況

 現在の建設業の労働生産性は製造業の約50%といわれており、また、業界の高齢化が進んでいる状況にあります。Arent(アレント)グループは、建設業界は細分化された多重下請け構造が長年の課題を複雑化し、DXの推進が非常に難しい業界であるため、高齢化に伴い職人の暗黙知が消滅していく危機にあると考えており、こうした高度な暗黙知を、高い数学力・深い業界知識で解き明かし、モデル化する力でシステムへと昇華させ、誰もが使えるよう「知」の民主化を進めます。

 

建設業の労働生産性

建設業就業者の年齢層別割合

(出所)

建設業の労働生産性:一般社団法人 日本建設業連合会「建設業デジタルハンドブック」2023年6月更新データ

建設業就業者の年齢層別割合:同 2024年5月更新データ

 

・建設業界を取り巻く法規制

 建設業界のDXの基盤となるBIM利用について、国土交通省は、建設業界の長年の課題である生産性向上を解決する手段として、以前から導入の検討を続けておりましたが、近年、新型コロナウイルス感染症の影響により、各企業でのデジタル化が進んだことを背景に、2023年度からの公共事業におけるBIM利用の原則化を決定、その後のBIM利用の対象範囲を順次拡大していく方針を発表しております。(出所:国土交通省「令和5年度のBIM/CIM原則適用に向けた進め方」)

 また、建設業への適用が5年猶予されていた時間外労働の上限規制について猶予期間が終了し、2024年4月より適用が開始されております。(2019年施行 改正労働基準法 第36条)

 このような法規制等の状況により、業界の生産性向上はまさに喫緊の課題となっています。Arent(アレント)グループは、3Dを核とした建設業界のDXに必要な技術を網羅しており、特にBIMに関しては、空間自動設計システム「PlantStream®」や、自動配筋ソフト「LightningBIM自動配筋」といったBIM関連製品を生み出してきた実績があります。こうした技術力を活かし、建設業界の大幅な生産性向上を実現します。

 

・市場規模

 Arent(アレント)グループは、建設業界のIT投資額は、日本国内の建設投資見通し額約74兆円(出所:国土交通省総合政策局 情報政策課建設経済統計調査室「2024年度建設投資見通し」)に対し、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書(2024)」等を基にArent(アレント)が見積もった建設・土木業界における売上高に占めるIT投資割合を乗じることで、約1兆円程度とArent(アレント)では試算しております。そのうちArent(アレント)グループがターゲットとする市場規模は、Strainer「建設業 売上高ランキング(2023年1月時点)」等を基に建設業界大手(売上高1,000億円以上)の売上高シェアを約55%と仮定し、約5,500億円とArent(アレント)では試算しております。

 その市場規模の中、前述のBIM原則適用、建設業における時間外労働の上限規制の適用開始の法規制の追い風の元、10%のシェア(売上高約550億円)獲得を目指し、建設業界の深い課題を解決することができる企業として、DX化において大きなポテンシャルを持つ建設業界内でのユニークなポジショニングを構築していきます。また、建設業界においてIT投資が占める割合は他産業と比べて低く、これまで述べたような課題も残されているため、未開拓の市場が多く存在し、将来的には市場規模の更なる拡大も見込めるものと考えております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

Arent(アレント)グループは、クライアント企業に付加価値の高いサービスを提供し続けることにより、事業の継続的な拡大と企業価値の向上を図ることが重要だと認識しており、事業の成長性を表す売上高成長率と、収益力を表す売上高営業利益率を重要な経営指標と考えております。

 

(4)経営戦略等

 Arent(アレント)グループは、短期(~FY2025)的には、現在のメイン事業であるプロダクト共創開発におけるクライアントとの取り組み拡大に注力し、非連続成長の達成を目指してまいります。そして、中長期(FY2025~)的には、Arent(アレント)グループが開発した建設業界各領域における「共創プロダクト群の拡販」及び「M&Aによるプロダクト拡充」を実行し、継続的成長を実現する構想を持っております。

 

(成長戦略のロードマップ)

 

 短期的に実行する具体的なアクションは以下のとおりです。

 

 ・プロダクト共創開発の堅実な遂行

 Arent(アレント)グループは、現在、建設業界の複数社よりプロダクト共創開発の大型案件を受注し、開発を継続しております。また新規の業界大手からの引き合いも増加しており、こうした案件を確実に事業化し、更なる収益拡大へとつなげるとともに、現在受注している開発を堅実に遂行し、高品質なプロダクトの作成に注力いたします。

 

 ・PR、ブランディング施策による更なる案件の獲得

 Arent(アレント)グループのクライアントとの取り組みをPR・ブランディングすることで、建設業界におけるDXのポジショニングを確立し、認知度拡大による更なる案件獲得につなげることを目指し、様々な媒体による広報活動の強化を実施してまいります。

 

 ・開発体制の強化

 Arent(アレント)グループの技術力を維持しながら、事業規模を拡大するためには、優秀なエンジニアの採用が必要不可欠です。Arent(アレント)グループは、フルリモートワークも可能な環境を整備し、海外子会社を設立するなど、国内・海外を問わない積極的かつ柔軟な採用活動を展開し、開発体制の強化を進めております。

 

 ・プロダクトの販売の強化、営業体制の構築

 Arent(アレント)グループが開発したプロダクトである空間自動設計システム「PlantStream®」、自動配筋ソフト「LightningBIM 自動配筋」ファミリ管理ソフト「LightningBIM ファミリ管理」について、販売を本格化するため、CRO(Chief Revenue Officer)を任命し、営業体制・戦略の抜本的な見直し・強化を進めております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 Arent(アレント)グループの優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりであります。なお、財務上の課題は、本書提出日現在において、Arent(アレント)の財務は安定しており、優先的に対処すべき課題がないため記載しておりません。

 

①PlantStreamの顧客拡大、営業強化

Arent(アレント)グループの想定する顧客は、国内外の大手EPCコントラクター、プラントオーナー、中小EPCコントラクター等であり、現在は国内顧客への販売を中心としておりますが、国外への販売拡大を目指し、営業活動を展開しております。それにより売上は社数×ユーザー数で右肩上がりでの伸長を図っていく方針です。

 

②デジタル新事業の拡大

Arent(アレント)グループは、千代田化工建設株式会社とのプロダクト共創開発の成果である「PlantStream®」や高砂熱学工業株式会社と共同開発した「PLANETS -開発コードネーム-」等のリリースをはじめとして、建設業界・プラントエンジニアリング業界におけるDX支援の実績を重ねることで、着実に知名度が上がり、各クライアントからの受注が増加しております。このような状況の中、売上高の成長及び売上高営業利益率の向上を目指すには、Arent(アレント)グループの強みである「技術力・ナレッジ・事業創出力」の3つを活かしながら、新事業の創出を実現できる案件を見きわめる必要があります。Arent(アレント)グループは、建設業界のニッチ領域におけるシェア拡大につながる案件を積極的に獲得する方針です。

 

③採用の強化、組織体制の整備

Arent(アレント)グループの事業規模拡大が想定される中、一連のプロセスの実行において、コンサルタント、エンジニア、プログラマー、プロジェクトマネージャー等の様々なIT人材が必要となります。積極的な採用活動を推進していく一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を進めてまいります。

 

④管理体制の強化

Arent(アレント)グループは、成長段階にありここ数年で組織が急速に拡大しておりますが、事業の継続的な成長には業務運営の効率化やリスク管理のための十分な内部管理体制の整備、マネジメント人材の拡充が重要だと考えております。このため、業務効率化のための社内基幹システムのリプレイスやバックオフィス業務の整備、経営の公正性及び透明性を確保するための内部監査の強化、監査役監査によるコーポレート・ガバナンスの充実などを行ってまいります。また、組織の拡大ペースに合わせる形でマネジメント人材の採用や育成、教育研修等を実施していく方針です。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてArent(アレント)グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境について

①業界や市場動向について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

Arent(アレント)グループはIT業界においてプラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発及びサービス提供を主たる業務としております。

建設業界のIT投資額については、日本国内の建設投資見通し額約74兆円(国土交通省総合政策局情報政策課建設経済統計調査室「2024年度建設投資見通し」より)に対し、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書(2024)」を基にArent(アレント)が見積もった建設・土木業界における売上高に占めるIT予算比率を乗じることで、約1挑円程度とArent(アレント)では試算しております。建設業界は2023年度よりBIMの原則適用、2024年より時間外労働の上限規制が始まり、生産性を向上させるため、IT投資は継続的な成長が見込まれております。

Arent(アレント)グループは、高い数学力や深い業界知識を必要とするプラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発及びサービス提供を行うことによって、建設業界のIT投資動向に左右されにくい事業の構築に努めておりますが、国内外の経済情勢や景気動向が変化し、企業がIT投資額を大幅に縮小した場合、Arent(アレント)グループの主たる顧客であるプラント・建設業界の市況が悪化した場合、あるいは予期せぬ事態等により市場成長率の鈍化又は市場規模が縮小する事態となった場合には、Arent(アレント)グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合他社について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)

Arent(アレント)グループはプラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発及びサービス提供を中心に事業展開をしてきており、数多くの競合企業が存在しております。

Arent(アレント)グループは、プラント・建設業界の深い知識を有するプログラマーの高い技術力を背景に競合他社との差別化を図っており、コンサルティング力や技術力の強化に努め競争優位性の確保に努めておりますが、Arent(アレント)グループの競争力が低下した場合には、受注が減少し、Arent(アレント)グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③技術革新への対応について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)

IT業界は、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に速く、それに伴い、常に新しい技術やサービスが生み出されております。Arent(アレント)グループの事業においては技術力が競争力の源泉であるため、技術革新への対応が遅れることはArent(アレント)にとって重大なリスクになると考えております。従いまして、技術革新に迅速に対応できるよう、常に市場動向を注視し技術革新への対応を講じることにより、今後も競争力のあるサービスを提供できるように取り組んでおります。また優秀なITエンジニアの確保や社内勉強会の開催等による社員のスキルアップにも注力しております。

しかしながら、例えば、AI技術が発達し、Arent(アレント)の採用するアルゴリズムより高速に計算が可能となる技術が実用化された場合等、予想以上の急速な技術革新や代替技術・汎用的な競合商品の出現等により、Arent(アレント)グループのサービスが十分な競争力や付加価値を確保できない場合には、新規受注の減少や既存顧客の離反を招来し、Arent(アレント)グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④システムリスクについて(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

Arent(アレント)グループは事業及び社内管理の基盤をインターネット通信網に依存しており、通信ネットワーク機器の故障及び自然災害や火災・事故等によるシステム障害を回避すべく、稼働状況の監視、定期的なバックアップの取得等の未然防止・回避策を実施しております。

しかしながら、大地震等の自然災害が発生した場合の、電力供給やインターネットアクセスの制限等、コンピューターウイルスやハッキングなどの外的攻撃やソフトウエアの不具合、その他予測できない重大な事象が発生した場合には、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容について

①千代田化工建設株式会社との関係性について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)

Arent(アレント)の関連会社である株式会社PlantStreamは、千代田化工建設株式会社と設立したジョイントベンチャーであります。現在、千代田化工建設株式会社とArent(アレント)の関係は良好でありますが、何らかの要因による合弁関係の悪化等の理由により、株式会社PlantStreamの運営及びArent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②特定の販売先への依存について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)

Arent(アレント)グループにおける株式会社PlantStream及び高砂熱学工業株式会社に対する売上高は高い水準にあります。

 

(販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合)

相手先

前連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社PlantStream

559,723

27.7

711,603

24.2

高砂熱学工業株式会社

911,850

45.1

1,552,850

52.8

(注)株式会社PlantStreamに対する販売実績は、持分法適用による未実現損益の消去後の金額であります。

 

株式会社PlantStreamはArent(アレント)の関連会社であり、複数年にわたり安定的な取引を行っております。また高砂熱学工業株式会社とはプロダクト共創開発が順調に進んだことで、取引が拡大しております。

Arent(アレント)グループでは当該2社とのソフトウエア開発取引を継続する一方で、他の既存顧客との取引拡大や新規顧客の獲得をすることにより、当該2社への依存度は徐々に低下していくものと考えております。しかしながら、当該2社への依存度が想定どおり低下せず、当該2社との取引が縮小した場合には、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③先行投資から得られる効果が期待どおりに実現しないリスクについて(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:大)

Arent(アレント)は、千代田化工建設株式会社と株式会社PlantStreamを、日清紡ホールディングス株式会社と株式会社Arent AIを設立しており、株式会社PlantStreamと株式会社Arent AIに対するArent(アレント)出資額は株式会社PlantStreamに対し1,699,765千円、株式会社Arent AIに対し1,800千円であります。また株式会社PlantStream及び株式会社Arent AIは設立後間もないため、既に赤字を計上中で、数年先までは赤字の計画を見込んでおります。

Arent(アレント)は、その事業投資において多額の資本拠出を行う場合や、投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合があります。Arent(アレント)は、社内基準やルールに基づく事業計画の事前検討や精査やモニタリングを行い損失の回避や軽減に努めておりますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりに上がらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあるため、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、重要な関連会社である株式会社PlantStreamの会社概要及び要約財務情報は以下のとおりであります。

株式会社PlantStreamの会社概要(2024年6月30日現在)

事業目的

ソフトウエアの開発、アップデート及び販売事業及び前号に附帯する一切の事業

株主構成

千代田化工建設株式会社50% Arent(アレント)50%

役員構成

取締役4名 監査役2名

(千代田化工建設株式会社とArent(アレント)からそれぞれ代表取締役1名、取締役1名、監査役1名を派遣しております

従業員の状況

16名(兼務出向により、8.8人月)

千代田化工建設株式会社から4名(3.1人月)、Arent(アレント)から8名(5.7人月)を出向派遣しております。

 

 

株式会社PlantStreamの要約財務情報

 

前連結会計年度

当連結会計年度

 

2023年6月期

2024年6月期

流動資産合計

固定資産合計

 

流動負債合計

固定負債合計

 

純資産合計

 

売上高

税引前当期純損失(△)

当期純損失(△)

861,085

1,625,808

 

278,412

 

2,208,481

 

220,947

△553,765

△554,715

362,111

1,696,747

 

387,707

 

1,671,150

 

464,626

△536,380

△537,330

Arent(アレント)は、株式会社PlantStreamの黒字化に向けて、営業人員の増強や空間自動設計システム「PlantStream®」のマーケティング強化、更なる市場開拓のための追加開発を行っていますが、黒字化に向けた対策が計画どおりに進捗しない場合、株式会社PlantStreamにおけるソフトウエアの減損損失の計上により、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④株式会社PlantStreamに権利が帰属する知的財産権の利用について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

Arent(アレント)は、Arent(アレント)が株式会社PlantStream向けに開発し、同社に権利が帰属するプロセスプラント、医薬品プラント、食品プラント、洋上プラント、船舶プラント、発電プラント等の各種プラントの配管、ダクト、ケーブル等自動ルーティングプログラムを含む産業プラントの空間自動設計システムに関連する特許権、意匠権、商標権、実用新案権、又はそれらを受ける権利、著作権及びノウハウ(以下「本知的財産権」という。)を利用し、第三者に対するソフトウエア開発を行う場合があります。その際、Arent(アレント)は、当該第三者に対して、本知的財産権の利用上の制約をあらかじめ説明し、同社に対しても事前に本知的財産権の第三者への利用可能性について説明し、利用可否についての協議を行った上で、あらためて利用許諾を得ることとしております。しかしながら、当該第三者のために開発するソフトウエアが同社のソフトウエアと競合するものと最終的に判断された場合は、利用許諾が得られず、Arent(アレント)の事業が制限されるため、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤情報セキュリティについて(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

Arent(アレント)グループでは、クライアント企業のシステム開発を手掛けているため、顧客側で保有している機密情報に触れる場合があります。機密情報の取り扱いについては、情報システム管理規程、個人情報取扱規程等を整備し、定期的に社内研修を実施することにより周知徹底を図り、適切な運用を義務づけております。

しかしながら、このような対策にも関わらずArent(アレント)グループの人的オペレーションのミス、その他予期せぬ要因等により情報漏洩が発生した場合には、Arent(アレント)グループが損害賠償責任等を負う可能性や顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法的規制について

①知的財産について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

ソフトウエア業界においては、多くの特許出願がなされており、Arent(アレント)グループにおいても新技術に対して積極的に特許出願を行っております。今後も数多くの特許出願が予測され、あわせて特許権侵害等の問題が生じることが考えられます。

Arent(アレント)グループでは、製品開発において特許権の侵害等がないかチェックを行っております。また、リスク管理委員会・コンプライアンス委員会の活動を通して課題と対応策の検討を行っております。しかしながら、このような対策にも関わらず、第三者と知的財産権に関する問題が発生した場合、顧問弁護士及び弁理士と対応を協議していく方針ですが、案件によっては解決に時間と費用を要し、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②訴訟について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

Arent(アレント)グループは、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開するなかで、Arent(アレント)グループが提供するサービスの不備等により、何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対する防御の為に費用と時間を要する可能性があるほか、Arent(アレント)グループの社会的信用が毀損され、また損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)社内組織について

①内部管理体制について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)

Arent(アレント)グループは、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②人材の採用・育成について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

Arent(アレント)グループは、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や企業規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの提供や競争力の向上に当たっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用すると共に、成長ポテンシャルの高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。そのため、Arent(アレント)では採用体制の強化、人材育成計画・人事評価制度の向上を図る方針であります。

しかしながら、特にエンジニア等の一定の人材の確保に関する競争は激しく、Arent(アレント)グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画どおりに進まなかった場合、コアメンバー、熟練エンジニアの退職又は人材確保のためにより高額の報酬を支払うこととなった場合には、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③特定の人物への依存に係るリスクについて(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

Arent(アレント)の代表取締役社長である鴨林広軌は、Arent(アレント)の経営方針や事業戦略の立案・決定及び遂行において、重要な役割を果たしております。Arent(アレント)グループでは、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。

しかしながら、何らかの理由により同氏がArent(アレント)の経営執行を継続することが困難になった場合には、Arent(アレント)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他

①株式の希薄化について(発生可能性:大、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:小)

Arent(アレント)は、2019年12月に、役職員等に対して会社業績の向上への意識を強くさせるため、新株予約権信託を用いたインセンティブプランを導入する等、新株予約権の発行を行っております。この新株予約権が行使された場合は、新株式が発行され、Arent(アレント)の1株当たりの株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は702,600株であり、発行済株式総数6,205,380株の11.3%に相当しております。

 

②資金使途について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)

株式上場時における公募増資による調達資金の使途については、Arent(アレント)グループの事業のさらなる拡大のため、広告宣伝費及び事業成長のための採用費用、人員増による人件費、自社プロダクトの開発費などに充当する予定であります。しかしながら、上述に記載したように様々なリスク・不確実性のなかで事業運営を行っており、事業環境が変化することも考えられるため、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定どおりの投資効果を得られない可能性があります。

また、市場環境の変化により、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性が発生した場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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