スパンクリートコーポレーショングループは、スパンクリートコーポレーション及び子会社1社で構成されており、「スパンクリート(穴あきPC板)」の製造、販売を主たる業務としております。
スパンクリートコーポレーショングループの事業内容及びスパンクリートコーポレーションと関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1)スパンクリート事業………建築用床・壁・屋根の材料として建築業界に広く採用されております「スパンクリート」を主要な製品として、その製造・販売の事業を行っております。
(2)不動産事業…………………オフィスビル等の賃貸業を手掛けております。
(3)プレキャスト事業…………建設用柱・梁・バルコニー等のプレキャストコンクリート製品の販売事業を行っております。
岩瀬プレキャスト株式会社は、プレキャストコンクリート製品の製造・販売の事業を行っております。
事業の系統図は次のとおりであります。
(※)岩瀬プレキャスト株式会社は、2024年4月23日開催の同社取締役会において、破産手続開始の申立てを行うことを決議し、2024年5月15日に破産手続開始決定を得ております。
スパンクリートコーポレーショングループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてスパンクリートコーポレーショングループが判断したものであります。
(1)経営方針
スパンクリートコーポレーションは、創業以来スパンクリート(穴あきPC板)と呼ぶコンクリート部材を建設業界に供給しております。スパンクリートコーポレーションの主力製品であるスパンクリートは、耐久性の面に優れ、断熱性能、遮音性能、耐火性能面でも優れた特性を有しており、工場での量産が可能であり、プレハブ化による工期の短縮、工事の省力化を図ることができ、ひいては建設コストの引き下げに貢献することができます。建設業界にとって建築施工の合理化を推進していくことは永遠の命題であり、スパンクリートはその一助になり得るものと確信しております。
スパンクリートコーポレーションは、このスパンクリートを安定的に供給できる生産、販売体制を強化し、かつ効率化を推進することにより、建築の合理化を必要とする顧客のニーズに応え満足していただくとともに、自己の企業価値を高め広く社会に貢献する企業を目指してまいりたいと考えております。
(2)経営戦略等
スパンクリートコーポレーショングループを取り巻く環境は依然として厳しいものがある中で、当面の経営戦略は次のとおりと考えております。
① 新たな販路を構築し、超高層マンション・大型倉庫・競技場の床材拡販に注力し、工場の操業度及び利益の確保に努める
② 総製造原価上昇に対応した販売価格の適正改定
③ スパンクリート事業において、他社のコンクリート製品、工法とのコスト競争力を強化するとともに工場の効率化を図り、同時に顧客ニーズへの即応体制を構築し、製品の品質安定・改善に努める
④ スパンクリートの生産ラインを活かした、より付加価値の高い新製品の開発に努める
⑤ 収益基盤の安定化を図るために、不動産事業の着実な推進を図る
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
スパンクリートコーポレーショングループは、経営指標として、経常利益額と経常利益率を主に重視しております。短期的には何よりまず黒字化を達成することを経営上の目標としておりますが、現時点では黒字化を達成することができておりません。
販売価格の改定、付加価値のある製品開発、効率的な組織運営及びコストの最適化に取組み、まずは黒字化を早期に達成できるよう目指してまいりたいと考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
スパンクリートコーポレーショングループにおけるセグメント別の当面の対処すべき課題と取組みは次のとおりであります。
<スパンクリート事業>
① 総製造原価上昇に対応した販売価格の適正改定
② 新たな販路を構築し、超高層マンション・大型倉庫・競技場の床材拡販に注力し、工場の操業度及び利益の確保に努める
③ 改良新製品研究開発への注力
④ 原材料の値上げに対する仕入れ取引先へのきめ細かな対応
⑤ 生産コストダウンへ向けた継続的な活動と新規テーマの探索
⑥ 生産数量の増減に備えた協力会社との連携推進
⑦ 相対的に利益率の高い製品の販売拡大
⑧ サステナビリティの一環として、カーボンニュートラルを実現する製品開発の推進
<不動産事業>
① 賃貸物件3棟の高稼働の確保
<プレキャスト事業>
① 事業撤退を予定
(5)経営環境
経営環境については、原材料・エネルギー価格の上昇や円安の進行による物価上昇の影響が続いており、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような環境の中、スパンクリート事業は、他社製品との価格競争激化による受注数量の減少、総製造原価上昇による事業収益の低下が見込まれ、工場の操業度及び利益の確保が厳しく、工場の安定運営が難しくなってきております。
なお、不動産事業は、賃貸用不動産が高稼働を維持し、安定した賃料収入を得ております。
スパンクリートコーポレーショングループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。スパンクリートコーポレーショングループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項とその対策については、各部との対話を通じてリスクマネジメント委員会が取り纏め、取締役会に報告しております。
これらのリスクのうち、スパンクリートコーポレーショングループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える可能性があると考えている主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、スパンクリートコーポレーショングループが判断したものであります。
(1)市場リスク
他社製品へのシフトといった需要の変動は、スパンクリートコーポレーショングループの経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。このリスクに対しては、営業体制を強化し、市場分析を随時行い市場ニーズに合った製品の供給、新規顧客との接点を増やし市場開拓に努めております。
(2)資材価格の変動リスク
原材料価格の高騰等により資材の調達価格が想定以上に上昇した場合、販売価格に転嫁できず十分な利益が確保できないリスクがあります。このリスクに対応するため、資材調達の早期発注や資材調達先の多様化を図るとともに、調達価格の動向を踏まえ、お客様に対し、販売価格へのコスト転嫁を申し入れております。
(3)品質の低下リスク
設計・生産過程における人的誤りが不適合製品の出荷に繋がり、顧客の信頼を失うリスクがあります。防止策として、事前の打ち合わせによる情報共有の徹底、製品検査の充実、顧客要請への対応などを進めております。
製品を納入する場所の環境や据付場所によっては、漏水や塩害等により想定を超える製品の劣化や耐力の劣化が進むこと、あるいは施工時の取付け部材等の不具合を起因とした事故が発生することがないとはいえず、その場合には業績に何らかの影響を及ぼすリスクがあります。顧客からのスパンクリートコーポレーショングループ製品に関する意見には絶えず真摯に対応し、必要な場合には現地調査を行い、顧客と相談しながら対応策を提案しております。
(4)コンプライアンスに関するリスク
建築基準法、水質汚濁防止法、製造物責任法(PL法)、下請代金支払遅延等防止法、税法、労働基準法等関連諸法や関連業法に違反することでスパンクリートコーポレーショングループの信頼が低下し、経営に深刻な打撃を被るリスクがあります。関連諸法や関連業法に違反することがないよう、絶えず万全の注意を払うよう努めております。
スパンクリートコーポレーショングループ外へ提出する書類のデータ改ざん、キックバックの要求等の不正行為、ハラスメント行為によりスパンクリートコーポレーショングループの信頼が低下し経営に深刻な打撃を被るリスクがあります。スパンクリートコーポレーショングループでは、コンプライアンス規程をイントラネットに掲載し、社員研修や朝礼、面接等を通じて社員のコンプライアンス意識の向上に努めております。また、コンプライアンスの違反情報を提供する手段として、社内外に通報窓口を設置しております。
(5)被災に関するリスク
製造拠点の被災からの復旧に時間がかかるリスクがあります。事業継続計画(BCPマニュアル)を活用することにより早期の復旧対応を目指しております。また、BCPマニュアルの定期的な見直しと社内啓蒙活動を実施しております。
(6)設備の故障によるリスク
設備老朽化等による故障や破損による生産への影響リスクがあります。設備点検等を定期的に行い、設備更新投資計画を立て実施することで、故障や破損が生じないよう取り組んでおります。
(7)人材育成・人材確保に関するリスク
人材不足は社会現象と言える深刻な問題であり、人材不足の慢性化は過重労働等の職場環境の悪化や、事業運営に欠かせない人材育成の機会喪失、モチベーションの低下を招くリスクがあります。
このリスクに対応するために、高い志と貢献意欲を持った幅広い年齢層での人材を採用し、同時に職場環境の維持・改善を図り、人材育成による技術の革新、継承等を行い、適正人材の確保に努めております。
(8)重要事象等について
スパンクリートコーポレーショングループは、当連結会計年度において、営業損失323百万円、経常損失305百万円、親会社株主に帰属する当期純損失301百万円を計上する結果となりました。
主力事業であるスパンクリート事業は、当連結会計年度まで5期連続の営業損失となり、プレキャスト事業においては、プレキャスト製品の製造及び販売を行う合弁会社である岩瀬プレキャスト株式会社の取締役会において破産手続開始の申立てを行うことを決議し、2024年5月15日に破産手続開始の決定を得ており、2025年3月期事業年度に当該事業からの撤退を予定しております。
そのため、継続企業の前提に関する注記を開示するまでには至りませんが、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
こうした状況を早期に解消または改善すべく対応策に取り組んでおりますが、来期の事業計画においても黒字化は見込めておりません。しかしながら、保有現預金から資金計画上、継続企業の前提に関する不確実性は認められないものと判断しております。
連結営業利益の黒字化に向けては、継続して経費の見直し、最適化を進める一方で依然として不透明な経営環境の中で安定的・継続的に利益を創造する体制を構築すること、コスト上昇に対する価格転嫁および、製品の付加価値を総合的に高めていくことを考えております。
具体的な取組みは次のとおりであります。
① 販売価格の改定および付加価値のある製品開発
② 効率的な組織運営とコストの最適化
③ 外部企業とのアライアンスによる組織力の強化
なお、セグメント別の取組みについては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであります。
上記の戦略を実行し、経営基盤の更なる安定と成長を目指して鋭意努力してまいる所存でおります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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