日本インシュレーショングループ(日本インシュレーション及び日本インシュレーションの関係会社)は、日本インシュレーション、連結子会社(ジェイ アイ シー ベトナム有限会社、以下、この項においてJICベトナム)の計2社で構成されており、建築関連、プラント関連の工事、国内外での製品等の販売を主な事業として取り組んでおります。
日本インシュレーショングループは、ゾノトライト系けい酸カルシウムを基材とした各種の保温材、防耐火建材等の製造、販売、及び設計・施工、関連資材の販売、並びにアスベスト関連のコンサルティング、除去工事等を行っております。日本インシュレーショングループの製品は、1000℃に耐えうる耐火性、断熱性等の性能と、軽量で加工しやすく、経年変化が少ないなどの特性を持ち、高層建築物や石油化学プラント、火力・原子力発電所等において、耐火材、不燃材、保温材等として、幅広く使用されております。
日本インシュレーション及び日本インシュレーションの関係会社の事業における、日本インシュレーション及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分はセグメントと同一の区分であります。
日本インシュレーションは、ゾノトライト系けい酸カルシウム材を基材として、以下のような建材等を提供しています。
ⅰ)耐火被覆材:熱に弱い鉄骨のはり・柱、免震装置といった建物の構造部材を被覆して、火災時に構造部材を火炎や熱から護り、建物の倒壊を抑制することで、人命や財産を護る役割を担う耐火材として、建築基準法に基づく認定を取得した製品を提供しています。
ⅱ)内装建材:建築基準法では特定条件の建築物やその部位に対し、火災時の延焼抑制のために燃えない建材(不燃建材)を使用することが義務付けられており、日本インシュレーションでは、けい酸カルシウム板を、デザイン加工できる不燃の内装材として供給しています。他にも、非常用発電機等の煙突用断熱材や、文化財等を保管する展示ケース・収蔵庫の湿度環境を整える調湿建材としても供給しています。
ⅲ)多機能材:日本インシュレーションのけい酸カルシウム材は、加工性・吸水性等の機能を併せ持っており、建材以外の用途に加工しやすさを活かしたCFRP用型材、彫刻・刻字向け工芸用ボードや、洗剤に使用するための吸油性の高い無機粉体等を販売しています。
日本インシュレーションでは、耐火被覆材の販売にとどまらず、施工請負までを一貫して行っています。耐火被覆材は、建築物の火災安全性を担保するものであり、自社工事の場合は責任施工となり、協力会社に施工を依頼しますが管理業務は日本インシュレーションの社員が行い、要求事項が充足されているか責任を持ちます。万一、契約不適合責任期間内に生じた不具合は、全て日本インシュレーションの責任で修復します。また、製造と施工を一貫して行うことで顧客の改善要望を製品設計に円滑に反映する体制を保持しています。
他に、建物に施工された吹付けアスベストや、アスベスト含有建材の除去工事も請け負っています。
顧客の要求に応じて要求に関連する商品を仕入れて提供する事業も行っております。主要なものとして、建物の鉄骨はりにスリーブ管等を設置するための貫通孔用の耐火被覆材があります。高性能熱膨張性耐火ゴムシートを利用した商品となっております。
日本インシュレーションは、ゾノトライト系けい酸カルシウム材を基材として、以下のような保温材等を提供しています。
ⅰ)プラント用保温材:プラント施設は様々な温度域の設備があり、その中でもボイラーや反応器などの熱設備や高圧蒸気用の温熱配管等は内部が高温になるため、熱を逃がさないようにする保温を行う必要があります。種々の保温材のうちでも、1000℃の高い耐熱性を持つけい酸カルシウム保温材は、これらの熱設備等に対して適性が高い保温材として採用されています。
また、東南アジア・東アジアを中心とした海外プラントでの保温材需要に対応して、JICベトナムで、バイオマス(もみ殻)を原燃料としたけい酸カルシウム保温材を製造し、供給しています。
ⅱ) 工業用断熱材:高い耐熱性が要求される工業炉の断熱材や、蓄熱暖房機やスチームオーブンレンジ等の断熱材等にけい酸カルシウム断熱材を供給しています。
また、顧客からの要求に応じて他材料との複合材の開発等も行っています。
日本インシュレーションは、建築の耐火被覆材のノウハウを応用して、ゾノトライト系けい酸カルシウム材を基材としたプラントにおける鉄骨部材の耐火被覆材を提供しています。
日本インシュレーションではけい酸カルシウム保温材の販売にとどまらず、その施工請負までを一貫して行っており、高性能断熱材を製造し、それを用いて断熱工事を行うことで顧客の事業における省エネ効果やCO2排出の削減に貢献し、より高いレベルの品質管理を実現しています。また、自社製保温材以外の他種の保温材(プラント用保温材は上述のように様々な温度域があり、場所に応じて適した保温材が選定されます)を用いての施工も行い、プラント全体の保温保冷工事を一括して行う体制を整えています。
他に、断熱工事や施工されたアスベスト含有建材の除去工事も請け負っています。
日本インシュレーションでは、廃棄物の有効利用等のための機械装置を販売しています。
顧客の要求に応じて要求に関連する商品を仕入れて提供する事業も行っております。主要なものとして、上記a)に記載したJICベトナムの製品であるけい酸カルシウム保温材があります。日本インシュレーションのけい酸カルシウム保温材との違いは、もみ殻を燃料とし、燃え残った灰を保温材の原料として利用したバイオマス商品となっていることであります。
事業系統図は、次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、日本インシュレーショングループが判断したものであります。
日本インシュレーショングループは、1914年の創業以来、保温・断熱分野で事業を展開し、さらに1966年に世界で初めて1000℃の耐熱性を有するゾノトライト系けい酸カルシウム材の製造技術を開発した後は、耐火・耐熱分野へと進出し、製品開発と用途開拓に努めてまいりました。
日本インシュレーションの主たる事業である保温・断熱材、耐火・耐熱材の製造販売・施工は、各々SDGs7(クリーンなエネルギーをみんなに)及びSDGs13(気候変動に具体的な対策を)、SDGs11(住み続けられるまちづくり)に貢献するものであります。すなわち日本インシュレーションの存在意義は、サステナブルな社会の実現に貢献することにあると考えております。
このことは1977年に定めた日本インシュレーションの社是(信頼を高め 付加価値を創造し 人間を豊かにする)に表現されており、すべてのステークホルダーに信頼され、独自の技術をもって新たな付加価値を持つ製品を提供することにより、広く社会に貢献する企業となることを目指しております。
企業価値向上に向けた取り組みにつきましては、日本インシュレーションでは、2021年6月に「サステナビリティ経営の推進」を基本テーマに据えた中期経営計画(対象期間:2021~2023年度。以下、前中期経営計画)を策定して開示しました。主要方策として、①脱炭素社会への実現への貢献、②レジリエントな社会実現への貢献、③ステークホルダーとのエンゲージメント深化、④ガバナンスの高度化によって、企業力の強化、企業への信頼の醸成を図ることを掲げて、方策を推進してまいりました。その実施状況につきましては、後述(P11参照)のとおりであります。
前中期経営計画の期間終了に伴い、日本インシュレーションでは、創業110周年にあたる2024年度を始期とする中期経営計画(対象期間:2024~2026年度。以下、新中期経営計画)を策定し、その実現に向けて努めてまいります。長期的には、➀2030年までの7年間で約70億円の投資枠を設けること、②チャレンジ戦略枠を創設し、研究開発、人材育成分野を中心に社員に新事業や新規方策への挑戦を促すことを掲げております。
サステナビリティに取り組む日本インシュレーションの姿勢を明確にするために、これに併せて、サステナビリティ基本方針を定めました(P11参照)。
(3) 経営環境
前中期経営計画の期間における事業環境の変化として、以下のような変化が生じていると認識しております。
① 過去2年において、ウクライナ戦争に端を発する都市ガス、LNG及び電力価格の高騰により、日本インシュレーション製品の製造コストが著しく上昇しました。また、原材料メーカーも同様の影響を受け、原材料価格も上昇しました。これを受けて、日本インシュレーションでは価格転嫁を実施しましたが、今後については、地政学リスクもあり不透明な状況です。
② 地球温暖化防止の観点から、プラント事業の顧客(主に電力、石油、化学、鉄鋼分野)では、燃料や原料を化石燃料から非化石燃料由来に切り替える事業構造の転換が始まっています(SAF、アンモニア燃料、ケミカルリサイクル原料への切り替え等)。一方で、従来燃料とのコスト差が大きな課題であり、商用化のスピードは不透明な部分があります。
③ わが国における少子高齢化の影響が日本インシュレーションの採用活動にも影響を与え、希望通りの新卒採用ができない状態が続いています。喫緊の課題として、建設2024年問題への対応も求められます。
④ 1960年に操業を開始した岐阜工場は、操業開始60年余りを経過し、安定操業を確保するための対策を検討する時期になっています。
⑤ 資本コスト経営に対する要請が強まり、企業に対して資本を十分に活用した経営を行っているかの説明責任が求められるようになっています。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
日本インシュレーショングループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては、主に下記の8点があります。
① 市場の拡大、収益の確保
1)国内事業の拡大
国内市場につきましては、建設投資を確実に受注につなげられるよう営業力の強化を図るとともに、更なる工事管理強化による採算性の向上を図り、また、新市場の開拓及び新規商品の開発を推進します。
・建築事業においては、耐火被覆材のシェアアップ、新製品開発、既存製品の性能・機能の向上等を進めていきます。SDG'sを強く意識し、建物(物流施設、オフィス、商業施設、工場、データセンター等)の特徴に応じた提案を推進します。
・プラント事業においては、保温材のシェアアップ、建設案件の営業強化等を行っていきます。SDG'sを強く意識し、新しい需要への対応を推進します。
・生産事業部においては、エネルギー原単位とエネルギー購入コストの低減策に取り組みます。
・技術本部においては、将来の収益の一翼を担うことを目指し、カーボンニュートラル・カーボンネガティブを意識した新規商品の開発を推進します。
2)海外事業の推進
以下の対策等により海外事業の拡大を図ります。
・ベトナム工場の安定稼働を維持すべく、全力で取り組みます。
・ベトナム工場生産品の販路拡大のため、海外、とりわけ東南アジアにおける営業を、インドネシア駐在員事務所を核とし、各国の販売店と協調しながら一層強化します。
・ベトナム工場については、生産性向上のため、海外需要等の事業環境を見極めながら、段階的に増設を進めます。
・建築事業においては、市場拡大に向けてアジア地区での各国販売店との連携を推進します。
3)建築・プラントに次ぐ第三の事業の創出
環境分野(特に循環経済、廃棄物の再資源化)に焦点を当て、景気の波に左右されない強固な事業基盤の構築を目指し、第三の事業を創出していきます。
② サステナビリティ経営の推進
マテリアリティ(重要課題)を特定し、将来あるべき目標とマイルストーン(中間目標)を設定し、サステナビリティ経営を推進します。政府方針である2050年におけるカーボンニュートラルの実現に向けての取り組みを進めます。
③ 人的資本経営の推進
1)JIC版働きがい改革の推進を、経営トップの意識改革、経営戦略としての「人事戦略・方針」策定、人事施策・方針の見直し、社員との双方向の対話、を核として進めていきます。
2)「人的資本経営」の考え方に立ち、人への投資を進めていきます。
3)企業価値の向上及び社員の成長を目指し、社員の生産性向上、少数精鋭体制の確立のため、社員教育の強化、有能な人材の確保に努めてまいります。
4)健康経営の推進に一層努めてまいります。
5)次世代経営者及び次世代幹部候補者の育成に努めるとともに、女性社員、外国人、中途採用者を含めた多様な人材の育成(ダイバーシティの推進)を進めてまいります。
6)引き続き、海外生産体制並びに海外営業の強化を進め、さらにグローバル人材の確保のため、語学教育の強化、外国人の登用等を通じ、海外業務に対応できる体制を強化してまいります。
7)日本インシュレーションの工事分野における総合力の向上のため、協力業者の育成を図ってまいります。
④ コンプライアンスの徹底
コンプライアンスは経営の根幹をなすものであり、これまで以上に役職員に対するコンプライアンス教育を徹底する他、コンプライアンスを推進するために必要な体制の整備及びその確実な運用を図ります。2023年度においては、コンプライアンス全般、ハラスメント防止、インサイダー取引規制などについて、コンプライアンス委員会事務局より研修ツールを提供し、教育・啓蒙に努めてまいりました。また、役職員のコンプライアンスに対する意識や法令遵守状況等の実態を把握するため、「コンプライアンス意識調査」を実施しました。
2024年度においては、こうした取り組みに加え、既に設置し運用している内部通報制度・ハラスメント相談窓口制度の運用改善、人権尊重に関する教育の実施等の取り組みを行います。
反社会的勢力とは関係を一切持たない経営を推進します。
「働き方改革関連法」の本格適用を受け、時間外労働の上限規制を遵守します。
⑤ ガバナンス体制の強化
コーポレートガバナンス・コードに適切に対応しガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。
⑥ 危機管理への対応
1)日本インシュレーションを取り巻く様々なリスクを事前に認識し、リスクが顕在化しないよう、適切な対策を実施していきます。リスク管理委員会を年に2回、取締役会メンバー及び執行役員により開催しており、日本インシュレーションを取り巻く潜在的なリスクの確認やその未然防止策等について審議を行っております。また、役職員に対する教育の実施により、リスクへの意識の涵養に努めております。
2)地震や台風などの自然災害に伴うリスクに対し、適切に対応します。
3)感染症が日本インシュレーション事業並びに日本インシュレーション役職員を含む全てのステークホルダーの安全・健康に及ぼす影響を適切に見極め、対応します。
4)海外展開の推進に伴い増加するリスクに対し、適切に対応します。
5)取引先を含む人権尊重の徹底に取り組みます。
6)また、建設アスベスト損害賠償請求等の訴訟につきましては、今後とも弁護士と協議しつつ適切に対応します。
⑦ DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
IoT、AI、RPA等の高度IT技術を活用した生産性の向上に引き続き取り組んでいくとともに、電子帳簿保存法に対応する帳票管理システムの拡張開発や、中長期的な取り組みとして基幹システムの刷新も進めてまいります。
⑧ 品質・安全維持への対応
労働災害、品質クレームゼロを目指し、日頃からの管理の徹底、発生時の原因追究及び対策実施を徹底します。
上記課題に対処し、これからも社会的責任を果たすため、コンプライアンス体制の強化を図り、事業環境の変化に対応したコーポレート・ガバナンスの一層の充実を推進し、取引先からの信頼の向上を図ります。また、技術力・開発力の強化、収益力の向上を図り、さらに企業価値を高めることにより株主からの支持を得られるよう全社を挙げ努力します。
日本インシュレーショングループは、企業の成長並びに生産性向上を測定するうえで、売上高、営業利益及び配当水準を重視しております。成長性と収益性の観点から、前中期経営計画(2021年度~2023年度)を2021年6月30日に開示し、目標達成に向けての取り組みを行ってまいりました。経営成績としては、下図のとおりであり、売上高は累計で目標を達成したものの、営業利益では累計目標の82%にとどまりました。
これは、エネルギー、原材料価格の高騰に起因する製造原価、工事原価の上昇に加え、建設資材価格の高騰に伴う建築着工量の減少等の影響によるものと考えております。
前中期経営計画(2021~2023年度)の達成状況 (単位:百万円)
上記前中期経営計画の達成状況とその間の経営環境の変化(P8「経営環境」参照)をふまえ、2024~2026年度を期間とする中期経営計画を策定し、推進してまいります。
次期中期経営計画では、サステナビリティ経営を推進し、社会に貢献する事業の拡大を図ってまいります。
これによって、以下を目標とします。
・ ROE 10%程度
・ PBR 1.0以上
この目標を早期に達成し、さらに高みを目指していきます。
中期経営計画(2024~2026年度)の目標 (単位:百万円)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
(1)景気変動、経済情勢等のリスク
日本インシュレーショングループの主要製品であるけい酸カルシウム保温材の主な需要先は石油・石油化学、電力・ガス、鉄鋼等の業種における設備投資動向に依存し、また、けい酸カルシウム耐火被覆材についてはオフィスビルや物流施設等の建設需要の動向に依存し、内外の景気動向や経済情勢の影響を受けます。また、建築物やプラント全体の建設費用の高騰があった場合は、けい酸カルシウム以外の保温材、耐火被覆材との価格競争を惹起する可能性があり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループの製品の主な原材料は石灰石、珪石等であり、また、製造工程において熱源として天然ガス等を使用しています。原材料及びエネルギー価格の上昇があった場合や、地政学リスク等により需給のひっ迫により安定的調達が困難となった場合、あるいは、物流業界の労働時間管理強化による製品・商品の運賃の上昇があった場合には、日本インシュレーショングループの製造コストを上昇させ、日本インシュレーショングループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、日本インシュレーショングループの調達する多くの原材料において高い純度を求めていること等により仕入先は限定されることが多く、これに伴い調達先の確保が困難となるリスクがあります。
従業員一般での人材確保ができない場合には、適切な労働環境の確保が困難となるリスクがあります。特に建設事業においては、有資格者の確保が事業を継続していくための基盤となっており、建設現場では主任技術者の配置が必須であり、今後の業容拡大のためには、人材の採用及び教育研修実施・内容の充実により、専門的な知識を持った人材の確保・育成をすることが重要な経営課題であると認識しております。有資格者の採用及び社員の資格取得の促進に注力しておりますが、急激に業容が拡大する等して必要な人材の確保が追いつかない場合や、採用に係るコストが上昇した場合には、事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
過去に建設現場等において石綿に曝露し、これが原因で肺癌等の疾病に罹患した作業員及びその遺族等が、集団で国及び建材メーカー多数を相手に損害賠償請求の裁判を提起しております。日本インシュレーションもその建材メーカー多数の中の1社として現在係争中であります。日本インシュレーションはこれまで日本インシュレーション製品と原告の発病との明確な因果関係が認められなかったこと等から集団訴訟において敗訴となったことはごく一部の事案を除きありません。但し、日本インシュレーション製品と原告の発病との明確な因果関係が認められた場合等は敗訴となる可能性があり、必要な場合、合理的な方法で訴訟損失引当金の計上の要否を検討してまいります。このように、アスベスト健康被害に関し、個別に損害賠償請求の提訴を受けた場合も含めて、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、日本インシュレーショングループは、日本インシュレーション起因のアスベスト疾病により死亡または療養されている従業員及び元従業員に対して、社内規定に基づき補償金を支払っており、今後もアスベストによる健康障害者への補償費用等の負担が継続していく可能性があります。なお、補償金支払の対象者が発生した都度、検討し、健康被害補償引当金を計上しています。
日本インシュレーショングループが関与する工事現場においては、労働災害の防止や労働者の安全と健康管理のため、労働安全衛生法等に則り安全衛生体制の整備、強化を行っております。日本インシュレーションでは、社内に安全衛生委員会を設置し、日常的な安全衛生教育を実施している他、経営幹部等による安全パトロールを実施する等、事故の未然防止を図るための安全管理を徹底しております。しかしながら、万が一重大な労働災害が発生した場合には、日本インシュレーションに対する社会的信用が毀損し、ひいては受注活動に影響が及ぶ等、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループの製品の販売については、大きな季節変動はありませんが、工事については、工事完了時期が年度末付近に集中することから、下期に偏重する傾向があります。万一、比較的大きな案件で何らかの事情で工事の完了が遅れることになる場合には、予定の売上が上がらずに翌期にずれるなど、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループは、連結子会社の立地するベトナムをはじめ東南アジア地域において、事業展開を行っております。これらの地域におけるテロ、戦争、疫病等社会的混乱の発生、社会インフラの未整備による停電や物流の停滞等予期せぬ事象、商慣習の違いから生じる取引先との予期せぬリスクの顕在化等によって、日本インシュレーショングループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、日本インシュレーショングループが拠点を持つ各国において、税法をはじめとした法令改正、経済の減速、貿易障壁の発生、反日デモや不買運動等が発生した場合、あるいは、移転価格税制等に基づく課税等が生じた場合にも日本インシュレーショングループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、東南アジア地域では、もみ殻を原料・燃料に使用したバイオマス事業として、けい酸カルシウム保温材の市場展開を図っておりますが、計画通りに進まなかった場合は、日本インシュレーショングループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらの事象については、日本インシュレーショングループの取引先において発生した場合も、日本インシュレーショングループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループは、工事の施工管理を行っており、優秀な協力会社の確保が必要不可欠であります。現状は、長年取引を行っている協力会社を中心として受注工事に対応できる十分な施工能力を有しておりますが、万が一主要な協力会社との協力関係に不測の事態が発生し、施工能力に問題が生じた場合もしくは外注コストが上昇した場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループは、固定資産の減損に関わる会計基準を適用しております。経営環境の著しい悪化による収益性の低下等により、保有する固定資産に減損損失が発生し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループは、国内外に複数の生産拠点などを有しております。万一、当該拠点のいずれかにおいて大規模な地震、風水害、疫病等の自然災害が発生した場合には、保有設備の復旧活動に関する安全確認、施工中物件の工事の遅延、一時的な生産の停止による出荷の遅延等により多額の費用が発生し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)収益及び費用の計上基準に関わるリスク
工事契約において、一定の期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗に基づく収益を計上しております。なお、進捗度の見積りの方法は、発生した原価の累計額が工事原価総額に占める割合(インプット法)で算定しております。
工事原価総額等の見積りは、工事の完成引渡しまでに必要となるすべての工事内容に関する原価を見積って算定しており、工事着手後に工事内容の変更が生じた場合は、適時・適切に再見積りを行っております。当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に発生した工事原価及び工事収益総額が見積りと異なった場合や、異なる結果になると見込まれた場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
日本インシュレーショングループは、工事にあたり適切な積算を行っておりますが、想定外の追加原価等により、万一不採算工事が発生した場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(13)情報セキュリティに関わるリスク
日本インシュレーショングループは、事業活動を通じて、取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しています。これらの情報について、情報の管理に関する諸規定等の整備・充実や従業員等への周知・徹底を図るとともに、サイバー保険に加入するなどの対策を強化しておりますが、サイバー攻撃、不正アクセス等により、情報流出や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、日本インシュレーショングループの信用低下や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)債権管理のリスク
日本インシュレーショングループでは、取引先に対して、売掛金、受取手形や差入保証金などの債権を有しております。取引先の与信管理については細心の注意を払っておりますが、取引先の業績悪化や倒産等により、売上債権の回収に支障が出た場合は、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)法的規制、コンプライアンス等についてのリスク
日本インシュレーショングループは、建設業法に基づき国土交通省より特定建設業・一般建設業の許可を得ているほか、建築基準法、消防法、労働安全衛生法、環境基本法等、幅広い法規による規制を受けており、それらに従って事業を行う必要があります。また、日本インシュレーショングループの工場は、環境関連、労働安全衛生関係で、国内外の政府や自治体の監督を受けております。
日本インシュレーショングループでは、事業継続のため、これらの法令等を含めたコンプライアンスが遵守されるよう、役職員に対して研修等を通じて周知徹底を図ることで、これらの適用法令等に対応できる体制を構築しております。現時点で事業継続に支障を来す事項はありませんが、今後、何らかの理由により適用法令等の違反が発生した場合には、処罰、処分その他の制裁を受け、損害賠償等の責を負い、日本インシュレーショングループの社会的信用やイメージが毀損することにより、日本インシュレーショングループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法令等に将来改正が行われた場合、日本インシュレーショングループの事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。
なお、適用法令等について、その有効期間やその他の期限等が法令等により定められているものは下表のとおりであります。下表のとおり2025年7月11日に許可の有効期限が到来する予定であります。
また、日本インシュレーショングループは、2020年6月に施行された改正労働施策総合推進法の趣旨に則り、パワーハラスメント防止に向けた相談窓口の設置等の制度を構築し、運用しております。現時点で事業継続に支障を来す事項はありませんが、今後、万一法令違反やハラスメントに係る事案が発生した場合には、日本インシュレーショングループの社会的信用やイメージが毀損することにより、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループは、ISO9001の品質保証規格やJISに基づく認証を受けており、厳しい品質管理体制のもとに生産活動を行っておりますが、製品の開発・製造における不具合や工事の施工での施工ミス等の品質上の全てのリスクを完全に排除することは困難であります。今後、日本インシュレーショングループの製品に予期しない重大な欠陥が発生した場合や施工ミスによる瑕疵が発覚した場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)為替変動に伴うリスク
日本インシュレーショングループでは、海外事業展開をしており、輸出入取引において為替の変動によって影響が生じます。日本インシュレーショングループの連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の財務諸表を円貨換算しており、為替変動による期間損益の円貨換算額が増減するリスクが存在します。これらの為替変動リスクは、事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループは、事業活動に有用な知的財産権の取得に努めると共に、他社の知的財産権の調査を行うことにより、問題発生を回避する様に努めておりますが、万一、他社から訴訟等を提起された場合、その結果によっては経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループは、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)を適用しております。課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収可能性の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純利益が変動する等、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
日本インシュレーショングループは、海外から原料の一部を輸入するとともに、製品の一部を海外へ輸出しております。原料調達に当たっては、人権侵害の有無に留意して調達先を選定しており、原料の多くは別の供給先に代替可能なものでありますが、万一、原料調達先で人権侵害や紛争が発生した場合、原料調達に影響を及ぼす可能性があります
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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