大和工業及び大和工業の関係会社(主に連結子会社10社及び持分法適用関連会社7社(2025年3月31日現在)により構成)の事業における大和工業及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
また、当連結会計年度においてPTガルーダ・ヤマト・スチールを新たに連結子会社としたことにより、「鉄鋼事業(インドネシア)」を新たに報告セグメントに追加しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表注記事項(セグメント情報等) セグメント情報 1 報告セグメントの概要」をご参照下さい。
大和工業は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
(事業系統図)
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
2025年3月31日現在
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において大和工業グループが判断したものであります。
大和工業グループは持株会社体制のもと、社会に貢献できる可能性をあらゆる角度から検討し、傘下の事業会社のそれぞれの特性と機能を活かし、活力と調和のとれたグループ経営を推し進めるとともに、世界市場をターゲットとした事業を展開してまいります。
また、大和工業グループでは、2019年に創立75周年を迎えたことを機に、これまでの伝統を踏まえつつ、これからの大和工業グループの方針・理念をより明確にするため、あらたに下記のとおりMission, Vision, Yamato SPIRITを制定いたしました。
鉄鋼事業・軌道事業ともに日本国内市場は成熟していることから、大和工業グループとしてこれからも更に発展していくために、需要が堅実な市場や今後インフラ投資の伸びが期待出来る新興国などに拠点を持ち、その国の成長に寄与していくと同時に成長の果実として収益を取り込んでいく所存です。このMission, Vision, Yamato SPIRITのもと、大和工業グループの成長の源泉が、海外事業にあることを改めて発信し、今後も海外事業を更に安定・発展・拡大させてまいります。そのためにも、モノづくり企業として技術、経営のベースである国内姫路の工場を大和工業の海外展開を支えるグループのマザー工場として位置付け、更なる基盤強化を推し進めるとともに、コスト競争力の強化、品質の安定と向上、デリバリーを含む顧客サービスの向上に不断の努力を続けてまいります。また、人材教育・育成にもより一層力を入れ、更なる事業の発展に努めてまいります。
大和工業は、世界的な経済構造の激しい変革に対応できる経営方針として、事業の一極化をさけ、主に海外に事業投資を行い、投資の分散化を進めてまいりました。健全な財務体質を維持しつつ、将来の成長分野へ投資する方針であり、キャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。なお、大和工業グループの業績は、製品販売価格と原材料価格の変動に大きく影響され、各々の市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境に大きく影響を受けることから、中長期の収益計画は作成しておりません。
短期的な業績の見通しにつきましては、米国経済は底堅さを保っているものの、中国経済の長期停滞やウクライナ問題の長期化及び中東情勢の緊迫化など世界経済は不安要素が多く、先行き不透明感は強まっております。大和工業グループの主要製品であるH形鋼等の土木・建築用鋼材の需要も全体的に盛り上がりに欠ける状況が続いており、また、中国の鋼材輸出量は増加傾向にあるなど、経営環境は悪化しております。各拠点において、中国材への対抗策を図り、引続き販売数量の確保、鋼材マージンの維持及びコスト低減等に努めてまいります。
以上を踏まえ、次期の業績予想につきましては、売上高は182,000百万円、営業利益は11,000百万円、経常利益は77,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は55,000百万円を予想しております。
なお、現時点での各国・地域の事業状況の前提は以下のとおりとしております。
日本
大型建築案件向けや土木関連需要は底堅いものの、中小建築案件向けは引続き低調であり、建設業の2024年問題による工期の遅れから需要の鈍化が懸念されます。
鉄スクラップ価格は円安も相俟って高値圏で推移し、電力料金や物流費は大幅に上昇する見込みであります。また、第1四半期には圧延設備の矯正機更新に伴い1ヵ月強の生産停止を予定しており、償却負担増も含め、収益低下要因となります。業績につきましては、短納期対応等による販売数量確保及びコスト高を反映した販売価格の浸透に努めてまいりますが、前期比で減益を予想しております。
タイ
タイ経済は中国景気の影響を受けやすく、回復ペースは鈍化傾向にあります。民間プロジェクトや公共投資計画の後ろ倒しも見られ、国内形鋼需要に力強さを欠くなか、安価な中国材との競争が激しさを増しております。また、ASEAN市場においても中国メーカー等との厳しい競争環境が続く見通しです。業績につきましては、販売価格の下落によるマージン低下により、前期比で減益を予想しております。
米国
インフレは緩やかに減速する見通しであり、大幅な景気後退リスクは低下しております。流通顧客が在庫積み上げ局面に入るにはまだ時間を要する見込みであり、中国以外の輸入材も増加傾向にありますが、半導体工場などの米国回帰に向けた工場建設や政府主導のインフラ投資等により、大型サイズのH形鋼及び鋼矢板は安定的な受注が見込まれます。業績につきましては、引続き高収益を確保する見込みであるものの、形鋼市況は軟化傾向にあり、前期比で減益を予想しております。
中東
世界経済に減速感が見られるなか、石油減産政策により油価は高値圏で推移しているものの、域内の景気は鈍化傾向にあります。サウジアラビアを中心に建設プロジェクト等の形鋼需要は底堅いものの、安価な中国材流入による市況軟化や中東情勢の緊迫化など先行き不安が続いております。業績につきましては、連続黒字を継続し、安定した収益を確保する見込みであるものの、前期比で減益を予想しております。
ベトナム
ベトナム経済は、不動産業界が持ち直しつつあり、回復局面にあるものの、中国経済への依存度も高く、形鋼需要の本格的な回復には時間を要する見込みです。また、中国製鋼板を加工した建築材との競合も厳しさを増しており、市況軟化の要因になっております。業績につきましては、販売数量増により前期比で増益を予想しております。
韓国
金融引き締めの影響による不動産市場の低迷及び資材コスト高等による建設業界不況が深刻化しており、鉄筋需要は先行き更に減少する見込みです。また、鉄筋市況は下落基調が続くなど、経営環境の厳しさが増しております。業績につきましては、一定の収益を確保する見通しながらも、前期比で大幅な減益を予想しております。
インドネシア
2023年8月8日付「特定子会社の異動を伴うインドネシア法人の株式取得に関するお知らせ」にて公表いたしましたPT Nusantara Baja Profil社の株式取得を、2024年5月31日付「特定子会社の異動を伴うインドネシア法人の株式取得完了及び商号変更のお知らせ」にて公表の通り完了いたしました。また、同社は同日付で商号をPT Garuda Yamato Steel社(以下、GYS社)へ変更しております。12月決算であるGYS社の2025年3月期連結業績への反映につきましては、みなし取得日を2024年3月31日として、第1四半期連結会計期間末に連結を開始し、損益計算書の連結は、第2四半期連結累計期間から開始することを想定し、GYS社の9ヵ月間の業績(連結決算上の「のれんの償却」含む)を織り込んでおります。なお、本件に係るのれんの金額は、現時点の概算額で約100百万米ドルと想定しており、その償却期間は13年を見込んでおります。
業績につきましては、一定の収益を確保し、連結業績に貢献する見通しです。
大和工業グループは、グローバルな鉄事業を通して、国際社会の発展や豊かな地域社会の実現に貢献することをミッションとして、これからもサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを継続して参ります。
また、更なる事業の成長に向け、大和工業グループは、「2030年ありたい姿」に掲げた重点戦略を進めていく所存です。カーボンニュートラル・循環型社会実現に向け、「コア事業である形鋼事業の強靭化」において、アジア等の成長地域での販売拡大、高度な操業ノウハウと最先端技術の導入による各拠点の収益力維持・向上を推し進めると共に、「新たな鉄・インフラ・グリーン事業領域への進出」において、国内外での積極的なM&Aなどを通じた製品群の拡充やバリューチェーンの強化、技術獲得に挑戦し、それらを支えるプロフェッショナル人材の育成と充実に一層注力して参ります。
国内におきましては、グループのマザー工場であるヤマトスチールにおいて、最新の技術・設備を導入し、安全性の向上、コスト競争力の強化、品質の安定と向上に取り組み、国内事業の基盤強化を推し進めるだけでなく、そこで培ったノウハウをグループ展開して参ります。この取り組みの一環として、圧延ライン更新などの戦略的設備投資をここ数年掛けて実施して参ります。
海外におきましては、2024年5月31日に、タイ、ベトナムに続くASEAN域内第3の拠点として、域内最大の人口を誇るインドネシアでの拠点を獲得いたしました。これは、インドネシア大手鉄鋼メーカーであるPTグヌン・ラジャ・パクシ社が営む形鋼事業並びにPTグヌン・ガルーダ社が保有する事業用不動産を承継した新設会社の80%の株式を取得(約352百万米ドル)したものであります。
これにより、大和工業グループの重要戦略である「ASEAN 300万トン体制」の事業基盤が整うことになるため、その果実として収益を最大化するための施策を着実に実行して参ります。
まずは、経済成長・人口増加・首都移転などによって伸びゆくインドネシアマーケットにおいて、市場シェアおよび利益の拡大に注力して参ります。さらに、ASEAN地域での地位を確立するために、ASEAN地域のマザー工場であるタイのサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッドを核に、タイ・インドネシア・ベトナムの3拠点で製造・販売・調達のそれぞれの分野でシナジー最大化を図り、域内で過半のシェア獲得を目指して参ります。
なお、大和工業グループにおきましては従来から鉄鋼製品製造会社間で技術会議を定期的に開催し、技術情報の交換と技術向上に努めておりますが、人材育成面や更なる技術交流の機会を創出していくためにも、海外の関係会社と姫路のヤマトスチールとの間でエンジニアの交流等を一層活発化させることでグループの技術情報の共有及び人材の底上げを図り、競争力の強化にも努めていく所存です。
大和工業グループはサステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置づけ、事業活動を通じて各国・各地域の発展と人々の未来を支え、持続可能な社会の実現に寄与して参ります。2025年度をターゲットとした「サステナビリティ中期計画」を策定しており、中期的な視点から大和工業グループのサステナビリティへの取り組みを具体的に推進し、持続的な成長を支えるためのリスクと機会への対応について積極的に進めて参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において大和工業グループが判断したものであります。
大和工業は、世界市場をターゲットとして、グローバルに事業を展開しております。2007年に中東地域への進出を決定し、中東事業の合弁パートナーであるFoulath社と共に、2009年にバーレーンにスルブカンパニーBSC(c)(以下、SULB)を設立し、主にH形鋼の生産・販売のため、直接還元鉄から製鋼、圧延の一貫工場を建設いたしました。また、Foulath社と共に2011年には特別目的会社を通じてサウジアラビアの中小型形鋼メーカーの資産買収を行い、ユナイテッド・スルブカンパニー(“サウジスルブ”)LLC(以下、Saudi Sulb)を設立し、中東地域での合弁事業を拡大いたしました。
SULBは2013年7月末より商業生産を開始し、早期にフル生産体制を確立いたしましたが、中東地域での公共投資の低迷、安価な輸入品の流入、政府補助カットに伴う湾岸諸国での電気、ガス、水道価格の実質上の値上げによるコスト増などその経営環境は当初想定していなかった様々な要因の影響を受けてきました。
ここ数年は原油高を背景に中東諸国の経済情勢が上向き、公共投資などの建設需要も回復基調にあり、フル生産が続いております。3年連続黒字を計上するなど業績は改善傾向にあり、金融機関への借入金返済に伴う債務保証額の減少やSULB社に対する貸付金の回収が一部実行されるなど、中東合弁事業への多額の投資(貸付、債務保証含む)に対するリスクは軽減してきております。しかしながら、直近は中東情勢の緊迫化に加え、中国経済低迷の長期化により安価な中国材の流入が再び増しており、また更なるコスト上昇懸念もあるなど、当該リスクを払拭できる状況には至っておりません。今後、経営環境の変化により、中東の営業活動に伴う損失に加え、多額の投資損失が発生した場合は、大和工業グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外進出に潜在するリスク
大和工業グループの生産及び販売活動は、国内のみならず、米国、タイ、韓国、バーレーン、サウジアラビア並びにベトナムで行われ、世界市場をターゲットとして、グローバルに事業を展開しております。これらの海外市場への事業進出においては、各国で発生する恐れのあるテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱により関係会社の業績と財務状況に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国での予期し得ない政治又は法環境の変化、経済状況の変化等により、事業の遂行に問題が生じる可能性もあります。
(3) 製品販売価格と主原料価格の変動
大和工業グループの主力である鉄鋼事業の業績は、製品販売価格と主原料であるスクラップ価格の変動に大きく影響されます。また、SULBでは大和工業グループで唯一、鉄鉱石ペレットを主原料としております。これらの市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境により大きく影響を受ける可能性があります。
(4) 為替レートの変動
大和工業グループは、世界市場をターゲットとして、グローバルに事業を展開しており、在外子会社、関連会社等の業績が連結の経営成績に大きく影響を及ぼします。連結財務諸表は、各国の現地通貨を円換算して作成しているため、為替レートの変動により財務内容に影響を及ぼします。また、大和工業グループが保有する現金及び預金のうち、外貨の占める割合は高く、一般に、他の通貨に対する円高は、大和工業に悪影響を及ぼし、円安は大和工業に好影響をもたらすことになります。なお、為替レートの変動による為替換算調整勘定の増減が包括利益並びに純資産に大きく影響を及ぼしますが、為替換算調整勘定は在外子会社等を保有することで生じる連結財務諸表の報告上のものであり、大和工業の業績そのものを左右するものでなく、今後とも引き続き海外事業の展開を続ける方針であることから為替換算調整勘定の変動に対してヘッジは行っておりません。
大和工業グループはグローバルに事業を展開する電炉メーカーであり、大量の電力を使用する大和工業グループにとって、大幅な電力単価の引上げや電力使用制限があれば、大和工業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
気候変動リスクにつきましては、原材料、電力等エネルギー、水等のコストが上昇、または供給が不安定になる可能性及びカーボンプライシングなどに伴い燃料価格が高騰し、コストが上昇する可能性などがあります。
詳細につきましては、大和工業ホームページをご参照ください。
(https://www.yamatokogyo.co.jp/sustainability/environment/climate.php)
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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