丸一鋼管(5463)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】丸一鋼管グループは、丸一鋼管、連結子会社18社、持分法適用関連会社3社、非連結子会社5社及び持分法非適用関連会社1社の合計28社によって構成され、各種鋼管及び表面処理鋼板の製造・販売活動を主な事業としております。丸一鋼管グループの事業に係わる位置づけは次のとおりです。 (日本)国内市場では、丸一鋼管が製品を製造・販売するほか、子会社の北海道丸一鋼管株式会社、九州丸一鋼管株式会社及び四国丸一鋼管株式会社の製品を丸一鋼管が直接仕入れて販売しております。また、丸一鋼管製品の一部は、丸一鋼販株式会社を通じて販売しております。株式会社アルファメタルで使用される鋼管は、丸一鋼管から仕入れており、自動車部品等に加工して販売しております。丸一ステンレス鋼管株式会社はステンレス鋼管の製造・販売を行っております。東洋特殊鋼業株式会社は角鋼管及び異形管の製造・販売を行っております。 (北米)北米市場では、マルイチ・アメリカン・コーポレーション、マルイチ・レビット・パイプ・アンド・チューブLLC、マルイチメックスS.A. de C.V.、マルイチ・オレゴン・スチール・チューブLLC、マルイチ・ネブラスカ・チューブLLCは鋼管の製造・販売を行っており、マルイチ・ステンレス・チューブ・テキサス・コーポレーションはステンレス鋼管の製造・販売を行っております。 (アジア)アジア市場では、ベトナムでマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニーが鋼管及び表面処理鋼板の製造・販売を、マルイチ・サン・スチール・(ハノイ)・カンパニー・リミテッドが鋼管の製造・販売をしております。インドではマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッドがステンレス鋼管及びアルミメッキ鋼管の製造・販売、フィリピンではマルイチ・フィリピン・スチール・チューブ・インクが鋼管の製造・販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりです。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針について丸一鋼管は2023年10月に2030年に向けてのありたい姿である長期ビジョン「MARUICHI 2030 Vision」及び、そのファーストステージとなる2024年度から2026年度までを対象とした第7次中期経営計画(3ヵ年)を2024年4月に公表しており、その内容は以下の通りです。 長期ビジョン『MARUICHI 2030 VISION』 1財務目標(2030年度) 売上高(億円)4,000 営業利益(億円)500 ROE10% 連結配当性向50% 2ビジョン実現に向けた基本方針 第7次中期経営計画(2024-2026年度)1財務目標 第7次中計期間 2023年度2024年度2025年度2026年度 2030 VISION売上高(億円)2,7132,7102,8503,000 4,000 国内コア事業1,3471,3501,3501,350 海外コア事業1,0871,0751,1251,200 成長事業279285375450 営業利益(億円)348350375400 500 国内コア事業212210210210 350 海外コア事業99113115125 成長事業37275065 150ROE7.9% 8.0% 10.0%連結配当性向40%(131.0円/株)41%43%45% 50% (参考)実績及び予想 2024年度(実績)2025年度(実績)2026年度(予想)売上高(億円)2,6162,4372,745 国内コア事業1,3221,2081,277 海外コア事業1,0749931,125 成長事業264236342営業利益(億円)229320369 国内コア事業166202212 海外コア事業38103119 成長事業17934 調整額 63ROE7.8%7.7%7.3%連結配当性向38.7%38.0%44.4% ※連結売上高、連結営業利益の実績および計画数値は連結調整後の数値を表示しております。 2事業別目標・基本方針 事業区分財務目標 基本方針国内コア事業売上高: 営業利益: 1,350億円210億円・サプライチェーン強化やグループ間シナジーを活用し数量より収益性を重視・M&Aも活用し営業利益210億円を目指す・カーボンニュートラル社会に向けての取り組み強化海外コア事業売上高: 営業利益: 1,200億円125億円・需要拡大地域での設備投資・収益安定化に向けての基盤整備(設備投資、購買・販売戦略、在庫管理)・M&Aも活用し営業利益25%増を目指す成長事業売上高: 営業利益: 450億円65億円・稼働予定の増産設備投資による収益最大化・海外シェア拡大に向けた施策の実施・新規需要のニーズに対応するための積極投資の実施・脱炭素社会実現に貢献する研究開発、新商品開発 3主要投資 国内コア事業(305億円) 成長事業(520億円)▶3年間で1,300億円の投資を計画 国内工場エアコン導入:90億円 ステンレス事業拡大:500億円名古屋工場 次世代ミル(6インチミル):35億円 BA炉能力拡大:5億円丸一鋼販/平野パイプセンター:10億円 外観検査・工程自動化による省人化:1.5億円堺工場作業環境改善:25億円 丸一ステンレス鋼管 研究開発費:2億円(3年間)詫間工場冷延ミル生産効率向上:20億円 社内基幹システム開発(2029年稼働開始):本中計期間20億円 海外コア事業(75億円) M&A(400億円) MNTスリッター導入:5百万ドル 国内外において能動的に検討Maruichimexモンテレー工場新設:25百万ドル MPST 高速切断機導入・造管ミル増設:10百万ドル KUMA 造管ミル増設:3百万ドル 4非財務関連目標 環 境国内CO2排出量(スコープ1+2)2013年度比 35%減(2023年度 30.8%減)人的資本ワクワクしながらイキイキと働ける職場づくりと成長に向けての人材確保安 全全従業員の安全と健康を確保した快適な職場づくり (2)経営環境及び対処すべき課題等について今後の見通しにつきましては、日本経済の持ち直しに力強さが欠ける先行き不透明感、米国の通商を始めとする各種政策の影響に加え、中東情勢がもたらす世界的な景気後退リスクもあり、引き続き厳しい状況が見込まれます。日本国内では、引き続き鋼材需要が盛り上がりに欠け、販売数量の確保が難しい状況となっています。米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)は、足元1,000$/トンを超える水準で推移しておりますが、関税政策影響や景気後退感に伴う鉄鋼市場の動向に注視してまいります。このような情勢のもと、丸一鋼管といたしましては、第7次中期経営計画の最終年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別には以下の通りとなっております。(日本)国内単体事業につきましては、中小建築分野を始め需要回復は期待薄で、足元の販売実績からも厳しい販売数量が続く見通しですが、最低販売数量の確保に向けて全社一丸となって取り組んでおります。コイル仕入価格は値上げの強い要請を受けており、コスト意識を強く持ち需要低迷の中ではありますが、製造経費などのコスト上昇分の販売価格転嫁に鋭意積極的に取り組んでスプレッド確保に努めてまいります。丸一ステンレス鋼管㈱は、BA管は半導体需要の回復遅れ等の厳しい状況が続いておりましたが、足元では半導体向け案件の受注が上向きになりつつある中で、高採算品の受注拡販なども含め、利益確保に鋭意取り組んでおります。設備投資関連では、ステンレス鋼管事業の拡大のため、下関の丸一ステンレスパークに丸一鋼管としてステンレス溶接鋼管工場の建屋を昨年7月に着工、丸一ステンレス鋼管㈱として大型プレス工場の建屋を昨年9月に着工するなど順調に進めております。また、単体では基幹系システムの刷新を予定しており、営業・生産・間接部門の業務効率化等の生産性向上を図ってまいります。(北米)北米事業につきましては、関税問題や景気後退懸念もある中ですが、米国HRC価格は足元では上昇傾向が続き受注は好調に推移しており、鉄鋼市場の動向を注視しながらスプレッドの確保と在庫の適正管理に注力しております。また、米国のMST-X社では、受注量が少なく年間赤字実績でしたが、足元では半導体向けプロジェクト案件の受注も入り、半導体以外の自動車やオイル&ガス市場への拡販も含め、黒字転換の見通しです。メキシコMaruichimex社では、ユーザーである日系自動車メーカーの米国向け輸出について関税影響も軽微で、販売数量の増加を見込んでおります。また、新設のモンテレーの第2工場では、自動車以外の鋼管需要分野開拓の営業体制を強化する中で、新工場の立ち上げを急ぎます。(アジア)アジア事業につきましては、中国の過剰生産からの輸出価格の影響で市況の下落混乱が続いております。ベトナムSUNSCO社では、米国向け表面処理鋼板の輸出はアンチダンピング問題の影響で厳しく、米国向けパイプ受注やベトナム国内での建築需要回復に伴う付加価値製品の拡販に取り組んでおり、販売数量は前年度比増加としております。ベトナムSUNSCO(HNI)社でも、現地EV二輪メーカーへの取組みも含め販売数量は前年度比増加としております。インドKUMA社では、四輪市場の需要が急回復し、加えて環境規制強化から商用車向け大径排気管需要が増加しており、四輪および二輪車用排気管需要増に対応したグジャラート工場の新2インチラインからの出荷も順調に進んでおります。フィリピンのMPST社では、二輪メーカーの現地生産の拡大を背景に受注を確実に取込み販売数量は引き続き増加しており、生産性向上に向けた自動高速切断機の導入に続き、増産に向け新設した第2工場からの出荷も純増となります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、これらの事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1)丸一鋼管製品の需要動向に伴う経営成績への影響について丸一鋼管グループで製造・販売している各種鋼管及びメッキ鋼板製品は、店舗・工場・倉庫などの中低層建造物の建築資材、自動車等輸送機器向け、ビニールハウス向け農芸用資材、公共施設・各種工場やプラントにおける電線管、配管用の資材及び道路標識や街灯の支柱などが主たる用途です。したがって、中低層の建築投資、輸送用機器の生産量、企業の設備投資及び公共投資、及び丸一鋼管製品ユーザーの生産動向等によって、連結経営成績は影響を受ける可能性があります。 (2)原材料市況の変動等について丸一鋼管グループが取扱っている各種鋼管は、熱延コイルを主要原材料としておりますが、熱延コイルの市況は世界の鉄鋼原料及び鉄鋼製品の需給動向等によって変動いたします。丸一鋼管グループでは、国内外の高炉メーカーを原材料の仕入先として安定した価格での購入と適正な販売価格体系構築に努めておりますが、原材料の価格が上昇し、販売価格への転嫁が十分に図れない場合等には、連結経営成績に影響が出る可能性があります。 (3)製品クレームによるリスク丸一鋼管グループでは、各種の規格、品質管理基準に従って製品を生産し、需要家のニーズに応えるべく品質の維持向上に万全を期しておりますが、全ての製品に欠陥が無いとは限らず、製造物賠償責任等に伴う費用が発生する可能性があります。 (4)固定資産の価値下落について丸一鋼管グループが保有している固定資産について収益性が低下し投資の回収が見込めなくなった場合、固定資産の減損損失が発生し連結経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)有価証券並びに投資有価証券等の価値変動丸一鋼管グループの有価証券及び投資有価証券は、総資産の約2割を占めており、主な内容は、丸一鋼管の関係会社株式、主要な取引先の株式及び債券となっております。丸一鋼管グループでは、時価のある有価証券については、期末日時点での時価が取得原価に対して30%以上下落した場合、減損処理を実施しております。このため、株式市場の低迷等、丸一鋼管グループが保有する有価証券並びに投資有価証券の時価が大きく変動した場合、連結経営成績に影響が出る可能性があります。 (6)技術変化への対応について丸一鋼管グループは鋼管製造において成熟された技術力を有し、高品質・多品種・小ロットといった顧客の需要に応える生産体制を整えており、同業他社に対して優位性を確保しておりますが、鋼管製造において技術革新が起きた場合、丸一鋼管の優位性が失われ連結経営成績に影響を受ける可能性があります。 (7)自然災害・パンデミック・事故等のリスク丸一鋼管グループでは、国内外において需要地生産体制をとり、生産拠点を需要地に設けることで自然災害やパンデミックに対するリスクを分散しております。また、工場等の安全対策として安全教育部による従業員教育を徹底して実施しておりますが、地震や風水害等の大規模災害、パンデミックの発生や事故等により丸一鋼管グループの工場操業に支障が出た場合、連結経営成績に影響を受ける可能性があります。 (8)地政学リスク、カントリーリスク丸一鋼管グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安、通貨危機等が発生した場合、丸一鋼管グループの事業に大きな影響を与えるリスクがあります。 (9)事業活動にかかる環境規制丸一鋼管グループは太陽光発電設備の導入や環境対応塗料の採用を進め、環境負荷の低減に取り組んでまいりましたが、二酸化炭素の排出量削減などを義務付ける新たな環境規制が導入された場合には、丸一鋼管グループの事業活動に制約を受けたり、規制に適合する設備更新などに多額の費用が発生し連結経営成績に影響が出る可能性があります。 (10)法規制について丸一鋼管グループはグローバルに事業を展開し、各国における法令並びに条例を遵守しておりますが、貿易摩擦等で関税の引き上げや、輸出入に関する規制が強化されることにより事業活動に支障が生じた場合、連結経営成績に影響を与えるリスクがあります。 (11)人的資源の確保について丸一鋼管グループは国内の労働力人口の減少への対応や海外で活躍できる人材の育成と現地人材のレベルアップのため、女性の採用や海外研修に積極的に取り組んでおります。また、再雇用制度による技術継承や設備更新による省力化を進めております。これらの施策が計画通りに進まず優秀な人材を確保できなかったり、技術継承が行えなかった場合、丸一鋼管グループの継続的発展に影響を与えるリスクがあります。 (12)情報セキュリティ丸一鋼管は情報セキュリティポリシーを策定し情報管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により顧客・取引先等の機密情報、従業員の個人情報や営業秘密が漏えいした場合、丸一鋼管グループの社会的評価や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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