東北特殊鋼グループは、東北特殊鋼および連結子会社4社により構成されており、その主な事業内容は次のとおりであります。
(1)東北特殊鋼および東北特殊鋼の関係会社の事業における東北特殊鋼および関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
特殊鋼事業………………… 東北特殊鋼は、特殊鋼メーカーとして各種特殊鋼鋼材を製造しているほか、機械部品、工具などの加工製品ならびに熱処理加工を行っており、多品種、小ロット、短納期対応を東北特殊鋼の特色としております。
東北特殊鋼は、主要原材料の大半をその他の関係会社である大同特殊鋼㈱およびその子会社の大同興業㈱を通じて仕入れており、大同特殊鋼㈱および大同興業㈱を通じて東北特殊鋼製品の一部の販売を行っております。
子会社である東特エステートサービス㈱からは工場用地の賃借および清掃・警備業務の支援を受けております。また、原材料の一部の購入および製品の一部の販売を子会社である東特興業㈱を通じて行っております。海外子会社であるTOHOKU Manufacturing(Thailand) Co.,Ltd.およびTOHOKU STEEL INDIA PRIVATE LIMITEDは、タイ、インドにおいて特殊鋼事業を展開しております。
不動産賃貸事業…………… 東北特殊鋼の旧長町工場用地は、再開発のため子会社東特エステートサービス㈱に賃貸しております。東特エステートサービス㈱は、商業施設として建設したショッピングセンターを㈱西友に賃貸し、メンテナンス業務を請負っております。
(2)事業の系統図は次のとおりであります。
東北特殊鋼グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において東北特殊鋼グループが判断したものであります。
(1)経営方針
東北特殊鋼は、創立の精神である『高級特殊鋼を製造し、産業界に貢献する』に基づき、特殊鋼素材開発、製造、精密部品加工、熱処理、表面処理から成るバリューチェーンを活かした特徴ある商品をお客様に提供しております。また、お客様とのコラボレーションによる新たな商品開発も含め、多方面で新しい技術開発に取組んでおります。さらに、海外での生産活動も積極的に進め、タイとインドの生産拠点と連携し、グローバルに広がるお客様の多様なニーズに応えております。
2024年度は、前年度から続く厳しい経営環境の下、「事業改革待ったなし 今こそ発揮、チーム力」をスローガンに掲げました。全社一丸で特殊鋼事業の収益力強化を最重要課題として事業改革を進め、これからも産業界の発展ならびに人々の豊かな暮らしに貢献できるよう挑戦し続けてまいります。
(2)中期経営計画の実績
東北特殊鋼グループは2021年に「中期経営計画(2021年度~2023年度)」を策定し公表しました。2021年度から当連結会計年度の3年間は、当計画の中で掲げた基本コンセプト「技術変革の激流をも力に変え 社会の期待を先取りし応え続ける『開発機能会社』への進化」に従い、各活動計画を実行してまいりました。
①特殊鋼事業
a.特殊鋼事業全般
「コア技術集結、強み商品の拡販」をテーマに、上方・下方生産弾力性の確保及び市場深掘り、新規需要の捕捉に取り組んできました。
上方・下方生産弾力性の確保としては、コロナ禍を発端に不安定となった受注環境下でも安定した収益獲得を目指して、生産設備の新設や人材流動性の確保に努めました。特に、電動車や半導体製造装置等の次世代成長市場向けの高機能材料の生産能力を強化するため、真空誘導溶解炉や磁気焼鈍炉の大型の設備投資を行いました。人材流動性の確保としては、需要変動により商品の受注構成が大きく変化したとしても生産体制を維持できるよう、生産ラインを超えた配置換えや応援を通して人員の多能工化を進めました。これらの施策により、将来の需要増加に備えると共に、需要減少の際でも柔軟な人員体制により生産の効率化を図ります。
市場深掘り、新規需要としては、高付加価値商品を中心に既存市場や隣接市場での営業活動を推進してきました。その成果として、次世代成長市場での新規受注を獲得または試作品を納入しております。
しかしながら、この中期計画期間では、東北特殊鋼グループの原価低減活動を超える原材料やエネルギー等のコスト上昇があり、収益性は著しく低下しております。東北特殊鋼グループで吸収できないコストの上昇分を販売価格に転嫁できるよう、お客様へ丁寧に説明しながら値上げ活動を続けてまいります。
b.新事業・新商品
「オープンイノベーションを基軸とした事業化・新商品開発加速」をテーマに、コア技術を活用した研究開発活動を実施しました。
東北特殊鋼が開発した電気と振動を双方向で変換できる磁歪クラッド材を用いた商品開発では、農業向け害虫防除機器の量産モデルが開発完了しており、販売に向けて体制を整えているところです。同じく磁歪クラッド材を用いた振動発電センサーでは宮城県の補助金を受けパートナー企業と開発を進めています。いずれも東北特殊鋼が開発した材料を用いた機器開発であり、東北特殊鋼の強みである材料開発力と用途開発力を融合した商品開発を進めてきました。
また、2022年度に採択された新エネルギー・産業技術総合開発機構のグリーンイノベーション基金事業「次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトの中で、東北特殊鋼は次世代モーター用素材の開発を担当しております。2023年度には開発用設備の導入が完了し、2030年以降の商品化を目指して活動に取り組んでおります。
今後も東北大学や東北大学金属材料研究所等の研究機関と連携しながら、世界的なカーボンニュートラル実現に向けて、積極的に新事業の創出と新商品の開発を進めてまいります。
c.海外事業
「国内外事業の連携による市場変革への対応」をテーマに、海外の現地子会社と連携強化を図りました。
タイの精密加工事業では、日本国内の精密加工事業と連携することで、新商品の受注や生産プロセスの確立等の効果がありました。現在は、内燃エンジン用途の精密加工商品を主に生産しておりますが、タイ国内でも自動車の電動化が進み、日本国内と同様に内燃エンジン用途の需要は縮小するものと考えております。今後も日本国内と連携を強化し、収益基盤の安定化を図ります。
インドの特殊鋼鋼材事業では、インド国内の自動車と二輪車の生産台数増加による特殊鋼需要を十分に取り込むことができず、受注計画を達成することができませんでした。インド市場における特殊鋼需要の見極めと販売体制の強化が課題となります。
d.事業基盤
「技術変革の激流を力に変え、乗り越えるための体幹づくり」をテーマに、企業風土改革やDX推進活動を進めてきました。企業風土改革では、企業の基礎となる人事制度の見直しや会議体の統廃合を行い、コミュニケーションや部門横断活動を促進する環境を整えてきました。DX推進活動では、ITツールの利用促進や社内のITリテラシー向上を図り、各従業員が主体的に業務のDX実現に向けて取り組んできました。また、博士号取得支援制度の新設、女性の働きやすさの向上等、人的資本への投資を実行してきました。
②不動産賃貸事業
2022年3月の福島県沖地震の影響で修繕費用が増加しましたが、中期計画期間の3年間を通して安定した売上高を計上し、東北特殊鋼グループの利益に貢献しました。
(3)経営環境及び対処すべき課題
東北特殊鋼は、「中期経営計画(2021年度~2023年度)」を策定の際、2030年の東北特殊鋼ビジョンとして「迫り来る革新的モビリティ・エネルギー・デジタル社会 その激流に流されず、変化を御してよりよい社会づくりのために高機能材を提供し続ける」を設定しました。この2030年ビジョンからバックキャスティングしたコンセプト「技術変革の激流をも力に変え 社会の期待を先取りし応え続ける『開発機能会社』への進化」に従い、この3年間は活動を実施してまいりました。新たな「2026中期経営計画」では2030年ビジョンを踏襲し新たなコンセプト「『開発機能会社』への前進と柔軟な事業の転進」をコンセプトに実施計画を策定しました。
東北特殊鋼を取り巻く環境は、自動車の電動化、カーボンニュートラル、IT技術の進化、そして爆発的なAIの普及等、これまで経験したことがないスピードで変化しています。また、それぞれの分野で国際的な競争が激化しており、各種コストが高騰する中で、より良いものを需要環境に応じて柔軟に生産しお客様へ提供することが求められてきています。このような環境の中で、東北特殊鋼グループが策定した新たな中期経営計画に沿って以下の活動を実施してまいります。
①特殊鋼事業
a.本業での収益力強化
2021年度から原材料やエネルギー等のコストが上昇しており、東北特殊鋼ではコストの上昇分を原価低減活動で吸収することが困難になってきております。併せて、事業の継続的な成長のため、研究開発活動や人的資本への投資を続けながら設備の維持更新も必要となります。また、半導体製造装置産業を中心とした慢性的な需要変動により理想的な操業水準が予測困難な状況となっており、コストの固定費負担が大きくなっています。
2024年度から2026年度の3年間は、これまで同様にコスト上昇についてお客様へ丁寧な説明を行い、販売価格の値上げを進めてまいります。
自動車産業では生産台数が回復基調、かつ半導体製造装置産業では日本国内で半導体企業の進出が増えている状況ですが、サプライチェーンの上流における特殊鋼の需要はまだ先行きが不透明です。既存商品に係る特殊鋼の需要が低位な状況でも、東北特殊鋼は収益を確保するため、高付加価値商品を中心とした拡販活動を強化してまいります。
b.ポートフォリオ改革
特殊鋼事業の売上高の約7割は自動車産業向けであり、その大部分はエンジンバルブ用耐熱鋼や燃料噴射装置用電磁ステンレス鋼の特殊鋼鋼材並びに自動車燃料系統用途の精密加工商品が占めています。今後、これらエンジン用商品の需要は縮小すると見込んでおりますが、その他の用途で需要がある電磁ステンレス鋼等の高機能材料について、市場シェアの拡大を図ります。
また、現在東北特殊鋼グループの中で磁歪クラッド材や拡散接合技術の収益貢献はわずかではありますが、マーケティングの結果潜在的な需要があることがわかりました。これらの商品や技術が将来の収益に貢献できるよう、個々の需要を捉えて事業成長を図ります。
各部品メーカーに材料として納入している特殊鋼鋼材や特殊合金は、東北特殊鋼売上の約8割を占めております。いずれも直接的に完成品として使用されず、部品メーカー向けの材料販売としてサプライチェーンの上流に位置しています。東北特殊鋼商品を安定的に市場へ供給するため、及び完成品における東北特殊鋼商品のシェア拡大のため、精密加工事業への投資や垂直型M&Aによるサプライチェーン下流域への事業拡大の可能性を模索してまいります。
c.研究開発活動
2024年度から2026年度の3年間は、毎期特殊鋼事業の売上高の2.5%を目標として研究開発活動に割り当てていきます。次世代モーター用素材の開発、及び磁歪クラッド材を用いた振動発電デバイスの開発を推進します。
②不動産賃貸事業
旧長町工場用地に建設した商業施設である「ザ・モール仙台長町」を中心とした不動産価値の最大化が課題です。インターネット通信販売の普及や人口減少により、実店舗での販売は減少傾向が見られますが、これからも「安全・安心・快適」な施設作りとビルメンテナンスの提供を行い、集客力の維持・向上を図ります。また、地域や近隣店舗との連携を強化し、仙台市長町エリアの活性化を目指します。
不動産賃貸事業は東北特殊鋼グループの収益基盤を下支えしておりますが、2023年度以降もより一層の安定したキャッシュインフローを生み出せるよう、事業投資を継続します。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
東北特殊鋼グループは、産業のグローバル化を背景に厳しい価格競争を強いられる事業環境のなか、さらなる経営基盤の強化・持続的発展に向けた戦略投資に向けて積極的に資源配分しつつ、収益確保を目指しております。
2026中期経営計画では、最終年度の2027年3月期において連結売上高260億円、連結営業利益23億円を目標としております。
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実績 |
中期経営計画 |
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2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
2026年度 |
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連結売上高(億円) |
213 |
230 |
250 |
260 |
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連結営業利益(億円) |
12 |
14 |
20 |
23 |
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ROS(連結営業利益/連結売上高) |
5.9% |
6% |
8% |
9% |
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ROE(連結当期純利益/連結純資産) |
3.6% |
4% |
5% |
6% |
(1)東北特殊鋼のリスクマネジメント体制
東北特殊鋼はリスクマネジメント基本方針の中で、「リスクマネジメントおよびコンプライアンスが東北特殊鋼グループの持続的な発展に不可欠なものであると認識し、リスクマネジメントおよびコンプライアンスを最重要課題の一つとして重視する経営を実践する」ことと定めております。この基本的な考え方のもと、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ・リスクマネジメント委員会を設置しています。サステナビリティ担当役員、リスクマネジメント担当役員およびコンプライアンス担当役員のもと、東北特殊鋼グループの持続的な発展の実現と社会の持続可能な発展への貢献を目指して、社会の中で責任ある存在としての役割や企業活動、発生が予想されるリスクおよび潜在的なリスクのマネジメントについて審議します。サステナビリティ・リスクマネジメント委員会で審議した内容、及び個別リスクへの対応等については取締役会へ報告しております。
(2)リスクマネジメントプロセス
・リスクの総合的、統一的把握・評価
東北特殊鋼にとって不利な影響を与え得る事象をリスクと定義し、各事業部門でリスクを抽出します。サステナビリティ・リスクマネジメント委員会では、抽出した各リスクを統合・分割した上で、東北特殊鋼グループへの影響度と発生頻度を評価しリスクマップを作成します。その中で重点管理すべきリスクを個別リスクとして特定します。
・各個別リスクへの対応計画の決定と実行
サステナビリティ・リスクマネジメント委員会では、各個別リスクに対して主管部門(個別リスク主管部門)を割り当てます。個別リスク主管部門は各個別リスクへの全社対応計画(発生抑制策、危機発生時の対応策、教育・啓発等)を策定します。全社対応計画に従い、各事業部門では個別の対応計画を策定し実行します。
・活動のモニタリング
個別リスク主管部門は、各事業部門の活動をモニタリングし、その結果をサステナビリティ・リスクマネジメント委員会へ報告します。サステナビリティ・リスクマネジメント委員会では報告の結果を受け、必要に応じて個別リスク主管部門へ対応方針の見直しを指示します。
(3)個別リスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
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①収益性の維持 |
影響度:大 |
発生確率:大 |
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○リスク 東北特殊鋼グループの特殊鋼事業では特殊鋼鋼材、特殊合金及び精密加工製品の製造販売、並びに熱処理加工の受託加工を行っております。各商品の製造原価に占める割合が最も高いものは原材料で、鉄だけではなくクロムやニッケル及びその他の希少元素が含まれており、これらの市況価格によって原材料価格が変動します。次に割合が高いものは各生産工程において使用する電気とLPGによるエネルギー費用で、原油価格や為替変動によって変動します。このように、特殊鋼事業の製造原価の大部分が、市場の需給バランスや世界情勢の影響を受けやすいものとなっております。 次に、特殊鋼事業では、お客様の要求に応え高品質・高機能な商品を安定供給するため、加工が難しい特殊鋼の製造に特化した設備を一定の規模で揃える必要があります。併せて、東北特殊鋼は特殊鋼鋼材や特殊合金の金属材料の製造販売を主な収益源としており、価値のある新しい機能材料を生み出し社会に供給し続けるため、材料の開発活動を継続しなければなりません。よって、特殊鋼事業では、設備の減価償却費や研究開発費等の固定費の負担割合が高くなっております。 近年は、コロナ禍を発端とした世界的なサプライチェーンの混乱、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、及び中東情勢の悪化等、原材料や電力費用等の製造コストが高騰する可能性が高まってきています。製造コストの高騰により、減価償却費や研究開発費等の固定費が回収できない場合、東北特殊鋼グループの業績に重要な影響を及ぼします。 |
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○対応 東北特殊鋼グループでは、原材料や電力等の製造コストの高騰について、お客様に丁寧な説明を行い、適正に販売価格に反映できるよう値上げ活動を実施していきます。しかしながら、高騰した製造コストを全て販売価格に反映することは困難であることから、高付加価値商品を中心とした拡販活動を強化してまいります。特に、過年度までに投資を実行した真空誘導溶解炉や磁気焼鈍炉を最大限活用し、電磁ステンレス鋼などの高機能材料を拡販していきます。これまで取り組んできた企業風土改革やDX推進活動をさらに進め、DXによって生まれた人的リソースを柔軟に値上げ活動や拡販活動の営業活動に投入していきます。 |
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②エンジン用商品市場の縮小 |
影響度:大 |
発生確率:大 |
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○リスク 特殊鋼事業の主要な需要先である自動車産業では電動化が進み、エンジン用商品の市場は縮小すると見込んでおります。東北特殊鋼グループの売上高の約7割は自動車産業向けであり、その大部分をエンジンバルブ用耐熱鋼や燃料噴射装置用電磁ステンレス鋼の特殊鋼鋼材並びに自動車燃料系統用途の精密加工製品が占めています。エンジン搭載車の販売台数が減少する等した場合、東北特殊鋼グループの業績に重要な影響を及ぼします。 |
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○対応 東北特殊鋼グループは、これまでバッテリー式電気自動車(BEV)を含めた次世代自動車向けの需要探索をしてきました。その中で電磁ステンレス鋼は、エンジン廃熱が利用できないBEVのエアコン用途として需要があることが判明しました。今後も関連する部品メーカーと情報を共有し、東北特殊鋼商品の需要補足を図ります。 次に、水素等の新エネルギーに関して、東北特殊鋼商品の燃料電池自動車や水素燃料自動車の燃料系統の材料としての需要も見えてきました。水素やアンモニア環境下での材料特性を調査し、顧客に対して東北特殊鋼商品の優位性を訴求してまいります。 自動車産業以外では、半導体製造装置等の新しい分野での需要の創出、新規用途の拡大を目指した取り組みも進めてまいります。今後のシリコンサイクルの回復による受注拡大の機会を逃さないよう、在庫の適正管理及び社内の生産能力の検証を実施します。併せて、既存商品以外についても半導体製造装置での用途調査を行い、拡販アイテムや顧客の選定を進めてまいります。 上記の他にも、錆びにくい電磁石である電磁ステンレス鋼等の電磁材料は電動化社会の中で利用領域が広がると見込んでおります。市場が縮小するエンジン用商品の生産ラインも含めた商品ポートフォリオの見直しを実施してまいります。 |
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③重要設備トラブル |
影響度:大 |
発生確率:中 |
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○リスク 東北特殊鋼の本社工場は1990年に現在の宮城県村田町に移転し、30年以上が経過しております。これまでも定期的な設備修繕や更新を実施してきましたが、大型の工場インフラや設備では老朽化が進み、生産活動の停止や有害物質の漏洩等の可能性があります。 工場インフラや主要な設備で故障が発生した場合、生産停止の長期化による売上高の減少と修繕費用の増加により東北特殊鋼業績に影響を及ぼします。また、東北特殊鋼の製造工程には酸洗処理や有機溶剤での洗浄処理がありますが、これら工程の設備では老朽化により薬液槽から薬液漏洩の重要設備トラブルの可能性があり、漏洩した場合には薬液除去費用が発生します。 |
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○対応 東北特殊鋼グループの工場保全活動では、法定点検だけではなく独自の課題抽出と補修計画の策定により、不具合の早期発見と重大な設備故障や事故の防止に努めております。大型の工場インフラと主要設備については、個別に保全スケジュールを策定し、計画的な修繕・更新を実施してまいります。 長期の工場停止に対しては、設備稼働中のトラブル予兆を適時に検知できるよう、従業員向けの点検、異常検知、簡易復旧の各手法の教育を進めてまいります。 生産活動の停止を伴う大規模な修繕や更新については、生産調整や外注加工を活用し商品出荷への影響を最小限に抑えるよう努めております。 また、故障診断や消耗品の劣化検知のためのIoT化並びに重要な消耗品管理のデジタル化等を積極的に進め、管理の効率化、省力化を図りトラブルの早期発見に努めてまいります。 |
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④客先への不正データ提出 |
影響度:大 |
発生確率:中 |
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○リスク 東北特殊鋼では品質マネジメントシステムを導入しております。その中で、お客様と商品の仕様について取り決め、その仕様に合致するよう品質検査を行うことになっております。原則、品質検査に合格した商品のみをお客様へ納入しております。品質検査の結果は検査証明書としてお客様へ商品納入時に発行しております。品質検査の合否については東北特殊鋼基幹システム内で判定されており、不合格品は出荷できないよう制限されています。なお、不合格の内容によってはお客様の承認を得た場合のみ出荷制限が解除可能となっておりますが、出荷制限の解除には独立した品質管理部門の承認を必要としております。しかし、一般的に組織的な不正を完全に防止することは困難であり、お客様へ不正データを提出する可能性があります。 品質結果の合否は基幹システムで判定することになっておりますが、その基となる情報は各種分析・検査装置で作成したものとなります。すべての装置について、基幹システムとのデータ連携を構築していないため、一部の情報は手入力で行っております。そのため、誤入力の恐れがあり、結果的にお客様へ不正データを提出する可能性があります。 お客様へ不正データを提出してしまった場合、商品の返品、交換、損害賠償請求等の費用が発生し業績に重要な影響を及ぼします。また、対象の商品が市場へ流出し重大な事故が発生した場合は、東北特殊鋼グループの信用力低下や取引量減少及び売上高減少の影響があります。 |
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○対応 東北特殊鋼では基幹システムで商品品質の合否判定の後、品質管理担当者による検査証明書のダブルチェックを実施しており、誤入力した情報の外部流出を防いております。 品質マネジメントシステムは毎期外部の認証機関による外部監査を実施しております。外部監査では、品質検査で不合格となった商品の出荷手続も含めて品質マネジメントシステム全体の各種手続に不正がないことを確認しております。 |
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⑤客先からの重大品質クレーム |
影響度:大 |
発生確率:中 |
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○リスク 東北特殊鋼グループでは、徹底した品質検査・保証管理体制を構築し、安定した品質の維持に努めております。しかしながら、すべての商品に不良がなく、製造物責任賠償が発生しないという保証はないことから、予期せぬ事情により品質不適合品がお客様へ納入される可能性があります。その場合、商品の返品、交換、損害賠償請求等の費用が発生し業績に重要な影響を及ぼします。 |
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○対応 東北特殊鋼グループでは商品の品質リスクを排除し、お客様のニーズにお応えするため、製造部門において定期的に品質検討会を開催し、顧客ニーズや品質課題に関する情報の共有、課題に対する対処を行っております。 |
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※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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