くすりの窓口は、様々な業種の店舗のインターネット予約サービスを展開する株式会社EPARKの調剤薬局部門として2015年8月に事業を開始しました。EPARKの名を冠した調剤薬局の予約サービスからスタートし、その後、調剤薬局のニーズを捉えた予約サービスとは別の独自事業を自社開発し、展開してまいりました。さらに近年では、医療機関や介護施設向けのシステム・サービスも展開し、くすりの窓口が標榜する「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」としての機能の拡充を図っております。
そうした機能の実現のため、くすりの窓口は、連結子会社10社、関連会社1社とともにグループを構成しております。くすりの窓口については、東京本社の他、札幌、名古屋、大阪、広島、高松、福岡に拠点を設け、全国を対象に営業活動を行っております。また、東京本社にはコールセンターを設置し、顧客からの問い合わせや要望に応えられる体制を整備しております。
くすりの窓口グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、以下の4つの事業を運営しております。これら事業の収益は、各種サービス導入前のコンサルティング等の対価として得られる「ショット売上」、月額利用料などの固定金額及び処方箋ネット受付売上や仕入れサポートサービスの手数料など利用量に応じて変動する金額として契約に基づいて将来にわたって継続的に得られる「ストック売上」に区分されます。
(1)メディア事業
「メディア事業」のコンセプトは「医療と患者をつなぐプラットフォーム」です。患者の利便性、薬局の効率性・生産性などの向上を目的としたサービスを展開しております。株式会社EPARKが調剤薬局部門の予約サービス「処方便」として開始した事業が端緒ですが、会社分割によってくすりの窓口が事業を譲受し、くすりの窓口内にシステム開発部門を設置のうえ機能改善・拡充等の開発を繰り返し、くすりの窓口独自の発展を継続しております。
①EPARKくすりの窓口
くすりの窓口は、調剤薬局・ドラッグストアといった薬局の検索サイト/アプリ「EPARKくすりの窓口」を運営しております。立地や営業日など様々な条件を指定して薬局を検索できる他、患者が医療機関から受け取った処方箋をサイト/アプリ経由で指定した薬局に送ることで、処方薬受取りの予約ができる機能を有しております。薬局にとっては、処方する医薬品の準備が予めでき、患者にとっては、待ち時間の短縮につながるなど、双方にメリットが生まれます。また、待ち時間の短縮により、薬局店舗内のウイルス感染等を防止することにもつながります。主な事業収益は、ストック売上として薬局からの処方箋のインターネット予約に係る手数料収入です。患者からの初回予約があった場合に当該患者に係る初回登録手数料が発生し、その後は初回よりも金額を抑えた手数料が当該患者に係る登録管理料として毎月継続します。この収益の一定割合をロイヤリティとして株式会社EPARKへ支払っております。
②EPARKお薬手帳
くすりの窓口は電子お薬手帳アプリ「EPARKお薬手帳」を運営しております。患者自身が処方箋を読み取って処方された医薬品の情報を登録できる他、飲み忘れ防止のためのアラーム発信機能、血圧値や体温の登録などPHR(Personal Health Record)管理機能等を有しております。薬局側では、くすりの窓口と契約のある薬局であれば、自店で処方した医薬品の情報を自動で患者のお薬手帳に登録したり、患者のお薬手帳に登録された過去の処方歴を自店のPC等で確認するなどが可能となっております。また、薬局だけに留まらずさまざまな医療機関との連携を行っております。直接的な収益はありませんが、くすりの窓口の事業を個人ユーザーに知ってもらうための入口のツールとなる他、「EPARKお薬手帳」上でいつも利用する薬局をかかりつけ登録することでホーム画面上に表示でき、薬局を検索することなく処方薬受取りの予約ができるため、「EPARKくすりの窓口」の利用促進・リピートにつながり、ストック売上を維持します。
(事業系統図)
(2)みんなのお薬箱事業
「みんなのお薬箱事業」のコンセプトは「医薬品卸と薬局をつなぐプラットフォーム」です。薬局に対して様々なソリューションを提供するためにくすりの窓口が開発してきた独自事業であり、医薬品卸事業者と薬局における医薬品の流通改善を支援し、薬局経営の効率性・生産性及び医薬品卸事業者の業務効率などの向上を目的としたサービスを展開する事業であります。
①仕入れサポートサービス
くすりの窓口は、株式会社E-BONDホールディングスとの業務提携により、薬局や医療機関が医薬品の仕入れを効率化できる「仕入れサポートサービス」を展開しております。サービス加盟店が同社の子会社である株式会社ウィーズを通じて医薬品卸事業者と取引を行うものであり、個々の薬局等が単独で取引を行うのと比較してボリュームが大きくなることによって、条件面でのスケールメリットを享受することを目的としたスキームです。くすりの窓口と株式会社ウィーズとの合弁会社である株式会社J-Seedは、「仕入れサポートサービス」における取引の管理業務を担っております。くすりの窓口グループの主な事業収益は、ショット売上としてサービス開始に向けたコンサルティングに係る収入、ストック売上として薬局等と医薬品卸事業者との間の医薬品売買における取引薬価、売買価格に応じて算定される手数料収入です。また、株式会社ウィーズ及び株式会社J-Seedに対して、事業収益より一定割合を手数料として支払っております。
②eオーダーシステム
くすりの窓口は、薬局や医療機関における医薬品の在庫管理システム及び自動発注システムの機能を有する「eオーダーシステム」を提供しております。薬局等のレセプトコンピュータと「eオーダーシステム」を連携させることにより、人工知能(AI)が患者ごとの処方歴を把握し、必要な医薬品の種類と量を判断して自動的にリストアップします。それを基に自動的に医薬品卸売事業者に、「仕入れサポートサービス」加盟店であればくすりの窓口グループを経由して、医薬品の発注が行われます。これにより薬局等における過剰在庫の抑制、欠品の防止、薬剤師の事務負担軽減といった効果を目指すものです。主な事業収益は、ショット売上として利用に必要な各種設定の代行に係る収入及びストック売上としてシステム利用料収入です。
(新事業系統図)
③みんなのお薬箱
くすりの窓口は、医薬品売買ニーズマッチングサイト/アプリ「みんなのお薬箱」を提供しております。薬局において処方されずに不動在庫となった医薬品を売りたい薬局と、不足している医薬品を買いたい薬局のニーズをマッチングさせ、売買を仲介します。これにより、全国の薬局のデッドストックを有効利用し、各薬局においてはコスト削減につなげることを目指したサービスです。売却の方法は、「みんなのお薬箱」において購入希望者を募る「出品」と、くすりの窓口子会社の株式会社ピークウェルが「買取」を行ったうえで同社が「みんなのお薬箱」に出品するという2種類があります。購入者は、「みんなのお薬箱」から買いたい医薬品を探して購入を申し込む他、店舗における医薬品ごとの月間使用量をAIが分析し、それに応じて出品されている医薬品を自動的に購入するメニューも用意しております。くすりの窓口グループの主な事業収益は、ストック売上として売買が成立した医薬品の薬価に応じた手数料収入です。
(事業系統図)
(3)基幹システム事業
「基幹システム事業」のコンセプトは「医科、薬局、介護のデータ連携プラットフォーム」です。「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」を実現するためのラインナップの充実を企図し、医療機関、薬局、介護施設に必要な事務処理システムや情報システム等を販売しております。これらは主にくすりの窓口子会社(くすりの窓口に吸収合併済の会社を含む)が行っており、主要な商品は以下の通りです。主な事業収益は、ショット売上として機器類納入代金や初期設定代行に係る収入とストック売上として保守料収入です。
(4)その他事業
くすりの窓口は、顧客及び個人ユーザーのニーズ及びウォンツを汲み取り、最適なサービスの企画を立て、短期間に開発を行い、市場に展開し、また改善を加えていくことを常に心掛けており、それに基づく新規事業開発が進められています。その中のひとつが、全国の健康保険組合から委託を受け、くすりの窓口顧客である調剤薬局やドラッグストアの店頭にて健康保険組合加入者に対して生活習慣病等に係る健康保健指導を行うサービスです。早い段階から健康保健指導を行うことによって将来の発病可能性の抑制を目指すものであり、増加する我が国の医療費の削減に資する事業であると考えております。加盟健康保険組合数、特定保健指導実施数とも増加しており、くすりの窓口はこれを「未病予防事業」として第4の柱事業とすべく展開していく方針です。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてくすりの窓口グループが判断したものです。
(1)経営の基本方針
くすりの窓口グループは、ヘルスケア領域にこれまでにない新しい価値を提供する、との経営方針のもと、調剤薬局、医療機関、介護施設などの顧客の収益と生産性向上に貢献すること、個人ユーザー(患者)にこれまでにない利便性を提供することを念頭に置き、各種事業を展開しております。くすりの窓口グループでは、これまでEPARKサービスにおける薬局分野としてスタートした調剤薬局の検索及び処方箋予約に始まり、電子お薬手帳、独自の事業として展開を開始した薬局不動在庫の売買プラットフォーム、医薬品共同仕入れ、オンライン診療支援システムなど、調剤薬局をはじめとする顧客と個人ユーザー向けにサービスを拡大してまいりました。今後も、提供するサービスの質を一段と向上させ、顧客からの信頼をさらに高めながらサービスの一層の充実を図ってまいります。
(2)経営戦略
くすりの窓口グループは、調剤薬局、医療機関、介護施設などの顧客、個人ユーザー、医薬品卸売事業者などの医療関係者をつなぐ医療プラットフォームの形成を戦略として掲げております。医療関係者に対してより大きな価値を提供できるサービスを取り揃えることで、医療関係者は生産性の一段の向上と経営効率、収益の改善を、また個人ユーザー(患者)はより高い利便性を実現し、下記のくすりの窓口グループのサービスを活用していただくことで医療関係者からもたらされる蓄積された情報をもとに、くすりの窓口グループから医療関係者へあらたな価値を提供していく双方向の関係を構築し、くすりの窓口グループが医療関係者にとってなくてはならないプラットフォームとなることを目指します。
調剤薬局:レセプトコンピュータ、電子薬歴システム、医薬品共同仕入れ、医薬品売買のマッチングサービス
医療機関:医療事務コンピュータ、電子カルテシステム、順番待ちシステム
介護施設:介護請求システム、介護費用システム
個人ユーザー(患者):調剤薬局の検索及び処方箋予約、電子お薬手帳
医薬品卸売事業者:医薬品共同仕入れ
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
くすりの窓口グループは、調剤薬局をはじめとする医療関係者にとって、なくてはならないプラットフォームになることを目指しており、下記の事項を重要な経営指標としています。
①「EPARKくすりの窓口」予約件数
②医薬品受発注在庫管理システムによる流通金額
③医科、薬局、介護の各業界基幹システム利用数
(4)経営環境
①市場環境
我が国の経済においては、ウクライナ情勢等による地政学的リスクとそれに伴うエネルギー価格など物価の高騰も引き続き懸念されると同時に、円安の継続もあり不透明な状況が続くと想定されます。
② 顧客基盤と動向
わが国では、急速な高齢化の進展により医療費が増加しています。このため、中長期的には市場の拡大が見込まれる一方で、薬価・調剤報酬改定等を通じた医療費削減など現在の医療体系の変革が急務となっております。くすりの窓口グループの主要顧客であり全国に約6万店ある調剤薬局は一部大手チェーンが展開する店舗と個人事業主等が経営する中小店の二極化が見られますが、いずれも一層の経営効率化を求められる状況にあります。また、新型コロナウイルスの広がりも契機となってオンライン診療、オンライン服薬指導等の非対面型医療サービスへのニーズも高まる方向にあり、くすりの窓口グループによるプラットフォームが必要とされる場面が増えると想定されることから、ニーズに対応できる体制を一層強化してまいります。
③ 競合他社の動向と競争優位性
くすりの窓口グループが提供しているサービス分野においては、異業種も含めた他社が類似サービスによって参入してくることもあり、今後競争が激化することも考えられます。従いまして、競合他社とのサービスの内容や特徴等の差別化が課題となりますが、くすりの窓口グループは、「EPARKくすりの窓口」を利用する個人ユーザー(患者)の獲得と主要顧客である調剤薬局へのサービス展開で先行し、参入障壁が高いヘルスケア分野で事業基盤を有していること、また高い専門性を有し、顧客のニーズを速やかに反映できる開発力をくすりの窓口グループ内に有していることを強みとした競争優位性があると考えております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
①顧客基盤の拡大とサービス利用の深耕
くすりの窓口グループの主要顧客は調剤薬局であり、顧客数と個人ユーザー数を拡大することが一義的な課題です。薬局ポータル処方箋予約サービス「EPARKくすりの窓口」では、掲載薬局数や掲載情報が多ければユーザーのご希望に叶う薬局、ご希望のお薬を探せる機会が増え、医薬品価格交渉・共同購入サービス「みんなの共同仕入れサービス」では、加盟薬局数が増えることで、価格交渉力強化による生産性向上が期待でき、医薬品不動在庫売買プラットフォーム「みんなのお薬箱」では、加盟薬局数が増えれば売買取引の機会が増えるなど、くすりの窓口サービスは、利用する顧客やユーザーが増え、利用頻度が上がることでより利便性を増すものとなっております。そのため多くの調剤薬局にくすりの窓口サービスにご加盟頂き、また積極的にご活用いただくことが、「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」という経営戦略を実現していくためのくすりの窓口の主たる課題となります。また、加盟数及び活用の増加は、直接的な収益のみならず、広告収入や、一般消費者に対する間接的な他サービスの提供など、副次的な収益の基盤ともなるものです。
②医療分野及びヘルスケア分野への展開
くすりの窓口グループは、調剤薬局を主要対象業種として事業展開を行っておりますが、処方箋予約と併せ、オンライン診療又はオンライン服薬指導の予約サービスを取扱う、電子お薬手帳の情報を個人ユーザーの健康管理にご活用頂く、など、医療分野及びヘルスケア分野との関りを強化していくことが顧客及び個人ユーザーの利便性向上に不可欠です。くすりの窓口グループは、「医療とユーザーを繋ぐプラットフォーム」とのコンセプトのもと、医療分野及びヘルスケア分野への展開、個人ユーザーの利便性向上を企図しており、同分野においても、業界内の確固たる地位を築くことを課題としております。
③競合との差別化
くすりの窓口グループが提供しているサービス分野においては、異業種も含めた他社が類似サービスによって参入してくることもあり、今後競争が激化することも考えられます。処方箋ネット予約、電子お薬手帳、オンライン診療及び服薬指導等、従前であれば、いわゆるDX化を行うだけでも価値が認められましたが、これらが当たり前となる今後の事業環境においては、競合他社とのサービスの内容や特徴等の差別化が課題と考えております。
④新サービス開発、提供のスピード
競争激化が予想される事業環境において競合サービスに対抗していくためには、差別化されたサービスを迅速に提供し、拡大していくことが不可欠と考えております。くすりの窓口グループは専門性の高いグループ企業群を有しており、顧客のニーズを速やかにサービスに反映できる自社開発力が強みのひとつであると考えておりますが、顧客及び個人ユーザーのニーズ及びウォンツを汲み取り、最適なサービスの企画を立て、短期間に開発を行い、市場に展開し、また改善を加えていく、というPDCAサイクルをいかに迅速かつ適切に回していくかが調剤薬局をはじめとする医療関係者に新たな価値を提供していくためのくすりの窓口グループの課題と考えております。
⑤社内体制の整備について
くすりの窓口は、外部委託していた受発注や代金請求業務その他の管理業務を第17期連結会計年度(自2020年4月1日至2021年3月31日)より順次内製化し、社内体制の整備強化に努めておりますが、これらの業務の効率化及び適正化や、そのための継続的なシステム構築も課題と考えております。
⑥人材の確保及び育成
くすりの窓口グループが成長を継続し、事業基盤を強化していくためには、サービス、システムの開発や営業などの各部門において優秀な人材を確保、育成し、性別、国籍、人種等にとらわれない多様性のある人材を登用していくことがくすりの窓口グループの経営戦略を進めていくうえで必要と考えております。そのため、各種情報発信による採用活動の継続、社内研修制度の充実、適切な人材配置、人事評価の実施等を行い、更なる組織の強化に努めてまいります。
⑦流動比率について
第20期連結会計年度における流動比率は114.3%となっております。くすりの窓口は「みんなの共同仕入れ」サービスにおいて関連会社グローバル・エイチ株式会社を通じて医薬品卸事業者から薬局への請求代行業務を代行しており、医薬品の売買代金の授受における回収と支払のサイト差による資金余剰ができるスキームを構築していることがその要因です。そこで、資金余剰額を常時管理し、さらに複数の取引銀行に当座貸越極度を設定し、スキームの安定運用を図っております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてくすりの窓口グループが判断したものであります。
また、くすりの窓口グループはリスク管理のための機関として、リスクマネジメント委員会、リスク管理会議、グループ会社会議を設置し、各種リスク事項のモニタリングとそれに応じた対策の検討を行い、リスク顕在化の予防を図っております。詳細については、「第4 [提出会社の状況] 4 [コーポレート・ガバナンスの状況等] (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」をご参照ください。
1.市場環境に関するリスク
(1)市場環境の変化について
(発生可能性:低/影響度:中/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループの顧客は、調剤薬局、医療機関、介護施設などであり、急速な高齢化の進展により医療費削減など医療体系の一層の変革を求められる状況にある顧客のニーズにマッチしたサービスの提供に努めておりますが、くすりの窓口サービスに対するニーズは顧客のIT投資意欲の影響を受ける面があります。経済環境の悪化や景気低迷等により、急激な環境変化が発生し、顧客のIT投資意欲が減退した場合には、くすりの窓口グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)技術革新の影響について
(発生可能性:低/影響度:中/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループが事業を展開するITサービス業界では、絶えず新しい技術が開発され、それに伴う新しいサービスの提供も頻繁に行われております。くすりの窓口グループにおいては、顧客に対するサービス向上のため、継続的にシステムの開発を行うなどして技術革新への対応を講じておりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、あるいは想定していない新技術・新サービスが登場した場合、くすりの窓口の技術や競争力が低下する事も考えられ、その結果、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)競合他社による影響について
(発生可能性:低/影響度:中/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループは、調剤薬局、医療機関、介護施設等を対象にITサービスを提供しておりますが、各サービスにおいてそれぞれ競合する企業があります。そのためくすりの窓口グループにおいては、顧客に対するサービス向上やサービスラインナップの充実に継続的に努めております。しかしながら、競合事業者のサービス向上や優れた競合事業者の登場などによってくすりの窓口グループの競争力が低下する可能性があり、その結果、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
2.事業内容に関するリスク
(4)情報セキュリティについて
(発生可能性:低/影響度:大/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループでは、情報セキュリティにおける国際標準規格ISO/IEC27001(通称ISMS)、日本工業規格JIS Q 15001(通称プライバシーマーク)の認定を受けるなど、情報管理体制の整備強化に努めておりますが、個人情報の中でも機微な医療、健康分野における情報を取り扱っていることから、これらが漏洩するような事態が生じるとくすりの窓口グループの経営成績や財務状態に影響を与える可能性があります。また、くすりの窓口システムにおいても、十分な検査を行うよう努めておりますが、不具合等が生じるとこちらもくすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)システム障害について
(発生可能性:低/影響度:大/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループが提供するサービスは、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、社内管理体制を充実させ、情報技術の進歩に応じた対応ができるよう努めております。しかしながら、自然災害やシステム運用の誤り等偶発的な事由によりシステム機能が低下し、サービスの提供に支障が生じる可能性があります。また、外部からの不正な手段によってコンピュータ内に侵入され、重要なデータを不正利用、消去されたり、コンピュータウイルスの感染によってシステムが機能停止となる可能性があります。こういった状況を回避するため、ウイルス対策ソフトの導入やインターネット接続境界へのファイアーウォール設置などの対策を重ねて講じておりますが、重大なシステム障害が発生した場合、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)クレーム・訴訟について
(発生可能性:中/影響度:小/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループは、本書提出日現在において重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、今後、調剤薬局や医療機関などの顧客との間で予期せぬトラブルが発生し、クレームや訴訟に発展する可能性があります。くすりの窓口はコールセンターを設置し、クレームに個別に対応して解決を図る他、何らかのトラブル発生時には再発防止策を検討し、類似のトラブル再発を回避することに努めておりますが、クレーム・訴訟等の内容や結果によっては、多大な対応費用の発生や企業イメージの悪化などにより、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)風評リスクについて
(発生可能性:中/影響度:小/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループは広く一般の個人をユーザーとし、全国の調剤薬局、医療機関、介護施設を顧客としているため、SNS等にくすりの窓口グループに対する評価や意見が投稿されることがあります。くすりの窓口グループではそれらについてモニタリングを行い、必要に応じて事実確認を行ったり、サービスの改善に取り組むなどしております。しかし、くすりの窓口グループに対して何らかの否定的な風評が広まった場合等には、その内容の真偽に関わらず、くすりの窓口グループに対するユーザーや顧客からの信頼が低下し、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
3.法的規制に関するリスク
(8)法令、業界規制の改正について
(発生可能性:低/影響度:中/発生可能性のある時期:特定時期なし)
a.診療報酬改定の動向
厚生労働省により、通常2年に1度診療報酬の改定が実施されますが、予期しない大幅な改定が行われるなどした場合には、くすりの窓口グループのオンライン診療・服薬指導システム、医薬品価格交渉・共同購入サービス「みんなの共同仕入れサービス」の利用ニーズを低下させ、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
b.広告等に関する規制
くすりの窓口グループが調剤薬局等に対してサービスを説明する際に使用する広告は、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」「保険医療機関及び保険医療養担当規則」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」などの法令の規制対象となり、誇大表現や誤認させるような表現の禁止他、様々な遵守すべき事項が規定されております。くすりの窓口グループでは、これらの規制を遵守するために、広告や説明資料について事前に法務部門の点検を実施しておりますが、法令の改正等によって広告等の記載内容が大幅に制限されるなどがあった場合は、営業戦略の変更を余儀なくされ、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
c.上記以外の医療、ヘルスケア分野における政策、規制事項等
上記の他、医療、ヘルスケア業界においては、オンライン資格確認、電子処方箋など様々な取り組みが開始されており、医療、ヘルスケア分野におけるIT化を進めてきたくすりの窓口グループにとって好機と捉えられる反面、これらの内容や条件によっては、くすりの窓口サービスにマイナスの影響を及ぼすことも想定されます。くすりの窓口グループでは、これら政策や法規制等を把握し迅速にサービスに反映させるよう努めておりますが、その内容や条件によっては、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)許認可事業について
(発生可能性:低/影響度:小/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口が運営する医薬品売買ニーズマッチングサイト/アプリ「みんなのお薬箱」においては、くすりの窓口子会社の株式会社ピークウェルが不動在庫となった医薬品を薬局から買取り、他の薬局に販売しています。同社は東京都による医薬品販売許可を取得しており、医薬品販売事業者が遵守すべき事項を全て遵守したうえで同サービスを展開しておりますが、何らかの理由により許認可が取り消された場合、同サービスを継続することが難しくなり、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)知的財産権について
(発生可能性:低/影響度:小/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループは、顧客ニーズに基づくサービス開発の過程において得た技術・ノウハウ等について、積極的に特許等をはじめとした知的財産権を確保するよう努めております。また、くすりの窓口が他社の知的財産権を侵害しないよう十分に留意し、疑義ある場合には弁理士に調査を依頼するようにしております。第三者によりくすりの窓口グループの知的財産権が侵害された場合や権利侵害をくすりの窓口グループが行ったとして係争を起こされた場合には、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
4.事業運営体制に関するリスク
(11)グローバル・エイチ株式会社との関係について
(発生可能性:低/影響度:中/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口は「みんなの共同仕入れサービス」においてグローバル・エイチ株式会社と業務提携を行っております。同社はくすりの窓口が49%、I&H株式会社が51%を出資するくすりの窓口の持分法適用会社です。同社が医薬品卸事業者との価格交渉を行い、くすりの窓口が同サービスの販売を行うという関係にあり、重要な事業パートナーです。今後も同社との提携継続により同サービスを拡大していく方針ですが、何らかの理由により同社との取引や提携関係が継続できない場合、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)株式会社光通信、株式会社EPARK及びEPARKグループ会社との関係について
(発生可能性:低/影響度:中/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口は、株式会社光通信の子会社である株式会社EPARKが展開する多様な業種業態への予約サービスの薬局業種向けの調剤予約、処方箋送信サービスを会社分割により譲受して事業開始しております。また、事業開始にあたり、株式会社光通信が子会社として保有していた休眠会社を社名変更したうえで利用したのがくすりの窓口の起源です。その後、くすりの窓口株式は株式会社光通信から株式会社EPARKに譲渡されました。このようにくすりの窓口の事業開始には、株式会社光通信と株式会社EPARKが密接に関わっております。現在は、以下の関係があります。
a.オフィシャルパートナーシップ契約と共通サービスプラットフォーム利用について
くすりの窓口は、EPARKサービスを提供するに際し、株式会社EPARKとオフィシャルパートナーシップ契約を締結し、株式会社EPARK及びEPARKグループ企業とEPARKサービス共通の会員、予約に関するサービスプラットフォームを共有しております。また、当該契約に基づき株式会社EPARKに対して主に下表の通りロイヤリティ及びサービスプラットフォーム利用料等を支払っております。これらの取引により、EPARKサービスの薬局分野であるくすりの窓口メディア事業において、EPARK会員という数千万人のユーザー基盤を活用できるという大きなメリットがある他、それら会員情報に係るセキュリティを確保しつつ事業推進していくために必要不可欠の取引であります。取引条件については、両社の協議に基づき決定されており、適宜見直しを行って適正な水準を維持することとしております。
EPARKサービスに関する事業の売上の割合は、当事業年度において35.1%となっておりますが、同社またはその親会社である光通信の意向により、同社との契約に予期しない変更や解約がなされた場合、同社グループとの共通サービスプラットフォームを利用できず、EPARKサービス事業の展開に支障を来すなど、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(単位:千円)
b.くすりの窓口株式の保有について
株式会社EPARKは、当事業年度末日現在、くすりの窓口株式の28.6%を保有しており、くすりの窓口は同社の関連会社に該当します。また、NBSEヘルステック投資事業有限責任組合への出資を通じた間接保有を合わせると、同社の持株比率は39.8%となります。同社における今後のくすりの窓口株式保有方針は未定でありますが、仮に株式売却によりくすりの窓口が関連会社でなくなった場合にも、オフィシャルパートナーシップ契約に基づく取引が継続されることを確認しております。
しかし、同社またはその親会社である株式会社光通信の意向により、株式市場でくすりの窓口株式が売却された場合、短期的に株式の需給バランスの変動が生じる可能性があり、くすりの窓口の株価に影響を与える可能性があります。
c.独立性の確保について
くすりの窓口は、株式会社光通信、株式会社EPARK及びEPARKグループ企業から役員もしくは出向社員の受入れはなく、今後も行わない方針です。また、EPARKサービス共通会員に対する各種施策の実施については株式会社EPARKの承認が必要となりますが、それ以外のくすりの窓口グループの経営上の決定事項について株式会社光通信、株式会社EPARK及びEPARKグループ企業に対する事前承認事項や事前協議事項はありません。このように、くすりの窓口は自らの意思決定により独立した事業展開を行っており、株式会社光通信、株式会社EPARK及びEPARKグループ企業によるグループ経営の対象に含まれておりません。また、EPARKグループにおいて調剤薬局の予約サービスを行う企業はなく、競合関係もありません。しかし、株式会社EPARKについては、前述のようにくすりの窓口事業における重要な取引関係がある他、間接保有分と合わせると実質筆頭株主としての影響力がある資本関係を有していることから、くすりの窓口グループと株式会社EPARKまたはその親会社である株式会社光通信との関係に変化が生じた場合、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)業務提携、資本提携、M&Aに関するリスクについて
(発生可能性:低/影響度:小/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループは、企業価値向上の有効な手段のひとつとして、引き続き、他社との業務提携、資本提携、M&Aを検討していく方針であります。そうした案件を進める際には、第三者による相手方の調査や事業計画の検証などを行い、可能な限りの対象会社の情報収集に努めておりますが、提携等により期待した効果が得られなかった場合、対象会社の財務状況等により提携等の維持が困難になった場合などは、保有株式やのれんの減損処理を行う可能性があり、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(14)人材の確保及び育成について
(発生可能性:低/影響度:中/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口グループ事業においては、競合他社と差別化された新たなサービスを継続的に提供し続けていく必要があることから、それらの能力を持った人材を確保し育成していくことが課題と考えております。具体的には、新たなサービスを具現化するシステム開発人員とそれに対する営業人員の採用と教育が大きなポイントとなります。そこで、インセンティブ制度や教育の強化を推進しながら採用活動に取り組んでおりますが、情報通信分野は人材の流動性が高く、くすりの窓口の計画通りに十分な人員の確保ができない場合、くすりの窓口グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)特定人物への依存について
(発生可能性:低/影響度:中/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口の代表取締役社長である堤幸治は、株式会社EPARKにおける飲食業向け予約サービスやくすりの窓口の調剤薬局向け予約サービスの開始に携わり、現在は、調剤薬局向けサービスにとどまらず、くすりの窓口事業全体の業務執行を牽引しております。また、くすりの窓口の代表取締役会長である田中伸明は、フリービット株式会社の起業をはじめとしたこれまでのアントレプレナーとしての豊富な経験に基づき、くすりの窓口の将来を見据えた舵取りを行っております。このように両氏は、くすりの窓口の経営方針や事業戦略の決定及びその遂行について重要な役割を果たしております。現在くすりの窓口は、事業拡大に伴って権限委譲や業務分掌の明確化に取組み、両氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指しておりますが、何らかの理由により両氏のいずれかまたは双方がくすりの窓口の業務を継続することが困難となった場合には、くすりの窓口の事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。
5.財務状況等に関するリスク
(16)投資事業組合のくすりの窓口株式保有割合について
(発生可能性:高/影響度:小/発生可能性のある時期:1年以内)
当事業年度末日現在において、2つの投資事業組合がくすりの窓口株式を5,005,400株保有しており、発行済株式数の45.6%を占めております。SBIイノベーションファンド1号は、業務執行組合員であるSBIインベストメント株式会社がくすりの窓口の将来性を評価し、2016年2月にくすりの窓口株式1,250株及びくすりの窓口新株予約権付社債2,300株相当、同年11月にくすりの窓口新株予約権付社債6,000株相当を取得しました。それら新株予約権の行使等により、当事業年度末日現在の持株比率は17.0%となっております。また、NBSEヘルステック投資事業有限責任組合は、くすりの窓口株式を10,600株保有していたフリービット株式会社による全株売却の意向を受け、代表取締役会長である田中伸明によってその受け皿として設立され、2020年10月にくすりの窓口株式10,600株を取得しました。その結果、当事業年度末日現在の持株比率は28.6%となっております。同投資事業組合には田中伸明が議決権の100%を保有する日本事業承継アントレプレナーズ株式会社が10.5%の出資を行っており、くすりの窓口持株比率に換算すると3.0%程度となりますが、田中伸明は同投資事業組合の無限責任組合員である日本事業承継アントレプレナーズ株式会社の代表取締役として全株式に関する議決権行使を単独でできる状態にあります。
これらの投資事業組合がキャピタルゲインを目的に市場でくすりの窓口株式を売却した場合、短期的に株式の需給バランスの変動が生じる可能性があり、くすりの窓口の株価に影響を与える可能性があります。
(17)くすりの窓口株式の流動性について
(発生可能性:低/影響度:中/発生可能性のある時期:特定時期なし)
くすりの窓口は、上場時の公募増資及び売出しによってくすりの窓口株式の流動性の確保に努めましたが、株式会社東京証券取引所の定める上場維持基準は25%であるところ、流通株式比率は当事業年度末日現在において25.5%程度であります。今後は、大株主への一部売出しの要請、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等により、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、くすりの窓口株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりくすりの窓口株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(18)配当について
(発生可能性:高/影響度:小/発生可能性のある時期:1年以内)
くすりの窓口は、財務基盤強化を目的とした内部留保の充実を図っており、事業開始以来配当を実施した実績はありません。当事業年度においても、くすりの窓口の成長を継続させるとともに、さらなる財務面の健全性を強化することが中長期的に株主の利益に資すると考え、無配と致しました。しかしながら、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、早期の配当実施を目指してまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー