東邦亜鉛(5707)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】東邦亜鉛グループは、東邦亜鉛と子会社14社で構成され、非鉄金属製品の製造販売、環境・リサイクル事業、電子部材・機能材料の製造販売を主な内容とし、子会社を通じ物流その他サービス事業を展開しております。東邦亜鉛グループの事業内容及び東邦亜鉛と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 製錬事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・連結財務諸表提出会社(以下、「東邦亜鉛」という。)は、非鉄金属製品の製造販売を行っております。鉛及び銀製品の製造については東邦契島製錬㈱、販売については東邦亜鉛が行っております。環境・リサイクル事業・・・・・・・・・・・・・・・電炉ダストからのリサイクル製品である酸化亜鉛を中心に東邦亜鉛で製造販売を行っております。電子部材・機能材料事業・・・・・・・・・・・・・・ノイズフィルターを中心とする電子部品は主として中国・ベトナムの加工業者に加工を委託し、東邦亜鉛で販売しております。電解鉄は東邦亜鉛で製造販売を行っております。金属リサイクル事業・・・・・・・・・・・・・・・・当連結会計年度より事業再生計画に基づき亜鉛製錬事業を当事業に再編しました。各種メタルの製品加工及び環境ダスト処理を東邦亜鉛にて行っております。その他事業 (1)土木・建築・プラントエンジニアリング事業・・連結子会社の㈱ティーディーイーが設計施工、製造及び販売を行っております。 (2)その他事業・・・・・・・・・・・・・・・・・物流、環境分析などのサービス部門は、主として連結子会社の安中運輸㈱、契島運輸㈱、東邦キャリア㈱及び㈱中国環境分析センターが行っております。 なお、現在取り組んでいる事業再生計画の一環として、前連結会計年度において事業撤退を決定した資源事業につきましては、当連結会計年度において事業撤退を完了いたしました。 事業の系統図は次のとおりであります。 (注)連結子会社(○印)11社(前連結会計年度は11社)、持分法適用会社(※印)該当なし(前連結会計年度は該当無し)
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において東邦亜鉛グループが判断したものであります。 (1) 経営方針東邦亜鉛は現在、事業再生計画を完遂させるべく鋭意取り組んでおります。その推進にあたり私たちが社会およびお客様に対して提供する価値を改めて見直す必要があると認識し、2026年4月7日開催の取締役会において、2026年6月開催予定の第127回定時株主総会において定款の一部変更が承認されることを条件として、商号を「東邦亜鉛株式会社」から「東邦メタリクス株式会社」へ変更することを決議いたしました。ベースメタルからレアメタル・貴金属まで、また製錬からリサイクルまで幅広く金属を取り扱う東邦亜鉛の事業領域を的確に表現する新たな社名の検討を進める中で、これまで培ってきた価値観や、東邦亜鉛に求められる役割について、改めて議論を重ねてきました。こうした議論を通じて整理された、社員ならびに経営陣の想いと決意を踏まえ、東邦亜鉛グループの存在意義である「ミッション」、目指す姿である「ビジョン」、および行動指針である「バリュー」からなる経営理念体系(MVV)を、以下の通り再定義いたしました。 ●存在意義 有限な資源を、無限の価値に磨き抜いた技術で、鉱石のみならず、捨てられるモノからも価値を見出し、産業に不可欠な製品を生み出す。有限な資源を無限の価値に変え、循環社会の実現に挑み続ける。それが、私たちの存在意義です。 東邦亜鉛グループは、これらの理念を全社員で共有し、一人ひとりの行動の指針とすることで、直面するさまざまな課題に挑戦し続けてまいります。また、これらの理念を、事業再生計画および今後の事業運営・意思決定の基盤として具体的施策に反映し、社会に対して新たな価値を提供するとともに、持続的な成長の実現を目指してまいります。 (2) 経営環境2025年度における東邦亜鉛グループを取り巻く経営環境は、具体的には「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」の《経営環境》に記載したとおりであります。 (3) 優先的に対処すべき事業上の課題① これまでの経緯東邦亜鉛グループは2024年12月に事業再生計画を取りまとめ、株式会社アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンド及び株式会社辰巳商会による総額75億円の第三者割当増資による財政支援を受け、当該計画を実行しております。本再生計画は、不採算事業となっていた資源事業からの撤退及び亜鉛製錬事業の再編を実行し、経営資源を鉛・銀製錬、環境・リサイクル、金属リサイクル及び電子部材・機能材料で構成する基盤・成長事業へ適正に配分し、変化に挑戦する企業文化・意識改革を推し進めて新しい東邦亜鉛へ成長することを目指しております。当期においては、資源事業の撤退は完了し亜鉛製錬事業の再編も実施しました。また、初年度の数値目標も達成しており、本再生計画は着実に実行されております。2026年2月には、更なる事業再生及び持続的な成長の実現による企業価値向上に向け、 1. 製錬事業を中心とした工場DXに対する投資2. 回収元素のバリエーション拡大、高純度化、難処理複雑鉱石処理に対する投資3. 廃バッテリー・巣鉛増産処理に伴う工程整備組織体制強化に対する投資 を柱とする「事業再生計画の加速に向けた競争力強化投資」の概要を公表するとともに、新株予約権による資金調達を開始しました。加えて、2026年3月に公表したとおり、事業構造改革を目的とする組織改正も実行し、更なる企業価値向上を目指すための体制を整えました。 ② 今後の見通し東邦亜鉛グループは、2025年4月からの5年間を事業再生期間とし、永続的に成長する企業体へ進化するための期間であると位置付けております。初年度となる当期の状況は上述のとおりですが、2年目である2026年度につきましては、外部環境に依存しない自らの力で収益を創出する基盤固めの1年であると考えております。 1. 操業安定の徹底安全・安定操業の確立、トラブル未然防止/再発防止 2. 収益力の強化原料ベストミックスの高度化、二次原料からの有価金属回収強化 3. 全社構造改革の加速施策効果による改善積上げ、低収益事業・資産の見直し 4. 投資テーマにおける検討強化事業の競争力強化投資の検討推進、非連続な成長を見据えた機能強化 以上四つの基本方針をもとに事業再生と企業価値の向上に取り組み、社会インフラを支えるリサイクリングのリーディングカンパニーを目指します。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】東邦亜鉛グループの経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において東邦亜鉛グループが判断したものです。 (1) 市況関連① 金属価格製錬事業における原料鉱石価格と製品価格は、LME(ロンドン金属取引所)やその他の国際市場の価格を基準としております。国際市場の価格は、需給バランスや投機筋の思惑、政治や経済の状況などから影響を受けて変動し、価格が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、東邦亜鉛グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替相場製錬事業の主原料である鉱石は、海外から輸入しておりますが、その買鉱条件である製錬費(T/C)は米ドル建てとなっていることと、各製品の国内販売価格は米ドル建て価格を円換算したものを基礎としているため、米ドルに対する円高は東邦亜鉛グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。そのため、為替相場が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、東邦亜鉛グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ エネルギー資源価格製錬事業や環境・リサイクル事業における製造工程では多量の電力消費を伴い、また、コークスや重油等を多く使用いたします。電力やコークスの価格は原油、LNGや石炭といったエネルギー資源価格に大きく影響を受けるものであり、同価格が大幅に上昇した場合には、製造原価が大きく悪化し、東邦亜鉛グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対し、東邦亜鉛グループは根本的には市況の影響を相対的に受けにくい事業の収益拡大及び安定化を図っていくこととしております。また、当座の市況影響に対しては、市況変動のリスクヘッジを目的とした商品先渡取引、為替予約やオプション取引などを用いて対処いたします。エネルギーコスト高に対しては、製法や仕入先の工夫により対処いたします。 (2) 安全・安定操業の確保① 原材料の確保東邦亜鉛グループの主力事業である製錬事業の主原料である鉱石の確保は、経営上の重要課題です。鉱石は、そのすべてを海外の鉱山から調達しており、世界的な鉱石需給の状況や、鉱山における事故等不測の事態の発生は、東邦亜鉛グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には原料不足による減産による販売機会の喪失や、単位当たり原価の悪化による影響です。これらに対して、東邦亜鉛グループは、ペルー・豪州等の有力鉱山との間で長期買鉱契約を結ぶ等、安定的な原料確保を図っております。さらに、廃バッテリーや製鋼ダスト等のリサイクル原料の利用を増加させる等、鉱石以外の原料の多様化を図ってまいります。 ② 生産量の確保東邦亜鉛グループの主力事業である製錬事業は市況の影響を受けやすい業態です。市況のコントロールは難しいことから、計画通りの生産を行うことで販売機会を確保することが東邦亜鉛グループの業績には重要です。自然災害(地震や洪水などに加え新型コロナウイルス感染症の拡大といった病気の蔓延を含む)や操業上の事故・トラブルで操業に支障が生じて計画通りの生産が行えない場合、東邦亜鉛グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には減産による販売機会の喪失や、単位当たり原価の悪化による影響であります。これらについては、長期的な計画に沿った予防的設備保守や、安全操業のための各種施策を確実に行ってまいります。 (3) 環境問題国内外の事業所においては、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、また、国内の管理鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や堆積場の安全管理等、鉱害防止に努めておりますが、関連法令の改正等によっては、東邦亜鉛グループに新たな費用が発生する可能性があります。また、気候変動対策に対する社会的要請が急速に高まっており、東邦亜鉛ではTCFDフレームワークによる分析を実施し、リスク及び機会の把握に努めています。カーボンニュートラルの達成は気候変動対策の中核となりますが、脱炭素実現に向けた取り組みにより、原材料の調達や製造工程等において、追加的な義務(コスト)や事業形態の変更などの可能性があり、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。なお、非鉄スラグの問題(東邦亜鉛が過去に出荷した非鉄スラグの一部における土壌汚染対策法の土壌環境基準超過及び不適切な使用・混入の問題)につきましては、再発防止のため、業務執行部門から独立した専門部署として「品質保証室」、「環境・安全室」を本社に設置しており、品質保証体制を強化するとともに、今一度、環境保全に対する意識を高め、これに取り組んでまいります。 (4) 情報セキュリティについて東邦亜鉛グループが事業活動を行う上で保有する情報資産について、万一、従業員等による操作上の錯誤や不正アクセスによる紛失や盗難、サイバー攻撃やコンピュータウイルスの感染等による漏洩や改竄、関連法令への不適合などの事態が発生した場合には、東邦亜鉛グループに対する社会的信用の低下、対策費用の発生、生産プロセスの中断や取引の停止等により、東邦亜鉛グループの経営成績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。これらの情報資産を適切に保護・管理することは経営上の重要課題と位置付けており、情報セキュリティ関連規程を制定し、役職員の情報資産の保護に対する認識を高め管理を強化するとともに、社長の直轄下に経営企画部担当役員を委員長とする「情報セキュリティ管理委員会」を設置し、本委員会においてPDCAサイクルを回すことにより情報セキュリティ管理における運用体制を定期的に見直しさらなる向上に取り組んでおります。 (5) 継続企業の前提に関する重要事象等東邦亜鉛グループは、前連結会計年度より、事業再生計画に基づき収益力向上を図る施策に着手しており、当連結会計年度においては親会社株主に帰属する当期純利益を計上いたしました。他方で、自己資本比率については、前連結会計年度末比で改善したものの、13.8%と依然低い水準にあります。また、特に金・銀等の貴金属価格の変動が激しく繰延ヘッジ損益の計上による包括利益に与える影響が大きいため、自己資本のさらなる改善が必要となっております。このことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。このような状況に対して、収益を効率的に最大化するための鉱石繰り等の調達タイミングも踏まえた最適な原料構成による生産の追求や、鉛鉱石及びリサイクル原料に含まれる金・銀等の貴金属及び希少金属等副産物の回収・販売の強化、各製品の値上げや販路拡大、工場経費の削減などの施策を実行することにより、収益性の改善及び財務基盤の強化に取り組んでまいります。また、資金面においては、当連結会計年度末において、現金及び預金111億33百万円を保有するとともに、2025年2月14日において、全取引金融機関との間で債権者間協定書を締結し、事業再生計画期間として位置付ける第三者割当増資実行日(2025年3月13日)以降5年間の返済計画について合意しており、また、三菱UFJ銀行とは事業再生計画期間中における急激な市況や経済環境の変化等に対する運転資金のバックアップとして、総額50億円の貸出コミットメント契約を締結しておりますが、加えて、2026年1月30日において、三菱UFJ銀行と新たに総額100億円の貸出コミットメント契約及び当座貸越契約を締結しており、債権者間協定書に規定された財務制限条項についてもその内容が変更されております。さらには、必要資金の確保と資本増強を図るための追加の資金調達として、2026年3月16日に第三者割当の方法により行使価額修正条項付新株予約権を発行しており、その行使期間は2026年3月17日から2028年3月17日までとなっております。なお、本新株予約権の行使の状況については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (3) 行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結株主資本等変動計算書関係)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。これにより、当面の運転資金及び投資資金は確保しており、主要取引金融機関からも継続的な支援を表明していただいていることから、資金繰りに重要な懸念はないものと判断しております。以上のことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況は存在するものの、重要な不確実性は認められないものと判断しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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