大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】(チタン事業) 金属チタン(スポンジチタン、チタンインゴット)を主な製品として製造販売を行っております。 (高機能材料事業) スポンジチタンの製造工程における中間生成物である四塩化チタン及び四塩化チタン水溶液とチタン、シリコンの新用途開発品である高純度チタン、粉末チタン、SiO等の高機能材料の製造販売を行っております。 各々のセグメントごとの主要製品は次のとおりであります。 なお、当事業年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 セグメント主要製品チタン事業スポンジチタン、チタンインゴット高機能材料事業高純度チタン、SiO、TILOP®(球状チタン粉末)、粉末チタン、四塩化チタン、四塩化チタン水溶液 大阪チタニウムテクノロジーズ製品は多くの産業プロセスを経て最終製品となりますが、最終製品までの流れ(事業系統図)は次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 大阪チタニウムテクノロジーズの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において大阪チタニウムテクノロジーズが判断したものであります。 事業課題 現在、民間航空機メーカーでは、コロナ禍からの運行機数の急回復に伴い、民間航空機の受注残が増加しており ます。並行して、民間航空機エンジンメーカーにおけるMRO(メンテナンス・リペア・オーバーホール)需要も拡 大しており、航空機産業全体が成長軌道にある中で、中長期的にはスポンジチタンの需要は堅調に推移することを 想定しております。直近の民間航空機向けサプライチェーンにおける在庫調整局面が終了すれば、需要の増加によ り需要はひっ迫する見込みであり、航空機産業の成長を支えるキープレイヤーとして供給能力の確保が課題となっ ています。 一方、大阪チタニウムテクノロジーズは2018年のポリシリコン事業撤退以降、スポンジチタンの航空機産業に依存する事業構造が更に進ん でおり、会社全体の安定性やリスク分散の観点で課題を抱えております。 社会課題 持続可能な社会の実現に向け、GXは企業の社会的責任を果たすための課題と認識しています。また、我が国にお ける労働人口は更に減少する見込みであり、大阪チタニウムテクノロジーズにおいても必要な人材の確保や業務の効率化・自動化が課題とな っています。 財務課題 資本コストや株価を意識した経営は、大阪チタニウムテクノロジーズの最も重要な課題の一つであります。我が国における政策金利の正常 化に伴い、資本コストは更に上昇する見込みであり、資本効率の改善が必要であると認識しています。また、事業 拡大に伴い運転資金が増加しており、各種施策を実行するための資金確保も大阪チタニウムテクノロジーズにとって重要な課題であります。 上記課題に対処すべく、大阪チタニウムテクノロジーズは中期経営計画「OTC 2030」を策定致しました。 中期経営計画「OTC 2030」においては、新たにパーパス・ビジョンを掲げ、2026年度から2030年度を計画 期間として6つの方針を設定いたしました。 方針 チタン事業の持続的な成長に向けてスポンジチタン新工場を稼働させ、生産能力増強を図り(4万トン/年か ら5万トン/年)、航空機需要の拡大に応える供給体制を構築し、市場におけるプレゼンスの向上を図ります。ま たスポンジチタンメーカーのグローバルリーダーとしての地位を確固たるものとし、世界の航空機産業の一角を担 う企業として、さらなる国際社会への貢献を目指します。 事業ポートフォリオの面では、チタン事業にて得た収益を高機能材料事業へ重点的に投入し、他の成長分野(半 導体分野・環境分野等)の変革を図ります。なお高純度チタンや四塩化チタン等の既存の高機能材料事業において は、営業力の強化や生産性の向上にリソースを注入し、収益力の強化を図ります。 GXの推進として、コア技術を応用したリサイクル事業への参入など環境分野における事業の創出および航空機の 燃費向上に不可欠な素材としての地位確立を目指します。 人的資本経営の推進として、「採用」「育成」「活躍」の三位一体の人材戦略による人的資本の強化を図り、 人材への投資を起点としたエンゲージメントの維持・向上を実現します。 DXの推進として全社データの一元管理により、スマートファクトリー化を実現し、生産性を向上させることに 加え、ガバナンスの高度化に貢献するシステムを構築します。またDX人材の育成をベースとして、最新技術の活用 を進め、プロセスの自動化などの業務変革を推進する。 財務面では収益力の改善をPBR(株価純資産倍率)の維持・上昇に結び付けるために、資本コストの低減や期待 成長率の向上に取り組みます。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において大阪チタニウムテクノロジーズが判断したものであります。 (1)需要変動等によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズの輸出向け金属チタン(スポンジチタン、インゴット)の主要用途は高品質の航空機用であり、航空機メーカーの受注並びに航空機のメンテナンス需要の変動や海外の金属チタンメーカーの動向により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 国内向け金属チタンの多くも、電解プラント向けやプレート式熱交換器向け等の一般産業用として、展伸材メーカーから海外向けに直接または間接的に輸出されております。 そのため、チタン事業全体といたしましても世界経済の変動や多国間の通商問題等の国際的な環境要因により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 また、高機能材料事業につきましてもチタン事業と同様に、世界経済の変動や多国間の通商問題等の国際的な環境要因により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 このため、製品の新たな用途開拓、魅力ある製品の提供によりその影響を最小限にするべく努めております。 また、中東情勢を起因とする資源・エネルギー価格の高騰により、航空機メーカーの受注並びに航空機のメンテナンス需要の変動が生じ、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (2)為替変動によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズの輸出売上高の殆どが米ドル建てであり、大阪チタニウムテクノロジーズ全体の売上高に占める輸出の割合は、当事業年度実績で76.3%となっております。輸入原材料の米ドル建てでの仕入や、電力、LNG等の間接的な米ドルでの支払いを含めても、米ドルの受取超過になる傾向にあり、為替の変動により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 また、大阪チタニウムテクノロジーズは為替の変動に関して為替予約取引によるヘッジを行うなど、為替リスクを低減すべく努めておりますが、為替リスクを完全に排除することは困難であり、為替が大きく円高に振れた場合は、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (3)金利変動によるリスク 当事業年度末における有利子負債残高は498億円となります。大阪チタニウムテクノロジーズは長期借入金に関して、大半は固定金利での調達を実施することで、将来の金利変動リスクをヘッジする施策を講じておりますが、中長期的な金融情勢の変動に起因する金利率の変動により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があると想定しております。 (4)電力供給制限及び料金の変動によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズの製造工程においては、大量の電力を消費するため、設備の改良による電力エネルギーの効率化及び改善に日々努めておりますが、電力の供給に制限があった場合、また電力会社の発電構成の見直しや原油価格の変動等により電力料金の大幅改定があった場合、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 また、中東情勢は、電力供給及び料金にも影響をもたらし、結果として大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (5)原料市場の需給変動及び価格変動によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズが購入しているチタン原料等の原料価格及びそれらの輸送に関わる海上運賃等は国際的な市況、為替相場、法規制、自然災害、地政学的リスク等により影響を受けます。調達先の分散や調達先との関係強化などを通じてこれらの安定調達に努め、またチタン原料等の価格変動の大阪チタニウムテクノロジーズ製品価格への転嫁にも努めておりますが、チタン原料の需給バランスが崩れることにより調達量が制約されたり購入価格が大きく変動する場合、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (6)自然災害及び感染症等によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズの製品は全て自社工場で生産されており、大規模地震や台風等の自然災害、感染症等の大規模流行、戦争やテロ、暴動が発生した際の損害を最小限に抑えるため、緊急対応策の準備、連絡体制の整備、定期的な見直しや訓練の実施等を行っております。しかし、これら大規模災害等により直接的に被害を受ける、もしくは物流網や供給網の混乱、インフラの障害等により事業活動に支障が生じた場合には、売上高や受注高の減少、生産コストの上昇や復旧コストの発生等により大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 大阪チタニウムテクノロジーズは調達先の複数化や適正在庫の確保、並びに感染拡大を防止するための衛生管理の徹底やテレワークを行うなど、各種対応に努めておりますが、ほかにも様々なサプライチェーンの停滞による資材等の調達懸念、変異株の再流行による事業活動の制限などにより、生産活動が停滞し、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (7)重大な生産トラブルによるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズでは、全ての設備の予防保全に努めるとともに設備の安全審査、保安管理体制の強化を図り、その維持及び改善に万全を期しておりますが、万一重大な生産トラブルが発生した場合、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。また、予期せぬ設備の調整不足や操業条件の不具合による生産トラブルが発生し所定の生産量や製品品質が確保できない場合、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (8)品質に関するリスク 大阪チタニウムテクノロジーズは、素材メーカーであり、その社会的使命は、顧客が満足する製品及びサービスを安定的に供給することであると考えております。そのため、組織的な対応・維持及び継続的な改善のためのインフラ投資を行い、品質管理に万全を期しておりますが、万一品質不良、品質事故等が発生した場合は、対策コストの発生や、大阪チタニウムテクノロジーズ製品への評価の低下により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (9)競合会社との競争等によるリスク チタン事業におきましては、国内外に存在する競合他社による新製品(新素材)の上市、価格競争の激化、低価格品などへの需要シフト等に対応するため、大阪チタニウムテクノロジーズ独自の製品開発・生産技術・品質保証体制を活かし、競合他社との差別化を図っておりますが、競合他社との競争激化等により大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (10)情報の流出によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズは事業活動において顧客情報等を入手することがあり、また営業上・技術上の秘密情報を保有しており、システムを構築し事業活動を行っております。大阪チタニウムテクノロジーズはサイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐため、管理体制を構築し適切な安全措置を講じております。しかし、顧客情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や社会的信用の低下等により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合や、第三者に不正使用された場合、サイバー攻撃等によるシステム障害が発生した場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失、社会的信用の低下等により大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (11)財務制限条項への抵触によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズは借入金の一部を、大阪チタニウムテクノロジーズメイン銀行を主幹事とするシンジケートローンにて調達を行っており、財務制限条項付融資契約について、財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し大阪チタニウムテクノロジーズの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 尚、当該契約に付された財務制限条項の内容は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 (貸借対照表関係)※3 財務制限条項」をご参照下さい。 (12)固定資産の減損損失の計上によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズが保有している固定資産について、将来のキャッシュ・フローの見積りに変動が生じた場合、固定資産の減損が発生し減損損失の計上により大阪チタニウムテクノロジーズの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)繰延税金資産の金額の変動によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。 しかしながら、今後将来の課税所得の予測・仮定に変動が生じた場合、繰延税金資産の金額の変動により大阪チタニウムテクノロジーズの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)気候変動によるリスク カーボンプライシング導入をはじめとする気候変動に関する環境規制の強化などにより、大阪チタニウムテクノロジーズの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 また、近年、洪水・台風に関する被害が激甚化する傾向にあり、気候変動による災害の増加により、生産量低下、サプライチェーンの混乱などが想定されます。 尚、気候変動関連リスク及び機会と大阪チタニウムテクノロジーズの戦略の詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。 (15)人的資本の確保・育成によるリスク 大阪チタニウムテクノロジーズでは、事業の維持・成長に必要な人材の確保のために、多様な背景を持つ社員一人ひとりが持てる能力や専門性を最大限発揮し、活き活きと働くことが出来るよう、職場環境の整備や人材育成の取組を進めています。しかし、今後、少子化や人材の流動化の加速、また労働市場の需給バランスの変化などによって人材の確保が想定どおりに進まない場合には、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。 (16)知的財産に関するリスク 大阪チタニウムテクノロジーズは、各国の知的財産法を遵守し、他社と差別化できる技術と知的財産権を蓄積しグローバルに事業競争力を強化してきましたが、知的財産の保全手続きにつきましては、各国の法制度や執行制度の相違により、第三者による大阪チタニウムテクノロジーズの知的財産権への侵害に対して十分な保護が得られるとは限らず、大阪チタニウムテクノロジーズの事業が脅かされ大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性が考えられます。 また、第三者から知的財産権の侵害によるクレームや訴訟提訴等を受け、大阪チタニウムテクノロジーズに不利な判断がなされた場合は、大阪チタニウムテクノロジーズの事業活動、経営成績が影響を受ける可能性があります。 (17)法令等に関するリスク 大阪チタニウムテクノロジーズは、許認可、通商、環境、税制、独占禁止法等の様々な法令等の適用を受けています。また、脱炭素社会実現への取組は世界的に加速している状況にあり、炭素税等法規制が厳格化する可能性があります。大阪チタニウムテクノロジーズは、法令遵守が事業活動の基盤であることを認識し、企業行動規範を制定するとともに、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会の設置等により、コンプライアンス経営の強化を図っております。万一、これらの法令等への違反が認められた場合、各規制当局からの処分、訴訟の提起や社会的信用の失墜等により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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