(チタン事業)
金属チタン(スポンジチタン、チタンインゴット)を主な製品として製造販売を行っております。
(高機能材料事業)
チタン、シリコンの新用途開発品である高純度チタン、粉末チタン、SiO等の高機能材料の製造販売を行っております。
各々のセグメントごとの主要製品は次のとおりであります。
|
セグメント |
主要製品 |
|
チタン事業 |
スポンジチタン、チタンインゴット、四塩化チタン、四塩化チタン水溶液 |
|
高機能材料事業 |
高純度チタン、SiO、TILOP(球状チタン粉末)、粉末チタン |
大阪チタニウムテクノロジーズ製品は多くの産業プロセスを経て最終製品となりますが、最終製品までの流れ(事業系統図)は次のとおりであります。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
大阪チタニウムテクノロジーズの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
尚、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において大阪チタニウムテクノロジーズが判断したものであります。
現在の航空機需要は激減したコロナ禍から漸く回復し、成長軌道へ転じつつあります。また、長期化しているウクライナ情勢を発端に再編された航空機向けチタンのグローバルサプライチェーンによる代替需要が加わり、スポンジチタンの需要は更に高まっています。一般産業用途向けスポンジチタンにおきましても需要は堅調に推移しています。しかしながら、チタン鉱石等の各種原材料価格は依然として高水準に留まっており、中東情勢に起因するエネルギー価格の上昇懸念等も生じており、不安定な世界動静によって影響される事業環境の不確実性が続いています。
このような事業環境において、旺盛なスポンジチタン需要に応えるため高い工場稼働率による生産を継続しており、最大限の生産量を確保すべく生産体制の整備を進めております。また、チタン事業の収益性を確保するためにお客様の理解を得ながら販売価格の適正化を進めると共に、生産諸元の改善や操業条件の最適化等による徹底したコスト削減に取り組んでおります。これらの活動と併せて、各種工程の自動化や生産効率の向上を図り、更に将来の生産改革に繋げていくためAIやIoT技術等の先端技術を駆使したスマートファクトリー化を推進しております。
航空機の中長期的な需要は持続的な成長が予想されており、また、一般産業用途向けチタン製品に関しても需要拡大が見込まれることからチタン展伸材製造各社は生産能力の増強計画を具体化しつつあります。中長期的な需給逼迫の可能性を見据えてチタンサプライチェーンより高品質スポンジチタンの安定供給を強く要請されており、大阪チタニウムテクノロジーズチタン事業の成長とチタン業界発展への貢献の観点から、スポンジチタンの生産能力の増強計画について検討を加速しております。
一方、二つ目の中長期経営課題である事業構造の強化を図り、将来の経営ビジョンとして描く事業ポートフォリオの実現に向けて高機能材料事業の育成、強化に鋭意取り組んでおります。高機能材料事業の製品群である高純度チタンや球状チタン合金粉末(合金TILOP)は今後、大きな市場成長が期待される半導体や積層造形市場に上市しており、特長ある製品や技術を武器に市場におけるプレゼンスを高め、事業成長を促進してまいります。
一方、リチウムイオン電池用SiO負極材をはじめとする大阪チタニウムテクノロジーズの強みを発現できる新規事業の創出にも継続して取り組んでおります。これらの活動によってチタン事業を主軸とする成長戦略を補強し、安定成長のための経営基盤強化を着実に推進してまいります。
現在、以下の中期経営課題に鋭意取り組んでおります。
|
<中期経営課題> (チタン事業) ・市場の成長軌道への回帰を背景にチタン事業を中核とする持続的成長戦略への復帰 (高機能材料事業) ・高機能材料事業の成長促進により事業構造の強化を図り、収益力の補強と成長戦略の加速 (全社共通) ・財務体質の早期健全化による安定成長基盤の復元 ・カーボンニュートラル対応をはじめ環境負荷低減に向けた多面的な活動の推進 ・生産及び業務活動における生産IT技術の積極的な活用 |
それぞれの事業セグメントにおける課題は次のとおりであります。
1.チタン事業
①収益基盤の強化
・事業の継続的成長の基盤となる収益力を確保する水準への販売価格及び販売構成の適正化
・革新的な技術開発によるコスト構造の改質と環境負荷低減への貢献
・安定かつ競争力ある原料調達体制の維持と低廉原材料の利用技術の強化
②高稼働率の維持と最適生産体制の追求
・炉当たり生産性の改善による生産能力の最大活用
・職場環境改善(自動化、業務負荷低減)による労働生産性の向上
・生産技術の高度化のためのAI等の数理工学的アプローチの積極導入
③スポンジチタン生産能力の増強計画の具体化と始動
2.高機能材料事業
①高純度チタンの顧客対応力強化による事業拡大
・技術営業による顧客対応力の強化と戦略製品によるシェア拡大
・先端ニーズを先取りした特長ある製品の開発と継続的な成長機会の捕捉
・高付加価値品の拡販とロスコスト削減による収益力の更なる強化
②球状チタン合金粉末(合金TILOP)の事業基盤の強化
・合金TILOP専用工場の戦力化による事業基盤の構築
・事業推進体制の強化による提案力の向上と顧客との連携深化
・プロセス技術の継続的な開発と差別化製品の市場投入
③リチウムイオン電池用SiO負極材料の事業化加速
・顧客ニーズへのきめ細かく迅速な対応で早期事業化を推進
・商業生産の開始と事業推進体制の強化
・新製品の開発と事業拡大の検討
④高品質メニュー創出に向けた取り組みの継続
・大阪チタニウムテクノロジーズ保有技術を活用した新規事業の探索と事業化検討
・経営資源の投入による新規事業候補の事業化検証の推進
・大阪チタニウムテクノロジーズの強みを発現できる案件の追求
3.全社的取り組み
①技術開発力の強化
・生産プロセス技術の高度化に特化した組織体制の強化と社外研究機関との連携
・事業ポートフォリオの変革に向けた新たな製品や事業のための探索活動の継続
②人的資本の強化
・「採用」、「育成」、「職場環境改善」を重点テーマとした人的資本強化推進プロジェクトチームの活動開始と
成果出し
・次代を担うリーダーの計画的な育成に向けた人事施策の充実
・熟練者の経験やノウハウ等の可視化、共有化による技能伝承と技術スタッフの強化
③DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応推進
・基幹システムの刷新による業務改革の推進
・蓄積データの積極的な活用による更なる品質安定化と生産効率の向上
・スマートファクトリー化全体構想の立案と推進
④ESG取り組み
・環境負荷低減への貢献
・安全で健康な職場環境の構築
・人材育成とダイバーシティの推進
・ガバナンスの充実による持続的成長
・先端素材の開発、提供によるサステナビリティ社会への貢献
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において大阪チタニウムテクノロジーズが判断したものであります。
(1)需要変動等によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズの輸出向け金属チタン(スポンジチタン、インゴット)の主要用途は高品質の航空機用であり、航空機メーカーの受注並びに航空機のメンテナンス需要の変動や海外の金属チタンメーカーの動向により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
国内向け金属チタンの多くも、電力・化学等プラント物件向けや船舶用のプレート熱交換器向け等の一般産業用として、展伸材メーカーから海外向けに直接または間接的に輸出されております。
そのため、チタン事業全体といたしましても世界経済の変動や多国間の通商問題等の国際的な環境要因により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、高機能材料事業につきましてもチタン事業と同様に、世界経済の変動や多国間の通商問題等の国際的な環境要因により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
このため、製品の新たな用途開拓、魅力ある製品の提供によりその影響を最小限にするべく努めております。
また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化の影響は、資源・エネルギー価格の高騰や欧米の航空機メーカーによる脱ロシア依存をはじめとしたサプライチェーンの再編等多岐にわたると想定しております。
(2)為替変動によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズの輸出売上高の殆どが米ドル建てであり、大阪チタニウムテクノロジーズ全体の売上高に占める輸出の割合は、当事業年度実績で66.6%となっております。輸入原材料の米ドル建てでの仕入や、電力、LNG等の間接的な米ドルでの支払いを含めても、米ドルの受取超過になる傾向にあり、為替の変動により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、大阪チタニウムテクノロジーズは為替の変動に関して為替予約取引によるヘッジを行うなど、為替リスクを低減すべく努めておりますが、為替リスクを完全に排除することは困難であり、為替が大きく円高に振れた場合は、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(3)金利変動によるリスク
当事業年度末における有利子負債残高は401億円となります。
大阪チタニウムテクノロジーズは長期借入金に関して、固定金利での調達を実施しておりますが、中長期的な金融情勢の変動に起因する金利率の変動により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があると想定しております。
(4)電力供給制限及び料金の変動によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズの製造工程においては、大量の電力を消費するため、設備の改良による電力エネルギーの効率化及び改善に日々努めておりますが、電力の供給に制限があった場合、また電力会社の発電構成の見直しや原油価格の変動等により電力料金の大幅改定があった場合、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化の影響は、電力供給及び料金にも影響をもたらし、結果として大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(5)原料市場の需給変動及び価格変動によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズが購入しているチタン原料等の原料価格及びそれらの輸送に関わる海上運賃等は国際的な市況、為替相場、法規制、自然災害、地政学的リスク等により影響を受けます。調達先の分散や調達先との関係強化などを通じてこれらの安定調達に努め、またチタン原料等の価格変動の大阪チタニウムテクノロジーズ製品価格への転嫁にも努めておりますが、チタン原料の需給バランスが崩れることにより調達量が制約されたり購入価格が大きく変動する場合、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(6)自然災害及び感染症等によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズの製品は全て自社工場で生産されており、大規模地震や台風等の自然災害、感染症等の大規模流行、戦争やテロ、暴動が発生した際の損害を最小限に抑えるため、緊急対応策の準備、連絡体制の整備、定期的な見直しや訓練の実施等を行っております。しかし、これら大規模災害等により直接的に被害を受ける、もしくは物流網や供給網の混乱、インフラの障害等により事業活動に支障が生じた場合には、売上高や受注高の減少、生産コストの上昇や復旧コストの発生等により大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
尚、新型コロナウイルス感染症の流行による経済活動の抑制に伴う、航空機需要の減少・サプライチェーンでの生産活動の減速等による大阪チタニウムテクノロジーズチタン事業への影響は、前事業年度をもっておおむね終息したものと判断しております。
大阪チタニウムテクノロジーズは調達先の複数化や適正在庫の確保、並びに感染拡大を防止するための衛生管理の徹底やテレワークを行うなど、各種対応に努めておりますが、ほかにも様々なサプライチェーンの停滞による資材等の調達懸念、変異株の再流行による事業活動の制限などにより、生産活動が停滞し、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(7)重大な生産トラブルによるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズでは、全ての設備の予防保全に努めるとともに設備の安全審査、保安管理体制の強化を図り、その維持及び改善に万全を期しておりますが、万一重大な生産トラブルが発生した場合、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、チタン事業は、現在、欧米の航空機メーカーによる脱ロシアをはじめとしたサプライチェーンの再編による好調な需要を受け、スポンジチタンの生産設備は高稼働を続けております。そのため、予期せぬ設備の調整不足や操業条件の不具合による生産トラブルが発生し所定の生産量や製品品質が確保できない場合、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(8)品質に関するリスク
大阪チタニウムテクノロジーズは、素材メーカーであり、その社会的使命は、顧客が満足する製品及びサービスを安定的に供給することであると考えております。そのため、組織的な対応・維持及び継続的な改善のためのインフラ投資を行い、品質管理に万全を期しておりますが、万が一、品質不良、品質事故等が発生した場合は、対策コストの発生や、大阪チタニウムテクノロジーズ製品への評価の低下により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(9)競合会社との競争等によるリスク
チタン事業におきましては、国内外に存在する競合他社による競争力のある新製品(新素材)の発売、価格競争の激化、低価格品などへの需要シフト等に対応するため、大阪チタニウムテクノロジーズ独自の製品開発・生産技術・品質保証体制を生かし、競合他社との差別化を図っておりますが、競合他社との競争激化等により大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(10)情報の流出によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズは事業活動において顧客情報等を入手することがあり、また営業上・技術上の秘密情報を保有しており、システムを構築し事業活動を行っております。大阪チタニウムテクノロジーズはサイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐため、管理体制を構築し適切な安全措置を講じております。しかし、顧客情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や社会的信用の低下等により、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合や、第三者に不正使用された場合、サイバー攻撃等によるシステム障害が発生した場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失、社会的信用の低下等により大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(11)財務制限条項への抵触によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズは借入金の一部を、大阪チタニウムテクノロジーズメイン銀行を主幹事とするシンジケートローンにて調達を行っており、財務制限条項付融資契約について、財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し大阪チタニウムテクノロジーズの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
尚、当該契約に付された財務制限条項の内容は、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 (貸借対照表関係)※5 財務制限条項をご参照下さい。
(12)固定資産の減損損失の計上によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズが保有している固定資産について、将来のキャッシュ・フローの見積りに変動が生じた場合、固定資産の減損が発生し減損損失の計上により大阪チタニウムテクノロジーズの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)繰延税金資産の金額の変動によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。
しかしながら、今後将来の課税所得の予測・仮定に変動が生じた場合、繰延税金資産の金額の変動により大阪チタニウムテクノロジーズの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)気候変動によるリスク
カーボンプライシング導入をはじめとする気候変動に関する環境規制の強化などにより、大阪チタニウムテクノロジーズの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、近年、洪水・台風に関する被害が激甚化する傾向にあり、気候変動による災害の増加により、生産量低下、サプライチェーンの混乱などが想定されます。
尚、気候変動関連リスク及び機会と大阪チタニウムテクノロジーズの戦略の詳細は 第2 事業の状況、2 サステナビリティに関する考え方及び取組をご参照下さい。
(15)人的資本の確保・育成によるリスク
大阪チタニウムテクノロジーズでは、事業の維持・成長に必要な人材の確保のために、多様な背景を持つ社員一人ひとりが持てる能力や専門性を最大限発揮し、活き活きと働くことが出来るよう、職場環境の整備や人材育成の取組を進めています。しかし、今後、少子化や人材の流動化の加速、また労働市場の需給バランスの変化などによって人材の確保が想定どおりに進まない場合には、大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(16)知的財産に関するリスク
大阪チタニウムテクノロジーズは、他社と差別化できる技術と知的財産権を蓄積し事業競争力を強化してきましたが、知的財産の保全手続きにつきましては、各国の法制度や執行制度の相違により、第三者による大阪チタニウムテクノロジーズの知的財産権への侵害に対して十分な保護が得られるとは限らず、大阪チタニウムテクノロジーズの事業が脅かされ大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性が考えられます。また、第三者から知的財産権の侵害によるクレームや訴訟提訴等を受け、大阪チタニウムテクノロジーズに不利な判断がなされ大阪チタニウムテクノロジーズの経営成績が影響を受ける可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー