タツタ電線(5809)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


タツタ電線(5809)の株価チャート タツタ電線(5809)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

タツタ電線グループは、タツタ電線、連結子会社6社で構成され、電線・ケーブル事業、電子材料事業のほか、センサー&メディカル事業、環境分析事業等を行っております。
 タツタ電線グループが営む主な事業の内容と子会社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。

報告セグメント

主な事業内容

主要な会社

電線・ケーブル事業

インフラ電線事業
  建設・発電所・配電用等インフラ向け電線の製造・販売

タツタ電線

産業機器電線事業
  産業用機械向け、FA向け電線の製造・販売

タツタ電線、中国電線工業㈱、タツタ立井電線㈱、常州拓自達恰依納電線有限公司

電子材料事業

機能性フィルム事業
  電子機器向け電磁波シールドフィルム等の製造・販売

タツタ電線

機能性ペースト事業
  電子機器向け導電性ペースト等の製造・販売

タツタ電線

ファインワイヤ事業
  電子部品配線用の極細電線の製造・販売

タツタ電線、
TATSUTA ELECTRONIC MATERIALS MALAYSIA SDN. BHD.

その他事業

センサー&メディカル事業
 (センサー事業)

  漏水検知システム、侵入監視システム、入退出管理システム等の

  機器システム製品および可視光合波デバイス、光ファイバカプラ

  等のフォトエレクトロニクス製品の製造・販売

 (医療機器部材事業)

  医療用のセンサー、チューブ、電線等の医療用機器・部品・素材

  の製造・販売

タツタ電線

環境分析事業
   水質・大気・騒音・振動・臭気の測定分析、有害物質・土壌汚

   染・アスベストの調査分析

㈱タツタ環境分析センター

 

事業の系統図は次のとおりであります。



有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当期末現在において、タツタ電線グループが判断したものであります。

 

 (1)会社の経営の基本方針

タツタ電線グループは、グループの経営理念・企業行動規範に基づき、社会の持続的な発展がグループの持続的成長の大前提であるとの認識のもと、社会に役立つ製品・サービスを提供するとともに事業活動のあらゆる段階で環境負荷の低減を図ることにより、環境・社会・経済面の企業価値を高めてまいります。

また、タツタ電線は社会に役立つ製品・サービスを提供し事業拡大を目指すとともに、タツタ電線グループが事業活動を行う中で社会や環境に与える負荷を低減することを重要課題と認識しております。特に、地球環境の保護は世界的な課題でありタツタ電線グループも社会の一員として積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。このために、カーボンニュートラルの達成、省資源・省エネルギー、リサイクルなどにも精力的に取り組んでまいります。

タツタ電線グループは、これらの活動を通じてより良い社会の実現とその持続的な発展に貢献してまいります。

経営理念

タツタ電線グループは、

電線・ケーブル事業及び電子材料事業をコア事業とし、次代を担う事業の開発にも継続的かつ積極的に取り組み、活力・スピード感に溢れ、公正かつ透明性の高い連結経営を推進することにより持続的に成長し、中長期的な企業価値を向上させるとともに、

②地球環境問題に配慮しつつ、顧客ニーズにマッチした特長ある製品・サービスを提供することにより、持続的な社会の発展に貢献する。

 

 

企業行動規範

タツタ電線グループは、

1 創意工夫を凝らし、不屈の精神をもって社会・顧客の求める技術・製品を開発し、有用で安全な優れた製品・サービスを提供します。

2 地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであり、経営の基本であることを認識し、事業活動のあらゆる面において環境と人との調和を目指します。

3 従業員の人格・個性を尊重し、安全で働きやすい多様性に富んだ職場環境を確保します。
4 株主、取引先、地域社会等の社外における関係者との間で、健全で良好な関係を築きます。
5 国内外の法令及び社内規程を遵守し、社会規範や倫理に則って公正な企業活動を行います。
6 企業活動に関する情報を適切かつ公正に開示して、経営の透明性を高めます。

 

 

 (2)中長期的な会社の経営戦略

タツタ電線グループの経営理念を実現すべく、タツタ電線グループは2017年から2025年までの9年間におけるタツタ電線の事業運営のあり方について、グループの有するコアコンピタンスや今後の社会の課題やニーズ、トレンドを踏まえ、コアビジネスである電線・ケーブル事業及び電子材料事業の今後の目指すべき方向・ありたい姿(ビジネスモデル)を定めた長期事業戦略である「2025長期ビジョン」を策定いたしました。

長期ビジョンでは、既にタツタ電線が相当以上の競争力を有する事業の更なる強化に加え、社会的ニーズが今後高まると予想されたIoTやロボット、車載機器、医療機器向けなどのフロンティアに対してタツタ電線グループが集中して取り組み、事業の拡大と事業ポートフォリオを変革していくことを目指しており、これはSDGsにおいて取り組むべき課題や新型コロナウイルス感染症問題で顕在化した社会の課題への対応にも貢献できるものと考えております。

この実行にあたっては、タツタ電線の有する各事業の成長段階・競争力等に応じ「利益追求事業」「成長追求事業」「中長期育成事業」の3つのグループに分類したうえで、第1期(2017~2019年度)、第2期(2020~2022年度)、第3期(2023~2025年度)に区切り、事業展開を進めております。

しかしながら、大幅な事業拡大を計画していた「成長追求事業」及び「中長期育成事業」については、一定の進捗はありましたものの、新型コロナウイルス感染症問題により顧客企業との接触が制限されるとともに顧客企業側においても新規材料認定活動が停滞する等により、新規製品開発・拡販に大幅な遅れが生じております。また、「利益追求事業」についても、ロシアによるウクライナ侵攻問題に端を発した資源・エネルギー価格の高騰、半導体等部品の供給不足による生産停滞とその後のスマートフォン販売の急減等により、第2期(2020~2022年度)は目標未達となりました。

 

2023年度は、2025長期ビジョンに掲げる方向性に変更はないものの、まずは足元の業績回復を最優先課題としてグループを挙げて集中して取り組み、一定の成果をあげました。しかし、資源・エネルギー価格が高水準で推移し、それに伴う物価・労務費の上昇等、不透明な事業環境が継続していることを踏まえ、中長期の事業計画・目標については、2024年度も検討を継続することといたしました。

[2025長期ビジョン]

 2025年度には、売上高1,000億円・営業利益100億円を達成することを目標とし、電線・電子材料関連のフロンティアを開拓して、独創的な先端部品・素材を供給するニッチトップのサプライヤーとなることを目指します。
 そのために、特に市場の拡大が期待される機能性ペースト分野および医療機器部材分野においては積極的に投資を実行して成長を追求し、その他の既存事業分野においては効率化投資の推進、高機能製品へのシフト等により回収利益の最大化を追求することを基本とします。

 

 

利益追求

事業

[電線・ケーブル事業]

通信電線事業

機器用電線事業(国内)

[電子材料事業]

機能性フィルム事業

ファインワイヤ事業

[その他事業]

センサー事業

環境分析事業

効率化投資・製品改良投資の推進、高機能製品へのシフト等により、回収利益の最大化を追求する。

成長追求

事業

[電子材料事業]

機能性ペースト事業

[その他事業]

医療機器部材事業

積極的に開発投資、増産投資等を実行して、規模の拡大、利益の拡大を追求する。

中長期育成

事業

[電線・ケーブル事業]

機器用電線事業(海外)

当面事業基盤整備に注力し、基盤整備の確認後、増産投資を実行して、将来的に規模の拡大、利益の拡大を追求する。

 

 

 (3) 対処すべき課題

① 各セグメントの課題

ⅰ)電線・ケーブル事業セグメント

カーボンニュートラル、5G、FA化・ロボット化等、社会の変化に伴う「送配電ネットワーク整備」「機能性ケーブル」へのニーズの高まりにより電線・ケーブル事業の事業機会が拡大しており、この機会獲得が重要な課題となっています。この状況を踏まえ、タツタ電線は、電線・ケーブル事業セグメント総体の市場対応力を強化して「新市場・海外市場への展開」「高機能・差別化新製品の開発」及び「事業提携を含めた製品ラインアップ拡充と生産販売体制強化策の企画・実行」を進めるべく、2021年7月に通信電線事業本部と機器用電線事業本部を「ワイヤー&ケーブル事業本部」として統合し、2022年7月には、業務の効率化、意思決定の迅速化、情報の更なる共有による市場開拓及び差別化新製品の開発を加速すべく、子会社の営業機能をタツタ電線に集約するとともに管理体制を簡素化いたしました。さらに、2024年4月より子会社を含めた製品ブランドの統合を行いました。

2023年度は産業機器電線分野における需要の鈍化はあったものの、インフラ電線分野での増販、原材料価格高騰による販売価格見直しの浸透に加え、品種構成改善、コスト削減等に努め、一定の収益回復を達成しました。

しかしながら、今後も生産資材価格・エネルギー価格の変動や、物流費・労務費などのコスト上昇が予想されることから、コスト削減と適切な販売価格の確保が重要課題と認識し、引き続き注力してまいります。

 

 

ⅱ)電子材料事業セグメント

主力製品である機能性フィルムにつきましては、スマートフォン・タブレット等の携帯通信機器を主用途としております。2023年のスマートフォン販売量は買い替え需要長期化等により停滞しました。しかしながら、携帯通信機器は今後さらなる通信高速化に向けてミリ波対応基地局・機種の普及が予想されるとともに、フォルダブルフォン(折り畳み式スマートフォン)の増加も予想されております。タツタ電線はミリ波対応の電磁波シールドフィルム、フォルダブルフォンに対応した高屈曲フィルムを既に開発しており、本格的な普及に合わせて事業機会拡大につなげてまいります。一方で、機能性フィルムの用途拡大も課題となっております。タツタ電線は、今後ますます成長が予想される車載向けセンサーやカメラ、インバーター、パワーウインドウ、ヘッドライト、計器類等の電子部品の電磁波遮断を目的にした高耐熱シールドフィルムを開発いたしました。タツタ電線としては、車載向けシールドフィルムをスマートフォン向けに次ぐ事業の柱とすべく精力的に取り組んでまいります。

また、2023年度にはタツタ電線のFPC用電磁波シールドフィルムや導電性ボンディングフィルムの価値を再定義するとともに、市場での存在感をさらに強化すべく、新ブランド「WILMINAⓇ」の展開を開始しました。タツタ電線は、引き続き、高速伝送が求められるモバイル機器分野やデジタル化が加速する車載分野などで、顧客ニーズにマッチした高性能・高品質な製品の開発に積極的に取り組んでまいります。

成長追求事業である機能性ペースト事業につきましては、2025長期ビジョンにおいて機能性フィルム事業に次ぐ柱の事業として事業開発に取り組んでおります。新型コロナウイルス感染症問題による顧客企業の認定活動の停滞等もあり収益貢献が大幅に遅れておりますが、顧客企業での材料認証も進展しつつあります。また、既に投資しているスタートアップ企業とも日本国内での製造に関して合意しており、引き続き精力的に取り組み、収益貢献の早期化を目指してまいります。

 

ⅲ)その他事業セグメント

成長追求事業である医療機器部材事業については、タツタ電線の有する樹脂形成技術と精密電線加工技術、さらにはセンサー事業により培ったセンシング技術の活用が可能であり、主要顧客のニーズに沿った開発テーマに対応することでニッチトップの製品群の開発・事業展開を進めるとの方針のもと、主要医療機器メーカーからのOEM製品群の生産を通じた基盤構築を進めつつ、タツタ電線の独自性を加えたニッチトップ製品群の開発を進めております。特に、低侵襲医療分野は身体に与える負荷が小さく術後のQOL向上にも貢献するものであり、新たな機能の付加に対するニーズが高く新規治療法の開発も含め市場成長が期されるとともに、タツタ電線光ファイバや合金、微細電線、チューブなどのコア技術を用いることで新たな医療技術開発にも貢献できると考えております。2021年度末から開始している大手医療機器メーカーからのOEM製品については、生産・販売量を順調に拡大しており、さらなる投資を予定しております。長期ビジョンに対しては遅れを生じておりますものの、今後もスタートアップ企業を含む関係分野企業との協業等により独自性のあるグループを形成し医療機器部材事業の成長を推進してまいります。

株式会社タツタ環境分析センターが行っている環境分析事業は、ダイオキシン類分析、作業環境測定、土壌・地下水調査、水質・大気などの環境分析をはじめ、製品・材料や産業廃棄物分析等の幅広い分析に対応して環境ニーズの高まりに貢献しつつ一定の収益をあげております。今後さらなる成長を目指し、ダイオキシン分析の短納期化や土壌分析等地盤環境事業のワンストップ化、分析サービス対応エリアの拡大等、成長戦略を継続するとともにDX化による効率化・サービスの品質向上を進めてまいります。

 

②企業・大学等とのコラボレーションによる事業強化・新規事業育成

タツタ電線の成長には既存事業の強化と新たな事業の育成が重要な課題であり、新規事業創出のカギとなる要素技術の早期拡充に向けて自社内のリソースの活用はもとより、他社・大学等とのコラボレーションによるオープンイノベーションに取り組んでいます。タツタ電線グループの強みを活かすという視点から、カーボンニュートラル・再生エネルギー関連分野、5G・IoT・AI・DX等の電子材料関連分野、メディカル関連分野、環境・センシング関連分野を中心に、タツタ電線の事業方向性に合致し、社会課題の解決に資する差別化技術を開発・保有しているスタートアップ企業への投資と協業を推進しています。2020年度から7社のスタートアップ企業への投融資(計約6億円)を行い、各社の成長をサポートするとともにタツタ電線との連携による新規事業の創出を目指しております。

 

研究開発分野では大学との協働も進めており、現在、複数の大学との共同研究を行っております。2024年3月には産学連携による新規事業創出の拠点として関西大学イノベーション創生センター内にラボを設立しました。タツタ電線といたしましては、これらのコラボレーションを推し進め、収益力の強化と新規技術・事業の開拓を目指してまいります。


 

③DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進

タツタ電線グループは、製造・開発・営業・事務の各面でのDX化を推進しております。DXを企業文化として定着させ継続して推進する上では人材育成が重要課題と考えており、DX研修プログラムを体系化し大幅に拡充いたしました。引き続き環境整備と課題対応を進め、ビジネススタイル・ビジネスモデルの変革、そして新たな付加価値の創造へとつなげてまいります。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

タツタ電線グループにおいては、リスク管理委員会においてタツタ電線グループにおけるリスク全般について損害規模・発生頻度をもとに重要性を可能な限り定量的に評価し、特に重要なリスクについては所管する部署を決めたうえで年2回開催されるリスク管理委員会において管理状況を確認し必要に応じて対策を実施することとしています。年度初めに開催するリスク管理委員会において前年度のリスク管理状況を確認するとともに当該年度のリスク管理方針を定め、下期初に開催するリスク管理委員会においては期中の管理状況の確認を行っております。リスク管理委員会における協議内容は経営役員会、取締役会に報告しております。

 


 

また、気候変動に関するリスクについてはESG委員会においてリスクの識別・評価・管理を行いその状況を経営役員会・取締役会・リスク管理委員会に報告しています。

経営役員会、取締役会においては、リスク管理委員会・ESG委員会の報告に対する議論を行うほか、毎月の収支見通し、業務執行状況報告等を通じてリスクのモニタリング、対応の監督を行い、リスク発現の回避とともにリスクが発現した場合の影響の軽減に努めております。

タツタ電線グループの事業運営に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがありますが、リスク発現の規模や継続期間によってはタツタ電線グループの財政状態、経営成績およびキャッシュフローのみならず、中長期の経営戦略に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、タツタ電線グループが判断したものであります。

 

経営戦略に関するリスク

(1) ESG活動に関するリスク

タツタ電線グループは、社会の持続的な発展がタツタ電線グループの持続的成長の大前提であるとの認識のもと、社会的課題やステークホルダーの要請・期待などを勘案し、マテリアリティ・具体的取組事項・KPIを設定し、これらの活動を通じてより良い社会の実現とその持続的な発展に貢献することを目指しておりますが、ユーザーを始めとするステークホルダーからの要請の変化等に対して対応が不足し取引先対象・投資先対象から除外される等の事態に至った場合にはタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。

(2) 気候変動に関するリスク

 気候変動に対して世界的な取組みが進められており、原因とされる温室効果ガスの削減はタツタ電線グループにとっても重要な課題となっております。タツタ電線グループではTCFD提言に基づきリスクと機会を認識してこれに適切に対応することとしており、特にCO2排出量削減(Scope1およびScope2)においては、機能性フィルム事業では2022年度からカーボンニュートラルを達成し、他の国内事業所・関係会社は2025年度のカーボンニュートラル達成を目標に掲げて鋭意取り組んでおります。2023年度については再生可能エネルギー由来電力への段階的切替、省エネルギー活動等を進め、実質的なCO2排出量の削減に取り組みました。また、再生エネルギー関連の新たな市場への拡販も戦略課題として掲げ積極的に取り組んでまいります。しかしながら、気候変動への対応に伴う技術革新によりタツタ電線製品が競争力を喪失するあるいは温室効果ガス規制の強化・範囲の拡大等により環境対応費用が大幅に増加する等の事態に至った場合にはタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。

(3) 新規事業開拓に関するリスク

 タツタ電線グループは、次の事業の柱となる新規事業の育成が重要な課題であり、このために他社とのコラボレーションを含む新規事業開拓投資を積極的に行っております。投資実行にあたっては必要に応じ外部リソースも活用して効果およびリスク分析を行い慎重に判断することとしておりますが、種々の要因により期待した効果が得られず、また投資額回収が困難となる等の事態に至った場合にはタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。2023年度については、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号」)に基づき、投資先スタートアップ企業に対する貸倒引当金の設定および投資有価証券の減損を行いましたが、それら減損対象とした企業を含めスタートアップ企業との協業やそれらへの投資は新規事業創出において重要戦略であり今後も推進してまいります。

(4) 技術革新に関するリスク

 タツタ電線グループは、タツタ電線が技術的優位性を持つ先端的かつニッチな市場において高いシェアと収益を獲得することを基本戦略としております。このため、最新の技術動向・市場動向・顧客ニーズに的確に把握し対応するとともに、先進的なスタートアップ企業とのコラボレーションや産学連携を行うことによって技術的優位性を維持することに努めておりますが、競合企業が革新的な技術による新製品を開発しタツタ電線が対応に遅れ市場を失う等の実態に至った場合にはタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。

 

 

経済情勢・事業環境等に関するリスク

(5) 原材料調達に関するリスク

 原材料の調達にあたっては、複数企業からの購入、有事を想定した適正な在庫量の確保、廃番に備えた代替材料への切り替え等により原材料不足による生産停止リスクを回避すべくBCP対応を行っておりますが、大規模な自然災害・原材料調達先等における想定外の事故等により調達量が不足する事態に至った場合にはタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる恐れがあります。

(6) 原材料価格変動に関するリスク

・電線の原料である電気銅の調達価格および電線の販売価格は、ともにロンドン金属取引所における取引価格をベースとした電気銅の国内建値により決定されますが、電気銅の国内建値が急変動した場合には原料調達価格と電線販売価格に乖離が生じる可能性があります。さらに、電気銅価格が長期間にわたって高騰した場合には、銅電線需要が縮減する可能性があります。

・電線の被覆材料であるポリエチレン、塩化ビニール等の購入価格は、国際的な石油価格をベースとしたナフサ価格により変動します。

これらの材料が需給関係の急激な変化や投機的取引、国際的紛争等により大きく上昇した場合に製造コストが大きく上昇する場合があります。タツタ電線グループでは主要原材料の価格変動状況を的確に把握するとともに、ヘッジ取引による影響の回避、製品価格への転嫁等の対応を行うこととしておりますが、価格転嫁できないまたは価格転嫁が遅れる等の事態が生じた場合にはタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。2023年度では、合理化を進めるとともに顧客企業のご理解のもと価格転嫁を随時実施し、製造コスト上昇の影響を軽減しております。

(7) 競合に関するリスク

タツタ電線グループの製品・サービスは厳しい競争環境にさらされており、競合企業の新規参入や価格競争により市場シェアや利益率が低下する場合があります。タツタ電線グループでは、高付加価値製品の継続的な開発・上市、安定供給・納期早期化・アフターサービスの拡充等によって価格競争の回避と差別化を図り販売量の維持・向上に努めておりますが、これらの競争の激化は販売量・利益の面でタツタ電線グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 法的規制に関するリスク

 タツタ電線グループにおける事業運営にあたっては、国内外における環境、通商、貿易、公正競争等の幅広い規制が適用されております。タツタ電線グループにおいては外部リソース等も活用してこれらの規制の動向を注視し早期対応に努めるとともに規制遵守のための業務標準化に努めておりますが、重要な変更や強化が短期間に行われた場合等において対応への高額の負担が生じるまたは対応の遅れや不備等により営業上の制限が生じる等の事態が生じた場合にはタツタ電線グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 自然災害に関するリスク

 タツタ電線グループの拠点地域あるいはタツタ電線グループのサプライチェーンが所在する地域において地震・台風・異常気象等の自然災害による大規模な被害が生じたこと等によりタツタ電線グループの事業活動が阻害される場合があります。タツタ電線グループにおいてはBCPの観点で情報の迅速な共有化および各種対策を講じ関係者の安全確保と製品の安定供給に努めることとしておりますが、自然災害の規模によっては生産・販売の停止や高額の復旧費用の発生等によりタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。

(10) 大規模感染症に関するリスク

 新型コロナウイルス感染症問題は新たな変異株あるいは新たな感染症が発生する可能性は継続しておりますが、5類感染症に移行しタツタ電線グループの経営成績等への影響も軽減したことから、今後は経済的・社会的合理性を踏まえ必要な対策を実施します。

 

 

事業活動に関するリスク

 

(11) 設備故障に関するリスク

 タツタ電線グループでは多くの機械・装置を用いて生産を行っており、これらの設備が事故・災害等により長期間停止した場合には生産に影響を生じる場合があります。タツタ電線グループでは複数拠点での生産体制構築に努めるとともに、設備の停止を回避すべく日常的・定期的な設備保全の実施、計画的な設備の更新、重要部品の戦略的備蓄などの対策を講じておりますが、種々の要因により停止が長期化する事態が生じた場合には高額な復旧費用の発生・売上減少等によりタツタ電線グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。タツタ電線グループでは妥当な範囲において事故、火災等に関する保険を付しておりますが、それによっても損害を補填できない可能性があります。

(12) 品質に関するリスク

 タツタ電線グループでは、品質マネジメントシステムであるISO規格基準およびユーザーに認定されている品質管理基準に従い製品を生産するとともに品質管理体制の整備・強化に継続して努める等、品質管理に万全を期しておりますが、万が一品質不良・事故が発生した場合には損害賠償の発生・販売量減少等によりタツタ電線グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 需要変動に関するリスク

 タツタ電線グループの製品・サービスは国内外の経済情勢の影響を強く受けております。

・国内インフラ向けの電線については、国内景気の変動、特にインフラ投資の動向により需要が変動します。

・FA向け等の機器用電線については、国内外景気の変動、特に自動車、半導体等の業界における設備投資の動向により需要が変動します。

・電子材料事業の中核である機能性フィルムについては、その主要用途がスマートフォンを始めとする携帯通信機器であるため、これら機器の世界における需要動向により機能性フィルムの需要が変動します。

タツタ電線グループでは、景気拡大局面における利益の最大化および景気後退局面における利益確保に向けて柔軟な生産・販売体制の構築に努めておりますが、想定外の急激な変動およびその長期化が生じた場合には生産・販売面でタツタ電線グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。2023年度におきましては、特に電子材料事業においてスマートフォンの大幅な販売減が続き機能性フィルム事業の収益に大きな影響がありましたが、2024年度は徐々に回復していくと予想しており、需要動向の情報収集を行い適時・適切に製品供給を進めます。

 

(14) 知的財産に関するリスク

タツタ電線グループは、国内外の特許権およびその他の知的財産権の取得により、自社技術を保護するとともに、他社グループの権利に対しても十分な注意を払っております。しかしながら、海外での事業活動の拡大やサプライチェーンの複雑化、さらには各国法制度の執行状況の違い等により自社技術の保護が得られず、または他社技術を侵害することとなった場合には、タツタ電線グループの収益機会の減少および予期しない費用が発生するなどタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。

(15) 物流2024年問題に関するリスク

物流2024年問題は大きな社会的課題であるとともに当グループにとっても重要な課題と認識しております。タツタ電線グループでは既に京都工場に大型の物流センター新設による物流体制の見直し、各拠点へのヒアリング等により物流2024年問題に対処しつつ物流業務の効率化を進めておりますが、不測の事態により対応に遅れが生じた場合には、タツタ電線グループの収益機会の減少および予期しない費用が発生するなどタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。

 

 

(16) 情報セキュリティに関するリスク

タツタ電線グループは、生産・販売・会計などのプロセスに関するさまざまなデータを情報システムやネットワーク等を通じて利用しています。タツタ電線グループでは、情報セキュリティ体制を整備するとともに、特にサイバーセキュリティーに対する安全対策の強化を進めておりますが、地震等の自然災害やサイバー攻撃等により予期せぬ操業停止や機密情報漏洩等が発生する可能性があり、その場合には、顧客機密情報漏洩に対する損害賠償を含め、タツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。

 

(17) 製品改良・開発に関するリスク

タツタ電線グループは、電磁波シールドフィルムを始めとする顧客のニーズにマッチした特長ある商品・サービスを提供することにより市場から高い評価をいただいておりますが、顧客のニーズの変化に対応した製品の改良・開発をタイムリーに継続できない場合には、販売量の減少等によりタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。

(18) コンプライアンスに関するリスク

 タツタ電線グループにおける事業運営にあたっては、国内外における法律および環境、通商、公正競争等の幅広い規制が適用されております。タツタ電線グループではコンプライアンス委員会を設置し法令改正の動向および遵守状況の確認を行うとともに内部外部通報窓口の設置、社規の更新や定期的な従業員教育の実施等により法令遵守に努めておりますが、万が一法令違反が発生した場合には営業の制限、取引の縮小、レピュテーションの低下等によりタツタ電線グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー