日本経済において労働人口減少問題が深刻化する中、LiNKXは「テクノロジーで、高度生産性社会のその先へ」というビジョンを掲げ、金融をはじめとした社会に欠かすことのできないミッション・クリティカル・システム(注1)のモダン化(注2)に注力し、顧客の生産性を最大化させるデジタル・トランスフォーメーション(DX)(注3)を推進しております。
LiNKXは、クラウドネイティブ(注4)とAI技術(注5)の実践により、顧客のシステムモダナイゼーションを包括的に支援しております。世界標準のアーキテクチャ(注6)に精通した高いエンジニアリング力を強みとして、銀行における勘定系システム(注7)、APIゲートウェイシステム(注8)、データ基盤システム開発支援、さらには小売業向けの電子マネーシステム開発支援等、極めて高い信頼性と専門性が求められる領域において事業を展開しております。顧客がDXの取組みを推進し、生産性を向上することで、顧客だけではなくそれらのサービスを利用する消費者や地域経済等にも好循環をもたらす「ENABLER(イネーブラー)(注9)」としての役割を社会で果たし、未来への貢献を行うことを目指しております。
また、LiNKXは、高度な専門性を有したソフトウェアエンジニアを中心とした組織を構築しております。2026年4月末時点において、全従業員の8割超をソフトウェアエンジニアが占め、その半数以上が欧米やアジア等の海外出身者によって構成されており、世界標準の設計・実装手法を熟知したグローバルな専門人材層を抱えている点が特徴です。開発手法においては、従来のウォーターフォール型開発(注10)ではなく、アジャイル型開発(注11)を全面的に採用しており、クラウドネイティブの高い技術力に加え、AI技術を活用したソリューションを用いて、顧客の老朽化した基幹業務システムのモダナイゼーションを支援しております。また、システム開発の内製化を推進する顧客に対しては、顧客の開発チームと一体となってプロジェクトを遂行する共創型の体制を構築することで、顧客によるシステム開発の内製化についても支援を行っております。
(1)事業の重点領域
システムモダナイゼーション事業におけるLiNKXの重点領域は、創業当初から長く事業展開を進めてきた金融領域のシステム開発支援です。その中でも、金融機関における①APIゲートウェイシステム開発、②データ基盤システム開発、③勘定系システム開発に注力しております。
APIゲートウェイシステムは、既存の勘定系システムとインターネットバンキングや決済サービス等の新規サービスとの接続のためのシステムです。既存の技術と新規の技術、双方を熟知したエンジニアリングが求められ、また金融領域においては、高いセキュリティレベルと大量のデータをリアルタイムで処理するスピードに加え、運用コストを抑えるシステム設計とする高度なアーキテクチャが求められます。そのため、難易度の高いシステム開発案件であることが多く、LiNKXの技術的な強みが発揮できる領域であると考えております。
データ基盤システムは、顧客や取引等のデータを蓄積し分析するためのシステムで、AI活用に向けてデータ基盤の整備を行うニーズが高まっているものと認識しております。これまで、既存システムの中に、個別に分散された状態で蓄積しているデータを統合して一元管理とすることで、AI活用がしやすい環境を構築します。
勘定系システムは、基幹システムの根幹を担うシステムであることから大規模なシステム開発となることが多く、また、確実かつ安全にシステム開発を行う必要があるため、多くの金融機関では5~10年程度の中長期の視点で段階的にモダン化を行っていくことを計画しております。そのため、難易度の高いシステム開発案件として位置付けられることが多く、AI技術の活用が有用であることから、LiNKXの技術的な強みが発揮できる領域であると考えております。勘定系システム開発を支援し、実績を積み重ねることは、LiNKXの技術優位性を確立するためにも重要であり、中長期での安定的な収益源の確保につながることから、LiNKXでは重点的に取組む事業領域として位置付けております。一方、勘定系システム開発については、プロジェクトの規模も大きく、開発する機能も多岐にわたることから、LiNKX単独ではなく、既存の大手システムインテグレーターとも連携しながら、プロジェクトを受注しております。LiNKXでは、開発や設計の難易度が高いシステムや重要な機能を中心にシステム開発支援を行うことで、既存の大手システムインテグレーターとの役割分担を行っております。また、今後については、LiNKXがシステム開発を支援した次世代勘定系システムについて、顧客と共同で他の金融機関に販売・展開することにも取り組んでまいります。
LiNKXでは、短中期的には、技術的な強みが活かしやすいAPIゲートウェイシステム開発支援を起点としながら、AI活用に向けたデータ基盤システム開発支援のニーズを取り込むことを考えております。また、中長期的には、APIゲートウェイシステムやデータ基盤システムの開発実績を活用しながら、勘定系システム開発支援をさらに拡大することを狙っております。なお、各システム開発支援における詳細については、以下のとおりです。
(銀行向けシステムの全体像)
(LiNKX注力領域:①APIゲートウェイシステム、②データ基盤システム、③勘定系システム)
①APIゲートウェイシステム開発支援
APIゲートウェイシステム開発支援においては、BaaS(注12)や電子マネー等の最新技術を活用したサービス開発の支援を行っております。銀行が提供するBaaSや小売り事業者等が提供する電子マネーについては、勘定系システムと同様に高い信頼性と安定性が求められます。また、APIゲートウェイシステムの開発は、決済サービス等を勘定系システムに接続するため、セキュリティや勘定系システムを熟知した開発事業者でない限り行うことができません。加えて、金融機関が求める運用コストや処理スピードに対応したAPIゲートウェイシステム開発を行う必要があります。
そのような中、LiNKXでは勘定系システム開発支援の実績を有し、また高度なセキュリティレベルに対応した開発を行うことができることを強みとして、APIゲートウェイシステム開発支援を行っております。具体的な事例としては、株式会社ふくおかフィナンシャルグループの傘下で国内初のデジタルバンク(注13)である株式会社みんなの銀行におけるBaaS開発支援や、小売り大手の株式会社トライアルホールディングス傘下で電子マネーによるスマホ決済を推進する株式会社SU-PAYにおける決済システム開発支援を行っております。
APIゲートウェイシステム開発の領域においては、現在、金融機関向けに自社サービス「BX Connect」の開発を進めております。従来型のAPIゲートウェイシステムでは、既存のシステムインテグレーターがAPIゲートウェイシステムに関わる外部システムとの接続、認証・認可、接続管理等の各種機能を一体型で提供しておりました。一方、LiNKXサービスでは、顧客ごとのAPIゲートウェイシステムに必要な機能をそれぞれ個別で提供することで、金融機関がAPIゲートウェイシステムを柔軟にモダン化することが可能となります。
(APIゲートウェイシステムのモダナイゼーション)
②データ基盤システム開発支援
データ基盤システム開発支援においては、AIの活用に向けたデータ基盤の整備やデータ基盤のモダン化支援に取組んでおります。顧客が保有する高品質なデータ基盤に、LiNKXが保有する先進的なクラウド技術やシステムのモダン化を推進するノウハウを融合させることで、データの新たな価値を創出し、AI時代の到来に向けて顧客企業のデータ基盤を次のレベルへと進化させていくことを目指しております。
近年、グローバル企業におけるデータの活用は、急速にクラウド環境のデータ基盤へと移行しております。一方で、多くの日本企業は依然としてオンプレミス(注14)環境でのデータ基盤を採用しており、先進的なクラウド技術を活用したAI時代に向けたデータ基盤のモダン化が急務となっております。
そのような中、LiNKXでは、大手クラウドベンダーとのパートナーシップによって、金融機関向けのリファレンス・アーキテクチャ(注15)の構築に取組んでおり、金融領域における模範となるデータ基盤システムのアーキテクチャを設計しております。このリファレンス・アーキテクチャを組み入れることによって、顧客はAIを活用した高度なデータ分析ができるようになり、顧客のビジネス競争力を強化することにつながると考えております。
(データ基盤システムのモダナイゼーション)
③勘定系システム開発支援
基幹系システム開発支援においては、預金、融資、為替等の取引を処理する勘定系システムの開発支援を行っております。勘定系システムにおいては、お客さまの口座残高の管理や利息計算等、銀行業務の中枢を担い、高い信頼性と安定性が求められます。勘定系システムにおいては、現在、オンプレミスの環境下でシステムを稼働している銀行がほとんどであり、また、COBOL(注16)等の古いプログラミング言語や従来型のアーキテクチャを採用しているため、次世代システムとの連携や保守・運用等の維持コストが大きな課題となっております。
そのような中、一部の先進的な取組みを行う銀行においては、クラウドサーバーを利用したシステム稼働へ移行する潮流が出てきており、また、Java(注17)等の新しいプログラミング言語への置き換え、将来的にはさらにモダンなプログラミング言語へ書換えていくという計画が進行しております。LiNKXでは、これらの勘定系システムの高度化・モダン化を支援しており、具体的な事例としては、株式会社北國銀行における次世代勘定系システムの開発パートナーとしてプロジェクトに参画しています。また、BIPROGY株式会社の次世代勘定系システムの開発支援も行っております。
次世代勘定系システム開発では、世界標準の設計・実装手法を熟知したLiNKXエンジニアがシステム全体のアーキテクチャの検討を行い、将来的な拡張性を踏まえた最適な提案を行っております。また、限られた時間で大量のデータを処理する必要があるセンターカット(注18)等の勘定系システムにおける重要な機能については、LiNKXのエンジニアが事前にPoC(注19)を行い、その安定性や信頼性を検証したうえで、本格開発を行います。加えて、従来型の勘定系システムでは、多くの機能が密結合の状態でモノリシック(注20)に構成されているところを、LiNKXは各機能が独立した状態となるようマイクロサービス(注21)化した構成を実現する形でシステムを開発しております。
(勘定系システムのモダナイゼーション)
④その他システム開発支援
その他領域のシステム開発については、競争環境が激しく、単発かつ短期的な案件となることも多いため、現在は注力しておりません。一方、将来的に基幹系システムやAPIゲートウェイシステム開発支援に参入できる見込みがある案件や既存顧客のインターネットバンキングや電子マネーアプリ開発支援案件については、戦略的に受注することがあります。また、非金融領域でのプロジェクトについては、積極的に案件獲得又は拡大を行っておりませんが、製薬メーカーとの既存プロジェクトや自社サービスの提供等で、一定の利益率が維持できるものについては、プロジェクトを受注してシステム開発等を行っております。
(2)収益構造
LiNKXは、システムモダナイゼーション事業の単一セグメントです。LiNKXの収益は、フロー型収入とストック型収入から構成されております。顧客プロジェクトへのアサインをベースとしたデジタル・トランスフォーメーション支援のためのDXコンサルティング・PoC・システム開発支援をフロー型収入、LiNKXにて開発支援を行ったシステムの保守・運用や自社ソリューション・他社サービスライセンス等の提供をストック型収入として区分しております。また、LiNKXのDXコンサルティング・PoC・システム開発支援の契約形態は、主に準委任契約(注22)であります。
なお、2025年6月期の売上高においては、フロー型収入が97.9%、ストック型収入が2.1%となっており、フロー型収入及びストック型収入における具体的なLiNKXの支援領域別のサービス内容は以下のとおりです。
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領域 |
フロー型収入 売上高比率(2025年6月期):97.9% |
ストック型収入 売上高比率(2025年6月期):2.1% |
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①APIゲートウェイシステム |
・APIゲートウェイシステムの高度化・モダン化 -外部システム接続機能の開発支援 -認証・認可機能の開発支援 -接続管理機能の開発支援 |
・自社ソリューション(BX Connect) ・保守・運用サービス -開発支援したシステムの監視 -システム障害対応
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②データ基盤システム |
・データ基盤システムの高度化・モダン化 -データ基盤の整備・統合支援 -データ分析システム等の導入支援 -AIの活用支援 |
・他社サービスライセンス収入 (Teradata VantageCloud等) ・保守・運用サービス -開発支援したシステムの監視 -システム障害対応 |
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③勘定系システム |
・勘定系システムの高度化・モダン化 -アーキテクチャの検討・開発支援 -重要機能の検討・開発支援 -単一機能のモジュール化支援 |
・自社ソリューション(AXcelerator) ・保守・運用サービス -開発支援したシステムの監視 -システム障害対応 |
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④その他システム |
・インターネットバンキング開発支援 ・電子マネーアプリ開発支援 ・その他非金融領域におけるシステム開発支援
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・自社サービスライセンス収入 (LabHub、shikAI等) ・保守・運用サービス -開発支援したシステムの監視 -システム障害対応 |
システムモダナイゼーション事業では、DXコンサルティングからPoC、本開発、さらに開発後の保守・運用まで、長期にわたり顧客のシステム開発を支援いたします。
DXコンサルティング段階においては、LiNKXのソリューション・コンサルタントが中心となり、ベンダーロックイン(注23)等によって困難となった現状システムの可視化を行い、その課題に対して、何をどのようにシステム開発で解決していくかという視点からヒアリングや情報分析を行います。これによって、現行のシステム課題等を深く把握し、3ヶ月程度で、PoCに向けた企画・提案を作成します。次に、PoC段階では、顧客からのフィードバックを受け、対話をしながら、ソフトウェアエンジニアをプロジェクトにアサインし、3ヶ月から6ヶ月程度で課題解決の可能性を検証することで本開発の必要性を見極め、本開発に向けた課題を整理します。その後、本開発段階に入り、5名から15名程度のプロジェクトを組成し、ソリューション・コンサルタントとソフトウェアエンジニアが顧客のシステム開発チームと連携しながら、システム開発を支援していきます。なお、本開発段階の期間は最低でも6ヶ月程度、最長では数年単位で支援する案件もあり、中長期的な視点での関係性を顧客と構築しており、さらに開発が進むにつれて、プロジェクトが大規模化・安定化し、収益が拡大するビジネスモデルを構築しております。
また、LiNKXでは、ストック型収入として、本開発終了(システム完成)後についても、安定稼働のため、開発を支援したシステムの保守・運用を継続して支援することを行っております。加えて、これまでのシステム開発支援で培ったノウハウを活用し、自社ソリューション・プロダクトとして顧客向けにライセンス利用料等を提供することを行っております。フロー型収入をストック型収入へとつなげることで、長期にわたり顧客からの継続的な収益の獲得が期待できます。
(事業プロセス)
(3)技術及びサービスの特徴
LiNKXシステム開発支援の技術及びサービスの特徴は以下のとおりです。
①クラウドベース モダナイゼーション
LiNKXのエンジニア組織は、全員がクラウド環境での開発を専門とするクラウドネイティブなハイエンド・エンジニア(注24)であり、クラウド環境下での高度なシステム開発の経験が豊富な人材が揃っております。また、世界標準のアーキテクチャに精通した高いエンジニアリング力を強みとしており、将来的な拡張性を見据えたシステムの設計を行い、最先端の技術力を持ったエンジニアが実装を行います。加えて、フロントエンドからバックエンド、インフラ、データベース、AI等、多岐にわたる技術分野の対応が可能であり、また高いセキュリティ基準が求められる金融領域におけるベスト・プラクティスを熟知した経験豊富なエンジニアが多く在籍しているものと考えております。
②AIベース モダナイゼーション
LiNKXは、エンジニアによるシステム開発の生産性向上を目的として、AI駆動開発(注25)を積極的に推進し、各システム開発プロジェクトにおいて実践しております。AI技術の進展に伴い、高度なスキルを持つエンジニアがAIツールを活用することにより、LiNKXの技術的優位性の向上が見込まれると考えております。実際に、従来は数週間を要していた業務が数日で完了するなど、エンジニアリング効率の向上が確認されております。
AIの活用はアジャイル型開発だけではなく、従来型のウォーターフォール型開発に加え、グリーンフィールド型開発(注26)及びブラウンフィールド型開発(注27)にも実践しており、あらゆる開発手法に適用が可能です。
また、一般的なシステム開発は、要件定義、設計、開発、テスト、保守・運用の順に進行しますが、LiNKXでは、以下のとおり全ての工程でAIを活用することで業務の自動化を行い、エンジニアの生産性向上を実現しております。
・要件定義
既存コードの解析や顧客ヒアリング結果に基づき要件を整理し、要件の策定やユーザーストーリー・見積りの大枠作成等に活用しております。
・設計
要求事項や制約条件をもとにアーキテクチャの検討・図示化を行い、設計段階での不備発見に活用しております。既存システムのソースコードからドキュメントを生成することにも活用しております。
・開発
レガシーな言語であるCOBOL等から、汎用性の高いJava等への変換やソースコードの品質検証にAIを活用し、開発期間の短縮を実現しております。当該領域は今後コモディティ化が進むと想定されますが、引き続き効率化の取組みを継続します。
・テスト
ソースコードから複雑かつ高度なシナリオテスト(注28)の自動生成を行っております。これにより、潜在的な不具合や脆弱性の検出精度が向上し、品質保証体制の強化につながっております。特に、テスト工程は、AIによる効率化効果が最も高い領域であり、LiNKXが現段階で他社との差別化を図りやすい分野と位置付けております。
・保守・運用
障害発生時の原因特定の自動化やソースコード修正時の調査の自動化等に活用しております。
(システム開発工程におけるAI活用)
LiNKXでは、これらのAI活用をプロジェクト内で本格的に開始しておりますが、豊富な経験を有するハイエンド・エンジニアの知見をAI活用に反映して高度化することで、さらにエンジニアリングサービスの生産性と品質向上につなげております。将来的には、生産性の向上によって収益力を強化し、AI駆動開発で培ったノウハウをソリューションとして顧客へ提供することで、フロー型収入とストック型収入を拡大し、収益性を高めることを目指しております。
(AI活用拡大に向けた取組み)
③アジャイルカルチャー
LiNKXには、アジャイル型開発の経験が豊富なエンジニアが多数在籍しており、独自のアジャイルカルチャーを有するエンジニア組織となっております。顧客と共創しながら価値を創出するシステム開発の共同パートナーとして、開発支援を行っております。アジャイル型の開発手法を推進することで、プロジェクト進行中に変化する要件や状況にも柔軟かつ迅速に対応することが可能です。
LiNKXのアジャイル型開発は、顧客と密接にリアルタイムで連携しながらシステム開発を行っており、従来のウォーターフォール型開発と比べて、開発のタイムラグが少なくなることから、システム開発のスピードが高まり、より短期間でのシステム開発が可能となります。 また、システム開発の内製化を推進する顧客に対しては、LiNKX独自の技術やプロジェクトマネジメントのノウハウ「LiNKX WAY(注29)」を活用した内製化支援を行っております。これにより、顧客は品質の高いシステムを開発できるチームを構築し、過度に特定のシステムインテグレーターへ依存するベンダーロックインを回避し、顧客主導でシステム開発を推進することが可能となります。
さらに、LiNKXでは、顧客の開発力強化を目的として、AI活用を含んだ「LiNKX WAY」のサービス提供に取組んでおります。具体的には、顧客に最適なAIフレームワークを提供し、それらを活用して開発の効率化や迅速化を実現するとともに、LiNKXエンジニアがプロジェクトに参画し、顧客に伴走しながらシステム開発力向上を支援しております。
これらの特徴を活かして、LiNKXでは難易度の高いシステムモダナイゼーションを実現するために、自社ソリューションと最先端の技術・開発手法を最大限に活用しております。
(LiNKXシステムモダナイゼーション技術の特徴)
(サービス名称)
・AXcelerator(アクセラレーター):
LiNKXが提供するAIを活用したレガシーシステムをモダン化するためのソリューション。設計書・仕様書等が存在しない老朽化したシステムのソースコード等を自動解析することでシステムの構造を可視化し、システムごとの依存関係を特定。また、旧プログラミング言語から新プログラミング言語へ転換するための仕様書作成やコード変換を自動で行うことで、新システムへの移行設計の精度向上と工数削減の実現を支援。
・BX Connect(ビーエックス・コネクト):
LiNKXが提供する銀行向けAPIゲートウェイシステムと接続するためのソリューション。レガシーな勘定系システムとモダンな外部システムを接続するための認証・認可や接続管理等の機能を個別に提供する。
・LabHub(ラボハブ):
LiNKXが提供する研究開発分野向けのデジタルプラットフォームサービス。研究開発プロセスのデジタル化を実現し、品質向上と生産性の向上に貢献するための機能を提供する。
・shikAI(シカイ):
LiNKXが提供する視覚障がい者向けナビゲーションシステム。点字ブロック上に表示されたQRコード(注)を、専用アプリで起動したスマートフォンのカメラで読み取ることで、現在地から目的地までの正確な移動ルートを音声で誘導ご案内するシステム。
・Teradata VantageCloud(テラデータ・ヴァンテージクラウド):
Teradataが提供するハイブリッド/マルチクラウドデータ分析プラットフォーム。クラウド環境で利用できるだけではなく、オンプレミス環境、そしてこれらを組み合わせるマルチクラウド、ハイブリッドクラウドで構築することができる。
(注)QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
(4)事業系統図
LiNKXの事業系統図は、以下のとおりであります。なお、LiNKXでは、システム開発支援を自社従業員にて行っておりますが、デザイン等のノンコア業務については、一部外注先を活用しております。他社クラウドサービスやSaaS等の利用料については、LiNKXはライセンス販売によるマージン分のみをLiNKXの収益として認識しております。
(用語解説)
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注書き |
用語 |
用語の定義 |
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注1 |
ミッション・クリティカル・システム |
社会インフラを支える重要なシステムのこと。24時間365日稼働し続けることが求められる金融機関の基幹系システム等がある。障害発生時の影響が大きいため、高い信頼性や可用性が求められる。 |
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注2 |
システムのモダン化 |
老朽化したシステム(レガシーシステム)を、最新の技術やビジネス環境に合わせて刷新すること。一般的には、これにより、柔軟性、拡張性、セキュリティの向上、運用コストの削減等が期待できる。 |
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注3 |
DX |
デジタル・トランスフォーメーションの略称。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズに基づき、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。 |
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注4 |
クラウドネイティブ |
クラウド活用で得られるメリットを最大限活かすための最適化の技術やアーキテクチャのことを指す言葉。また、最初からクラウド上で動作することを前提として設計・開発されたシステムやアプリケーション、またソフトウェア開発のアプローチを指す。 |
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注5 |
AI技術 |
人工知能(Artificial Intelligence)を活用し、コンピュータに学習、推論、判断などの人間と同等の知能活動を行わせる技術の総称。LiNKXにおいては、機械学習や自然言語処理を用いて、複雑化した大規模レガシーシステムのソースコードやドキュメントを自動解析することで、システム構造の可視化、依存関係の特定、及び新システムへの移行設計の精度向上と工数削減を実現する。 |
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注6 |
アーキテクチャ |
システムやソフトウェア、ネットワークの全体的な構造や設計方法を指す言葉。 |
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注7 |
勘定系システム |
金融機関において、入出金や資金の決済、口座や融資の残高管理、利息計算等の勘定処理を行うシステムのこと。一般的には、金融機関の業務の中枢を担うため、大規模なシステムでミッション・クリティカル・システムとして位置付けられる。 |
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注8 |
APIゲートウェイシステム |
APIとは、Application Programming Interfaceの略称。APIゲートウェイシステムとは、ソフトウェアやアプリケーション等の一部を外部に向けて公開することにより、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有し、自社のシステムと接続できるようにするためのシステムのこと。 |
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注9 |
ENABLER(イネーブラー) |
何かを可能にする人の意味。LiNKXの場合、顧客のシステム開発を支援することで、黒子として、顧客のビジネスの成功や社会をより良くすることに貢献することを目指している。 |
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注10 |
ウォーターフォール型開発 |
システム開発で用いられる開発手法の一種。システム開発には多くの工程(プロセス)が存在し、この工程を上から順番に行い、それぞれの工程で担当が区切られていることが、ウォーターフォール型開発の特徴。 |
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注11 |
アジャイル型開発 |
システム開発で用いられる開発手法の一種。大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていくことが特徴。一般的には、従来のウォーターフォール型開発と比べて開発期間が短縮されるため、アジャイル(素早い)と呼ばれている。 |
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注12 |
BaaS |
「Banking as a Service」の略称。銀行が提供している機能を、APIを経由して外部にクラウドサービスとして提供する仕組みのこと。金融機関ではない企業もBaaSを利用することで、銀行業の免許を取得することなく自社のサービスに決済・為替といった銀行機能を組み込むことができる。 |
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注13 |
デジタルバンク |
完全クラウドベースの独自勘定系システムを構築するアプリ専業の銀行。既存の銀行の仕組みや業務を踏襲するのではなく、デジタル技術を起点として、アプリ専業の銀行に必要な機能を開発する思想でシステムを構築している。 |
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注14 |
オンプレミス |
企業が自社でサーバー等のITインフラを保有し、運用管理を行う形態のこと。自社運用とも呼ばれ、従来型のシステム構築方法として、クラウドサーバーが台頭するまでは一般的な運用方法であった。 |
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注15 |
リファレンス・アーキテクチャ |
システム開発の設計において、業界のベスト・プラクティスに基づいた推奨される構造、構成要素及び統合方法を示す設計テンプレートのこと。これを利用することで、設計の効率化、品質向上、リスク軽減、標準化が可能となり、特定の技術ソリューションの迅速な導入が可能となる。 |
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注16 |
COBOL |
1959年にアメリカで開発されたプログラミング言語で、Common Business Oriented Languageの略称。事務処理や会計処理に適した言語であり、現在でも基幹システムや業務システムで広く利用されている。レガシーな言語のため、そのメンテナンスコストが課題となっている。 |
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注17 |
Java |
1995年に開発されたプログラミング言語で、汎用性が高くプラットフォームに依存しないという特徴があり、異なるOS上でも同じように動作することが可能である。データと処理をオブジェクトとして扱うことで、プログラムの設計や保守を容易にすることができるため、世界中で広く利用されている。 |
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注18 |
センターカット |
銀行の勘定系システムにおいて、公共料金やクレジットカードの引き落とし、給与振込等の大量の取引を夜間に一括で処理する機能。勘定系システムにおける最も重要な機能の一つであり、高速かつ正確にデータを処理することが要求される。 |
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注19 |
PoC |
Proof of Concept(概念実証)の略称。新しい技術や新規事業等の実現可能性を検証するために行う実験的工程を指す用語。 |
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注20 |
モノリシック |
モノリシック(monolithic)とは、一体となっている、あるいは一枚岩的なものという意味。ソフトウェア開発においては、システム全体が単一のコードベースで構成され、分割できない状態を指す。 |
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注21 |
マイクロサービス |
マイクロサービスとは、大規模なアプリケーションを小さな独立したサービスに分割(モジュール化)し、それらを組み合わせてシステムを構築するアーキテクチャのこと。一般的には、マイクロサービスは、サービス単位で開発・変更等が可能であるため、柔軟にシステムを拡張・変更できるとされている。 |
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注22 |
準委任契約 |
業務委託契約の契約形態の一つ。成果物の完成を目的とする請負契約とは異なり、業務の遂行自体を目的とする点が特徴で、一般的には、システム開発やコンサルティングサービス等を対象とした業務委託に用いられる。 |
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注23 |
ベンダーロックイン |
企業がシステム開発等において、特定のベンダーだけに依存した結果、そのベンダー以外の製品やサービスへの移行が困難となる状況に陥ること。一般的に、ベンダーロックインが起こると、システムの詳細をそのベンダーしか把握しておらず、保守・運用を含め長期間そのベンダーと契約を続けざるを得なくなり、システムコストが増加する。 |
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注24 |
ハイエンド・エンジニア |
クラウドネイティブで世界標準のシステム設計が行える技術とAIを高次元で活用できる技術を有するエンジニアと、システムモダナイゼーションのプロジェクトマネジメントやDXコンサルティングを行うソリューション・コンサルタントで、LiNKX独自のコーディングテスト等による厳格な採用選考を通過した顧客プロジェクトにアサインされる稼働対象人員を指す。 |
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注25 |
AI駆動開発 |
システム開発の業務に、AI技術を組み込むこと。LiNKXの場合、コード生成、ドキュメント作成、テスト等の反復作業を大幅に自動化し、生産性と品質の向上のために活用している。 |
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注26 |
グリーンフィールド型開発 |
システム開発で用いられる開発手法の一種。既存のシステムやインフラに縛られず、ゼロから新しくシステムを構築される手法で、スクラッチ型開発とも言われる。 |
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注27 |
ブラウンフィールド型開発 |
システム開発で用いられる開発手法の一種。既存のシステム環境やデータ、プロセスを活用しつつ、一部でアップグレードや新しい技術の統合を行う開発手法。 |
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注28 |
シナリオテスト |
実際のユーザー操作や業務フローに沿って、システムの一連の動作を検証するテストの手法。機能ごとの動作確認ではなく、シナリオ(物語)形式でデータ連携や画面遷移の不具合を検出する。 |
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注29 |
LiNKX WAY |
LiNKXのエンジニアリング・ファーストの経営理念に基づき、エンジニアが最高のパフォーマンスを発揮するために、独自のエンジニアリング手法、プロジェクト遂行におけるオペレーション、AI活用方法等のノウハウを集約したもの。 |
LiNKXの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてLiNKXが判断したものであります。
(1)経営方針
日本経済において労働人口減少問題が深刻化する中、LiNKXは高度生産性社会の実現に向けて、金融領域をはじめとした重要な社会インフラであるミッション・クリティカル・システムのモダン化を支援しております。
(LiNKXが提供する価値)
またLiNKXでは、以下のとおり、ビジョン、ミッション、バリューを定めております。
・ビジョン: テクノロジーで、高度生産性社会のその先へ
・ミッション:エンジニアリングの力で、ミッション・クリティカル・システムをモダン化する
・バリュー: プロフェッショナリズム「全ての観点において『プロ』であること」
共感「他者に寄り添い共感すること」
チームワーク「個を尊重し、チームで成功を遂げること」
挑戦「常に挑戦し続け、そしてやり抜くこと」
LiNKX事業がターゲットとするミッション・クリティカル・システムのモダン化においては、高い技術力が求められるため、LiNKX事業の推進において、優秀なエンジニアを確保する必要があります。そのため、LiNKX事業を推進するうえで、最も重要となる経営理念として「エンジニアリング・ファースト」を掲げております。
この「エンジニアリング・ファースト」のアプローチは、日本だけでなく、世界中から優秀なエンジニアを惹きつけており、エンジニアの才能と多様性が織りなすハイブリッドなカルチャーを育んでおります。LiNKXは、このカルチャーを土台に複雑で重要な課題に立ち向かう卓越したエンジニアのチームを作り上げ、「エンジニアリング・ファースト」の理念に基づき、これまで力強い成長を遂げてまいりました。
また、LiNKXでは、開発を支援したプロジェクトで蓄積したAIの活用に関する知見や新機能に関する技術資産を活用し、LiNKX技術の競争優位性を高める取組みを行っております。これにより、LiNKXは顧客に対して持続的な付加価値を提供しながら、優秀なエンジニアの生産性をさらに高めることができます。このアプローチによって、持続的な競争優位性の確立と企業価値の向上を同時に実現しております。
今後も「エンジニアリング・ファースト」の理念を忠実に守り、実践しながら、金融業界だけではなく、社会インフラを支える他業界のミッション・クリティカルなシステムを複合的に結び付け、モダン化を実現する役割を担っていきたいと考えております。LiNKXでは、これらシステムのモダン化によって社会をより良い形へと変革することに挑戦していくことで、誰もがより生産的で豊かな生活を送れる高度生産性社会の実現に貢献していくことを目指してまいります。
(2)経営環境
国内景気は、雇用・所得環境の改善とともに、緩やかな回復が見られます。一方で、海外景気は、中東情勢の影響に加え、米国の通商政策動向等によって未だ不透明な状況が続いております。しかしながら、金融領域におけるDXのニーズは衰えることなく、LiNKXが注力するシステムのモダン化ニーズもより一層高まっていると認識しております。
また、日本企業におけるソフトエンジニアをはじめとしたDX人材不足は、年々、深刻化しており、独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2025(注1)」では、DXを推進する人材の「量」の確保状況について尋ねた結果、日本は「やや不足している」「大幅に不足している」の割合の合計が85.1%となっており、2023年度の同調査結果と同様、大半の企業でDX推進人材が不足している状態となっております。LiNKXは、この状況が今後も継続するものと考えており、DX人材の不足を解決するためには、AI技術を活用して、効率的にシステムモダナイゼーションを推進する体制を構築することが重要になると考えております。
(DXを推進する人材の「量」の確保:経年変化・国別)
(注)1:出所、独立行政法人情報処理推進機構、「DX動向2025」、2025年6月26日
金融庁「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」によると、LiNKXがターゲットとする国内銀行の年間システム経費は、2021年度で1兆円を超えており、そのうちメガバンクは各行1,000億円以上、地域銀行は各行平均52億円、信用金庫は各庫平均6億円となっております(注2)。
また、同調査結果レポートによると、LiNKXの主要ターゲットとなる地域銀行においては、勘定系システムが複雑化・肥大化しており、システム経費は預金量の0.16%となっております。シンプルなシステム構成である信用金庫のシステム経費が預金量の0.10%に留まっていることに鑑みると、地域銀行において、システム維持コストの圧縮や開発の効率化が大きな課題になっていると考えております。
(国内地域銀行及び信用金庫における「業態別のシステム経費/預金量」)
(注)2:出所、金融庁、金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート、2022年6月30日
加えて、同調査結果レポートによると、10年後には一部機能のオープン化まで含めると約8割の地域銀行の勘定系システムがオープン化に移行(オンプレミスからクラウドサーバー環境へ移行)することを見込んでおります。同調査結果レポートでは、コスト削減に関しては、一部の地域銀行では勘定系システムの維持コストを30%削減可能と試算する事例も存在していることが報告されており、LiNKXでは、今後、地域銀行では、次世代勘定系システムの開発の流れが加速すると予想しております。
(LiNKXが考える勘定系システムのモダン化プロセス)
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
LiNKX事業の主たる収益源は、システム開発支援案件を顧客から受託するビジネスモデルであるため、LiNKXでは、毎年安定的に利益を生み出す営業活動によるキャッシュ・フローの拡充を目指しております。
また、財務的な指標としては、収益性の観点から営業利益率を重視しており、持続的かつ安定的な企業経営のために財務安全性も重視していることから、期末時点における手元流動性比率を注視しております。
LiNKXでは、上記の高い成長率と収益性を達成するために、「ハイエンド・エンジニア数(注1)」と「1名あたり年間平均売上高(注2)」を経営指標として重視しております。
・ハイエンド・エンジニア数
LiNKXでは、顧客プロジェクトにアサインして稼働対象となるハイエンド・エンジニアを最重要経営資源として位置付けております。顧客のニーズに応えたシステム開発支援を推進し、更なる事業の拡大を図るためには、ハイエンド・エンジニア数の確保が重要であると考えております。従って、ハイエンド・エンジニア数は、LiNKXの経営資源の指標として、有用かつ必要であると考えております。
・1名あたり年間平均売上高
LiNKXでは、ハイエンド・エンジニア数の拡大に加え、より付加価値が高く、顧客にとって重要なシステム開発案件を受注することが、LiNKXの成長には欠かせないと考えております。また、ハイエンド・エンジニア1名あたりの生産性向上やストック型収入の成長によって売上高を最大化することが重要であると考えております。従って、ハイエンド・エンジニア1名あたりの年間平均売上高の情報は、LiNKXハイエンド・エンジニアの品質評価や生産性に係る指標として、有用かつ必要であると考えております。
(注1)クラウドネイティブで世界標準のシステム設計が行える技術とAIを高次元で活用できる技術を有するエンジニアと、システムモダナイゼーションのプロジェクトマネジメントやDXコンサルティングを行うソリューション・コンサルタントで、LiNKX独自のコーディングテスト等による厳格な採用選考を通過した顧客プロジェクトにアサインされる稼働対象人員の人数
(注2)1名あたり年間平均売上高=LiNKX年間売上高(注3)÷期中平均ハイエンド・エンジニア数(注4)
(注3)ラボオートメーション事業を除くシステムモダナイゼーション事業の年間売上高
(注4)前四半期末と四半期末におけるハイエンド・エンジニア数を合計して2で除した数値を、当該事業年度における4四半期分を合計して4で除した数値
(4)経営戦略等
LiNKXでは、短期的には、主たる顧客である金融機関向けのシステム開発支援を着実に遂行しながら、AI技術を活用した開発の実践ノウハウを蓄積してまいります。中期的には、これらの知見を結実させたAI技術によるシステムモダナイゼーションサービスの提供や、開発支援を行ったシステムの保守・運用、さらには自動化技術等の開発ノウハウを基盤とした自社ソリューションの開発に注力してまいります。また、長期的には、金融業界で培った高い信頼を背景に、製造・ヘルスケア・物流・小売・公共・行政等の他業界のミッション・クリティカル・システム開発支援へと横展開し、事業ドメインを拡大していく方針です。なお、短期的及び中期的に実行する具体的なアクションは以下のとおりです。
①フロー型収入の安定と拡大
LiNKXは、主に金融領域においてシステム開発支援の案件を新規で受注、あるいは既存の開発案件を継続・拡大しております。こうした案件を確実に遂行し、更なる案件拡大へとつなげるために、高品質なサービス提供を継続することに注力いたします。
②ストック型収入の拡大
更なる安定的収益基盤確保のため、LiNKXが開発支援したシステムの保守・運用の受託や自社ソリューション提供及び他社クラウドサービス・SaaSプロダクトのリセールを強化してまいります。また、これまでの開発で培ったノウハウを活用し、AIを活用したレガシーシステムのモダナイゼーション、金融領域における新規サービスと勘定系システムを連携するためのAPIゲートウェイシステム等の自社ソリューションの開発・販売を進めてまいります。
③開発体制の強化及びAI活用によるエンジニアの生産性向上
LiNKXの高い技術力を維持しながら、事業規模を拡大するためには、優秀なエンジニアの採用が必要不可欠です。LiNKXは、「エンジニアリング・ファースト」の理念のもと、エンジニアが働きやすいフレキシブルな環境を整備し、国籍を問わない積極的かつ柔軟な採用活動を展開することで、組織体制の強化を進めてまいります。
また、エンジニア一人一人の生産性及び技術的な競争優位性を高めるため、AI駆動開発を推進し、顧客向けのプロジェクトや自社ソリューション開発にAIを積極的に活用してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
LiNKXの優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりであります。なお、財務上の課題は、本書提出日現在において有利子負債はなく、LiNKXの財務は安定しており、優先的に対処すべき課題がないため、記載しておりません。
①優秀なエンジニアの採用と定着・育成
LiNKXは、エンジニアリング・カンパニーとして、金融領域を主としたミッション・クリティカルな社会インフラに関わるシステム開発の支援を行っており、これらのプロジェクトを実行する優秀なエンジニアの獲得が重要であると認識しております。特に、銀行向けの勘定系システムやAPIゲートウェイシステムの開発をはじめとした金融領域では、プロジェクトの遂行において高度な技術力が要求されています。そのため、最新のソフトウェア開発手法と革新的なモダンテクノロジーを活用して、グローバルスタンダードのアーキテクチャとベストプラクティスに基づき、最先端のエンジニアリング技術を統合可能な優秀なエンジニアを確保することが、結果としてLiNKXの成長に寄与すると考えております。LiNKXでは、通年での中途採用を実施しており、引き続き、採用プロセスの改善を継続しながら、優秀なエンジニアの獲得に努めてまいります。
また、「エンジニアリング・ファースト」の理念のもとで、エンジニアが安心して働きやすい環境・待遇の整備に注力し、高いモチベーションを維持したまま業務を遂行できるように努めております。LiNKXでは、エンジニア主体の組織・評価制度等の設計やテレワーク制度の導入等、会社としてエンジニアがパフォーマンスを発揮するための組織運営を行ってまいります。
②収益基盤の拡大
LiNKXは、金融領域におけるシステム開発支援を主軸に事業を展開しております。ミッション・クリティカル・システムのモダナイゼーションには多くのエンジニアリソースを必要とすることから、現在、LiNKXでは勘定系システム開発支援のプロジェクトを集中的に支援しております。そのため、特定の顧客における依存度が高く、2025年6月期における販売先上位2社による売上高の構成比が71.6%を占めております。今後、LiNKX顧客を取り巻く事業環境の変化等により、業界又は主要顧客の方針等が変更になった場合には、LiNKXの業績に影響を与える可能性があります。LiNKXでは、主要な顧客への売上高の依存を低下するため、新規顧客の開拓及び新規受注プロジェクトの案件拡大に取組んでおります。
③収益基盤の安定化
昨今の顧客の経営環境は、システムの老朽化やDXの推進等によって、これらの課題を解決するための最先端の技術を活用したシステム開発支援に対する需要が高まっております。一方で、既存のシステム開発支援ビジネスは、顧客の経営環境等によってプロジェクトへの投資が大きく変更される可能性があり、一過性の需要に留まるリスクがあります。そのため、LiNKXでは、中長期的なプロジェクトとなることが見込めるミッション・クリティカル・システムの開発支援を優先的に受注することに加えて、開発を支援したシステムの保守・運用や新たなテクノロジーを活用したリカーリングビジネスの開発等を進めております。これらの中長期での収益が見込める案件を獲得することによって、LiNKX収益基盤の安定化に取組んでおります。
④高度なAIの活用等によるエンジニアリング力の向上
LiNKXは、今後の事業拡大に向けて、技術的な競争力を確保するため、エンジニアリング力の向上に取組んでおります。昨今のAI技術の進歩を踏まえ、AIの活用を高度なレベルで行うことでエンジニアの生産性を向上することが他社との競争優位を確立するうえで重要であると認識しております。そのため、システム開発案件におけるAI駆動開発の推進や、AI活用に向けた社内ガイドライン等の整備を行っております。また、生産性の向上に加えて、金融領域のシステム開発に対応可能なセキュリティレベルの向上及びエンジニアリング・保守・運用等のオペレーションの最適化にも取組んでおります。
⑤内部管理体制の更なる強化
LiNKXは、事業の継続的な成長にあたって、顧客やパートナー企業等、外部のステークホルダーからの信頼を得ることが不可欠であると考えております。LiNKXでは、事業基盤の拡大のみならず、内部管理体制の構築も積極的に推進してまいりました。また、現在も株式上場を見据えた管理部門の人員増加を含め、管理面の強化を行っておりますが、今後更なる事業拡大を見据え、継続的な内部管理体制の強化、内部統制やコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
LiNKXの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてLiNKXが判断したものであります。
(1)経営方針
日本経済において労働人口減少問題が深刻化する中、LiNKXは高度生産性社会の実現に向けて、金融領域をはじめとした重要な社会インフラであるミッション・クリティカル・システムのモダン化を支援しております。
(LiNKXが提供する価値)
またLiNKXでは、以下のとおり、ビジョン、ミッション、バリューを定めております。
・ビジョン: テクノロジーで、高度生産性社会のその先へ
・ミッション:エンジニアリングの力で、ミッション・クリティカル・システムをモダン化する
・バリュー: プロフェッショナリズム「全ての観点において『プロ』であること」
共感「他者に寄り添い共感すること」
チームワーク「個を尊重し、チームで成功を遂げること」
挑戦「常に挑戦し続け、そしてやり抜くこと」
LiNKX事業がターゲットとするミッション・クリティカル・システムのモダン化においては、高い技術力が求められるため、LiNKX事業の推進において、優秀なエンジニアを確保する必要があります。そのため、LiNKX事業を推進するうえで、最も重要となる経営理念として「エンジニアリング・ファースト」を掲げております。
この「エンジニアリング・ファースト」のアプローチは、日本だけでなく、世界中から優秀なエンジニアを惹きつけており、エンジニアの才能と多様性が織りなすハイブリッドなカルチャーを育んでおります。LiNKXは、このカルチャーを土台に複雑で重要な課題に立ち向かう卓越したエンジニアのチームを作り上げ、「エンジニアリング・ファースト」の理念に基づき、これまで力強い成長を遂げてまいりました。
また、LiNKXでは、開発を支援したプロジェクトで蓄積したAIの活用に関する知見や新機能に関する技術資産を活用し、LiNKX技術の競争優位性を高める取組みを行っております。これにより、LiNKXは顧客に対して持続的な付加価値を提供しながら、優秀なエンジニアの生産性をさらに高めることができます。このアプローチによって、持続的な競争優位性の確立と企業価値の向上を同時に実現しております。
今後も「エンジニアリング・ファースト」の理念を忠実に守り、実践しながら、金融業界だけではなく、社会インフラを支える他業界のミッション・クリティカルなシステムを複合的に結び付け、モダン化を実現する役割を担っていきたいと考えております。LiNKXでは、これらシステムのモダン化によって社会をより良い形へと変革することに挑戦していくことで、誰もがより生産的で豊かな生活を送れる高度生産性社会の実現に貢献していくことを目指してまいります。
(2)経営環境
国内景気は、雇用・所得環境の改善とともに、緩やかな回復が見られます。一方で、海外景気は、中東情勢の影響に加え、米国の通商政策動向等によって未だ不透明な状況が続いております。しかしながら、金融領域におけるDXのニーズは衰えることなく、LiNKXが注力するシステムのモダン化ニーズもより一層高まっていると認識しております。
また、日本企業におけるソフトエンジニアをはじめとしたDX人材不足は、年々、深刻化しており、独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2025(注1)」では、DXを推進する人材の「量」の確保状況について尋ねた結果、日本は「やや不足している」「大幅に不足している」の割合の合計が85.1%となっており、2023年度の同調査結果と同様、大半の企業でDX推進人材が不足している状態となっております。LiNKXは、この状況が今後も継続するものと考えており、DX人材の不足を解決するためには、AI技術を活用して、効率的にシステムモダナイゼーションを推進する体制を構築することが重要になると考えております。
(DXを推進する人材の「量」の確保:経年変化・国別)
(注)1:出所、独立行政法人情報処理推進機構、「DX動向2025」、2025年6月26日
金融庁「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」によると、LiNKXがターゲットとする国内銀行の年間システム経費は、2021年度で1兆円を超えており、そのうちメガバンクは各行1,000億円以上、地域銀行は各行平均52億円、信用金庫は各庫平均6億円となっております(注2)。
また、同調査結果レポートによると、LiNKXの主要ターゲットとなる地域銀行においては、勘定系システムが複雑化・肥大化しており、システム経費は預金量の0.16%となっております。シンプルなシステム構成である信用金庫のシステム経費が預金量の0.10%に留まっていることに鑑みると、地域銀行において、システム維持コストの圧縮や開発の効率化が大きな課題になっていると考えております。
(国内地域銀行及び信用金庫における「業態別のシステム経費/預金量」)
(注)2:出所、金融庁、金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート、2022年6月30日
加えて、同調査結果レポートによると、10年後には一部機能のオープン化まで含めると約8割の地域銀行の勘定系システムがオープン化に移行(オンプレミスからクラウドサーバー環境へ移行)することを見込んでおります。同調査結果レポートでは、コスト削減に関しては、一部の地域銀行では勘定系システムの維持コストを30%削減可能と試算する事例も存在していることが報告されており、LiNKXでは、今後、地域銀行では、次世代勘定系システムの開発の流れが加速すると予想しております。
(LiNKXが考える勘定系システムのモダン化プロセス)
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
LiNKX事業の主たる収益源は、システム開発支援案件を顧客から受託するビジネスモデルであるため、LiNKXでは、毎年安定的に利益を生み出す営業活動によるキャッシュ・フローの拡充を目指しております。
また、財務的な指標としては、収益性の観点から営業利益率を重視しており、持続的かつ安定的な企業経営のために財務安全性も重視していることから、期末時点における手元流動性比率を注視しております。
LiNKXでは、上記の高い成長率と収益性を達成するために、「ハイエンド・エンジニア数(注1)」と「1名あたり年間平均売上高(注2)」を経営指標として重視しております。
・ハイエンド・エンジニア数
LiNKXでは、顧客プロジェクトにアサインして稼働対象となるハイエンド・エンジニアを最重要経営資源として位置付けております。顧客のニーズに応えたシステム開発支援を推進し、更なる事業の拡大を図るためには、ハイエンド・エンジニア数の確保が重要であると考えております。従って、ハイエンド・エンジニア数は、LiNKXの経営資源の指標として、有用かつ必要であると考えております。
・1名あたり年間平均売上高
LiNKXでは、ハイエンド・エンジニア数の拡大に加え、より付加価値が高く、顧客にとって重要なシステム開発案件を受注することが、LiNKXの成長には欠かせないと考えております。また、ハイエンド・エンジニア1名あたりの生産性向上やストック型収入の成長によって売上高を最大化することが重要であると考えております。従って、ハイエンド・エンジニア1名あたりの年間平均売上高の情報は、LiNKXハイエンド・エンジニアの品質評価や生産性に係る指標として、有用かつ必要であると考えております。
(注1)クラウドネイティブで世界標準のシステム設計が行える技術とAIを高次元で活用できる技術を有するエンジニアと、システムモダナイゼーションのプロジェクトマネジメントやDXコンサルティングを行うソリューション・コンサルタントで、LiNKX独自のコーディングテスト等による厳格な採用選考を通過した顧客プロジェクトにアサインされる稼働対象人員の人数
(注2)1名あたり年間平均売上高=LiNKX年間売上高(注3)÷期中平均ハイエンド・エンジニア数(注4)
(注3)ラボオートメーション事業を除くシステムモダナイゼーション事業の年間売上高
(注4)前四半期末と四半期末におけるハイエンド・エンジニア数を合計して2で除した数値を、当該事業年度における4四半期分を合計して4で除した数値
(4)経営戦略等
LiNKXでは、短期的には、主たる顧客である金融機関向けのシステム開発支援を着実に遂行しながら、AI技術を活用した開発の実践ノウハウを蓄積してまいります。中期的には、これらの知見を結実させたAI技術によるシステムモダナイゼーションサービスの提供や、開発支援を行ったシステムの保守・運用、さらには自動化技術等の開発ノウハウを基盤とした自社ソリューションの開発に注力してまいります。また、長期的には、金融業界で培った高い信頼を背景に、製造・ヘルスケア・物流・小売・公共・行政等の他業界のミッション・クリティカル・システム開発支援へと横展開し、事業ドメインを拡大していく方針です。なお、短期的及び中期的に実行する具体的なアクションは以下のとおりです。
①フロー型収入の安定と拡大
LiNKXは、主に金融領域においてシステム開発支援の案件を新規で受注、あるいは既存の開発案件を継続・拡大しております。こうした案件を確実に遂行し、更なる案件拡大へとつなげるために、高品質なサービス提供を継続することに注力いたします。
②ストック型収入の拡大
更なる安定的収益基盤確保のため、LiNKXが開発支援したシステムの保守・運用の受託や自社ソリューション提供及び他社クラウドサービス・SaaSプロダクトのリセールを強化してまいります。また、これまでの開発で培ったノウハウを活用し、AIを活用したレガシーシステムのモダナイゼーション、金融領域における新規サービスと勘定系システムを連携するためのAPIゲートウェイシステム等の自社ソリューションの開発・販売を進めてまいります。
③開発体制の強化及びAI活用によるエンジニアの生産性向上
LiNKXの高い技術力を維持しながら、事業規模を拡大するためには、優秀なエンジニアの採用が必要不可欠です。LiNKXは、「エンジニアリング・ファースト」の理念のもと、エンジニアが働きやすいフレキシブルな環境を整備し、国籍を問わない積極的かつ柔軟な採用活動を展開することで、組織体制の強化を進めてまいります。
また、エンジニア一人一人の生産性及び技術的な競争優位性を高めるため、AI駆動開発を推進し、顧客向けのプロジェクトや自社ソリューション開発にAIを積極的に活用してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
LiNKXの優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりであります。なお、財務上の課題は、本書提出日現在において有利子負債はなく、LiNKXの財務は安定しており、優先的に対処すべき課題がないため、記載しておりません。
①優秀なエンジニアの採用と定着・育成
LiNKXは、エンジニアリング・カンパニーとして、金融領域を主としたミッション・クリティカルな社会インフラに関わるシステム開発の支援を行っており、これらのプロジェクトを実行する優秀なエンジニアの獲得が重要であると認識しております。特に、銀行向けの勘定系システムやAPIゲートウェイシステムの開発をはじめとした金融領域では、プロジェクトの遂行において高度な技術力が要求されています。そのため、最新のソフトウェア開発手法と革新的なモダンテクノロジーを活用して、グローバルスタンダードのアーキテクチャとベストプラクティスに基づき、最先端のエンジニアリング技術を統合可能な優秀なエンジニアを確保することが、結果としてLiNKXの成長に寄与すると考えております。LiNKXでは、通年での中途採用を実施しており、引き続き、採用プロセスの改善を継続しながら、優秀なエンジニアの獲得に努めてまいります。
また、「エンジニアリング・ファースト」の理念のもとで、エンジニアが安心して働きやすい環境・待遇の整備に注力し、高いモチベーションを維持したまま業務を遂行できるように努めております。LiNKXでは、エンジニア主体の組織・評価制度等の設計やテレワーク制度の導入等、会社としてエンジニアがパフォーマンスを発揮するための組織運営を行ってまいります。
②収益基盤の拡大
LiNKXは、金融領域におけるシステム開発支援を主軸に事業を展開しております。ミッション・クリティカル・システムのモダナイゼーションには多くのエンジニアリソースを必要とすることから、現在、LiNKXでは勘定系システム開発支援のプロジェクトを集中的に支援しております。そのため、特定の顧客における依存度が高く、2025年6月期における販売先上位2社による売上高の構成比が71.6%を占めております。今後、LiNKX顧客を取り巻く事業環境の変化等により、業界又は主要顧客の方針等が変更になった場合には、LiNKXの業績に影響を与える可能性があります。LiNKXでは、主要な顧客への売上高の依存を低下するため、新規顧客の開拓及び新規受注プロジェクトの案件拡大に取組んでおります。
③収益基盤の安定化
昨今の顧客の経営環境は、システムの老朽化やDXの推進等によって、これらの課題を解決するための最先端の技術を活用したシステム開発支援に対する需要が高まっております。一方で、既存のシステム開発支援ビジネスは、顧客の経営環境等によってプロジェクトへの投資が大きく変更される可能性があり、一過性の需要に留まるリスクがあります。そのため、LiNKXでは、中長期的なプロジェクトとなることが見込めるミッション・クリティカル・システムの開発支援を優先的に受注することに加えて、開発を支援したシステムの保守・運用や新たなテクノロジーを活用したリカーリングビジネスの開発等を進めております。これらの中長期での収益が見込める案件を獲得することによって、LiNKX収益基盤の安定化に取組んでおります。
④高度なAIの活用等によるエンジニアリング力の向上
LiNKXは、今後の事業拡大に向けて、技術的な競争力を確保するため、エンジニアリング力の向上に取組んでおります。昨今のAI技術の進歩を踏まえ、AIの活用を高度なレベルで行うことでエンジニアの生産性を向上することが他社との競争優位を確立するうえで重要であると認識しております。そのため、システム開発案件におけるAI駆動開発の推進や、AI活用に向けた社内ガイドライン等の整備を行っております。また、生産性の向上に加えて、金融領域のシステム開発に対応可能なセキュリティレベルの向上及びエンジニアリング・保守・運用等のオペレーションの最適化にも取組んでおります。
⑤内部管理体制の更なる強化
LiNKXは、事業の継続的な成長にあたって、顧客やパートナー企業等、外部のステークホルダーからの信頼を得ることが不可欠であると考えております。LiNKXでは、事業基盤の拡大のみならず、内部管理体制の構築も積極的に推進してまいりました。また、現在も株式上場を見据えた管理部門の人員増加を含め、管理面の強化を行っておりますが、今後更なる事業拡大を見据え、継続的な内部管理体制の強化、内部統制やコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
LiNKXの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてLiNKXが判断したものであります。
(1)経営方針
日本経済において労働人口減少問題が深刻化する中、LiNKXは高度生産性社会の実現に向けて、金融領域をはじめとした重要な社会インフラであるミッション・クリティカル・システムのモダン化を支援しております。
(LiNKXが提供する価値)
またLiNKXでは、以下のとおり、ビジョン、ミッション、バリューを定めております。
・ビジョン: テクノロジーで、高度生産性社会のその先へ
・ミッション:エンジニアリングの力で、ミッション・クリティカル・システムをモダン化する
・バリュー: プロフェッショナリズム「全ての観点において『プロ』であること」
共感「他者に寄り添い共感すること」
チームワーク「個を尊重し、チームで成功を遂げること」
挑戦「常に挑戦し続け、そしてやり抜くこと」
LiNKX事業がターゲットとするミッション・クリティカル・システムのモダン化においては、高い技術力が求められるため、LiNKX事業の推進において、優秀なエンジニアを確保する必要があります。そのため、LiNKX事業を推進するうえで、最も重要となる経営理念として「エンジニアリング・ファースト」を掲げております。
この「エンジニアリング・ファースト」のアプローチは、日本だけでなく、世界中から優秀なエンジニアを惹きつけており、エンジニアの才能と多様性が織りなすハイブリッドなカルチャーを育んでおります。LiNKXは、このカルチャーを土台に複雑で重要な課題に立ち向かう卓越したエンジニアのチームを作り上げ、「エンジニアリング・ファースト」の理念に基づき、これまで力強い成長を遂げてまいりました。
また、LiNKXでは、開発を支援したプロジェクトで蓄積したAIの活用に関する知見や新機能に関する技術資産を活用し、LiNKX技術の競争優位性を高める取組みを行っております。これにより、LiNKXは顧客に対して持続的な付加価値を提供しながら、優秀なエンジニアの生産性をさらに高めることができます。このアプローチによって、持続的な競争優位性の確立と企業価値の向上を同時に実現しております。
今後も「エンジニアリング・ファースト」の理念を忠実に守り、実践しながら、金融業界だけではなく、社会インフラを支える他業界のミッション・クリティカルなシステムを複合的に結び付け、モダン化を実現する役割を担っていきたいと考えております。LiNKXでは、これらシステムのモダン化によって社会をより良い形へと変革することに挑戦していくことで、誰もがより生産的で豊かな生活を送れる高度生産性社会の実現に貢献していくことを目指してまいります。
(2)経営環境
国内景気は、雇用・所得環境の改善とともに、緩やかな回復が見られます。一方で、海外景気は、中東情勢の影響に加え、米国の通商政策動向等によって未だ不透明な状況が続いております。しかしながら、金融領域におけるDXのニーズは衰えることなく、LiNKXが注力するシステムのモダン化ニーズもより一層高まっていると認識しております。
また、日本企業におけるソフトエンジニアをはじめとしたDX人材不足は、年々、深刻化しており、独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2025(注1)」では、DXを推進する人材の「量」の確保状況について尋ねた結果、日本は「やや不足している」「大幅に不足している」の割合の合計が85.1%となっており、2023年度の同調査結果と同様、大半の企業でDX推進人材が不足している状態となっております。LiNKXは、この状況が今後も継続するものと考えており、DX人材の不足を解決するためには、AI技術を活用して、効率的にシステムモダナイゼーションを推進する体制を構築することが重要になると考えております。
(DXを推進する人材の「量」の確保:経年変化・国別)
(注)1:出所、独立行政法人情報処理推進機構、「DX動向2025」、2025年6月26日
金融庁「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」によると、LiNKXがターゲットとする国内銀行の年間システム経費は、2021年度で1兆円を超えており、そのうちメガバンクは各行1,000億円以上、地域銀行は各行平均52億円、信用金庫は各庫平均6億円となっております(注2)。
また、同調査結果レポートによると、LiNKXの主要ターゲットとなる地域銀行においては、勘定系システムが複雑化・肥大化しており、システム経費は預金量の0.16%となっております。シンプルなシステム構成である信用金庫のシステム経費が預金量の0.10%に留まっていることに鑑みると、地域銀行において、システム維持コストの圧縮や開発の効率化が大きな課題になっていると考えております。
(国内地域銀行及び信用金庫における「業態別のシステム経費/預金量」)
(注)2:出所、金融庁、金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート、2022年6月30日
加えて、同調査結果レポートによると、10年後には一部機能のオープン化まで含めると約8割の地域銀行の勘定系システムがオープン化に移行(オンプレミスからクラウドサーバー環境へ移行)することを見込んでおります。同調査結果レポートでは、コスト削減に関しては、一部の地域銀行では勘定系システムの維持コストを30%削減可能と試算する事例も存在していることが報告されており、LiNKXでは、今後、地域銀行では、次世代勘定系システムの開発の流れが加速すると予想しております。
(LiNKXが考える勘定系システムのモダン化プロセス)
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
LiNKX事業の主たる収益源は、システム開発支援案件を顧客から受託するビジネスモデルであるため、LiNKXでは、毎年安定的に利益を生み出す営業活動によるキャッシュ・フローの拡充を目指しております。
また、財務的な指標としては、収益性の観点から営業利益率を重視しており、持続的かつ安定的な企業経営のために財務安全性も重視していることから、期末時点における手元流動性比率を注視しております。
LiNKXでは、上記の高い成長率と収益性を達成するために、「ハイエンド・エンジニア数(注1)」と「1名あたり年間平均売上高(注2)」を経営指標として重視しております。
・ハイエンド・エンジニア数
LiNKXでは、顧客プロジェクトにアサインして稼働対象となるハイエンド・エンジニアを最重要経営資源として位置付けております。顧客のニーズに応えたシステム開発支援を推進し、更なる事業の拡大を図るためには、ハイエンド・エンジニア数の確保が重要であると考えております。従って、ハイエンド・エンジニア数は、LiNKXの経営資源の指標として、有用かつ必要であると考えております。
・1名あたり年間平均売上高
LiNKXでは、ハイエンド・エンジニア数の拡大に加え、より付加価値が高く、顧客にとって重要なシステム開発案件を受注することが、LiNKXの成長には欠かせないと考えております。また、ハイエンド・エンジニア1名あたりの生産性向上やストック型収入の成長によって売上高を最大化することが重要であると考えております。従って、ハイエンド・エンジニア1名あたりの年間平均売上高の情報は、LiNKXハイエンド・エンジニアの品質評価や生産性に係る指標として、有用かつ必要であると考えております。
(注1)クラウドネイティブで世界標準のシステム設計が行える技術とAIを高次元で活用できる技術を有するエンジニアと、システムモダナイゼーションのプロジェクトマネジメントやDXコンサルティングを行うソリューション・コンサルタントで、LiNKX独自のコーディングテスト等による厳格な採用選考を通過した顧客プロジェクトにアサインされる稼働対象人員の人数
(注2)1名あたり年間平均売上高=LiNKX年間売上高(注3)÷期中平均ハイエンド・エンジニア数(注4)
(注3)ラボオートメーション事業を除くシステムモダナイゼーション事業の年間売上高
(注4)前四半期末と四半期末におけるハイエンド・エンジニア数を合計して2で除した数値を、当該事業年度における4四半期分を合計して4で除した数値
(4)経営戦略等
LiNKXでは、短期的には、主たる顧客である金融機関向けのシステム開発支援を着実に遂行しながら、AI技術を活用した開発の実践ノウハウを蓄積してまいります。中期的には、これらの知見を結実させたAI技術によるシステムモダナイゼーションサービスの提供や、開発支援を行ったシステムの保守・運用、さらには自動化技術等の開発ノウハウを基盤とした自社ソリューションの開発に注力してまいります。また、長期的には、金融業界で培った高い信頼を背景に、製造・ヘルスケア・物流・小売・公共・行政等の他業界のミッション・クリティカル・システム開発支援へと横展開し、事業ドメインを拡大していく方針です。なお、短期的及び中期的に実行する具体的なアクションは以下のとおりです。
①フロー型収入の安定と拡大
LiNKXは、主に金融領域においてシステム開発支援の案件を新規で受注、あるいは既存の開発案件を継続・拡大しております。こうした案件を確実に遂行し、更なる案件拡大へとつなげるために、高品質なサービス提供を継続することに注力いたします。
②ストック型収入の拡大
更なる安定的収益基盤確保のため、LiNKXが開発支援したシステムの保守・運用の受託や自社ソリューション提供及び他社クラウドサービス・SaaSプロダクトのリセールを強化してまいります。また、これまでの開発で培ったノウハウを活用し、AIを活用したレガシーシステムのモダナイゼーション、金融領域における新規サービスと勘定系システムを連携するためのAPIゲートウェイシステム等の自社ソリューションの開発・販売を進めてまいります。
③開発体制の強化及びAI活用によるエンジニアの生産性向上
LiNKXの高い技術力を維持しながら、事業規模を拡大するためには、優秀なエンジニアの採用が必要不可欠です。LiNKXは、「エンジニアリング・ファースト」の理念のもと、エンジニアが働きやすいフレキシブルな環境を整備し、国籍を問わない積極的かつ柔軟な採用活動を展開することで、組織体制の強化を進めてまいります。
また、エンジニア一人一人の生産性及び技術的な競争優位性を高めるため、AI駆動開発を推進し、顧客向けのプロジェクトや自社ソリューション開発にAIを積極的に活用してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
LiNKXの優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりであります。なお、財務上の課題は、本書提出日現在において有利子負債はなく、LiNKXの財務は安定しており、優先的に対処すべき課題がないため、記載しておりません。
①優秀なエンジニアの採用と定着・育成
LiNKXは、エンジニアリング・カンパニーとして、金融領域を主としたミッション・クリティカルな社会インフラに関わるシステム開発の支援を行っており、これらのプロジェクトを実行する優秀なエンジニアの獲得が重要であると認識しております。特に、銀行向けの勘定系システムやAPIゲートウェイシステムの開発をはじめとした金融領域では、プロジェクトの遂行において高度な技術力が要求されています。そのため、最新のソフトウェア開発手法と革新的なモダンテクノロジーを活用して、グローバルスタンダードのアーキテクチャとベストプラクティスに基づき、最先端のエンジニアリング技術を統合可能な優秀なエンジニアを確保することが、結果としてLiNKXの成長に寄与すると考えております。LiNKXでは、通年での中途採用を実施しており、引き続き、採用プロセスの改善を継続しながら、優秀なエンジニアの獲得に努めてまいります。
また、「エンジニアリング・ファースト」の理念のもとで、エンジニアが安心して働きやすい環境・待遇の整備に注力し、高いモチベーションを維持したまま業務を遂行できるように努めております。LiNKXでは、エンジニア主体の組織・評価制度等の設計やテレワーク制度の導入等、会社としてエンジニアがパフォーマンスを発揮するための組織運営を行ってまいります。
②収益基盤の拡大
LiNKXは、金融領域におけるシステム開発支援を主軸に事業を展開しております。ミッション・クリティカル・システムのモダナイゼーションには多くのエンジニアリソースを必要とすることから、現在、LiNKXでは勘定系システム開発支援のプロジェクトを集中的に支援しております。そのため、特定の顧客における依存度が高く、2025年6月期における販売先上位2社による売上高の構成比が71.6%を占めております。今後、LiNKX顧客を取り巻く事業環境の変化等により、業界又は主要顧客の方針等が変更になった場合には、LiNKXの業績に影響を与える可能性があります。LiNKXでは、主要な顧客への売上高の依存を低下するため、新規顧客の開拓及び新規受注プロジェクトの案件拡大に取組んでおります。
③収益基盤の安定化
昨今の顧客の経営環境は、システムの老朽化やDXの推進等によって、これらの課題を解決するための最先端の技術を活用したシステム開発支援に対する需要が高まっております。一方で、既存のシステム開発支援ビジネスは、顧客の経営環境等によってプロジェクトへの投資が大きく変更される可能性があり、一過性の需要に留まるリスクがあります。そのため、LiNKXでは、中長期的なプロジェクトとなることが見込めるミッション・クリティカル・システムの開発支援を優先的に受注することに加えて、開発を支援したシステムの保守・運用や新たなテクノロジーを活用したリカーリングビジネスの開発等を進めております。これらの中長期での収益が見込める案件を獲得することによって、LiNKX収益基盤の安定化に取組んでおります。
④高度なAIの活用等によるエンジニアリング力の向上
LiNKXは、今後の事業拡大に向けて、技術的な競争力を確保するため、エンジニアリング力の向上に取組んでおります。昨今のAI技術の進歩を踏まえ、AIの活用を高度なレベルで行うことでエンジニアの生産性を向上することが他社との競争優位を確立するうえで重要であると認識しております。そのため、システム開発案件におけるAI駆動開発の推進や、AI活用に向けた社内ガイドライン等の整備を行っております。また、生産性の向上に加えて、金融領域のシステム開発に対応可能なセキュリティレベルの向上及びエンジニアリング・保守・運用等のオペレーションの最適化にも取組んでおります。
⑤内部管理体制の更なる強化
LiNKXは、事業の継続的な成長にあたって、顧客やパートナー企業等、外部のステークホルダーからの信頼を得ることが不可欠であると考えております。LiNKXでは、事業基盤の拡大のみならず、内部管理体制の構築も積極的に推進してまいりました。また、現在も株式上場を見据えた管理部門の人員増加を含め、管理面の強化を行っておりますが、今後更なる事業拡大を見据え、継続的な内部管理体制の強化、内部統制やコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。LiNKXは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、LiNKX株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてLiNKXが判断したものであります。
(1)リスク管理体制
LiNKXは、リスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク・コンプライアンス管理規程」において定め、リスク管理の基盤としての内部統制システムと、代表取締役社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会において、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスク顕在化の予防を図っております。
(2)主要な事業等のリスク
①経営環境に関するリスク
a.特定取引先への依存について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXの売上高について、取引額上位2社の合計販売比率(2025年6月期における売上高に占める割合)は売上高全体の71.6%となっております。また、2025年6月期においては、株式会社北國銀行との取引金額が売上高全体の49.5%を占めており、特定の取引先への依存度が高い状態にあります。そのため、LiNKXでは、特定の取引先が円滑なプロジェクト運営を行えるようLiNKXエンジニアリソースを適切に提供しており、中長期的に安定した取引関係を構築するための対応を行っております。また、特定取引先の経営陣との定期的な会議やプロジェクトの進捗報告や意思決定に関する重要な会議体を設定し、今後のプロジェクトの方針や計画等をいち早く把握する運営を行っております。加えて、LiNKXでは、特定の取引先への依存による業績に対する影響を緩和するため、営業体制を強化し、積極的な営業活動による顧客基盤の拡大に努めております。しかしながら、特定の取引先における経営方針や業績の変化等によって、契約が想定外に短期間で終了した場合や取引先の意向により規模縮小等の契約変更を余儀なくされた場合に、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.特定領域への依存について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXの売上高について、金融領域におけるプロジェクトの合計販売比率(2025年6月期における売上高に占める割合)は売上高全体の87.7%となっております。また、2025年6月期においては、金融機関向けの取引金額が売上高全体の65.6%を占めており、金融領域への依存度が高い状態にあります。LiNKXでは、金融領域に注力して事業を拡大しておりますが、フロー型収入のシステム開発支援だけではなく、ストック型収入の運用・保守や自社プロダクトの開発等、収益基盤の拡大に努めております。しかしながら、当該特定領域における規制強化や経営方針の変更、業績の悪化等によって、金融領域におけるニーズが大幅に減退した場合には、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
c.人件費上昇について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXにおいては、優秀なエンジニアを確保するため、既存従業員への定期的な昇給、又は新規採用のため好条件での人材獲得を行っております。また、昨今の物価上昇等によって、日本経済全体として賃上げの潮流が継続しており、特にエンジニア人材の獲得競争激化によって人件費の上昇が継続するものと認識しております。LiNKXの売上高を支える開発の多くは人材によって成立しており、売上原価の大部分が人件費となっているため、人件費の上昇については、LiNKXの収益性に大きな影響を与えます。LiNKXでは、付加価値の高いプロジェクトを受注することで月額平均単価の向上、人件費に依存しない自社プロダクトの開発等によって、人件費上昇の影響を軽減することに努めております。しかしながら、急激な人件費の上昇を、売上高の拡大で充足できないなどの事態が生じた場合、LiNKXの収益性に影響を及ぼす可能性があります。
d.競合状況について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXが手掛けるシステムモダナイゼーション事業は、大手システムインテグレーターやITコンサルティング会社と競合する可能性があり、競合事業者に対するLiNKXの優位性を顧客に対して十分に訴求できなくなった場合は、売上高の減少等、経営成績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。このリスクへの対応を強固なものとするために、LiNKXは「エンジニアリング・ファースト」の理念をベースとしたエンジニアが働きやすい環境の整備による高い開発能力を有する優秀なエンジニアの確保に努めております。また、AIの活用等によってエンジニアの生産性を高めることで、技術優位性を確立し、他社との差別化を図りつつ、顧客に対してエンジニアリング力の高さを訴求することで、新規顧客開拓及び既存顧客とのリレーション強化を実施してまいります。
e.技術革新等について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXのシステムモダナイゼーションにおいては、技術力が競争力の源泉であるため、技術革新等への対応が遅れることはLiNKXにとって重大なリスクになると考えております。従いまして、技術革新に迅速に対応できるよう最先端のAI技術とLiNKX技術を組み合わせることや、常に市場動向を注視し、技術革新への対応を講じることによって、今後も競争力あるサービスを提供できるように取組んでおります。しかしながら、予想以上の急速な技術革新や代替技術の出現等により、LiNKXのサービスが十分な競争力や付加価値を提供できない場合には、新規受注の減少や既存顧客の離反を招来し、LiNKXの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
f.新規事業について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXでは、収益基盤をさらに拡大するために、今後、自社プロダクト開発等の新規事業への取組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、LiNKX全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業がLiNKXの目論見どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、LiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。この影響への対応としては、新規事業が目論見通りに推移しないと考えられた場合は、事業方針の転換や撤退を行うことも視野に入れ、取締役会を中心に判断を行うことで影響の低減を図ってまいります。
g.景気変動について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXの事業はシステム開発支援が中心であり、多くのクライアントと取引を行っております。LiNKXの主要クライアントは国内金融機関が中心ですが、金融という領域においては国内のみならず、世界の先進国、新興国の景気変動がクライアント企業の経営状態に与える影響を通じて、LiNKXが支援するプロジェクトの内容や受注内容に影響を与えます。クライアント企業との関係を深化、新規取引先の開拓、提供できる案件を拡充し、リスク低減に努めております。しかしながら、国内外の景気動向により、主要顧客の投資抑制に伴う発注金額の減少や大型案件の中止等の不測の事態が生じた場合、LiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。
h.外国人採用及び雇用について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:大)
LiNKXでは、優秀なエンジニアを確保するため、欧米やアジア等の世界20ヵ国以上から優秀な海外人材を積極的に採用しており、外国人の従業員比率は約40%(2026年4月末時点)となっております。従業員に対する在留資格の確認や在留資格の更新手続きの支援等を行い、法令遵守を徹底した事業運営を行っております。しかしながら、海外情勢の変化や出入国管理及び難民認定法の改正等によって、優秀な海外人材の採用が大幅に制限された場合、LiNKXの技術力及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
i.経済危機について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:大)
LiNKXの事業はシステム開発支援が中心であり、多くのクライアントと取引を行っております。LiNKXの主要クライアントは国内金融機関が中心ですが、金融という領域においては、世界経済の動向がクライアント企業の経営状態に与える影響を通じて、LiNKXが支援するプロジェクトの内容や受注内容に影響を与えます。クライアント企業との関係を深化、新規取引先の開拓、提供できる案件を拡充し、リスク低減に努めております。しかしながら、100年に1度とされるような経済危機により、顧客の倒産や急激な金融収縮等によって、これまでの経済活動の継続が困難となった場合、LiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。
j.自然災害発生等について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXの事業拠点は、本社所在地である東京都港区にあり、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大災害が発生した場合、被災地域における本社損壊、停電、及び交通、通信、物流といった社会インフラの混乱及び途絶、取引先の被災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の影響を受ける可能性があります。LiNKXとしては、自然災害、大火災等の緊急事態に遭遇した場合において、損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための体制構築に努めておりますが、不測の事態が発生した場合、LiNKXの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
k.感染症によるパンデミックの発生について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXでは、新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、感染症の拡大防止や従業員をはじめとしたステークホルダーの安全確保を目的に、緊急事態宣言の発令・解除の状況等を鑑み、在宅勤務での業務運営を行うほか、国内外出張の取りやめ、オンラインツールを使用した社内会議の開催等を実施する方針です。しかしながら、感染症の拡大によって、パンデミックが発生した場合、従業員の健康被害、市況の悪化、営業活動の縮小及び顧客企業におけるシステム開発投資の抑制等によりLiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②事業運営に関するリスク
a.新規顧客の獲得について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXでは、顧客基盤を強化することで収益基盤の安定化を図るため、新規顧客の獲得に向けた営業活動を行っております。金融機関向けシステム開発で培った実績に基づく提案や営業体制の強化等により新規主要顧客を増やすための取組みを行っております。しかしながら、新規顧客の獲得が計画どおりに進まない場合、特定取引先への依存度が高い状態が継続する可能性があります。その結果、特定の取引先における経営方針や業績の変化等によって、契約が想定外に短期間で終了した場合や取引先の意向により規模縮小等の契約変更を余儀なくされた場合に、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.主要プロジェクトの遅延や中止について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXでは、金融機関における重点領域のシステムモダナイゼーションに注力しております。顧客の重要なプロジェクトを成功させるため、重点領域であるAPIゲートウェイシステム、データ基盤システム、勘定系システム開発に係るプロジェクトについては、LiNKXエンジニアを優先的にアサインし、リソースを集中的に投下しております。しかしながら、特定の取引先の主要プロジェクトへの依存度が高い状態であり、特定の取引先における主要プロジェクトで遅延や中止等が発生した場合、後続の案件獲得やLiNKXレピュテーションに影響を及ぼす可能性があります。
c.人材の確保・流出・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXにおいて、優秀なエンジニアが最重要経営資源であり、今後の企業規模拡大に向けて、LiNKXの理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用し、育成していくことが重要であると考えております。そのため、LiNKXでは優秀なエンジニアを確保するため、「エンジニアリング・ファースト」を経営理念として掲げ、エンジニアが最高のパフォーマンスが発揮できる環境の整備に取組んでおります。しかしながら、IT業界における人材の争奪により、優秀な人材の採用・確保及び育成が計画どおりに進まない場合や、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約、クライアントに提供するサービスレベルの低下をもたらし、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
d.サービス品質について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXが展開するシステムモダナイゼーション事業は、エンジニアの技術力とサービスレベルが品質に直結するため、品質管理が重要であると考えております。教育・研修等により、品質の維持・向上を図っておりますが、顧客が期待する品質のサービスが提供できない場合には、契約の継続性や新規顧客の獲得に支障をきたし、LiNKXの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e.情報管理について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXのシステム開発支援は、顧客先において、顧客先が抱えている経営課題を解決するための支援に従事しており、機密性の高い情報を取扱っております。LiNKXとしては、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、リスクマネジメントに努めております。また、役員及び従業員に対して、入社時及び定期的に機密情報の取扱について指導・教育を行っております。しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、LiNKXの社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含めLiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。
f.レピュテーションについて(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXは、クライアントニーズを充足する高品質なシステム開発支援の提供に努めるとともにコーポレート部にて定期的な役員及び従業員に対する研修等により、情報管理やコンプライアンスに対する意識を浸透させ、経営の健全性、効率性及び透明性の確保を図っております。しかしながら、提供するシステム開発支援や役員及び従業員に対して意図的に根拠のない噂や悪意を持った評判等を流布された場合には、LiNKXの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
g.訴訟について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXは、クライアントと契約を締結する際に、事前にトラブル時の責任分担を取り決めるなど、過大な損害賠償の請求をされないようリスク管理を行っております。しかしながら、契約時に想定していないトラブルの発生等が生じた場合、取引先等との何らかの問題が生じた場合、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起されるリスクがあります。係る損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、LiNKXの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
h.システム障害について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXのシステムモダナイゼーション事業では、業務上、インターネットやソフトウェアサービス等を利用して業務を行っております。セキュリティ水準の高いサービスの選定やデータのバックアップ等を行っておりますが、第三者による妨害行為や不正アクセス、機器の欠陥や故障、コンピューターウイルス等の要因によって、LiNKXが利用するサービスに大規模なシステム障害が発生した場合、LiNKXのサービスや業績に影響を及ぼす可能性があります。
i.配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXは、収益力の強化や事業基盤の整備をさらに進め、内部留保の状況やLiNKXを取り巻く事業環境を勘案したうえで、資本政策を決めていく方針であります。中でも、利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案のうえ、配当及び自己株式の取得等、最適な時期に最適な手法で行ってまいりたいと考えております。当該方針に基づき、現時点においては、将来の事業拡大に備えた内部留保の充実と財務体質の強化のため、配当を行っておりません。将来的には、内部留保の状況等を勘案したうえで株主に対して安定的かつ継続的な配当を実施する方針でありますが、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
③コンプライアンスに関するリスク
a.内部管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営の重要課題と位置づけ、内部統制システムの適切な運用に努め、同システムの充実・強化を継続的に図っております。しかしながら、適切な管理体制のもとで役職員の不正及び不法行為の防止に万全を期しているものの、万が一不正及び不法行為が発生した場合には、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXは、LiNKXの運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めておりますが、それらが不正使用されない保証はなく、第三者により侵害される可能性があるほか、LiNKXが保有する権利の権利化ができない場合もあります。また、第三者の知的財産権に対する侵害を防ぐ体制として、LiNKXのコーポレート部及び弁理士への委託等による事前調査を行っております。しかしながら、万が一LiNKXが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要等が発生する可能性があります。こうした場合、LiNKXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④その他のリスク
a.新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:株式上場後、影響度:小)
LiNKXでは、インセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しており、LiNKXの一部の役職員等に対して新株予約権を付与しております。また、今後においても役職員向けの株式報酬制度等を活用する可能性があります。これらの新株予約権等が行使された場合、又は今後新たに新株予約権の発行が行われ、当該新株予約権の行使が行われた場合は、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日の前月末(2026年4月30日)現在、これらのストック・オプションによる潜在株式は546,500株であり、本書提出日の前月末(2026年4月30日)現在の発行済株式総数6,598,300株の8.3%に相当しています。
b.LiNKX株式の流動性について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:株式上場後、影響度:小)
LiNKXは、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、公募増資及び売出しによってLiNKX株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において25.1%にとどまる見込みです。
今後は、新株予約権の行使による流通株式数の増加や既存株主への一部売出しの要請等により、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、LiNKX株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりLiNKX株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
c.大株主について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXの取締役である小西祐一の所有株式数は、本書提出日現在で、発行済株式総数の80.7%となっており、引き続き大株主となる見込みです。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。同氏は、LiNKXの創業者であるとともに取締役であるため、LiNKXといたしましても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情によりこれらのLiNKX株式が売却された場合には、LiNKX株式の価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。LiNKXは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、LiNKX株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてLiNKXが判断したものであります。
(1)リスク管理体制
LiNKXは、リスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク・コンプライアンス管理規程」において定め、リスク管理の基盤としての内部統制システムと、代表取締役社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会において、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスク顕在化の予防を図っております。
(2)主要な事業等のリスク
①経営環境に関するリスク
a.特定取引先への依存について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXの売上高について、取引額上位2社の合計販売比率(2025年6月期における売上高に占める割合)は売上高全体の71.6%となっております。また、2025年6月期においては、株式会社北國銀行との取引金額が売上高全体の49.5%を占めており、特定の取引先への依存度が高い状態にあります。そのため、LiNKXでは、特定の取引先が円滑なプロジェクト運営を行えるようLiNKXエンジニアリソースを適切に提供しており、中長期的に安定した取引関係を構築するための対応を行っております。また、特定取引先の経営陣との定期的な会議やプロジェクトの進捗報告や意思決定に関する重要な会議体を設定し、今後のプロジェクトの方針や計画等をいち早く把握する運営を行っております。加えて、LiNKXでは、特定の取引先への依存による業績に対する影響を緩和するため、営業体制を強化し、積極的な営業活動による顧客基盤の拡大に努めております。しかしながら、特定の取引先における経営方針や業績の変化等によって、契約が想定外に短期間で終了した場合や取引先の意向により規模縮小等の契約変更を余儀なくされた場合に、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.特定領域への依存について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXの売上高について、金融領域におけるプロジェクトの合計販売比率(2025年6月期における売上高に占める割合)は売上高全体の87.7%となっております。また、2025年6月期においては、金融機関向けの取引金額が売上高全体の65.6%を占めており、金融領域への依存度が高い状態にあります。LiNKXでは、金融領域に注力して事業を拡大しておりますが、フロー型収入のシステム開発支援だけではなく、ストック型収入の運用・保守や自社プロダクトの開発等、収益基盤の拡大に努めております。しかしながら、当該特定領域における規制強化や経営方針の変更、業績の悪化等によって、金融領域におけるニーズが大幅に減退した場合には、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
c.人件費上昇について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXにおいては、優秀なエンジニアを確保するため、既存従業員への定期的な昇給、又は新規採用のため好条件での人材獲得を行っております。また、昨今の物価上昇等によって、日本経済全体として賃上げの潮流が継続しており、特にエンジニア人材の獲得競争激化によって人件費の上昇が継続するものと認識しております。LiNKXの売上高を支える開発の多くは人材によって成立しており、売上原価の大部分が人件費となっているため、人件費の上昇については、LiNKXの収益性に大きな影響を与えます。LiNKXでは、付加価値の高いプロジェクトを受注することで月額平均単価の向上、人件費に依存しない自社プロダクトの開発等によって、人件費上昇の影響を軽減することに努めております。しかしながら、急激な人件費の上昇を、売上高の拡大で充足できないなどの事態が生じた場合、LiNKXの収益性に影響を及ぼす可能性があります。
d.競合状況について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXが手掛けるシステムモダナイゼーション事業は、大手システムインテグレーターやITコンサルティング会社と競合する可能性があり、競合事業者に対するLiNKXの優位性を顧客に対して十分に訴求できなくなった場合は、売上高の減少等、経営成績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。このリスクへの対応を強固なものとするために、LiNKXは「エンジニアリング・ファースト」の理念をベースとしたエンジニアが働きやすい環境の整備による高い開発能力を有する優秀なエンジニアの確保に努めております。また、AIの活用等によってエンジニアの生産性を高めることで、技術優位性を確立し、他社との差別化を図りつつ、顧客に対してエンジニアリング力の高さを訴求することで、新規顧客開拓及び既存顧客とのリレーション強化を実施してまいります。
e.技術革新等について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXのシステムモダナイゼーションにおいては、技術力が競争力の源泉であるため、技術革新等への対応が遅れることはLiNKXにとって重大なリスクになると考えております。従いまして、技術革新に迅速に対応できるよう最先端のAI技術とLiNKX技術を組み合わせることや、常に市場動向を注視し、技術革新への対応を講じることによって、今後も競争力あるサービスを提供できるように取組んでおります。しかしながら、予想以上の急速な技術革新や代替技術の出現等により、LiNKXのサービスが十分な競争力や付加価値を提供できない場合には、新規受注の減少や既存顧客の離反を招来し、LiNKXの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
f.新規事業について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXでは、収益基盤をさらに拡大するために、今後、自社プロダクト開発等の新規事業への取組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、LiNKX全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業がLiNKXの目論見どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、LiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。この影響への対応としては、新規事業が目論見通りに推移しないと考えられた場合は、事業方針の転換や撤退を行うことも視野に入れ、取締役会を中心に判断を行うことで影響の低減を図ってまいります。
g.景気変動について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXの事業はシステム開発支援が中心であり、多くのクライアントと取引を行っております。LiNKXの主要クライアントは国内金融機関が中心ですが、金融という領域においては国内のみならず、世界の先進国、新興国の景気変動がクライアント企業の経営状態に与える影響を通じて、LiNKXが支援するプロジェクトの内容や受注内容に影響を与えます。クライアント企業との関係を深化、新規取引先の開拓、提供できる案件を拡充し、リスク低減に努めております。しかしながら、国内外の景気動向により、主要顧客の投資抑制に伴う発注金額の減少や大型案件の中止等の不測の事態が生じた場合、LiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。
h.外国人採用及び雇用について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:大)
LiNKXでは、優秀なエンジニアを確保するため、欧米やアジア等の世界20ヵ国以上から優秀な海外人材を積極的に採用しており、外国人の従業員比率は約40%(2026年4月末時点)となっております。従業員に対する在留資格の確認や在留資格の更新手続きの支援等を行い、法令遵守を徹底した事業運営を行っております。しかしながら、海外情勢の変化や出入国管理及び難民認定法の改正等によって、優秀な海外人材の採用が大幅に制限された場合、LiNKXの技術力及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
i.経済危機について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:大)
LiNKXの事業はシステム開発支援が中心であり、多くのクライアントと取引を行っております。LiNKXの主要クライアントは国内金融機関が中心ですが、金融という領域においては、世界経済の動向がクライアント企業の経営状態に与える影響を通じて、LiNKXが支援するプロジェクトの内容や受注内容に影響を与えます。クライアント企業との関係を深化、新規取引先の開拓、提供できる案件を拡充し、リスク低減に努めております。しかしながら、100年に1度とされるような経済危機により、顧客の倒産や急激な金融収縮等によって、これまでの経済活動の継続が困難となった場合、LiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。
j.自然災害発生等について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXの事業拠点は、本社所在地である東京都港区にあり、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大災害が発生した場合、被災地域における本社損壊、停電、及び交通、通信、物流といった社会インフラの混乱及び途絶、取引先の被災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の影響を受ける可能性があります。LiNKXとしては、自然災害、大火災等の緊急事態に遭遇した場合において、損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための体制構築に努めておりますが、不測の事態が発生した場合、LiNKXの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
k.感染症によるパンデミックの発生について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXでは、新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、感染症の拡大防止や従業員をはじめとしたステークホルダーの安全確保を目的に、緊急事態宣言の発令・解除の状況等を鑑み、在宅勤務での業務運営を行うほか、国内外出張の取りやめ、オンラインツールを使用した社内会議の開催等を実施する方針です。しかしながら、感染症の拡大によって、パンデミックが発生した場合、従業員の健康被害、市況の悪化、営業活動の縮小及び顧客企業におけるシステム開発投資の抑制等によりLiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②事業運営に関するリスク
a.新規顧客の獲得について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXでは、顧客基盤を強化することで収益基盤の安定化を図るため、新規顧客の獲得に向けた営業活動を行っております。金融機関向けシステム開発で培った実績に基づく提案や営業体制の強化等により新規主要顧客を増やすための取組みを行っております。しかしながら、新規顧客の獲得が計画どおりに進まない場合、特定取引先への依存度が高い状態が継続する可能性があります。その結果、特定の取引先における経営方針や業績の変化等によって、契約が想定外に短期間で終了した場合や取引先の意向により規模縮小等の契約変更を余儀なくされた場合に、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.主要プロジェクトの遅延や中止について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXでは、金融機関における重点領域のシステムモダナイゼーションに注力しております。顧客の重要なプロジェクトを成功させるため、重点領域であるAPIゲートウェイシステム、データ基盤システム、勘定系システム開発に係るプロジェクトについては、LiNKXエンジニアを優先的にアサインし、リソースを集中的に投下しております。しかしながら、特定の取引先の主要プロジェクトへの依存度が高い状態であり、特定の取引先における主要プロジェクトで遅延や中止等が発生した場合、後続の案件獲得やLiNKXレピュテーションに影響を及ぼす可能性があります。
c.人材の確保・流出・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXにおいて、優秀なエンジニアが最重要経営資源であり、今後の企業規模拡大に向けて、LiNKXの理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用し、育成していくことが重要であると考えております。そのため、LiNKXでは優秀なエンジニアを確保するため、「エンジニアリング・ファースト」を経営理念として掲げ、エンジニアが最高のパフォーマンスが発揮できる環境の整備に取組んでおります。しかしながら、IT業界における人材の争奪により、優秀な人材の採用・確保及び育成が計画どおりに進まない場合や、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約、クライアントに提供するサービスレベルの低下をもたらし、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
d.サービス品質について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXが展開するシステムモダナイゼーション事業は、エンジニアの技術力とサービスレベルが品質に直結するため、品質管理が重要であると考えております。教育・研修等により、品質の維持・向上を図っておりますが、顧客が期待する品質のサービスが提供できない場合には、契約の継続性や新規顧客の獲得に支障をきたし、LiNKXの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e.情報管理について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXのシステム開発支援は、顧客先において、顧客先が抱えている経営課題を解決するための支援に従事しており、機密性の高い情報を取扱っております。LiNKXとしては、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、リスクマネジメントに努めております。また、役員及び従業員に対して、入社時及び定期的に機密情報の取扱について指導・教育を行っております。しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、LiNKXの社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含めLiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。
f.レピュテーションについて(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXは、クライアントニーズを充足する高品質なシステム開発支援の提供に努めるとともにコーポレート部にて定期的な役員及び従業員に対する研修等により、情報管理やコンプライアンスに対する意識を浸透させ、経営の健全性、効率性及び透明性の確保を図っております。しかしながら、提供するシステム開発支援や役員及び従業員に対して意図的に根拠のない噂や悪意を持った評判等を流布された場合には、LiNKXの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
g.訴訟について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXは、クライアントと契約を締結する際に、事前にトラブル時の責任分担を取り決めるなど、過大な損害賠償の請求をされないようリスク管理を行っております。しかしながら、契約時に想定していないトラブルの発生等が生じた場合、取引先等との何らかの問題が生じた場合、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起されるリスクがあります。係る損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、LiNKXの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
h.システム障害について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXのシステムモダナイゼーション事業では、業務上、インターネットやソフトウェアサービス等を利用して業務を行っております。セキュリティ水準の高いサービスの選定やデータのバックアップ等を行っておりますが、第三者による妨害行為や不正アクセス、機器の欠陥や故障、コンピューターウイルス等の要因によって、LiNKXが利用するサービスに大規模なシステム障害が発生した場合、LiNKXのサービスや業績に影響を及ぼす可能性があります。
i.配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXは、収益力の強化や事業基盤の整備をさらに進め、内部留保の状況やLiNKXを取り巻く事業環境を勘案したうえで、資本政策を決めていく方針であります。中でも、利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案のうえ、配当及び自己株式の取得等、最適な時期に最適な手法で行ってまいりたいと考えております。当該方針に基づき、現時点においては、将来の事業拡大に備えた内部留保の充実と財務体質の強化のため、配当を行っておりません。将来的には、内部留保の状況等を勘案したうえで株主に対して安定的かつ継続的な配当を実施する方針でありますが、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
③コンプライアンスに関するリスク
a.内部管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営の重要課題と位置づけ、内部統制システムの適切な運用に努め、同システムの充実・強化を継続的に図っております。しかしながら、適切な管理体制のもとで役職員の不正及び不法行為の防止に万全を期しているものの、万が一不正及び不法行為が発生した場合には、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXは、LiNKXの運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めておりますが、それらが不正使用されない保証はなく、第三者により侵害される可能性があるほか、LiNKXが保有する権利の権利化ができない場合もあります。また、第三者の知的財産権に対する侵害を防ぐ体制として、LiNKXのコーポレート部及び弁理士への委託等による事前調査を行っております。しかしながら、万が一LiNKXが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要等が発生する可能性があります。こうした場合、LiNKXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④その他のリスク
a.新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:株式上場後、影響度:小)
LiNKXでは、インセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しており、LiNKXの一部の役職員等に対して新株予約権を付与しております。また、今後においても役職員向けの株式報酬制度等を活用する可能性があります。これらの新株予約権等が行使された場合、又は今後新たに新株予約権の発行が行われ、当該新株予約権の行使が行われた場合は、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日の前月末(2026年4月30日)現在、これらのストック・オプションによる潜在株式は546,500株であり、本書提出日の前月末(2026年4月30日)現在の発行済株式総数6,598,300株の8.3%に相当しています。
b.LiNKX株式の流動性について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:株式上場後、影響度:小)
LiNKXは、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、公募増資及び売出しによってLiNKX株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において25.1%にとどまる見込みです。
今後は、新株予約権の行使による流通株式数の増加や既存株主への一部売出しの要請等により、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、LiNKX株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりLiNKX株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
c.大株主について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXの取締役である小西祐一の所有株式数は、本書提出日現在で、発行済株式総数の80.7%となっており、引き続き大株主となる見込みです。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。同氏は、LiNKXの創業者であるとともに取締役であるため、LiNKXといたしましても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情によりこれらのLiNKX株式が売却された場合には、LiNKX株式の価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。LiNKXは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、LiNKX株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてLiNKXが判断したものであります。
(1)リスク管理体制
LiNKXは、リスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク・コンプライアンス管理規程」において定め、リスク管理の基盤としての内部統制システムと、代表取締役社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会において、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスク顕在化の予防を図っております。
(2)主要な事業等のリスク
①経営環境に関するリスク
a.特定取引先への依存について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXの売上高について、取引額上位2社の合計販売比率(2025年6月期における売上高に占める割合)は売上高全体の71.6%となっております。また、2025年6月期においては、株式会社北國銀行との取引金額が売上高全体の49.5%を占めており、特定の取引先への依存度が高い状態にあります。そのため、LiNKXでは、特定の取引先が円滑なプロジェクト運営を行えるようLiNKXエンジニアリソースを適切に提供しており、中長期的に安定した取引関係を構築するための対応を行っております。また、特定取引先の経営陣との定期的な会議やプロジェクトの進捗報告や意思決定に関する重要な会議体を設定し、今後のプロジェクトの方針や計画等をいち早く把握する運営を行っております。加えて、LiNKXでは、特定の取引先への依存による業績に対する影響を緩和するため、営業体制を強化し、積極的な営業活動による顧客基盤の拡大に努めております。しかしながら、特定の取引先における経営方針や業績の変化等によって、契約が想定外に短期間で終了した場合や取引先の意向により規模縮小等の契約変更を余儀なくされた場合に、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.特定領域への依存について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXの売上高について、金融領域におけるプロジェクトの合計販売比率(2025年6月期における売上高に占める割合)は売上高全体の87.7%となっております。また、2025年6月期においては、金融機関向けの取引金額が売上高全体の65.6%を占めており、金融領域への依存度が高い状態にあります。LiNKXでは、金融領域に注力して事業を拡大しておりますが、フロー型収入のシステム開発支援だけではなく、ストック型収入の運用・保守や自社プロダクトの開発等、収益基盤の拡大に努めております。しかしながら、当該特定領域における規制強化や経営方針の変更、業績の悪化等によって、金融領域におけるニーズが大幅に減退した場合には、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
c.人件費上昇について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXにおいては、優秀なエンジニアを確保するため、既存従業員への定期的な昇給、又は新規採用のため好条件での人材獲得を行っております。また、昨今の物価上昇等によって、日本経済全体として賃上げの潮流が継続しており、特にエンジニア人材の獲得競争激化によって人件費の上昇が継続するものと認識しております。LiNKXの売上高を支える開発の多くは人材によって成立しており、売上原価の大部分が人件費となっているため、人件費の上昇については、LiNKXの収益性に大きな影響を与えます。LiNKXでは、付加価値の高いプロジェクトを受注することで月額平均単価の向上、人件費に依存しない自社プロダクトの開発等によって、人件費上昇の影響を軽減することに努めております。しかしながら、急激な人件費の上昇を、売上高の拡大で充足できないなどの事態が生じた場合、LiNKXの収益性に影響を及ぼす可能性があります。
d.競合状況について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXが手掛けるシステムモダナイゼーション事業は、大手システムインテグレーターやITコンサルティング会社と競合する可能性があり、競合事業者に対するLiNKXの優位性を顧客に対して十分に訴求できなくなった場合は、売上高の減少等、経営成績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。このリスクへの対応を強固なものとするために、LiNKXは「エンジニアリング・ファースト」の理念をベースとしたエンジニアが働きやすい環境の整備による高い開発能力を有する優秀なエンジニアの確保に努めております。また、AIの活用等によってエンジニアの生産性を高めることで、技術優位性を確立し、他社との差別化を図りつつ、顧客に対してエンジニアリング力の高さを訴求することで、新規顧客開拓及び既存顧客とのリレーション強化を実施してまいります。
e.技術革新等について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXのシステムモダナイゼーションにおいては、技術力が競争力の源泉であるため、技術革新等への対応が遅れることはLiNKXにとって重大なリスクになると考えております。従いまして、技術革新に迅速に対応できるよう最先端のAI技術とLiNKX技術を組み合わせることや、常に市場動向を注視し、技術革新への対応を講じることによって、今後も競争力あるサービスを提供できるように取組んでおります。しかしながら、予想以上の急速な技術革新や代替技術の出現等により、LiNKXのサービスが十分な競争力や付加価値を提供できない場合には、新規受注の減少や既存顧客の離反を招来し、LiNKXの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
f.新規事業について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXでは、収益基盤をさらに拡大するために、今後、自社プロダクト開発等の新規事業への取組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、LiNKX全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業がLiNKXの目論見どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、LiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。この影響への対応としては、新規事業が目論見通りに推移しないと考えられた場合は、事業方針の転換や撤退を行うことも視野に入れ、取締役会を中心に判断を行うことで影響の低減を図ってまいります。
g.景気変動について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXの事業はシステム開発支援が中心であり、多くのクライアントと取引を行っております。LiNKXの主要クライアントは国内金融機関が中心ですが、金融という領域においては国内のみならず、世界の先進国、新興国の景気変動がクライアント企業の経営状態に与える影響を通じて、LiNKXが支援するプロジェクトの内容や受注内容に影響を与えます。クライアント企業との関係を深化、新規取引先の開拓、提供できる案件を拡充し、リスク低減に努めております。しかしながら、国内外の景気動向により、主要顧客の投資抑制に伴う発注金額の減少や大型案件の中止等の不測の事態が生じた場合、LiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。
h.外国人採用及び雇用について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:大)
LiNKXでは、優秀なエンジニアを確保するため、欧米やアジア等の世界20ヵ国以上から優秀な海外人材を積極的に採用しており、外国人の従業員比率は約40%(2026年4月末時点)となっております。従業員に対する在留資格の確認や在留資格の更新手続きの支援等を行い、法令遵守を徹底した事業運営を行っております。しかしながら、海外情勢の変化や出入国管理及び難民認定法の改正等によって、優秀な海外人材の採用が大幅に制限された場合、LiNKXの技術力及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
i.経済危機について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:大)
LiNKXの事業はシステム開発支援が中心であり、多くのクライアントと取引を行っております。LiNKXの主要クライアントは国内金融機関が中心ですが、金融という領域においては、世界経済の動向がクライアント企業の経営状態に与える影響を通じて、LiNKXが支援するプロジェクトの内容や受注内容に影響を与えます。クライアント企業との関係を深化、新規取引先の開拓、提供できる案件を拡充し、リスク低減に努めております。しかしながら、100年に1度とされるような経済危機により、顧客の倒産や急激な金融収縮等によって、これまでの経済活動の継続が困難となった場合、LiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。
j.自然災害発生等について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXの事業拠点は、本社所在地である東京都港区にあり、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大災害が発生した場合、被災地域における本社損壊、停電、及び交通、通信、物流といった社会インフラの混乱及び途絶、取引先の被災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の影響を受ける可能性があります。LiNKXとしては、自然災害、大火災等の緊急事態に遭遇した場合において、損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための体制構築に努めておりますが、不測の事態が発生した場合、LiNKXの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
k.感染症によるパンデミックの発生について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXでは、新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、感染症の拡大防止や従業員をはじめとしたステークホルダーの安全確保を目的に、緊急事態宣言の発令・解除の状況等を鑑み、在宅勤務での業務運営を行うほか、国内外出張の取りやめ、オンラインツールを使用した社内会議の開催等を実施する方針です。しかしながら、感染症の拡大によって、パンデミックが発生した場合、従業員の健康被害、市況の悪化、営業活動の縮小及び顧客企業におけるシステム開発投資の抑制等によりLiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②事業運営に関するリスク
a.新規顧客の獲得について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXでは、顧客基盤を強化することで収益基盤の安定化を図るため、新規顧客の獲得に向けた営業活動を行っております。金融機関向けシステム開発で培った実績に基づく提案や営業体制の強化等により新規主要顧客を増やすための取組みを行っております。しかしながら、新規顧客の獲得が計画どおりに進まない場合、特定取引先への依存度が高い状態が継続する可能性があります。その結果、特定の取引先における経営方針や業績の変化等によって、契約が想定外に短期間で終了した場合や取引先の意向により規模縮小等の契約変更を余儀なくされた場合に、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.主要プロジェクトの遅延や中止について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXでは、金融機関における重点領域のシステムモダナイゼーションに注力しております。顧客の重要なプロジェクトを成功させるため、重点領域であるAPIゲートウェイシステム、データ基盤システム、勘定系システム開発に係るプロジェクトについては、LiNKXエンジニアを優先的にアサインし、リソースを集中的に投下しております。しかしながら、特定の取引先の主要プロジェクトへの依存度が高い状態であり、特定の取引先における主要プロジェクトで遅延や中止等が発生した場合、後続の案件獲得やLiNKXレピュテーションに影響を及ぼす可能性があります。
c.人材の確保・流出・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXにおいて、優秀なエンジニアが最重要経営資源であり、今後の企業規模拡大に向けて、LiNKXの理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用し、育成していくことが重要であると考えております。そのため、LiNKXでは優秀なエンジニアを確保するため、「エンジニアリング・ファースト」を経営理念として掲げ、エンジニアが最高のパフォーマンスが発揮できる環境の整備に取組んでおります。しかしながら、IT業界における人材の争奪により、優秀な人材の採用・確保及び育成が計画どおりに進まない場合や、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約、クライアントに提供するサービスレベルの低下をもたらし、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
d.サービス品質について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXが展開するシステムモダナイゼーション事業は、エンジニアの技術力とサービスレベルが品質に直結するため、品質管理が重要であると考えております。教育・研修等により、品質の維持・向上を図っておりますが、顧客が期待する品質のサービスが提供できない場合には、契約の継続性や新規顧客の獲得に支障をきたし、LiNKXの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e.情報管理について(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXのシステム開発支援は、顧客先において、顧客先が抱えている経営課題を解決するための支援に従事しており、機密性の高い情報を取扱っております。LiNKXとしては、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、リスクマネジメントに努めております。また、役員及び従業員に対して、入社時及び定期的に機密情報の取扱について指導・教育を行っております。しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、LiNKXの社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含めLiNKXの業績に影響を及ぼす可能性があります。
f.レピュテーションについて(顕在化の可能性:中、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXは、クライアントニーズを充足する高品質なシステム開発支援の提供に努めるとともにコーポレート部にて定期的な役員及び従業員に対する研修等により、情報管理やコンプライアンスに対する意識を浸透させ、経営の健全性、効率性及び透明性の確保を図っております。しかしながら、提供するシステム開発支援や役員及び従業員に対して意図的に根拠のない噂や悪意を持った評判等を流布された場合には、LiNKXの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
g.訴訟について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXは、クライアントと契約を締結する際に、事前にトラブル時の責任分担を取り決めるなど、過大な損害賠償の請求をされないようリスク管理を行っております。しかしながら、契約時に想定していないトラブルの発生等が生じた場合、取引先等との何らかの問題が生じた場合、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起されるリスクがあります。係る損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、LiNKXの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
h.システム障害について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXのシステムモダナイゼーション事業では、業務上、インターネットやソフトウェアサービス等を利用して業務を行っております。セキュリティ水準の高いサービスの選定やデータのバックアップ等を行っておりますが、第三者による妨害行為や不正アクセス、機器の欠陥や故障、コンピューターウイルス等の要因によって、LiNKXが利用するサービスに大規模なシステム障害が発生した場合、LiNKXのサービスや業績に影響を及ぼす可能性があります。
i.配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXは、収益力の強化や事業基盤の整備をさらに進め、内部留保の状況やLiNKXを取り巻く事業環境を勘案したうえで、資本政策を決めていく方針であります。中でも、利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案のうえ、配当及び自己株式の取得等、最適な時期に最適な手法で行ってまいりたいと考えております。当該方針に基づき、現時点においては、将来の事業拡大に備えた内部留保の充実と財務体質の強化のため、配当を行っておりません。将来的には、内部留保の状況等を勘案したうえで株主に対して安定的かつ継続的な配当を実施する方針でありますが、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
③コンプライアンスに関するリスク
a.内部管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営の重要課題と位置づけ、内部統制システムの適切な運用に努め、同システムの充実・強化を継続的に図っております。しかしながら、適切な管理体制のもとで役職員の不正及び不法行為の防止に万全を期しているものの、万が一不正及び不法行為が発生した場合には、LiNKXの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:中)
LiNKXは、LiNKXの運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めておりますが、それらが不正使用されない保証はなく、第三者により侵害される可能性があるほか、LiNKXが保有する権利の権利化ができない場合もあります。また、第三者の知的財産権に対する侵害を防ぐ体制として、LiNKXのコーポレート部及び弁理士への委託等による事前調査を行っております。しかしながら、万が一LiNKXが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要等が発生する可能性があります。こうした場合、LiNKXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④その他のリスク
a.新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化のある時期:株式上場後、影響度:小)
LiNKXでは、インセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しており、LiNKXの一部の役職員等に対して新株予約権を付与しております。また、今後においても役職員向けの株式報酬制度等を活用する可能性があります。これらの新株予約権等が行使された場合、又は今後新たに新株予約権の発行が行われ、当該新株予約権の行使が行われた場合は、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日の前月末(2026年4月30日)現在、これらのストック・オプションによる潜在株式は546,500株であり、本書提出日の前月末(2026年4月30日)現在の発行済株式総数6,598,300株の8.3%に相当しています。
b.LiNKX株式の流動性について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:株式上場後、影響度:小)
LiNKXは、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、公募増資及び売出しによってLiNKX株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において25.1%にとどまる見込みです。
今後は、新株予約権の行使による流通株式数の増加や既存株主への一部売出しの要請等により、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、LiNKX株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりLiNKX株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
c.大株主について(顕在化の可能性:低、顕在化のある時期:特定時期なし、影響度:小)
LiNKXの取締役である小西祐一の所有株式数は、本書提出日現在で、発行済株式総数の80.7%となっており、引き続き大株主となる見込みです。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。同氏は、LiNKXの創業者であるとともに取締役であるため、LiNKXといたしましても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情によりこれらのLiNKX株式が売却された場合には、LiNKX株式の価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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