SOLIZE Holdingsグループは、「進化を感動に」を理念とし、「システムとしての企業体へ」を使命として掲げています。また、人間の創造性と企業に求められる公益性を軸に、デジタルテクノロジーを高度に活用することで、次世代の「ものづくり」「企業運営」及び「社会課題」を変革するソリューションを提供するとともに、それらに貢献する新たな組織・企業を生み出すことを目的とした企業グループです。
SOLIZE Holdingsグループの事業は、1990年の設立時に、日本の製造業が海外に後れを取ることなく競争力を高めていくことを目指し、3D技術及び光造形技術を活用した製造業向け開発支援を開始したことに端を発します。当初は、3D CAD(※1)を活用したエンジニアリングサービス及び光造形による試作事業を中心に展開していましたが、その後、3D技術をはじめとするデジタル技術へのニーズの高まりを背景に、これらの事業で得られた知見を活かし、3D CADの活用を通じ、より高度な設計への対応を進めております。
近年では、自動車開発における自動運転や電気自動車における電子制御領域の拡大、コネクテッド化など、製品開発環境が急速に変化しています。また、多様なニーズに応える製品開発が求められる中で、3Dプリンターを活用した少量多品種生産への期待が高まっています。こうした環境変化を受け、SOLIZE Holdingsグループは、解析、MBD(※2)、ソフトウエア、XR(※3)、デジタルリスク対応などの各種エンジニアリングサービスを強化し、「デジタルものづくり」の革新を牽引してきました。併せて、多様な開発現場で培ってきたデジタルエンジニアリング及びデジタルマニュファクチャリングを基盤とした事業領域の拡大を進めて参ります。
さらに、SOLIZE Holdingsグループでは、製品開発の過程で蓄積したデジタル技術やノウハウを基盤として、意思決定ロジックに含まれる暗黙知にまで踏み込んだ可視化・数値化技術をベースに、自動車、電気機器、産業機械・プラントなどの製造業に加え、建設、金融、サービスといった非製造業を含む幅広い顧客を対象に、競争優位性の向上を目的とした組織横断的な課題解決や技術課題解決に関するコンサルティング事業を展開しています。また、近年は、これらの事業活動を基盤として、社会課題の解決に取組むビジネスインキュベーション事業も開始しました。
※1 3D CAD:コンピュータ上で製品や部品を3次元(立体)で設計・表現する行うためのソフトウエア
※2 MBD(Model Based Development):開発対象をモデル化し、シミュレーションを通じて設計・検証を行う開
発手法です
※3 XR(Extended Reality):現実世界と仮想世界を融合・拡張することにより、人が知覚・体験できる現実を
拡張する技術の総称であり、VR、AR、MR等(後述)を含みます
これまで述べてきた事業展開を通じて、SOLIZE Holdingsグループは「実践力」と「変革力」という2つのケイパビリティを同時に保有し、独自の強みを培ってきました。これらを背景としたSOLIZE Holdingsグループの競争優位性は、以下の点にあります。
1. 30年以上にわたり培ってきた「デジタルものづくり」の技術と経験
2. 現場の暗黙知を形式知化し、関係者全体を巻き込みながら創造性と生産性を最大化する独自の方法論
3. 3Dプリンター、シミュレータ、AIなどの最先端技術を活用し、最適な技術選定から高度な適用までの提案・実行を担う2,000名超のエンジニア及びコンサルタント
4. デジタルテクノロジーを活用したビジネスインキュベーションを推進する人財・組織力
以上の強みを基盤として事業体制を整備しており、現在、SOLIZE Holdingsグループは国内子会社7社及び海外子会社5社で構成されています。エンジニアリング、マニュファクチャリング、コンサルティング、ビジネスインキュベーションを中核事業として展開し、さまざまな業界・業種において既存の制度や仕組みに限界を感じている顧客に対し、迅速かつ実効性の高い変革を実現するための支援を行っています。
1. SOLIZE Holdingsグループの事業の構成
SOLIZE Holdingsグループが展開する事業は、ものづくりにおける幅広い製品開発領域に対し、デジタル技術を活用したエンジニアリングサービスの提供や、SOLIZE Holdingsグループ所有の3Dプリンター等の設備による試作モデル製作及び最終製品に使用できる最終製品製作や、3Dプリンター装置導入事業及びエンジニアリングに関するシステムの販売・構築を行う「エンジニアリング・マニュファクチャリング事業」、ものづくり変革で培ったコア技術により、企業課題・社会課題の解決を通じ、コンサルティング及びエンジニアリングサービスの提供を行う「コンサルティング・エンジニアリング事業」、社会・産業課題の解決に向けた新規事業の開発及び運営を行う「ビジネスインキュベーション事業」の3つのセグメントで構成されております。
なお、各事業と主要な関係会社の位置付けについては、事業系統図に記載のとおりであります。
(1) エンジニアリング・マニュファクチャリング事業
当サービスでは、3Dプリンターによる試作品の製作から製品開発支援の事業を開始し、主に自動車産業に属する顧客企業の開発部門のエンジニアリングパートナーとして開発支援領域におけるサービスを拡大して参りました。現在は、試作品の製作だけでなく、試作の前工程である研究開発・デザイン(スタイリング)・制御・設計・解析や、後工程である生産準備・3Dプリンターによる最終製品向けの部品製作など製品開発のエンジニアリングチェーンを対象に、幅広く支援できる体制を構築しております。
① エンジニアリングサービス
当サービスは、当事業のエンジニアが保有する製品開発ノウハウやデジタル技術等を顧客企業の開発現場にて直接提供するオンサイト支援(契約形態としては請負契約・準委任契約・派遣契約など)及び、顧客企業から依頼を受け取り決めたアウトプット等を提供するオフサイト支援(契約形態としては請負契約・準委任契約など)により提供しております。また日本を始め北米・中国・インド・タイにてサービスを展開しております。
■設計・3Dスタイリング
自動車業界を中心に長年培ってきた製品設計技術とノウハウ及び3D CAD技術と知見を有するエンジニアが、自動車、航空機、建設機械、産業機械・プラント、電気機器、精密機器、医療機器など製造業を中心とした様々な顧客企業に対して、3Dデータ作成、企画・コンセプト立案、スタイリング提案 、デザイン、設計、解析、生産技術に及ぶ製品開発工程へのエンジニアリングサービスを提供しております。3D CADはハイエンドを中心に、幅広く対応が可能です。
製品性能の向上や開発コストの抑制、開発期間の短縮を目的として、構造解析・機構解析・熱流体解析・電磁界解析など様々な解析業務を行っております。また、自動車1台分のような大規模モデルの解析用メッシュデータ(※4)の作成や3Dスキャンデータを用いたリバース解析(※5)、設計エンジニアによる設計改善支援等を行っております。
※4 解析用メッシュデータ:3D CADで作成した製品計上を解析計算用に小さな要素へ分割したデータ
※5 リバース解析:リバースエンジニアリング(既存製品の現物に対し形状データを測定し、そのデータを元にCADデータを作成すること)により作成した形状データに対し解析をかけること
■3Dデジタル活用
3D CADの機能を最大限に活用し、ものづくりの生産性を飛躍的に向上させる3Dデジタルツール開発サービスを提供しております。3Dデータ作成を自動化するテンプレートやプログラミング技術を組み合わせることで、顧客が抱えるQCDに関する課題に対し、最適なツールを開発しております。これらのツールにより作業効率の向上を図るとともに、設計及び製造現場における品質向上、人への過度な依存からの脱却、ならびにリードタイムの短縮に寄与しております。
また、今後さまざまな領域での活用が期待されている XR、VR(※6)、AR(※7)、MR(※8)など現実世界と仮想世界を融合する技術においては、作り手と使い手を体験価値でつなぐコミュニケーションツールと位置付けています。SOLIZE Holdingsグループが保有する3D 技術と VR 技術を組み合わせ、コンテンツ制作や VR 空間データの構築等のサービスを提供しています。これにより、ものづくりの開発効率や品質向上に寄与するとともに、リアリティが高く制約の少ないバーチャル空間を活用した体験型コンテンツの反復利用を通じて、エンジニアの育成にも貢献しております。
さらに、世界的にカーボンニュートラルへの取組みが進展する中、環境に配慮した設計の重要性が高まっていることから、環境的、社会的、経済的に持続可能な製品等のライフサイクルシステムのデザインとマネジメントのための技術体系であるライフサイクルエンジニアリングの観点を踏まえた設計業務にも取組んでおります。
※6 VR(Virtual Reality):専用ゴーグル等を用いて視界を覆い、現実とは別の仮想空間の中に没入させ、実際にその空間にいるように感じさせる技術
※7 AR(Augmented Reality):現実空間にデジタル情報を重ねて表示し、現実世界を仮想的に拡張する技術
※8 MR(Mixed Reality):現実世界と仮想空間をリアルタイムに融合させ、相互に作用させる技術
■グローバルでの開発支援体制及び優れた現地エンジニアの活用
顧客企業においては、最終消費地のニーズを的確にとらえた製品開発や、世界各地のエンジニアの能力を活用する観点から、海外拠点に製品開発組織を設置し、ネットワークを介してデータを共有しながら製品開発を進める等、グローバルな製品開発が進んでいます。
当サービスにおいても、顧客企業のグローバル製品開発を支援する体制及び、グローバルで優秀な人材を獲得することを目的として、日本、北米、中国、インド、タイの5極体制を構築しております。
特に、インド、米国については、2016年5月に、ESO(Engineering Services Outsourcing)の会社であるCSMグループのCSM Software Private Limited(現SOLIZE PARTNERS India Private Limited)及びCSM Software USA,LLC(現SOLIZE USA Corporation)を買収し、インド及び米国における支援体制を強化しました。また、インドについては、グローバルオフショアリングセンターと位置付け、世界各地からの設計・解析業務を請け負う体制を構築しております。さらなるグローバルでの開発支援体制の拡充を目的として、2025年にタイ法人、カナダ法人を設立いたしました。
2025年12月末時点において、SOLIZE Holdingsグループには自動車等の高度な開発に従事することが可能なハイエンドエンジニアがグローバルに1,947名所属しています。内訳としては、日本1,639名、インド190名、米国48名、中国31名、カナダ34名、タイ5名 となっております。
② マニュファクチャリングサービス
当サービスは、1990年に3Dプリンターを導入して以来、30年以上にわたり蓄積してきた3Dプリンティング技術及びノウハウと、自社で保有する造形設備を活用し、製品開発における試作部品から最終製品向け量産部品までの製造・提供を行っております。併せて、3Dプリンターの販売・保守サポート、材料販売、新材料開発、AM(※9)技術導入支援など、周辺領域を含めたサービスを展開しております。
これらのサービスの中核として、まず、3Dプリンター活用を促進するワンストップ型のサービスがあり、開発初期段階からのエンジニアリング支援、ベンチマーキング製造による性能評価、最適な装置選定・販売までを一貫して対応可能な点を特徴としております。これに加え、顧客が3Dデータを保有していない場合、3Dデータの作成から用途に応じ適切な精度・材料による部品製造、納入までをワンストップで対応しております。また、SOLIZE Holdings設備で対応できない工法や加工については、外部委託先と連携し、部品製造を取りまとめることで一括対応が可能です。
※9 AM(Additive Manufacturing):積層造形で物体を作り上げる製造プロセス
■樹脂・金属3Dプリンティング
顧客企業の開発期間短縮及び開発競争力の向上を目的として、用途や要望を事前にヒアリングし、弾性、強度、透明度、耐熱性などの要件に基づき、最適な造形工法を提案しています。加えて、外部委託先と連携し、真空注型、鋳造、切削等の工法の併用や、塗装・メッキ処理等の二次加工を行うことにより、風洞試験(※10)、衝突試験、組付確認(※11)などの機能評価試験にそのまま使用可能な試験モデルや、金型を使用しない少量多品種向け最終部品の提供にも対応しています。
また、光造形機、粉末造形機、金属造形機など国内最大級のハイエンド3Dプリンター設備と豊富な材料バリエーションを活用し、顧客ニーズに応じたタイムリーな製品提供を行っています。大和工場(神奈川県大和市)及び豊田工場(愛知県豊田市)の2拠点に合計43台(2025年12月末時点、詳細は表に記載)の3Dプリンターを導入し、試作品から最終部品まで幅広い用途に対応しています。さらに、大和工場では最終部品製造を目的とした3Dプリンターによる量産ラインを構築しています。
※10 風洞試験:高速で移動する航空機・鉄道・自動車等や風の影響を受けやすい輸送機器を設計する際に行われる試験で、局所的な風速や圧力の分布や力、流れの可視化などを行うこと
※11 組付確認:設計の意図通りに部品が組み付くか、また組付け作業時における作業性などを確認する行為
保有している3Dプリンターの台数と特徴
|
3D Systems社製 |
||
|
金属造形機 |
粉末造形機 |
光造形機 |
|
4台 |
8台 |
10台 |
|
ステンレス鋼やアルミ合金等の金属粉末にレーザーを照射することで焼結 |
熱可塑性のナイロン系/ エラストマ系の粉末樹脂に炭酸ガスレーザーを照射することで粉末を焼結 |
光硬化性のエポキシ系液体樹脂に紫外線レーザーを照射することで樹脂を硬化 |
|
ローラー方式で微細粉を高密度に粉敷し高い解像度・面粗さで造形。金属造形機としては標準的に広く普及しているレーザータイプの装置を保有。鋳造品と同等以上の機械特性があり、性能試験モデルで活用 |
本方式の主な材料であるPA12に加えて、自社開発材料のPA6やPPでの造形が可能。これらの材料は自動車の内外装に使用される代表的なプラスチックであり、エンジン回りの性能試験モデル、バンパーなどの組付モデルをより量産品に近い物性値をもったモデルの製造が可能 |
高耐熱・高透明の材料が特徴。透明な材料が使用できるため量産品では内部構造が見えない自動車のミッションケースの油流れ確認やワイヤーハーネスの組付け確認等の検証に使用されることが多い。また注型・鋳造等のマスターモデルで使用される。最新機はワークサイズが750ミリ角で業界最大クラス |
|
3D Systems社製 |
||
|
吊り下げ式光造形機 |
インクジェット式造形機 |
DLP式光造形機 |
|
9台 |
2台 |
1台 |
|
光硬化性のエポキシ系/アクリル系液体樹脂にプロジェクター投影されたLEDライトで面造形による硬化 |
プラスチック材料を吹き付ける「面造形」後、紫外線を使ってプラスチックを硬化 |
レーザータイプの光造形機の技術と、プロジェクターを活用した吊り下げ式光造形機の技術を掛け合わせた3Dプリンター |
|
高速造形で、高解像度なモデル品質を再現。同じ光硬化性の材料を使用する光造形機に比べて面造形できる新しい技術をもった造形機である。機能試作や最終製品製作などにも活用可能 |
解像度が高く、ほかの造形機では再現できないような微細造形や縮小モデルの製作に向く。主にフィギュアやプラモデルなど玩具モデルで活用 |
プロジェクターを用いて面で固めていくことで高速造形を可能にし、SLAの液槽方式と掛け合わせることで吊り下げ式光造形機では困難であった大きなサイズの部品の造形を実現。これにより、多くの顧客に高く評価いただいている吊り下げ式光造形機の優れた表面品質・精度はそのままに、より大きなサイズの部品を速く確実に作製することが可能 |
|
HP社製 |
TRUMPF社製 |
Roboze社製 |
|
粉末造形機 |
金属造形機 |
MEX方式造形機 |
|
6台 |
1台 |
2台 |
|
熱可塑性のナイロン系等の粉末樹脂にインクジェットとヒーターの熱反応で焼結 |
アルミ合金等の金属粉末にレーザーを照射することで焼結 |
スーパーエンプラと呼ばれる高強度材料に特化した熱溶解積層方式 |
|
量産同等の物性を実現し、従来の3Dプリンターでは積層するZ方向の強度がXY平面の強度に比べて弱いという点がこの装置の方式では改善されている。そのため従来の試作の用途に加えて最終製品での活用が期待されている。実際に自動車、医療分野などで量産部品の実績あり |
造形エリアが拡大し、材料マネジメントや造形プロセスのモニタリングシステムが充実。機能試作や最終製品などにも活用可能 |
独自技術のHYPERSPEEDテクノロジーにより高速造形と高精度造形を両立させ、最終製品製作に要求されるプロセスコントロールにも対応。これにより、金属やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)といった素材で製造されている高機能製品を3Dプリント製品に置き換え、大幅な生産性向上とコスト削減を実現。 |
■AM(Additive Manufacturing)技術導入支援
近年、3Dプリンター装置やソフトウエア、造形材料の開発・進化により、AM技術の適用範囲は広がっております。金型などの既存工法では実現の難しい性能や形状への対応が可能となる一方で、AM技術は既存工法と異なる点も多く、実際の製品への適用にあたっては多くの課題が存在します。
当サービスにおいては、顧客に対し、AM活用の加速を目的とした共同プロジェクトを推進するサービスを提供しております。技術テーマに応じ、エンジニアリングサービスの設計領域や解析領域等のエンジニアを含むチームを編成し、幅広い対応が可能です。具体的にはAM材料の開発研究・支援、AM応用技術の開発支援、AMを活用した設計効果検証、AM生産技術構築及び、生産プロセスの構築支援等を提供しております。
■3Dプリンター販売・保守
既存の米3D Systems社及び米HP社のほか、2025年より伊Roboze社、米Formlabs社の日本国内正規代理店として、3Dプリンターの販売・運用サポート等を行っております。SOLIZE Holdingsグループは、1990年に日本で初めて米3D Systems社の造形機を導入し、日本でいち早く光造形の試作サービスを開始したため、単なる装置販売や装置メーカーとの技術協力にとどまらず、長年にわたり蓄積してきた生産技術ノウハウを活用し、顧客企業が装置を導入する際には、そのニーズに応じた生産技術を併せて提案しております。また、3Dプリンターの各種材料販売に加え、経験豊富なフィールドエンジニアによるメンテナンスサービスも提供しております。
(2) コンサルティング・エンジニアリング事業
① 変革コンサルティングサービス
エンジニアリング・マニュファクチャリング事業で培ってきたものづくりの開発工程及び各種技術等の知見を活かし、自動車、電気機器、産業機械・プラントなどの製造業や建設業、さらに金融やサービスなど非製造業までの幅広い顧客に対して、競争優位性を高めることを目的とし、組織横断的な課題解決や技術課題の解決等のコンサルティングを行っております。
当サービスでは、人が判断する際の材料や基準など、通常では言語化が難しい思考プロセスまでを洗い出し分析するSOLIZE Holdings独自の方法論により、現状の業務を徹底的に可視化・数値化することで、顧客企業が目指す状態と現状のギャップを明らかにします。目指す姿と現状を可視化することにより、現状課題や取組みの方向性など、顧客企業の経営トップから現場の担当者まで課題認識を共有し、組織が一丸となって変革に取組む推進力を生み出しております。
② AI搭載のSaaSプロダクト、ソフトウエアの導入コンサルティングサービス
上述の変革コンサルティングサービスに加え、企業価値を向上させるため、AI技術を活用した業務プロセスの高度化やAI製品の提供を実施しております。
AI製品は、AI技術を用いたSaaS型のサービス提供となります。具体的には、SOLIZE Holdings独自の自然言語処理AIエンジン(アスペクトAI™)を搭載したSpectAシリーズにより、熟練者が培ってきた経験・ノウハウや着眼点を組織全体での利用が可能な形に変換し、ダイナミックな知恵の活用を実現します。SpectAシリーズは現在以下3製品から構成されております。
・RFQ Guide View:大量のRFQ(Request For Quotation:見積依頼書)に対しAIが読解をサポート
・Dynamic Knowledge Management:開発現場で日々生み出されるドキュメントや実績情報から構造的なナレッジ
をAIが自動生成
・KY-Tool:工場や建設現場等における安全管理業務に関する危険予知支援するAIツール
また、自動車産業を含む製造業における伴走型支援で培った、実践的かつ幅広いAI技術を活用し、画像や音などの検知・識別、それらのデータも用いた異常の検出や将来の予測、ベテランのスキルをモデル化し自動化を推進する実行・制御AI、さらには生成AIまで、事業課題に適合したAI基盤・アプリケーションを提供しております。これらを通じて、業務の自動化及び、最適化の推進に寄与しております。
③ SDV(※1)開発支援サービス
自動車業界では、自動運転や電気自動車開発の拡大を背景に、自動車制御の複雑化が進み、制御プログラム開発の重要性が一段と高まっています。さらに、IoT(Internet of Things)をはじめとする新たな技術領域の拡大に伴い、ソフトウエア開発の重要性も増しています。
特に SDVの開発において現場担当者が直面する多様な課題に対し、最適なエンジニアリング支援を提供しています。とりわけ、大規模な数値処理領域や MBD/MBSE(※2)分野において深い技術知見を有するエンジニアによる支援体制を整えており、「走る・曲がる・止まる」といった車両基本性能のモデルベース開発から、自動運転の制御開発に至るまで、高度な技術力による支援を提供しております。開発の複雑化・高度化が進む中で、設計の手戻りを抑制し、開発期間短縮と開発コスト低減に寄与するMBDは、主要な開発技術としても広く用いられています。
大規模数値処理の支援では、SDVの運用でクラウドに蓄積される各種センサーデータやログ情報など膨大なデータに対し、目的に応じた前処理や特徴量抽出を実施し、顧客ニーズに基づく有用な「設計情報」へと変換します。また、開発現場のワークフローに適合したアプリケーションの設計・導入支援にも対応しています。
当サービスにおいては、要求仕様分析による要件定義の最適化から、制御モデル・プラントモデルの構築、HILS(※3)環境構築、HILS テストの自動化ツール開発、自動運転シミュレータの構築まで対応可能な技術を備え、顧客企業へのサービス提供を行っております。
※1 SDV:Software Defined Vehicle(ソフトウエア定義型自動車)ソフトウエアによって車両の機能や性能が
定義・制御され、ソフトウエア更新により機能追加や性能向上が可能な車両を指す
※2 MBSE:Model-Based Systems Engineering(モデルベース・システムズエンジニアリング)システム全体
の要件定義、設計、検証等のプロセスを、文書ではなくモデルを用いて一元的に管理・実行する開発手法※3 HILS:Hardware In the Loop Simulation、ECU(電子制御ユニット)テスト装置
④ デジタルリスクマネジメント、サイバーセキュリティサービス
自動車産業をはじめとする製造業では、ソフトウエア制御された製品の増加、通信機能を有する製品の増加、DXやIoT等への対応で工場等における各種設備がインターネット網と接続されることが急増しております。それに合わせて、ものづくりにおけるサイバーセキュリティや法規・国際規格などへの対応が急務となっております。
当サービスにおいては、ものづくり及びものづくりの開発プロセスを熟知したエンジニアがセキュリティリスクに関する脅威/脆弱性分析・セキュリティアセスメント、開発フェーズにおけるセキュリティ設計・実装・各種テスト設計・環境構築・テスト実行等へのサービス提供を行っております。またインシデント発生後のデジタル鑑識として法的証拠を作成するデジタル・フォレンジック(※4)サービスも実施しております。
※4 デジタル・フォレンジック:デジタルデバイスに記録された情報の回収・保全と分析調査
(3) ビジネスインキュベーション事業
① ソフトウエア開発支援サービス
製造業をはじめとする各産業分野においてソフトウエアの需要は急増しており、「ソフトウエアファースト」と言われるほどその重要性は年々増しております。
当サービスでは、ソフトウエア開発、ソフトウエア第三者検証、国際規格適合コンサルティングの3つのサービスを展開しています。ソフトウエアにおける品質課題解決に特化し、システムの要件定義や基本設計構築、PMO支援、テスト設計業務、各種コンサルティング支援サービスを提供しています。これらの取組みを通じて、顧客の多様なニーズに応じた解決策を迅速に提案し、高品質なソフトウエア開発の実現に貢献しております。
② 新規事業開発
SOLIZE Holdings独自の「事業オーナーモデル」と「事業共創力」を活用し、社会・産業課題解決に資する新規事業の開発及び運営を行っております。また、各新規事業オーナーのアントレプレナーシップを核に、事業の構想・検証・組織設計から、事業立ち上げ後の資金調達・人材確保・バックオフィス支援までのサービスを一貫して提供しております。SOLIZE Holdings基準におけるミドルリスク・ミドルリターンの共創モデルにより、複数の新規事業を並行して創出し、事業の成果に応じて子会社化し、子会社の収益・資産を連結することにより、SOLIZE Holdingsグループ全体の成長と拡大に寄与して参ります。
2. SOLIZE Holdingsグループの事業系統図
SOLIZE Holdingsグループの事業系統図は次のとおりです。
SOLIZE Holdingsグループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてSOLIZE Holdingsグループが判断したものであります。
(1) 経営理念等
SOLIZE Holdingsグループでは、経営理念を示す「理念」・「使命」を以下のように定めております。
理念: 「進化を感動に」
使命: 「知恵と技術をエンジニアリングし、価値創造を革新する」
「『本質的に美しいものづくり』を実現する
(2) 経営方針等
SOLIZE Holdingsグループは、設立から30年以上が経過し、社会・産業・技術等の大きな変化への対応として、経営方針として「システムとしての企業体」、「アントレプレナーシップ」を掲げるとともに、全社での変革(Corporate Transformation)を推進しております。またこれらの活動を支える全社スローガンとして「人間の創造性はこれからだ。」を設定しております。
経営方針
・システムとしての企業体は、社内外でのつながり、掛け合わせを通じ付加価値の向上やケイパビリティ獲得の早期化を目指すものです。
・「アントレプレナーシップ」は企業体としての継続的な成長に向け、新しく事業を創造する強い情熱を持った新たな事業リーダーを多く生み出すという想いが込められています。
全社変革(Corporate Transformation、以下、「CX」という):長期的な計画を策定し、次の2段階で実行中となります。
・CX第1フェーズ:
目的:企業体としての組織・プロセス・戦略等を再構築することで、次の成長に向けた基盤構築
期間:2020年~2024年
・CX第2フェーズ:
目的:SOLIZE Holdingsグループ使命を実現する企業体への変容
期間:2025年~2033年
全社スローガン「人間の創造性はこれからだ。」は、地球資源を際限なく消費するだけでなく、余剰や無駄がなく資源が循環するものづくりのあり方、人とモノと自然環境が調和する世界の実現等の社会の進化に向け、開かれた人の知恵による人間の創造性の駆動を目指すものです。
(3) 経営戦略等
SOLIZE Holdingsグループは、3D技術等のデジタルテクノロジーを活用しデジタルものづくりを革新する、グローバルな製品開発のエンジニアリングパートナー企業であります。創業以来、製造業の顧客を中心に各種サービスによる価値を提供して参りました。グローバルでより大きな価値を顧客へ提供すべく、海外現地法人の設立、海外でのサービス提供等の海外展開も進めております。
SOLIZE Holdingsグループでは、長期的な全社変革とそれを実行するためのより迅速な経営判断及び効率的な運営体制構築を目的として、2021年1月1日付でSOLIZE Holdingsを吸収合併存続会社、完全子会社であったSOLIZE Engineering株式会社及びSOLIZE Products株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行いました。本合併に伴い、国内における事業部門を再編し各法人間で分かれていた事業・技術・サービスを掛け合わせ、社員の融合及び文化醸成等を行うことで、サービスの提供価値の向上や新規の事業・技術の開発が進んでおります。また国内管理部門も統合し、管理業務・管理プロセスの統合・標準化、社内業務システムの刷新、人事制度の統合等が完了しております。今後もさらなる事業・技術・サービスの掛け合わせと管理業務の効率化等を含めた全社変革を継続して実施し相乗効果の発揮に努めて参ります。
2023年6月に策定した『中期経営戦略2023-2025』に基づき、中長期の企業価値の向上に主眼を置き、新たな取組にチャレンジし、競争力のさらなる強化と成長に向け新たな技術獲得や事業開発への取り組みを加速させて参ります。
中期経営戦略2023-2025の主要テーマは以下の通りです。これらは経営方針および長期的な全社変革の計画からブレイクダウンされたものとなります。
・デジタルものづくりを革新し続ける企業となる
・真のDX先進経営を実践する
・信頼性の高い企業となる
これらのテーマによる活動を通じ、顧客にとっての開発パートナーおよび変革パートナーになるべく具体的に以下を推進中です。
・顧客への貢献価値の向上
個別のサービス提供に留まらず、エンジニアリングサービス及びマニュファクチュアリングサービスの実践力による総合的なサービス提供を行うことで顧客の開発パートナーとなること、また、顧客の将来への競争力を強化するために変革力の提供を行うことで変革パートナーにもなることにより貢献価値を向上します。
開発パートナーとは、顧客の製品や開発プロセス、設計標準等への深い理解とSOLIZE Holdingsがもつ高い設計力やプロジェクトマネジメント力により、顧客オンサイトでの支援に加えSOLIZE Holdings拠点による開発受託を行うことで顧客の開発力を増大することや、性能の向上などを目的に設計上流から3Dプリンターの活用を前提とした開発支援を行うことです。
また、実践力と変革力とを融合させることで、開発及び変革パートナーとしてより高い価値を提供することが可能となります。例えば、新たなデジタル技術を導入する顧客に対し、エンジニアが導入に対する技術支援をすると同時にコンサルタントが新技術導入後の最適なプロセスへの変革を提供することや、エンジニアが技術導入後の開発実業務をオンサイトで支援しながらコンサルタントが新プロセスにおけるノウハウ構築やさらなる効率化を実行することなどです。また従来顧客内で実施してきた業務を外部委託が可能な状態にするため、コンサルタントがプロセス・ノウハウ・要求項目等の整備を行い、その上でSOLIZE Holdingsが委託先となることで顧客の開発力の向上に寄与することが可能です。
・デジタルものづくりのケイパビリティの向上
SOLIZE Holdingsが保有するケイパビリティの融合によるサービス提供領域の拡張と新しいケイパビリティの獲得に伴う領域の拡張を継続します。またその実現のために、研究開発部門の設置、事業開発の専門部門の設置を行い、従来事業から得た収益を次の成長に向けた事業・技術開発のための投資に割り当てます。拡張の具体例は以下の図の通りです。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
SOLIZE Holdingsグループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として以下の項目を定めております。なお、国内エンジニア数 (含 コンサルタント)については、国内のエンジニア数及びコンサルタント数の合計であり、SOLIZE Holdingsグループの売上高及び営業利益の大半を占めるデザイン事業の業績に大きく影響するため、重視しております。
a. 売上高対前年増加率
b. 営業利益
c. 国内エンジニア数 (含 コンサルタント)
(5) 経営環境
SOLIZE Holdingsグループは、グローバルに製品開発サポートを行うグローバルエンジニアリング企業であり、SOLIZE Holdingsグループの主要顧客は自動車業界を中心とした製造業となります。
自動車業界においては、CASE(Connected、Autonomous/Automated、Shared、Electric)と呼ばれる新しい領域での技術革新や、地球環境問題への対応としてカーボンニュートラルへの取り組みが急速に進んでおります。そのような状況の中、コネクテッドカー、自動運転などの技術の実運用を目指し、自動車メーカー各社の開発需要の増加が期待されております。電気自動車(EV)、自動運転技術の開発などから、自動車開発における電子制御の複雑化とともにサイバー攻撃への対応の重要性が増しており、MBD、ソフトウエア、デジタルリスク領域の需要が高まっております。同時に自動車完成車メーカーにおいては、上述の先端領域へのリソースシフトが進んでおり、それ以外の領域において外部委託化が増加しております。これらの状況から、SOLIZE Holdingsグループとしても、自動車メーカー及び自動車部品メーカー等による開発投資の拡大継続を見込み、先端領域への支援と外部委託化が進む内外装領域の一括受託設計支援など両面においてSOLIZE Holdingsグループの幅広いエンジニアリング技術を融合し、顧客の製品開発をサポートすることでエンジニアリングサービスの収益拡大を図って参ります。
自動車完成車メーカーの研究開発費は以下のように安定的に推移しております。
また3Dプリンターを活用したAdditive Manufacturingのものづくりへの適用が拡張しており、従来の試作用途だけでなく、少量量産の最終部品としての用途が本格化しつつあります。本領域における長期にわたる経験を活かし、3Dプリンターの活用のための上流工程からのエンジニアリング支援及び最終部品としての品質を確保した製造の請負が拡大すると見込んでおります。SOLIZE Holdingsはこれまでも3Dプリンター活用を推進し国内における3Dプリンター市場の拡大に貢献して参りましたが、今後もそれを継続しマニュファクチュアリングサービスの収益拡大を図って参ります。
これらのエンジニアリングサービス、マニュファクチュアリングサービスの需要の増加に加え、将来の競争力確保に向け部門横断での開発プロセス変革やDX活動が増加しておりSOLIZE Holdingsグループのコンサルティングサービスの需要も高まっております。変革活動実施のための顧客内でのリソースを確保するために、SOLIZE Holdingsグループのエンジニアリングサービスを先行的に活用し開発キャパシティを保ち、かつ、エンジニアリングサービスを通じて獲得した顧客の製品・開発プロセス・技術等の知識を踏まえたコンサルティングサービスを提供することで収益拡大を図って参ります。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(SOLIZE Holdingsグループ全体の事業上の課題)
①製品開発をリードするプロフェッショナル集団を支える人材の採用と育成システムの維持・強化
SOLIZE Holdingsグループが事業を拡大し、継続的に成長していくためには、顧客企業と共に製品開発における高い価値を生み出すことのできる優秀な人材の採用が必要であり、さらに、事業拡大に伴い人員が増加する場合でも業務品質を落とすことなく、常に先端の技術を持つエンジニアを育成しなければなりません。
国内における採用については、国内学生の新卒採用に加え、アジア圏を中心に海外大学の理工系の学生についても対象にして実施しております。また2022年度からは、経験者採用体制を強化し採用数を増加させております。なお、一定の退職者も生じますが、退職者数より入社者数のほうが多いため社員数としては増加しております。2023年12月期の退職率は7.9%でした。
国内採用者数(人)
|
|
2018年 12月期 (※1) |
2019年 12月期 (※1) |
2020年 12月期 (※1) |
2021年 12月期 |
2022年 12月期 |
2023年 12月期 |
|
国内新卒 |
70 |
90 |
95 |
98 |
86 |
84 |
|
海外新卒(※2) |
36 |
37 |
12 |
25 |
11 |
3 |
|
経験者 |
58 |
42 |
64 |
51 |
110 |
149 |
|
合計 |
164 |
169 |
171 |
174 |
207 |
236 |
※1:2018年度~2020年度は、SOLIZE Holdings及び旧SOLIZE Engineering株式会社、旧SOLIZE Products株式会社における採用者の合算値であります
※2:海外新卒の採用活動については新型コロナウィルスの感染拡大により2020年以降、活動を縮小しております
またSOLIZE Holdingsグループは、「お客様の高い期待に応える、プロフェッショナル集団」として在り続けるために、製品開発をリードし続ける人材の創造、新しい手法・道具の創造、進化を続ける企業文化の創造を目指し、業務課題に着目し改善提案の経験を積むことによる提案型エンジニアの育成や、定期的なトレーニング・スキルテスト実施等による継続的な能力向上など、エンジニアの成長を促すための人材育成システムを既に備えており、今後においてもこれを維持・強化して参ります。
一定程度の経験年数を積み重ねたシニアのエンジニア人材については、より高単価な受託開発のプロジェクトリーダー、コンサルティングサービスを提供するコンサルタントといった分野に能力をコンバージョンすることで、1人当たりの売上高を増やし、事業を拡大して参ります。そのために、SOLIZE Holdingsグループ内の人材ローテーション等により変革コンサルティングサービスの経験を積んだ人材の育成及び、エンジニアリングサービスもしくはマニュファクチュアリングサービスと変革コンサルティングを組み合わせた提案により、顧客へより高い価値を提供することを追求して参ります。
人材の育成に併せて、新卒者・経験者の採用をさらに強化し、必要な人材確保を進めること、並びに人事制度の充実や面談などの各種施策を通じて定着率の向上を図って参ります。
なお、国内の派遣契約におけるエンジニアの平均時間単価、稼働率は以下のとおり推移しております。
国内における派遣契約の平均時間単価(円)
|
|
2020年12月期 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
|
平均時間単価(※3) |
4,326 |
4,339 |
4,385 |
4,556 |
※3:経験者・新卒含む全派遣契約の平均時間単価(残業代は除く)の平均値であります
国内における派遣ビジネスの稼働率(%)
|
|
2020年12月期 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
|
稼働率(※4) |
85.8 |
87.5 |
94.4 |
94.9 |
※4:派遣技術者数(研修中の従業員を含む)に対する稼働人数の割合を期中平均にて算出しております
②グローバルサポート体制の強化
SOLIZE Holdingsグループは、サービスの海外展開、海外事業の開発に取り組んでおり、海外企業へのサービス提供や、日本企業の海外展開支援を既に行っておりますが、SOLIZE Holdingsグループとして海外市場におけるビジネスチャンスを十分に取り込めているとは言えず、グローバルサポート体制の強化が課題であると認識しております。こうした課題に対して、グループ全体の製品開発における強みを活用した海外事業戦略の実行や、海外市場におけるブランド構築を促進して参ります。
③投資について
SOLIZE Holdingsグループでは、主として事業の成長と人材および経営基盤の強化を目的に、先端技術の獲得やサービス開発のための研究開発投資、人材の成長・強化や事業開発および事業開発人材の獲得などの投資、事業用設備や経営基盤強化・サイバー攻撃対策等のための設備投資、事業シナジーによる戦略的リターンを重視したコーポレートベンチャーキャピタル(以下、CVC)投資を行っております。こうした投資は、事業環境の予期せぬ変化により計画した成果が得られない場合、または資産が陳腐化した場合や、CVC投資はシードからアーリーステージのベンチャー企業を主な対象としているため、計画通りに投資先企業の事業の進捗が進まない場合など、SOLIZE Holdingsグループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。
このため、SOLIZE Holdingsグループでは、投資案件の内容・規模により、取締役会、執行役員会、戦略投資会議等において、事業計画に基づく十分な検討を行ったうえで投資に対する意思決定をしており、また、投資実行後も定めたプロセスに則り進捗確認を実施しております。
(デザイン事業の課題)
④総合的なデジタルエンジニアリング体制の確立
SOLIZE Holdingsグループは、製品開発のデジタルフェーズにおいて様々なデジタル技術を駆使し、エンジニアリング力を培って参りました。CASE等において製品開発のあり方が大きく変わる中で、これまでの領域ごとに蓄積してきたデジタルエンジニアリング力をより融合した総合的なサービス提供と個別領域でのサービス強化を行って参ります。
従来からの設計、解析、MBDの領域に加え、ソフトウエア、XRおよびサイバーセキュリティ領域のサービス提供を開始しておりさらなる拡大を行って参ります。
総合的なサービス提供という観点では、マニュファクチュアリング事業とも連携し、製品開発における3DプリンターによるAdditive Manufacturingの利点を最大化するための設計及び解析等のエンジニアリングを融合したサービス提供を行って参ります。
⑤変革コンサルティングサービスの拡大
SOLIZE Holdingsグループは、エンジニアリングサービスを通じて獲得した各種デジタル技術や開発プロセスや現場への精通に加え、人の判断を可視化する技術を組み合わせてコンサルティングサービスを提供しております。顧客企業においても様々な変革活動が実施されているとともに、経営課題は年々複雑になっております。また、SOLIZE Holdingsグループのエンジニアリングサービスの領域も拡張されているため、顧客からのコンサルティングサービス提供領域を拡大する要求が高まると想定しております。そのための人材の採用及び育成を含めた体制及びサービス範囲の拡大を行って参ります。
(マニュファクチュアリング事業の課題)
⑥金属造形技術の確立と顧客への訴求
3Dプリンターによる短期間での造形は、これまで主に樹脂材料による樹脂パーツの製作が行われておりましたが、金属粉末を材料とした金属造形は、複雑な形状の金属パーツも短期間で製作することができ、製品開発における更なる期間短縮やコスト削減、性能向上等のニーズに応える技術です。たとえば、従来は複数部品にて製作していたものを、金属造形では一体的に製作することにより、大幅な製作期間の短縮やコストの削減などの効果が見込まれると考えております。この金属造形においては、SOLIZE Holdingsグループが保有するエンジニアリング力と日本最大級の金属3Dプリンター工場を積極的に活用することが重要な課題であると認識しております。
そのために、これまでの樹脂造形で培ったノウハウも活かして金属造形技術を高め、高品質な製品を製作するための運用ノウハウを持った人材の維持・強化と共に、顧客に対して金属造形技術の特徴を訴求し、今後一層の規模と価値の拡大を追求して参ります。
⑦少量量産領域への事業拡大
3Dプリンター技術の特徴により、金型を使用した成形や切削加工などのこれまでの工法では実現不可能であった形状も作成可能となることから、これまでの概念を覆す魅力や性能をもった製品を生み出す可能性を秘めていること、また、長期にわたる補給部品の金型管理等、メンテナンスコストが大きく低減できることなどにより、3Dプリンターによる最終製品の製作ニーズが高まっております。
SOLIZE Holdingsグループは、3Dプリンターによって最終製品の部品(補給部品を含む)を製造し顧客へ納品する事業を開始しておりますが、最終製品を製作するための技術とノウハウを高め、顧客へ少量量産の価値を訴求し、今後一層の規模と価値の拡大を追求して参ります。
(財務上の課題)
SOLIZE Holdingsグループは、グローバルに存在する顧客のあらゆるニーズに応えることを目的として、新規事業や新規技術の開発とそれに必要となる優秀なエンジニアの確保、増強のために採用活動の強化及び入社後の教育・トレーニング等を行っています。一時的な景況の悪化によりSOLIZE Holdingsグループの提供するサービスや製品への需要が減少する時期においても、SOLIZE Holdingsグループの成長の源泉である人材を維持するための支出が発生し、財務上の安全性が低下する可能性があります。このような状況に備え、SOLIZE Holdingsグループでは一定程度の資金を確保し安定的な経営に努めて参ります。
SOLIZE Holdingsグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であるとSOLIZE Holdingsグループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容はSOLIZE Holdings株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
SOLIZE Holdingsグループは、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、SOLIZE Holdings株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
SOLIZE Holdingsグループはリスクを適切にマネジメントするために、グループ横断でのリスク管理委員会を設置しております。本委員会の説明、コーポレート・ガバナンスの体制図等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。
本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在においてSOLIZE Holdingsグループが判断したものであります。
1. 事業環境に由来する事項について
(1) 景気動向、自動車関連市場等による影響
[発生可能性:高、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、主要取引先が自動車関連メーカーであるため特に国内の自動車関連業界の開発動向に影響を受けやすい状況です。国内自動車関連業界は景気、金利、為替及び消費動向等の経済状況に影響を受ける傾向があり、それらの状況によっては、SOLIZE Holdingsグループの取引先企業の業績が左右され、結果としてSOLIZE Holdingsグループの受注状況が影響を受けることにより、SOLIZE Holdingsグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
SOLIZE Holdingsグループとしましては、自動車業界以外の顧客に対する事業拡大、M&Aを含めた海外への進出等により、特定の業界や地域等の影響を受けにくい体質を構築する方針ですが、国内自動車業界の状況が想定以上に悪化した場合は、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
これに加えて、世界の自動車関連業界においては、CASEに代表される変革を背景に次世代技術の研究開発が活発化しております。これに伴い、SOLIZE Holdingsグループを取り巻く事業環境も大きく変化するものと予想されます。例えば、自動車の多機能化や自動車部品の電動化等に伴い、自動車関連業界ではまったく新たな分野での研究開発も必要になり、製品開発におけるニーズは多様化してきていると認識しております。
SOLIZE Holdingsグループでは、このような多様化する顧客ニーズに適応するために、ものづくりのデジタル技術の領域を拡大しながら製品開発を支援して参りました。具体的には、従来の3D技術による設計・解析領域に加えて、MBD・ソフトウエア・XR・デジタルリスク等の技術を活用した事業領域の拡大に取り組んでおります。このほかにも、顧客層の拡大や多様な人材の確保を通じて収益機会の拡大だけでなくノウハウの蓄積も目指して参ります。一方で、これらの施策をもってしても顧客ニーズに適応しきれない場合は、想定どおりの売上高が得られない等の理由により、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、SOLIZE Holdingsグループの経営成績に重要な影響を与える要因として、短期的には、世界の政治経済の動きに端を発する外国為替相場の急激な変動があります。これはSOLIZE Holdingsグループの主要顧客が海外市場の動向の影響を受けやすい自動車産業に属し、これら為替相場の変動など急激な経済環境の変化が主要顧客の開発や設計に関わる計画に変更を及ぼすことがあるためであります。他方で、中長期的には自動車の開発や設計に関わる技術やツールの変化、自動車そのものの構造に関わる変化がSOLIZE Holdingsグループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(2) 競争環境による影響
[発生可能性:中、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループの事業はいずれも類似事業を営む企業による事業推進の強化や新規参入等による競合が発生し得る分野であり、競争の激化による受注の減少や受注単価の低下が発生する可能性があります。SOLIZE Holdingsグループとしては、幅広い業務領域への対応能力により顧客ニーズへ素早く対応できる体制や、SOLIZE Holdings自身が設計から製造まで幅広く実践している中で蓄積してきた独自の技術による付加価値の提供等により、他社の動向に左右されにくい体制の整備を進めておりますが、競合が急速に進行した場合や競合の影響が甚大な場合はSOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 技術革新
[発生可能性:中、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループが事業展開する分野は、グローバル規模で絶えず技術革新が進められており、SOLIZE Holdingsグループに要求される技術水準や生産能力も年々高まっている状況です。SOLIZE Holdingsグループとしても、社員教育を通じた技術水準の向上や生産設備の新設及び更新を通じた生産能力の向上により、技術革新に対応した事業展開ができるよう努めているところです。
しかしながら、技術革新の水準が想定以上に進んだ場合又はSOLIZE Holdingsグループの対応が技術革新のスピードより遅れた場合、SOLIZE Holdingsグループの役務提供又は製品供給が顧客の要求水準どおりに実施できず、市場における競争力の低下が発生する可能性があり、その場合は想定どおりの売上高が得られない等の理由によりSOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料の調達
[発生可能性:低、影響度:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループで使用している一部の原材料については、その特性から調達先を特定の仕入先に依存せざるを得ないものがあります。SOLIZE Holdingsグループでは、当該原材料について一定量を保有し、調達の多様化を進めることで、主要な仕入先への依存のリスクを低減しておりますが、主要な仕入先の業績の悪化又は政策の変更等によりこれらの調達が困難になる可能性も考えられ、その場合はSOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替相場の変動による影響
[発生可能性:高、影響度:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、北米、欧州、インド、中国等の企業と取引を行っており、米ドルやユーロ等の外貨建てで取引されているサービスの価格は為替相場の影響を受けるため、為替相場の変動状況によっては、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外関係会社の現地通貨建ての財務諸表は、連結財務諸表作成の際に円換算されるため、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を通じて連結財務諸表の純資産の部が変動する可能性があります。
(6) 海外情勢の変化による影響
[発生可能性:中、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは海外に子会社を有しており、販売先や仕入先等の取引先も海外に幅広く存在しております。また、今後についても海外での事業展開を積極的に図っていく方針です。このような状況下において、進出国における法令、政治、経済及び文化等の様々なカントリーリスクを有しております。
SOLIZE Holdingsグループは現地の動向を随時把握し、適時適切に対応していく方針でありますが、不測の事態が発生し事業の推進に障害が発生する場合は、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損損失
[発生可能性:大、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、有形固定資産やのれん等の固定資産を保有しております。これらの資産については減損に係わる会計基準に従い、定期的に固定資産の減損の兆候を判定し、兆候がある場合は保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行っており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っております。しかし、将来の環境変化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、追加の減損処理により、SOLIZE Holdingsグループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 投資有価証券評価損
[発生可能性:大、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、事業シナジーによる戦略的リターンを重視したコーポレートベンチャーキャピタル(以下、CVC)投資を行っております。CVC投資はシードからアーリーステージのベンチャー企業も対象としているため、計画通りに投資先企業の事業の進捗が進まない場合など、投資有価証券評価損により、SOLIZE Holdingsグループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2. 事業内容に由来する事項について
(1) 事業運営における重要な契約について
① 3Dプリンターに関する代理店契約
[発生可能性:小、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
マニュファクチュアリング事業は、米国3D Systems社及び株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン社と3D Systems社製3Dプリンターの日本国内における装置販売及び保守に関する代理店契約を締結、また株式会社日本HPとHP社製3Dプリンターの日本国内における装置販売に関する代理店契約を締結しております。これらの契約は、SOLIZE Holdings又は相手先から契約解除の申し出がない限り自動的に契約更新がなされることとなっており、今後につきましても現状の良好な取引関係を継続していく方針です。しかしながら、契約の内容の変更又は解消等が発生した場合には、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 重要な事業拠点の賃借契約
[発生可能性:小、影響度:大、発生する可能性のある時期:2026年]
SOLIZE Holdingsグループでは、重要な事業拠点として以下の賃借契約を締結しております。
|
事業所名 |
セグメント名称 |
所在地 |
契約開始時期 |
契約終了時期 |
|
Global Engineering Center-Yamato (大和工場) |
デザイン事業 マニュファクチュアリング事業 全社(共通) |
神奈川県 大和市 |
2021年8月 |
2026年7月 |
現時点においては、賃貸人とSOLIZE Holdingsグループとの関係は良好であり、賃貸人から契約期間中の解約の申し出がなされる可能性は低いものと考えておりますが、賃貸人側の事情等により予期せぬ解約の申し出がなされる可能性があります。その場合、代替となる事業拠点が適時適切に確保できず操業が停止したり事業拠点の移転に伴う費用が発生したりすることにより、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) エンジニアの確保及び育成
[発生可能性:大、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、デジタル技術を核とする製品開発ノウハウに基づき、グローバルに製品開発サポートを行う企業集団でありますが、エンジニアは重要な経営資源であり、かつ今後の事業拡大の重要な要素であると捉えているため、SOLIZE Holdingsグループの事業の継続及び拡大にあたっては顧客企業の要求水準に応える優秀な人材を確保し、さらには常に最先端の技術に対応できるエンジニアの育成が不可欠であると考えております。
エンジニアの確保については、国内・海外で積極的に実施しており、国内においては、全国の理工系大学の訪問やホームページ及び求人サイト等のインターネット媒体の活用等だけでなく、国内拠点の近隣に限らず全国主要都市での会社説明会の開催等、新たな採用戦略を進めております。海外においては、グループの海外拠点を活用した採用活動に加えて、優秀なエンジニアを多く輩出している東南アジア諸国からの採用等を展開しております。
育成についても、継続的に成長を促すための人材育成システム及びスキルアップ支援体制等の施策により、人的資本経営に取り組んでおります。
しかしながら、SOLIZE Holdingsグループの求める人材の確保が計画どおりに進まない場合や現在在職している人材の予想を上回る流出が発生した場合、売上高の減少や売上原価率の上昇につながる恐れがあり、結果としてSOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) M&Aについて
[発生可能性:中、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、デジタル技術を駆使するグローバルエンジニアリング企業として顧客並びに技術獲得の早期化と事業成長のために、M&Aをその有効な手段の1つとして位置付けており、必要に応じてM&Aを実施する可能性があります。
M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針でありますが、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明した場合や、M&A実施後の事業展開が計画どおりに進まない可能性があり、その場合はSOLIZE Holdingsグループが当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることに加えて、対象企業の投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、SOLIZE Holdingsグループの財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特定取引先への依存
[発生可能性:小、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループの有力販売先の1つに本田技研工業株式会社があります。2023年12月期において、同社に対する売上高は、SOLIZE Holdingsグループの売上高の25.5%を占めており、販売先の中でも比率が高い状況にあります。
SOLIZE Holdingsグループは、同社に限らず各取引先との良好な取引関係を維持していくよう努めていくと同時に、新規事業の伸長や海外を含めた新規取引先の開拓により、特定の取引先の動向に左右されにくい環境を構築していく方針です。しかしながら、上記環境の構築が進まなかった場合、同社の方針の変更やその他の何らかの事情により、SOLIZE Holdingsグループとの取引の減少や取引条件の変更等により、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 経営成績の季節等による変動
[発生可能性:大、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、顧客企業に対し製品開発ノウハウやデジタル技術等を顧客企業オンサイトでのサービス提供も実施しております。オンサイトでのサービス提供の場合、主な契約形態として請負契約・準委任契約・派遣契約があり、特に準委任契約・派遣契約の場合、売上高がエンジニアの稼働時間に応じて変動するため、各月の稼働日や時間外業務時間数の多寡が売上高及び利益に影響を及ぼすこととなります。特に、夏季休暇や年末年始等の顧客企業の大型連休の時期はエンジニアの稼働日数が減少することが多いため、これらの時期の売上高及び利益の水準は、他の時期と比較して落ち込む傾向にあります。また、SOLIZE Holdingsグループの新入社員は、研修期間を経て一般的に毎年7月以降にエンジニアリング等の業務に就きます。よって新入社員の稼働に伴い7月以降の売上高及び利益の水準を6月以前と比較して押し上げる要因となりますが、新入社員の稼働が計画どおりに進まなかった場合に、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 3Dプリンター装置の販売について
[発生可能性:大、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、3Dプリンター装置の販売を行っております。3Dプリンター装置の販売については検収基準で売上高が認識されますが、特に受注の時期は顧客企業の都合により左右されることがあるため、SOLIZE Holdingsグループが予定した時期に売上高を認識できないことがあります。SOLIZE Holdingsグループとしては、顧客企業に対し3Dプリンターの特長等を訴求することにより、円滑な受注及び検収が実現するよう努めておりますが、売上高の認識の時期が当初の予定と相違した場合、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 新規事業の展開によるリスク
[発生可能性:中、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、事業規模の拡大と高収益化を目的として、既存事業に留まらず、新規事業の開発に積極的に取り組んでいく方針であります。既存事業よりリスクが高いことを認識しておりますが、企業価値のさらなる拡大を目指すには、市場成長性の高い分野への進出や新規市場の創造が不可欠であると考えております。
新規事業への取り組みは、綿密な市場調査・分析や、入念な事業計画を策定するなどを行っておりますが、予測と異なる状況が発生し計画通りに進まない場合には、SOLIZE Holdingsグループの事業及び経営計画に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制
[発生可能性:小、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
① デザイン事業に関する法的規制
SOLIZE Holdingsグループは、デザイン事業の実施にあたり、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、「労働者派遣法」という。)」に基づく労働者派遣事業の許可を受けております。SOLIZE Holdingsグループでは、規程の整備及び役職員への教育等を通じて関係諸法令を遵守するよう努めており、本書提出日現在において、SOLIZE Holdingsグループが労働者派遣事業の許可取消し等の事由に該当する事実はないと認識しておりますが、仮に労働者派遣法に定める派遣元事業主としての取消し等の事由等に該当した場合には事業の継続に支障を来す恐れがあり、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、労働者派遣法を始めとする関係諸法令は、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」など社会情勢及び経済環境の変化等に伴い改正されることがあります。今後改正が行われる場合に、改正内容がSOLIZE Holdingsグループの事業にとって不利なものである場合は、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(許可の状況について)
|
会社名 |
許可の名称 (許可番号) |
監督官庁 |
有効期限 |
|
SOLIZE株式会社 |
労働者派遣事業 (派13-315070) |
厚生労働省 |
2028年10月31日 |
(許可の取り消し等の事由)
労働者派遣法において、労働者派遣事業を行おうとする者(法人である場合には、その役員を含む)が、法令違反等の許可の欠格事由(第6条)又は許可の取消事由(第14条)に該当した場合には、事業の全部又は一部の停止を命じることや許可の取消し等ができる旨が規定されております。
このほか、SOLIZE Holdingsグループが実施している請負についても、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)に準拠する必要があります。これについても労働者派遣法と同様の方法でその遵守に努めており、本書提出日現在において、当該基準に抵触する事実はないと認識しておりますが、仮にSOLIZE Holdingsグループが請負で受託した取引が実質的に労働者派遣とみなされ労働者派遣法に違反するような場合は、業務停止等の行政処分により、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② その他の法的規制
その他にも、SOLIZE Holdingsグループがマニュファクチュアリング事業で使用している各工場において消防法及び関連法令の適用を受けている他、日本国内のみならず、事業活動を行う世界各国において様々な法的規制を受ける場合があります。SOLIZE Holdingsグループでは、「グループコンプライアンス規程」を制定しグループ内へ周知徹底するとともに、グループ内での定期的なコンプライアンス研修の実施、法務担当部門における法的規制の改正の確認及び顧問弁護士との連携等の各種施策を講じることにより、法的規制に抵触するリスクを低減するよう努めております。しかしながら、SOLIZE Holdingsグループが何らかの理由で法的規制を遵守できなかった場合や法的規制に重要な変更が発生した場合等には、SOLIZE Holdingsグループの事業の推進に障害が発生したり、対応のためのコストが発生したりすることが考えられ、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 個人情報等の管理
[発生可能性:小、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、「個人情報の保護に関する法律」で規定する個人情報取扱事業者として同法の適用を受けており、事業を通じて顧客及び従業員等の個人情報を保有しております。SOLIZE Holdingsグループでは個人情報の管理について、「個人情報保護規程」等による厳格なルールを設けて対応しておりますが、万一個人情報の漏洩等が発生した場合にはその対応のための費用が発生し、さらにはSOLIZE Holdingsグループの信用にも影響が出ることが想定されるため、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報セキュリティ
[発生可能性:中、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループでは、顧客企業の機密情報を大量に取り扱っております。そのため、機密情報の取り扱い等の情報セキュリティに関する規程を整備・運用し、毎年役職員への情報セキュリティの研修も実施しております。さらに、ネットワークセキュリティ等のハード面でのセキュリティ強化や、事務所や施設へのアクセス制限等の管理も行っており、機密情報の漏えいに対する対策を講じております。
このような対策にも関わらず、機密情報の外部への漏えい等が起こった場合には、顧客企業からSOLIZE Holdingsグループへの損害賠償請求等が発生することが想定され、その場合はSOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
3. その他について
(1) 過去の民事再生手続について
[過去の発生事実のため、発生可能性・影響度・発生する可能性のある時期については省略]
SOLIZE Holdingsは過去に民事再生法の適用を受けております。その経緯は以下のとおりです。
① 民事再生手続開始申立から民事再生手続終結までの経過
SOLIZE Holdingsにおける民事再生手続開始の申立てから民事再生手続終結に至るまでの経緯は以下のとおりです。
|
2009年2月25日 |
東京地方裁判所へ民事再生法に基づく民事再生手続開始の申立て |
|
2009年3月4日 |
東京地方裁判所の再生手続開始決定 |
|
2009年10月2日 |
東京地方裁判所へ再生計画案を提出 |
|
2009年11月10日 |
東京地方裁判所の再生計画認可決定確定 |
|
2012年11月12日 |
東京地方裁判所の民事再生手続終結決定を受領 |
② 民事再生手続に至った経過と原因
SOLIZE Holdingsは1990年の設立以来、3D CADを基軸とした金型の設計・試作・製造や製造工程の効率化を実現するコンサルティングサービスを事業として運営しておりました。しかし、2008年に発生した世界金融危機を契機に、SOLIZE Holdingsの主要顧客が属する自動車業界の景況も悪化したため、2008年12月期のSOLIZE Holdingsの売上高は大幅に落ち込むこととなり、この状況は2009年に入っても改善傾向が見られませんでした。これに加え、将来的な事業規模の拡大を企図して建設した工場にかかる有利子負債の元利金負担及び本社ビルの賃借料負担が大きく、資金繰りが逼迫する事態となりました。当該状況を改善すべく、営業戦略の見直し及び経費削減に着手しようとしましたが、資金繰りが立ち行かなくなったため、やむを得ず2009年2月25日に東京地方裁判所へ民事再生手続開始の申立てを行うに至りました。
再生手続にあたっては、本社ビルの移転、工場の売却、人件費の削減及びその他の経費の削減を実施したほか、経営責任を問う趣旨で民事再生手続開始申立て前に在籍していた取締役がすべて退任し、株主責任を明確化する趣旨で100%減資も実施しております。
(2) 一般財団法人SOLIZE財団との関係
[発生可能性:小、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
一般財団法人SOLIZE財団(以下、「同財団」という。)は、人の知恵と技術を活かして社会課題を解決することを目的に、社会課題の解決を志向する個人又は団体への活動資金の助成、学術的研究に対する助成等を行う財団として2022年4月に設立され、本書提出日現在、SOLIZE Holdings株式16,600株を保有しております。今後、同財団はSOLIZE Holdings株式から得られる配当金、SOLIZE Holdingsからの寄付金及び一般からの寄付金を主な原資として運営する予定となっています。同財団が保有するSOLIZE Holdings株式数については、助成金の対象範囲を拡大するための原資の確保の趣旨から将来的に増加する可能性がありますが、本書提出日現在において具体的に決定している事項はありません。
同財団の理事は5名選任されていますが、そのうち3名はSOLIZE Holdingsの役職員が兼職により同財団の理事として就任しております。SOLIZE Holdingsとしましては、同財団の議決権行使に係る独立性の確保のため、SOLIZE Holdings株式の議決権行使に係る理事会決議にSOLIZE Holdings役職員を兼職する理事は参加しない方針としております。また、同財団は公益財団法人への移行も視野に入れており、その移行のための認定の基準を充足する観点から、SOLIZE Holdingsの役職員又はその関係者ではない者を同財団の理事に追加で招聘する可能性があります。
このほか、本書提出日時点で同財団はSOLIZE Holdingsの関連当事者に該当しております。SOLIZE Holdingsは、関連当事者との取引については、取引の必要性を含め一般株主の利益保護の観点から極めて慎重に判断する方針です。この点、同財団の事務局をSOLIZE Holdingsの職員1名が兼職することにより対応しておりますが、これは「知恵と技術をエンジニアリングし、価値創造を革新する」、「『本質的に美しいものづくり』を実現する」という使命を掲げるSOLIZE Holdingsが同財団の活動方針に賛同し、CSR活動の一環として行っているものであり、当面の間継続して実施する方針です。これ以外に、SOLIZE Holdingsと同財団との間で特別な利害関係はありません。
(3) 訴訟
[発生可能性:小、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
本書提出日現在、SOLIZE Holdingsグループの業績に重要な影響を及ぼすような訴訟を提起されている事実はありません。一方で、事業を推進するうえでは訴訟が発生する可能性が日常的に存在します。さらに、SOLIZE Holdingsグループの場合は海外でも事業を展開しているため、海外においても予期しない訴訟が発生する可能性もあります。
SOLIZE Holdingsグループでは、「グループコンプライアンス規程」及び「グループリスク管理規程」の制定、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会の設置並びに社内教育による法令遵守の周知徹底等、多様な手段を講じ可能な限り訴訟を受ける可能性を排除するための内部管理体制を整備しております。しかしながら、何らかの訴訟を受けた場合、その内容及び結果によっては、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害等が発生した場合の影響
[発生可能性:小、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループは、国内外で事業を展開しており、大地震、台風等の自然災害や事故、火災等により、生産の停止、設備の損壊や電力供給不足等の不測の事態が発生した場合には、SOLIZE Holdingsグループの事業活動に支障が発生する可能性があります。また、SOLIZE Holdingsグループの責に帰すべき事故等が発生した場合には、損害賠償請求等を受ける可能性があります。このような場合、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 社会保険料率の上昇
[発生可能性:中、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsグループのデザイン事業においては、エンジニアが経営資源の中心となるため、売上原価の大半が労務費で構成されております。このため、社会保険料の料率が上昇した場合は売上原価率の増加につながる恐れがあります。
SOLIZE Holdingsグループとしては、稼働率の適時な見直し、業務の効率化及び単価の改定等により影響を最小限に抑制する方針ではあるものの、料率変更が想定以上に大きくなった場合は、SOLIZE Holdingsグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 大株主について
[発生可能性:低、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsの株主である古河未由紀氏、古河摩耶氏、古河慶純氏、古河陽純氏及び古河真季氏は、SOLIZE Holdingsの元取締役である古河建規氏の親族であり、古河建規氏の逝去に伴いその所有していたSOLIZE Holdings株式を相続により取得しており、本書提出日現在の議決権比率は合計で30.1%となっております。これらの株主とSOLIZE Holdingsとの間には特記すべき利害関係がない状況ですが、これらの株主が所有するSOLIZE Holdings株式について、少なくともSOLIZE Holdingsが知り得る限りにおいて短期的にはその数が増減するような事象は識別されておらず、またその議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求する方針であると聞き及んでおります。しかしながら、将来的に何らかの事情によりこれらの株主の所有株式数が増減した場合には、SOLIZE Holdings株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響が及ぶ可能性があります。
(7) 資本政策について
[発生可能性:低、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
SOLIZE Holdingsは、本書提出日現在、自己株式を805,600株(発行済株式総数に対して13.4%)保有しております。自己株式については、主に現在発行済みの新株予約権(目的となる株式の数は合計555,600株であり、本書提出日現在の発行済株式総数の9.3%に相当)の行使がなされた場合に、新株の発行に代えて交付することを予定しております。ただし、今後何らかの事情により資本政策を変更する可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー