駒井ハルテックグループは、駒井ハルテック、子会社5社(うち連結子会社3社)により構成され、橋梁・鉄骨・鉄塔・その他鋼構造物の設計・製作及び現場組立・架設・補修が主な事業であり、これら以外に建設機械・運搬機械等各種機械の設計・製造・据付・販売、建築工事の企画・設計・施工・監理及びコンサルティング業務、陸上風力発電設備の製作及び現場施工等を行う環境事業、印刷業務、不動産賃貸業等を行っております。
セグメント区分毎の駒井ハルテックグループ各社の位置付け等は、次のとおりであります。
―橋梁事業―
橋梁事業は駒井ハルテックグループの約40%の売上高を占める主要な事業の1つであり、鉄骨事業で培った鉄骨製造技術と豊富な経験を活用し、橋梁分野に進出したという経緯があります。鋼橋の積算から設計・製作・現場施工までの橋梁建設に係るすべての過程を駒井ハルテックグループ内で担うことが可能であり、橋梁の予防保全・維持補修工事にも取り組んでおります。国土強靭化策に伴う高速道路・鉄道などの橋梁工事の増加や高度経済成長期に建設された橋梁のメンテナンス需要の増加など、橋の新設及びメンテナンス工事の需要が高まっており、耐震補強・老朽化等の補修・補強工事を通じて、安心・安全な社会づくりに貢献しております。
なお、近年は鋼橋分野だけでなく、鋼・コンクリート複合橋梁や老朽化した橋梁の長寿命化のため、異業種と協同して商品開発などにも積極的に取り組んでおります。
―鉄骨事業―
鉄骨事業は駒井ハルテックグループの約60%の売上高を有するため、橋梁事業とともに重要な事業の1つであります。超高層ビルをはじめとした数多くの著名建築物に鉄骨を納入することで、官公庁庁舎や超高層オフィスビル等の建設に大きく貢献してまいりました。駒井ハルテックグループは、設計・製作・施工までの工程をすべて担うことが可能であることに加え、溶接加工などの施工データの蓄積をベースに、顧客から評価される高度な技術を保有しております。また、国土交通省の厳格な審査を経て、Sグレード認定(注)を取得した工場を2箇所所有していることで、大型案件に参画してまいりました。
(注)鉄骨製作工場認定制度におけるグレードは、工場の製作能力、設備、技能者や技術者の人数などに応じて定められ、グレードによって製作範囲が制限されます。最高位であるSグレードには厳しい認定条件が定められており、Sグレード認定を取得した工場は制限を受けることなく、超高層ビルや大型建造物に用いられる鉄骨を製造することができます。
―インフラ環境事業―
インフラ環境事業では、主に陸上風力発電設備の製作及び現場施工等を行っております。これまでの橋梁事業・鉄骨事業で培った様々なノウハウを活用し、日本唯一の中型風車メーカーとして、国内外の厳しい気象・立地条件でもトータルサービスを提供しております。過酷な地形・気象条件に適した風車を開発したことで、離島や日本に多い複雑な地形や山岳地にも対応可能となっております。
脱炭素への取組みが強まる中、売電のみならず、自家消費用としても利用できる中型風力発電機の開発・製造・メンテナンスを通じて、環境にやさしいクリーンなエネルギーを提供しております。
なお、海外での営業活動を通じて、風車製作と並行して鋼製橋梁等の引合いもあり、現地のニーズに合わせた鋼構造物の提案を行っております。
―不動産事業―
駒井ハルテックグループは、大阪市西淀川区にある大阪事業所の未利用地部分等について賃貸による不動産事業を行っております。
―その他―
その他は、報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、印刷事業等であります。
上記の他に、洋上風車タワー製造に関する取組みがあり、これまでの橋梁事業・鉄骨事業で培った製造技術を活用した新たな事業として進出を計画し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化/次世代風車技術開発事業/洋上風車用タワーの高効率生産技術開発・実証事業」、及び経済産業省のGXサプライチェーン構築支援事業の補助金を活用して大規模設備投資を実施中であります。
国内の洋上風力プロジェクトは第1ラウンドから第3ラウンドまで入札が進んでおりますが、計画時から事業実施時までに生じた資材高騰等による大幅な事業環境の変化により、事業者の当初計画・工程に変更が生じる場合もあります。しかし、第7次エネルギー計画における国産再生可能エネルギーの普及拡大政策の下、官民協議会による洋上風力産業ビジョン等でも国内生産の拡大が掲げられている状況に変わりはないことから、現在取り組んでおります大型試験体の製作を通じて、先んじて溶接・塗装等の合理化技術の開発を進め、2026年にサプライヤー認証取得、2027年以降にプロジェクト毎の製作契約締結を目指し、事業化に向けた取り組みを進めております。
以上のように、洋上風車タワー製造に関する事業は開発途上にあり、現在のところ売上高は発生せず、開発費用のみが発生しております。
(事業系統図)
各子会社及び関連会社は、それぞれ受注活動を行うとともに、駒井ハルテックより工事の一部を受注しており、事業の系統図は次のとおりであります。
(1)経営方針
駒井ハルテックグループは長年にわたり橋梁、鉄骨、風車といった国民の生活基盤となる構造物の建設に従事し、『高い技術力で夢のある社会づくりに貢献する』を経営理念とし、関東と関西に保有する主力工場をはじめとする経営資源を最大限に活用し、技術力を結集した効率的な事業運営を目指し、橋梁事業、鉄骨事業、インフラ環境事業を通じ社会基盤整備の一翼を担う企業として自覚と責任を持った経営を行ってまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
今後の国内景気につきましては、引き続き好調な設備投資とインバウンド消費に加え個人消費も持ち直すことで緩やかな回復基調が継続するものと考えられます。しかしながら、人手不足によるサービス価格の値上げ拡大や円安によるエネルギー価格の上昇などにより景気マインドの減退や実質賃金が24ヵ月連続でマイナスとなっていることなどにより個人消費の腰折れが生じる懸念があります。また物流、建設業界における時間外労働の上限規制や日銀の金融政策の修正は設備投資の減速を招く恐れがあります。また国外においては中国景気の動向や米国大統領選の行方、ウクライナ問題、イスラエルとハマスの衝突が長期化していることなど不透明な状況にあり、今後の国内経済に大きな影響を与える可能性があります。
橋梁・鉄骨業界におきましては、橋梁は新設橋梁の発注量が大きく減少しており、需給バランスが悪化することでさらに熾烈な受注競争が継続するものと考えられます。本年年初の能登半島地震のような多発する自然災害に対するインフラ整備強化として大型新設橋梁に加え、高速道路等の4車線化や老朽化した道路の大規模更新等が順次発注される見通しではありますが厳しい事業環境が続くものと思われます。
鉄骨は前年度の国内の需要量が400万トン割れとなっており、工場の操業に影響を及ぼす中、首都圏を中心とした大型再開発計画はあるものの鋼材等の価格が高止まりしていることに加え、人手不足による人件費の上昇などにより計画の見直しや延期が相次ぎ、既受注工事においても図面の修正などによる工程の遅れが工場の操業に大きく影響を及ぼす恐れがあります。また物流、建設業界における時間外労働の上限規制に対応する対策も急がれます。
このような事業環境の下、駒井ハルテックは2023年4月から「中期経営計画2023」をスタートさせました。経営理念「高い技術力で夢のある社会づくりに貢献する」の下、「持続可能な社会の実現」と「企業の持続的成長」を両立させるサステナビリティ経営に取り組み、中長期的な企業価値向上を実現させるために、基本方針を
1. 地球環境の保全に取り組み、将来世代へ希望を繋ぎます
2. 社会インフラを提供し、安全で安心な生活を支えます
3. 人財と技術を礎に、社会課題の解決に取り組みます
4. 高い企業倫理と企業統治により、透明公正を確保します
と定めました。その2年目となる2024年度は「一人一人が利益を追求する変革の当事者たれ!」をスローガンとし、利益追求に拘り、今後も社会に貢献するとともに企業価値の向上とコーポレート・ガバナンスのさらなる充実を目指してまいります。また今後期待される洋上風車タワー事業についても粛々と進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において駒井ハルテックグループが判断したものであります。
(1) 公共事業への依存
駒井ハルテックグループの主力事業の一つである橋梁事業は、その殆どが公共事業であります。国、地方公共団体ともに厳しい財政事情にあり公共事業は抑制傾向が続いております。その結果受注量の減少により業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
(2) 鋼材価格等の変動
鋼材等材料価格が高騰した際、価格上昇分が速やかに製品価格に反映されない場合は、業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
(3) 安全上のリスク
駒井ハルテックグループが取り扱う鉄構製品の橋梁・鉄骨は大きな重量物で、工場製作や現場設置において危険な作業をともないます。駒井ハルテックグループにおいては安全対策を何よりも優先しておりますが、万が一事故を起こした場合は、直接的な損害だけではなく、社会的信用の失墜、指名停止措置などの行政処分により受注量の減少等、業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
(4) 品質の保証
駒井ハルテックグループにおいては品質管理に万全を期しておりますが、万が一瑕疵が見つかった場合は調査、復旧を迅速に進めると共に、再発防止にも注力いたします。また、直接的な費用だけではなく、利用者の安全確保のための交通規制等の状況によっては多額の費用が発生し、業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
(5) 金利の変動
金利水準の急激な上昇が生じた場合には、支払利息の増加等により、業績に影響を及ぼす恐れがあります。
(6) 労務費の変動
人材不足等による労務費が高騰した際、労務費上昇分が速やかに製品価格に反映されない場合は、業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
(7) 自然災害等の発生
地震、台風等の大規模な自然災害などにより、工事の中断や大幅な遅延、駒井ハルテックグループの事業所等が大規模な被害を受け、事業活動が停滞した場合、業績に影響を及ぼす恐れがあります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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