三協立山(5932)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】三協立山グループ(三協立山及び三協立山の関係会社)は、三協立山、連結子会社44社及び持分法適用関連会社7社から構成され、その主な事業内容と三協立山グループの当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (建材事業)当部門においては、ビル建材製品・住宅建材製品・エクステリア製品の製造・販売等を行っております。[主な関係会社]三協化成㈱、協立アルミ㈱、STメタルズ㈱、サンクリエイト㈱、SANKYOTATEYAMA PHILIPPINES INC.、協和紙工業㈱、横浜三協㈱、㈱三協リフォームメイト、東鉄工業㈱、西日本建材工業㈱、㈱サンテック九州、三協テック㈱、兵庫立山販売㈱、㈱カシイ、立山エクストーン㈱、ビニフレーム工業㈱ (マテリアル事業)当部門においては、アルミニウム及びマグネシウムの鋳造・押出・加工並びにその販売等を行っております。[主な関係会社]三協ワシメタル㈱、三協サーモテック㈱、石川精機㈱、Sankyo Engineering (Thailand) Co.,Ltd. (商業施設事業)当部門においては、店舗用陳列什器及び看板の製造・販売、店舗及び関連設備のメンテナンス等を行っております。[主な関係会社]三精工業㈱、上海立山商業設備有限公司、立山貿易(上海)有限公司 (国際事業) 当部門においては、海外でのアルミニウムの鋳造・押出・加工並びにその販売等を行っております。[主な関係会社]SANKYO TATEYAMA (THAILAND) CO.,LTD.、SANKYO TATEYAMA ALLOY (THAILAND) CO.,LTD.、Thai Metal Aluminium Co.,Ltd.、SANKYO TATEYAMA (SINGAPORE) PTE.LTD.、Thai Metal Holding Co.,Ltd.、Noble Aluminium Co.,Ltd.、CSI Vision Co.,Ltd.、Innovation Living Co.,Ltd.、Thai-Aust Aluminium Co.,Ltd.、STTA (Thailand) Co.,Ltd.、Sankyo Tateyama Europe BV、ST Extruded Products Germany GmbH、ST Extruded Products Austria GmbH、ST Extruded Products UK Ltd.、ST Deutschland GmbH、ST Real Estate GmbH、三協立山押出製品 (天津) 有限公司 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年5月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において三協立山グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針三協立山グループは、創業の原点である「お得意先」「地域社会」「社員」の三者が協力し共栄するという協業の精神に基づいた経営理念のもと、健全な企業活動を通じて社会に貢献していくことが私たちの使命であると考えております。 ①経営理念お得意先・地域社会・社員の協業のもと、新しい価値を創造し、お客様への喜びと満足の提供を通じて、豊かな暮らしの実現に貢献します。②行動指針私たちはお客様満足常にお客様の視点に立ち、誠実に対応することで、信頼される存在であり続けます。価値創造技術と知識の向上に努め、新たな製品の開発とサービスの提供にたゆまず挑戦し続けます。社会との調和環境、地域社会、人との調和を考えて行動し、人と自然にやさしい企業であり続けます。自己研鑽自己研鑽に励み、互いに切磋琢磨し、働き甲斐のある企業風土を育みます。 ③CSポリシー ・お客様満足を第一とし、“常にお客様の立場・視点で考え行動”しよう ・お客様の意見に耳を傾け、“期待や問題点をしっかり把握”しよう ・お客様の満足実現に向け、“創意・工夫で改善、提案”しよう ・お客様の“満足こそが仕事の成果”であると心がけよう ・お客様の満足を、“共にわかち合えることに感謝”しよう (2)価値創造のプロセス 三協立山グループでは、株主及びその他ステークホルダー、そして社会からの信頼を築き共に発展していくことを経営の基本方針としており、VISION2030に向けて、4つの事業を中心に自社の強みや財務・非財務の資本を投入し、価値創造プロセスを循環させ続けることで、三協立山グループの更なる企業価値を高めてまいります。 (3)三協立山グループの強み各事業の強みは次のとおりであります。強み建材事業マテリアル事業商業施設事業国際事業①多角化したポートフォリオ ・国際事業とのコラボレーション、日本、欧州、タイ、中国のグローバル拠点 ②高い技術開発力・「安心・安全・快適」な商品づくり・パイオニアとしての自然換気商品・業界トップシェアを誇る手すりの商品ブランド力・サッシ、玄関ドア、インテリアなどによる統合商品と特注品対応力・強み分野を持つオリジナリティの高い商品開発・最新技術の導入による省人化生産・国内最大級の生産能力を持つ合金鋳造、形材押出、加工の一貫体制・店舗用什器、サインともに業界トップクラスのシェア・お得意先様の要望を具現化できる商品開発力・合金鋳造、形材押出、加工の一貫生産体制・各地域で同一製品を同一品質で供給できる体制・自動車(EV)分野でのアルミ形材の自動加工技術 ③強固なビジネスパートナーネットワーク・代理店様、販売会社様による全国の流通販売体制・強固なパートナーシップを有する代理店販売網・営業力と部材組立機能を有する代理店販売網・施工店様と強いパートナーシップ・多様なニーズに対応可能な合金、形状、構造などの提案力・お得意先様の要望を具現化できる営業対応力・全国一律サービスを提供するネットワーク・24時間365日対応の店舗メンテナンスサービス・中国上海での事業伸長・日本、欧州、タイ、中国のグローバルな拠点・タイでの事業伸長 上記以外として三協立山グループの持続的な成長に向けて新しいビジネスモデルを構築すべく、社会的課題・成長分野をターゲットに「自社の強み×共創」により新規事業を発掘しております。その中で、植物工場事業のほか、事業機会の創出を目的にオープンイノベーションの取り組みを強化し、より多くの異業種と連携を図ることで、企業価値向上につながる新たなビジネスモデル構築を目指しております。 (4)ビジネスモデル私たちの使命は、商品・サービスをはじめ、様々な企業活動を通じて、人々が暮らす快適な空間と満足される生活づくりに貢献していくことであり、人と社会にやさしい環境商品やサービスを提供することで、豊かな暮らしの実現を目指してまいります。 お客様の心で考える価値創造環境技術で新たなビジネスフィールドへ 多様なニーズに最新技術でお応えするビル建材と省エネ・バリアフリー・高耐久を考慮した住宅建材、そして最新のデザインと高い品質を追求したエクステリア建材の提供を通じて、豊かな暮らしの実現に貢献いたします。 ビル建材 多くの人々が利用するオフィスビルや集合住宅などのビル建築は、安全性や快適さ、利便性に対して、より高い性能を求められ、新築から改装まで幅広く高品質な商品を提供しております。 住宅建材 住まいが大切な財産として長く受け継がれるよう、「人にやさしい」「地球にやさしい」「安全・安心」をコンセプトに商品をご提案いたします。 お客様の様々なニーズに応えるためユニバーサルデザイン商品や、強靭性・断熱性を向上させた商品などで快適な居住空間を創造いたします。 エクステリア建材 「青空の下 わくわくを 楽しもう!」 空の下で光や風に包まれて過ごす豊かな空間提案や、外部空間を多彩にアレンジできる多機能的商品など、幅広いデザインと機能を兼ね備えた魅力ある商品で、皆様に幸せと笑顔、わくわくをお届けいたします。 「素材をカタチにする」素材の無限の可能性を追求し、快適な環境づくりに貢献 「アルミニウム」と「マグネシウム」素材・押出形材における設計・試作・製造・デリバリーサービスまでのトータルソリューションを提供しております。 製品や物件の企画・設計段階から参画し、お客様に寄り添い、最適なご提案をいたします。 人に快適な商業空間を創造するスペースクリエーター ショッピングセンター、コンビニエンスストアやドラッグストアなどの専門店、商業施設及び企業向けに、商品陳列什器、カウンター、ショーケースや内装仕上げ工事、看板・サイン等の屋外広告物、店舗・関連設備のメンテナンスサービスを提供しております。 お客様にとって価値ある快適空間を創造するために、「売れる」店舗づくりのご提案から、設計・製作・施工・メンテナンスまでトータルにサポートいたします。 グローバルサプライヤーとして高付加価値製品を追求 欧州・タイ・中国にある海外拠点において、アルミニウムの鋳造・押出・加工を行っております。 日本・欧州のハイレベルな技術を他地域へ展開し、グローバルサプライヤーとして高付加価値製品を提供いたします。 持続的な成長に向けて新しいビジネスモデルを構築更なる事業機会の創出を目的にオープンイノベーションの取り組みを強化し、より多くの異業種と連携を図ることで、企業価値向上につながる新たなビジネスモデルの構築を目指します。 植物工場事業 植物工場プラントメーカーとして、業界トップの生産能力を持った栽培設備と圧倒的な栽培技術力、衛生管理や生産管理などの工場運営ノウハウ、ネットワークを生かした販路紹介で、不採算要因を取り除いた植物工場運営を支援いたします。 (5) 三協立山を取り巻く事業環境三協立山グループを取り巻く経営環境は、中長期的な構造変化と短期的な変動要因が相互に作用し、その不確実性が一層高まっております。 中長期的には、国内市場の成熟化と価値観の多様化が進む中で、労働人口の減少と高齢化に伴う労働力不足への対応が急務となっております。同時に、従来型の需要構造からの転換に対応し、変化する市場ニーズに適応した事業構造への変革が求められております。また、気候変動の進行による台風や豪雨の激甚化など、社会全体が対応を迫られる課題が増加しており、これらへの適切な対処が企業の重要な経営課題となります。 短期的には、国内経済は所得環境の改善や省力化・デジタル投資の進展に支えられ、緩やかな景気回復が続く見通しであります。一方、物価上昇の影響により消費者マインドが弱含む傾向が続くとともに、為替は円安基調が継続し、アルミ地金など原材料価格の変動が引き続き経営環境に影響を与える見通しであります。世界経済においては地政学リスクの高まりがサプライチェーンの混乱や原材料・物流コストの上昇を招いており、各国の通商政策の動向や国際情勢の不確実性が、引き続き景気見通しに対する下振れリスクとなっております。 これらの多様な事業環境の変化に的確に対応し、企業価値を向上させていくことが、三協立山グループの持続的な成長には不可欠であると認識しております。 三協立山グループは、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度においても当期純損失を計上いたしました。当連結会計年度においては、主材料であるアルミ地金価格が想定を超える高騰を続ける中、中東情勢の影響でその高騰が一段と厳しさを増し、経営環境の著しい悪化が継続しております。このような事業環境下において、三協立山グループは、2025年7月10日に公表した「5つの構造改革」を最優先課題と位置付け、その回復に向けた取り組みを推進しております。 これらの改革を推進することにより、当連結会計年度及び次期連結会計年度において一定の改善効果が期待されるものの、依然としてアルミ地金価格の高止まりや中東情勢の影響による各種コスト高が継続するなど、厳しい経営環境にあります。このため、三協立山グループは、更なる改善施策の実施を計画しており、早期の業績回復及び当該重要事象等の早期解消に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。 (6) VISION2030 ~長期的に目指す姿~三協立山グループは、長期的に目指す姿として2021年7月に「VISION2030(2031年5月期)」を策定しております。「サステナブルで豊かな暮らしに貢献」と「多角化した経営」を掲げ、変化する市場構造に対応したバランスの取れた事業ポートフォリオへの変革を推進してまいります。 (2027/5期目標は2024年7月公表の中期経営計画値) ポートフォリオの変革収益構造改革を推進する一方、持続的成長に向けた事業ポートフォリオの変革に取り組んでおります。建材事業・マテリアル事業・商業施設事業・国際事業の各領域において、既存事業の収益力強化と成長・高収益分野への経営資源の戦略的再配分を進め、低収益構造からの脱却を図ってまいります。安定的に利益を創出し続ける強固な事業構造の実現に向け、変革を推し進めてまいります。 中長期ポートフォリオ変革ロードマップ (7) 経営指標三協立山グループは、売上高、営業利益率をグループ全体の成長を示す経営指標と位置付けております。また、資産効率を測る指標としてROA(総資産利益率)、資本効率を測る指標としてROE(自己資本利益率)、財務体質の健全性を測る指標として自己資本比率を重視しております。中期経営計画の各指標の計画及び実績は以下のとおりであります。 第80期2025年5月期第81期2026年5月期計画実績計画実績業績売上高3,600億円3,594億円3,700億円3,575億円営業利益/率40億円/1.1%15億円/0.4%40億円/1.1%15億円/0.4%資本収益性自己資本比率30.0%30.4%28.0%29.6%ROA0.5%△0.8%0.1%△4.5%ROE1.7%△2.5%0.4%△14.9%株主還元配当25円25円25円25円 (注)2025年5月期(第80期)計画は2024年7月公表時の中期経営計画の数値、2026年5月期(第81期)計画は 2025年7月公表時の中期経営計画見直しの数値であります。 三協立山グループは、創業の原点である「お得意先」「地域社会」「社員」の三者が協力し共栄するという協業の精神に基づいた経営理念のもと、お客様に喜びと満足を提供する企業活動を展開することで、引き続きグループの企業価値向上を図ってまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、記載した事項は、当連結会計年度末現在において三協立山グループが判断したものでありますが、三協立山グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。 (1) 経済環境に関するリスク①景気動向三協立山グループは、ビル建材製品、住宅建材製品、エクステリア製品の開発・製造・販売、アルミニウム及びその他金属の鋳造・押出・加工・販売、店舗用什器、看板の製造・販売、店舗及び関連設備のメンテナンスを主な事業としております。三協立山グループの製品は多岐にわたり、その多くは国内における建設業、小売業、自動車関連産業をはじめとした各種産業に使用されており、一部は海外で製造、販売されております。このため、三協立山グループの経営成績は主に、日本国内及び海外の景気動向、為替動向、資材価格市況、建設会社の建設工事受注高や住宅着工戸数の変動、国内鉱工業生産、民間消費動向等の影響を受ける可能性があります。このような状況に対処するため、三協立山は事業セグメントとして「建材」「マテリアル」「商業施設」「国際」と幅広く事業展開することで、特定の経済環境変化により一部の事業が影響を受けてもその他の事業活動で補い、リスクを最小限に抑えるような事業構造を目指しております。 ②金利の変動三協立山グループは、金融機関等からの借入金など有利子負債を有しております。金利が上昇した場合、支払利息が増加する等、三協立山グループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。金利上昇のリスクを抑えるため、金利スワップ等のヘッジ取引等により金利の固定化を行い、リスク低減に努めております。 ③投資有価証券の保有三協立山グループは、重要な取引先の株式を中心に、長期投資目的の株式を保有しております。株式市況の低迷等により保有株式の価格変動が生じ、三協立山グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、保有株式の有効性評価を定期的に行い、取締役会にて保有の適否を判断しており、不要と判断された株式は速やかな処分を行うこととしております。 ④為替の変動為替変動により、三協立山グループの外貨建取引から発生する資産及び負債、売上高等の円貨換算額が三協立山グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。米ドル、ユーロ、タイバーツ及び人民元等の主要通貨の変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を行っております。 (2) 三協立山グループの事業活動に関するリスク①原材料・資材などの価格変動三協立山グループは、資材や部品等を調達しております。そのため、アルミニウム地金・鋼材等の原材料価格、電力や燃料等のエネルギー調達価格、労務費、物流費等の価格変動は、国内外の景気動向や為替変動、資材の需給バランス等に加え、国際情勢の変化に起因する地政学的要因により、三協立山グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、主原材料であるアルミニウム地金についてはデリバティブ取引の導入や、安定調達と価格変動のリスク分散を目的に長期購入契約を行っております。また、部品の共通化や複数購買化、物流効率の改善等のコスト削減への取り組みを推進して、原価の抑制に努めております。なお、サプライヤーとの取引価格については、対話を重視して定期的に協議を行っております。 ②製品開発力及び競合三協立山グループは、積極的に研究開発を行い、市場のニーズに合わせた新技術・新製品をスピーディーに提供し、成長性及び収益性の維持・向上に努めておりますが、競合企業による新製品の投入や価格競争により、三協立山グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、市場分析を踏まえ、価格競争に巻き込まれにくい差別化製品及び高付加価値製品の開発に取り組んでおります。また、アルミニウムの水平リサイクル技術の研究・開発を推進し、サーキュラーエコノミー実現に向けた製品開発に注力しております。 (3) 海外事業に関するリスク三協立山グループは、海外に販売拠点、生産拠点を有しております。各国における自然災害、政治的不安、伝染病、戦争、テロリズムその他の社会的混乱、物価上昇、ストライキ等の経済的混乱が発生した場合、海外における事業活動の変動や停止、復旧対応により三協立山グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、政治情勢、財政情勢、政策変更等について、情報収集を実施し、政情不安等の兆候の早期把握に努めております。 (4) 法的規制・訴訟に関するリスク①製品の欠陥三協立山グループは、JISその他国内外の品質・性能基準及び社内の品質・性能基準に則って各種製品を開発・製造しておりますが、重大な製造物責任賠償やリコールが発生した場合、多額の支払や費用の発生及び社会的信用の失墜等により三協立山グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、開発及び設計の各段階で、リスクアセスメントによるリスク除去と低減、品質確認のための試験やユーザー視点での確認会を実施し、指摘された問題を解決しなければ次工程に進めることができないルールの設定と運用により、重大な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性の抑制を行っております。 ②公的規制(法規制)三協立山グループは、事業の許認可や独占禁止、為替、租税、知的財産、環境、労働関連等、多くの法規制を受けております。将来のこれら法規制の改正、新規規制に伴うコスト増加等により三協立山グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、法令遵守に努めておりますが、法令違反が発生した場合は、公的制裁や社会的信用の失墜等により三協立山グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、各担当部署が中心となって、法令改正情報を収集し、適宜弁護士等の外部専門家を活用しながら三協立山グループ全体へ情報共有しております。また、「コンプライアンス推進基本方針」を定め、情報発信や各種研修による教育により、従業員一人ひとりの法令遵守に対する理解と意識の向上を図っております。グループ内で発生したコンプライアンス違反事案は、コンプライアンス委員会で情報集約、対応することで内部統制の強化を行っております。 ③環境に関する規制や問題発生三協立山グループは、産業廃棄物の処理に関する法律及び大気、水質、騒音、振動、土壌汚染等の環境諸法令遵守を徹底しております。しかしながら、人為的ミス等による環境汚染により社会的信用が失墜した場合や、関係法令等の変更によって新規設備の投資によるコスト増加が発生する場合、三協立山グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、世界的問題として取り組みが進められている、気候変動や温室効果ガス削減、サーキュラーエコノミーへの対応が必要になっております。このような状況に対処するため、気候変動対策や環境保全活動をはじめとしたサステナビリティ活動に関する方針の審議・策定を行う代表取締役社長が委員長を務める「サステナビリティ政策委員会」と、具体的施策を策定し推進する「サステナビリティ推進委員会」を設置しております。その中で環境保全に関する方針や方向性の策定を行い、方針に基づく様々な課題(エネルギー転換等による温室効果ガス対策、資源循環リサイクル、環境配慮設計、化学物質管理)について部会を設置し取り組んでおります。各部会にて中期・各期の目標を設定し、サステナビリティ政策・推進両委員会にてその進捗をモニタリングしております。当連結会計年度の気候変動や温室効果ガス削減、サーキュラーエコノミー等の取り組みは、「2サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)三協立山グループのサステナビリティの考え方及び取り組み」や「2サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応」に記載のとおりであります。「(2)気候変動への対応」では、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」に沿って、三協立山グループに及ぼすリスクと機会の特定、分析、評価を行っております。また、主要な自社工場においては、ISO14001の認証を取得し環境管理や監視体制の強化、産業廃棄物管理の徹底に努め、問題発生の防止に取り組んでおります。 (5) 情報管理に関するリスク三協立山グループは、業務に関連して多数の企業情報を保有するとともに、多数の個人情報を保有しております。これらの企業情報及び個人情報については、万全の管理に努めておりますが、予期せぬ事態により情報が漏洩した場合には、損害賠償の発生及び社会的信用の失墜等により三協立山グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、グループ全体のセキュリティリスクの把握や対策を推進する「情報セキュリティ委員会」を設置し、学習管理システムを用いたセルフチェック、研修動画の視聴、ウイルスメール対応訓練などにより従業員のセキュリティ意識を向上させております。また、社外持ち出しPCへの暗号化ソフト導入、不審メール等の検知システム導入、アクセス時やアプリ利用時に使用するIDの定期的な検証(利用者と権限)など仕組みの面でもセキュリティ対策を講じることで、社内情報流出など問題発生の抑制に努めております。 (6) 自然災害、事故及び感染症等の発生に関するリスク地震・水害等の自然災害、火災・停電等の事故、感染症の拡大等によって、三協立山グループの生産・販売・物流拠点及び設備等が損壊し、又は従業員の被災や感染によって操業停止を余儀なくされる可能性があります。災害や感染症等による影響を最小限に抑える対策を講じておりますが、被害を受けた場合は、復旧対応や事業活動の停止により三協立山グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、非常時の初期対応や報告経路、対策本部の設置と役割を定めた事業継続計画(BCP)を策定し、早期復旧に向けた仕組みを構築しております。また、従業員の生命及び安全の確保を最優先事項とし、自然災害や事故の発生に備え、防災マニュアルの整備や定期的な防災訓練、安否確認訓練、設備の点検等を継続的に実施しております。 (7) 会計上の見積りに関するリスク①債権劣化三協立山グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒見積高を算定し貸倒引当金として計上しておりますが、売掛・手形等の債権が回収不能となり貸倒れが当該前提等を大幅に上回った場合には、貸倒引当金の計上が不十分となる可能性があります。また経済状況の悪化や取引先等の信用不安等による前提条件等の見直しにより、貸倒引当金の積み増しを行う可能性があります。これらの結果、三協立山グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、取引先の信用力チェックや与信枠の設定に関して規程やマニュアルを整備するとともに、信用力についての調査と評価を実施し、経営改善状況やリスク低減策等のモニタリングを行っております。 ②減損会計三協立山グループは、事業用の不動産をはじめとする様々な固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待しているキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により減損損失が発生した場合、三協立山グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、減損の兆候等について定期的に取締役会に報告し、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策を講じることが可能な体制を構築しております。 ③退職給付会計三協立山グループの退職給付費用は、退職給付債務の算出に使用する割引率や、年金資産の運用環境が前提条件と乖離した場合に、数理計算上の差異が発生し、三協立山グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、年金資産の運用は安全性を考慮した資産配分に努めるとともに、運用状況の定期的なモニタリングを行っております。また、退職給付制度には確定給付型と確定拠出型を組み合わせた制度を導入しております。 (8) 人的資源に関するリスク三協立山グループが海外への事業展開を含め持続的に成長するためには人材確保が不可欠であり、雇用制度の充実や能力開発制度等を通じて雇用確保と人材育成に努めておりますが、少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり雇用競争の激化や退職率の上昇により有能な人材の獲得や流出防止が困難となった場合、三協立山グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、4月の定期採用に加えて通年のキャリア採用を推進しております。高齢者や女性、外国人の人材確保等ダイバーシティの推進を行うとともに、各種研修プログラムの他にも通信教育受講の奨励や社内e-ラーニングの提供など自己啓発支援を行い、人材育成に努めております。また、エンゲージメント調査を実施し、現状分析と課題認識を行い職場環境の改善につなげております。加えてストレスに関する調査も定期的に行い、必要に応じて産業医による面談を提供するなど、従業員の心と体の健康に配慮した取り組みを実施しております。仕事と生活の両立を目指した長時間労働削減(ワークライフバランス推進)や働きやすい職場環境を整えることで、離職防止や生産性向上の取り組みを行っております。 (9) 継続企業の前提に関する重要事象等 三協立山グループは、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度においても当期純損失を計上いたしました。当連結会計年度においては、主材料であるアルミ地金価格が想定を超える高騰を続ける中、中東情勢の影響でその高騰が一段と厳しさを増した結果、経営環境の著しい悪化が継続し、建材事業における減損損失の計上等により、134億98百万円の当期純損失を計上いたしました。これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事態となっております。このような事業環境下において、三協立山グループは、2025年7月10日に公表した「5つの構造改革」を最優先課題と位置付け、その回復に向けた取り組みを推進しております。 ① 間接コスト削減② 業務・組織体制の効率化③ 建材事業の構造改革④ 製造体制の適正化⑤ 欧州子会社の構造改革 これらの改革を推進することにより、当連結会計年度及び次期連結会計年度において一定の改善効果が期待されるものの、依然としてアルミ地金価格の高止まりや中東情勢の影響による各種コスト高が継続するなど、厳しい経営環境にあります。このため、三協立山グループは、更なる改善施策の実施を計画しており、早期の業績回復及び当該重要事象等の早期解消に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。また、資金面においては、当連結会計年度末において、297億32百万円の現金及び預金を保有しており、効率的な運転資金の調達を目的として主要取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結し、必要な資金枠を確保していることから、資金繰りについては支障がないものと判断しております。以上の状況と対応により、現時点において継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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