ダイニチ工業は暖房機器(石油暖房機器、電気暖房機器、ガス暖房機器)・環境機器(加湿器、空気清浄機、燃料電池ユニット)・その他(部品、コーヒー機器他)の製造・販売を主たる業務としております。
なお、ダイニチ工業は、企業集団を構成する関係会社はありません。
[事業系統図]
ダイニチ工業の事業系統図は、次のとおりであります。
ダイニチ工業の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてダイニチ工業が判断したものであります。
(1) 経営方針
ダイニチ工業は、わが社の方針「常に新しい技術を生み出し、私達が心から誇れ、お得意が安心して販売でき、使用者にいつまでも愛される、よい商品をつくる」を社是として全ての活動の基本方針としております。
(2) 経営戦略等
中長期的な経営戦略といたしましては、厳しい競争環境が継続するなか、ダイニチ工業の中核事業であります石油暖房機器事業及び加湿器事業においては専門メーカーゆえに経営資源を集中投下できたことにより着実に成長を続け、石油ファンヒーター及び加湿器において確固たる地位を維持してまいりました。石油暖房機器事業及び加湿器事業は冬季における天候や気温によって、需要が増減し、売上総利益や営業活動によるキャッシュ・フローが大きく影響を受けますので、需要動向をタイムリーに生産計画に反映させることで効率的な経営に取り組んでおります。また、高付加価値機種の売上高構成比率を高めることで、さらなる収益の向上に努めております。
さらに、継続した成長のため研究開発部門を強化し、石油暖房機器及び加湿器で培った燃焼技術・暖房技術・気流制御技術等のコア技術を進化させることで、新規分野での商品開発に取り組むとともに、その商品群を育成してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ダイニチ工業は、目標とする経営指標といたしましては、収益性と経営効率の観点から売上高経常利益率10%以上の確保を経営目標としております。
(4) 経営環境
ダイニチ工業の主力商品であります石油暖房機器は、普及率の向上により買い替え需要が主となっており、市場全体の拡大を見込むことは困難であります。また、暖房機器は石油以外に電気やガスと多様化しており、業界間競争は激化すると考えております。
雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって景気の緩やかな回復が続くことが期待されるものの、世界的な金融引き締めや物価上昇、金融資本市場の変動等により先行き不透明な状況が続くものと想定されます。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
現状の環境のもと、石油暖房機器の市場をリードする商品の地位を確実なものとし、同時に高収益体質への変革を進めていくこと、ダイニチ工業の環境機器に位置づけられる加湿器のシェアと利益率を向上すること、及び受託製造におけるコストダウン・作業工数低減が企業存続のための大きな課題と認識しております。
また、原材料価格やエネルギー価格は高止まりすることが想定されるため、原材料等の上昇に合わせた販売価格の改定を進めるとともに、最適な生産体制の構築に取り組んでまいります。
これらの課題に対しましてダイニチ工業は、地球環境への負荷の低減を心がけ、「お客様重視」「製品安全の確保」を基本とした他社にはない商品を開発、製造し、積極的に営業を行ってまいります。また、お客様に安心して使用していただけるようにアフターサービス体制の充実を図ってまいります。
これらの方針のもと、環境面におきましては、ISO14001の規格に基づきダイニチ工業の環境方針を定めて、事業活動の全ての領域で環境に与える影響を認識し、環境負荷の低減と汚染の予防に努める活動、商品本体の環境負荷物質の問題について継続的に取り組んでまいります。
品質・安全面におきましては、仕入先を含めた生産活動における品質管理の強化とともに、市場における品質情報の収集・分析体制を強化して、関連部署による情報の評価・検討の迅速な対応により品質と安全性の向上を継続的に目指しております。
商品開発については、お客様が求める商品、好まれるデザイン、機能や価格等の要望を的確に把握して、お客様第一の商品作りを継続し、営業面におきましては販売店との一層の関係強化を進め、プロモーションの強化等とともに営業提案を行い、高機能商品のウエイトを高めてまいります。
物流面におきましては、取扱店の納期短縮の要請に応えるため情報共有化をはかり、配送体制を強化して短期間に集中する出荷業務に対して、迅速かつ効率的に対応することで販売機会の損失低減に努めております。
サービス面ではアフターサービスの迅速化と質の向上をはかり、お客様満足度向上のための活動を継続的に展開することで信頼されるブランドの確立、リピーター作りを目指してまいります。
また、ITを活用した社内外のネットワークを構築し、情報の一元化と共有化をはかることで、経営環境の変化に対し迅速に対応するための業務体制強化に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてダイニチ工業が判断したものであります。
(1) 暖房機器への依存度が高いことについて
ダイニチ工業は、暖房機器への依存度が高く、売上高の7割以上を占めております。このため、特に冬季における天候や気温の影響を受ける可能性があります。
ダイニチ工業といたしましては、環境機器の売上高構成比を高めることで、天候による業績の変動を少なくするよう努めております。
最近2期間の主要品目別の売上高及びその構成比は、次のとおりであります。
|
区分 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
売上高 (百万円) |
構成比 (%) |
売上高 (百万円) |
構成比 (%) |
|
|
暖房機器(石油暖房機器、電気暖房機器、ガス暖房機器) |
16,302 |
76.8 |
14,420 |
73.4 |
|
環境機器(加湿器、空気清浄機、燃料電池ユニット) |
3,642 |
17.2 |
3,928 |
20.0 |
|
その他(部品、コーヒー機器他) |
1,268 |
6.0 |
1,301 |
6.6 |
|
計 |
21,212 |
100.0 |
19,650 |
100.0 |
(2) 業績が下半期に偏重していることについて
ダイニチ工業は、季節商品である暖房機器が主力であるため、売上高は第3四半期(10月~12月)に集中する傾向にあります。また、第4四半期(1月~3月)は、3月に返品が集中し、重要な返品処理は決算日までに行うこととしております。
ダイニチ工業といたしましては、2019年10月より「燃料電池ユニット(貯湯タンク内蔵)」の受託製造、並びに2022年10月より空気清浄機、及び2023年4月よりコーヒー豆焙煎機の新モデルの製造・販売を開始し、売上高が特定期間に集中するリスクの低減を図っております。
最近2期間の各四半期の売上高、営業利益及びその構成比は、次のとおりであります。
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前事業年度 |
||||
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
|
売上高(百万円) |
1,161 |
6,194 |
12,248 |
1,608 |
21,212 |
|
(構成比%) |
(5.5) |
(29.2) |
(57.7) |
(7.6) |
(100.0) |
|
営業利益又は営業損失(△)(百万円) |
△552 |
909 |
2,001 |
△911 |
1,447 |
|
(構成比%) |
(△38.2) |
(62.8) |
(138.3) |
(△62.9) |
(100.0) |
|
|
当事業年度 |
||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
|
売上高(百万円) |
1,301 |
6,383 |
10,659 |
1,305 |
19,650 |
|
(構成比%) |
(6.6) |
(32.5) |
(54.3) |
(6.6) |
(100.0) |
|
営業利益又は営業損失(△)(百万円) |
△514 |
1,002 |
1,470 |
△858 |
1,100 |
|
(構成比%) |
(△46.8) |
(91.1) |
(133.7) |
(△78.0) |
(100.0) |
(3) 原材料価格の高騰について
ダイニチ工業は、複数の仕入先より原材料を購入しており、原材料の安定的な確保と最適な価格での調達に努めております。
エネルギー価格及び原材料価格等が著しく上昇した場合には、仕入先との価格交渉、生産性向上による原価低減及び可能な限りの商品価格の改定により対処してまいりますが、価格高騰が長期化しコストアップ分を吸収しきれない場合は、ダイニチ工業業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 情報セキュリティについて
ダイニチ工業は、事業活動を通してお客様の個人情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しています。ダイニチ工業では、情報セキュリティ基本方針を定めるとともに、社内にシステム推進委員会を設置して、これらの情報に対するシステムのセキュリティ対策やリスク管理体制の強化を推進しております。
しかしながら、万一これらの情報が外部に漏えいあるいは不正使用された場合、重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、ダイニチ工業の信用低下や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) サイバーセキュリティについて
ダイニチ工業はサイバーセキュリティ対策を経営の重要課題と認識し、社内にシステム推進委員会を設置して、継続的にサイバーセキュリティ対策を推進しています。このサイバーセキュリティ対策の推進状況につきましては、取締役会で報告を行っております。
また、社内に担当部署を配置し、統合SOC(Security Operation Center)等による24時間365日の監視体制を整え、ウイルス解析、多層的防御等、レジリエンス態勢の強化に取り組んでおります。
しかしながら、このような強化策が奏功せず、ダイニチ工業の想定を上回るサイバー攻撃や不正アクセス等により、重要データの破壊、改ざん、情報漏えい、システム停止等が生じた場合には、ダイニチ工業の信用低下や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品の品質について
ダイニチ工業は、ISO9001の規格に基づき製品の品質管理を徹底しておりますが、市場において予期せぬ不具合が発生して製造物責任を問われることや商品回収に至る可能性があります。
ダイニチ工業は製造物責任保険に加入し、万が一の際のリスクヘッジを行っておりますが、保険適用範囲を超える負担が発生した場合には、ダイニチ工業業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害による影響について
ダイニチ工業の主力商品である石油暖房機器の生産拠点は1ヶ所であるため、火災、水害、地震等の災害により操業が停止する可能性があります。
ダイニチ工業は石油暖房機器の生産を1年間継続して行い、需要期に向けて在庫を確保しており、また商品を全国の複数箇所の倉庫にストックしているため、操業停止が短期間の場合は注文に対応できますが、復旧に長期間を要した場合には出荷不能となり、ダイニチ工業業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 市場競争力について
石油暖房機器市場は既に成熟した市場ではありますが、ダイニチ工業よりも事業規模の大きい企業も含めて数社が競合しており、価格や機能を含む様々な要素で競争しております。
ダイニチ工業が技術的、あるいはその他の競争力を持つ商品において優位性を保てなくなった場合や、競合他社との競争による価格下落又は販売コストの上昇について効果的に予測し対応できない場合には、ダイニチ工業業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 灯油の価格変動について
石油暖房機器の燃料は灯油であるため、原油価格に連動して変動する灯油価格によって消費者の購買行動が変化する場合があり、ダイニチ工業業績は影響を受ける可能性があります。
(10) 受託製造について
ダイニチ工業では、一部の製品において受託製造を行っております。委託元の販売状況等によって十分な受注が確保できない場合は、ダイニチ工業業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 減損会計について
ダイニチ工業では、事業の用に供する不動産をはじめとする様々な資産を所有しております。こうした資産は時価の下落や、将来のキャッシュ・インフローの状況により、減損会計の適用を受ける可能性があり、ダイニチ工業業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 有価証券の時価変動について
ダイニチ工業では、売買を目的とした有価証券は保有しておりませんが、様々な理由により、売却可能な有価証券を保有しております。これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価しておりますので、市場における時価の変動はダイニチ工業業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 退職給付債務について
ダイニチ工業では、確定給付年金制度に関する会計基準に従い、一定の会計に基づいて資金を拠出しております。また、社内に年金資産運用委員会を設置して運用状況をモニタリングするとともに、運用委託先は日本版スチュワードシップ・コードを受け入れていることを条件として選定しております。
株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。
(14) 知的財産権について
ダイニチ工業は、特許権、商標権及びその他の知的財産権を保持しています。また、知的財産権の管理業務に専門の人員を配置し、知的財産権の強化を図っています。
しかしながら、ダイニチ工業が知的財産権に関する争訟に巻き込まれた場合、ダイニチ工業業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 未知の感染症について
未知の感染症の蔓延による消費の低迷、国内外のサプライチェーンの混乱、従業員や取引先への感染等により事業活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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