サンコール(5985)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


サンコール(5985)の株価チャート サンコール(5985)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 サンコールの企業集団は、サンコール株式会社(サンコール)と子会社12社及び関連会社5社で構成され、「自動車分野」、「電子情報通信分野」における製品、及び「その他製品」を製造・販売しております。

 

(1) 「自動車分野」の製造・販売事業における区分は、次のとおりであります。

[材料関連製品](日本、北米、アジア)

 オイルテンパー線、硬鋼線、ピストンリング材、精密異形線、精密細物ピアノ線等の製造・販売を行っております。

 

[自動車関連製品](日本、北米、アジア)

 自動車エンジン用弁ばね、AT部品、自動車用安全装置機能部品、ABS用センサーリング、ABS用アクチュエーター、バルブコッター、ブーツクランプ、各種異形ばね、異形リング、細工ばね、薄板ばね、リアクトルコイル、LED関連、バスバー、シャントバスバー、電流センサー等の製造・販売を行っております。

 

(2) 「電子情報通信分野」の製造・販売事業における区分は、次のとおりであります。

[HDD用サスペンション](日本)

 ハードディスク・ドライブ用サスペンションの製造・販売を行っております。

 

[プリンター関連](日本、アジア)

 プリンター用精密紙送りローラー等の製造・販売を行っております。

 

[通信関連](日本、北米、アジア)

 光ファイバー用精密部品等の製造・販売を行っております。

 

(3) 「その他製品」(日本)の製造・販売事業における位置付けは、次のとおりであります。

 電子回路検査機器用プローブ、歩行アシストロボット等の製造・販売を行っております。

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてサンコールグループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 サンコールグループは「技翔創変」を経営理念とし、技術集約型精密製品の創造を通じてお客様の問題解決を図り社会に貢献することを基本方針としております。

 サンコールグループといたしましては、お客様の海外現地調達の加速、激化する価格競争や為替の変動、その他いかなる環境の変化にも耐えうる経営体質の構築が不可欠と考え、持続的成長を支えるため経営効率を高めることにグループ一丸となって積極的に挑戦してまいりました。

 そのような状況下、サンコールは中期経営計画GGP24(GLOBAL GROWTH PLAN 2024)~変化から成長へ~を策定し、2022年2月に発表いたしました。中期経営計画では「2030年の事業ポートフォリオ確立に向けた実効的な戦略の加速」を基本方針に掲げ、ステークホルダーの皆さまの期待に応えるため、資本コストを上回る資本収益性を意識し、ポートフォリオ改革を実行してまいります。前中期経営計画で実施した先行投資分野の確実な利益成長を実現するとともに、売上拡大、利益貢献が見込める分野には積極的に投資を行うなど「成長」を意識した企業価値向上に取り組んでまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 中期経営計画GGP24において策定した最終年度(2024年度)の連結売上高630億円、営業利益45億円、営業利益率7.1%、当期純利益35億円、ROE9.0%を経営指標としておりました。一方で、2022年度下期以降、各国での金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が継続し、サンコールの業績も大きく影響を受けております。結果として、最新の経営状況の見通しは、2024年度連結売上高590億円、営業利益4億円、営業利益率0.7%、当期純利益1億円であり、中期経営計画GGP24の達成は難しい状況となっております。なお、2025年度以降の中期経営計画については改めて公表させていただく予定です。

 

(3)経営環境

 世界経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が緩和され、社会・経済活動の正常化が進んでおります。一方で、ロシアのウクライナ侵攻長期化によるエネルギー・原材料価格の高騰や、各国の金融引き締めによる景気後退懸念の継続により、先行きは不透明な状況が続いております。

 また、わが国経済においては社会経済活動が正常化する中、非製造業で改善が見られるものの、製造業においては不安定な為替相場・物価上昇によるコストの増加が収益の下押し要因となっております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

ア 事業上の対処すべき課題

①  EV等電動化関連成長事業(グローバルに売上拡大・次世代主力事業へ)

 EVおよびHVやPHV等を含めた電動車の需要が大きく増加することが予測されることから、高精度に電流を検出するニーズが増してきています。これに対してサンコールグループでは以下の重点戦略を実行してまいります。

・電動車ニーズに応えるべく「バスバー」「シャントバスバー」「電流センサー」の開発と量産体制の拡大

・EV等電動化製品の欧州・中国・米国での拡販の展開

 

②  電子情報通信関連成長事業(飛躍的成長の実現・利益成長の追求)

 データセンターではIoTの拡大や映像データの蓄積など、ニアラインドライブと呼ばれる大容量ハードディスクドライブ(HDD)の高い需要が見込まれておりましたが、2024年3月期はデータセンター投資抑制の影響が継続しました。

 2025年3月期には市場の回復が見込まれます。

 また、光情報通信産業の三大用途市場であるデータセンター/テレコム/ワイヤーレス市場においては、5G・IoT関連の強い需要により、今後も市場拡大していく見通しです。これらに対してサンコールグループでは以下の重点戦略を実行してまいります。

・サスペンション関連は顧客需要回復への対応と生産効率の向上

・通信/プリンター関連は製品開発、工法改善を通じた、生産効率の向上

 

③  自動車関連既存事業(産業構造の変化に対応・収益力改善)

 電動車の需要増加が予想される中で、サンコールの自動車関連既存事業のうちエンジンやミッション系精密機能部品は、2030年以降の減少を見据える必要があります。これに対してサンコールグループでは以下の重点戦略を実行してまいります。

・製品別に市場成長性と収益性を検証

・徹底的な製品別採算管理により、既存案件の収益力改善に注力

・生産・営業拠点の最適化

 

イ 財務上の対処すべき課題

 企業価値向上のために従来の事業収益性改善だけでなく、不採算事業からの撤退を含めた事業ポートフォリオ見直しを図ってまいります。更に資本コストを意識した投資判断の徹底を継続し、必要な資金調達を進めてまいります。

 なお、サンコールグループは第107期(2024年3月期)において3,542百万円の営業損失を計上しており、当連結会計年度末において現金及び預金を7,422百万円保有しておりますが、借入金は14,488百万円(内短期借入金(1年内返済長期借入金を含む)は12,636百万円)となっています。これらの状況により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が発生していると認識しておりますが、資金面においては当連結会計年度末における手元流動性の確保状況をもとに、サンコールグループの年度経営計画に基づく今後の収支推移見込みを踏まえ、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 サンコールグループは、リスク管理委員会を設置し、年4回の定期的開催により事業運営に重大な影響を与えるリスクの統括管理を行っております。サンコールグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響が大きいリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。サンコールグループの事業は、現在は未知のリスク、又は重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてサンコールグループが判断したものであります。

 

(1) 市場環境の変化

 サンコールグループは、連結売上高の約73%を自動車分野が占めている他、データセンター向けHDD用サスペンション、プリンター関連部品もそれぞれ大きな比率となっております。これら最終製品の国際的市場動向の変化や業界再編はサンコール製品の生産販売量の変動につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 特に、ニアラインと呼ばれるデータセンター向けHDDはSSD(Solid State Drive)への置き換えが進むリスクがあり、その場合サンコールグループの業績に大きな影響を及ぼします。

 対応策として、サンコールグループはニアライン向けデータストレージに関する技術動向について慎重な分析を行うとともに、中長期的には精密塑性加工技術を応用した新規事業分野(自動車電動化対応、医療介護、環境エネルギ-)拡大への取り組みを加速させてまいります。

 

(2) 競争の激化

 サンコールグループが関連するそれぞれの事業分野において、競合会社との競争激化により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 具体的には 競合会社による競争力のある新製品の発売、価格競争の激化、低価格品などへの需要シフト等がリスクとして考えられます。

 対応策として、サンコールグループは主要製品において材料から製品までの一貫生産を行うことに加え、金型の内製化等による、独自の製品開発・生産技術・品質保証体制を生かし、競合会社との差別化を図っております。

 

(3) 為替変動による影響

 サンコールグループは、北米・中国・東南アジアにおいて生産及び販売活動を行っており、連結ベース海外売上高比率は約59%となっております。外貨建て取引が増加しており、為替レートの変動がサンコールグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 具体的には、サンコールグループの外貨建て取引及び連結財務諸表作成の際における海外子会社財務諸表の外貨から円貨への換算は為替レート変動影響等を受けるリスクが考えられます。

 対応策として、リスク管理方針を定め、その範囲内で主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を行うことに加え、海外子会社の資金調達を現地化しております。

 

(4) 原材料市況の変動

 世界的な原油・原材料価格変動の影響によるサンコールの主要材料である特殊鋼市況の大きな変動は、サンコールグループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 対応策として、サンコールグループは材料の市況変動に柔軟に対応するべく、材料調達における複数購買化を推進すると共に、吸収できない市況変動に関しては適切に売価反映を行っていく活動を推進しております。

 

(5) 災害等/感染症によるパンデミックの影響

 サンコールグループは、国内7拠点・海外12拠点で生産活動を行っており、地震等大規模な自然災害や感染症によるパンデミックが発生した場合は、最終製品の需要減、サンコールグループ・顧客・サプライヤーの生産活動の中断などにより事業に影響を及ぼす可能性があります。

  具体的には、自然災害(地震、津波、洪水、暴風雨、竜巻、大雪、噴火等)

        事故(火災、爆発、危険物の漏洩等)

        事件・情勢変化(内乱、戦争、テロ、誘拐、脅迫等)

        感染症の発生と流行、等が想定されます。

 対応策として、サンコールグループは、非常時の初期対応他災害発生の際に適切な対応が取れるよう仕組みを構築しております。

 また災害の発生を防ぎ、万が一災害が発生した場合の被害を最小限に抑えるために、防災・危機管理マニュアルを定め、定期的に設備点検、防災訓練等を実施しており、事業に応じたBCP(事業継続計画)を作成し、被災時でも重要な事業を継続し、早期に事業復旧できるよう準備を行っております。

 

(6) コンプライアンス等に関するリスク

 サンコールグループの事業活動を行う上で、各国の法令・規制・基準や社会通念が関係しており、これらの不遵守により社会的に信用が毀損され、サンコールグループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 具体的には、

   ・人事関連の各種コンプライアンス違反(ハラスメント、雇用関連、人権等)発生

      ・輸出入関連法違反の発生による輸出停止等の行政制裁による生産・販売への影響

      ・独占禁止法/競争法の違反発生による課徴金(行政処分)の負担等の影響

      ・各種環境関連法の違反発生による行政処分、生産影響

 等が想定され、また国内外の行政・司法・規制当局等による予期せぬ法令の制定や改廃が行われる可能性や、社会・経済環境の著しい変化等に伴う各種規制の大幅変更の可能性で、コンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。その場合にはサンコールグループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 対応策として、サンコールグループは法令遵守を極めて重要な企業の責務と認識しており、経営会議の諮問機関としてコンプライアンス委員会を設置し、「行動規範書」や「ホットライン通報制度」を策定し法令遵守の徹底を図っております。

 

(7) 情報セキュリティに関するリスク

 サンコールグループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っております。サンコールグループ(委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者によるサイバー攻撃、ハッキング、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。

 こうした事態が生じた場合、具体的にはサンコールグループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、サンコールグループの事業展開、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 対応策として、サンコールグループはすべての役員、従業員等に対し、情報の取扱いに関する管理規程を定めることで、情報のセキュリティを確保することを重要な課題として認識しており、情報管理の徹底に取組んでいます。

 

(8) 訴訟に関するリスク

 サンコールグループは、事業を遂行するうえで、訴訟等を提起されることがあり、その結果、予期せぬ多額の損害賠償を命じられる可能性があります。その額によっては、サンコールグループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 対応策として契約審査等を通じて、訴訟その他法的手続きの発生を未然に防止するよう努めるとともに、万が一訴訟その他法的手続きが発生した場合には、外部専門家と連携しながらサンコールグループへの影響を最小限に抑えることに努めております。

 

(9) 人材確保や育成に関するリスク

 サンコールグループは、今後の事業拡大に伴う適切な人材確保が必要であると考えております。また、サンコールの経営理念は「技翔創変」であり、サンコールグループの持つ技術を伝えていく為の適切な人材確保と育成が重要な課題であると認識しております。しかし、少子高齢化や働き方の変化などにより、十分な人材確保や育成ができない可能性があります。

 対応策として、サンコールグループの企業価値を高めていく活動を強化していくとともに、適切な人材確保・育成体制の強化を図ってまいります。

 

(10) 継続企業の前提に関する重要事象等

 サンコールグループは第107期(2024年3月期)において3,542百万円の営業損失を計上しております。また、当連結会計年度末において現金及び預金を7,422百万円保有しておりますが、借入金は14,488百万円(内短期借入金(1年内返済長期借入金を含む)は12,636百万円)となっています。これらの状況により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が発生していると認識しておりますが、対応策として、企業価値向上のために従来の事業収益性改善だけでなく、不採算事業からの撤退を含めた事業ポートフォリオ見直しを図るとともに、資本コストを意識した投資判断の徹底を継続してまいります。資金面においては当連結会計年度末における手元流動性の確保状況をもとに、サンコールグループの年度経営計画に基づく今後の収支推移見込みを踏まえ、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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