ファインシンター(5994)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】ファインシンターの企業集団は、ファインシンター及び製造子会社6社で構成され、自動車焼結製品、鉄道焼結製品、油圧機器製品の製造販売を主な事業内容としており、関連当事者(その他の関係会社)であるトヨタ自動車㈱には継続的に自動車焼結製品を販売しております。当グループの事業に係る位置づけ、及び事業の種類別セグメントとの関連は次の通りであります。ファインシンター東北㈱はファインシンターの自動車焼結製品の製造を行っており、また、ファインシンター三信㈱、タイファインシンター㈱、アメリカンファインシンター㈱、精密焼結合金(無錫)有限公司、及びファインシンターインドネシア㈱は、自動車焼結製品の製造及び販売を事業内容としております。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてファインシンターグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針〔基本理念〕ものつくりを通し、すみよい社会と人々の幸せに貢献する 〔長期方針〕・ 21世紀に勝ち残る企業基盤を確立する品質第一に徹し、魅力ある商品・技術の実現・ 良い社風を築き、地域に信頼される企業を目指す・ 明るく働きがいのある職場を築く 〔サステナビリティ方針〕ものつくりを通し、すみよい社会と人々の幸せに貢献する(基本理念がSDGsのアジェンダと重なり、グローバル・グループ内に浸透していることからサステナビリティ方針と位置付けております。) (2)経営戦略等ファインシンターグループが有する技術融合の強みを軸に、事業ポートフォリオの見直しと収益構造の転換を加速させることを目的に、2026年5月、新たな中期経営計画(Vision2030)を開示いたしました。本計画では、「変革を遂げる」を基本方針に掲げ、「構造×人」の両軸から企業価値向上を図ります。具体的には、事業ポートフォリオの継続的な見直しを通じた重点事業への経営資源の集中と、収益基盤の強化を図るとともに、人的資本への投資を通じて、将来志向の組織・人材への変革を推進いたします。これらの取り組みを通じて、収益性と資本効率の双方を高め、持続的成長企業への進化に向けた基盤を確立してまいります。これにより、最終年度である2031年3月期において、売上高450億円、営業利益率5%、ROE8%の達成を目指してまいります。あわせて、モビリティの脱炭素化への貢献のためCO₂排出量の削減率を重要な経営指標としております。中期経営計画(Vision2030)URL:https://www.fine-sinter.com/ir/plan/ (3)経営環境及び対処すべき課題ファインシンターを取り巻く事業環境は、電動化の進展等による産業構造の変化や消費ニーズの多様化、総労働人口の減少といった構造的な転換期を迎えております。さらに、脱炭素対応やサステナビリティへの要請の高まり、人的資本経営の重要性の増大により、より高度な対応が求められております。特に、技術革新の進展やAIとの協働、国際競争の激化により事業環境は一層厳しさを増しており、競争力の強化と付加価値の向上が課題となっております。加えて、消費者ニーズの変化や労働人口の減少に伴う人材不足の深刻化により、生産性向上が重要課題となっております。少量不採算品による収益への影響、構造改革及びモノづくり改革の遅れ、設備の老朽化による生産性の低下、技術継承の停滞といった問題が顕在化しており、これら収益力低下要因の解消が課題となっております。これらの課題に的確に対応し持続的成長を実現するためには、経営の透明性及び意思決定の実効性を高める観点から、ガバナンスの強化が不可欠であると認識しております。こうした中、以下の項目を重点実施項目として取り組んでまいります。 1. 収益基盤の強化 ・ モノづくり革新・改革 ・ グローバル拠点再編 ・ 不採算品対応 2. ポートフォリオ変革 ・ 重点3事業へのリソースの集中 3. 人の改革(未来志向へシフト)ガバナンスの徹底 ・ 経営の透明性向上プロフェッショナル集団への回帰 ・ フロー(Flow)が生まれる働き方支援 ・ 技能・スキル向上支援 ・ ウェルネス経営 ・ 組織力強化 ・ 人材多様化 ・ 職場環境改善
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてファインシンターグループが判断したものであります。 (1)コンプライアンスファインシンターグループでは事業の遂行にあたり各国の法的規制の適用を受けております。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による罰則・訴訟・社会的制裁を受ける可能性があります。訴訟及び規制当局による措置その他の法的手段は、ファインシンターグループの事業、業績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。法令に適合することを確保するための体制として、内部統制委員会を設置しており、定期的に取締役会への報告を行っております。また、2024年に発覚した不適切会計に対する再発防止策として、コンプライアンス・リスク管理研修や内部統制アンケートの実施、内部通報制度の強化等に取り組んでおります。今後、実施した再発防止策を継続実施し、社内定着を図ってまいります。引き続き、継続的な教育、研修による啓蒙活動でコンプライアンス遵守を強化してまいります。 (2)自動車業界への販売依存度ファインシンターグループの製品は主としてエンジン部品、ショックアブソーバー部品等の自動車用部品のため、自動車産業の構造変革及び市場縮小等が、ファインシンターグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、ファインシンターグループの連結売上高に占めるトヨタ自動車及び同社現地子会社への売上の割合は19.8%であります。ファインシンターグループとしては、自動車産業の変革に対応するために、ファインシンターの強みである粉末冶金の特性や関連技術を活かし、電動化関連製品の開発を強化する一方、非自動車分野の鉄道車両用製品及び油圧機器製品の開発と拡販の強化、新規分野の開拓を加速すべく、営業・技術が一体となった組織「新規拡販室」を設置し取り組みを進めております。 (3)海外進出に内在するリスクファインシンターグループの事業には、海外における製品の生産と販売が含まれております。各地域における政治、経済状況の変化等による予期せぬ事象がファインシンターグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ファインシンターグループとしては、現地の動向は海外拠点スタッフの情報網を積極的に活用する事で適時適切に入手し対応するように努めております。 (4)業界内外の競争に伴うリスクファインシンターグループが身を置く業界の競争は非常に厳しく、競合他社は国内外の多岐にわたります。顧客のニーズを満たした製品の開発・製造・販売に努めておりますが、競合他社との価格競争に巻き込まれた場合はファインシンターグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ファインシンターグループでは、デジタル設計から実証加工、電動化製品の開発から量産までそれぞれを担う専任組織と、開発・生産技術部門を統合した「テクニカルセンター」を設けており、開発力の強化と開発から量産化までの加速を進めております。 (5)原材料の仕入に係る仕入価格の変動及び人権に関わるリスクファインシンターグループでは、粉末冶金製品の原材料として鉄粉等の金属粉を使用していますが、これらの原料価格が高騰し、製品価格に反映することが困難な場合は、ファインシンターグループの業績に影響を与える可能性があります。また、供給元の不慮の事故や資源国の政治・経済状況、労務管理面での人権侵害などにより、原材料・部品の不足やファインシンターグループの企業イメージ毀損などが生じる可能性があります。その場合は生産の遅れによる原価上昇、株価低迷や投資家の投資撤退などの可能性があります。ファインシンターグループとしては、製品歩留りの向上による原材料使用量の低減や市況の変動が大きく資源国での人権侵害リスクの高いコバルトの添加不要材料の開発・提案、人権や環境等の社会問題の影響を考慮した鉱物調達活動などを推進し、リスク低減を図っております。 (6)為替変動によるリスクファインシンターグループの事業には、海外における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されています。従いまして、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。なお、為替変動による通期連結営業利益への影響は、1円/$あたり約10百万円です。ファインシンターグループとしては、ものづくり改革や自動化等の合理化推進等により、円高進行時でも利益確保できる体質構築に努めております。 (7)感染症拡大に関するリスク感染症の拡大に伴う製品需要の低迷、生産の停滞などが継続する場合、ファインシンターグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。ファインシンターグループとしては、感染拡大防止のため、衛生管理の徹底や必要に応じテレワーク等の事業運営を実施するとともに、有事の際、稼働日数調整や開発費以外の固定費削減及び機動的な短期資金調達などの対応で、リスクの最小化に努めてまいります。 (8)気候変動気候変動がもたらすリスクは、製品の開発設計から調達・生産・物流・販売まで、企業活動全般にわたって存在しており、異常気象による災害リスクがもたらす生産影響、規制強化によるコスト増等は企業活動を停滞させる恐れがあります。ファインシンターグループとしては、気候変動対応への取り組みとして、2050年度カーボンニュートラルに向けた長期ビジョンを策定し、2030年度までに50%削減する目標の達成に向けて、省エネ技術の開発などファインシンターグループ一丸となって推進しております。また、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の通り、電動車両搭載製品や鉄道車両用製品への売上構成比を高めてまいります。 (9)退職給付債務ファインシンターグループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率などの数理計算上の前提条件や年金資産の長期期待収益率に基づいて算出されております。従いまして、割引率の低下や年金資産の減少など実際の結果が前提条件と異なる場合は、将来の期間に認識される費用及び計上される債務に大きな影響を及ぼす可能性があります。ファインシンターグループとしては、年金資産の運用にあたり、分散投資や運用状況の定期的モニター等により、リスクの低減に努めております。 (10)情報セキュリティファインシンターグループは、技術情報などの情報資産のデータ処理を行っていますが、不測の事態によって外部からのコンピュータウィルスの感染やハッキングの被害、サーバー及びネットワーク機器の障害やシステム障害の発生による業務停止や情報の外部漏洩等の事態が発生する可能性があり、それに伴いファインシンターグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。ファインシンターグループでは、情報セキュリティリスクの評価・分析と状況の把握を行い、段階的なセキュリティ強化に取り組んでいます。引き続き、人的・組織的対策、技術的対策を講じ、更なるセキュリティのレベルアップ、強化に取り組んでまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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