アドバネクス(5998)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】アドバネクスの企業集団は、アドバネクス、連結子会社14社及び非連結子会社4社で構成され、日本、米州、欧州、アジアにおいて、精密ばねの製造販売を主な内容として事業活動を展開しております。当企業集団の主な事業に係る位置付け及びセグメントの関連は、次のとおりであります。なお、次の区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。なお非連結子会社であるAdvanex Deutschland GmbHは、2023年5月29日の取締役会で清算決議をし、現在清算手続中であるため図表から除外しております。 セグメントの名称会社名 主な事業内容日本株式会社アドバネクス 精密ばねの製造、販売アドバネクスPLUS株式会社※2製鋼原料、非鉄金属、一般鋼材の販売株式会社ベアー技研※2特殊鋼、非鉄金属、鉄鋼の伸線圧延製品の加工販売M's Factory株式会社※2線材の加工、金属の研磨及び加工米州Advanex Americas, Inc.※1精密ばねの製造、販売Advanex de Mexico S.de R.L.de C.V.※1精密ばねの製造、販売欧州Advanex Europe Ltd.※1精密ばねの製造、販売Advanex Czech Republic s.r.o.※1精密ばねの製造、販売アジアAdvanex(Singapore)Pte.Ltd.※1精密ばねの販売Advanex(Thailand)Ltd.※1精密ばねの製造、販売Advanex(Vietnam)Ltd.※1精密ばねの製造、販売PT.Advanex Precision Indonesia※1金属プレス・インサート成形部品の製造、販売Advanex(India)Private Limited※1精密ばねの製造、販売Advanex(Shanghai)Inc.※1精密ばねの製造、販売Advanex(Dalian)Inc.※1精密ばねの製造、販売Advanex(Dongguan)Inc.※1精密ばねの製造、販売Advanex(Changzhou)Inc.※1精密ばねの製造、販売Advanex(Hong Kong)Ltd.※1精密ばねの販売 ※1 連結子会社※2 非連結子会社 企業集団の系統図企業集団の状況について事業系統図で示すと次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてアドバネクスグループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針アドバネクスグループは、「三つのコアを追求し、アドバネクスの企業活動を永続させることで、地球の未来、社会の発展、全てのステークホルダーの幸福実現に貢献する」を経営理念とし、その三つのコアは「Global:新しい発想でグローバルに展開する」「Change:社会や市場の変化を見据えて自ら変化する」「Innovation:常にイノベーションを起こし、新しい価値や技術を発信する」としています。(2) 目標とする経営指標アドバネクスグループは、2027年3月期に連結売上高290億円、連結営業利益15億円、自己資本比率30%以上、ROE7.0%以上の達成などを目標としております。なお、連結売上高は2026年3月期に296億円と1年前倒しで目標を達成したことから、2027年3月期の連結売上高予想は300億円としています。(3) 中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき課題米国の関税政策や中東情勢の悪化に伴う原油価格高騰が世界経済に影響を及ぼすこと、また、様々な地政学リスクも高まっていることから、2026年度の経済環境も依然として予断を許さない状況が続いています。一方で、長期的には自動車市場や医療市場、航空機市場のさらなる成長が期待されています。アドバネクスグループは、精密金属加工総合メーカーとして持続的な成長と連結企業価値向上を図るため、グループ一丸となって、次の課題に対し重点的に取り組んでまいります。1) 精密金属加工分野における事業基盤の強化と領域拡大① グローバルビジネス展開と海外拠点の収益化アドバネクスは、線ばね、板ばね、フォーミング加工、インサートモールド、深絞り加工など多様な技術を有し、近年ではメキシコ、インドネシア、インド、チェコに進出するなど、グローバルに戦略的投資を進めてまいりました。2026年3月期は、原材料費・人件費等の高騰があったものの、欧米を中心とした医療向け需要の拡大や航空機向け需要の回復、さらに価格改定の効果もあり、前連結会計年度比で増収増益となりました。2027年3月期は、引き続き厳しい経済環境が見込まれますが、赤字拠点の構造改革をさらに進めるとともに、成長市場への積極的な取り組みを継続し、飛躍に向けた着実な歩みを進めてまいります。② 自動車関連市場をコア市場とする成長戦略アドバネクス売上高の過半を占める自動車市場においては、引き続き成長機会を追求し、日系及び欧米系部品メーカーとの取引拡大を目指します。国内では、次世代EV・HEVに加え、CASE(Connected・Autonomous・Sharing・Electric)や快適性といったテーマに対応した最先端かつ高付加価値製品の受注拡大を図ってまいります。海外では、「メガサプライヤー」と呼ばれる大手自動車部品メーカー向けの取り組みを継続するとともに、現地ニーズに対応したローカライズ製品の需要にも積極的に対応してまいります。③ 医療向け事業の拡大戦略医療向け事業は、世界的に高度医療の受益者となる高・中所得層が今後15年間で倍増すると予測されていること、アドバネクスのばね製品を採用した医薬品キットの認可がグローバルで進んでいること、加えてボラティリティーが比較的小さく長期的な成長が見込まれることから、安定的な収益貢献が期待される分野です。医療市場の主な顧客は、「メガファーマ」と呼ばれる世界的な製薬メーカーであり、自動車市場と同様に、アドバネクスのグローバル供給体制は競争優位性を有しています。この強みを最大限に活かし、さらなる事業拡大を図ってまいります。④ 自社製品(規格品)の開発強化と売上拡大製品ラインナップ及び販売網の拡充に努めてまいります。とりわけ主力製品であるコイルスレッドは、航空市場を中心に需要が拡大しており、世界的にも競合が限定的な寡占市場です。この優位性を踏まえアドバネクスグループ全体で、販売戦略・生産戦略・技術戦略を共有し、全体最適化を図ることで競争力と収益性を高めてまいります。また、ボルト・ナットの脱落防止具である「ロックワン」及び「インスタントロック」も、インフラ・住宅設備市場において高い緩み止め効果が認識されつつあることから、本格的な取引拡大に向けて販売活動を一層強化してまいります。2) 財務体質の改善と株主還元利益還元については、連結業績に連動して配当性向30%を引き続き基本方針としております。有利子負債の圧縮を進めるとともに自己資本の充実に努め、財務基盤の強化と株主還元のさらなる充実を図ってまいります。3) 企業統治の強化とグループ最適経営2024年5月23日に公表した「中期経営計画(2025年3月期−2027年3月期)」において、「グローバル連携・団結の強化」「構造改革の実行」「注力市場への経営資源投下」を基本方針に掲げております。自動車及び医療市場、コイルスレッドをはじめとする規格品ビジネスなどアドバネクスのグローバル体制の強みを発揮できる分野において、グループ間の連携を一層強化し、成長市場において中長期的な視点で積極的な投資を実行してまいります。また、不採算拠点の構造改革も着実に進め、収益基盤の改善を図るとともに、引き続きグループ全体の最適化を目指した経営を推進してまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 世界経済の変動アドバネクスグループの主要な事業分野は、自動車、OA機器、医療、精密機器などの民生製品であり、それらに使われる精密金属加工製品をグローバルに供給していることから世界経済の変動の影響をうけます。特に日本、米州、欧州及びアジアなどの世界の主要市場において、予測を超える景気の後退や需要の縮小はアドバネクスグループの経営成績及び財政状態に多大な影響を与えます。中東情勢の悪化に伴う原油価格高騰が世界経済に影響を及ぼすこと、また、様々な地政学リスクも高まっていることから2026年度の世界経済も予断を許さない状況が続く見通しであり、リスク要因と捉えています。 ② 為替レートの変動アドバネクスグループは、グローバル展開が進んでおり、使用する通貨も多岐にわたりますが“地産地消”のビジネスが中心のため、通貨の異なる市場に輸出するケースは少なく、商流における為替レートの変動リスクは比較的低いと言えます。一方、アドバネクスは成長市場の機会を求めて、近年メキシコ、インドネシア、インド、チェコに新工場を開設するため多くの投資を行った結果、資産等における為替レートの変動リスクを抱えております。なお、2026年度は円安からの揺り戻しによる為替差損が発生するリスクを懸念しております。つきましては、海外子会社の事業安定化と現地での資金調達シフトを進めつつ、親会社の投資資産を早期回収することで根本的なリスクヘッジを進めていきます。 ③ 主要国の関税率変更主要国の関税率の変更は、アドバネクスの業績に影響する可能性があります。なお、2025年から始まった米国の関税政策、いわゆる「トランプ関税」については、米国向けの輸出と米国工場の材料輸入において大きな影響を受けました。2027年3月期においても米国関税政策は収益の押し下げ要因となりますが、影響度については業績予想に織り込み済みです。 ④ 原材料の高騰アドバネクスグループは、金属材やプラスチック材などの原材料を材料メーカー及び商社から調達しております。これらの材料メーカー及び商社とは、契約書を締結し安定的な供給に努めていますが、市況の変化による価格の高騰や品不足もしくは事故や災害等により供給が停止するリスクがあります。主要な顧客とは販売価格と原材料価格を連動させる契約を結びリスクの軽減を図っておりますが、一部は交渉が難航しており、売価反映までのタイムラグがあるなどリスクヘッジは完全ではありません。一方、災害等による供給停止については、アドバネクスグループが扱う原材料の殆どが代替可能な一般材であるため、一部を除いて材料メーカーの変更によりリスク回避は可能であります。 ⑤ その他コストの高騰アドバネクスグループは、生産活動のほとんどを電力に依っていますので、円安、インフレ、エネルギーコスト高騰による電力料の高騰は収益圧迫要因となります。また、人件費や運送費の高騰も同様です。アドバネクスの主要市場である自動車やOA機器では従来それらのコストアップ分の価格転嫁はあまり認められていませんでしたが、公正取引委員会からの指導もあり、顧客との個別の交渉は必要であるものの、徐々に価格転嫁は認められるようになりました。 ⑥ 知的財産権の侵害アドバネクスグループは、ねじ穴を補強するタングレス・インサートやボルト・ナットのゆるみ防止具のロックワンなど、アドバネクスが商標など知的財産権を保有する製品を製造・販売しております。それらの製品は優れた品質と供給網により日本国内や米州、欧州市場を中心に多くの業界や顧客に使用されております。一方、一部の新興国ではアドバネクスの商標を不当に使用した類似製品(いわゆる偽物)が流通していることが確認されております。それらはアドバネクスの商機を不当に奪うことのみならず、偽造品の品質不良が、アドバネクスの信用を毀損するリスクとなっております。これに対しアドバネクスグループは顧客への注意喚起及び正規代理店を紹介することによりリスクの軽減を図っております。 ⑦ 製品の品質問題自動車メーカーは設計や製造段階を原因とする自動車製品の不具合が発見された場合、無料でそれを修理する「リコール」を行うことがあります。アドバネクスグループの売上は自動車関連向けが過半を占めており、アドバネクス製品を起因とする不具合が発生した場合に顧客よりその対応にかかるコストを請求される可能性があります。これに対しアドバネクスグループは、IATF16949(自動車産業向けの品質マネジメントシステム)を取得し、適切に運用することや自動品質判定装置を導入することなど“品質問題を起こしえない製造工程”を目指しております。また、顧客との製品の納入仕様について慎重に交渉を行うことでリスクの軽減を図っております。 ⑧ カントリーリスクアドバネクスグループは、グローバル展開が進んでいることから、進出先の地域特有のリスクを抱えております。具体的には経済成長率やインフレ率を無視した最低賃金の引上げやデモ・テロの発生、自然災害や感染症の拡大、関税や法人税率など税制ルールの変更が想定されます。これらに対しアドバネクスグループは、それぞれの海外子会社との情報共有を密にし現地の状況及び現地政府の考えや方針などを分析することで早期に経営判断を下せるように努めております。 ⑨ 災害等地震・台風・水害等の大規模な自然災害や火災・停電等が発生した場合、製造拠点の設備故障や損壊により復旧費用の発生や製品の供給継続に問題が発生するリスクがあります。アドバネクスグループは、それぞれの拠点においてリスクアセスメントを行ったうえBCP(事業継続計画)を策定しており、災害発生時はその計画に基づいて行動することによって早期復旧や損害の極小化を図ってまいります。 ⑩ 訴訟アドバネクスグループは、事業活動において継続的なコンプライアンスの実践に努めております。それにも関わらず、様々な訴訟及び規制当局による法的手続の当事者となる可能性があります。 ⑪ 情報セキュリティアドバネクスグループは、事業活動における情報システムの重要性が高まっており、情報資産の保護や安定的な供給の実現のためセキュリティ対策を講じていますが、想定を超えるサイバー攻撃や不正アクセスなどにより、基幹情報システムの停止や機密情報の流出などの問題が発生する可能性があります。 ⑫ キャッシュ・フローアドバネクスグループは、設備投資などの資金需要が生じた場合には、調達時の金利情勢、外部マクロ環境、アドバネクスの状況などを総合的に勘案し、必要な資金を調達することとしております。このため、金融市場の不安定化が生じた場合などには、資金調達の制約を受け、資金調達コストが増加することにより、アドバネクスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 固定資産の減損アドバネクスグループは、国内に5ヵ所、海外に15ヵ所の生産拠点があり、それぞれにおいて有形固定資産、ソフトウエアなど多くの固定資産を有しております。経営環境の変化等で当初計画していた収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合には、帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上することとなるため、アドバネクスグループの業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 退職給付債務アドバネクスグループは2011年11月1日付で適格退職年金制度から、一部確定拠出年金制度に移行していますが、アドバネクスグループの従業員退職給付費用及び退職給付引当金は、割引率、年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される基礎率や前提条件に基づいて算出され、さらに過去の年金資産の運用成果等が反映されております。割引率及び年金資産の運用成果の悪化は、アドバネクスグループの業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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