日本動物高度医療センター(6039)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 日本動物高度医療センターグループは、日本動物高度医療センター、連結子会社の株式会社キャミック及びテルコム株式会社の3社で構成され、動物医療業界における高度医療を提供することを目的としております。 日本動物高度医療センターグループは、動物を愛する飼い主様の願いに応えるため、民間で初めて完全紹介制による「二次診療」に特化した動物病院を開設いたしました。現在は、かかりつけの動物病院(一次診療施設様)からのご紹介に基づいて、専門獣医師と高度医療機器による「二次診療サービス」、MRI・CT等を活用した「画像診断サービス」、および在宅ケアのための「動物用医療機器・健康管理機器のレンタル・販売」を展開しております。日本動物高度医療センターグループは、小動物二次診療のトップランナーとして、高度医療を実践するとともに、次世代を担う獣医師が最先端医療を学ぶ「教育の場」や、新たな技術・ツールを開発する「臨床研究の場」を提供しております。さらに、国内最多の画像診断や診療データを有する強みを活かし、動物医療の発展と社会への貢献を果たしてまいります。 日本動物高度医療センターグループは、動物医療関連事業の単一セグメントでありますが、当該事業を以下の3つに分類しております。(1) 二次診療サービス(日本動物高度医療センター) 一次診療施設からの紹介を受け、専門分野を持った獣医師が、高度な医療機器を使用して行う、診察、検査、投薬、手術等の診療サービスです。サービスの提供を行った際に飼い主から診療費を受け取っており、一次診療施設様からは紹介料等は受け取っていません。(2) 画像診断サービス(株式会社キャミック) 一次診療施設からの紹介を受け、画像診断の専門知識を有する獣医師が、高度な医療機器を使用して行う、画像の撮影・読影・診断等のサービスです。飼い主様から診断費を受け取っており、一次診療施設様からは紹介料等は受け取っていません。(3) 動物用医療機器・健康管理機器(在宅ケア)のレンタル・販売(テルコム株式会社) 動物の飼い主様に対する酸素ケージ(酸素濃縮器とケージのセット)のレンタル及び一次診療施設様等に対する酸素ケージの販売です。 [事業系統図] [診療の流れ]① 飼い主様がかかりつけの動物病院(一次診療施設様)に相談 ⇒A.飼い主様が二次診療(検査、治療、手術、入院等)を希望する場合② 一次診療施設様から日本動物高度医療センターに症例として紹介。→症状、検査データ等の情報共有を行い、担当の診療科と予約日時を確定③ 予約日時に飼い主様と患者動物が日本動物高度医療センターの診療施設に来院(初診)→検査、投薬、手術、入院等の診療実施(症例により診療の内容は異なります)④ 診療の途中経過及び結果を一次診療施設様にフィードバック⑤ 一次診療施設様で術後のケアや継続治療を実施 ⇒B.飼い主様が画像による診断のみを希望する場合②’一次診療施設様からキャミックに検査依頼、予約日時の確定③’予約日時に飼い主様と患者動物がキャミックの診断施設に来院して画像撮影、読影④’画像診断結果を一次診療施設様にフィードバック⑤’一次診療施設様でその後の治療方針を検討の上、診療を継続 [日本動物高度医療センターグループの事業の特徴](1) 連携病院について 日本動物高度医療センターの理念にご賛同いただいた全国各地の一次診療施設様に「連携病院」としてご登録いただいております。連携病院からは、二次診療を必要とする動物及び飼い主様をご紹介いただき、日本動物高度医療センターにて診療を行うとともに、日本動物高度医療センターから連携病院に対しては、相互連携を深めるため以下のサービスを提供しております。なお、連携病院数は2026年3月31日現在で4,779施設となっております。・日本動物高度医療センターウェブサイトにおける連携病院としての紹介・学術情報等の提供・診療や手術への参加・日本動物高度医療センター施設の利用(有料)(2) 二次診療について 日本動物高度医療センターは、川崎本院(神奈川県川崎市高津区)、東京病院(東京都足立区)、名古屋病院(愛知県名古屋市天白区)、大阪病院(大阪府箕面市)において二次診療を行っております。 日本動物高度医療センターは、総合的な診療の質を高めるために、飼い主様のかかりつけの動物病院(一次診療施設様)との緊密な連携を重視しております。そのため、日本動物高度医療センターの診療は完全紹介制とし、二次診療(高度医療)が必要な症例をご紹介いただき、日本動物高度医療センターにて専門的な診断・治療を行った後、診療後のケアは再び一次診療施設様にお任せすることで、それぞれの強みを活かした最適な医療体制を構築しております。 基本的には担当の専門診療科が複数の獣医師・スタッフからなるチームを編成し、診療にあたっております。 必要な場合は、専門診療科の枠を越え、診療科横断でのチーム診療を行います。これは単科の病院にはない、以下の12の専門診療科を有する総合病院である日本動物高度医療センターの強みを活かしたものであります。<診療科>(提出日現在) 循環器科、呼吸器科、消化器科、泌尿生殖器科、腫瘍科、血液内科、放射線科、画像診断科、脳神経科、整形科、 麻酔科/手術部、集中治療科(3) 画像診断について 株式会社キャミックは、首都圏3拠点(東京都江戸川区、東京都世田谷区、埼玉県さいたま市)において画像診断サービスを展開しております。日本動物高度医療センターと同様に完全紹介制を採用しており、画像診断を必要とする症例についてかかりつけの動物病院(一次診療施設様)からの紹介を受け、MRIやCTによる画像撮影を実施し、専門的な読影所見を付して報告することで、かかりつけの動物病院の診療をサポートする役割を担っております。(4) 動物用医療機器・健康管理機器(在宅ケア)のレンタル・販売について テルコム株式会社は、全国の3営業所(神奈川県横浜市港北区、大阪府大阪市福島区、福岡県福岡市博多区)において、動物用医療機器・健康管理機器(在宅ケア)のレンタル・販売を行っております。 レンタルは動物の飼い主様向けに行っておりますが、これは主に一次診療施設様からの紹介によるものです。また、販売は主に一次診療施設様向けに行っております。 上記レンタル及び販売は、営業所が顧客に対して直接行う場合と、代理店を通じて行う場合があります。 (5) その他のサービスについて 日本最大の日々蓄積される画像診断・治療データを活用したサービスを検討しており、一次診療施設様の支援として症例や治療方法・治療成績等の有益情報の提供やデジタル技術・AIを活用した診断支援サービスを、大学・製薬会社等向けとして匿名化データ提供や分析サービス、人材交流・技術交流等を行うなどのデータ活用戦略を模索してまいります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 日本動物高度医療センターグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本動物高度医療センターグループが判断したものであります。 (1) 経営方針 日本動物高度医療センターグループは、「かかりつけの動物病院と連携し、より高度な医療・寄り添う心で、どうぶつを愛する家族の希望となる。」を企業ミッションとして掲げております。「動物にも人間と同じような高度な医療を受けさせてあげたい。」という飼い主様のニーズに応えるべく、人と変わらぬ最先端の医療設備や治療技術を追求するとともに、スタッフ一人ひとりが誠心誠意、心まで尽くすことを忘れず、飼い主様の不安や期待に寄り添いながら動物医療に向き合っております。 (2) 経営戦略等 日本動物高度医療センターグループは、「前例なき挑戦」の精神のもと、動物と飼い主様の心に寄り添うホスピタリティを追求し、小動物二次診療のトップランナーとして動物医療に真摯に取り組んでまいりました。今後も、事業の持続的成長、企業価値の向上を図るため、以下の具体的な課題に取り組んでまいります。① 診療エリアの拡充(地理的拡大) 各エリアで高度な診療を必要とされる飼い主様や一次診療施設様の期待にお応えするため、計画的な拠点拡大を進めております。2027年秋以降のリニューアルを予定する名古屋病院の建設プロジェクトを着実に進める(現在詳細設計の最終段階)ほか、空白エリアであった九州・福岡エリアでも2026年3月に事業用地の取得を完了しており、建設業界の需給ひっ迫や資材確保難の影響を精査しつつ、具体化を進める予定です。② 診療体制の強化と診療品質の向上 二次診療のトップランナーとして、高度なスキルを有する獣医師・動物看護師の採用と育成、先進的なデジタル化の推進により、より多くの症例受入れが可能な体制構築と診療品質のさらなる向上に取り組んでまいります。・2025年10月に刷新した人事制度の効果的な運用と、業界トップクラスである日本動物高度医療センター処遇の一層の充実。・日本動物高度医療センター独自の育成システムの強化。・AIを実装した次世代型電子カルテ(※1)の構築、診療プロセス最適化の推進。・最新医療機器への継続投資。③ グループ能力の結集 日本動物高度医療センターグループは、画像診断のキャミック、二次診療の日本動物高度医療センター、在宅ケアのテルコムで構成されており、各分野のトップランナーとして共通のお客様基盤を有している強みがあります。これを最大限に活かすため、これまで個社別にとどまっていた事業活動から協業へとシフトし、グループでの成長の追求とJARMeC(ジャーメック)ブランドの浸透、一次診療施設様との関係強化を図ります。・統合CRM(顧客関係管理)システムの構築(※2)、グループ各社の基幹システム統合(※3)。・グループ共同でのプロモーションやセミナー実施によるブランド戦略の推進。・テルコム社を「株式会社JARMeC ケアテック」(ジャーメック ケアテック)に社名変更(2026年10月予定。JARMeC(ジャーメック)は日本動物高度医療センターの通称で、Japan Animal Referral Medical Centerの略)。④ DX・データ活用(動物医療プラットフォーム構想の実現) 日本動物高度医療センターグループ各社には、日々、画像診断、二次診療の症例が蓄積され、日本トップクラスの高度医療に関するデータを保有しています。この優位性を生かし、データ活用による一次病院施設様への支援強化、症例情報提供、新たなサービス創出等を通じて動物医療への貢献と日本動物高度医療センター企業価値の向上を図ってまいります。・次世代電子カルテ(※1)によるデータの高度利用基盤の整備・構築。・フィジカルAIやペットテック、病院ファシリティDX(※4)など先進技術の研究と利活用。・動物医療インテリジェンスプラットフォーム構想の中期的な実現。(リアルワールドデータ活用、症例情報提供や診断支援、大学・製薬会社様への匿名データ提供や技術交流等)。※1)次世代型電子カルテ:AI自動入力やITによるリソース管理等により、診療効率向上、受け入れ能力拡大、膨大な診療データの分析・高度利活用の実現を目的として構築中の基幹システム。2026年秋から一部稼働、2027年夏に本格稼働を予定。※2)グループ統合CRMシステム:グループ共通のお客様である一次診療施設様との関係を可視化・分析するシステム。2026年夏から一部稼働予定。※3)基幹システム統合:グループ各社の基幹システムも再構築中であり、日本動物高度医療センターの次世代型電子カルテ・CRMシステムとの統合を順次実施する予定。※4)病院ファシリティDX:病院における物理的な設備・空間(ファシリティ)にIoTやAIなどのデジタル技術を導入することで、患者の待ち時間の短縮、診療品質の向上、医療スタッフの負担軽減を図る取り組み。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 日本動物高度医療センターグループは、売上高の成長、各利益率の向上を伴った各段階利益の業績予想値を経営上の目標としております。その達成状況の検証のため、二次診療及び画像診断については初診数、総診療数、手術数、連携病院数、獣医師数等を、在宅ケアにおいては、新規レンタル件数を定期的にモニタリングしております。 (4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等 日本動物高度医療センターグループを取り巻く事業環境は、ペットの家族化や長寿化、医療技術の高度化を背景に、より専門的かつ高度な二次診療に対するニーズが一層高まっております。この旺盛な需要に応え、持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、先に掲げた経営戦略を着実に実行していくことが不可欠です。そのために以下の課題に優先的かつ戦略的に取り組んでまいります。① 一次診療施設様等との関係強化 日本動物高度医療センターグループは、一次診療施設様からのご紹介を基盤として成り立っております。継続的な事業成長のためには、紹介元の一次診療施設様との信頼関係をより一層深化させ、緊密な連携体制を構築・維持することが極めて重要です。診療情報のスムーズな共有、迅速かつ丁寧なフィードバック、症例や最新の治療方法の情報共有、治療実績等の提供などを通じて、相互理解を深め、一次診療施設様への診療支援と円滑な動物医療連携の実現を目指してまいります。また、大学との関係においても、共同研究や学術交流を推進することで、新たな治療法の開発に貢献し、動物医療全体の発展に寄与してまいります。② 専門人材の拡充と育成 高度な二次診療を提供し続けるためには、専門的な知識・技術を有する獣医師、動物看護師等の確保と育成が不可欠です。知名度の向上により獣医師の新卒採用は順調に進んでおりますが、専門性の高い人材の採用競争は激化しており、計画的な人材獲得と定着、継続的なスキルアップ支援が喫緊の課題となっております。また、質の高い医療サービスは、従業員一人ひとりの意欲と能力が最大限に発揮されてこそ提供できるものです。従業員が心身ともに健康で、やりがいを持って業務に取り組める環境を整備し、従業員満足度(ES)を向上させることが、医療の質の維持・向上、ひいては顧客満足度(CS)の向上にも繋がると認識しております。以上を踏まえ、魅力ある職場環境の整備、教育研修制度の充実、キャリアパスの明確化といった取り組みに加え、トップランナーとしての人事制度の抜本的改正、労働環境の向上、コミュニケーションの活性化等を図ることで、優秀な人材の確保・育成とともに従業員エンゲージメントの強化に努めてまいります。③ グループ戦略の強化 日本動物高度医療センターグループは、画像診断(株式会社キャミック)、二次診療(日本動物高度医療センター)、在宅ケア(テルコム株式会社)の各分野においてトップシェアを有する専門性の高いサービスを提供しております。また、グループ3社が共通の顧客基盤(一次診療施設様等)を有し、全社が紹介制を取ることで、かかりつけ医と競合しないパートナーシップを確立しております。これらの強みを最大限に活かすため、IT基盤の統合やサービス間のシームレスな連携を含む包括的なグループ戦略を展開いたします。グループ一体となって一次診療施設様や飼い主様をサポートする体制を構築し、日本動物高度医療センターグループならではの包括的なサービスの認知度向上と利用促進を図ることで、グループ全体のブランド価値向上と顧客基盤の拡大を目指してまいります。④ 内部管理体制の強化 事業規模の拡大及び事業領域の多様化に伴い、グループ全体のガバナンス体制及び内部統制システムの重要性が一層増しております。法令遵守はもとより、企業倫理の浸透、リスク管理体制の高度化、業務プロセスの標準化・効率化を進め、経営の透明性と健全性を確保するとともに、内部監査機能の強化や規程類の整備、従業員教育の徹底等を通じて、グループ全体の内部管理体制を強化してまいります。⑤ デジタルの徹底活用と情報セキュリティ強化 日本動物高度医療センターグループの持続的成長には、デジタルの徹底活用とそれを支える強固な情報セキュリティ体制の両輪が不可欠です。デジタル活用においては、AIを活用した次世代型電子カルテをはじめとするグループ統合基幹システム、及びグループ統合CRM基盤の構築を推進いたします。この基盤上で展開する一次診療施設様との情報連携・やり取りのデジタル化を徹底いたします。さらに、診療品質の向上や将来の拠点拡大において威力を発揮する病院ファシリティDX、ペットテック等の先端技術活用にも積極的に取り組んでまいります。一方で、これらのDX推進やデータ活用を安全に進めるため、飼い主様の個人情報や動物たちの診療情報、及び日本動物高度医療センターグループの機密情報を保護する情報セキュリティ体制の強化は最重要課題の一つです。サイバー攻撃の脅威が増大する中、セキュリティポリシーの徹底、従業員への教育・啓発、最新セキュリティ技術の導入、インシデント対応体制の整備等を進め、情報漏洩リスクの低減とセキュリティレベルの継続的な向上を図ってまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、日本動物高度医療センターグループとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項及び具現化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で、あるいは日本動物高度医療センターグループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する情報開示の観点から、積極的に記載しております。 なお、文中における将来に関する事項は、別段の表示がない限り、本書提出日現在において日本動物高度医療センターグループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に由来するリスク① 事業環境の変化について 日本動物高度医療センターグループは、動物医療関連事業を主たる事業領域としていることから、飼育動物の頭数の影響を大きく受けると考えられます。飼育動物の頭数は、人口動態、景気動向等の影響を受けると考えられ、一部の調査におきましては近年横ばいないしは微減傾向にあります。一方で動物の平均寿命は伸びてきており、高齢化による疾病が多様化していること、ペット保険の加入率が増加傾向にあること、動物1頭あたりにかける飼育費(診療費を含む)が増加傾向にあること等から、日本動物高度医療センターグループが手掛ける「動物の高度医療」に対するニーズはむしろ高まっていると認識しております。しかし上記の事業環境が悪化した場合には、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競合について 日本動物高度医療センターグループが主たる事業領域としている動物医療業界におきましては、動物病院の数は増加傾向にあります。その大部分は地域に密着した病院(一次診療施設)であり、日本動物高度医療センターグループのような一次診療施設から紹介を受ける診療施設(二次診療施設)は、人的資源及び多額の資金を必要とすることから比較的参入障壁が高いものと認識しております。一方で、近年は高度医療機器の導入や専門獣医師の確保を進める二次診療施設も散見されるようになっており、一部の地域では競争環境に変化が見られます。 日本動物高度医療センターグループは多くの専門診療科を有するいわゆる総合診療施設を志向しており、複数の専門診療科の連携によって患者動物に最適な診療サービスを提供することで、他の二次診療施設との差別化を図っております。 しかしながら、今後日本動物高度医療センターグループが十分な差別化やサービス向上を図れなかった場合や、新規参入等により競争が激化し、診療数の減少が進んだ場合等には、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業内容に由来するリスク① 人材の確保及び育成について 日本動物高度医療センターグループにおいて専門性の高い獣医師をはじめとする優秀な人材の確保、育成及び定着は今後の業容拡大のための重要課題であります。これまで、人事諸制度の改正や給与・賞与水準の向上、退職金制度の創設などの待遇改善に努めてまいりました。また、新入社員及び中途入社社員に対する研修や、リーダー層となる中堅社員への幹部教育を通じ、将来を担う優秀な人材の育成に努め、社内研修・カンファレンス、症例報告会、学会発表の指導等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。 しかしながら必要とする人材を採用できない場合、また採用、育成した役職員が日本動物高度医療センターの事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外に流出した場合には、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 診療サービスの過誤について 日本動物高度医療センターグループは、提供する動物医療サービスの品質管理に細心の注意を払っておりますが、提供するサービスに過誤が生じるリスクがあります。その場合、日本動物高度医療センターグループは、サービスの過誤が原因で生じた損失に対する責任を追及される可能性があります。さらに、サービスに過誤が生じたことにより社会的評価が低下した場合は、日本動物高度医療センターグループのサービスに対するニーズが低下する可能性があります。これらの場合、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 施設の展開及び設備投資について 日本動物高度医療センターグループは日本の各地に積極的に施設(病院等)の展開を推進していく予定です。日本動物高度医療センターグループがサービスを提供していなかった地域に新たに施設を開設した場合、通常、顧客は徐々に増加してまいりますが、開設する地域によっては損益分岐点を上回るまでには相応の時間を要するため、開設からある程度の期間は赤字を計上する可能性があります。 また、近年は建設資材価格や人件費の上昇等を背景として建設費が高騰しているほか、建設業界における人手不足等により工事期間が長期化する傾向にあります。このため、新規施設の開設に係る投資額が当初計画を上回る場合や、施設の開設時期が遅延する場合があります。 さらに、既存施設においても、今後の顧客増加に備えるため、あるいは医療サービスの品質の向上を図るため、継続的な医療機器等の設備投資が必要であると認識しています。しかしながら、近年は医療機器の価格上昇や為替変動等の影響により、設備投資額が増加する可能性があります。 施設の新設や設備投資を行ったものの、顧客数、症例数が想定を下回った場合には、稼働率が低下することになり、減価償却費等の費用の増加を吸収できず、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的規制及び知的財産等に関するリスクについて① 法的リスク 日本動物高度医療センターグループの動物医療関連事業につきましては、「獣医師法」、「獣医療法」、その他法令により規制を受けておりますが、今後、それらの法令の改廃または新たな規制が設けられる場合には、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点においては、行政処分に該当する事象は発生していないものと認識しております。イ.獣医師法 獣医師法では、獣医師の任務、免許の取得、免許の取消・業務の停止、義務等について定められており、同法の規制の動向によっては日本動物高度医療センターグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ロ.獣医療法 獣医療法は、飼育動物の診療施設の開設及び管理に関し必要な事項並びに獣医療を提供する体制の整備のために必要な事項を定めること等により、適切な獣医療の確保を図ることを目的とした法律であり、診療施設の構造設備の基準、診療施設の管理、獣医療を提供する体制の整備のための基本方針等について定められており、同法の規制の動向によっては日本動物高度医療センターグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ハ.その他法令、及び法令改正対応 前記獣医師法・獣医療法を始め日本動物高度医療センターグループが運営する事業に関係する法令改正については、管理本部法務課を中心に情報収集を行っており、各部署において必要に応じた対応を行っています。 特に農林水産省より「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針」(第四次の基本方針/2020年5月27日付)が公表され、日本動物高度医療センターグループの主な事業分野である小動物分野における獣医療に関して、「獣医師の養成と獣医療技術に関する研修体制の体系的な整備」、「小動物診療におけるチーム獣医療提供体制の充実」、「小動物分野の獣医療に対する監視指導体制の整備及び獣医療に関する相談窓口の明確化」等を図ることとされております。 当基本方針に沿うものとして2022年5月に施行された「愛玩動物看護師法」は、今後ますます重要性が増していくことが想定される愛玩動物を対象とした動物看護師の資質向上・業務の適正を図ることを目的に、愛玩動物看護師の国家資格化を定める法律であります。日本動物高度医療センターグループが実践している獣医師と動物看護師の役割分担と連携を通じた「チーム診療」の提供の体制を充実させるため、取組を推進してまいります。 また、日本動物高度医療センターグループでは、子会社であるテルコム株式会社を通じて、動物医療に関連する医療機器等の販売及びレンタル事業を行っております。当該事業においては、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)その他関連法令の適用を受けており、これらの法令に基づく許認可の取得・維持や品質管理、安全管理等が求められます。 日本動物高度医療センターグループでは、関係法令を遵守するための体制整備に努めておりますが、法令改正や規制強化に適切に対応できなかった場合、許認可の取消しや行政処分、追加的な対応費用の発生等により、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報管理に関するリスク 顧客や取引先の個人情報や機密情報を保護することは、企業としての信頼の根幹をなすものと認識しております。日本動物高度医療センターグループでは、社内管理体制を整備し、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育等、情報の保護について様々な対策を推進しておりますが、万一、情報の漏洩が起きた場合、日本動物高度医療センターグループの信用は低下し、顧客等に対する賠償責任が発生するなど、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 知的財産等に関するリスク 日本動物高度医療センターグループは、日本動物高度医療センターグループが運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないように取組んでおります。日本動物高度医療センターグループは、本書提出日現在において、第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたり、またそのような通知を受けておりません。しかしながら、今後当該事業分野において第三者の権利が成立した場合または認識していない権利が既に成立している場合は、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性並びに使用料等の対価の支払が発生する可能性があります。また、日本動物高度医療センターグループが使用する商標権が、第三者より侵害された場合には日本動物高度医療センターグループのブランドイメージが低下する可能性があるほか、解決までに多くの時間と費用を要する可能性があります。それらの場合には、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他のリスク① 自然災害・火災・事故への対応について 地震、風水害等の自然災害により、日本動物高度医療センターの社員とその家族、病院、事務所、設備等に被害が発生した場合には、日本動物高度医療センターグループの財政状態及び業績等が悪影響を受ける可能性があります。また、日本動物高度医療センターグループは安全を第一とし、労使間において安全衛生委員会を設けて、安全対策の推進、安全教育の実施等を行っておりますが、万一、重大な労働災害、事故等が発生した場合には、日本動物高度医療センターグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 有利子負債依存度について 日本動物高度医療センターグループは、設備投資費用や運転資金に必要な資金を主に金融機関からの借入で調達しており、有利子負債が5,163,631千円(2026年3月末現在)、有利子負債依存度が45.6%と高い状況にあります。現状は借り換えも含め順調に調達ができておりますが、今後、金利水準が上昇した場合や計画どおりに資金調達ができなかった場合には、日本動物高度医療センターの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③ 配当政策について 日本動物高度医療センターグループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けております。今後の利益還元につきましては、配当については成長投資とのバランスをとりつつ、連結配当性向20%以上かつ株主への利益還元の安定的拡大を基本方針としておりますが、通期業績、財政状態及びその他の状況の変化によっては、利益還元に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 財務制限条項について 日本動物高度医療センターが複数の金融機関との間で締結している借入にかかわる契約の一部には、財務制限条項が定められております。今後、日本動物高度医療センターの経営成績が著しく悪化するなどして財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入についての期限の利益を喪失し、一括返済を求められるなどして、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。 なお、財務制限条項の詳細は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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