エラン(6099)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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3【事業の内容】

 以下の記載は、当連結会計年度末現在においてエラングループで営まれている主な事業の内容に関する事項であります。

 エランは病院に入院される方や、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、ケアハウス等の介護施設(以下「介護老人保健施設等」という)に入所される方たちに対して、衣類、タオル類の洗濯サービス付きレンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービス「CS(ケア・サポート)セット」(以下、CSセットという)を主として展開しております。

 CSセットの内容をより具体的に述べると、入院中や入所中に実際に利用する方(以下「利用者」という)が衣類・タオル類や日常生活用品を用意する代わりに、エラングループが衣類・タオル類の貸与と日常生活用品の販売を組み合わせ、CSセットのサービス名で提供するサービスです。これにより、入院・入所中に必要な衣類・タオル類の洗濯・交換や日常生活用品の補充の手間・心配を本人またはその家族から省くことができ、利用者は「手ぶらで入院・入所し、手ぶらで退院・退所する」ことが可能となります。利用料金について、「何」を「どれだけ」使用したかではなく、入院・入所日数で計算することも大きな特徴です。日額制の採用により、衣類・タオル類の洗濯・交換の頻度や日常生活用品の使用量を気にすることなく安心して入院・入所生活を送ることが可能となります。また、入院・入所での生活にかかる経費が計算しやすいことも利用者にとってのメリットの一つと考えております。

 利用者は、入院・入所にあたって、エラングループと契約を締結しますが、CSセットのオペレーションの一部は、病院・介護老人保健施設等並びにリネンサプライ業者(衣類やタオル類、シーツや枕カバー等のリネン製品を供給する事業者)及び日常生活用品等販売業者等(以下「リネンサプライ業者等」という)によって行われます。

 エラングループは、CSセットの導入時には、構成品目などのプラン設計、病院・介護老人保健施設等に対する運営面の支援、リネンサプライ業者等への寝巻き等の納入手配を行い、導入後は利用者からの利用料金の回収や問い合わせ対応等を行います。

 病院・介護老人保健施設等は、CSセットの構成品目の保管場所を用意するとともに、利用者に対してCSセットの説明、申込みの受付、寝巻き等の貸与・回収、日常生活用品等の配布を行います。当該業務の対価としてエラングループは病院・介護老人保健施設等に業務委託手数料を支払います。

 リネンサプライ業者等は、病院・介護老人保健施設等が指定した所定の場所に洗濯済みの寝巻き等・日常生活用品等を納入するとともに、使用後の寝巻き等を回収し洗濯を行います。当該業務の対価としてエラングループはリネンサプライ業者等に洗濯代金等を支払います。

 

 事業系統図は、以下のとおりであります。

 

 

 

 

(エラン元請け・業者元請けについて)

 CSセットの商流は、病院・介護老人保健施設等及びリネンサプライ業者等との契約形態の違いから2つの取引形態に大別されます。

① 病院・介護老人保健施設等とエラングループが直接契約を行う形態(エラン元請け)

② 病院・介護老人保健施設等との契約先は、リネンサプライ業者等となり、エラングループは病院・介護老人保健施設等と直接の契約関係とならない形態(業者元請け)

 なお、この取引形態の違いは、病院・介護老人保健施設等への接触経緯等によるものであり、CSセット運営にあたっての各々の関係者の役割に違いはありません。

 

 この事業は、CSセットの利用者とその家族だけでなく、病院・介護老人保健施設等、リネンサプライ業者等にもメリットを提供することができると考えており、エラングループが中心となってWin-Winの関係を構築できるという特徴があります。

 

① 病院・介護老人保健施設等にとってのメリット

 病院・介護老人保健施設等が自ら、保険適用外のサービスに関して患者・入所者に利用料金を請求する場合、厚生労働省からの行政指導に従った厳格な対応が必要とされております。エラングループは、前述の行政指導に適合した形態で本サービスを提供します。本サービスを採用することにより、看護師・介護士等にとっても現場での洗濯や日常生活用品の補充等に関する作業負担が軽減されることになります。加えて、エラングループは、病院・介護老人保健施設等に対して本サービスの患者・入所者への説明・受付業務や物品保管業務を委託し、その対価として業務委託手数料を支払いますので、病院・介護老人保健施設等の収益にも貢献します。

 

② リネンサプライ業者等のメリット

 リネンサプライ業者等は、病院・介護老人保健施設等と契約し、医療保険・介護保険の対象となる寝具類(布団、包布、シーツ、枕、枕カバー)の納入、洗濯業務を受託しています。エランが本サービスを行うことによりリネンサプライ業者等はこれまで実施していなかったCSセットに含まれる日常生活のため用いるタオル類、衣類のリース、洗濯業務や日常生活用品の販売という新たな収益機会を得ることが可能となります。

 


有価証券報告書(2023年12月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在においてエラングループが判断したものであります。

(1)経営方針

 エラングループは、「私達は、お客様に満足していただける最高の商品とサービスを追求し、情熱を持った行動を通じて、心豊かな生活環境の実現に貢献します。」を経営理念として、エラングループの主力商品である「CSセット」の提供を中心に事業活動を行っております。お客様のニーズに合った商品及びサービスの提供を行うことにより、競争力を一層強化するとともに、株主の皆様、従業員なども含めたステークホルダーの期待に応えることにより、企業価値の最大化を図ることを基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

 エラングループは、経営理念に掲げる「心豊かな生活環境の実現」に向けて、介護医療関連事業(CSセット)を展開しておりますが、今後は、将来的な行政施策の変更や法改正、または新規参入業者の出現といった諸々の事業リスクにも適宜・適切に対応していくことが必要不可欠と考えております。

 中長期的な経営戦略としては、当面はCSセットの全国シェア拡大に注力してまいります。CSセットの利用者や病院その他関係者が求めるサービスとなるよう改善を継続し、一人でも多くの方にCSセットをご利用頂けるよう営業展開をいたします。また、新たな付加価値の開発も重要な課題です。CSセット利用者の個人情報や病院その他関係者との強固な関係を用いた新規ビジネスへの参入を事業提携・M&Aを含めて推進していきます。また、事業規模の拡大、売上高の増加に伴い、人件費等の費用面が増加しておりますが、システム化を含めた生産性の向上にも取り組んでまいります。

 さらに、インドや東南アジア諸国等、著しい経済成長を遂げている新興国における事業展開についても積極的に検討してまいります。

 

(3)経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う各種行動制限が解除され、経済・社会活動が正常化に向けて回復基調で進んだことで景気の緩やかな回復が見られました。その一方で、長期化するウクライナ情勢をはじめとする不安定な世界情勢や円安の進行による、資源・エネルギー価格の高騰を起因とする物価上昇などもあり、依然として、景気の先行き不安感が継続しております。

 エラングループが属する医療・介護業界につきましては、2024年1月1日現在、65歳以上人口が3,620万人、総人口の29.2%(総務省統計局人口推計-2024年1月報-)を占めるなど高齢化が確実に進行しており、エラングループに係るサービスの市場規模はますます拡大するものと思われます。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 エラングループの主力事業であるCSセットは、「衣類、タオル類の洗濯サービス付きレンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービス」であり、お客様の「困った」を解決し、「笑顔」を届けるサービスです。

 エラングループを取り巻く今後の経営環境につきましては、老齢人口の増大に伴い、医療・介護業界の市場規模全体の伸び率が継続的に拡大する方向で推移することが予想されるものの、決して楽観できる状況とは考えておりません。今後の行政施策の変更や法改正がエラングループ事業に多大な影響を及ぼす可能性、またエラングループの業態に類似した新規参入業者の出現など外部環境の変化により、競争が激化することも考えられます。

 エラングループといたしましては、そのような外部環境の変化の中にあっても、さらなる事業規模の拡大を推進し、中長期的に企業価値を向上させるべく、第6次中期経営計画において、以下の点に注力していくこととしております。

 

① 全国的な営業網整備と事業継続対応

 エラングループは、2023年11月に釧路営業所を開設いたしました。釧路営業所の開設により、北海道道東エリアにおいて、地域に密着したより細やかで迅速なサービスを提供することができるようになりました。

 エラングループは、過年度からの計画的な拠点開設及び大規模支店の二分割化の結果、2023年12月末時点で全国28ヶ所の本支店網となり、これらの本支店から全国の病院及び介護老人保健施設等に対して、CSセットの営業活動を進めております。今後も新たな支店又は営業所を開設し、営業拠点から施設までの距離を短縮し、迅速かつ細やかなサービスを提供するための体制を整備してまいります。

 さらに、世界規模で進行する気候変動の影響により、台風や豪雨、豪雪による災害が増えることが予想されます。我が国では、火山列島特有の大規模地震災害のリスクも懸念されます。また、新しい感染症の流行にも備える必要があります。これらの災害リスクやパンデミックによる社会経済活動の事業停滞リスクは、エラングループにとっても重要な事業リスクであります。エラングループは、平時の段階から、情報システム強化、バックオフィス業務の地域分散化及び早期復旧体制の構築等を進めております。また、エランは、自社物流機能の強化及び在庫の備蓄の充実を図るために、2023年10月に物流子会社である株式会社エラン・ロジスティクスを設立しました。

 事業リスクが顕在化しても安定的に事業継続を図ることができるよう、今後も、グループ一体となって体制を整備してまいります。

 

② 物価高騰に伴う価格転嫁及びシステム化の促進による収益性の改善

 CSセットは、サービス提供を行う施設ごとに各種の仕様決定を行うオーダーメイドタイプのサービスです。そして、CSセットに対するニーズの多様化に伴い、施設に常駐の受付スタッフを配置することや、日常生活用品の納品業務を外部委託すること等が求められるようになりました。このようなニーズの多様化に伴うコストの増加並びに近年の人件費の上昇及び物価高騰に伴う仕入価格の上昇により、売上原価率が押し上げられる傾向にあります。さらに、CSセット利用者数の増大に伴うバックオフィス業務量の増加及び近年の人件費の上昇により、売上高販管費率が押し上げられる傾向にあります。

 このような状況下において、エラングループの中長期的な企業価値の向上のためには、エランオリジナル患者衣「lifte」や環境に配慮した日用生活用品を提供する等、エランサービスの付加価値を高めながら利用者価格への適正な価格転嫁を推進すること及びシステム化の促進による生産性向上を図ることが必要不可欠であると認識しております。利用者価格への適正な価格転嫁を実施するために、利用者、契約者及び施設関係者に対する丁寧な説明を継続し、利用者価格の値上げに対する理解醸成に努めてまいります。また、システム化の促進を継続し、各種オペレーションの生産性を向上させるとともに、医療機関のデジタル化を促進する電子カルテ事業を本格展開していくなど、情報技術を活用した新たなビジネス展開の可能性を探ってまいります。

 

③ 顧客満足度の向上

 エラングループのお客様は、病院の入院患者や介護老人保健施設等の入所者である個人です。このため、エラングループとしては、当該個人の顧客満足度を高めることが重要な課題であると認識しております。

 例えば、エラングループでは、定期的にお客様アンケートを実施し、顧客満足度を調査するとともに、顧客満足度を高めるために、顧客対応業務を行っている株式会社エランサービスにおいて、クレジットカード決済等の支払方法の多様化や外国人からの問い合わせに対応した電話対応の多言語化等を実施しております。また、コンタクトセンターの営業時間を拡大するなど、顧客満足度の向上に積極的に取り組んでおります。

 エラングループは、引き続き、お客様であるCSセット利用者の顧客満足度の向上に向けた取り組みを推進してまいります。

 

④ 新事業開発

 エラングループの主力事業であるCSセットは、お客様の「困った」を解決し、「笑顔」を届けるサービスであり、継続的に品質の向上に努めてまいりました。

 今後は、さらにお客様へ「笑顔」を届けるべく、エランのオリジナル患者衣「lifte」の普及拡大、在宅セットやエランHOTLINE TVを使った新サービスの展開等、付加価値のさらなる向上を図ります。また、お客様の生涯を通して必要なサービスを展開するプラットフォームの開発等、新たな事業領域の創出にも注力いたします。

 

⑤ 海外展開

 エラングループは、これまで、インドのランドリーサービス企業などへの出資を通じて、海外展開の可能性を検討してまいりました。そして、インドに次ぐ二ヵ国目の海外投資として、2024年1月に大手病院向けランドリーサービス事業を行うベトナム企業の子会社化を決定しております。ベトナムは、今後も人口増加及び経済成長が見込まれるとともに、将来的には、平均寿命及び平均年齢の上昇に伴う高齢化が見込まれております。さらに、ベトナムでは、医療機関数及び病床数の増加に加え、医療関連サービスの需要がより一層高まることが予想されます。エラングループは、これらの海外投資を通じて、グローバル展開に向けた取組みを強化し、海外においてもエランの主力サービスである「CSセット」の普及拡大を目指してまいります。

 

⑥ 人材の育成とグローバル人材の登用

 エラングループは、従業員の成長なくして企業の成長はなく、エラングループが永続的に成長するためには、従業員の教育、育成による従業員の成長が必要不可欠な重要な課題であると認識しております。先輩従業員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)に加え、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムとしてのメンター制度の確立や中堅・幹部従業員向けの各種研修を行っております。

 また、今後は、グローバルに活躍できる社員の育成及び登用が重要と考えております。グローバル人材の積極採用を開始するとともに、計画的にグローバル人材の育成を行い、海外展開を担う次世代リーダーへの登用、多様な人材が活躍できる組織づくりに注力してまいります。

 

⑦ SDGs・ESGへの対応

 エランは、「私達は、お客様に満足していただける最高の商品とサービスを追求し、情熱を持った行動を通じて、心豊かな生活環境の実現に貢献します。」との経営理念のもと、事業活動を通じて社会に貢献することにより、持続可能な社会の実現を目指しております。サステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置づけ、事業を通じた「社会課題の解決」及び「企業と人の成長」の両立を実現するため、2023年3月に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。同委員会を中心にして、SDGs・ESGに係る諸施策を実施してまいります。

 環境面では、エラングループが提供するCSセットの普及拡大を通じて、ご家庭の電気や水の消費量を抑制するなどの環境負荷の低減に貢献します。また、CSセットで提供される商品を環境に優しい日用生活用品に切り替えるなど、環境配慮型の商品構成を検討します。さらに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、気候変動がエランに与える影響などに関して積極的な情報開示に努めてまいります。

 社会面では、少子高齢化の進展や単身世帯の増加という社会課題に貢献するCSセットをさらに普及拡大させるとともに、従業員の雇用拡大と成長促進、公的団体を通じた寄付などによる医療・福祉への貢献、障がい者の積極的な採用と継続的な雇用維持、スポーツ・文化振興を通じた地域貢献などに取り組みます。なお、エランは、障がい者雇用の促進と安定を図るため、2023年1月に株式会社エランクルールを設立し、同社が2023年8月に「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく「特例子会社」の認定を受けました。当該認定の取得後は、障がいのある方が多種多様な業務において十分に能力を発揮して働くことができる雇用機会の創出を進めております。

 ガバナンス面では、エラングループの取締役会及び経営会議の実効性を高めるとともに、エラングループが事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、環境・社会・経済の各側面から地域社会とともに持続的な発展を実現するサステナビリティ経営を推進してまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 エラングループは、売上高営業利益率及び営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。売上高の増大を図りながら徹底したコスト管理を行い、付加価値の高い商品及びサービスを提供していくとともに、売上債権を確実に回収する体制を構築・維持し、売上高営業利益率の向上及び営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めてまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在においてエラングループが判断したものであります。

 また、以下の記載は、投資判断に影響を及ぼすすべてのリスクを網羅するものではないことにご留意ください。

 

(1) 他社との競合について

 エラングループが行う介護医療関連事業については、エラングループの株式上場及び業容の拡大等により、サービスとしての認知度が増したことにより、入院セットに対するニーズの高まりとともに、エラングループ同様に入院セットを主たる事業とする他業者のほか、その他病院・介護関連の事業者などもエラングループ同様のサービスを提供することにより、市場が活性化しつつあるものと認識しております。

 エラングループは、引き続きCSセットサービス利用者に対する質の向上と、リネンサプライ業者及び日常生活用品等販売業者等との良好な関係を維持・向上することに努めてまいりますが、エラングループに比べ、資本力、知名度、顧客基盤に優れる会社が新規参入する等他社との競合状況が激化した場合には、既存顧客の喪失や収益力の低下等により、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 商品の安全性について

 エラングループでは、CSセットの利用者に対し、寝巻き、タオル等のレンタルや紙おむつや身の回り品の販売を行っております。リネンサプライ業者については、医療関連サービスマーク(注)取得の有無や洗濯工程における衛生面の確認など安全性には十分な配慮をしておりますが、何らかの理由により提供したこれら物品に重大な問題が発生した場合は、エラングループへの損害賠償請求やエラングループに対する信用の失墜等により、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(注)「一般財団法人医療関連サービス振興会」が、良質な医療関連サービスに対して認定を行っているものです。

 

(3) 特定の取引先との取引について

 タオル類・衣類等の洗濯物やその他消耗品としてCSセットサービスにより提供する物資についてはリネンサプライ業者等から洗濯業務の提供と商品の供給を受けております。CSセットサービスの展開は、既にその病院・介護老人保健施設等において寝具などのリース、洗濯業務を行っている既存のリネンサプライ業者等と提携することを基本としている為、市場シェアの高いリネンサプライ業者等との取引割合が高くなる傾向にあります。これらリネンサプライ業者等とは相互協力関係にあり、良好な関係の維持に努めておりますが、リネンサプライ業者等の事業方針やエラングループとの関係等に変化が生じた場合は、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、エラングループはCSセットサービスにより提供する消耗品(日常生活用品)の配送、納品作業、在庫管理等の物流業務の一部を、エラングループの運営ノウハウを用いて特定業者へ外部委託しておりますが、当該外部委託先の事業方針やエラングループとの関係等に変化が生じた場合は、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 新規導入施設への導入計画が想定どおり進まないことによるリスク

 エラングループは、2003年5月のサービス開始以来、病院・介護老人保健施設等を対象にCSセットサービスを提供してまいりました。営業エリアの開拓にあたっては、新規に営業拠点を配置し、当該拠点を中心に新たな施設への提案・導入を行っております。

 今後も、エラン独自の営業活動のほか、提携しているリネンサプライ業者等との連携等によって、新規の契約施設の獲得に努めていきますが、エラングループにおける人材面・物流面等の問題や提携先との関係変化等が生じた場合、あるいは、感染症等の長期間の流行により病院や介護老人保健施設等に対する営業活動を自粛せざるを得ない場合には、新規導入施設への導入計画が想定どおり進まず、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 売上債権の貸倒に関するリスク

 エラングループが提供するCSセットの利用者は、病院・介護老人保健施設等に入院、入所する個人です。CSセットの利用代金は、原則として後払いですが、必ずしもその全てが回収できるとは限らず、利用料金の一部について滞留及び貸倒れが発生します。病院・介護老人保健施設等の窓口において利用申込みが行われますが、申込み時に利用者個人の信用能力の調査を行うことや経済力が乏しい個人からの利用申込みをお断りすることは現実的ではなく実施しておりません。また、利用中や退院・退所後に経済状態が悪化されることやお亡くなりになることもあります。

 エラングループでは、今後の請求件数の増加に耐えうる債権回収体制を構築し、回収能力を向上するよう努めるとともに、貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金の計上を行っておりますが、利用者の経済状態の変化やエラングループの債権回収体制構築の遅れ等によって、多額の不良債権が発生した場合には、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 各種規制について

 エラングループは、病院の入院患者や介護老人保健施設等の入所者に対して医療保険や介護保険制度の対象とならない独自のサービスとしてCSセットを提供しております。当該事業を行うにあたって必要となる許認可、免許、登録、行政指導等はありませんが、サービス提供の場である病院や介護老人保健施設等は、医療法、健康保険法、介護保険法等の法律や厚生労働省等の行政・所管官庁による指導・規制のもと運営されていることから、エラングループにおいても各種規制について特段の注意を払っております。

 しかしながら、医療法、健康保険法、介護保険法等の法令の改正や、行政指導の運用の見直し等が行われ、エラングループが何らかの対応を余儀なくされた場合や、これらに対応できない場合には、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 個人情報の管理について

 エラングループは、介護医療関連事業において、利用者の個人情報を入手しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。エラングループでは、個人情報の取扱と管理には細心の注意を払い、社内でのルール化やその手続きの明確化・徹底化を図っております。また、2009年3月に、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の発行するプライバシーマークの付与認定を受けております(2023年3月更新)。

 しかしながら、個人情報管理に関する全てのリスクを完全に排除することは困難であり、個人情報の漏洩等のトラブルが発生する可能性は否定できず、かかる事態となった場合には、損害賠償請求や信用の低下等により、エランの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 今後の事業展開について

 エラングループは、事業基盤の拡大と収益の安定化を図り、成長を加速させるために、介護医療関連事業で培ったノウハウを活かせる関連・周辺事業への積極展開を推進していく予定です。新規事業展開にあたっては慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画通りの成果が得られない場合、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 人材の確保と育成について

 エラングループが今後事業をさらに拡大し、成長を続けていくためには、優秀な人材の確保が重要課題となっております。こうした人材の確保が計画通りに進まなかった場合、あるいは、人材育成が計画通りに進まず、重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 気候変動に関するリスク

 国際社会において気候変動問題は、早急な解決が求められる重要な社会課題として認識されており、世界全体で脱炭素化に向けた取り組みが進められています。日本においても、猛暑日の増加、豪雨被害の頻発等の気候変動の具体的影響が生じており、ESG投資の加速や炭素税の本格的な導入が議論されるなど、気候変動及びその対策が企業経営にもたらす影響は一層増大することが予想されます。

 エラングループといたしましては、このような経営環境であることを踏まえ、環境規制や関連法規等の遵守は当然として、気候変動などの環境問題への対応を重要課題として捉え、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に沿った情報開示への取り組みや環境保全、環境負荷低減に努める活動など、リスクの低減に向けた取り組みを開始いたしました。しかし、気候変動は年々深刻さを増しており、将来、気候変動を主因とする不測の事態や環境規制への適応が極めて困難な事象が発生する場合には、エラングループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 自然災害によるリスク

 エラングループは、地震・風水害等の大災害発生に備え、平時の段階から、物流機能の強化及び在庫の備蓄、情報システム強化、バックオフィス業務の地域分散化及び早期復旧体制の構築等を進めております。早期復旧体制の構築に関する具体的な取組みといたしましては、災害発生時の初動対応方針、行動フロー、意思決定及び指示系統のルールを定めるとともに、安否確認システムの導入により、実際の対応時に必要となる情報伝達手段を確立しております。

 しかしながら、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模災害が発生した場合、CSセットサービス導入施設や提携しているリネンサプライ業者等の被災、被災地域における社会インフラの混乱等により、CSセットサービスの提供が長期かつ広範囲にわたり停止し、エラングループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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