日進工具(6157)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】日進工具グループは、日進工具及び連結子会社5社の6社で構成されており、マシニングセンタ(工作機械)に取り付けて金属等の加工を行う切削工具「エンドミル」の製造・販売を中心に事業を行っております。特色としましては、エンドミルの中でも超硬素材でかつ小径(刃径6mm以下)サイズの製品に注力しており、取扱高(金額ベース)の約8割を占めております。日進工具グループでは、製品の製造様式、製品の市場及び顧客を系統的に区分した製品部門別に戦略を構築し、事業活動を展開しております。したがって、日進工具グループは製品部門別のセグメントから構成されており、「エンドミル関連」と「その他」の2つを事業セグメントとしております。「エンドミル関連」は日進工具グループが営む主力の事業であり、超硬小径エンドミルを中心とした切削工具の製造販売にかかる事業であります。また、「その他」は工具ケースを中心としたプラスチック成形品の製造販売にかかる事業等であります。なお、「エンドミル関連」は、製品のサイズ等により、エンドミル(6mm以下)、エンドミル(6mm超)、エンドミル(その他)に区分しております。なお、「その他」の事業セグメントの売上高、利益又は損失の額及び資産の金額がいずれもすべての事業セグメントの合計額の10%未満であるため、報告セグメントを1つとしております。 (1)日進工具日進工具は、超硬小径エンドミルを中心とした切削工具を生産し、代理店及び連結子会社である株式会社ジーテック、日進工具香港有限公司、NS TOOL USA,INC.に販売しております。 (2)子会社株式会社ジーテックは、製品の販売及び一部再加工を行っております。日進工具香港有限公司は、中国地区での製品の販売を行っております。NS TOOL USA,INC.は、米国での製品の販売を行っております。株式会社牧野工業は、工具ケースを中心としたプラスチック成形品の製造・販売を行っております。株式会社日進エンジニアリングは、日進工具の加工委託先であります。 事業の系統図は次のとおりであります。(2026年3月31日現在)
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】日進工具グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、日進工具グループが判断したものであり、その実現を保証するものではありません。 (1)会社の経営の基本方針日進工具グループは「SOFT(技術)・HARD(機械)・HEART(心)を創ります。人と地球に優しい製品を開発し社会に貢献します」の経営理念のもと、生産性の向上に役立つ切削工具等の開発・製造・販売に携わってまいりました。また、ブランドステートメントとして“「つくる」の先をつくる”を掲げ、お客様や社会のニーズに応える高付加価値製品を生み出し、モノづくりの夢と可能性を切り拓くことを経営の基本方針としております。また、日進工具グループは、社会との共存と自社の持続可能性を同期させた「サステナビリティ基本方針」を策定しております。社会と共生しつつ企業としての持続的成長を維持継続するため、小径切削工具を中心に「人と地球にやさしい高付加価値製品を、最小限の資源でつくり、環境負荷の低減に努める」ことで、精密・微細加工用工具分野で圧倒的なプレゼンスを目指します。 (2)中長期的な会社の経営戦略日進工具グループの持続的成長と社会との共存を実現するため、日進工具の各部門とグループ企業体が互いに連携し、製品開発サイクルの好循環をつくり出すことで、高付加価値製品の継続的な創造、提供の実現を図ります。 上記目的達成のため、開発・生産・販売の各部門においては、下記戦略を実施してまいります。 ① 開発部門新製品開発においては、日進工具グループの強みである豊富な製品ラインアップの一層の強化・拡充を図るとともに、他社との明確な「違い」を基軸とした独自性の高い製品開発を推進してまいります。「違い」とは、他社にない製品、これまでにない加工方法を実現する製品の特性を指し、価格競争に依拠しない付加価値創出の源泉と位置付けております。具体的には、新素材を用いた工具開発や加工方法・コーティング技術の改良に加え、営業部門との連携による市場ニーズの的確な把握を通じ、販売店およびユーザーから継続的に選好される製品開発に取り組んでまいります。また、生産技術開発においては、次世代加工技術への対応を通じた既存技術の高度化を基本方針とし、自社開発工具研削盤のさらなる機能向上や、画像処理技術を活用した自動測定範囲の拡大を図ってまいります。 ② 生産部門生産活動においては、仙台工場で策定した「ものづくり行動指針」を実践し、高性能で品質のバラツキが少なく、かつ価格競争力を有する高付加価値製品を安定的に供給できる体制の高度化を図ってまいります。自社開発機による自動化ラインの増強および自動化範囲の拡大を通じて、無人化・省力化を継続的に推進してゆくほか、より効率的でムダのない生産体制の確立に向け、品質改善および原価低減を目的とした小集団改善活動「オレンジFC活動(Future Challenge)」の一層の強化に取り組んでまいります。さらに、仙台工場への生産集中リスク分散のため、子会社新潟工場の生産能力増強を図るほか、生産効率および環境負荷低減の観点から電力使用量の削減を推進してまいります。 ③ 販売部門国内販売においては、製品拡販と新製品を含む市場需要の発掘、掘り起しのための仕組みづくりに改めて注力し、販売網の整備、多様で有益な製品情報を提供する環境の整備、在庫の充実を図ることなどにより、ユーザーに対して、用途に合った最適な製品をタイムリーかつ効率的に供給できる体制を強化してまいります。また、代理店、販売店との協働を踏まえた施策を展開するとともに、ユーザー向けには、自社サイトにおける工具検索機能の高度化や、オウンドメディア等を通じた製品情報の発信、データ分析に基づくマーケティングを推進してまいります。海外においては、地域別戦略に基づいて重点攻略地域を定め、ローカルパートナーとの協働を通じ、地域の特性に応じたアプローチを行うことにより、世界の精密・微細加工市場の開拓および拡大に取り組んでまいります。 (3)経営環境について日進工具グループの主力製品である小径切削工具は、精密・微細加工を要する金型や各種部品の製造に使用されております。これらは、自動車、半導体、電子部品、光学機器、日用品、医療機器など、幅広い産業分野で活用されております。このため、日進工具グループの業績は、これら最終製品の生産動向に影響を受けます。近年は、成長を牽引してきたスマートフォンや自動車分野の需要が一巡しております。一方で、AIやデータセンター関連などにおいて、国内および一部海外市場で新たな小径工具需要が発生しております。中期的には、DXの進展に伴う半導体・電子部品需要の拡大が見込まれております。また、医療や航空宇宙分野などの新たな成長領域においても、精密・微細加工技術への需要増加が期待されております。これらを背景に、小径切削工具市場は引き続き成長が期待されるものと認識しております。日進工具グループを取り巻く現在の経営環境は、依然として厳しい状況が継続しております。地政学上の諸問題の拡大や資源を巡る各国の動向により、国内外の経済活動の安定性および予見可能性の確保が一層困難となっております。加えて、素材費や人件費を中心としたコスト上昇が着実に進んでおります。このような環境の中、主要需要先の動向を見ると、自動車部品関連は国内生産の縮小傾向の影響を受け、足元の伸びは限定的となる見込みであります。一方で、半導体・電子部品関連は、AIやデータセンター需要に支えられ、引き続き堅調に推移する見通しであります。輸出については、中国における自動車関連および電子機器関連需要、ならびにアジア諸国の需要を背景に、販売数量は全体として増加する見込みであります。 (4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題わが国が圧倒的な強みを発揮する精密・微細加工分野を、小径工具を使った切削加工技術の面から支え続けてゆくこと、ユーザー様が安心して新たな精密・微細加工にチャレンジできるよう、高性能で品質の安定した製品を、販売店を通じ妥当な価格で安定的に供給していくこと、が日進工具グループの使命であると認識しております。日進工具グループが対処すべき事業上の課題は、上記使命を踏まえ、内外の代理店、販売店による販売網の一段の充実を図りつつ、小径工具分野において、他社との明確な「違い」を有する独自性の高い新製品を継続的に供給するとともに、標準品においても圧倒的な品揃えと在庫水準を維持することで、ユーザーにとって代替困難なポジションを確立し、市場におけるプレゼンスの一層の向上を図ることであります。日進工具グループが対処すべき財務上の課題は、ここ数年成長が鈍化し設備投資が伸び悩んだため、総資産に占める現預金の割合が増加し資産効率の悪化を招いている点であります。これに対処するため当期は約13億円の自己株式取得を実施するなど資本政策を強化しましたが、今後は生産自動化や生産効率改善に向けての設備投資に加え、新製品戦略の強化等により早期に成長軌道へ復帰することで、増産のための設備投資にも現預金を振り向けることにより、資産効率を改善してまいる所存であります。なお、足元懸念材料であるタングステンの市場価格高騰による超硬素材の価格上昇につきましては、素材メーカーと協働しながら、十分な素材在庫を確保し対応してゆくほか、一段の原価低減活動の推進に加え、取引条件の見直しや製品価格の改定に着手しております。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等日進工具グループは、売上よりも利益を優先する経営方針を掲げ、売上高経常利益率20%の確保を目標としております。当期の売上高経常利益率は21.2%、前期比2.3ポイント増となり、目標を上回りました。国内外での市況回復に加え、新製品戦略、営業体制強化、原価低減といった中期課題への対応が一定の成果を生んでおります。また、株主資本を効率的に活用する観点から自己資本純利益率(ROE)10%の確保も経営指標としております。当期は増益及び自己株式取得による資本効率の改善により、ROEは前期より0.9ポイント改善し8.0%の実績となりました。厳しい経営環境が続く中、足元施策の着実な遂行により、経常利益率の目標20%の継続達成と日進工具が認識する株主資本コスト(CAPM等を参考に算定)8.6%を上回るROEの回復を当面の目標としつつ、中期経営計画に基づく施策の推進により、再度の利益成長を目指します。次期の計数計画につきましては、タングステン価格の高騰から通期予算の策定が困難となっており、合理的な算定が可能となった段階で速やかに開示する予定であります。 (6)経営戦略の現状と見通し「中期的な会社の経営戦略」に記載の通り、この数年間市場成長が一時的に鈍化する中、製品開発を起点とする「高付加価値製品の循環戦略」を重点的に展開しており、開発部門では、前期に高硬度鋼材向けの新コーティングを使った製品やユニークなレンズ形状エンドミル等を開発し、当期は12の新製品(14型番)を市場に投入するなど、製品群の充実に継続して取り組んでおり、生産部門では、自社製研削盤の改善や測定技術の向上を図るとともに、小集団活動や自動化を推進して着実な原価低減を進めており、販売部門では、商流を重視し内外の販売網を活用して多様な製品を滞りなくユーザーに届ける仕組みの充実を図ってまいりました。今後の見通しにつきましては、精密・微細加工の市場は中長期的に着実な拡大が見込まれると想定し、引き続き小径工具の製造販売に特化し、他社との「違い」を追求しつつ市場と共に成長してゆくための中期的施策を策定し実行することで、再び持続的な利益成長の実現を目指してまいります。 (7)その他、会社の経営上重要な事項① 内部管理体制の整備・運用状況日進工具グループでは、社内規程や稟議制度を整備し、ルールに基づいた業務運営を実施しております。また、内部統制報告制度への対応につきましては、常務取締役を委員長とする「内部統制委員会」を設置し、内部統制の整備・運用の推進及びその評価、また監査法人により実施される内部統制監査への対応を行っております。 ② 指名・報酬委員会の設置日進工具グループでは、ガバナンス強化の観点から任意の指名・報酬委員会を設置しております。指名・報酬委員会は独立社外取締役が過半を構成し、委員長は独立社外取締役から選任される諮問委員会であり、取締役等の候補者の指名(監査等委員である取締役を除きます)や、取締役等の報酬(監査等委員である取締役を除きます)について取締役会より諮問を受け、審議内容を答申することで、取締役会の独立性を高めるものであります。 ③ 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けての対応日進工具グループは、資本コストを上回る資本効率の達成を重要課題と認識しており、詳細は「(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通りであります。当期は、中期経営課題である海外販売の強化と新製品の開発による製品群の充実が奏功し、また原価低減にも注力した結果、売上高経常利益率21.2%と目標を達成いたしました。また、低下が続いていたROEについては、増益及び自己株式取得による資本効率の改善により、当期は8.0%と前期より0.9ポイント改善しております。日進工具グループの中期的な経営課題については整理を終え対策に着手しており、当面は足元の事業計画を着実に遂行することにより、経常利益額および経常利益率の反転定着を図るとともに、グループ全体で中期課題の解決に取り組むことで、持続的成長の実現および資本コストを上回る水準へのROE回復を目指してまいります。 ④ その他その他の取組みといたしましては、監査等委員による各部門長へのヒアリングの実施、内部監査部門による各部門への内部監査の実施等を行っております。なお、内部監査につきましては、社長及び取締役会・監査等委員会へ報告、答申等を行うデュアルレポーティング制度を採用しております。コンプライアンスにつきましては、コンプライアンス担当役員を中心に推進を図っており、従業員研修会や社内業務連絡(コンプライアンス便り 月1回配信)で取り上げることにより、社内教育に努めております。また外部弁護士を窓口とする「コンプライアンス相談窓口」を設け、内部通報制度の窓口といたしております。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】日進工具グループの事業展開上のリスク要因となる可能性のある主な事項と日進工具の取組状況について以下に記載しております。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において日進工具グループが判断したものであります。(1)災害、エネルギー危機や新型感染症等の影響について大規模な災害、エネルギー需給逼迫に伴う経済活動の制限や新型感染症等の発生により、事業所や工場へのアクセスが制限され、従業員の出社が困難となった場合には、製品在庫の出荷ができず市場への製品供給が停滞する可能性や、生産体制に影響が出る可能性があります。日進工具グループでは、かかる事態への対応として、社内規程を整備しチーム分けによる分散勤務体制や在宅勤務体制を可能としているほか、製品在庫を仙台・東京・海外現法2社にて分散保有し、また新潟工場の生産能力増強により、仙台工場との分散生産体制を推進するなど、複合的な対策を講じております。 (2)生産・開発拠点の集中について日進工具グループは、生産・開発拠点を宮城県の仙台北部中核工業団地内に集約することで、効率的な生産・開発体制を構築し、製品の品質、精度、価格競争力等を高める一方、生産・開発拠点における震災対策の強化・徹底にも注力してまいりました。また、前述の通り在庫の複数拠点での保有や新潟工場での生産拡充など、リスク分散のための対策も並行して行ってまいりました。しかしながら、当該地域にて大地震等の災害が発生した場合には日進工具グループの生産・開発体制全体が影響を受ける可能性があるほか、場合によっては市場への製品供給が滞る可能性があります。日進工具グループでは特に仙台工場での地震対策に重点を置いて取り組んでおり、現場における日頃の対策の一段の工夫、徹底に加えて、新開発センターで採用した「オールラウンド免震」機構など新たな技術を取り込み、より高度な地震対策を実施しております。この結果、2021年2月、2022年3月に東北地方で発生した震度6強の地震に際しては、いずれも1両日で完全に生産復旧できており、一定の成果を生んでおります。引き続き仙台地区での地震対策の充実と、在庫、生産拠点の分散による複合的な取り組みを推進してまいります。 (3)小径切削工具への集中について日進工具グループは超硬小径エンドミルを主とする超硬小径切削工具の製造販売に経営資源を集中しております。超硬小径エンドミルは、主に電子機器、民生機器、自動車部品等の精密金型製作や部品の精密・微細加工に広く使用されており、今後も様々な分野で精密・微細加工技術を使った部材や金型の需要が大きく増加すると考えております。精密・微細加工の方法としては、超硬小径エンドミルを使った切削加工が一般的ですが、将来は他の素材を使った製品や新たな加工方法に代替される可能性があり、この場合日進工具の事業に影響が出ることが予想されます。素材につきましては、現時点で超硬素材に全面的に取って代わる素材の出現の可能性は低いものの、昨今のタングステン市場の動向等を踏まえると、今後他の素材に代替されてゆく可能性はあります。日進工具グループでは以前より、cBN(立方晶窒化ホウ素)やPCD(多結晶ダイヤモンド)といった超硬合金以外の素材を使用した製品の開発・製造等も行っており、他の素材についても鋭意研究を進めております。加工方法につきましては、3Dプリンターで金属を積層焼結成形するレーザー加工機が普及するなど、今後も技術革新によりエンドミル需要に影響を与える新たな精密・微細加工技術が開発される可能性があります。日進工具グループでは、精密・微細加工の分野において、小径切削工具を使った直彫りによる加工方法が、精度とコストの面で比較優位性を保っていることをアピールしつつ、高性能(高精度、高能率、多機能、長寿命)でバラツキのない、環境にやさしい小径工具を合理的な価格で提供してまいります。 (4)競合について日進工具グループが事業展開している小径切削工具市場では、国内大手の工具メーカーや超硬メーカーがその成長性に着目して生産・販売体制を強化しており、また中国市場などでも、中国国内で製造された製品が増加してきていることから、今後ますます競争が激化していくものと考えられます。日進工具グループは、小径切削工具に経営資源を集中し、自社開発の専用加工機および独自の製造プロセスを基盤とした体制を構築しております。これにより、他社との「違い」として、高精度・長寿命・品質安定性を高い水準で両立しつつ、コスト競争力も確保できる点に競争優位性があると認識しており、一段の体制強化を図ってまいります。 (5)原材料の調達及び資源価格の上昇について日進工具グループの主要製品である超硬エンドミルの主要素材は超硬合金であり、その主要成分となるタングステン原料は国際市況商品で、精鉱生産量の8割強を中国が供給していることから、その価格や供給量は世界的な需給関係や生産国の思惑等によって大きく影響を受ける可能性があり、現実に昨年来リスクが顕在化しております。また超硬合金で結合剤として使用されるコバルトはスマートフォンや電気自動車(EV)の電池にも使用されており、その需要拡大により需給が逼迫する可能性があります。加えてタングステン、コバルトとも「紛争鉱物」として、以前より一部の生産地域において、その採掘過程での若年者労働や過酷労働による人権侵害が問題となってきた経緯があります。日進工具グループでは、足元のタングステン原料価格の高騰に対し、工程の効率化追求や製造経費の削減等による原価低減により、先ず自社でコスト上昇を吸収することとし、最終的には、販売条件の見直し交渉の実施などと併せ、製品への価格転嫁を行うこととしております。また、原料の入手リスクの問題に対しては、従前より積み増してきた素材在庫を活用しつつ、主要仕入先との連携強化や調達先分散を図ることにより、安定調達を試みております。併せて原材料のトレーサビリティを徹底し、調達先から証明書の提出や原料調達方法の説明を受けるなどの方法により紛争鉱物の混入を排除しております。 (6)特定の仕入先・協力会社への依存について日進工具グループは、超硬エンドミルの主要素材である超硬合金の大半を特定の仕入先より仕入れております。また、超硬エンドミル生産の主要工程の一つであるコーティングにおきましては、内製化を進めているものの一部を特定の協力会社に委託しております。これは、増産時の対応又は万が一のためのリスク対応等を狙いとするものであります。日進工具グループと当該仕入先・協力会社とは、長年にわたり極めて緊密な関係にあり、事業パートナーとして信頼できる取引先であることを日頃から確認しており、今回の原料価格高騰、原料入手リスクへの対応についても、連携しながら円滑に協働しております。今後ともこれまでの取引関係を維持発展していく方針でありますが、災害や不測の事態によるサプライチェーンの混乱等に備えるため、安全在庫の積み増しや、設備の増強による内製化比率の引き上げ等、製品の安定供給の観点から対策を講じております。 (7)製品の品質確保について日進工具グループは、製造工程に自社開発専用機を投入し、独自の製造プロセスを創りあげることにより、日進工具特有の生産体制を構築し、この結果高性能でバラツキのない高付加価値製品を安定生産しておりますが、製造ラインが自社独自のものであり、市販の製造設備等での代替ができません。従って、製品の品質維持・確保のためには外部に頼らず自社のみで対応する必要があります。日進工具グループは、ISO9001及び14001等の世界的に認められている品質管理及び環境管理のマネジメント基準に従って製品を製造することに加え、日進工具独自の「ものづくり行動指針」に基づき、社員自らが社内で不断に自社開発機や製造プロセスの見直しと改善を行うことで、高い品質確保のため盤石の体制を維持、発展させてまいります。 (8)環境問題について日進工具グループでは、ISOの環境管理基準や「サステナビリティ基本方針」に従って、「人と地球にやさしい製品を、最小限の資源でつくり、環境負荷の低減に努めます」を目標に掲げ活動しております。一方で、環境に対する配慮を求める社会の要請は日々高まっており、GHGの排出削減、資源の3Rや再生可能エネルギーの利用など、販売先や仕入先、株主等の様々なステークホルダーから、より高い目線での対応が求められております。ステークホルダーからの様々な要請、期待に応えられない場合、企業としての社会的信用や事業の成長に影響が出る可能性があります。日進工具グループでは、2021年にサステナビリティ委員会を設置して日進工具グループの環境問題について定期的に討議して報告を作成し、これを取締役会で審議しております。また、各部門のKPIを「サステナビリティ基本方針」に基づき策定することで、環境についても経営目標に織り込んで対応することとしております。気候変動への対応につきましては、TCFDに基づく情報開示を行っており、前期よりスコープ1,2排出量は決算期に合わせ当期分を開示しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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