エスティック(6161)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】エスティックグループは、エスティック、連結子会社ESTIC (THAILAND) CO.,LTD.、ESTIC AMERICA, INC.及び関連会社SHANGHAI ESTIC CO.,LTD.の4社で構成されており、見込生産品であるナットランナ、ハンドナットランナ、サーボプレス、受注生産品であるネジ締付装置の製造・販売及びエスティック製品の修理・点検を主な事業とした単一セグメントで事業活動を行っております。したがってエスティックグループの事業内容を製品に関連付けて記載しております。 グループ各社の位置付けと事業内容(1) エスティックエスティックは、ナットランナ、ハンドナットランナ、サーボプレス、ネジ締付装置の製造・販売及びエスティック製品の修理・点検を行っております。(2) ESTIC (THAILAND) CO.,LTD.ESTIC (THAILAND) CO.,LTD.は、エスティック製品(ナットランナ、ハンドナットランナ、サーボプレス)の販売及び据付、修理、その他付随業務を行っております。(3) ESTIC AMERICA, INC.ESTIC AMERICA, INC.は、エスティック製品(ナットランナ、ハンドナットランナ、サーボプレス)の販売及び据付、修理、その他付随業務を行っております。(4) SHANGHAI ESTIC CO.,LTD.SHANGHAI ESTIC CO.,LTD.は、エスティック製品(ナットランナ、ハンドナットランナ、サーボプレス)の中国国内向け販売、修理・点検及び、同ナットランナを組み込んだネジ締付装置の製造・販売を行っております。 (ナットランナ)ナットランナはACサーボモーター(※①)、センサー、コントローラ(※②)で構成され、ACサーボモーターを駆動源とし、センサーからの情報をコンピュータにて解析しモーターを制御することにより、いわゆるボルト、ナット類のネジの締め付けを「ネジ締め付け理論」(※③)に基づいて最良の締め付け管理を行い、あらゆる使用環境でも緩まないネジ締め付けを実現する工具であります。当製品は、機械装置に組み込んで使用しますので、主にセットメーカーに対して販売しております。 (ハンドナットランナ)ハンドナットランナはナットランナをハンディタイプにしたもので、ナットランナが機械装置に組み込んで使用するのに対して、ハンドナットランナは作業者が直接手に持って締め付けを行う工具で、尚且つナットランナと同等の締め付け精度管理ができます。従来、締め付けトルク(※④)が高くなるに従い締め付け時に発生する反力が強くなり人間が手で保持することが困難でしたが、パルス制御技術(※⑤)(日本、米国にて特許取得済み)により締め付け精度を確保したまま反力のみを軽減することにより実現した製品です。 (サーボプレス)サーボプレスはナットランナの技術を応用したプレス機で、ACサーボモーター(※①)、センサー、コントローラ(※②)で構成され、ACサーボモーターを駆動源とし、モーターの回転力をボールネジ(※⑥)を介し直線運動に変えることにより対象物をプレスします。 従来の油圧式、エアー式や機械式プレスに比べ、消費エネルギーの低減、静寂性、高精度制御、トレーサビリティーに優れた特徴を有します。主に、圧入、カシメ、打ち抜き等に使用されます。 (ネジ締付装置)ネジ締付装置は、ユーザー仕様に基づき上記ナットランナを組み込み、全てオーダーメードで設計製作するネジ締め付け専用の自動機械または半自動機械であります。自動車や自動車部品などの組立工程におけるネジ締め付けに使用され、特に量産ラインにおいて使用される場合が大半です。受注の内容によっては、ネジ締め付け部分以外にボルトの自動供給装置やその他周辺機器を設計製作する場合もあります。 (修理・点検)ナットランナ、ハンドナットランナ、サーボプレスの有償修理、ネジ締め付け精度の点検等を行っております。 これらのナットランナ、ハンドナットランナ及びネジ締付装置は、主に国内外の自動車メーカーや自動車部品メーカーを中心に組立工程におけるネジの締め付けに使用されております。特に自動車等の可動製品においてはその振動によりネジが緩みやすい環境にあり、ネジの緩みは直接当該製品の品質、機能の低下や安全性の低下につながる問題に影響する可能性が高く、製品の品質管理上緩まないネジの締め付けは重要な要素となっております。また、製造工程における締め付けデータを外部出力することができ、製品固有の組立工程履歴を残すことにより製造物責任法(PL法)にも対応可能であり、またインターフェースにより製造ライン全体のネットワーク管理にも対応しております。 ※用語説明① ACサーボモーター交流電源により駆動するモーターで、微細な回転位置と回転速度の制御が可能なモーターです。モーターの中では優れた制御性能を有します。 ② コントローラコンピューターを内蔵し、センサーから受信した情報をコンピューターで解析して最適なネジ締め付けを行うためにモーターの回転を制御する信号を発信する、いわばシステム全体の頭脳に相当します。 ③ ネジ締め付け理論ネジには弾性域と塑性域があります。弾性域とは、ネジをねじ込んでいく過程において、ネジ首は伸びていきますが、鉄の性質上弾性があるので伸びたものは縮もうとする力があり、その弾性がある状態を弾性域といいます。弾性域で振動が加わりますと、ネジ首が伸び縮みをし、その瞬間に雌ネジと雄ネジのそれぞれのネジ山の間に隙間ができることによりネジが緩みます。塑性域とは、弾性域をこえてネジを伸ばしていくとネジが伸びきり縮む力がなくなる領域をいいます。塑性域までネジを伸ばすと、弾性がないので振動を加えてもネジは伸び縮みせず、ネジ山に隙間ができることがないので緩みません。なお、塑性域を超えてネジを伸ばしていくと最後には破断します。弾性域から塑性域に変化する点を降伏点といい、緩まないネジ締めとはこの降伏点を越えた点(出来るだけ降伏点に近い塑性域)までネジを伸ばす締め付け管理により実現します。 ④ 締め付けトルクネジを締め付ける際の力の強さをいいます。単位はNm(ニュートンメーター)で表示します。 ⑤ パルス制御技術コンピュータ制御によりモーター出力のON、OFFを繰返し発生させることにより、高い締め付けトルクでも保持している手にかかる反力を軽減する技術です。 ⑥ ボールネジ円柱状になったネジとナットで構成され、ナット部もしくはネジ部の一方を固定してネジ部を回転させるとネジ山のピッチ×回転数分の距離をナット部もしくはネジ部が直線方向へ移動します。主に回転運動を直線運動に変換する場合に使用されます。 事業の系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、エスティックグループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針エスティックグループは、事業ターゲットを世界におき、ニーズの把握、シーズの提供に全力を注ぎ、お客様満足度100%を目指すことをスローガンとして、メーカーとしての基本である新製品開発及び既存製品のバージョンアップ開発に注力するとともに、販売面においては海外での販売拡大を図り、世界市場をマーケットとしたグローバル企業を目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標エスティックグループは、特に海外市場における事業成長とともに確実な利益確保を重視しており、「売上高」「売上高経常利益率」「海外売上比率」を意識した経営を行っております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略エスティックグループは、①世界市場での販売拡大のためのサービス拠点の充実、②新製品開発および事業提携や買収も視野にいれた事業領域の拡大、③株主価値の向上を経営戦略目標として中期経営計画を策定しております。 (4) 会社の対処すべき課題エスティック製品は自動車産業の設備投資に密接な影響をうけており、世界規模での自動車産業の設備投資に対応できる販売体制、サービスメンテナンス体制及び生産体制の確立が不可欠であると考えております。したがって、利益の確保と海外販売拠点、サービス拠点、生産拠点への投資のバランスを計りつつも積極的な海外投資を行っていかなければならないと考えております。また、直接投資のみならず海外代理店の整備、拡充、教育も重要な戦略に位置付けながら海外市場開拓に注力してまいります。さらに、健全かつ効率的経営のために、法令遵守の徹底、コーポレート・ガバナンスの強化、リスク管理体制の強化及び内部統制システムの整備を図ってまいります。しかしながら、物価高騰による仕入部材価格の高騰や人件費の高騰の影響については留意していく必要があります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】以下にエスティックグループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてエスティックグループが判断したものであります。 (1) 自動車産業への依存についてエスティック製品は、主として自動車工場等の生産ラインにおいて、エンジンやミッションをはじめとした自動車組立工程のうち、ネジ・ボルト締付工程にて使用されています。エスティック製品は、あらゆる使用環境でも緩まないネジ締め付けが品質に大きく影響する自動車産業において特に需要が多く、エスティック製品の売上は日本国内においては約90%、海外においてはほぼ100%が自動車産業向けとなっております。世界規模で見た自動車産業は、中国、アメリカ、インド等の新興市場で拡大する可能性が期待できることから、エスティックグループは、引続き自動車産業への拡販を行い、自動車産業におけるエスティック製品のシェア向上に努めていく計画であります。しかしながら、今後、国内外の経済環境の変化や、景気後退による自動車の購買が減少することにより、自動車産業の設備投資額が減少した場合には、エスティックグループの業績は影響を受ける可能性があります。エスティックグループとしては、今後も自動車関連産業に対する販売を強化してまいりますが、あわせて他業種への販路拡大を図ってまいります。 (2) 海外販売施策についてエスティックグループの売上高に占める海外売上高の割合は、自動車産業の生産拠点を海外に移転する動きが活発なことを背景に徐々に高まってきております。特に中国市場は、今後も大きく成長すると期待されており、またエスティックは上海に合弁会社を設立し事業展開を行っていることから、中国市場に対する依存度は徐々に高まっていくと想定しております。現在は、エスティック合弁会社や中国市場への取組みは順調に推移しております。また、米国市場は、積極的な設備投資が継続している中、エスティックは米国販売子会社を設立し事業展開を行っていることから、今後も順調に推移すると想定しております。しかしながら、今後、政治や経済の変化によりエスティック製品の販売が困難な状況となった場合には、エスティックグループの業績に影響を与える可能性があります。海外販売については、仕向け地の増加拡大により、地域リスクの低減・平準化を目指してまいります。 (3) 為替変動による影響についてエスティックグループは、海外市場での拡販に注力していく方針であり、海外向け売上の増加により、外貨建て債権が増加することが予想されます。外貨建て債権としては特に米ドル建てが中心となることが予想されますので、対米ドル相場が急激な円高となった場合には、大幅な為替差損が発生して予定の利益が確保できない場合があり、エスティックグループの業績に影響を与える可能性があります。エスティックグループは、海外商流の適正化を図り、為替レートの影響を極力低減するとともに、必要に応じて為替予約取引を利用することで、将来の為替変動リスクを回避するよう努めてまいります。 (4) 主要部品の特定仕入先への依存についてエスティック製品の主要部品の一部は、特定仕入先に依存しております。特定仕入先とは良好な関係を維持しており、安定的な製品供給を受けております。しかしながら、今後業界環境の変化や特定仕入先の製造、販売施策の変更等により安定的な仕入れが確保できなくなった場合には、エスティックグループの業績に影響を与える可能性があります。エスティックグループは、複数仕入先との取引によるリスク分散及び良好な取引関係維持を図ってまいります。 (5) 自然災害について地震や津波、台風等の自然災害が発生し、電力・ガス・水道・交通網の遮断、取引先の被災等により正常な事業活動が阻害された場合、エスティックグループの業績に影響を与える可能性があります。エスティックグループでは、各種災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限に抑えるため、被災状況の把握を行い、顧客、取引先、従業員等の人命尊重を最優先とした上で、営業の継続又は早期の営業再開に向けて対応してまいります。また、損害保険等の付保内容を毎年見直しております。 (6) 海外事業活動におけるカントリーリスクの影響についてエスティックグループは、アジア、米国等グローバルな販売活動を行っております。当該地域における予期しない法律・規制・税制の変更や政治経済情勢の悪化、テロ・戦争等による社会的混乱等、状況によってはエスティックグループの業績に影響を与える可能性があります。エスティックグループは、海外市場の動向を慎重に見極め、リスクコントロールを徹底することにより、当該リスクの低減に努めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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