冨士ダイス(6167)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


冨士ダイス(6167)の株価チャート 冨士ダイス(6167)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

 冨士ダイスグループは、冨士ダイス及び子会社7社(国内法人2社、海外法人5社)で構成され、超硬合金を用いた耐摩耗工具及びその素材である超硬合金チップの製造販売を主たる事業としております。

 なお、冨士ダイスグループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 (1) 冨士ダイスグループの事業概要並びに生産、営業及び研究開発の体制

①冨士ダイスグループの事業概要

 冨士ダイスグループは、創業以来、超硬合金を用いた耐摩耗工具を専門に取り扱い、工具・金型に対する高精度化、長寿命化のニーズに応え、実績を重ねてまいりました。

 超硬合金は、タングステンカーバイドに代表される硬質の金属炭化物と、コバルトなどの鉄系金属を粉末状にして混ぜ合わせ、型に入れて成形し、高温で焼き固める方法(粉末冶金法)によって作られる合金であり、鋼よりも硬く、変形しにくいという特性を有しています。上記の方法で作られる超硬合金は、精密加工が施されて、主に塑性(切屑の出ない)加工に用いられる高精度かつ耐摩耗性に優れた工具・金型(耐摩耗工具)となるほか、一部は中間製品である超硬合金チップとしても販売されます。

 超硬合金を用いた耐摩耗工具は、一般的に用いられる鋼製の工具等よりも摩耗、変形しにくいため、生産工程に効果的に用いることにより、被加工材を加工する速度や精度が向上し、生産性改善が可能となります。

 冨士ダイスグループの超硬合金を用いた製品は「超硬製工具類」、「超硬製金型類」、「その他の超硬製品」に分類され、輸送用機械、鉄鋼、非鉄金属、飲料缶に代表される金属製品、電機・電子部品、生産・業務用機械等の幅広い分野で使用されております。

 また、冨士ダイスグループは、超硬合金の精密加工で培った加工技術、検査技術を活用し、超硬合金以外の素材(鋼やセラミックスなど)を用いた耐摩耗工具等の製造販売も行っております。

 

②営業、生産及び研究開発の体制

 顧客の生産工程で用いられる工具・金型は、使用される過程で摩擦・圧力・熱等による摩耗、変形・割れ等によって寿命を迎えますが、その要因やスピードは、工具・金型を使用する環境によって様々です。その結果、耐摩耗工具には、顧客の設計思想や生産プロセスが色濃く反映されることとなるため、耐摩耗工具のほとんどは、顧客ごとのカスタムメイドとなります。そこで冨士ダイスグループでは、顧客のニーズを的確に捉え、個別受注の多品種少量生産に対応するために、営業、生産及び研究開発に関して、以下のような体制を整備しております。

 

(営業体制)

 国内10箇所、アジア5ヶ国(中国、タイ、インドネシア、マレーシア、インド(休眠中))の営業拠点に約100名の営業担当者を配置しております。これらの営業担当者が、直接顧客を訪問し、緊密なコミュニケーションを図ることによって、顧客ニーズの的確な把握が可能な体制をとっております。

 また、超硬合金に関する専門的な知識を持つ技術サービス員や、工具・金型等の生産を担う生産部門の技術者が営業担当者をサポートし、超硬合金素材や加工方法の選定から、製品の管理に至るまで、高度な提案を行うことができる体制を整備しております。

 

(生産体制)

 冨士ダイスグループでは、商社を通じて主要原料であるタングステンカーバイド他原材料等を仕入れ、①原料となる粉末の混合(調粉工程)、②混合した粉末の成形・焼結による超硬合金(素材)の生産(冶金工程)、③超硬合金の工具・金型等への加工(加工工程)、④工具・金型等の寸法形状の測定検査(検査工程)という、超硬合金を用いた工具・金型の製造に必要な工程を全てグループ内で完結できる、一貫生産体制を整備しております。

 その結果、顧客の使用条件に最も適合した超硬合金(素材)を選択でき、かつ各工程の有機的な連携によって、ニーズに応じた様々なサイズ・形状の工具・金型を効率的に生産することが可能となっております。

 生産拠点は、国内に7箇所、海外に2箇所(タイ、インドネシア)を設けておりますが、そのほとんどが営業拠点と近接しており、生産部門と営業部門の緊密な連携が可能となっております。

 

 

(研究開発体制)

 研究開発においては、粉末冶金技術を基軸とした素材開発、超硬合金素材の加工精度や加工効率を向上させるための加工開発、新たな市場を作り出すための製品開発を行っており、様々な顧客のニーズに柔軟に対応できる体制を整備しております。

 特に、素材開発については、長年にわたる研究開発によって、金属粉末の種類や粒のサイズの組み合わせ、焼き固める条件等に関する知見が蓄積されております。これらの粉末冶金技術を通じて、新しい超硬合金素材の研究開発に注力しつつ、超硬合金以外の素材に対しても超硬合金素材の開発で培った技術を応用することで研究開発を実施しております。

 

 (2) 事業系統図

    


 (注) FUJILLOY INDIA PRIVATE LIMITEDはインド共和国の経済環境、冨士ダイス顧客の動向を鑑み、2016年8月から事業を
    休眠しております。今後につきましては冨士ダイスにおいて市場調査、拡販を行い、事業再開を予定しております。

 

 (3) 主要な製品とその主な用途

   冨士ダイスグループの主要な製品と具体的な用途例は次のとおりであります。

製品区分

主要製品

具体的な用途例

超硬製工具類

ダイス、プラグ

線材、パイプの生産用工具

 

溝付プラグ

熱交換器用パイプの生産用工具

 

熱間圧延ロール

鉄鋼素材の生産用工具

 

冷間フォーミングロール

建材、パイプの生産用工具

 

超高圧発生用工具

人工ダイヤモンド・cBN等の生産用工具

 

混錬工具

樹脂・セラミックス等の生産用工具

 

刃物類

鋼板、フィルム、箔などを切断する刃物

超硬製金型類

自動車部品生産用金型

エンジン・駆動系・操舵系・安全装置部品の
生産用金型

 

製缶金型

飲料缶、食用缶の生産用金型

 

電池関連金型

電池ケース、電池部材の生産用金型、車載電池用金型

 

光学素子成形用金型

ガラスレンズの生産用金型

 

粉末成形用金型

磁石、焼結部品の生産用金型

 

半導体・電子部品用金型

封止材生産用金型

その他の超硬製品

各種部品

各種装置部品

 

超硬合金チップ

各種金型・工具、刃物の素材

超硬以外の製品

鋼製品

飲料缶、エンジン部品等の生産用金型

 

セラミックス製品

機械工具、冶工具

 

FHR製品

耐熱用部材、鋳造用部材

 

KF2製品

樹脂等の生産用工具、冶工具

 

銅タングステン合金

放電加工用電極

 

電着工具

硬質材料の加工用砥石

 

固体潤滑複合材料(NFメタル)

真空蒸着装置用軸受、特殊環境用軸受

 

引抜鋼管

ベアリング、自転車部品の部材

 

 

 (4) 主要製品の内容

①ダイス、プラグ

 ダイス、プラグは、様々な部品や製品の材料となる線材や棒、パイプを引抜き、あるいは押出し加工することで、寸法(外径、内径、肉厚)や硬さ、強度を決めるために用いられる耐摩耗工具です。外径の寸法を決める工具をダイス、内径を決める工具をプラグといい、この工具は鉄鋼、非鉄金属、自動車、電機・電子部品といった幅広い業界で線材、パイプを生産するために使用されております。

 超硬合金を使用したダイス、プラグは創業当時から現在まで冨士ダイスグループの主力製品であり、特にダイスは、冨士ダイスの社名の由来にもなっている製品であります。

 

②自動車部品生産用金型

 自動車部品生産用金型は、安全性のために強度と精度が求められ、かつ大量生産が必要な自動車部品を製造するための金型として用いられる耐摩耗工具です。自動車部品の金型は高精度、高強度及び耐摩耗性を有した超硬合金を使用したものが多く、エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリング、安全装置部品、燃料電池車等に組み込まれるクリーンエネルギーシステムなどの部品が耐摩耗工具で製造されており、冨士ダイスグループの主力製品となっております。

 

③製缶金型

 アルミ、鉄系の板材から、抜き、絞り、しごき、曲げ加工により容器及び蓋を製造するために用いられる耐摩耗工具です。この工具で作られた製品としては飲料缶、食缶、エアゾール缶、一斗缶などがあります。特にビール等の低アルコール飲料やコーヒー等に使用される飲料缶については、非常に生産量が多く、原材料からの歩留まりや製品精度が重要視され、非常に高い精度及び耐摩耗性が求められることから超硬合金の製缶金型が使用されることが多く、冨士ダイスグループの主力製品となっております。

 

④超硬合金チップ

 丸棒、板材、ニアネット形状の原料を焼結し、超硬合金とした塑性加工用の工具、金型の素材であります。超硬合金チップは冨士ダイスグループのうち冨士ダイスでのみ製造しており、冨士ダイスグループの製品の中では海外への販売比率が高い製品であります。

 

⑤鋼製品

 冨士ダイスグループでは、超硬合金の精密加工で培った高い加工技術、検査技術を活かし、超硬合金の耐摩耗工具と重なる使用分野において鋼工具の製品の提供を行っております。顧客の生産ラインの各工程では、使用環境や被加工材、加工方法等によって、耐摩耗性、耐衝撃性、コスト等、求められる工具の性能がそれぞれ異なるのが一般的であり、求められる工具性能に応じて超硬合金と鋼の両方の材料を使い分けることで顧客の多様なニーズに応えております。

 

  <用語解説>

   1.工具:工具とは、部品を加工したり,組立てるときに用いる道具類の総称です。

   2.耐摩耗工具:耐摩耗工具は、生産工程の製造加工装置等に装着され、主として塑性(切屑の出ない)加工に
           用いられる工具の総称です。

   3.金型:金型とは、材料を一定の形にするために用いる金属製の型のことです。
        耐摩耗工具の中には金型も含まれています。

   4.超硬工具:超硬工具には、切削工具、耐摩耗工具、鉱山土木用工具があります。

   5.切削工具:切削工具は、主として、金属切削用として用いられ、加工時に切屑の出る工具の総称です。

   6.ロール:主として金属材料等の素材に圧力をかけて延ばしたり、成形、つや出しなどを行う際に用いる円筒
                  形の工具の総称です。

   7.超高圧発生用工具:人工ダイヤモンドを合成する時などに使用される工具です。合成時に、超高圧をかけ
              ます。超高圧に耐えられる強靭な材料特性と寸法精度が要求されます。

  8.ニアネット形状:ニアネット形状とは、最終製品である工具・金型に近い形状を意味します。
                          ニアネット形状に焼結された超硬合金チップを使用することで、チップを最終製品(工
                          具・金型)に加工する際のコストを削減できます。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において冨士ダイスグループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

 冨士ダイスグループは、「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」「人間尊重、人間中心の経営」を企業理念とし、広く産業とくらしを支え、社会に貢献できる人、そして、自分を必要としてくれる社会に対して感謝の気持ちを持つことができる人、そういう幸せな人を育て、真に人間が働く喜びを味わえる企業経営を行うことを、経営の基本方針としております。

 

 (2) 目標とする経営指標

 冨士ダイスグループは、安定的な成長を目指すため収益性を意識した経営が重要との観点から「売上高経常利益率」を重視しており、また資本効率を高め企業価値の向上を図る観点から「ROE(自己資本当期純利益率)」を重視しております。

 

 (3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限の緩和等による経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復しているものの、ウクライナ情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰や世界的な物価上昇、中東での紛争の発生、長引く円安や中国経済の減速等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

中長期的には、冨士ダイスグループの主要顧客が関連する自動車産業においてCASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)への流れが着実に進んでおり、冨士ダイスグループとしてもその変化への対応として次世代自動車への対応・拡販を成長戦略とし、対応を進めております。

また生成AIをはじめとしたAIの普及やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展等により冨士ダイスグループが関連する半導体等の市場は世界的に拡大が続くものと考えられます。

社会的な環境としましては持続可能で強靱な社会の構築のため「脱炭素社会」、「循環型社会」の形成が強く求められており、企業においても持続的な成長のためその実現に向けた責任ある取り組みが求められております。

日本を取り巻く環境としては少子高齢化・人口減少による市場縮小や人財確保の競争激化、コロナ禍を契機とした事業構造・生活様式の変化、デジタル化の一層の推進など様々な変化が予測されております。

このような変化の激しい環境のもと顧客と社会の期待に応え成長し続けるため「変化に対応できる企業体質への転換」を中期方針とした2025年3月期からの3年を対象期間とする「中期経営計画2026」を策定しました。この中期方針のもと国内事業は成長の基盤(安定的に成長)とし、成長を牽引するのは海外事業、将来の成長基盤の育成として新事業の実現という方向性を定め、1.経営基盤の強化、2.生産性向上・業務効率化、3.海外事業の飛躍、4.脱炭素・循環型社会への貢献、5.新事業の確立を成長戦略として持続的に取り組んでまいります。

 

1.経営基盤の強化

 冨士ダイスグループは様々な環境・社会課題の解決と事業の持続的な成長の両立を実現するため、サステナビリティ経営に取り組んでまいります。脱炭素・循環型社会の実現に向けた高付加価値製品・技術の開発を進めるとともに温室効果ガス排出量の削減や省資源化への取り組みを実施してまいります。また、変化に対応できる自立型人財の育成を目指し、エンゲージメントの向上施策、教育制度の整備、新しい働き方への職場環境整備等を実施してまいります。これらのサステナビリティ経営の実現のため、ガバナンスの充実にも努めてまいります。

 冨士ダイスグループは直販体制による顧客ニーズの把握を強みとしておりますが、変化の激しい環境のもと顧客ニーズを的確に捉え、深耕を図るためには「あらゆる情報の見える化」、「お客様との接点強化」が喫緊の課題と捉えており、IT活用を含めた営業活動の強化を進めこれを実現してまいります。

 また、営業部門のIT活用に加えて基幹システムの刷新等によるデジタル化を進め、データに基づいた意思決定の高度化を図ってまいります。

 

 ブランドイメージの社外浸透やインナーブランディングの強化のためのコーポレートブランディングにも着手し、経営基盤の強化に努めてまいります。

 

2.生産性向上・業務効率化

 国内営業部門におきましては、営業活動の分業化の推進や各営業拠点における人員配置の見直し等により営業活動の効率化を目指します。

 国内生産部門におきましては、生産効率改革第1フェーズ(前中期経営計画)より実施してきた多品種少量生産における標準時間の設定や工程の見える化等を通じた生産管理の強化、現場改善等を組み合わせた生産性の向上を更に推し進めるとともに、生産効率改革第2フェーズとして本中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)においては多品種少量の生産工程におけるロボットの導入等による自動化、省人化を進めてまいります。

 また営業部門でのIT活用や新基幹システムの刷新、ワークフローシステム導入等でのデジタル化による業務効率化や不採算製品の収益改善なども進めてまいります。

 

3.海外事業の飛躍

 海外事業につきましては海外売上高比率25%以上(2027年3月期)を目指し、売上高拡大による成長を積極的に目指してまいります。

 中国では電池、モーターコアなどの次世代自動車関連製品の積極的な展開や現地加工メーカーとの協業による競争力の確保、2024年3月に開設した東莞支店での顧客開拓等により売上高を拡大してまいります。

 タイ、インドネシアでは製造拠点がある強みを生かし、生産性向上による競争力向上等により売上高を拡大してまいります。

 またインドでは現地加工メーカーとの協業等により現在休眠中である拠点の再開を目指し、北米においては現地法人設立を視野に入れた市場調査を進める等活動を強化してまいります。

 

4.脱炭素・循環型社会への貢献

 冨士ダイスグループは環境・社会の課題解決を事業機会と捉え、脱炭素・循環型社会の形成に貢献する製品を積極的に開発、市場投入してまいります。

 脱炭素社会への貢献としましては、モータコア金型用材種のラインナップ拡充や次世代エネルギー分野に向けた触媒関連製品の開発を進めてまいります。

 冨士ダイスグループの温室効果ガス排出量につきましては、2030年度に2018年度比で38%以上削減することを目標として掲げ、自社設備の省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入等の施策を実施してまいります。

 循環型社会への貢献としましては、省タングステン・コバルト合金の拡販によりレアメタル使用量の低減を図るとともに、熱エネルギーの循環に貢献できる製品の開発にも取り組んでまいります。

 また冨士ダイスグループにおいて超硬工具・金型のリサイクル強化を進めるなど、循環型社会に貢献してまいります。

 

5.新事業の確立

 冨士ダイスグループは「既存事業」と「新規事業」が独立しながら両輪で走ることが企業価値の向上に繋がるとの観点から、中長期の成長基盤の創出としてプロジェクトチームによる新事業の検討を進めてまいりました。本中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)において新たな事業の柱となる新規事業の実現及び事業創出サイクルの短縮化を目指して新規事業組織を2024年7月に発足いたします。

 また、新規事業の早期実現に向けてM&Aや業務提携を積極的に進めてまいります。

 

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

(1)冨士ダイスグループのリスクマネジメント体制

冨士ダイスグループは、リスクマネジメント基本方針に基づき、リスクマネジメントの効果的かつ円滑な運営及び適切な指導を行うために、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しております。リスクマネジメント委員会はリスクマネジメント基本規程に基づき定期的に開催され、重要リスクの特定・分析・評価・見直し、年間の活動計画(対応策)の策定及び活動状況の確認・評価、新規に発生したリスクのモニタリング等を行っております。

 

[リスクマネジメント基本方針]

冨士ダイスグループは、次に示す方針のもと、リスクマネジメントに取り組み、企業価値の向上と持続可能な社会の発展に貢献する。

1.社会的責任を果たすために、可能な限り危機の未然防止を図り、リスクの組織的な監視体制を構築する。

2.リスクマネジメント委員会を中心に、リスクの識別・評価・低減等の活動を推進し、リスク対応力の強化を図
   る。

3.危機発生時には、ステークホルダーの安全確保を第一とし、経営資源の保全及び被害・損失の極小化を図る。
   また、早期復旧と継続操業に向け組織的に対応する。

4.教育、訓練、研修及びリスク情報の共有化により、リスクに対する認識を高め、対応能力の向上を図る。

5.定期的にリスクマネジメント体制の見直しを行い、リスクマネジメントが有効に機能するよう継続的な改善を
   行う。

 

[リスクマネジメント体制]


※リスクマネジメント委員会は、冨士ダイスより各本部長、副本部長、内部監査室長、各事業所長及び総務課長、国内子
  会社(2社)より子会社社長及び総務課長、在外子会社(4社)より子会社社長のメンバーで構成されておりま
  す。なお、事務局は冨士ダイスの総務部が担当しております。

 

 

(2)リスクマネジメントプロセス

①リスクマネジメントプロセスの概要

冨士ダイスグループにおける重要リスクの選定は年1回実施しており、そのプロセスの概要は次のとおりであります。

・リスクマネジメント委員会で冨士ダイスグループの重要リスクになり得るリスクを「リスク候補」として選定。これら
  のリスク候補ごとに所管部署を決定し、リスク候補に対する年間の活動計画(対応策)を策定。

・定期的に開催されるリスクマネジメント委員会にて、活動計画(対応策)に対する活動状況の確認・評価、新規
  に発生したリスクのモニタリング等を実施。

・リスクマネジメント委員会の年間の活動等を踏まえ、事務局がリスク候補ごとに影響度及び発生可能性の面から
  分析・評価を実施し、冨士ダイスグループのリスクマップを作成。

・リスクマネジメント委員会の事務局が実施した分析・評価結果及び冨士ダイスグループのリスクマップをリスクマネジ
  メント委員会で審議。リスク値の高いリスクを冨士ダイスグループの「重要リスク」として選定。

・リスクマネジメント委員会で選定した冨士ダイスグループの重要リスクは取締役会へ報告し、承認を得る。


・影響度及び発生可能性は以下の目安をもとに評価を行っております。

影響度の目安

 

発生可能性の目安

1

小さい

 

1

低い

2

やや小さい

 

2

やや低い

3

 

3

4

やや大きい

 

4

やや高い

5

大きい

 

5

高い

 

 

 

②当連結会計年度の冨士ダイスグループのリスク候補及び重要リスク

リスク候補

評価

大分類

中分類

小分類

No.

影響度

発生可能性

※重要

リスク

外部環境

自然災害

 

1

大きい

高い

環境問題

環境規制

2

やや小さい

やや高い

 

気候変動

3

やや大きい

やや高い

経済環境

景気変動(国内・海外)

4

やや大きい

為替変動

5

 

制度変更(会計・税務等)

6

やや小さい

やや高い

 

市場の変化

市場の縮小

7

やや大きい

やや高い

新素材・新製品の出現

8

小さい

やや低い

 

既存製品の陳腐化

9

小さい

やや低い

 

パンデミック

感染症・伝染病

10

小さい

やや低い

 

地政学リスク

 

11

やや大きい

やや高い

内部環境

戦略リスク

新規事業への投資(M&A含む)

12

大きい

プライム市場上場維持基準

13

 

原材料調達

 

14

大きい

やや高い

協力会社

 

15

やや高い

人財の育成及び確保

16

大きい

高い

財務リスク

棚卸資産の価値下落

17

高い

投資有価証券の時価下落

18

やや低い

 

繰延税金資産の計上

19

やや大きい

やや低い

 

固定資産の価値下落

20

やや大きい

やや高い

生産拠点の集約

 

21

小さい

低い

 

オペレー
ショナル
リスク

システム

システム障害

22

小さい

高い

 

情報セキュリティ

23

やや大きい

やや高い

事故

製品事故

24

やや低い

 

火災・爆発事故

25

やや低い

 

電気的・機械的事故

26

やや高い

労災・交通事故

27

高い

コンプラ
イアンス

人権問題

28

やや高い

知的財産権

29

 

法令違反

30

やや高い

不正行為

31

やや大きい

やや低い

 

社内規程違反

32

やや小さい

高い

 

 

(注)当連結会計年度において冨士ダイスグループが重要リスクと選定したリスクについては、(3)事業等のリスクに詳細を記載しております。

 

 

(3)事業等のリスク

冨士ダイスグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。但し、これらのリスクは冨士ダイスグループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、予見できないリスクや重要性が低いと考えられるリスクも存在し、将来的にそれらのリスクが、冨士ダイスグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性もあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において冨士ダイスグループが判断したものであります。

①災害に関するリスク

影響度:大きい

発生可能性:高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループでは、自然災害への対応として各種対策を講じております。しかしながら、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、予想を超える規模の被災により建物や設備の倒壊・破損、ライフライン・輸送ルート・情報インフラの寸断等による操業の停止、といった不測の事態が発生した場合、顧客への製品供給に支障をきたすこと等により、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、地震、台風等の自然災害により操業停止をせざるを得ないような事態の発生に備え、自然災害を想定した防災訓練、社員の安否確認訓練を定期的に行うとともに、防災設備の設置、火災保険への加入、必要物資の備蓄、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を講じております。災害の発生に対しては、緊急連絡体制を通じて、国内外の拠点や関係会社と連携する仕組みを構築しており、代表取締役社長を本部長とする対策本部を速やかに設置し、BCP(事業継続計画)が実行できる体制を整えております。

 

 

②気候変動に関するリスク

影響度:やや大きい

発生可能性:やや高い

 気候変動に関するリスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動に関する取組について」に記載しております。

 

 

③景気変動に関するリスク

影響度:やや大きい

発生可能性:中

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループは、日本及びアジアを中心にグローバルに事業を展開しており、幅広い業種との安定かつ多くの顧客との取引実績(取引社数約3,000社)がございますが、冨士ダイスグループ及び冨士ダイスグループの顧客が事業を展開する国・地域において、景気後退や経済危機が発生した場合には、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、定期的に開催する子会社業績報告会等において、進出する国の政治・経済情勢等の動向を冨士ダイスグループ全体でモニタリングしております。また、日本国内の状況に関しては、与信管理の徹底に加え、冨士ダイスグループに影響があると思われる事象・事案が発生した場合には、影響度調査、顧客の生産動向等の状況確認を迅速に行い、リスクマネジメント委員会へ報告する体制としております。これらの活動により、国内外の景気動向を注視するとともに、冨士ダイスグループ全体で課題を認識・共有し、迅速に対応できる体制を構築しております。

 

 

④市場動向の変化に関するリスク

影響度:やや大きい

発生可能性:やや高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループの販売品目の多くは生産財であり、設備投資需要等に大きく影響を受けます。

 冨士ダイスグループ及び冨士ダイスグループの顧客が事業を展開する国・地域の景気が減速・後退する場合は、設備投資需要の低下等をもたらし、その結果、冨士ダイスグループが提供する製品又はサービスの受注・売上が減少するなど、冨士ダイスグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、日本機械工具工業会から配信される情報等をもとに国内の市場動向を把握するとともに、営業活動から得られた顧客情報、各種課題、競合する他社の情報等を明確化し全社的に共有・分析することで、市場動向の変化に迅速に対応できる体制を整備しております。また、当連結会計年度においては、海外事業の強化を実現することを目的とし、冨士ダイスに海外事業本部を新設いたしました。海外事業本部では、国内営業と情報を共有化するとともに、海外の市場動向の変化等にも迅速に対応できる体制の構築に注力しております。

[機会]

 

 

 冨士ダイスグループでは、自然環境に配慮した市場ニーズに応えるため、粉末冶金技術及び超精密加工技術を活かした、新材料・高付加価値製品の開発が、持続可能な事業運営の実現につながるものと考えております。特に、低炭素技術関連では、EV(電気自動車)の普及により、EV関連製品の需要拡大が見込まれ、次世代技術関連では、3Dプリンタ技術の活用による金型製作時の省資源化を実現することで、持続的な事業成長の機会が得られるものと考えております。

 

 

⑤地政学リスク

影響度:やや大きい

発生可能性:やや高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループは、日本及びアジアを中心にグローバルに事業を展開しております。これらの国・地域において政治・経済情勢等の変化や社会的混乱により、生産の停止、物流の停滞等が発生した場合には、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、地政学リスクは冨士ダイスグループの原材料調達にも大きく関連するリスクであると認識しております。詳細については「⑦原材料の調達に関するリスク」に記載しております。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、定期的に開催する子会社業績報告会等において、進出する国の政治・経済情勢等の動向を冨士ダイスグループ全体でモニタリングしております。また、当連結会計年度においては、海外事業の強化を実現することを目的とし、冨士ダイスに海外事業本部を新設いたしました。今後は海外事業本部を中心に、冨士ダイスグループ全体で地政学リスクの影響を低減するための施策等を検討してまいります。

 

 

⑥新規事業への投資(M&Aを含む)に関するリスク

影響度:大きい

発生可能性:中

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループは、中長期の成長基盤の構築として新成長エンジンの創出を目指し、新規事業を開始する可能性があります。新規事業への投資を行う際は、これらのリスクへの対応として各種対策を講じる予定ですが、不確定要素も多く成功する保証はありません。当初期待した効果が得られず目的が達成できなかった場合、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 新規事業については、ゼロからのスタートではなく、その領域において実績のある企業とのM&Aや業務提携を主な手段とする等でリスクを低減してまいります。また、選択肢の一つであるM&Aを行う場合には、対象企業の財務内容や契約関係等について、弁護士・税理士・公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、十分にリスクを検討した上で決定する方針であります。

 

 

⑦原材料の調達に関するリスク

影響度:大きい

発生可能性:やや高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループの主力製品である超硬工具は、産出地や生産量が限定されるタングステンカーバイド、コバルト等といった稀少な金属を原材料としております。

 冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 ・原料相場が大きく高騰した場合のリスク

 ・為替が大きく変動した場合のリスク

 ・戦争、暴動、テロ、伝染病、自然災害による社会的混乱

 タングステンカーバイド、コバルトの需給が世界的に逼迫して原料相場が高騰した場合、あるいは為替が円安になった場合、原材料費が上昇し、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、タングステンカーバイドの調達はそのほとんどを中国からの輸入に、コバルトは粗原料をアフリカでの産出、中間原料の製錬を中国での生産に依存しております。中国やアフリカの政治・経済情勢等の変化、社会的混乱が発生し、生産の停止、物流の停滞等によりタングステンカーバイド及びコバルトが調達できなくなった場合は、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、原材料の調達に関するリスクへの対応として、一定量の原材料在庫を社内に保有すると共に、原材料調達連絡会を定期的に開催し、関連部署間による各種課題の情報共有や具体的な対応策の検討等を行っております。また、原料相場の高騰や為替の変動、調達リスクへの対策及び環境への配慮等も踏まえ、リサイクル原料の購入も計画的に実施しております。さらに、原材料の調達先を対象にCSR調査を実施し、紛争鉱物への対応や環境への配慮等の社会的責任の観点も踏まえ、調達先との連携を強化するとともに、継続的な新規調達先の検討等、原材料の安定調達に向けた活動を行っております。

[機会]

 

 

 冨士ダイスグループの製品に使用される鉱物資源が、コンフリクト・フリーであることを常にモニタリングし、安全性の高い製品を提供することで、冨士ダイスグループの競争力向上につながる可能性があると考えております。また、脱タングステン合金など新規材料の開発を実現した場合、資源価格高騰に対するレジリエンス性を発揮することができるものと考えております。

 

 

 

⑧協力会社に関するリスク

影響度:中

発生可能性:やや高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループは製品の製造において協力会社にその加工の全てもしくは一部を委託しており、総製造費用に対する外注費の割合は約1割を占めております。現時点では優良な協力会社が多数あるものの、事業環境の悪化による外注費の値上がり、景気低迷による協力会社の経営破綻、協力会社の後継者不足による事業の廃止などのリスクがあります。これらのリスクに冨士ダイスグループが対処できない場合には、外注費の増加、外注していた工程の内製化による設備投資の増加や製造原価の高騰により、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、協力会社に関するリスクへの対応として、今までどおり協力会社との良好な関係を維持しつつ、特に重要度の高い協力会社とは、協働して安定的かつ継続的な生産体制を構築しております。なお、当連結会計年度においては、事前に廃業の連絡を受けていた協力会社と連携し、一部の委託品の内製化を実現しております。

 

 

⑨人財の育成及び確保に関するリスク

影響度:大きい

発生可能性:高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループは人を中心とした経営を実践しており、中長期的な成長は優秀かつ多様な人財を確保・育成し、適材適所の配置を実現することに大きく依拠しております。冨士ダイスグループでは事業運営上必要な人財を採用し、その雇用の継続に努めていますが、

 ・適切な時期に優秀な人財を必要な事業領域において計画通り採用することができない

 ・事業活動を進める上で必要となる知識・スキル・能力を有した人財を適切な時期及び規模で育成できない

 ・優秀な人財が社外に流出してしまう

等により、中長期的な視点から冨士ダイスグループの事業目的の達成が困難となり、その結果、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)の基本コンセプトとして「変化に対応できる企業体質への転換」を掲げていますが、これらを実現するためには自立型人財の育成が不可欠であると考えております。そのため、階層別教育研修プログラムを導入し、各階層のスキルマップに沿った研修の充実を図り、体系的かつ継続的な人財育成に取り組んでおります。

 また、多様なライフスタイルに応じたワークライフバランスの実現に向け、継続的に各種労働環境の整備等を進めており、多様な人財を確保するための活動を推進しております。

 なお、人的資本に関する取組については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本に関する取組」に記載しております。

 

 

⑩財務リスク-(1)棚卸資産の価値下落

影響度:中

発生可能性:高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループが保有している棚卸資産については、主として、個別法に基づく原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により評価しております。従って、原料相場の高騰や稼働率の低下により製品原価が売価を上回る可能性があり、この場合、収益性の低下による評価損が発生し、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑪財務リスク-(2)固定資産の価値下落

影響度:やや大きい

発生可能性:やや高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループでは、生産能力や生産性の向上等のため製造設備などの設備投資を継続的に行っており、その結果、当連結会計年度末の連結貸借対照表において、有形固定資産を10,246百万円計上しております。当該有形固定資産については固定資産の減損に係る会計基準等に従い、資産の簿価が回収できない兆候が認められた場合は減損テストを行い、当該資産が十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識しております。多額の減損損失を認識した場合、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

⑫情報セキュリティに関するリスク

影響度:やや大きい

発生可能性:やや高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループは、情報セキュリティ対策として各種対策を講じておりますが、予期せぬ事態により、情報流出や破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、損害賠償等の費用の発生、業務の停止等により、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、事業遂行に関連して多くの顧客情報や機密情報を有しております。これらの情報については、外部流出や破壊、改ざん等が発生しないよう厳格な管理体制を構築し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策、情報の取扱い等に関する規程類の整備や従業員等への周知・徹底を図るなど、情報セキュリティを強化しております。また、当連結会計年度においては、上記の各種対策に加え、更なる情報セキュリティを強化すべく、ITリテラシー教育の導入やインシデント対応への体制構築に向けた検討を開始し、活動を推進しております。

 

 

⑬電気的又は機械的事故に関するリスク

影響度:中

発生可能性:やや高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループの主たる事業である超硬合金を用いた耐摩耗工具及びその素材である超硬合金のチップの生産活動は、重要設備に依存しております。これらの重要設備において、電気的又は機械的事故等が発生した場合、生産活動に支障をきたし、また操業の停止により顧客への製品供給が停止する等といった事態も想定されます。それらに加え、破損・故障設備の復旧に伴う費用等も発生することから、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、電気的又は機械的事故に関するリスクへの対応として、生産設備の定期点検に加え、特に重要な設備については第三者立会のもとで実施する点検も導入し、生産設備の管理体制を強化しております。また、重要設備の一つである焼結炉の管理についてはメンテナンスチームを立ち上げ定期的に会議を開催し、設備の更新計画や消耗品の更新計画の策定、各事業所間で課題を共有する等、電気的又は機械的事故の未然防止に努めております。

 

 

⑭労働災害及び事故に関するリスク

影響度:中

発生可能性:高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループは、生産活動においては多くの生産設備を用いた業務、また営業活動においては自動車を使用しての顧客訪問等が主であります。労働災害や交通事故は、従業員の健康や人命に係わる重大なリスクであり、従業員の安全管理が不可欠であると認識しております。しかしながら、万一重大な労働災害や交通事故等が発生した場合には、生産活動や営業活動に支障をきたし、また補償金等の負担等も生じることが想定されることから、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、労働災害及び事故に関するリスクへの対応として、各事業所ごとに実施しているリスクアセスメント活動や安全衛生防火委員会の活動を推進し、安全な職場環境の整備に努めております。また、産業医による職場巡視時の助言や指導があった場合には、早急に改善策を検討する等、労働災害や交通事故等の未然防止に努めております。なお、労働災害や交通事故等が発生した場合には、リスクマネジメント委員会へ報告する体制としており、冨士ダイスグループ全体で課題を認識・共有し、再発防止にも努めております。

 

 

⑮人権問題に関するリスク

影響度:中

発生可能性:やや高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループ及び冨士ダイスグループのサプライチェーンにおいて、各種ハラスメント及び差別並びに強制労働や児童労働等の人権問題が発生した場合には、社会的信用の失墜、人財の流出、損害賠償等の費用の発生、生産活動や調達への影響等により、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、2022年10月に「パワーハラスメント防止宣言」を行い冨士ダイスグループ全体に周知するとともに、ハラスメント教育の充実、内部通報制度や社内外の相談窓口の運用等を通じて、人権問題の未然防止及び早期把握に努めております。当連結会計年度においては、役員及び管理職従業員を対象に「ハラスメント防止&ラインケア研修」を実施いたしました。また、事業活動を通じて社会的責任を果たすため、「責任ある鉱物調達方針」を策定し、方針に沿った原材料の調達を推進しております。

 

 

 

⑯法的規制等に関するリスク

影響度:中

発生可能性:やや高い

[当該リスクが顕在化した場合の影響]

 

 

 冨士ダイスグループは、日本及びアジアを中心にグローバルに事業を展開しており、様々な国の法令・規則の適用を受けております。法的規制等に関するリスクへの対応として各種対策を講じておりますが、グローバルに事業を展開するなか、これらのリスクを完全に回避することは困難であります。また、冨士ダイスグループの役員及び従業員によるコンプライアンス違反等の不祥事も懸念されます。これらの法令違反や不祥事等が発生した場合には、社会的信用の失墜、損害賠償等の費用の発生、事業活動の制限による影響等により、冨士ダイスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応]

 

 

 冨士ダイスグループでは、コンプライアンス意識の徹底・向上を図るため、コンプライアンス教育を継続的に実施しております。また、内部通報制度や社内外の相談窓口の運用等を通じて、法令違反や不祥事等の未然防止及び早期把握にも努めております。当連結会計年度においては、海外事業の強化を実現することを目的とし、冨士ダイスに海外事業本部を新設いたしましたので、国内でのコンプライアンス関連の教育に加え、在外子会社におけるコンプライアンス関連の教育にも注力いたしました。なお、法令違反や不祥事等が発生した場合には、コンプライアンス委員会へ報告する体制としており、冨士ダイスグループ全体で課題を認識・共有し、再発防止にも努めております。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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