土木管理総合試験所グループは、土木管理総合試験所及び連結子会社6社で構成されており、主に土木建設工事に係る試験総合サービス事業を展開している他、地盤補強サービス事業、ソフトウェア開発販売事業及びその他事業を行っております。
土木管理総合試験所及び連結子会社の事業における位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント区分と同一であります。
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業務区分 |
業務内容 |
会社 |
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試験総合サービス事業 |
土質・地質調査試験 非破壊調査試験 環境調査試験 |
土木管理総合試験所 株式会社沖縄設計センター 株式会社アースプラン C.E.LAB INTERNATIONAL CO., LTD 株式会社環境と開発 |
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地盤補強サービス事業 |
地盤補強工事 |
土木管理総合試験所 |
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ソフトウェア開発販売事業 |
ソフトウェアの開発販売 |
株式会社アイ・エス・ピー 株式会社アドバンスドナレッジ研究所 |
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その他 |
試験機器販売 |
土木管理総合試験所 |
(1)試験総合サービス事業
土木建設工事において建造物や道路、橋、トンネルなどのインフラを整備するためには、法令等で定められた試
験を行う必要があり、また、その場所が安全に構造物を施工できるかを調査する必要があります。土木管理総合試験所では、構造
物が安全に建設できるように土や地盤の状態を調べる土質・地質調査試験、コンクリート構造物、鋼構造物等の状態や劣化を調査する非破壊調査試験、土木建設工事等が環境に与える影響を詳細に調査分析する環境調査試験を行っております。特に日本では地盤の軟弱なところや山地、傾斜地などに構造物を施工せざるを得ない場合が多く、近年の災害の激甚化にともなって、これらの調査は非常に重要なものとなっております。試験総合サービス事業では、土木建設工事の進行に応じてこのような土質・地質調査試験、非破壊調査試験、環境調査試験の多種多様な調査・試験を土木管理総合試験所にて一括受注できるワンストップサービスを行っております。
試験総合サービス事業の業務区分における土木建設工事の進捗状況との関係は以下のとおりであります。
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業務区分 |
土木建設工事の進捗状況 |
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施工前 |
施工中 |
完成後 |
維持管理 |
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土質・地質調査試験 |
○ |
○ |
- |
- |
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非破壊調査試験 |
- |
- |
○ |
○ |
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環境調査試験 |
○ |
○ |
○ |
- |
これに加えて営業部門が技術部門と連携し、土木建設現場(フィールド)にて顧客が抱える課題を聴取し、顧客
がどのような調査・試験を実施すべきかを提案します。調査・試験結果の報告時には分析結果の活用法や考察を加
えるなどのサポートを行う、フィールド&サポート型のコンサルティング営業を行うことにより、他社との差別化
を図っております。土木管理総合試験所では以下の試験調査を実施しており、各試験は大別すると試験センター内で行われる室内試験と土木建設現場で行う現場試験とに分類されます。
a 土質・地質調査試験
土質試験におきましては、施工前や施工中において、土質等の状態確認を行うための調査試験を現場で直接行うほか、室内試験として土壌の水分や粒径、密度、強度等を確認する試験や液状化対策のための試験等を土木管理総合試験所の試験センターにて実施しております。
地質調査試験におきましては、現場試験として設計に必要な地質調査及び地すべり等の対策に必要なボーリン
グ調査を行っております。
また、官公庁等の公共事業を行う際に、土地の取得や建物等を移転する必要がある場合には、国・地方公共団
体等は正当な補償を行わなければなりません。所有者や借家人等の関係者に生じる補償の算定を行う、補償コンサルタント業務を行っております。さらに、設計測量業務も受注しております。
b 非破壊調査試験
非破壊調査試験におきましては、橋梁、トンネル等のコンクリート構造物の経年に伴う強度の劣化や内部傷を
超音波やレーダを用いて調査し、その影響を診断する業務を行っております。
また、道路や鉄道の路盤及びトンネル壁面の維持管理のための定期点検を目的として、長距離を短時間で診断可能な高速移動型非接触3Dレーダ探査車両(以下RSV)を用いた物理探査業務も行っております。これは、レーダ探査を高速(最大速度約80km/h)移動しながら行うことが可能なため、高速道路では車線規制等を行うことなく、鉄道においては列車の運行していない時間帯に短時間で効率的な探査を行うことが可能となっております。RSVの高速探査結果をAI、独自アルゴリズムにて処理を行い高速解析を実現しております。
c 環境調査試験
環境調査試験におきましては、土木建設工事等による人体や自然への影響が心配される環境汚染に対し自然環
境に係る調査試験を行っております。現場調査では自然環境に関する動植物の植生調査、生活環境に関する室内
空気環境測定、騒音・振動調査等を行っております。また室内分析試験では、安全を支える環境水・排水等の水質分析、土壌汚染分析等の環境計量分析を行っております。これらにより得られた調査試験結果において環境に対しての総合的な評価を行っております。
また、土木管理総合試験所の分析したデータの信頼性の確保を目的として計量証明事業登録を行い、計量証明書の発行を行っております。
(2) 地盤補強サービス事業
土木管理総合試験所が行う地盤補強サービス事業におきましては、建設物の建設予定地や中・大型物件の建設予定地における地盤調査及び補強工事が主な事業内容となっております。社会インフラや一般住宅等の建設予定地を調査し地盤が軟弱だった場合は建設物完成後、不同沈下(注)を起こす恐れがあるため、地盤補強・改良を行う必要があります。土木管理総合試験所では、建設前の地盤調査と調査結果に応じた工法による補強工事の提案を行っております。
(注)不同沈下:基礎や構造物が傾いて沈下することであります。
(3) ソフトウェア開発販売事業
土木管理総合試験所グループが行うソフトウェア開発販売事業は、グループ会社である株式会社アイ・エス・ピー及び株式会社アドバンスドナレッジ研究所が行うソフトウェアの開発販売が主な業務内容となっております。
株式会社アイ・エス・ピーが開発する主なソフトウェアは、3次元空間設計システム「LandForms(ランドフォームス)」でありまして、土木及び測量設計向けの設計支援システムであります。近年推奨されている
「i-Construction」による効率化や、「BIM/CIM」による3次元化に寄与できるソフトウェアであり、さらなる技術革新を進め市場環境の需要に対応しております。
株式会社アドバンスドナレッジ研究所が開発する主なソフトウェアは、流体・温熱環境シミュレーションソフト「FlowDesigner(フローデザイナー)」であります。通常の熱流体解析ソフトは、設計者が目標とする改善案を見つけるために、膨大な数の解析を繰り返す必要がありますが、このFlowDesignerは、目標値を入力して逆解析によって改善すべき条件を導くことができる、熱流体解析分野では世界初となるノンパラメトリック逆解析機能を実現したソフトウェアになります。昨今世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染に対しても、「屋内空間の十分な換気」が非常に重要になっておりますが、設計段階から気体の流れを見える化することで、対策することが可能となっております
(4) その他事業
主として自社開発した試験機器である「自動載荷試験装置」、「自動浸透量計測装置」等の販売を行っております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
(注)1.土木管理総合試験所における受注とは、調査・試験・分析業務の受注であります。
2.土木管理総合試験所における成果物とは、調査・試験・分析結果をまとめた報告書であります。
3.土木管理総合試験所は対価として調査・試験・分析料を受け取ります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において土木管理総合試験所グループが判断したものであります。
(1)経営方針
土木管理総合試験所グループは、「人々の生活環境が豊かになることを使命とし、土・水・大気・構造物調査・測量設計等における適切な情報を土木管理総合試験所グループの総力(スピード・対応力・提案力)を挙げ、顧客に対して積極的にコンサルテーションを行う」を経営の基本理念として、事業展開を行っております。
生活基盤を形成する保全・整備事業に寄り添い、サステナブルな社会づくりに貢献することが、土木管理総合試験所の事業の伸長につながると考え、近年課題となっている、防災・減災対策、災害からの復旧・復興、老朽化したインフラストックの維持管理問題、環境保全(気候変動・生物多様性)等に注力しております。更なる技術革新とスピード感ある対応が求められる状況の中、顧客満足度の最大化と地域社会への貢献を進め、企業の成長と共に株主の皆様の期待に応えられるよう邁進する所存であります。
(2)経営戦略
土木管理総合試験所グループの中長期的な経営戦略は、2024年から2032年までの新中長期経営計画「いつの時代も選ばれ喜ばれるDKへ」をスタートさせ、近年事業の転換期をむかえる中、機構改革、構造改革に取組み、計画に則った業績を残せるようステップUPの土台をしっかりと醸成し、安定期から再成長期へ向け体制を整えてまいります。
人材・組織戦略として、組織間の連携を強化、個の業務推進力を伸ばし、1人当たりの売上、利益の最大化を目指します。
事業戦略として、基幹業務である試験総合サービス事業(土質・地質調査試験、非破壊調査試験、環境調査試験)を高収益構造へ変化させ基礎体力を最大化させます。
フランチャイズ店(以下、FC店)の拡大、新技術の開発、新規事業を推進し、コア事業とのシナジー効果で事業領域を拡大させ、収益性の改善を進めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
土木管理総合試験所グループは、安定的かつ継続的な成長を目指し、労働集約型からの脱却と事業の大型化に取組むことで、売上高営業利益率8.4%以上、1人当り売上高16百万円以上の二点を目標に掲げ、その向上に努め企業価値の最大化を目指しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
土木管理総合試験所を取り巻く事業環境は、政府の国土強靭化政策のもと、インフラ老朽化対策、防災・減災対策等の社会インフラの整備が必要とされるなかで、激甚化する自然災害の復旧・復興事業への対応、さらにリニア中央新幹線事業等の大型事業を中心に市場の拡大に拍車がかかることが予想されます。また、今までに経験のない自然災害が全国各地で発生しており、予想だにしない災害に対応するため、様々な場面での防災・減災への対応が急務であると考えております。ロシア・ウクライナ情勢により地政学的リスクの顕在化や資源価格の高騰が続いており、引き続き、サプライチェーンの不安定化が想定されます。物価上昇を背景とした建設現場での経費の高騰により、土木管理総合試験所業務にも影響がでております。
このような状況のなか、土木管理総合試験所は変化する社会ニーズに対し的確かつ効率的に応え、成長していくための経営上の対処すべき課題について以下を掲げ取組んでおります。
①技術力の向上とサービスの充実・拡大による対応力の強化
変化する世況に対応し顧客の利便性を高めるために、調査・試験並びに設計・工事の各項目の充実や品質の向上を図り完結型サービスの業務範囲を拡大してまいります。
また、既存の業務に囚われることなく最新技術の開発や新規事業の導入を推進し、防災・減災、地域社会への貢献と社会問題解決に寄与できるよう取組んでまいります。
②試験センターの充実及び営業エリアの拡大
土木管理総合試験所の特徴であり基幹業務である室内試験の更なる受注拡大と、効率的な受注体制を確立するため、3試験センター(中央試験センター、西日本試験センター、東日本試験センター)への設備投資を充実させ試験領域の拡大と対応力の強化を推進いたします。
また、FC店による拠点展開及び海外を含めた新たな営業エリアでの受注拡大を進め、効率的な営業ブロック体制の構築を目指してまいります。
③人材の確保と育成による対応力の強化
土木管理総合試験所の技術力の根源である土木技術者の不足は深刻な状況にありますが、土木管理総合試験所独自のPS(パートナー・シップ)制度の導入やFC店の設置を推進し、人材不足に影響されにくい体制を整えてまいります。
また、目まぐるしい環境の変化に対応するための人材教育を積極的に推進し、技術力とサービス力の向上と人材の定着率向上に努め、今後の業容拡大に対応できる体制の構築を目指してまいります。
④他社との差別化
国が推進するICT技術を全面に活用した建設現場のi-Construction化により、建設現場の施工管理が大きく変化してきており、建設コンサルタント業界でもICTの活用は急務となっております。長年培ってきた土木管理総合試験所の調査・試験・分析技術に加えてAI、自動化、独自アルゴリズム等の最新技術の導入により、他社にないソリューションを提供することで他社との差別化を図ってまいります。
⑤海外展開
現状は、オフショア事業が中心ではありますが、土木管理総合試験所の顧客による海外での事業展開が年々増えており、海外での試験総合サービスのニーズも拡大しつつあります。土木管理総合試験所の長期的な成長を実現するためにも海外展開に取組むべきであると認識しております。海外で土木管理総合試験所が提供するサービスの中長期的な需要を見極めつつ、海外展開を推進してまいります。
⑥リスクマネジメントの強化
激甚化する自然災害が全国各地で発生しており、予期しない自然災害の発生でも業績に影響がでないように事業継続計画(BCP)の重要性が非常に高まっております。土木管理総合試験所では大規模な災害が発生した場合でも、被害を最小限にとどめ、業務を継続できるよう業務インフラ、緊急時連絡体制、本社屋、各試験センターをはじめとする各設備の見直しを行い、多目的な観点からBCPを作成して定期的な見直しを行ってまいります。
また、昨今の地政学的リスクの影響は当業界でも大きくなりつつあり、適正価格での受注、土木管理総合試験所にしかない付加価値の向上を行い、世況に影響されない体制の整備を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において土木管理総合試験所グループが判断したものです。
(1)公共事業動向に関するリスク
試験総合サービス事業において、公共事業の元請案件(直接受注)は全体の1割程度となっておりますが、ゼネコン等からの受注案件(間接受注)まで含めますと、公共事業への依存率は9割程度となるため、国及び地方公共団体等の財政悪化や事業の見直し等の公共投資の動向により土木管理総合試験所の業績に影響を及ぼす可能性があります。
よって土木管理総合試験所では公共事業に依存するだけではなく、一般民間案件の受注にも注力しており、業界の枠に囚われることなく事業領域を拡大させております。公共事業は年度末(3月末)に集中する傾向があり、逆に4月からは閑散期となることもあるため、年間を通して受注が平準化するよう公共事業と民間案件のバランスをみながら受注をしております。
(2)災害等による事業活動の阻害に関するリスク
土木管理総合試験所の試験総合サービス事業は、基幹業務を担う試験センターを中心に業務を進めており、この試験センターが災害など不測の事態に見舞われた場合には、試験・分析設備の破損、データの損傷・喪失や、ITネットワークを活用した業務処理システムのダウンにより、土木管理総合試験所の業績に影響を及ぼす可能性があります。
よって土木管理総合試験所では、長野県千曲市(中央試験センター)、宮城県仙台市(東日本試験センター)及び山口県山口市(西日本試験センター)の合計3箇所に試験センターを分散させ、各試験センターにて設備の充実を図っているため、万が一の不測の事態が発生したとしても基幹業務がストップすることはなく、事業を推進することができます。
(3)人材の確保について
土木管理総合試験所は、安定した技術力の提供を行うため正社員による現場作業を中心に行っております。業容の拡大のためには、それに応じた作業人員を一定数確保する必要があり、毎年の新卒採用及び中途採用を積極的に進め安定的な人員確保に努めております。しかし、少子高齢化、建設コンサルタント業界の雇用情勢の逼迫等により、その確保が十分でない場合には、土木管理総合試験所の業績に影響を及ぼす可能性があります。
よって土木管理総合試験所では、業務の効率化(自動化等)を行うと共にPS(パートナーシップ)制度、FC制度を導入して全国各地の協力業者と協力して業務にあたることで、技術員不足の解消に努めております。
(4)感染症に関するリスク
土木管理総合試験所が属する建設コンサルタント業界では、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることはありませんでしたが、今後、新たにこのような感染症が拡大し長期化する場合は、土木管理総合試験所経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)燃料費、原材料等の高騰に関するリスク
世界的な原油価格、原材料の高騰により、燃料費、建設資材価額が高騰し、建設現場に係る経費が増大することで、土木管理総合試験所業務の受注価格に影響を及ぼし、適正価格での受注が困難となることが予想され、土木管理総合試験所経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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