土木管理総合試験所(6171)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】土木管理総合試験所グループは、土木管理総合試験所及び連結子会社5社で構成されており、主に土木建設工事に係る試験総合サービス事業を展開している他、工事総合サービス事業、ソフトウェア開発販売事業及びその他事業を行っております。当連結会計年度より、工事部門の管理方法を最適化することを目的として、従来「地盤補強サービス事業」としていた報告セグメントの名称を「工事総合サービス事業」へ変更いたしました。併せて、従来「試験総合サービス事業」に含めていた業務の一部を「工事総合サービス事業」へ移管しております。土木管理総合試験所及び連結子会社の事業における位置づけ及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント区分と同一であります。業務区分業務内容会社試験総合サービス事業土質・地質調査試験非破壊調査試験環境調査試験土木管理総合試験所株式会社沖縄設計センターC.E.LAB INTERNATIONAL CO., LTD株式会社環境と開発工事総合サービス事業地盤調査、地盤補強・改良工事構造物補強工事土壌汚染浄化工事 等土木管理総合試験所ソフトウェア開発販売事業ソフトウェアの開発販売株式会社アイ・エス・ピー株式会社アドバンスドナレッジ研究所 (1)試験総合サービス事業土木建設工事において建造物や道路、橋、トンネルなどのインフラを整備するためには、法令等で定められた試験を行う必要があり、また、その場所が安全に構造物を施工できるかを調査する必要があります。土木管理総合試験所では、構造物が安全に建設できるように土や地盤の状態を調べる土質・地質調査試験、コンクリート構造物、鋼構造物等の状態や劣化を調査する非破壊調査試験、土木建設工事等が環境に与える影響を詳細に調査分析する環境調査試験を行っております。特に日本では地盤の軟弱なところや山地、傾斜地などに構造物を施工せざるを得ない場合が多く、近年の災害の激甚化にともなって、これらの調査は非常に重要なものとなっております。試験総合サービス事業では、土木建設工事の進行に応じてこのような土質・地質調査試験、非破壊調査試験、環境調査試験の多種多様な調査・試験を土木管理総合試験所にて一括受注できるワンストップサービスを行っております。試験総合サービス事業の業務区分における土木建設工事の進捗状況との関係は以下のとおりであります。業務区分土木建設工事の進捗状況施工前施工中完成後維持管理土質・地質調査試験○○--非破壊調査試験--○○環境調査試験○○○-これに加えて営業部門が技術部門と連携し、土木建設現場(フィールド)にて顧客が抱える課題を聴取し、顧客がどのような調査・試験を実施すべきかを提案します。調査・試験結果の報告時には分析結果の活用法や考察を加えるなどのサポートを行う、フィールド&サポート型のコンサルティング営業を行うことにより、他社との差別化を図っております。土木管理総合試験所では以下の試験調査を実施しており、各試験は大別すると試験センター内で行われる室内試験と土木建設現場で行う現場試験とに分類されます。 a 土質・地質調査試験土質試験におきましては、施工前や施工中において、土質等の状態確認を行うための調査試験を現場で直接行うほか、室内試験として土壌の水分や粒径、密度、強度等を確認する試験や液状化対策のための試験等を土木管理総合試験所の試験センターにて実施しております。地質調査試験におきましては、現場試験として設計に必要な地質調査及び地すべり等の対策に必要なボーリング調査を行っております。 また、官公庁等の公共事業を行う際に、土地の取得や建物等を移転する必要がある場合には、国・地方公共団体等は正当な補償を行わなければなりません。所有者や借家人等の関係者に生じる補償の算定を行う、補償コンサルタント業務を行っております。さらに、設計測量業務も受注しております。 b 非破壊調査試験非破壊調査試験におきましては、橋梁、トンネル等のコンクリート構造物の経年に伴う強度の劣化や内部傷を超音波やレーダを用いて調査し、その影響を診断する業務を行っております。また、道路や鉄道の路盤及びトンネル壁面の維持管理のための定期点検を目的として、長距離を短時間で診断可能な高速移動型非接触3Dレーダ探査車両(以下RSV)を用いた物理探査業務も行っております。これは、レーダ探査を高速(最大速度約80km/h)移動しながら行うことが可能なため、高速道路では車線規制等を行うことなく、鉄道においては列車の運行していない時間帯に短時間で効率的な探査を行うことが可能となっております。RSVの高速探査結果をAI、独自アルゴリズムにて処理を行い高速解析を実現しております。 c 環境調査試験環境調査試験におきましては、土木建設工事等による人体や自然への影響が心配される環境汚染に対し自然環境に係る調査試験を行っております。現場調査では自然環境に関する動植物の植生調査、生活環境に関する室内空気環境測定、騒音・振動調査等を行っております。また室内分析試験では、安全を支える環境水・排水等の水質分析、土壌汚染分析等の環境計量分析を行っております。これらにより得られた調査試験結果において環境に対しての総合的な評価を行っております。また、土木管理総合試験所の分析したデータの信頼性の確保を目的として計量証明事業登録を行い、計量証明書の発行を行っております。 (2) 工事総合サービス事業前年度の事業区分見直しにより、従来の「地盤補強サービス事業」は「工事総合サービス事業」へ改称されました。これまでは、建設物の建設予定地や中・大型物件の建設予定地を対象に地盤調査および補強工事を主な事業内容とし、社会インフラや一般住宅等において、軟弱地盤による不同沈下(注)のリスクを未然に防ぐため、建設前の地盤調査と調査結果に応じた最適な補強・改良工法の提案を行ってまいりました。本年度からは、一昨年まで試験総合サービス事業に含まれていたコンクリート構造物の補強工事や土壌汚染の浄化工事を移管し、事業領域をさらに拡大しました。これにより、地盤分野にとどまらず、インフラ補修や環境分野までを含めた一貫対応体制を構築し、より幅広い社会的ニーズに応える工事総合サービス事業としての体制を強化しております。(注)不同沈下:基礎や構造物が傾いて沈下することであります。 (3) ソフトウェア開発販売事業土木管理総合試験所グループが行うソフトウェア開発販売事業は、グループ会社である株式会社アイ・エス・ピー及び株式会社アドバンスドナレッジ研究所が行うソフトウェアの開発販売が主な業務内容となっております。株式会社アイ・エス・ピーが開発する主なソフトウェアは、3次元空間設計システム「LandForms(ランドフォームス)」でありまして、土木及び測量設計向けの設計支援システムであります。近年推奨されている「i-Construction」による効率化や、「BIM/CIM」による3次元化に寄与できるソフトウェアであり、さらなる技術革新を進め市場環境の需要に対応しております。株式会社アドバンスドナレッジ研究所が開発する主なソフトウェアは、流体・温熱環境シミュレーションソフト「FlowDesigner(フローデザイナー)」であります。通常の熱流体解析ソフトは、設計者が目標とする改善案を見つけるために、膨大な数の解析を繰り返す必要がありますが、このFlowDesignerは、目標値を入力して逆解析によって改善すべき条件を導くことができる、熱流体解析分野では世界初となるノンパラメトリック逆解析機能を実現したソフトウェアになります。昨今世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染に対しても、「屋内空間の十分な換気」が非常に重要になっておりますが、設計段階から気体の流れを見える化することで、対策することが可能となっております 事業の系統図は、次のとおりであります。 (注)1.土木管理総合試験所における受注とは、調査・試験・分析業務の受注であります。2.土木管理総合試験所における成果物とは、調査・試験・分析結果をまとめた報告書であります。3.土木管理総合試験所は対価として調査・試験・分析料を受け取ります。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において土木管理総合試験所グループが判断したものであります。 (1)経営方針土木管理総合試験所グループは、「人々の生活環境が豊かになることを使命とし、土・水・大気・構造物調査・測量設計等における適切な情報を土木管理総合試験所グループの総力(スピード・対応力・提案力)を挙げ、顧客に対して積極的にコンサルテーションを行う」を経営の基本理念として、事業展開を行っております。生活基盤を形成する保全・整備事業に寄り添い、サステナブルな社会づくりに貢献することが、土木管理総合試験所の事業の伸長につながると考え、近年課題となっている、防災・減災対策、災害からの復旧・復興、老朽化したインフラストックの維持管理問題、環境保全(気候変動・生物多様性)等に注力しております。更なる技術革新とスピード感ある対応が求められる状況の中、顧客満足度の最大化と地域社会への貢献を進め、企業の成長と共に株主の皆様の期待に応えられるよう邁進する所存であります。 (2)経営戦略土木管理総合試験所グループの中長期的な経営戦略は、2024年から2032年までの新中長期経営計画「いつの時代にも無くてはならない存在として選ばれ喜ばれるDKへ」をスタートさせ、近年事業の転換期をむかえる中、機構改革、構造改革に取り組み、計画に則った業績を残せるようステップアップの土台をしっかりと醸成し、安定期から再成長期へ向け体制を整えてまいります。 人材・組織戦略として、組織間の連携を強化、個の業務推進力を伸ばし、1人当たりの売上、利益の最大化を目指します。事業戦略として、基幹業務である試験総合サービス事業(土質・地質調査試験、非破壊調査試験、環境調査試験)を高収益構造へ変化させ、基礎体力を最大化させます。フランチャイズ店(以下、FC店)の拡大、新技術の開発、新規事業を推進し、コア事業とのシナジー効果で事業領域を拡大させ、収益性の改善を進めてまいります。2025年度は中期経営計画「深化・確立 ~変える・変わるDK~」の2年目でありました。高収益構造化を実現するための戦略に基づく施策が徐々に功を奏し、基礎的な収益力が確実に向上しております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等土木管理総合試験所グループは、安定的かつ継続的な成長を目指し、労働集約型からの脱却と事業の大型化に取組むことで、売上高営業利益率8.7%以上、1人当り売上高16百万円以上の2点を目標に掲げ、その向上に努め企業価値の最大化を目指しております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題土木管理総合試験所を取り巻く事業環境は、国土強靱化政策やインフラ老朽化対策、防災・減災需要が継続するなか、激甚化する自然災害や環境問題への対応など、社会インフラ分野における公共投資の重要性が一段と高まっています。また、気候変動リスクの顕在化やカーボンニュートラルの推進に加え、DX・AI・ロボティクスといった技術革新が急速に進展しており、事業環境はこれまで以上に高度化・複雑化しております。土木管理総合試験所は、こうした社会的要請や環境変化に的確かつ迅速に対応し、持続的な成長を実現するため、以下の対処すべき課題に取り組んでまいります。 ①技術力強化とサービス価値向上多様化する社会課題に対応するため、調査・試験・分析・設計・解析・工事など土木管理総合試験所の主要事業全般において、技術力の向上と品質強化を進めます。特に、AI・データ解析技術・自動化技術の活用を推進し、新技術の検証・実証を通じて高度なソリューションの提供を目指します。これにより、環境負荷低減やインフラ長寿命化といった社会的課題への貢献を一層強化してまいります。 ②試験センターの高度化・効率化および営業エリアの拡大全国の試験センターに対し、計画的な設備投資と業務効率化を推進し、室内試験・分析事業の処理能力向上と高度化を図ります。また、地域特性に応じた営業体制の強化や、フランチャイズおよびパートナーシップの拡大を通じて営業エリアの拡大と顧客接点の強化を進めます。 ③人材確保と育成による組織力の強化技術者不足が続く中、採用力の強化と教育体系の充実を図り、専門技術者の計画的な育成を進めます。あわせて、新人事制度の運用やキャリア形成支援を通じて、従業員が自律的に成長できる環境を整備し、多様性を尊重した働きやすい職場づくりを推進します。 ④デジタル技術活用による差別化と生産性向上国土交通省の i-ConstructionやBIM/CIM(Building/Construction Information Modeling Management)の普及に対応し、デジタル計測・モデル化・データ活用の取り組みを加速します。また、AI自動解析や業務プロセスのデジタル化等を推進し、全社的な業務効率化と生産性向上を図ります。これらにより、他社にはない独自の技術とDXを組み合わせたソリューションを提供し、競争力を強化します。 ⑤海外展開・オフショア活用の拡大ベトナムに所在の C.E.Lab を中心としたオフショアリングの活用を進め、設計・解析・ドキュメント作成などの生産能力の向上を図ります。また、海外人材の育成・受け入れ体制の整備を通じて、国際的な業務遂行体制の強化に取り組みます。 ⑥リスクマネジメントおよび経営基盤の強化自然災害・感染症・地政学リスクなど、多様化する外部環境の変動に備え、事業継続計画(BCP)の継続的な見直しと実効性の向上を図ります。また、適正価格での受注や原価管理の徹底による収益性の確保、情報セキュリティ対策の強化など、安定的な経営基盤の維持・向上に努めます。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において土木管理総合試験所グループが判断したものです。 (1)公共事業動向に関するリスク試験総合サービス事業において、ゼネコン等からの発注が9割以上を占めており、公共事業への依存率が非常に高くなっております。国及び地方公共団体等の財政悪化や事業の見直し等の公共投資の動向により、土木管理総合試験所の業績に影響を及ぼす可能性があります。よって土木管理総合試験所では公共事業に依存するだけではなく、一般民間案件の受注にも注力しており、業界の枠に囚われることなく事業領域を拡大させております。公共事業は年度末(3月末)に集中する傾向があり、逆に4月からは閑散期となることもあるため、年間を通して受注が平準化するよう公共事業と民間案件のバランスをみながら受注をしております。 (2)災害等による事業活動の阻害に関するリスク土木管理総合試験所の試験総合サービス事業は、基幹業務を担う試験センターを中心に業務を進めており、この試験センターが災害など不測の事態に見舞われた場合には、試験・分析設備の破損、データの損傷・喪失や、ITネットワークを活用した業務処理システムのダウンにより、土木管理総合試験所の業績に影響を及ぼす可能性があります。よって土木管理総合試験所では、長野県千曲市(中央試験センター)、宮城県仙台市(東日本試験センター)及び山口県山口市(西日本試験センター)の合計3箇所に試験センターを分散させ、各試験センターにて設備の充実を図っているため、万が一の不測の事態が発生したとしても基幹業務がストップすることはなく、事業を推進することができます。 (3)人材の確保について土木管理総合試験所は、安定した技術力の提供を行うため正社員による現場作業を中心に行っております。業容の拡大のためには、それに応じた作業人員を一定数確保する必要があり、毎年の新卒採用及び中途採用を積極的に進め安定的な人員確保に努めております。しかし、少子高齢化、建設コンサルタント業界の雇用情勢の逼迫等により、その確保が十分でない場合には、土木管理総合試験所の業績に影響を及ぼす可能性があります。よって土木管理総合試験所では、業務の効率化(自動化等)を行うと共にPS(パートナーシップ)制度、FC制度を導入して全国各地の協力業者と協力して業務にあたることで、技術員不足の解消に努めております。 (4)感染症に関するリスク土木管理総合試験所が属する建設コンサルタント業界では、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることはありませんでしたが、今後、新たにこのような感染症が拡大し長期化する場合は、土木管理総合試験所経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)燃料費、原材料等の高騰に関するリスク世界的な原油価格、原材料の高騰により、燃料費、建設資材価額が高騰し、建設現場に係る経費が増大することで、土木管理総合試験所業務の受注価格に影響を及ぼし、適正価格での受注が困難となることが予想され、土木管理総合試験所経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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