SMNグループは、「情報通信技術の進歩を人に優しいかたちにして、愉快なる未来を創る」というミッションのもと、ビッグデータ(注1)処理、人工知能、金融工学の3つのコアテクノロジーを源泉とした、アドテクノロジーのDSP(注2)「Logicad(ロジカド)」を中心とする「マーケティングテクノロジー事業」の単一セグメントを提供しております。主要なサービスは、1.アドテクノロジー、2.マーケティングソリューション、3.デジタルソリューション、4.その他の4つに大別され、2026年3月31日現在、SMNならびに連結子会社4社で構成されております。
SMNグループは、これまで培ってきた大規模データ処理技術、AIを活用した広告配信・ターゲティング技術、独自プラットフォームの開発・運用力、広告運用及びデータ分析に関する知見を組み合わせ、クライアント及び広告代理店のデジタルマーケティング活動を支援しております。また、広告配信領域における提供価値に加え、広告運用の高度化、データ分析、効果測定、マーケティングPDCAの支援等を通じて、クライアントのマーケティング活動全体に対する支援領域を拡大しております。
1.アドテクノロジー
DSP「Logicad」を中心とする広告配信サービス及びデジタルハウスエージェンシーを提供しています。
DSPは、Demand Side Platformの略で、RTB(注3)を活用し、クライアントの広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォームです。RTBは、広告枠をリアルタイムに売買する広告配信の入札手法であり、クライアントと媒体社は「インプレッション」(注4)ごとに「オークション形式」で取引を行うことを可能にするものです。クライアントはDSPを通じて「広告を配信するユーザー」、「広告を配信する媒体」、「広告を配信するタイミング」、「広告の配信量」、「広告枠の購入単価」をインプレッション単位で適切にコントロールすることにより、広告枠買付の投資効果を改善するとともに、広告効果に関する仮説検証を短期間に繰り返し行うことが可能となります。
SMNが内製開発したDSP「Logicad」は、クライアント及び広告代理店に提供している広告配信プラットフォームです。Logicadの大きな特徴は、自社開発のAIを活用したターゲティング及び入札最適化機能、大規模な広告配信リクエストを高速かつ安定的に処理する基盤、並びに多様な媒体への接続を通じた広範な広告配信面にあります。2026年3月末現在、月間約10,968億件を超える入札リクエストに対して、3,400件を超える広告キャンペーン(注5)を運用していますが、各広告キャンペーンにおいて最適と予測した価格を瞬時に判断して応札しております。秒間最大48万件を超える膨大なオークション情報を平均数ミリセカンド(注6)でリアルタイムに処理するビッグデータ処理技術により、タイムアウト(注7)の発生を抑制し、安定した広告配信を実現しております。
また、SMNグループは、テレビ視聴データ、属性・行動データ、購買データ等の多様なデータとの連携を通じて、広告配信ターゲティング及び効果分析の高度化に取り組んでおります。これにより、クライアントは、自社の商品・サービスに関心を持つ可能性の高いユーザーに対し、より適切なタイミングで広告を配信することが可能となります。
デジタルハウスエージェンシーはDSP「Logicad」の開発・運用を通じて培ってきた高度なテクノロジーと専門的な広告運用知見を最大限に活用し、クライアントのデジタルマーケティング活動の内製化及び高度化を支援するサービスです。現在、多くのクライアントが、データのサイロ化、ブラックボックス化、局所最適の限界といったマーケティング上の課題を抱えております。
SMNのデジタルハウスエージェンシーは、クライアントの抱える課題を克服するために、自社プロダクトの開発・運用で培った技術力、AI技術、ビッグデータ処理、データ可視化、広告運用及び効果分析に関する知見を活用し、戦略策定支援、広告運用設計、データ分析基盤の構築、効果測定、改善施策の実行支援及びノウハウ移転等を提供しております。これにより、クライアントが自社で有するデータに基づいた効率的かつ透明性の高いデジタルマーケティングの実行を支援し、企業の経営に直結するマーケティング意思決定の高度化を実現し、顧客の持続的な事業成長に貢献しております。
2.マーケティングソリューション
連結子会社のSMT株式会社はクローズド型アフィリエイトサービス「SCAN(スキャン)」を提供しております。アフィリエイトサービスとは、インターネット上で商品やサービスを販売しているクライアントの広告を、WEBサイトやスマートフォンアプリ等の媒体に掲載し、広告掲載の成果(商品購入、会員登録の実績等)に応じて報酬を得るサービスです。
SMNのクローズド型アフィリエイトサービス「SCAN」は、SMNの独自の審査により厳選した媒体に限定した広告掲載を通じて、広告品質の管理及び成果に応じた効率的な広告出稿を図り、クライアントの投資効果の最大化を支援しております。
3.デジタルソリューション
連結子会社の株式会社ASAはWebサイト、モバイル(Webアプリケーションなど)をはじめとするデジタルコンテンツの制作及び開発を行っております。SMN株式会社では全国各地のテレビCMメタデータの販売などのプロモーション関連領域のサービスを提供しています。
なお、連結子会社であったルビー・グループ株式会社では、ラグジュアリーブランド向けEコマースの構築・運営・コンサルティングを提供しておりましたが、前連結会計年度において株式譲渡を実施し、連結の範囲から除外しております。
4.その他
テレビ番組表ポータル「テレビ王国」の広告枠の企画及び販売事業、キャラクター「PostPet」のライセンス事業、アーティストやキャラクター等、IP(知的財産)の価値を最大化するIPプロデュース事業等を行っています。
5.用語
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注1. |
ビッグデータ |
従来のデータベース管理システムなどでは処理することが困難なほど巨大で複雑なデータ集合の集積物。 |
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2. |
DSP (Demand Side Platform) |
広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォーム。媒体側の広告収益の最大化を支援するプラットフォームであるSSP(Supply Side Platform)と対になる仕組みであり、両者はRTB(Real Time Bidding)を通して、広告枠の売買をリアルタイムに行っている。「Logicad(ロジカド)」の場合、2026年3月末現在、複数のSSPと接続しており、月間約10,968億件を超えるリクエストを処理している。 |
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3. |
RTB (Real Time Bidding) |
媒体を閲覧したユーザーの1インプレッション毎にインターネット広告枠の売買がリアルタイムにオークション形式で行われる仕組み。 |
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4. |
インプレッション |
媒体に掲載される広告の効果を計る指標の一つで、広告の掲載回数のこと。媒体にユーザーが訪れ、広告が1回表示されることを1インプレッションという。 |
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5. |
広告キャンペーン |
広告主から受託した広告を管理するための単位で、商品やサービス毎に広告キャンペーンを作成しており、広告キャンペーン毎に予算やターゲットユーザー、地域などを設定。「Logicad」の場合、同一商材であっても、PC向けとスマートフォン向けの広告で別の広告キャンペーンとしてカウントしている。 |
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6. |
ミリセカンド |
時間の単位のひとつで、1,000分の1秒のこと。 |
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7. |
タイムアウト |
SSPが受け付ける各DSPによるオークションの入札期限のこと。「Logicad」の場合、2026年3月末現在、平均数ミリセカンドでの入札を実現することで、タイムアウトによる広告出稿機会のロスを防いでいる。 |
6.事業系統図
以上の内容を事業系統図に示すと、次のとおりであります。
(注)親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社とは、SMNグループサービスのアドテクノロジーにおいて取引を行っており、「Logicad」の広告枠の販売、デジタルハウスエージェンシーの提供を行っております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてSMNグループが判断したものであります。
(1) 経営方針
SMNグループは、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学の3つのコアテクノロジーを軸に「情報通信技術の進歩を人に優しいかたちにして、愉快なる未来を創る」というミッションのもと、発想力と技術力を磨き、新しい事業を次々生み出すべく、尽力してまいります。
また、2024年3月期は経営方針として、既存事業改善によるキャッシュ創出力強化に向けた「新アルゴリズム導入による効果改善」「ASP市場におけるポジションチェンジの推進」「ASA海外拠点展開による売上拡大」、新たに柱となる事業の育成による再成長のための「独自DSP立ち上げ支援サービス強化」「AIを活用したDTC支援ソリューションの立ち上げ」を経営方針として取り組みました。
(2) 経営戦略等
SMNグループが保有する人工知能「VALIS-Engine」やビッグデータ処理等の技術を適用することにより、競争優位が生まれる領域へ展開し事業規模の拡大を目指しております。
(3) 経営環境
SMNグループが事業を展開しているインターネット広告市場は、引き続き拡大を続けております。「2023年日本の広告費」(株式会社電通調べ)によると、2023年のインターネット広告費は、コネクテッドTVの利用拡大に伴う動画広告需要の高まりや、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に寄与し、前年から7.8%増加して3兆3,330億円となりました。成長が見込まれるインターネット広告市場では、SMNグループを取り巻く競争環境や市場環境が日々変化しております。SMNグループは技術革新や市場の変化への対応、システムの強化、組織人事体制の構築等の経営課題に取り組むことで、経営環境の変化に対処していく方針であります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 技術革新及びインターネット広告を中心とした関連市場の変化への対応
SMNグループが主に事業展開を行うインターネット広告業界は、人工知能の進化など、近年急速な変化の中にあります。これに対応し、SMNグループは業界の技術革新や市場の動向に対応したサービスの迅速な開発と提供に取り組んでいく方針であります。
② ビッグデータを高速処理するシステムの安定運用
SMNグループのコアプロダクトであるDSP「Logicad」は、SSPやアドエクスチェンジから送られてくる入札リクエストと広告主・広告代理店から依頼された多数の広告キャンペーンの膨大な組み合わせをSMNのサーバー上にてミリセカンドで処理する必要があり、しかも、そのデータ量は急速に増加する傾向にあります。今後も安定した事業運営を行うためには、急激に増加するアクセス数を考慮したサーバー設備の強化、並列処理システムの導入等による負荷分散が必要となります。また、電力供給の制約や、火災・風水害・地震をはじめとする災害、サーバーやネットワークへの不正アクセス等、想定し得る様々な危機に対しても、適切に対処していく必要があります。今後もSMNグループのサービスの改善を行うとともに、中長期的視野に立った設備投資を行い、システムの安定性確保に取り組んでいく方針であります。
③ 優秀な人材の確保と教育制度の充実
SMNグループは、今後の成長のために、優秀で多様性のある人材の確保が不可欠であると認識しております。
新卒採用、中途採用いずれにおいてもダイレクトリクルーティングの利用や採用広報の検討を行い、採用方法の多様化に取り組んでいます。また外部からアドバイザーを招き採用活動の精度の向上に努めています。
SMNの求める専門性や資質を兼ね備えた人材の登用を進めるとともに、研修制度の充実等、教育体制の整備を進め、人材の定着と能力の底上げを行っていく方針であります。
④ グループ全体での内部管理体制強化
SMNグループは成長段階にあり、グループ会社を含め業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行うこと、定期的に内部監査を実施することによってコンプライアンス体制を強化することなど、コーポレート・ガバナンス機能の充実を行っていく方針であります。また、SMNは、2016年6月開催の定時株主総会でご承認をいただき、「監査等委員会設置会社」に移行しております。監査等委員会設置会社とは、業務執行者に対する監査機能の強化を目的として、取締役3人以上で構成され、社外取締役がその過半数を占める監査等委員会を設置し、その監査等委員会が取締役の監査・監督を行います。SMNでは、このような経営体制をとおして、コーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化に取り組んでいく方針です。
⑤ サステナビリティ経営の推進
SMNグループは、持続可能な社会の実現のため、SMN取締役会の指導・監督の下、SMNのサステナビリティ活動に関する全体計画の立案、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価を行うサステナビリティ委員会を設置しております。現在の活動状況に関しては、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。
(5) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
SMNグループは継続的な成長をめざしており、重要視している経営指標は、売上高及び営業利益であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
SMNグループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、SMN株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてSMNが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関するリスクについて
① インターネット広告市場について
SMNグループのマーケティングテクノロジー事業は、インターネット広告市場を主たる事業対象としておりますが、広告業界においては、景気動向によって広告への支出を増減させる広告主が多いため、景気変動の影響を受けやすい傾向にあります。また、インターネット広告業界においては、技術、顧客ニーズ及び競争が急速に変化することから、頻繁に新しい商品及びサービスの導入、新たな競争相手等が出現しており、SMNグループにおいてもこれらの変化等に迅速に対応していく必要があります。
インターネット広告市場は、テレビ広告市場を上回るまでに成長しておりますが、今後これらの状況に変化が生じ、企業がインターネット広告への支出を削減する場合、またSMNが急速な環境変化への対応が遅れる場合等には、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② プログラマティック広告取引について
SMNグループのコアプロダクトであるDSP「Logicad(ロジカド)」は、プログラマティック(RTBによるインターネット)広告取引に特徴があります。プログラマティック広告は、広告の費用対効果を高め、効率的な広告出稿を実現するテクノロジーとして、国内の広告業界でも相応のシェアを占めるにいたりました。しかしながら、一部メディアでは従来の非プログラマティックな広告取引への回帰がみられるなど、その将来性はいまだ不透明な部分があることから、今後においてプログラマティック広告の普及及び利用が想定どおり推移しない場合、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 技術革新について
SMNグループは、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学の専門家を採用し、開発チームとして組織することで、新技術の開発に積極的に取り組んでおります。しかしながら、何らかの理由により、SMNグループにおいて急激な環境変化への対応が遅れた場合には、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があり、また、対応が可能であったとしても、追加の多大な費用や投資の負担が発生する可能性があり、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合について
SMNグループのマーケティングテクノロジー事業における主な競争相手は、国内外において複数社存在しており、今後も競合他社による新規参入、市場環境の変化等により、競争が激化する可能性があります。また、競合他社の中には、SMNグループに比べ強い財務基盤、広い顧客層及び高い知名度などを有している企業、SMNグループにはないサービス及び商品を提供する企業があります。SMNグループはプロダクトの競争力の源泉であるビッグデータ処理、人工知能、金融工学の3つをコアテクノロジーとして強化していくことで、競合他社と比較して競争力の高いプロダクトを継続して開発していく方針であります。しかしながら、競合先の営業方針、価格設定及び提供するサービス及び商品は、SMNグループの属する市場に影響を与える可能性があり、これらの競合先に対し効果的な差異化を図れず、SMNグループが想定している事業進展が図れない場合には、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的規制について
インターネット関連分野においては、インターネット上のプライバシー保護の観点からcookie(ウェブサイト閲覧者のコンピューターにインストールされ、ユーザーのウェブ閲覧履歴を監視するテキストファイル)に対する規制など、インターネット利用の普及に伴って法的規制の在り方等については検討が引き続き行われている状況にあります。このため、関係諸法令の改正の動向によっては新たな法令遵守体制の構築が必要とされる可能性があり、今後、SMNの事業運営において何らかの法規制に関連する紛争が発生した場合には、その管轄地、準拠法を含め、当該紛争に関する法的判断を的確に予想することができず、SMNが法的リスクを負担せざるを得ない状況となる恐れがあります。また、今後のインターネットに対する日本を含む各国の法規制のあり方次第では、SMNグループの将来の事業展開が制約を受け、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、知的財産権について、過去もしくは現時点において、SMNグループが第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、SMNグループの事業分野でSMNグループの認識していない特許等が成立した場合又は競合他社が特許等を取得した場合、その内容によっては競争の激化又はSMNグループへの損害賠償やロイヤルティの支払請求、使用差止請求等が発生し、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスクについて
① DSPにおける仕入先について
SMNグループのコアプロダクトであるDSP「Logicad」は、取引形態の性質上、広告枠を提供するSSP事業者又はアドエクスチェンジ事業者からの広告枠の仕入が必要となります。SMNにおいては、新規仕入先の開拓等の施策により、広告枠の確保に努めております。しかしながら、SSP事業者又はアドエクスチェンジ事業者の方針、事業戦略の転換等によって、取引が継続されず広告枠の仕入ができなくなった場合には、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② DSPにおける販売先について
SMNグループのコアプロダクトであるDSP「Logicad」の大部分は、広告代理店を経由し広告主へ販売されております。SMNグループにおいては、勉強会の開催によるSMNプロダクトの紹介、新規広告代理店の開拓等の施策により、広告代理店との関係性強化に努めております。しかしながら、主要広告代理店の販売状況や経営環境に変化が生じた場合、もしくは主要広告代理店が他の競合サービスの取り扱いを増やした場合、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 季節変動について
SMNグループのアドテクノロジーの売上は、広告主の広告予算により構成されるため、広告主による月ごとの予算配分に影響を受け、1~3月に集中する傾向にあります。このため、安定的に月次業績が推移する業種に比べ、売上及び利益の変動が起こりやすく、大きく下振れ幅が顕著な場合にはSMNグループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
④ 新規サービスについて
SMNグループは、アドテクノロジー及びマーケティングソリューション以外の新規サービスへ取り組んでおりますが、これによる人件費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、当初の予測とは異なる状況が発生し、新サービスの展開が計画どおり進まない場合、投資を回収できず、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 海外企業との取引及び海外展開について
SMNグループでは、DSP「Logicad」において海外の企業と取引を行っております。これらの取引は、国際政治にかかわるリスク、地域特性によるリスクや為替変動によるリスクがあり、こうしたリスクが顕在化した場合、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
海外子会社の財務諸表は原則として現地通貨で作成後、連結財務諸表作成のため円換算されております。したがって、決算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値がSMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) システム等に関するリスクについて
SMNグループのコアプロダクトであるDSP「Logicad」は、利用しているサーバーの全てについて、24時間、365日の管理体制を敷いています。これらサーバーについては、重要性に鑑み、原則として二重化する等の不慮の事故への対策を講じています。しかしながら、不可抗力による緊急事態又は偶発事故の発生、行政もしくは司法当局による規制、地震、火災、洪水その他の自然災害や、十分な電気もしくは他のエネルギーの不足又は取得不能による停電、ソフトウエア又はハードウエアの故障や致命的欠陥、コンピュータウイルスやネットワークへの不正侵入、サービス提供妨害その他の破壊的行為、その他SMNに通信回線を提供している電気通信事業者の行為等(以上の事象を含むがこれらに限定されるものではない)により、通信回線が提供されない、通信回線及びサーバーが使用不能となる、復旧まで多大の時間と労力を要する、又は復旧の目処が立たず、サービスの再開が不可能になる等の可能性があり、これらの場合にはSMNグループの経営、事業の継続性等に重大な影響を及ぼす可能性があります。この場合、SMNグループの信用が毀損し、SMNグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 事業運営体制に関するリスクについて
① 小規模組織について
SMNグループは小規模組織であることから、代表取締役を含む役員、幹部社員等の専門的な知識、技術、経験を有している役職員が、経営方針や事業戦略の決定、技術的な判断・遂行において重要な役割を果たしております。SMNグループでは、取締役会や事業執行会議等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図っており、特定人物に過度に集中しない体制整備を進めておりますが、これらの役職員が何らかの理由により退任、退職し、後任者の採用が困難になった場合には、SMNグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② 人材の確保及び育成について
SMNグループの事業展開においては、技術力を持つ人員のみならず、サービスの販売、運用調整を行う人員も重要な役割を果たしています。技術開発人員において創造性、技術力、サービス販売・運用人員において営業力、運用力、実行力、管理部門強化のために管理能力等様々な能力を有する人材を確保する必要がありますが、インターネット関連ビジネスにおいては人材の流動性が高いため、今後必要な人材を十分に確保できない恐れがあります。SMNグループは人材の採用、育成に努め、また一部業務の外注化やシステム化等の業務内容の効率化に取り組みますが、必要な人材を十分に採用、育成できなかった場合には、SMNグループの将来の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制について
SMNグループは、SMNグループの企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、SMNグループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(5) その他
① 配当政策について
SMNグループは、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。現在SMNグループは成長過程にあると認識しており、内部留保の充実を図り、収益力強化や事業基盤整備のための投資に充当することにより、なお一層の事業拡大をめざすことが、将来において安定的かつ継続的な利益還元に繋がるものと考えております。将来的には各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案したうえで株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。
② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
SMNグループでは、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は128,000株であり、発行済株式総数14,706,548株の0.9%に相当します。権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、SMN株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
③ M&A及び資本業務提携について
SMNグループは、同業他社等に対するM&Aや資本業務提携を実施することによりSMNグループの事業を補完・強化することが可能であると考えており、出資及びM&Aを積極的に検討してまいります。その際、対象企業や事業の財務、税務、法務、ビジネス等について詳細なデューデリジェンスを行うなど、意思決定のために必要かつ十分と考えられる情報収集、精査、検討をすることにより、可能な限りリスク回避に努めておりますが、出資及びM&A後において、SMNグループが認識していない問題が明らかとなった場合や、市場環境や競合状況の変化及び何らかの事由により事業展開が計画どおりに進まない場合、対象企業の株式価値や譲り受けた事業資産の減損処理を行う必要が生じるなど、SMNグループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。
④ 繰越欠損金について
SMNは、税務上の繰越欠損金を有しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後とも当該繰越欠損金の繰越期間の使用制限範囲内においては納税額の減少により、キャッシュ・フロー改善に貢献することとなります。しかしながら、SMNの業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合には、所定の税率にもとづく法人税等の納税負担が発生するため、SMNグループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) ソニーグループとの関係について
① ソニーグループ内におけるSMNの位置づけについて
SMNグループはソニーグループ株式会社を中心とした企業集団に属しております。ソニーグループ株式会社の完全子会社であるソニー株式会社の完全子会社(ソニーグループ株式会社の完全孫会社)としてSMN株式を直接保有する親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は「エンタテインメント・テクノロジー&サービス」セグメント(提出日現在)に区分され、SMNグループはその中においてインターネット関連サービスを展開する企業集団として位置付けられております。
ソニーグループ内においては、インターネット関連サービスを展開する企業は他にも存在しますが、SMNグループは主にRTBを活用したDSPを広告主及び広告代理店向けに提供する事業を国内において展開しており、これらの企業との事業及び展開地域における競合は生じておりません。
これらのことから、SMNグループ事業に係るソニーグループ内における競合は生じておらず、また現時点では今後発生する予定はないものと認識しておりますが、将来的にソニーグループの経営方針に変更が生じた場合等には、SMNグループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
② ソニーグループとの取引及び取引条件について
ソニーグループ内において、ソニーグループ株式会社の完全孫会社でありSMN株式を直接保有する親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社とは、SMNグループのアドテクノロジーにおいて通信サービスとの広告宣伝取引を行っております。当該取引にあたっては、SMNの利益を害することのないよう、他の広告主と同等の取引条件としております。
③ ソニーグループとの人的関係について
本書提出日現在、SMN取締役6名のうち、SMNグループの親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社の業務執行者1名を選任しています。兼任している役員は以下のとおりであります。
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SMNにおける役職 |
氏名 |
兼務先における役職 |
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取締役(非常勤) |
中川 典宜 |
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 代表取締役 執行役員社長 |
また、SMNグループの事業展開においては、創造性、技術力、実行力、管理能力等様々な能力を有する人材を確保する必要があります。しかしながら、インターネット関連ビジネスにおいては人材の流動性が高いため、優秀な人材を適時に採用することは容易ではありません。そのため、SMNグループではソニーグループの人的資源を活用し、経営体質の強化と事業の拡大に資するため、これまで出向者を受け入れてきました。なお、現在、SMNグループの各部門を統括し、承認権限を持つ者は、原則としてソニーグループ各社からSMNに転籍しています。
なお、SMNグループに対するソニーグループの出資比率が変更された場合には、これらの人的関係が変動する可能性があります。
④ ソニーグループとの資本的関係について
当連結会計年度末現在において、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社はSMN株式7,861,200株(SMN議決権比率の54.07%)を保有しており、SMNグループはソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社の子会社となっております。ソニーグループにおいて、その出資比率は、直接保有、間接保有分を含め、当面過半数が維持される見込みです。しかしながら、何らかの理由によりソニーグループの出資比率が過半数を下回った場合、後記「5 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、特許権においてソニーグループ株式会社の保有する広範な特許資産を利用することができなくなる可能性があり、他社の特許侵害回避や訴訟等への対応で費用が発生し、SMNグループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。一方で、ソニーグループの評判が何らかの理由で著しく損なわれた場合、それがSMNグループに起因するものでない場合にも、SMNグループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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